JP2001097081A - 車両用回転座席 - Google Patents

車両用回転座席

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JP2001097081A
JP2001097081A JP27750599A JP27750599A JP2001097081A JP 2001097081 A JP2001097081 A JP 2001097081A JP 27750599 A JP27750599 A JP 27750599A JP 27750599 A JP27750599 A JP 27750599A JP 2001097081 A JP2001097081 A JP 2001097081A
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seat
rotation
vehicle
lock
seat body
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JP27750599A
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English (en)
Inventor
Yoshiro Suehiro
吉郎 末廣
Yoshiyuki Miura
芳幸 三浦
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Toyota Auto Body Co Ltd
Original Assignee
Toyota Auto Body Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高齢者あるいは身障者用として適用され、回
転座席が車両前方を向く着座位置と、車両側方を向く横
向き位置の間を回転する車両用回転座席において、前記
回転座席を着座位置又は横向き位置にロックする回転ロ
ック機構の回転ロック解除動作及び回転座席の回転動作
をそれぞれ電動化することによって操作の簡便化を図
る。 【解決手段】 座席本体2を支持する座席台5を回転支
持台10上に回転可能に設け、回転駆動用の電動モータ
91によって駆動ギヤ92及び従動ギヤ93を介して座
席台5を回転できる構成とする。また、座席台5を着座
位置又は横向き位置にロックする回転ロック機構70を
設け、回転ロック解除用の電動モータ73により操作ワ
イヤ71を介して回転ロック部材74を回動動作し、回
転ロックプレート75,75から解除可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば高齢者や
身体障害者等の乗員が楽に乗り降りできる車両用回転座
席に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の回転座席は、乗員が楽に乗降で
きるようにするため、乗員を着座姿勢のままドア開口部
側に回転させるよう構成したものであるが(例えば実開
昭61−57047号公報、特開昭62−173343
号公報)、一般に車両用の座席は乗員の足元を広くする
ために極力後部寄りに設定されるため、例えば4ドアセ
ダン型乗用車の座席のように、前列および後列の座席が
センターピラーあるいはリヤピラーの横に隠れるように
配置されている。
【0003】このため、座席をその場で回転させたので
は、横に位置するピラー等が邪魔になって乗降口側まで
回転させることができない。そこで従来の回転座席は、
一旦前方へスライドさせてピラー等の干渉範囲外へ移動
させた後に、ドア開口部側に回転させる構成となってい
た。このように、従来の回転座席は、前方へスライドさ
せる操作とドア開口部側に回転させる操作を行う必要が
あるため、その操作が面倒で使い勝手がよくないという
問題があった。なお、座席をその場で回転できるように
するために座席の位置を前寄りに設定すれば、乗員の足
元のスペースが犠牲になり、窮屈な姿勢を強いられる。
【0004】このような不具合を解決するものとして、
特開平10−329591号公報に記載の車両用回転座
席が提案されている。この公報記載の車両用回転座席
は、車両前方に向いた着座位置から車両側方を向く横向
き位置へ回転させたとき、回転動作の途中からはその回
転動作を継続したまま前方に移動できるようにしたもの
である。このような車両用回転座席によると、乗員の足
元のスペースを犠牲にすることなく、使い勝手のよい車
両用回転座席を提供することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特開平
10−329591号公報に記載された車両用回転座席
においては、回転座席が着座位置にある時、及び横向き
位置にある時には、回転ロック装置によって回転座席を
ロックして不測の回転を規制している。従って、回転座
席を回転動作させるに先立っては、回転ロックを解除す
る必要がある。ところが、従来の車両用回転座席におい
ては、回転座席の回転ロック解除動作及び回転操作をそ
れぞれ手動で行っているため、操作が煩わしく面倒であ
るという問題がある。
【0006】本発明は、上述した従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、回転座
席が車両前方を向く着座位置と車両側方を向く横向き位
置の間を回転する車両用回転座席において、回転座席の
回転ロック解除動作及び回転動作を電動化することによ
って操作の簡便化を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明に係る車両用回転座席は、特許請求の範囲の
各請求項に記載の通りの構成を備えた。従って、請求項
1に記載の発明によれば、座席台を着座位置と横向き位
置との間で回転させる場合において、座席台の回転ロッ
ク解除動作及び回転動作を電動で行うことができる。そ
して、その操作は電源を投入(スイッチ操作)するだけ
であるから、手動によって行う場合に比べると、その操
作を頗る簡便化できる。また、電動アクチュエータによ
