JPH06328973A - 駆動装置付きシート - Google Patents

駆動装置付きシート

Info

Publication number
JPH06328973A
JPH06328973A JP14119493A JP14119493A JPH06328973A JP H06328973 A JPH06328973 A JP H06328973A JP 14119493 A JP14119493 A JP 14119493A JP 14119493 A JP14119493 A JP 14119493A JP H06328973 A JPH06328973 A JP H06328973A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seat
torque
walk
seat back
seat cushion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14119493A
Other languages
English (en)
Inventor
Sotsuo Miyoshi
帥男 三好
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP14119493A priority Critical patent/JPH06328973A/ja
Publication of JPH06328973A publication Critical patent/JPH06328973A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 最適な装着場所への配設、低コスト化、簡素
化、小型化、シート作動時の安全性、シート作動時乗員
への恐怖感の除去、耐久性、信頼性等が確保された駆動
装置付きシートを提供する 【構成】 シートバック1およびシートクッション2の
駆動トルクは、1つのモータ80から出力された駆動ト
ルクをシートバック1およびシートクッション2用に分
岐し、それぞれの駆動トルクを傾倒用、移動用のトルク
リミッタを介して伝達され、またシートリクライニング
起動用のアクチュエータ20は、シートリクライニング
スイッチ23、シートスライドスイッチ24、シート前
端スイッチ25および運転席に設けられたウォークイン
スイッチ72、リターンスイッチ73により駆動制御さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主に2ドアタイプの
車両のフロントシートに使用されるウォークイン装置付
きシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は従来のウォークイン装置付きシ
ートのウォークイン装置を説明する概念図である。図1
1(ア)上のロアレール14、スライドカム15は図1
1(イ)の矢視A−Aから見た状態が示されている。図
において、1はシートバック、2はシートクッションで
あり、3はシートクッション2を前方に移動するスプリ
ングである。4はシートバック1に取り付けられると共
に噛合歯が形成されたロックプレート、5はロックプレ
ート4に噛合可能な噛合歯が形成されると共にシートク
ッションに回動自在に支持されたロックアーム、6はシ
ートクッション2を後方戻り位置に保持するシートスラ
イドロック機構(シート移動ロック機構)であり、シー
トスライドロック機構6はスライドラッチ12を有して
いる。7はシートクッション2に回動自在に支持された
オープンレバー、8はシートバック1を前方に傾倒する
コイル状スプリング、9はシートクッション2に回動自
在に支持されたレバー、10はスライドカム15に当接
すると共にシートクッション2に回動自在に支持された
レバーである。また、11はシートクッション2に回動
自在に支持されたシートスライドレバーである。
【0003】次に動作について説明する。まず、シート
バック1を前傾し、シートクッション2を前方に移動す
る場合について説明する。オープンレバー7をマニュア
ル操作で時計回り方向(以下、CW方向という)に回動
すると、ロックアーム5が反時計回り方向(以下、CC
W方向という)に回動する。これにより、ロックアーム
5の噛合歯とロックプレート4の噛合歯との係合が解除
されるので、シートバック1はコイル状スプリング8の
付勢力で前傾する。シートバック1が前傾するとロック
プレート4の突片4Aがレバー9に当接して、レバー9
がCW方向に回動する。レバー9がCW方向に回動する
とシートスライドレバー11がCW方向に回動して、ス
ライドラッチ12がCW方向に回動する。これにより、
シートスライドロック機構6が解除された状態になり、
シートクッション2が前方に移動する。
【0004】この場合、レバー9のカム部9Aとレバー
10の突片10Aとの当接が解除されるので、レバー1
0はスプリング10Bの付勢力でCCW方向に回動す
る。従って、レバー10の先端部がスライドカム15に
当接する。スライドカム15は略中央から前端までのカ
ム面が低く形成されているので、シートクッション2が
前方に移動するとレバー10がさらにCCW方向に回動
する。これにより、レバー10の突片10Aがレバー9
のカム部9Aに追従して移動するので、レバー9の逆転
が防止される。
【0005】次に、シートバック1を直立位置に復帰
し、かつシートクッション2を後方の復帰位置に復帰す
る場合について説明する。まず、オープンレバー7をマ
ニュアル操作でCW方向に回動して、前述したように、
ロックアーム5の歯合歯とロックプレート4の歯合歯と
の係合を解除し、さらにシートスライドロック機構6を
解除状態に維持する。この状態でスプリング8およびコ
イル状スプリング3の付勢力に抗してシートバック1お
よびシートクッション2を復帰位置に戻し、オープンレ
バー7のマニュアル操作を解放する。これにより、ロッ
クアーム5がスプリング5Bの付勢力でCW方向に回動
してロックアーム5の噛合部とロックプレート4の噛合
部とが係合し、シートバック1が復帰した直立位置にロ
ックされる。
【0006】一方、シートクッション2が復帰位置に戻
されると、レバー10の先端部がスライドカム15の後
方の高いカム面に当接するのでレバー10はCCW方向
に回動する。従って、レバー10の突片10Aがレバー
9の逆転防止位置から退避する。これにより、シートス
ライドレバー11およびスライドラッチ12が連動して
CCW方向に回動して、スライドラッチ12がロック状
態となり、シートクッション2が復帰位置にロックされ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のウォークイン装
置付きシートは以上のように構成されているので、助手
席シートのウォークイン装置を操作するマニュアル操作
レバーが、車両のドアの目立たない位置に設けられてい
ることが多い。このため、マニュアル操作レバーをスム
ーズに操作することができないなどの問題点があり、ま
た運転者が操作する場合には身を乗り出して操作しなけ
ればならないので、操作が困難になるなどの問題点があ
った。そのため、運転席に設けた操作スイッチで自動的
にウォークイン装置を作動させ、かつシートクッション
2およびシートバック1を自動的に復帰させる自動復帰
装置が望まれていた。しかし、この装置は使用頻度が比
較的少ないことや、シートの下部等が他の制御用コント
ローラ等によって占有されていることなどの理由から、
実用化を図るためには最適な装着場所の選定、低コスト
化、簡素化、小型化などの問題点があり、また、シート
動作時の安全性、シート動作時の乗員への恐怖感の除
去、シート動作の耐久性、信頼性などの問題点があっ
た。この発明は上記のような問題点を解消するためにな
されたもので、最適な装着場所の選定、装置の低コスト
化、簡素化、小型化、安全性、恐怖感の除去、耐久性、
信頼性等に対する要望を満たすことができるウォークイ
ン装置付きシートを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るウ
ォークイン装置付きシートは、シートクッションを前後
方向に移動する移動トルクを移動トルク以上の駆動トル
クを吸収する移動用のトルクリミット手段を介して伝達
するものである。
【0009】請求項2の発明に係るウォークイン装置付
きシートは、シートバックを前後方向に傾倒する傾倒ト
ルクを傾倒トルク以上の駆動トルクを吸収する傾倒用の
トルクリミット手段を介して伝達するものである。
【0010】請求項3の発明に係るウォークイン装置付
きシートは、1つの駆動モータから出力された駆動トル
クを移動トルクと傾倒トルクに分岐し、該分岐された各
々のトルクをトルクリミット手段を介して伝達するもの
である。
【0011】請求項4の発明に係るウォークイン装置付
きシートは、シートクッションの前後方向の位置決め調
整を駆動機構で行うものである。
【0012】請求項5の発明に係るウォークイン装置付
きシートは、シートバックの前後方向の傾倒位置調整を
駆動機構で行うものである。
【0013】請求項6の発明に係るウォークイン装置付
きシートは、シートクッションのロック作動に連動して
駆動機構が作動するものである。
【0014】請求項7の発明に係るウォークイン装置付
きシートは、シートバックのロック作動に連動して駆動
機構が作動するものである。
【0015】請求項8の発明に係るウォークイン装置付
きシートは、シートバックのロックを電動アクチュエー
タで解除した時シートバックが傾倒トルクで傾倒され、
このシートバックの傾倒に連動してシートクッションの
ロックが解除された時、シートクッションを移動トルク
で移動され、シートクッションおよびシートバックを各
々のトルクリミット手段を介して伝達されたトルクで復
帰させるものである。
【0016】請求項9の発明に係るウォークイン装置付
きシートは、カムを一方向に回動するとロックアームお
よびロックプレートの各々の噛合部が噛合するようにロ
ックアームが回動し、カムが他方向に回動するとその噛
合が解除されるようにロックアームが回動するロック機
構と、カムを一方向、他方向に回動する電動アクチュエ
ータを備えたものである。
【0017】請求項10の発明に係るウォークイン装置
付きシートは、駆動機構をシートの側部に配設したもの
である。
【0018】請求項11の発明に係るウォークイン装置
付きシートは、電動アクチュエータでシートバックのロ
ックを解除してシートバックが傾倒し、シートバックの
傾倒に連動してシートクッションのロックがされた時、
電動アクチュエータをシートバックのロック位置に保持
するものである。
【0019】
【作用】請求項1の発明におけるウォークイン装置付き
シートは、移動用のトルクリミット手段を介して駆動ト
ルクを伝達することによりシートクッション用スプリン
グ装置を不要とし、スプリングに抗して駆動する時の駆
動力が大幅に低減できるので、モータの小型化および減
速機構の小型化と簡素化、軽量化、低コスト化を図るこ
とができる。さらに、伝達される駆動トルクを規定値以
下に抑えることができるので、安全性を確保することが
できる。
【0020】請求項2の発明におけるウォークイン装置
付きシートは、請求項1と同様にシートバック用スプリ
ング装置を不要とし、スプリングに抗して駆動する時の
駆動力が大幅に低減できるので、モータの小型化および
減速機構の小型化、簡素化、軽量化、低コスト化を図る
ことができる。さらに、伝達される駆動トルクを規定値
以下に抑えることができるので、安全性を確保すること
ができ、作動のなめらかさが恐怖感を低減する。
【0021】請求項3の発明におけるウォークイン装置
付きシートは、シートクッションとシートバックの駆動
トルクを1つのモータで出力することにより、減速機構
の小型化、簡素化、軽量化、低コスト化を図ることがで
きる。
【0022】請求項4の発明におけるウォークイン装置
付きシートは、シートクッションの前後方向の位置決め
調整を駆動機構で行うことができるので、シート移動時
にスプリングの劣化に起因する移動調整時のシート前方
アシスト力低下による移動調整困難を防止することがで
きる。そして、駆動機構の使用頻度を向上して相対的に
低コスト、高機能とすることができる。
【0023】請求項5の発明におけるウォークイン装置
付きシートは、シートバックの前後方向の傾倒位置調整
を駆動機構で行うことができるので、シートリクライニ
ング状態から通常使用状態への復帰時にシートバックの
戻りスピードをなめらかに操作することができる。従っ
て、乗員に与える恐怖感の低減を図ることができる。
【0024】請求項6の発明におけるウォークイン装置
付きシートは、シートクッションの前後方向の位置決め
調整時にシート移動ロック機構に連動して駆動機構を作
動するようにしたので、自然な操作が可能となり、操作
性の向上を図ることができる。
【0025】請求項7の発明におけるウォークイン装置
付きシートは、シートバックの前後方向の傾倒位置調整
時にシートリクライニングロック機構に連動して駆動機
構を作動するようにしたので、自然な操作が可能とな
り、操作性の向上を図ることができる。
【0026】請求項8の発明におけるウォークイン装置
付きシートは、ロック解除、ウォークイン、復帰動作を
電動トルクで行うので操作性の向上が得られ、特にウォ
ークイン時の電動動作は、パワーシートに比べてその操
作スピードが早く、スプリング式ウォークイン機構に比
べて作動がなめらかであり、シート作動時の恐怖感が無
く安全性に優れ、また実用的である。
【0027】請求項9の発明におけるウォークイン装置
付きシートは、シートバックのロック解除を電動アクチ
ュエータでカムを駆動することにより行うので、ロック
解除のための動作力を低減でき、装置の低コスト化、簡
素化を図ることができる。
【0028】請求項10の発明におけるウォークイン装
置付きシートは、シート側面に駆動機構を設けたので、
スペース効率に優れた最適な装着場所を選定可能とする
ことができる。
【0029】請求項11の発明におけるウォークイン装
置付きシートは、シートバックのロック機構を作動する
電動アクチュエータを所望の位置に確実に保持すること
ができるので、ウォークイン機構の確実な作動が可能と
なる信頼性が向上する。
【0030】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明に係るウォークイン装置付きシー
トの構成図、図2(ア)はこの発明に係るウォークイン
装置付きシートの側面図、図2(イ)はそのB−B矢視
図であり、図において、図11(ア),(イ)の従来の
ウォークイン装置付きシートの構成部材と同一類似部材
については同一符号を付して説明は省略する。図におい
て、20はシートクッション2にピン20fを介して回
動自在に支持されているシートリクライニング機構19
のカムであり、カム20がCW方向に回動するとロック
アーム5の噛合歯(噛合部5c)とロックプレート4の
噛合歯(噛合部4b)とが係合し(図3参照)、またカ
ム20がCCW方向に回動するとロックアーム5の噛合
歯5cとロックプレート4の噛合歯4bとの係合が解除
される(図4参照)。図3、図4にはシートリクライニ
ングロック機構19が示されていて、5aはロックプレ
ート5に設けられたピン、20aはカム20のアクチュ
エータ駆動部である当接部、20bはカム20に形成さ
れると共にピン5aに摺動自在に嵌合する長穴、20
c,20dはそれぞれ長穴20bを形成するカム部、2
1aは出力レバー21の先端に設けられたピン、28は
カム20をロックアーム5の噛合部5cをロックプレー
ト4の噛合部4bに押しつける方向に付勢するカムスプ
リング、7aはオープンレバー7に形成され、カム20
のレバー当接部20eに当接してオープンレバー7の開
方向作動のみ伝達する凸部、16はオープンレバー7を
一定位置に付勢するバイアススプリングである。
【0031】また、22は小型モータが内蔵されると共
にギヤ減速機構およびクラッチ機構が備えられたアクチ
ュエータ(電動アクチュエータ)、21はアクチュエー
タ22の出力レバーであり、出力レバー21は一定角度
の範囲で回動する。23はカム20の回動に連動して作
動するスイッチ、24はシートスライドレバー11の回
動に連動して作動するスイッチ、25はシートクッショ
ン2が前方にスライドして前端に到達した時に作動する
スイッチである。
【0032】さらに、30はシートクッション2のスラ
イド用およびシートバック1のリクライニング用の駆動
機構である。以下、図5乃至図7に基づいて駆動機構3
0の構成を説明する。図5は駆動機構を説明した断面
図、図6はその斜視図、図7はそのトルクリミッタを説
明した斜視図であり、図において、14はフロア13に
固定されるロアレール、26はロアレール14に摺動自
在に保持されるアッパレール、2aはシートクッション
2を保持するサポートであり、サポート2はボルト27
を介してアッパレール26に固定されている。32,3
3はそれぞれ軸受けプレートであり、軸受けプレート3
3はアッパレール26に固定されている。34はスペー
サであり、スペーサ34はプレート32とプレート33
の間隔を規定している。35はナット、36は軸であ
り、軸36はモータ(駆動モータ)80に回転力が伝達
可能に連結されたウォームギヤ81と噛み合うウォーム
ホイール37aを回動自在に支持している。37bはウ
ォームホイール37aと一体的に形成されたギヤ、38
は軸36と平行に設けられた軸、46,47は軸38を
回動自在に支持するブッシュ、39はギヤ37bと噛み
合い、軸38に同軸上に固着されたギヤ、40,41は
軸38およびディスク42との間に摺動抵抗を発生させ
る傾倒用トルクリミット手段のライニングであり、ライ
ニング40は軸38のリブ部38aに接着されている。
また、ライニング41はギヤ39に接着されている。
【0033】そして、43はライニング40,41に摺
動抵抗を発生させる皿バネスプリング、44は皿バネス
プリング43を保持するホルダ、45は軸38のねじ部
38bにねじ結合することによって皿バネスプリング4
3を圧縮して摺動部の面圧を可変する調整ナット、58
は軸38に同軸上に固着されて、軸38と同一回転する
ギヤ、59は軸36に同軸上に回動自在に支持され、ギ
ヤ58と噛み合うギヤ、61はギヤ59に固定され、シ
ートバック1の骨組み1aにボルト60を介して固定さ
れているアーム、48は軸38と平行に設けられた軸、
56,57は軸48を回転自在に保持するブッシュ、4
9はギヤ39と噛み合うと共に軸48に同軸上に固着さ
れたギヤ、50,51は軸48およびディスク52間に
摺動抵抗を発生する移動用トルクリミット手段のライニ
ングであり、ライニング50は軸48のリブ部48aに
接着されている。また、ライニング51はギヤ49に接
着されている。53はライニング50,51に摺動抵抗
を発生させる皿バネスプリング、54は皿バネスプリン
グ53を保持し、軸48に同軸上に固定されて、軸48
と同一回転すると共にラックギヤ31と噛み合うギヤ、
55は軸48のねじ部48aにねじ結合することによっ
て皿バネスプリング53を圧縮して摺動部の面圧を可変
する調整ナットである。
【0034】また、図8はウォークイン装置付きシート
の駆動制御系のブロック図であり、図において、70は
各部スイッチ、アクチュエータ22、駆動装置30他に
接続されシートの駆動をコントロールするコントロール
ユニット、71は電源、72は運転席に設けられたウォ