る回転ロック解除動作が起動後、駆動装置による座席台
の回転駆動動作が起動されるように構成したので、個々
に操作スイッチを操作する場合に比べると、操作をより
一層簡便化できる。
【0008】また、請求項2に記載の発明によれば、電
動アクチュエータが、回転運動を直線運動に変換して出
力する電動モータから構成され、その電動モータの回転
動作がケーブルによって前記回転ロック機構に入力され
る構成としたことによって、回転ロック機構と、電動ア
クチュエータとを距離を隔てた位置に配置することがで
きる。このため、回転ロック装置及び電動アクチュエー
タの配置スペースの設定(確保)が容易であり、周辺機
器との干渉を回避しつつ自由度の高い取り回しが可能で
ある。
【0009】また、請求項3に記載の発明によれば、座
席台の回転ロック解除動作の起動と、回転駆動動作の起
動をタイマーを用いて制御するため、構造が簡単である
上に正確な起動タイミングを得ることができる。また、
回転ロック解除動作の起動から回転駆動動作の起動まで
の設定時間の調整を楽に行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の第1実施形態を図
1〜図14に基づいて説明する。図1は、本実施形態に
係る車両用回転座席1の全体を示している。この回転座
席1は、座席本体2(図2)と、この座席本体2を支持
する座席台5(図3)と、この座席台5を回転可能に支
持するための回転支持台10(図4)と、この回転支持
台10を車両前後方向に移動させるための前後方向支持
台30(図5)と、この前後方向支持台30を車両幅方
向に移動させるための幅方向支持台50(図6)を備え
ている。なお、図1〜図6では、車両前方を矢印「前」
で示し、ドア開口部側を矢印「外」で示している。ま
た、以下の説明では、座席本体2が車両前方を向いた位
置を着座位置といい、乗降のためにドア開口部に対向す
る車両側方を向いた位置を横向き位置といい、車外に移
動された位置を乗降位置という。
【0011】先ず、図2に示すように、座席本体2はシ
ートクッション2aとシートバック2bを有し、本発明
の実施にあたり特に変更を要しない。座席台5は、シー
トクッション2aの下面に取付けられており、図3に示
すように、その前部には着座者が足を載せておくための
フットレスト5aが支持アーム5b,5bを介して取付
けられている。
【0012】この座席台5の下面には、それぞれ円弧形
状をなすピニオンギヤ6と、スライドロック自動解除プ
レート7が取付けられている。ピニオンギヤ6と後述す
るラック38が、特許請求の範囲に記載した連動手段の
一形態を構成する。スライドロック自動解除プレート7
は後述するスライドロック機構80を自動的に解除する
機能を有する。また、この座席台5の後側には、回転ロ
ック解除用の電動アクチュエータ73及び回転ロック部
材74が配置されている。この電動アクチュエータ73
及び回転ロック部材74は、後述する回転ロックプレー
ト75,75等と協同して回転ロック機構70を構成す
る。
【0013】なお、この座席台5の両側に形成された4
箇所の孔5c〜5cは、当該座席台5を座席本体2の下
面に固定するためのボルト挿通孔として用いられ、車外
側後部寄りにおいて同一円周上に沿って配置された6箇
所の孔5d〜5dは、当該座席台5を後述する回転支持
台10の回転リング11に固定するためのボルト挿通孔
として用いられる。
【0014】このように構成された座席台5は、回転リ
ング11を介して回転支持台10の上面側に回転可能に
支持されている。図4に示すように回転リング11は内
輪11aと外輪11bを有し、図示は省略したが両輪1
1a,11bの間には多数の鋼球が介装されている。内
輪11aが上記座席台5の下面に固定され、外輪11b
は回転支持台10の上面に固定されている。この回転リ
ング11によれば、着座者および座席本体2等の重量を
受けつつ内輪11aが外輪11bに対して回転すること
により座席本体2が回転支持台10に対して回転する。
【0015】回転支持台10上には座席台5を回転駆動
するための回転駆動装置90が設けられている。この回
転駆動装置90は、図4及び図10に示すように、駆動
源としての正逆転可能な電動モータ91と、該電動モー
タ91の出力軸に設けられた駆動ギヤ92と、この駆動
ギヤ92に常に噛み合う略90度の円弧形状の従動ギヤ
93とから構成されている。なお、従動ギヤ93は図3
に示すように、その円弧中心が座席台5の回転中心とな
るよう座席台5の下面に設けられている。
【0016】回転支持台10の両側部には断面コ字型の
スライドレール12,12が車両前後方向に沿って相互
に平行に取付けられている。また、この回転支持台10
における回転リング11のほぼ中央前部には、スライド
ロック機構80が配置され、スライドロック機構80に
ついては後述する。また、両スライドレール12,12
の前端には弾性ゴム製のストッパ片12a,12aが取
付けられている。これについても後述する。さらに、回
転支持台10の後側両角部には、回転ロック機構70の
構成部材である回転ロックプレート75,75が配置さ
れている。この回転ロック機構70についても後述す
る。
【0017】このように構成された回転支持台10は、
前後方向支持台30により車両前後方向に移動可能に支
持されている。この前後方向支持台30は、図5に示す
ように車両幅方向に沿って相互に平行な2本の主枠3
1,31と、両主枠31,31の車内側端部間と車外側
端部間に掛け渡し状に取り付けた支持枠32,32(車
外側の支持枠32は図示省略されている)から構成され
るフレームの上面にベース33を取り付けた構成となっ
ている。
【0018】ベース33の車内側および車外側の端縁は
上方へ一定の幅で折り曲げられて折曲げ縁33a,33
aとされ、この両折曲げ縁33a,33aの内面には、
それぞれ2個の縦ローラー36,36と2個の横ローラ
ー37,37が回転可能に設けられている。縦ローラー
36,36は、その回転軸線を横向きにして縦方向(上