ークイン起動スイッチ、73はリターン起動スイッチで
ある。さらに、75コントロールユニット70内のマイ
クロコンピュータであり、マイクロコンピュータ75は
CPU76、メモリー77、入力回路78および出力回
路79を有している。23,24,25,72,73は
それぞれ前述したスイッチで入力回路78に接続されて
いる。22はアクチュエータ、80はモータであり、ア
クチュエータ22およびモータ80はリレー回路74を
介して出力回路79に接続されている。
【0035】次に動作について説明する。図9は実施例
1におけるウォークイン装置付きシートの制御を説明す
るフローチャートであり、図10はその動作を説明する
説明図であり、図9,図10に基づいて動作を説明す
る。まず、ウォークイン動作について説明する。図10
(ア)のウォークイン装置付きシートのシートバック1
が起き、シートクッション2がシートスライド範囲の前
端部より後方にあり、それぞれがロックされた通常の状
態では、スイッチ23,24,25はOFFの状態にあ
る(ステップST96,98,100)。この時、運転
席等に設けられたウォークイン起動スイッチ72をON
にすると(ステップST102)、アクチュエータ22
が通電してアクチュエータ22内に設けられたモータ、
ギヤ機構を介して出力レバー21を図4上で矢印方向
(CW方向)に回動する(ステップST104)。出力
レバー21の回動力は、出力レバー21に設けられたピ
ン21aを介してカム20の当接部20aに伝達され
る。従って、カム20はカムスプリング28の付勢力に
抗して図4上で矢印方向(CCW方向)に回動する。こ
れにより、カム20の長穴20b内の凸部5aが長穴2
0bの下端部まで移動する。この場合、長穴20bは下
端部が上端部よりカム20の回転中心に近づいて形成さ
れているので、凸部5aが長穴20bの下端部まで移動
すると、ロックアーム5が図4上で矢印方向(CCW方
向)に回動する。従って、ロックアーム5の噛合部5c
とロックプレート4の噛合部4bとの係合が解除され
る。なお、この一連の動作において、カム20の回動が
オープンレバー7に無関係に回動すること、およびカム
機構による作動力増大効果、すなわちピン21aの移動
量に対してピン部5aの移動量を減少するようにカム機
構を構成することにより、アクチュエータ22の必要駆
動力を低下させることができる。
【0036】その後、タイマ回路のONおよびX=0の
初期値を認識させ(ステップST106)、駆動機構3
0に設けられているモータ80(図6参照)をCW方向
に駆動する(ステップST108)。モータ80がCW
方向に回動すると、ウォームギヤ81、ウォームホイー
ル37aを介してギヤ37bがCW方向に回動する。ギ
ヤ37bにCW方向の回動によりギヤ39がCCW方向
に回動し、ギヤ39の回動力がライニング40,41を
備えたトルクリミッタを介してギヤ58に伝達される。
これにより、ギヤ58がCCW方向に回動し、ギヤ58
の回動力はギヤ59を介してアーム61に伝達されるの
でアーム61はCW方向(すなわち、シートバック1が
前傾する方向)に回動する。従って、アーム61に骨組
み1aを介して固定されているシートバック1が前傾す
る(図10(イ)参照)。この場合、傾倒用のトルクリ
ミッタは、シートバック1の傾倒や後述する図11中の
シートスライドロック機構(シート移動ロック機構)6
のロック解除に必要な駆動力を伝達し、かつ、それ以上
の過大な駆動力を吸収するように調整されている。そし
て、シートバック1の前傾が略完了する直前に、従来の
ウォークイン装置付きシートと同様にシートスライドロ
ック機構6が解除され、スライドレバー11に設けられ
ているスイッチ24がONの状態になる(ステップST
112)。ここで、X=1であるか否かを判断して(ス
テップST114)、X=0であればアクチュエータ2
2をCCW方向に一定時間駆動した後(ここでは0.5
秒とした)、スイッチ24をOFFの状態にしてX=1
を認識させる。これにより、アクチュエータ22のOF
F動作は1回のみの作動となる。
【0037】一方、ギヤ39にはギヤ49が噛み合って
いるので、ギヤ39がCCW方向に回動すると、ギヤ4
9がCW方向に回動する。ギヤ49の回動力はライニン
グ50,51を有する移動用トルクリミッタを介してギ
ヤ54に伝達されるので、ギヤ54がCW方向に回動す
る。この場合、ギヤ54がアッパレール26に取り付け
られていて、さらにラックギヤ31がロアレール14を
介してフロア13に固定されているので、ギヤ54がC
W方向に回動するとギヤ54がラックギヤ31に沿って
前方に回転移動する。従って、アッパレール26に取り
付けられているシートクッション2が前方に移動する
(図10(ウ)参照)。なお、ギヤ54の回動力はシー
トスライドロック機構6がロック状態の時にも移動用ト
ルクリミッタを介して伝達されている。しかしながら、
移動用トルクリミッタはシートスライドロック機構6の
ロック力以上の回動力を吸収するように調整されている
ので、シートクッション2は前方にスライドしない。
【0038】そして、シートクッション2がスライド範
囲の前端部まで移動するとスイッチ25がONの状態に
なり(ステップST118)、モータ80およびタイマ
回路がOFFの状態になる(ステップST120,12
2)。これにより、ウォークイン動作が完了する(図1
0(エ))。ところで、シートクッション2が障害物等
に当接してスライド範囲の前端部に到達する前に停止し
た場合には、タイマ時間が一定時間(ここでは10秒と
設定する)を越えた時点でモータ80の駆動を停止する
ように設定されている(ステップST124,12
6)。そして、タイマによりモータ、80が停止した場
合、運転席に設けられているリターン起動スイッチ73
をONの状態にすることにより、モータ80が駆動状態
に復帰する(ステップST128)。なお、シートクッ
ション2が前方移動時に人体に当接した場合、移動用ト
ルクリミッタが所定値以上のシートクッション2の駆動
力を吸収するので人体に与える影響を少なくすることが
でき、安全性が高い。
【0039】次にリターン(復帰)動作について説明す
る。図10(エ)のウォークイン動作完了時には前述し
たようにスイッチ23,24,25がONの状態になっ
ていて、この状態において回路は作動しないように構成
されている。この状態で、運転席等に設けられているリ
ターンスイッチ73をONにすると(ステップST13
0)、タイマ回路がONになり、駆動装置30に設けら
れたモータ80がCCW方向に回動する(ステップST
132,134)。モータ回動方向はこの場合直流モー
タを使用しているので、電圧の印加方向を入れ換えるこ
とにより変えることができる。モータ80がCCW方向
に回動すると駆動装置30内のギヤ系は前述したウォー
クイン動作時と逆方向に回動する。従って、シートバッ
ク1は復帰動作を行い、シートクッション2は後方にス
ライドする(図10(オ)参照)。この時、シートバッ
ク1の作動減速比と、シートクッション2の作動減速比
をそれぞれの移動量を考慮して、シートバック1の方が
早く復帰位置まで作動するように構成されている。すな
わち、実施例1ではギヤモジュール1、ギヤ37Bの歯
数を20、ギヤ39の歯数を70、ギヤ58の歯数を2
0、ギヤ59の歯数を70、ギヤ49の歯数を60、ギ
ヤ54の歯数を42とし、ウォームホイール37a以下
の減速比は、シートバック1が12.25倍、シートク
ッション2が3倍とした。さらに、シートバック1のリ
クライニング角を約37゜とし、シートスライドロック
位置を約170mmとした。従って、シートクッション
2が復帰する前にシートバック1が後方に復帰する。そ
して、シートバック1が後方に復帰すると、カムスプリ
ング28の付勢力でカム20がCW方向に回動するので
ロックアーム5の噛合部5cとロックプレート4の噛合
部4bとが噛み合い、シートバック1はロックされる。
その後、シートクッション2が後方にスライドして、従
来のウォークイン装置付きシートと同様にスライド範囲
のほぼ中央部でシートクッション2はシートスライドロ
ック機構6でロックされる(図10(カ)参照)。シー
トクッション2がロックされるとスライドレバー11が
定位置に戻るので、スライドレバー11に連動している
スイッチ24がOFFの状態になり(ステップST13
6)、モータ80およびタイマ回路がOFFになる(ス
テップST120,122)。
【0040】また、シートクッション2およびシートバ
ック1が障害物等に当接して復帰に到達せずスイッチ2
4がOFFにならない場合は、タイマ時間が一定時間
(ここでは10秒)を越えた時点で(ステップST13
8)モータ80の駆動を停止する(ステップST14
0)。この時、障害物が人体であった場合でもシートク
ッション2に加わる駆動力は、シートクッション2の移
動用トルクリミッタにより規制されている。また、シー
トバック1に加わる駆動力は、シートバック1の傾倒用
トルクリミッタにより規制されている。従って、人体に
対する安全性が高い。そして、タイマによる停止後は、
運転席等に設けられたウォークイン起動スイッチ72を
ONの状態にするとウォークイン装置付きシートがウォ
ークイン動作する(ステップST142)。
【0041】次にシートバック1のリクライニング位置
調整について説明する。ウォークイン動作時に説明した
ように、シートバック1が起きた状態でロックされ、さ
らにシートクッション2がシートスライド範囲の前端部
より後方に位置決めされた状態でロックされた場合、ス
イッチ23,24,25がOFFの状態になる(ステッ
プST96,98,100)。この状態において、シー
トに腰掛けた乗員がシートリクライニング量を調整する
ためにオープンレバー7を引くと、オープンレバー7に
連動してスイッチ23がONとなり(ステップST9
6)、タイマ回路がONになり駆動機構30に設けられ
たモータ80がCW方向に駆動する(ステップST14
6,148)。この時、スイッチ23がON、スイッチ
24がOFFであることを確認することにより(ステッ
プST150,152)、ウォークイン動作後のシート
状態でないことを確認することができる。そして、モー
タ80のCW方向の駆動により、駆動機構30のギヤ系
は前述したウォークイン作動時と同様に回転する。この
場合、シートスライドロック機構6はロック状態にある
ので、シートクッション2がロックされている。従っ
て、モータ80の駆動力は移動用トルクリミッタで吸収
される。一方、ロックアーム5の噛合部5cとロックプ
レート4の噛合部4bとの噛み合が解除されているので
(すなわち、シートバック1のロックが解除されている
ので)、モータ80の駆動力が傾倒用のトルクリミッタ
を介してシートバック1に伝達される。従って、乗員が
上半身を前にかがめることによりシートバック1が上半
身に追従して前方に傾倒する。また、乗員が上半身をシ
ートバック1に押し付けることによりモータ80の駆動
力が傾倒用のトルクリミッタで吸収されるので、シート
バック1を後方に倒すことができる。この一連の動作に
より、乗員は自身の最適なシートリクライニング位置に
シートバック1の位置を調整することができる。そし
て、調整後、オープンレバー7を戻してモータ80を停
止することにより、シートバック1がロックされる。ま
た、乗員がシートに腰掛けずに、前述した操作と同様に
オープンレバー7を引いてシートバック1を前方に傾倒
させることにより、シートスライドロック機構6のロッ
ク状態が解除されると、スライドレバー11に連動して
スイッチ24がONの状態になり、ウォークイン動作の
モータ駆動後に移行しウォークイン動作となる。そし
て、モータ保護のため一定時間(ここでは10秒)を越
えた時点で、モータ80を停止するように構成されてい
る(ステップST154,156)。
【0042】次にシートクッション2のスライド位置調
整について説明する。シートバック1が起きた状態でロ
ックされ、シートクッション2がシートスライドの前端
部より後方に位置決めされた状態でロックされた時、ス
イッチ23,24,25はOFFの状態になる。この状
態において、シートに腰掛けた乗員がシートスライド量
を調整するためにシートスライドレバー11を引くと、
シートスライドレバー11に連動したスイッチ24がO
Nとなり(ステップST98)、タイマ回路がONにな
り駆動装置30に設けられたモータ80がCW方向に駆
動する(ステップST158,160)。この時、スイ
ッチ24がON、スイッチ25がOFFであることを確
認することにより(ステップST162,164)、ウ
ォークイン動作後のシート状態でないことを確認するこ
とができる。そして、モータ80のCW方向の駆動によ
り、駆動機構30のギヤ系は、前述したウォークイン作
動時と同様に回転する。この場合、シートバック1がロ
ックされているので、モータ80の起動力は傾倒用のト
ルクリミッタで吸収される。一方、シートスライドはロ
ックが解除されているので、モータ80の駆動力がスラ
イド用のトルクリミッタを介してシートクッション2に
伝達される。従って、乗員がフロアにつけた足の力をぬ
きシートクッション2に体重を預けることにより、モー
タ80により駆動されるシートクッション2が前方にス
ライドする。また、乗員がフロアにつけた足を支点に体
を後方に押すことによりモータ80の駆動力が移動用ト
ルクリミッタで吸収されるので、シートクッション2を
後方にスライドすることができる。この一連の動作によ
り、乗員は自身の最適なシートスライド位置にシートク
ッション2の位置を調整することができる。そして調整
後、シートスライドレバー11を戻してモータ80を停
止することにより、シートクッション2がロックされ
る。そして、モータ保護のため一定時間(ここでは10
秒)を越えた時点で、モータ80を停止するように構成
されている(ステップST166,168)。
【0043】実施例2.前記実施例1では、2ドア車の
助手席に装着されるウォークイン装置付きシートについ
て説明したが、本発明に係るウォークイン装置付きシー
トを、例えば1ボックス車の後部座席に登載してスイッ
チ操作でシートレイアウト変更、フルフラットシートの
操作を行うことができる。また、本発明に係るウォーク
イン装置付きシートの一部の構成のみを使用することも
可能である。すなわち、シートスライド調整用簡易パワ
ーシートとしてシートスライドを前後方向に駆動するこ
とや、シートリクライニング調整用簡易パワーシートと
してシートリクライニングを駆動することや、ウォーク
インの自動化において本発明に係るアクチュエータ22
の駆動方法、およびアクチュエータ駆動部構造のみを応
用すること等に利用することがきることは述べるまでも
ない。
【0044】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、移動用のトルクリミット手段を介して駆動トルクを
伝達することにより、シートクッション用スプリング装
置を不要に構成したので、スプリングに抗して駆動する
時の駆動力を大幅に低減することができる。従って、モ
ータの小型化および減速機構の小型化、簡素化、軽量
化、低コスト化を図ることができる。さらに、移動用の
トルクリミット手段を使用することにより安全性を確保
することができる効果がある。
【0045】請求項2の発明によれば、請求項1と同様
にシートバック用スプリング装置を不要に構成したの
で、スプリングに抗して駆動する時の駆動力を大幅に低
減することができる。従って、モータの小型化および減
速機構の小型化、簡素化、軽量化、低コスト化を図るこ
とができる。さらに、傾倒用のトルクリミット手段を使
用することにより安全性を確保することができ、作動の
なめらかさを得ることができるので恐怖感を低減できる
効果がある。
【0046】請求項3の発明によれば、シートクッショ
ンとシートバックの駆動トルクを1つのモータで出力す
るように構成したので、減速機構の小型化と簡素化、軽
量化、低コスト化を図ることができる効果がある。
【0047】請求項4の発明によれば、シートクッショ
ンの前後方向の位置決め調整を駆動機構で行うように構
成したので、シート移動時にスプリングの劣化に起因す
る移動調整時のシート前方アシスト力低下による移動調
整困難を防止することができ、さらに駆動機構の使用頻
度を向上して相対的に低コスト、高機能とすることがで
きる効果がある。
【0048】請求項5の発明によれば、シートバックの
前後方向の傾倒位置調整を駆動機構で行うように構成し
たので、シートリクライニング状態から通常使用状態へ
の復帰時にシートバックの戻りスピードをなめらかに操
作して乗員に与える恐怖感の低減を図ることができる効
果がある。
【0049】請求項6の発明によれば、シートクッショ
ンの前後方向の位置決め調整時にシート移動ロック機構
に連動して駆動機構を作動するように構成したので、自
然な操作が可能となり、操作性の向上を図ることができ
る効果がある。
【0050】請求項7の発明によれば、シートバックの
前後方向の傾倒位置調整時にシートリクライニングロッ
ク機構に連動して駆動機構を作動するように構成したの
で、自然な操作が可能となり、操作性の向上を図ること
ができる効果がある。
【0051】請求項8の発明によれば、ロック解除、ウ
ォークイン動作、復帰動作を電動トルクで行うように構
成したので、操作性の向上が得られ、特にウォークイン
時の電動動作は、パワーシートに比べて操作スピードが
早く、スプリング式ウォークイン機構に比べて作動がな
めらかであり、シート作動時の恐怖感が無く安全性に優
れ、また実用的であるという効果がある。
【0052】請求項9の発明によれば、シートバックの
ロック解除を電動アクチュエータで駆動するように構成
したので、ロック解除のための動作力を低減でき、装置
の低コスト化、簡素化を図ることができる効果がある。
【0053】請求項10の発明によれば、シート側部に
駆動機構を配設するように構成したので、スペース効率
に優れた最適な装着場所を選定可能とする効果がある。
【0054】請求項11の発明によれば、電動アクチュ
エータをシートバックのロック解除位置にシートクッシ
ョンのロック解除に連動して確実に保持するように構成
したので、ウォークイン機構の確実な作動が可能となり
信頼性が向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るウォークイン装置付きシートの
左側面構成図である。
【図2】図2(ア)はこの発明に係るウォークイン装置
付きシートの右側面構成図であり、図2(イ)は図2
(ア)のB−B矢視図である。
【図3】この発明に係るウォークイン装置付きシートの
シートリクライニングロック機構部のロック状態を示す
説明図である。
【図4】この発明に係るウォークイン装置付きシートの
シートリクライニングロック機構部のロック解除状態を
示す説明図である。
【図5】図2(ア)のC−C断面図である。
【図6】この発明に係るウォークイン装置付きシートの
駆動機構の斜視図である。
【図7】図6に示す駆動機構に使用されているトルクリ
ミッタの斜視図である。
【図8】この発明に係るウォークイン装置付きシートに
使用されている駆動制御系のブロック図である。
【図9】図9(ア)はこの発明に係るウォークイン装置
付きシートの作動を説明するフローチャートであり、図
9(イ)は図9(ア)のサブルーチンを示したフローチ
ャートである。
【図10】シートのウォークイン動作を説明した説明図