下方向)に回転し、横ローラー37,37はその回転軸
線を縦向きにして横方向(水平方向)に回転する。この
片側2個の縦ローラー36,36と2個の横ローラー3
7,37により、上記回転支持台10のスライドレール
12,12が支持されており、これにより回転支持台1
0が車両前後方向に移動可能に支持されている。縦ロー
ラー36〜36により上下方向のガタ付きが抑制され、
横ローラー37,37により車両幅方向のガタ付きが抑
制されることにより回転支持台10は車両前後方向にス
ムーズに移動する。
【0019】次に、両主枠31,31の車外側の端部間
には支軸39が回動可能に支持され、この支軸39に平
板形状をなすラック38が取付けられている。また、こ
の支軸39の中程にはスライドロック手動解除レバー6
7が取付けられており、このスライドロック手動解除レ
バー67を上下に回動操作して、支軸39を回動させる
とラック38がその側縁を中心にして上下に回動する。
このラック38は、スライドロック手動解除レバー67
を操作しない時には水平に保持され、この時上記座席台
5の下面に取り付けたピニオンギヤ6に噛合い可能とな
る一方、同レバー67を下方へ回動操作してラック38
を上方へ回動させると、このラック38はピニオンギヤ
6に対して上方へ変位するため相互に噛合い不能な状態
となる。
【0020】ここで、ピニオンギヤ6は、図3および図
10に示すように略90°の範囲の円弧形状を有し、そ
の噛合い当初側(反時計回り方向の端部側、以下同じ)
の一定角度範囲(本実施形態では約40°)には噛合い
歯が形成されていない。このため、座席本体2をその着
座位置(車両前方に向いた位置、図中実線で示す位置)
から、図中矢印で示すようにドア開口部側(反時計回り
方向)へ回転させ始めた当初約40°の範囲は、ピニオ
ンギヤ6とラック38は噛み合わず、従って座席本体2
は回転するのみで、車両前方へは移動しない(非連動範
囲)。座席本体2をさらに回転させると、ピニオンギヤ
6がラック38に噛合い、これにより座席本体2は回転
しつつ車両前方へ移動する(連動範囲)。
【0021】ピニオンギヤ6の噛合い当初側の端部には
突起6aが形成されており、この突起6aは座席本体2
が着座位置に位置する時にラック38の後端部38aに
当接し、これにより着座位置における当該座席本体2の
反ドア開口部側(図10において時計回り方向)への回
転が阻止されるとともに、その位置でのガタ付きが防止
される。
【0022】図5に示すように上記支軸39にはスライ
ドロック手動解除レバー67の他に、同じくスライドロ
ック手動解除機構60を構成するリンクアーム61の一
端が固定されている。このスライドロック手動解除機構
60はベース33の下面に設けられており、これについ
ては後述する。
【0023】次に、両主枠31,31の側面には、それ
ぞれ3個の縦ローラー34〜34と、2個の横ローラー
35,35が回転可能に取付けられている。この片側3
個の縦ローラ34〜34と2個の横ローラー35,35
が、それぞれ以下説明する幅方向支持台50のスライド
レール51,51の内側に転動可能に挿入されており、
これにより当該前後方向支持台30が車両幅方向に移動
可能に支持されている。すなわち、前後方向支持台30
の横移動は、座席本体2を横向き位置と乗降位置との間
を移動するために行われる。
【0024】図6に示すように、幅方向支持台50は、
車両幅方向に沿って相互に平行な2本のスライドレール
51,51を備えている。両スライドレール51,51
は図示するように断面コ字型をなし、上記したようにそ
の内側に前後方向支持台30の縦ローラー34〜34お
よび横ローラー35〜35が転動可能に支持されてい
る。両スライドレール51,51は、車外側ブラケット
52と車内側ブラケット53により車両フロア上に設置
されている。車内側ブラケット53は車外側ブラケット
52よりも脚部が長く形成されているので、両スライド
レール51,51は、車車内から車外(ドア開口部側)
に向けて下傾している(図12参照)。
【0025】また、両スライドレール51,51の側方
には、それぞれねじ軸54が回転可能に支持されてお
り、その車内側端部はそれぞれ電動モータ55の出力軸
に連結されている。両ねじ軸54,54には、ねじ嵌合
するナット(図示省略)を介してブラケット56が取付
けられている。上記電動モータ55,55が同一回転数
で正転すると、両ブラケット56,56が同一速度で車
外側(図示左方)へ移動し、同一回転数で逆転すると両
ブラケット56,56が車内側(図示右方)へ同一速度
で移動する。両電動モータ55,55の起動停止は、ド
アトリムボードのアームレスト部に設置した操作スイッ
チ(図示省略)によりなされる。
【0026】両ブラケット56,56は、前後方向支持
台30の主枠31,31に固定されている。このため、
上記のように電動モータ55,55を正転または逆転さ
せると、この前後方向支持台30ひいては座席本体2が
車両幅方向に移動し、これにより座席本体2をドア開口
部を経て横向き位置から車外の乗降位置に移動させ、ま
たは車外から車内に戻すことができる。また、前記した
ように幅方向支持台50の両スライドレール51,51
は車内から車外(ドア開口部側)に向けて下傾している
ため、図11に示すように座席本体2は車外に移動しつ
つ徐々に低い位置に変位し、最終的に車外の乗降位置に
至ると、車内の着座位置での高さより座面が寸法Hだけ
低くなる。このように乗降位置を車内の着座高さよりも
低い位置に設定することにより、例えば車椅子(通常車
内の着座高さよりも低い)と座席本体2との間を楽に乗
り移ることができる。
【0027】次に、本例の回転座席1には、座席本体2
の回転をロックするための回転ロック機構70と、車両
前後方向の移動をロックするためのスライドロック機構
80と、このスライドロック機構80を手動操作で解除
するためのスライドロック手動解除機構60とを備えて
いる。先ず、回転ロック機構70を図7、図8及び図1
0に基づいて説明する。この回転ロック機構70は、回
転ロック部材74と回転ロックプレート75,75及び
回転ロック解除用の電動アクチュエータ73を主体とし
て構成されている。
【0028】電動アクチュエータ73は、回転運動を直
線運動に変換して出力できるようにラック・ピニオンを
内蔵した電動モータによって構成されており、座席台5
の車外側後部下面に固定されている。以下の説明では、
電動アクチュエータ73を回転ロック解除用の電動モー
タ73という。電動モータ73の直線運動を行う出力軸
73aの端部には、操作ワイヤ(ケーブル)71の一端
が連結されている。この操作ワイヤ71は、保護チュー
ブ72の内周側を経て座席台5の車内側後角部に至って
いる。
【0029】座席台5の車内側後部には、回転ロック部
材74が座席台5の下面に固定された段付き平板からな
るブラケット76を介して取り付けられている。この回
転ロック部材74は略横長の平板からなり、段付きブラ
ケット76の低面側上面に配置された状態で長手方向の
略中央部を支軸74aにより水平回動可能に取り付けら
れている。回転ロック部材74は長手方向の一端部がブ
ラケット76を上下から挟み込む如くコ字形に折り曲げ
られ、そのコ字形部には、前記回転支持台10の上面側
に配置された回転ロックプレート75,75に対して係
脱可能なロックピン74bが両端支持で取り付けられて
いる。なお、ロックピン74bはブラケット76に設け
た支軸74aを中心とする円弧状のガイド孔76aに摺
動可能に嵌合されている。従って、回転ロック部材74
の回動範囲はガイド孔76aによって規制されている。
【0030】そして、ブラケット76と回転ロック部材
74との間には、ロックスプリング77が掛架されてい
る。このロックスプリング77は、ブラケット76及び
回転ロック部材74にそれぞれに設けられた切り起こし
部に掛止されており、常に回転ロック部材74をロック
方向、つまりロックピン74bが回転ロックプレート7
5,75に係合する方向に付勢している。また、回転ロ
ック部材74の長手方向の他端部は上向きに折り曲げら
れ、その折曲げ部にブラケット76上面と座席台5下面
との隙間を通して延びる前記操作ワイヤ71の他端部が
掛止されている。
【0031】このように構成された回転ロック機構70
によれば、図7に二点鎖線で示すように、回転ロック解
除用の電動モータ73を作動し、操作ワイヤ71を介し
て回転ロック部材74をロックスプリング77に抗して
支軸74a回りにアンロック方向(図示反時計回り方
向)に回転すると、ロックピン74bがロックプレート
75の凹部75aから外れて回転ロックが解除される。
回転ロックが解除されれば、座席台5ひいては座席本体
2の回転動作が可能な状態となる。
【0032】また、電動モータ73を停止すると、回転
ロック部材74はロックスプリング77によってロック
方向に戻され、これによりロックピン74bが両回転ロ
ックプレート75,75に対して係合し得る領域に戻さ
れる。従って、座席本体2が着座位置あるいはドア開口
部側に向いた横向き位置に回転されると、このロックピ
ン74bが一方の回転ロックプレート75の凹部75a
に嵌まり込み、これにより座席本体2がその位置で回転
不能にロックされる。回転ロック部材74は、図3及び
図10に示すように座席台5の車内側後ろ角部に配置さ
れ、また回転ロックプレート75,75は、図4及び図
10に示すように回転支持台10の前部と後部に座席台
5の回転中心を基準にして90度の角度差で配置されて
いるので、座席本体2を車両正面を向いた着座位置に回
転させると、後側の回転ロックプレート75に回転ロッ
ク部材74がロックされ、座席本体2をドア開口部側を
向いた横向き位置に回転させると、前側の回転ロックプ
レート75に回転ロック部材74がロックされる。
【0033】なお、座席本体2が着座位置にあるとき
は、上記のように回転ロック部材74が後側の回転ロッ
クプレート75にロックされるとともに、前記したよう
にピニオンギヤ6の突起6aがラック38の後端部38
aに当接されて、当該座席本体2の着座位置におけるガ
タ付きが防止される。また、回転ロック解除用の電動モ
ータ73を停止して、回転ロック部材74がロックスプ
リング77によりロック方向に回動されると、操作ワイ
ヤ71が図7において左方へ引っ張られるので、電動モ
ータ73の出力軸73aはロック方向に戻される。
【0034】次に、スライドロック機構80およびスラ
イドロック手動解除機構60の詳細が図9に示されてい
る。先ず、スライドロック機構80は、座席本体2を車
両前後方向移動範囲の最も後方の位置(着座者の足元ス
ペースが最も広くなる位置)に固定しておくためのもの
で、回転リング11の中央前方に配置されている(図4
参照)。このスライドロック機構80は、支点81aを
中心にして上下方向に傾動可能な傾動ブラケット81
と、この傾動ブラケット81の動作により上下方向に移
動するロックピン83を有している。傾動ブラケット8
1の一端にはローラー82が回転可能に支持されてい
る。また、傾動ブラケット81の他端81bは、ロック
ピン83に径方向へ突き出し状に設けた係合ピン83a
の下側に至っている。ロックピン83は、回転支持台1
0に設けた挿通孔10aと、回転支持台10の上面に取
り付けた支持ブラケット84の支持孔84aを介して上
下に移動可能に支持されている。支持ブラケット84と
係合ピン83aとの間には圧縮バネ85が介装されてい
るため、ロックピン83は下方に付勢されている。
【0035】ロックピン83の下部は、挿通孔10aを
経て回転支持台10の下面側に突き出されている。この
ロックピン83が圧縮バネ85により下方に移動した状
態では、その下端部が、前後方向支持台30のベース3
3に設けたロック孔30aに差し込まれ、これにより回
転支持台10が前後方向支持台30に対して前後方向移
動不能にロックされる(スライドロック)。このロック
状態において、座席本体2が車両前後方向移動範囲のう
ち最も後方の位置にロックされるよう、ロックピン83
およびロック孔30aの位置が設定されている。
【0036】一方、ロックピン83が圧縮バネ85に抗
して上方に移動すると、その下端部がロック孔30aか