である。
【図11】従来のウォークイン装置付きシートの構成を
説明した構成図である。
【符号の説明】
1 シートバック 2 シートクッション 4 ロックプレート 4b 噛合歯(噛合部) 5 ロックアーム 5c 噛合歯(噛合部) 6 シートスライドロック機構(シート移動ロック機
構) 19 シートリクライニングロック機構 20 カム 22 アクチュエータ(電動アクチュエータ) 30 駆動機構 40,41 ライニング(傾倒用のトルクリミット手
段) 50,51 ライニング(移動用のトルクリミット手
段) 80 モータ(駆動モータ)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 駆動装置付きシート
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主に2ドアタイプの
車両のフロントシート及びボックス車の後部座席に使用
される駆動装置付きシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は従来のウォークイン装置付きシ
ートのウォークイン装置を説明する概念図である。図1
1(ア)上のロアレール14、スライドカム15は図1
1(イ)の矢視A−Aから見た状態が示されている。図
において、1はシートバック、2はシートクッションで
あり、3はシートクッション2を前方に移動するスプリ
ングである。4はシートバック1に取り付けられると共
に噛合歯が形成されたロックプレート、5はロックプレ
ート4に噛合可能な噛合歯が形成されると共にシートク
ッションに回動自在に支持されたロックアーム、6はシ
ートクッション2を後方戻り位置に保持するシートスラ
イドロック機構(シート移動ロック機構)であり、シー
トスライドロック機構6はスライドラッチ12を有して
いる。7はシートクッション2に回動自在に支持された
オープンレバー、8はシートバック1を前方に傾倒する
コイル状スプリング、9はシートクッション2に回動自
在に支持されたレバー、10はスライドカム15に当接
すると共にシートクッション2に回動自在に支持された
レバーである。また、11はシートクッション2に回動
自在に支持されたシートスライドレバーである。
【0003】次に動作について説明する。まず、シート
バック1を前傾し、シートクッション2を前方に移動す
る場合について説明する。オープンレバー7をマニュア
ル操作で時計回り方向(以下、CW方向という)に回動
すると、ロックアーム5が反時計回り方向(以下、CC
W方向という)に回動する。これにより、ロックアーム
5の噛合歯とロックプレート4の噛合歯との係合が解除
されるので、シートバック1はコイル状スプリング8の
付勢力で前傾する。シートバック1が前傾するとロック
プレート4の突片4Aがレバー9に当接して、レバー9
がCW方向に回動する。レバー9がCW方向に回動する
とシートスライドレバー11がCW方向に回動して、ス
ライドラッチ12がCW方向に回動する。これにより、
シートスライドロック機構6が解除された状態になり、
シートクッション2が前方に移動する。
【0004】この場合、レバー9のカム部9Aとレバー
10の突片10Aとの当接が解除されるので、レバー1
0はスプリング10Bの付勢力でCCW方向に回動す
る。従って、レバー10の先端部がスライドカム15に
当接する。スライドカム15は略中央から前端までのカ
ム面が低く形成されているので、シートクッション2が
前方に移動するとレバー10がさらにCCW方向に回動
する。これにより、レバー10の突片10Aがレバー9
のカム部9Aに追従して移動するので、レバー9の逆転
が防止される。
【0005】次に、シートバック1を直立位置に復帰
し、かつシートクッション2を後方の復帰位置に復帰す
る場合について説明する。まず、シートバック1を復帰
位置に戻す。この時、ロックアーム5とロックプレート
4はスプリング5Bにより押しつけられているが、シー
トバック1が前傾した位置ではかみ合っておらず、シー
トバック1の復帰動作によってロックプレート4が回転
し、その最初のかみ合い位置に合う。これにより、ロッ
クアーム5がスプリング5Bの付勢力でCW方向に回動
してロックアーム5の噛合部とロックプレート4の噛合
部とが係合し、シートバック1が復帰した直立位置にロ
ックされる。
【0006】その後続けてシートバック1を押すことに
より、シートクッション2が復帰位置に戻されると、レ
バー10の先端部がスライドカム15の後方の高いカム
面に当接するのでレバー10はCCW方向に回動する。
従って、レバー10の突片10Aがレバー9の逆転防止
位置から退避する。これにより、シートスライドレバー
11およびスライドラッチ12が連動してCCW方向に
回動して、スライドラッチ12がロック状態となり、シ
ートクッション2が復帰位置にロックされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のウォークイン装
置付きシートは以上のように構成されているので、助手
席シートのウォークイン装置を操作するマニュアル操作
レバーが、車両のドアの目立たない位置に設けられてい
ることが多い。このため、マニュアル操作レバーをスム
ーズに操作することができないなどの問題点があり、ま
た運転者が操作する場合には身を乗り出して操作しなけ
ればならないので、操作が困難になるなどの問題点があ
った。そのため、運転席に設けた操作スイッチで自動的
にウォークイン装置を作動させ、かつシートクッション
2およびシートバック1を自動的に復帰させる自動復帰
装置が望まれていた。しかし、この装置は使用頻度が比
較的少ないことや、シートの下部等が他の制御用コント
ローラ等によって占有されていることなどの理由から、
実用化を図るためには最適な装着場所の選定、低コスト
化、簡素化、小型化などの問題点があり、また、シート
動作時の安全性、シート動作時の乗員への恐怖感の除
去、シート動作の耐久性、信頼性などの問題点があっ
た。この発明は上記のような問題点を解消するためにな
されたもので、最適な装着場所の選定、装置の低コスト
化、簡素化、小型化、安全性、恐怖感の除去、耐久性、
信頼性等に対する要望を満たすことができる駆動装置付
きシートを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る
動装置付きシートは、シートクッションを前後方向に移
動する移動トルクを移動トルク以上の駆動トルクを吸収
する移動用のトルクリミット手段を介して伝達するもの
である。
【0009】請求項2の発明に係る駆動装置付きシート
は、シートバックを前後方向に傾倒する傾倒トルクを傾
倒トルク以上の駆動トルクを吸収する傾倒用のトルクリ
ミット手段を介して伝達するものである。
【0010】請求項3の発明に係る駆動装置付きシート
は、1つの駆動モータから出力された駆動トルクを移動
トルクと傾倒トルクに分岐し、該分岐された各々のトル
クをトルクリミット手段を介して伝達するものである。
【0011】請求項4の発明に係る駆動装置付きシート
は、シートクッションの前後方向の位置決め調整を駆動
機構で行うものである。
【0012】請求項5の発明に係る駆動装置付きシート
は、シートバックの前後方向の傾倒位置調整を駆動機構
で行うものである。
【0013】請求項6の発明に係る駆動装置付きシート
は、シートクッションのロック作動に連動して駆動機構
が作動するものである。
【0014】請求項7の発明に係る駆動装置付きシート
は、シートバックのロック作動に連動して駆動機構が作
動するものである。
【0015】請求項8の発明に係る駆動装置付きシート
は、シートバックのロックを電動アクチュエータで解除
した時シートバックが傾倒トルクで傾倒され、このシー
トバックの傾倒に連動してシートクッションのロックが
解除された時、シートクッションを移動トルクで移動さ
れ、シートクッションおよびシートバックを各々のトル
クリミット手段を介して伝達されたトルクで復帰させる
ものである。
【0016】請求項9の発明に係る駆動装置付きシート
は、カムを一方向に回動するとロックアームおよびロッ
クプレートの各々の噛合部が噛合するようにロックアー
ムが回動し、カムが他方向に回動するとその噛合が解除
されるようにロックアームが回動するロック機構と、カ
ムを一方向、他方向に回動する電動アクチュエータを備
えたものである。
【0017】請求項10の発明に係る駆動装置付きシー
は、駆動機構をシートの側部に配設したものである。
【0018】請求項11の発明に係る駆動装置付きシー
は、電動アクチュエータでシートバックのロックを解
除してシートバックが傾倒し、シートバックの傾倒に連
動してシートクッションのロックがされた時、電動アク
チュエータをシートバックのロック位置に保持するもの
である。
【0019】
【作用】請求項1の発明における駆動装置付きシート
は、移動用のトルクリミット手段を介して駆動トルクを
伝達することによりシートクッション用スプリング装置
を不要とし、スプリングに抗して駆動する時の駆動力が
大幅に低減できるので、モータの小型化および減速機構
の小型化と簡素化、軽量化、低コスト化を図ることがで
きる。さらに、伝達される駆動トルクを規定値以下に抑
えることができるので、安全性を確保することができ
る。
【0020】請求項2の発明における駆動装置付きシー
は、請求項1と同様にシートバック用スプリング装置
を不要とし、スプリングに抗して駆動する時の駆動力が
大幅に低減できるので、モータの小型化および減速機構
の小型化、簡素化、軽量化、低コスト化を図ることがで
きる。さらに、伝達される駆動トルクを規定値以下に抑
えることができるので、安全性を確保することができ、
作動のなめらかさが恐怖感を低減する。