ら抜き出され、これにより回転支持台10ひいては座席
本体2が前後方向支持台30に対して前後方向に移動可
能となる(スライドロックの解除)。ロックピン83の
上方への移動すなわちスライドロックの解除は、傾動ブ
ラケット81が支軸81aを中心にして図9において反
時計回り方向(スライドロック解除方向)に回動するこ
とによりなされる。この傾動ブラケット81のスライド
ロック解除方向への傾動は、座席台5の下面に設けたス
ライドロック自動解除プレート7によりローラー82が
下方へ押されることによりなされる。すなわち、座席本
体2ひいては座席台5の回転に伴ってこのスライドロッ
ク自動解除プレート7がローラー82の上側に至ると、
このローラー82がスライドロック自動解除プレート7
により一定寸法下方へ押し下げられ、これにより傾動ブ
ラケット81がスライドロック解除方向に傾動して、そ
の他端81bにより係合ピン83aが押し上げられるこ
とによりロックピン83が圧縮バネ85に抗して上方へ
移動する。
【0037】スライドロック解除プレート7により、ロ
ーラー82が押し下げられて、スライドロックが解除さ
れるタイミングは、座席本体2が回転してピニオンギヤ
6の歯がラック38の歯に噛み合う直前に設定されてい
る。このため、座席本体2を着座位置から回転させ始め
た当初約40°の範囲では、スライドロック自動解除プ
レート7がローラー82の上側まで至っていないので、
ロックピン83はロック孔30aに差し込まれた状態に
保持され、従って座席本体2は前後方向移動不能にロッ
クされた状態に保持される。
【0038】座席本体2が約40°回転した時点で、ス
ライドロック自動解除プレート7によりローラー82が
押し下げられ、これにより座席本体2が前後方向へ移動
可能な状態になる(スライドロックの自動解除)。以
後、座席本体2がドア開口部側に向いた横向き位置に至
るまで、ローラー82がスライドロック自動解除プレー
ト7により押し下げられた状態に保持され、従って前記
したようにピニオンギヤ6とラック38との噛合いを通
じて座席本体2は回転しつつ前方へ移動する。
【0039】逆に、座席本体2がドア開口部側に向いた
横向き位置から着座位置に向けて約50°回転される間
は、スライドロック自動解除プレート7によりローラー
82が押し下げられた状態に保持されて、スライドロッ
クが解除された状態に保持されるので、座席本体2は着
座位置に向けて回転しつつ、後方へ移動する。座席本体
2が横向き位置から約50°回転された時点で、座席本
体2は後方位置に戻されるとともに、スライドロック自
動解除プレート7がローラー82の上方から外れてその
押し下げが解除され、これによりロックピン83が圧縮
バネ85により下方に移動してその下端部が前後方向支
持台30のロック孔30aに再び差し込まれ、従って当
該座席本体2が後方位置で前後方向移動不能にロックさ
れる。その後、座席本体2は約40°回転動作のみし
て、車両前方を向いた着座位置に戻される。
【0040】このようにスライドロック機構80は、座
席本体2の回転動作と前後方向への移動動作とが連動さ
れるタイミングに合わせて自動的にロック・アンロック
されるようになっており、上記スライドロック自動解除
プレート7はこれを実現できる寸法および形状に設定さ
れ、またその取付け位置が設定されている。なお、座席
本体2が後方位置でロックされた状態では、上記したよ
うにロックピン83がロック孔30aに差し込まれると
ともに、前後方向支持台30の前側の縦ローラー36,
36が、回転支持台10の両スライドレール12,12
の先端に取り付けたストッパ片12a,12aに弾性的
に押圧される状態となり、これにより当該ロック状態に
おける座席本体2の前後方向のガタ付きが防止されるよ
うになっている。
【0041】このように構成されたスライドロック機構
80は、座席本体2の2動作の連動タイミングとは関係
なく手動でも解除できるようになっており、これがスラ
イドロック手動解除機構60によりなされる。このスラ
イドロック手動解除機構60は、前記した支軸39に取
り付けたスライドロック手動解除レバー67とリンクア
ーム61と、リンクアーム61の先端に支軸64aを介
して回転可能に連結した連結リンク64と、前後方向支
持台30のベース33の下面に支軸65aを中心にして
上下方向に回転可能に取り付けた傾動アーム65と、こ
の傾動アーム65の傾動により上下動するロック解除ピ
ン63を有している。傾動アーム65の一端に、支軸6
4bを介して連結リンク64の一端が回転可能に連結さ
れている。ロック解除ピン63は、前記ロック孔30a
と、ベース33の下面に取り付けた支持ブラケット62
の挿通孔(図示省略)を介して、前記ロックピン83と
同軸で上下方向に移動可能に支持されている。このロッ
ク解除ピン63の長手方向ほぼ中央には係合ピン63a
が径方向へ突き出し状に設けられており、この係合ピン
63aと支持ブラケット62との間に、上記傾動アーム
65の他端65bが至っている。
【0042】ロック解除ピン63の下部にはピン63b
が径方向へ突き出し状に設けられ、このピン63bと上
記支持ブラケット62との間には、圧縮バネ66が介装
されているため、このロック解除ピン63は下方へ付勢
されている。
【0043】このように構成されたスライドロック手動
解除機構60によれば、スライドロック手動解除レバー
67を下方へ操作しない状態(図中実線で示す状態)で
は、ロック解除ピン63が圧縮バネ66により下方位置
に保持されるので、その上面はロック孔30aの深い位
置に位置し、このため前記ロックピン83がロック孔3
0aに差し込まれてスライドロックされた状態若しくは
スライドロックされ得る状態となっている。
【0044】スライドロック解除レバー67を図中二点
鎖線で示すように、下方へ押し下げ操作(スライドロッ
ク手動解除操作)すると、リンクアーム61が支軸39
を中心にして図示反時計回り方向に回動するので、連結
アーム64の移動を通じて傾動アーム65が支軸65a
を中心にして図示反時計回り方向に回動する。こうして
傾動アーム65が回動すると、その他端65bが上方へ
移動してロック解除ピン63が圧縮バネ66に抗して上
方へ移動する。ロック解除ピン63が上方へ移動してロ
ック孔30aにさらに深く差し込まれると、その上面が
ロック孔30aの上端から突き出され、このためロック
ピン83がこのロック孔30aから押し出されて、スラ
イドロック機構80がアンロックされる。
【0045】また、上記のようにスライドロック手動解
除レバー67を押し下げ操作すると支軸39が回転する
ため、この支軸39に取り付けた前記ラック38が図中
二点鎖線で示すように上方へ傾動し、これにより前記ピ
ニオンギヤ6が座席本体2の全回転範囲についてこのラ
ック38と噛合い不能な状態となる。このように、スラ
イドロック手動解除機構60により、スライドロック機
構80を解除(アンロック)すると、座席本体2の回転
動作と前後方向移動動作との連動状態も自動的に解除さ
れる。従って、スライドロック手動解除機構60を操作
(レバー67を押し下げ操作)すると、座席本体2を回
転動作のみさせることができ、または前後方向への移動
動作のみさせることができる。
【0046】また、座席本体2を車両前方に向けた姿勢
(着座位置から回転させない姿勢)のまま、スライドロ
ックを手動解除して、当該座席本体2を車両前後方向移
動範囲の最も前方位置に移動させ、然る後スライドロッ
ク手動解除機構60の操作を解除してラック30を元の
水平位置に戻すと、ピニオンギヤ6の突起6aがラック
38の前端部寄りに設けた凹部38bに嵌まり込み、こ
れにより座席本体2がこの前方位置で移動不能にロック
される。
【0047】次に、図13は着座位置とドア開口部に対
向する横向き位置との間を回転される座席本体2の回転
動作制御システムを示す回転制御ブロック図である。図
示のように、制御回路100の入力側には、座席本体2
が着座位置にあることを検出する原位置検出手段として
の原位置リミットスイッチ101と、座席本体2が横向
き位置に回転されたことを検出する横向き位置検出手段
としての回転端リミットスイッチ102と、乗車用の操
作スイッチ103と、降車用の操作スイッチ104が接
続されている。
【0048】制御回路100の出力側には、前記回転ロ
ック機構70の回転ロック解除用電動モータ73と、座
席台5の回転駆動装置90の回転駆動用電動モータ91
が接続されている。そして、制御回路100内には、時
間計測用としてのタイマー(図示省略)が内蔵されてお
り、このタイマーの計測時間に基づいて回転ロック解除
用電動モータ73及び回転駆動用電動モータ91の作動
タイミングがそれぞれ制御されるようになっている。な
お、座席本体2のドア開口部を通しての車内外の移動、
つまり横向き位置から乗降位置との間の横移動について
は、上記の制御システムとは別途に独立した形で行われ
るように構成される。
【0049】次に、以上のように構成した回転座席1の
回転作動を図11の作動態様図及び図14のフローチャ
ートに基づいて説明する。図11(A)は座席本体2が
着座位置に位置する状態を示している。なお、図11で
は、座席本体2の回転中心(回転リング11の回転中
心)を基準にして、車両前後方向移動範囲の後方位置を
符号L0 で示し、前方位置を符号L1 で示し、また、車
両幅方向移動範囲の車内側位置を符号W0 で示し、車外
側位置を符号W1 で示している。
【0050】さて、図11(A)の着座位置において、
降車用スイッチ103をオンして操作電源を投入する
と、座席本体2の降車動作処理が開始される。図14の
ステップS1で原位置リミットスイッチ101のオン・
オフが判定され、オンであれば、ステップS2に進み、
回転ロック解除タイマーがスタートする。つづいて、ス
テップS3において回転ロック解除用モータ73が起動
され、これにより前述のように回転ロック機構70の回
転ロックが解除される。次に、ステップS4でロック解
除タイマーがスタートしてから所定時間、例えば0,4
秒経過したか否かが判定される(これは、回転ロック解
除に要する平均時間が0,2秒であることから、さらに
0,2秒を加算することで回転ロック解除の確実性を確
保している。そして、0,4秒経過している場合に限
り、ステップS5に進み、回転駆動用電動モータ91が
起動される。なお、前記ステップS1において、原位置
リミットスイッチ101がオフの場合には、回転ロック
解除用電動モータ73が既に起動しているとみなしてス
テップS5に進み、回転駆動用電動モータ91が起動さ
れる。
【0051】そして、回転駆動用電動モータ91の起動
により座席本体2がドア開口部D側(図示反時計回り方
向)へ回転動作を開始する。ステップS6において、ロ
ック解除タイマーがスタートしてから0,6秒経過した
か否かが判定され、経過してる場合に限り、ステップS
7に進み、回転ロック解除用電動モータ73が停止され
る。このため、回転ロック部材74はロックスプリング
77によってロック方向に戻され、これによりロックピ
ン74bが両回転ロックプレート75,75に対して係
合し得る領域に戻される。図11(B)は回転駆動用電
動モータ91によって座席本体2が、約40°回転され
た状態を示している。この間は、ピニオンギヤ6とラッ
ク38は噛み合わないので、座席本体2は回転動作のみ
することになる。この段階で、座席本体2は、そのシー
トクッション2aがドア開口部Dの後部、すなわちリヤ
ピラーPに干渉する手前の位置にまで至っているため、
このままさらに回転させたのではピラーPに干渉して座
席本体2をドア開口部Dに向けた横向き位置まで回転さ
せることができない。
【0052】しかしながら、約40°回転させた時点
で、スライドロック解除プレート7がスライドロック機
構80のローラー82の上方に至ってこのローラー82
を押し下げるため、当該スライドロック機構80がアン
ロックされ、これにより座席本体2が前方へ移動可能な
状態になるとともに、ピニオンギヤ6とラック38が噛
み合い始める。
【0053】このため、以後さらに座席本体2が回転を
続けると、この回転動作に連動して座席本体2は、ピニ