【0021】請求項3の発明における駆動装置付きシー
は、シートクッションとシートバックの駆動トルクを
1つのモータで出力することにより、減速機構の小型
化、簡素化、軽量化、低コスト化を図ることができる。
【0022】請求項4の発明における駆動装置付きシー
は、シートクッションの前後方向の位置決め調整を駆
動機構で行うことができるので、シート移動時にスプリ
ングの劣化に起因する移動調整時のシート前方アシスト
力低下による移動調整困難を防止することができる。そ
して、駆動機構の使用頻度を向上して相対的に低コス
ト、高機能とすることができる。
【0023】請求項5の発明における駆動装置付きシー
は、シートバックの前後方向の傾倒位置調整を駆動機
構で行うことができるので、シートリクライニング状態
から通常使用状態への復帰時にシートバックの戻りスピ
ードをなめらかに操作することができる。従って、乗員
に与える恐怖感の低減を図ることができる。
【0024】請求項6の発明における駆動装置付きシー
は、シートクッションの前後方向の位置決め調整時に
シート移動ロック機構に連動して駆動機構を作動するよ
うにしたので、自然な操作が可能となり、操作性の向上
を図ることができる。
【0025】請求項7の発明における駆動装置付きシー
は、シートバックの前後方向の傾倒位置調整時にシー
トリクライニングロック機構に連動して駆動機構を作動
するようにしたので、自然な操作が可能となり、操作性
の向上を図ることができる。
【0026】請求項8の発明における駆動装置付きシー
は、ロック解除、ウォークイン、復帰動作を電動トル
クで行うので操作性の向上が得られ、特にウォークイン
時の電動動作は、パワーシートに比べてその操作スピー
ドが早く、スプリング式ウォークイン機構に比べて作動
がなめらかであり、シート作動時の恐怖感が無く安全性
に優れ、また実用的である。
【0027】請求項9の発明における駆動装置付きシー
は、シートバックのロック解除を電動アクチュエータ
でカムを駆動することにより行うので、ロック解除のた
めの動作力を低減でき、装置の低コスト化、簡素化を図
ることができる。
【0028】請求項10の発明における駆動装置付きシ
ートは、シート側面に駆動機構を設けたので、スペース
効率に優れた最適な装着場所を選定可能とすることがで
きる。
【0029】請求項11の発明における駆動装置付きシ
ートは、シートバックのロック機構を作動する電動アク
チュエータを所望の位置まで確実に保持することができ
るので、ウォークイン機構の確実な作動が可能となる信
頼性が向上する。
【0030】
【実施例】 実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明に係るウォークイン装置付きシー
トの構成図、図2(ア)はこの発明に係るウォークイン
装置付きシートの側面図、図2(イ)はそのB−B矢視
図であり、図において、図11(ア),(イ)の従来の
ウォークイン装置付きシートの構成部材と同一類似部材
については同一符号を付して説明は省略する。図におい
て、20はシートクッション2にピン20fを介して回
動自在に支持されているシートリクライニング機構19
のカムであり、カム20がCW方向に回動するとロック
アーム5の噛合歯(噛合部5c)とロックプレート4の
噛合歯(噛合部4b)とが係合し(図3参照)、またカ
ム20がCCW方向に回動するとロックアーム5の噛合
歯5cとロックプレート4の噛合歯4bとの係合が解除
される(図4参照)。図3、図4にはシートリクライニ
ングロック機構19が示されていて、5aはロックプレ
ート5に設けられたピン、20aはカム20のアクチュ
エータ駆動部である当接部、20bはカム20に形成さ
れると共にピン5aに摺動自在に嵌合する長穴、20
c,20dはそれぞれ長穴20bを形成するカム部、2
1aは出力レバー21の先端に設けられたピン、28は
カム20をロックアーム5の噛合部5cをロックプレー
ト4の噛合部4bに押しつける方向に付勢するカムスプ
リング、7aはオープンレバー7に形成され、カム20
のレバー当接部20eに当接してオープンレバー7の開
方向作動のみ伝達する凸部、16はオープンレバー7を
一定位置に付勢するバイアススプリングである。
【0031】また、22は小型モータが内蔵されると共
にギヤ減速機構およびクラッチ機構が備えられたアクチ
ュエータ(電動アクチュエータ)、21はアクチュエー
タ22の出力レバーであり、出力レバー21は一定角度
の範囲で回動する。23はカム20の回動に連動して作
動するスイッチ、24はシートスライドレバー11の回
動に連動して作動するスイッチ、25はシートクッショ
ン2が前方にスライドして前端に到達した時に作動する
スイッチである。
【0032】さらに、30はシートクッション2のスラ
イド用およびシートバック1のリクライニング用の駆動
機構である。以下、図5乃至図7に基づいて駆動機構3
0の構成を説明する。図5は駆動機構を説明した断面
図、図6はその斜視図、図7はそのトルクリミッタを説
明した斜視図であり、図において、14はフロア13に
固定されるロアレール、26はロアレール14に摺動自
在に保持されるアッパレール、2aはシートクッション
2を保持するサポートであり、サポート2はボルト27
を介してアッパレール26に固定されている。32,3
3はそれぞれ軸受けプレートであり、軸受けプレート3
3はアッパレール26に固定されている。34はスペー
サであり、スペーサ34はプレート32とプレート33
の間隔を規定している。35はナット、36は軸であ
り、軸36はモータ(駆動モータ)80に回転力が伝達
可能に連結されたウォームギヤ81と噛み合うウォーム
ホイール37aを回動自在に支持している。37bはウ
ォームホイール37aと一体的に形成されたギヤ、38
は軸36と平行に設けられた軸、46,47は軸38を
回動自在に支持するブッシュ、39はギヤ37bと噛み
合い、軸38に同軸上に固着されたギヤ、40,41は
軸38およびディスク42との間に摺動抵抗を発生させ
る傾倒用トルクリミット手段のライニングであり、ライ
ニング40は軸38のリブ部38aに接着されている。
また、ライニング41はギヤ39に接着されている。
【0033】そして、43はライニング40,41に摺
動抵抗を発生させる皿バネスプリング、44は皿バネス
プリング43を保持するホルダ、45は軸38のねじ部
38bにねじ結合することによって皿バネスプリング4
3を圧縮して摺動部の面圧を可変する調整ナット、58
は軸38に同軸上に固着されて、軸38と同一回転する
ギヤ、59は軸36に同軸上に回動自在に支持され、ギ
ヤ58と噛み合うギヤ、61はギヤ59に固定され、シ
ートバック1の骨組み1aにボルト60を介して固定さ
れているアーム、48は軸38と平行に設けられた軸、
56,57は軸48を回転自在に保持するブッシュ、4
9はギヤ39と噛み合うと共に軸48に同軸上に固着さ
れたギヤ、50,51は軸48およびディスク52間に
摺動抵抗を発生する移動用トルクリミット手段のライニ
ングであり、ライニング50は軸48のリブ部48aに
接着されている。また、ライニング51はギヤ49に接
着されている。53はライニング50,51に摺動抵抗
を発生させる皿バネスプリング、54は皿バネスプリン
グ53を保持し、軸48に同軸上に固定されて、軸48
と同一回転すると共にラックギヤ31と噛み合うギヤ、
55は軸48のねじ部48aにねじ結合することによっ
て皿バネスプリング53を圧縮して摺動部の面圧を可変
する調整ナットである。
【0034】また、図8はウォークイン装置付きシート
の駆動制御系のブロック図であり、図において、70は
各部スイッチ、アクチュエータ22、駆動装置30他に
接続されシートの駆動をコントロールするコントロール
ユニット、71は電源、72は運転席に設けられたウォ
ークイン起動スイッチ、73はリターン起動スイッチで
ある。さらに、75コントロールユニット70内のマイ
クロコンピュータであり、マイクロコンピュータ75は
CPU76、メモリー77、入力回路78および出力回
路79を有している。23,24,25,72,73は
それぞれ前述したスイッチで入力回路78に接続されて
いる。22はアクチュエータ、80はモータであり、ア
クチュエータ22およびモータ80はリレー回路74を
介して出力回路79に接続されている。
【0035】次に動作について説明する。図9は実施例
1におけるウォークイン装置付きシートの制御を説明す
るフローチャートであり、図10はその動作を説明する
説明図であり、図9,図10に基づいて動作を説明す
る。まず、ウォークイン動作について説明する。図10
(ア)のウォークイン装置付きシートのシートバック1
が起き、シートクッション2がシートスライド範囲の前
端部より後方にあり、それぞれがロックされた通常の状
態では、スイッチ23,24,25はOFFの状態にあ
る(ステップST96,98,100)。この時、運転
席等に設けられたウォークイン起動スイッチ72をON
にすると(ステップST102)、アクチュエータ22
が通電してアクチュエータ22内に設けられたモータ、
ギヤ機構を介して出力レバー21を図4上で矢印方向
(CW方向)に回動する(ステップST104)。出力
レバー21の回動力は、出力レバー21に設けられたピ
ン21aを介してカム20の当接部20aに伝達され
る。従って、カム20はカムスプリング28の付勢力に
抗して図4上で矢印方向(CCW方向)に回動する。こ
れにより、カム20の長穴20b内の凸部5aが長穴2
0bの下端部まで移動する。この場合、長穴20bは下
端部が上端部よりカム20の回転中心に近づいて形成さ
れているので、凸部5aが長穴20bの下端部まで移動
すると、ロックアーム5が図4上で矢印方向(CCW方
向)に回動する。従って、ロックアーム5の噛合部5c
とロックプレート4の噛合部4bとの係合が解除され
る。なお、この一連の動作において、カム20の回動が
オープンレバー7に無関係に回動すること、およびカム
機構による作動力増大効果、すなわちピン21aの移動
量に対してピン部5aの移動量を減少するようにカム機
構を構成することにより、アクチュエータ22の必要駆
動力を低下させることができる。
【0036】その後、タイマ回路のONおよびX=0の
初期値を認識させ(ステップST106)、駆動機構3
0に設けられているモータ80(図6参照)をCW方向
に駆動する(ステップST108)。モータ80がCW
方向に回動すると、ウォームギヤ81、ウォームホイー
ル37aを介してギヤ37bがCW方向に回動する。ギ
ヤ37bにCW方向の回動によりギヤ39がCCW方向
に回動し、ギヤ39の回動力がライニング40,41を
備えたトルクリミッタを介してギヤ58に伝達される。
これにより、ギヤ58がCCW方向に回動し、ギヤ58
の回動力はギヤ59を介してアーム61に伝達されるの
でアーム61はCW方向(すなわち、シートバック1が
前傾する方向)に回動する。従って、アーム61に骨組
み1aを介して固定されているシートバック1が前傾す
る(図10(イ)参照)。この場合、傾倒用のトルクリ
ミッタは、シートバック1の傾倒や後述する図11中の
シートスライドロック機構(シート移動ロック機構)6
のロック解除に必要な駆動力を伝達し、かつ、それ以上
の過大な駆動力を吸収するように調整されている。そし
て、シートバック1の前傾が略完了する直前に、従来の
ウォークイン装置付きシートと同様にシートスライドロ
ック機構6が解除され、スライドレバー11に設けられ
ているスイッチ24がONの状態になる(ステップST
112)。ここで、X=1であるか否かを判断して(ス
テップST114)、X=0であればアクチュエータ2
2をCCW方向に一定時間駆動した後(ここでは0.5
秒とした)、スイッチ24をOFFの状態にしてX=1
を認識させる。これにより、アクチュエータ22のOF
F動作は1回のみの作動となる。
【0037】一方、ギヤ39にはギヤ49が噛み合って
いるので、ギヤ39がCCW方向に回動すると、ギヤ4
9がCW方向に回動する。ギヤ49の回動力はライニン
グ50,51を有する移動用トルクリミッタを介してギ
ヤ54に伝達されるので、ギヤ54がCW方向に回動す
る。この場合、ギヤ54がアッパレール26に取り付け
られていて、さらにラックギヤ31がロアレール14を
介してフロア13に固定されているので、ギヤ54がC
W方向に回動するとギヤ54がラックギヤ31に沿って
前方に回転移動する。従って、アッパレール26に取り
付けられているシートクッション2が前方に移動する
(図10(ウ)参照)。なお、ギヤ54の回動力はシー
トスライドロック機構6がロック状態の時にも移動用ト
ルクリミッタを介して伝達されている。しかしながら、
移動用トルクリミッタはシートスライドロック機構6の
ロック力以上の回動力を吸収するように調整されている
ので、シートクッション2は前方にスライドしない。
【0038】そして、シートクッション2がスライド範
囲の前端部まで移動するとスイッチ25がONの状態に
なり(ステップST118)、モータ80およびタイマ
回路がOFFの状態になる(ステップST120,12
2)。これにより、ウォークイン動作が完了する(図1
0(エ))。ところで、シートクッション2が障害物等
に当接してスライド範囲の前端部に到達する前に停止し
た場合には、タイマ時間が一定時間(ここでは10秒と
設定する)を越えた時点でモータ80の駆動を停止する
ように設定されている(ステップST124,12
6)。そして、タイマによりモータ、80が停止した場
合、運転席に設けられているリターン起動スイッチ73
をONの状態にすることにより、モータ80が駆動状態
に復帰する(ステップST128)。なお、シートクッ
ション2が前方移動時に人体に当接した場合、移動用ト
ルクリミッタが所定値以上のシートクッション2の駆動
力を吸収するので人体に与える影響を少なくすることが
でき、安全性が高い。
【0039】次にリターン(復帰)動作について説明す
る。図10(エ)のウォークイン動作完了時には前述し
たようにスイッチ23,24,25がONの状態になっ
ていて、この状態において回路は作動しないように構成
されている。この状態で、運転席等に設けられているリ
ターンスイッチ73をONにすると(ステップST13
0)、タイマ回路がONになり、駆動装置30に設けら
れたモータ80がCCW方向に回動する(ステップST
132,134)。モータ回動方向はこの場合直流モー
タを使用しているので、電圧の印加方向を入れ換えるこ
とにより変えることができる。モータ80がCCW方向
に回動すると駆動装置30内のギヤ系は前述したウォー
クイン動作時と逆方向に回動する。従って、シートバッ
ク1は復帰動作を行い、シートクッション2は後方にス
ライドする(図10(オ)参照)。この時、シートバッ
ク1の作動減速比と、シートクッション2の作動減速比
をそれぞれの移動量を考慮して、シートバック1の方が
早く復帰位置まで作動するように構成されている。すな
わち、実施例1ではギヤモジュール1、ギヤ37Bの歯
数を20、ギヤ39の歯数を70、ギヤ58の歯数を2
0、ギヤ59の歯数を70、ギヤ49の歯数を60、ギ
ヤ54の歯数を42とし、ウォームホイール37a以下
の減速比は、シートバック1が12.25倍、シートク
ッション2が3倍とした。さらに、シートバック1のリ
クライニング角を約37゜とし、シートスライドロック
位置を約170mmとした。従って、シートクッション
2が復帰する前にシートバック1が後方に復帰する。そ
して、シートバック1が後方に復帰すると、ロックプレ
ート4とロックアーム5の最初のかみ合い位置でカムス
プリング28の付勢力でカム20がCW方向に回動する
のでロックアーム5の噛合部5cとロックプレート4の
噛合部4bとが噛み合い、シートバック1はロックされ
る。その後、シートクッション2が後方にスライドし
て、従来のウォークイン装置付きシートと同様にスライ
ド範囲のほぼ中央部でシートクッション2はシートスラ
イドロック機構6でロックされる(図10(カ)参
照)。シートクッション2がロックされるとスライドレ
バー11が定位置に戻るので、スライドレバー11に連
動しているスイッチ24がOFFの状態になり(ステッ
プST136)、モータ80およびタイマ回路がOFF
になる(ステップST120,122)。
【0040】また、シートクッション2およびシートバ
ック1が障害物等に当接して復帰に到達せずスイッチ2
4がOFFにならない場合は、タイマ時間が一定時間
(ここでは10秒)を越えた時点で(ステップST13
8)モータ80の駆動を停止する(ステップST14
0)。この時、障害物が人体であった場合でもシートク
ッション2に加わる駆動力は、シートクッション2の移
動用トルクリミッタにより規制されている。また、シー
トバック1に加わる駆動力は、シートバック1の傾倒用
トルクリミッタにより規制されている。従って、人体に
対する安全性が高い。そして、タイマによる停止後は、
運転席等に設けられたウォークイン起動スイッチ72を
ONの状態にするとウォークイン装置付きシートがウォ
ークイン動作する(ステップST142)。
【0041】次にシートバック1のリクライニング位置
調整について説明する。ウォークイン動作時に説明した
ように、シートバック1が起きた状態でロックされ、さ
らにシートクッション2がシートスライド範囲の前端部
より後方に位置決めされた状態でロックされた場合、ス
イッチ23,24,25がOFFの状態になる(ステッ
プST96,98,100)。この状態において、シー
トに腰掛けた乗員がシートリクライニング量を調整する
ためにオープンレバー7を引くと、オープンレバー7に
連動してスイッチ23がONとなり(ステップST9
6)、タイマ回路がONになり駆動機構30に設けられ
たモータ80がCW方向に駆動する(ステップST14
6,148)。この時、スイッチ23がON、スイッチ
24がOFFであることを確認することにより(ステッ
プST150,152)、ウォークイン動作後のシート
状態でないことを確認することができる。そして、モー
タ80のCW方向の駆動により、駆動機構30のギヤ系
は前述したウォークイン作動時と同様に回転する。この
場合、シートスライドロック機構6はロック状態にある
ので、シートクッション2がロックされている。従っ
て、モータ80の駆動力は移動用トルクリミッタで吸収
される。一方、ロックアーム5の噛合部5cとロックプ
レート4の噛合部4bとの噛み合が解除されているので
(すなわち、シートバック1のロックが解除されている
ので)、モータ80の駆動力が傾倒用のトルクリミッタ
を介してシートバック1に伝達される。従って、乗員が
上半身を前にかがめることによりシートバック1が上半
身に追従して前方に傾倒する。また、乗員が上半身をシ
ートバック1に押し付けることによりモータ80の駆動
力が傾倒用のトルクリミッタで吸収されるので、シート
バック1を後方に倒すことができる。この一連の動作に
より、乗員は自身の最適なシートリクライニング位置に
シートバック1の位置を調整することができる。そし
て、調整後、オープンレバー7を戻してモータ80を停
止することにより、シートバック1がロックされる。ま
た、乗員がシートに腰掛けずに、前述した操作と同様に
オープンレバー7を引いてシートバック1を前方に傾倒
させることにより、シートスライドロック機構6のロッ
ク状態が解除されると、スライドレバー11に連動して
スイッチ24がONの状態になり、ウォークイン動作の