オンギヤ6とラック38の噛合い作用を通じて前方へ移
動する。こうして座席本体2は残り約50°回転しつつ
前方へ移動し、これにより図11(C)に示すようにド
ア開口部D側に向いた横向き姿勢になるとともに、前方
位置L1 に至る。このように、座席本体2が回転しつつ
前方へ移動することにより、その回転途中において着座
者の足あるいはフットレスト5aがドア開口部Dの前端
に干渉することが回避される。
【0054】こうして、座席本体2が横向き姿勢になっ
た時点で、回転ロック部材74が回転支持台10の前側
の回転ロックプレート75にロックされ、これにより座
席本体2が当該横向き姿勢で回転不能にロックされる。
座席本体2が回転不能にロックされるので、前後方向の
移動動作もロックされる。何故なら、ピニオンギヤ6と
ラック38が噛合い状態にあるため、座席本体2の回転
動作と前後方向の移動動作が連動されているからであ
る。一方、ステップS8において、回転端リミットスイ
ッチ102のオン・オフが判定される。そして、オンの
場合に限り、座席本体2が横向き位置に達し、かつ回転
ロック機構70がロック動作したと判断し、ステップS
9に進み、回転駆動用電動モータ91を停止する。
【0055】次に、上記のようにして横向き位置に停止
された座席本体2を車外の乗降位置へ移動する場合を説
明する。このときは、別途に設けられた操作スイッチを
操作することによって、幅方向支持台50の両電動モー
ター55,55を正転させて座席本体2を、図11
(C)の車内側位置W0 から図11(D)の車外側位置
W1 にまで移動させる。そして、その状態で着座者は席
を離れることができる。ここで、座席本体2はドア開口
部Dを経て車外に移動しつつ徐々に低い位置(例えば車
椅子と同じ程度の高さ)に変位するので(図12参
照)、この車外側位置W1 において着座者が例えば車椅
子に直接乗り移る場合であっても座席本体2との間を楽
に移動することができる。
【0056】また、図11(D)に示すように、幅方向
支持台50の作動により座席本体2が車外に移動する過
程において、開けたドアDrが例えば風により閉じ方向
に力を受けても、座席本体2のシートクッション2aに
より開き方向に保持されるため、乗降動作中にドアが支
障になることがない。
【0057】以上のようにして、車外側位置W1 に移動
させた座席本体2を元の着座位置に戻すには、先ず、ス
イッチ操作によって、電動モーター55,55を逆転さ
せて幅方向支持台50を逆方向に作動させることによ
り、座席本体2を図11(C)に示す車内側位置W0 に
まで戻す。然る後、乗車用スイッチ103を操作するこ
とによって、図11(B)の状態を経て図11(A)の
状態に戻すことができる。この段階においてもピニオン
ギヤ6とラック38が噛合い状態に保持されているの
で、座席本体2は前記とは逆に車内側に回転しつつ前方
位置L1 から後方位置L0 へ向けて移動する。
【0058】この場合、横向き姿勢から約50°車内側
に回転させた段階で、座席本体2は後方位置L0 に戻さ
れて図11(B)に示す位置に至る。その後、座席本体
2をさらに約40°回転させることにより、図11
(A)に示す着座位置に戻すことができる。この40°
の回転範囲では、ピニオンギヤ6とラック38の噛合い
が外れ、かつスライドロック解除プレート7がローラー
82の上方から外れて、スライドロック機構80がロッ
ク状態に復帰するので、座席本体2は回転動作のみし、
前後方向には移動しない。なお、乗車用スイッチ103
を操作した場合のロック解除用電動モータ73と回転駆
動用電動モータ91の起動及び停止制御については、前
述の降車時の場合と同様であるので説明は省略する。
【0059】以上のように構成された本実施形態の車両
用回転座席1によれば、座席本体2は回転支持台10お
よび前後方向支持台30に支持され、座席本体2(座席
台5)と前後方向支持台30との間には、連動手段とし
て相互に噛み合うピニオンギヤ6とラック38が介装さ
れているため、座席本体2の回転動作と前後方向の移動
動作が連動され、これにより例えばセダン型乗用車の場
合のように狭いドア開口部Dであっても、座席本体2を
ピラー等の他部位に干渉することなく、かつ着座者の足
をドア開口部Dの端部に干渉させることなく、座席本体
2をドア開口部D側へ向けることができ、また車外へ移
動させることができる。
【0060】しかして、本実施形態においては、座席本
体2を着座位置と横向き位置との間で回転させる場合に
おいて、座席本体2の回転ロック解除動作及び回転動作
をそれぞれ電動化したので、乗降用のスイッチ103,
104を操作するだけで座席本体2を着座位置又は横向
き位置へ回転できる。このため、従来の手動によって行
う場合に比べると、その操作が頗る簡単でかつ楽に行う
ことができ、介護者の負担を軽減することができる。ま
た、回転ロック解除用電動モータ73による回転ロック
解除動作が起動後、回転駆動用電動モータ91による座
席本体2の回転駆動動作が起動されるように構成したの
で、回転ロック解除動作と回転駆動動作とを個々にスイ
ッチ操作する場合に比べると、操作をより一層簡便化で
きる。
【0061】また、回転ロック解除用電動アクチュエー
タ73を、回転運動を直線運動に変換して出力する電動
モータによって構成し、その電動モータの直線動作を操
作ワイヤ(ケーブル)によって回転ロック部材74に入
力する構成としたことによって、回転ロック機構70の
主要部材である回転ロック部材74と、回転ロック解除
手段としての電動アクチュエータ73とを距離を隔てた
位置に配置することができる。このため、回転ロック機
構70及び電動アクチュエータ73の配置スペースの設
定(確保)が容易であり、限られたスペース内に他部材
との干渉を回避しつつ自由度のある取り回しが可能であ
る。
【0062】特に、本実施形態では、座席台5の回転ロ
ック解除動作の起動と、回転駆動動作の起動をタイマー
を用いて制御する構成としたので、構造が簡単である上
に正確な起動タイミングを得ることができる。しかも、
回転ロック解除動作の起動から回転駆動動作の起動まで
の設定時間の調整を楽に行うことができる。
【0063】以上説明した実施形態には種々変更を加え
ることが可能である。例えば、座席本体2を車内と車外
との間で出入する動作、すなわち、横向き位置と乗降位
置との間の横移動動作を、幅方向支持台50に沿って回
転支持台30が摺動する形式としたが、これに変えて、
座席台5にリンク機構からなるスイングアーム式の昇降
機構を設け、この昇降機構によって座席本体2を車内外
に出入動作させるように構成することも可能である。ま
た、回転駆動用電動モータ91の回転に応じて発生され
るパルスの変化に基づいて過負荷状態を判定する構成を
採用することも可能である。このような構成を採用すれ
ば、例えば座席本体2の回転途中で着座者の足が挟まれ
たような場合には、そのことによる過負荷を検出して電
動モータ91を逆転させることによって、着座者の安全
を図ることができる。
【0064】また、ドアの開放状態を確認することが可
能なカーテシスイッチと組み合わせることによって、ド
アーが閉じた状態では、降車用スイッチ104を操作し
ても座席本体2の回転動作が起動しないように構成する
ことも可能である。また、回転ロック機構70の回転ロ
ック解除用の電動アクチュエータ73は、電動モータに
限らず、例えば電磁ソレノイドを利用してもよい。ま
た、前記座席本体2を着座位置と横向き位置との間で回
転させる回転駆動装置90については、本実施の形態で
図示したギヤ駆動方式は、あくまでも一例を示したに過
ぎず、ベルト又はチェーン方式、クランク方式あるいは
ボールネジ方式等種々の変更が可能である。
【0065】また、本実施形態では、座席本体2の着座
位置と横向き位置との間での回転動作と、横向き位置と
乗降位置との間での横移動動作とが、別々の操作スイッ
チに基づいて操作されるとして説明したが、上記両動作
が1つの操作スイッチに基づいて連続する形態で行われ
るように動作制御システムを構成してもよい。
【0066】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の車両用回
転座席によれば、回転座席の回転ロック解除動作及び回
転動作を電動化したことによって、車両前方を向いた着
座位置と車両側方を向いた乗降のための横向き位置との
間での回転座席の回転操作を簡単かつ楽に行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図であって、車両用回
転座席の全体斜視図である。
【図2】座席本体の斜視図である。
【図3】座席台の斜視図である。
【図4】回転支持台の斜視図である。
【図5】前後方向支持台の斜視図である。
【図6】幅方向支持台の斜視図である。
【図7】回転ロック機構の斜視図である。
【図8】回転ロック機構のロック部の側面図である。
【図9】スライドロック機構およびスライドロック手動
解除機構の斜視図である。
【図10】ピニオンギヤ、ラック、回転ロック自動解除
プレートおよび回転リングの位置関係、さらには回転駆
動装置及び回転ロック機構の配置を示す平面図である。
【図11】車両用回転座席の回転動作及び横移動を示す
図であって、(A)は着座位置、(B)は約40°回転
した位置、(C)は横向き位置、(D)は車外の乗降位
置の各位置における座席本体の平面図である。
【図12】座席本体が車内から車外に移動する様子を示
す側面図である。
【図13】回転座席の回転動作制御用ブロック図であ
る。
【図14】回転座席の回転動作を示すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
1…車両用回転座席 2…座席本体 5…座席台 10…回転支持台 30…前後方向支持台 50…幅方向支持台 70…回転ロック機構 71…操作ワイヤ 73…電動アクチュエータ 74…回転ロック部材 75…回転ロックプレート 80…スライドロック機構 90…回転駆動装置 91…回転駆動用電動モータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両前方を向いた着座位置と車両側方を
    向いた乗降のための横向き位置との間を回転可能な車両
    用回転座席であって、 車体に対して車両前後方向に移動可能に支持された回転
    支持台と、 前記回転支持台に回転可能に支持された座席台と、 前記座席台が着座位置から横向き位置へ所定角度回転し
    た中間位置と前記横向き位置の間にあるときには、前記
    座席台の回転動作に連動して前記回転支持台を車両前後
    方向へ移動させる連動手段と、 前記座席台を着座位置及び横向き位置にロックするため
    の回転ロック機構と、 前記座席台を回転駆動するための電動モータを駆動源と
    する回転駆動装置と、 前記回転ロック機構の回転ロックを解除作動するための
    電動アクチュエータとを備え、 前記座席台を回転動作するための操作電源投入時には、
    前記電動アクチュエータの回転ロック解除動作が起動
    後、前記回転駆動装置による座席台の回転駆動動作が起
    動されるように構成したことを特徴とする車両用回転座
    席。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両用回転座席であっ
    て、前記電動アクチュエータが、回転運動を直線運動に
    変換して出力する電動モータによって構成され、その電
    動モータの直線動作がケーブルを介して前記回転ロック
    機構に入力される構成とした車両用回転座席。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の車両用回転座席
    であって、前記電動アクチュエータによる回転ロック解
    除動作の起動後、前記回転駆動装置による座席台の回転
    駆動動作を起動させるための動作タイミング調整用のタ
    イマーが備えられた車両用回転座席。
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