モータ駆動後に移行しウォークイン動作となる。そし
て、モータ保護のため一定時間(ここでは10秒)を越
えた時点で、モータ80を停止するように構成されてい
る(ステップST154,156)。
【0042】次にシートクッション2のスライド位置調
整について説明する。シートバック1が起きた状態でロ
ックされ、シートクッション2がシートスライドの前端
部より後方に位置決めされた状態でロックされた時、ス
イッチ23,24,25はOFFの状態になる。この状
態において、シートに腰掛けた乗員がシートスライド量
を調整するためにシートスライドレバー11を引くと、
シートスライドレバー11に連動したスイッチ24がO
Nとなり(ステップST98)、タイマ回路がONにな
り駆動装置30に設けられたモータ80がCW方向に駆
動する(ステップST158,160)。この時、スイ
ッチ24がON、スイッチ25がOFFであることを確
認することにより(ステップST162,164)、ウ
ォークイン動作後のシート状態でないことを確認するこ
とができる。そして、モータ80のCW方向の駆動によ
り、駆動機構30のギヤ系は、前述したウォークイン作
動時と同様に回転する。この場合、シートバック1がロ
ックされているので、モータ80の起動力は傾倒用のト
ルクリミッタで吸収される。一方、シートスライドはロ
ックが解除されているので、モータ80の駆動力がスラ
イド用のトルクリミッタを介してシートクッション2に
伝達される。従って、乗員がフロアにつけた足の力をぬ
きシートクッション2に体重を預けることにより、モー
タ80により駆動されるシートクッション2が前方にス
ライドする。また、乗員がフロアにつけた足を支点に体
を後方に押すことによりモータ80の駆動力が移動用ト
ルクリミッタで吸収されるので、シートクッション2を
後方にスライドすることができる。この一連の動作によ
り、乗員は自身の最適なシートスライド位置にシートク
ッション2の位置を調整することができる。そして調整
後、シートスライドレバー11を戻してモータ80を停
止することにより、シートクッション2がロックされ
る。そして、モータ保護のため一定時間(ここでは10
秒)を越えた時点で、モータ80を停止するように構成
されている(ステップST166,168)。
【0043】実施例2.前記実施例1では、2ドア車の
助手席に装着されるウォークイン装置付きシートについ
て説明したが、本発明に係るウォークイン装置付きシー
トを、例えば1ボックス車の後部座席に登載してスイッ
チ操作でシートレイアウト変更、フルフラットシートの
操作を行うことができる。また、本発明に係るウォーク
イン装置付きシートの一部の構成のみを使用することも
可能である。すなわち、シートスライド調整用簡易パワ
ーシートとしてシートスライドを前後方向に駆動するこ
とや、シートリクライニング調整用簡易パワーシートと
してシートリクライニングを駆動することや、ウォーク
インの自動化において本発明に係るアクチュエータ22
の駆動方法、およびアクチュエータ駆動部構造のみを応
用すること等に利用することがきることは述べるまで
もない。
【0044】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、移動用のトルクリミット手段を介して駆動トルクを
伝達することにより、シートクッション用スプリング装
置を不要に構成したので、スプリングに抗して駆動する
時の駆動力を大幅に低減することができる。従って、モ
ータの小型化および減速機構の小型化、簡素化、軽量
化、低コスト化を図ることができる。さらに、移動用の
トルクリミット手段を使用することにより安全性を確保
することができる効果がある。
【0045】請求項2の発明によれば、請求項1と同様
にシートバック用スプリング装置を不要に構成したの
で、スプリングに抗して駆動する時の駆動力を大幅に低
減することができる。従って、モータの小型化および減
速機構の小型化、簡素化、軽量化、低コスト化を図るこ
とができる。さらに、傾倒用のトルクリミット手段を使
用することにより安全性を確保することができ、作動の
なめらかさを得ることができるので恐怖感を低減できる
効果がある。
【0046】請求項3の発明によれば、シートクッショ
ンとシートバックの駆動トルクを1つのモータで出力す
るように構成したので、減速機構の小型化と簡素化、軽
量化、低コスト化を図ることができる効果がある。
【0047】請求項4の発明によれば、シートクッショ
ンの前後方向の位置決め調整を駆動機構で行うように構
成したので、シート移動時にスプリングの劣化に起因す
る移動調整時のシート前方アシスト力低下による移動調
整困難を防止することができ、さらに駆動機構の使用頻
度を向上して相対的に低コスト、高機能とすることがで
きる効果がある。
【0048】請求項5の発明によれば、シートバックの
前後方向の傾倒位置調整を駆動機構で行うように構成し
たので、シートリクライニング状態から通常使用状態へ
の復帰時にシートバックの戻りスピードをなめらかに操
作して乗員に与える恐怖感の低減を図ることができる効
果がある。
【0049】請求項6の発明によれば、シートクッショ
ンの前後方向の位置決め調整時にシート移動ロック機構
に連動して駆動機構を作動するように構成したので、自
然な操作が可能となり、操作性の向上を図ることができ
る効果がある。
【0050】請求項7の発明によれば、シートバックの
前後方向の傾倒位置調整時にシートリクライニングロッ
ク機構に連動して駆動機構を作動するように構成したの
で、自然な操作が可能となり、操作性の向上を図ること
ができる効果がある。
【0051】請求項8の発明によれば、ロック解除、ウ
ォークイン動作、復帰動作を電動トルクで行うように構
成したので、操作性の向上が得られ、特にウォークイン
時の電動動作は、パワーシートに比べて操作スピードが
早く、スプリング式ウォークイン機構に比べて作動がな
めらかであり、シート作動時の恐怖感が無く安全性に優
れ、また実用的であるという効果がある。
【0052】請求項9の発明によれば、シートバックの
ロック解除を電動アクチュエータで駆動するように構成
したので、ロック解除のための動作力を低減でき、装置
の低コスト化、簡素化を図ることができる効果がある。
【0053】請求項10の発明によれば、シート側部に
駆動機構を配設するように構成したので、スペース効率
に優れた最適な装着場所を選定可能とする効果がある。
【0054】請求項11の発明によれば、電動アクチュ
エータをシートバックのロック解除位置にシートクッシ
ョンのロック解除に連動して保持を解除するように構成
したので、ウォークイン機構の確実な作動が可能となり
信頼性が向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るウォークイン装置付きシートの
左側面構成図である。
【図2】図2(ア)はこの発明に係るウォークイン装置
付きシートの右側面構成図であり、図2(イ)は図2
(ア)のB−B矢視図である。
【図3】この発明に係るウォークイン装置付きシートの
シートリクライニングロック機構部のロック状態を示す
説明図である。
【図4】この発明に係るウォークイン装置付きシートの
シートリクライニングロック機構部のロック解除状態を
示す説明図である。
【図5】図2(ア)のC−C断面図である。
【図6】この発明に係るウォークイン装置付きシートの
駆動機構の斜視図である。
【図7】図6に示す駆動機構に使用されているトルクリ
ミッタの斜視図である。
【図8】この発明に係るウォークイン装置付きシートに
使用されている駆動制御系のブロック図である。
【図9】図9(ア)はこの発明に係るウォークイン装置
付きシートの作動を説明するフローチャートであり、図
9(イ)は図9(ア)のサブルーチンを示したフローチ
ャートである。
【図10】シートのウォークイン動作を説明した説明図
である。
【図11】従来のウォークイン装置付きシートの構成を
説明した構成図である。
【符号の説明】 1 シートバック 2 シートクッション 4 ロックプレート 4b 噛合歯(噛合部) 5 ロックアーム 5c 噛合歯(噛合部) 6 シートスライドロック機構(シート移動ロック機
構) 19 シートリクライニングロック機構 20 カム 22 アクチュエータ(電動アクチュエータ) 30 駆動機構 40,41 ライニング(傾倒用のトルクリミット手
段) 50,51 ライニング(移動用のトルクリミット手
段) 80 モータ(駆動モータ)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートクッションが前後方向に移動自在
    に支持されたシートと、前記シートクッションを前後方
    向に移動する移動トルクを伝達すると共に該移動トルク
    以上のトルクを吸収する移動用のトルクリミット手段を
    介して駆動モータの駆動トルクを伝達する駆動機構とを
    備えたウォークイン装置付きシート。
  2. 【請求項2】 シートバックが前後方向に傾倒自在にシ
    ートクッションに支持されたシートと、前記シートバッ
    クを前後方向に傾倒する傾倒トルクを伝達すると共に該
    傾倒トルク以上のトルクを吸収する傾倒用のトルクリミ
    ット手段を介して駆動モータの駆動トルクを伝達する駆
    動機構とを備えたウォークイン装置付きシート。
  3. 【請求項3】 前後方向に移動自在に支持されたシート
    クッションに、シートバックが前後方向に傾倒自在に支
    持されたシートと、1つの駆動モータから出力された駆
    動トルクを移動トルクと傾倒トルクに2分岐し、かつ、
    前記シートクッションを前後方向に移動する移動トルク
    を伝達すると共に該移動トルク以上のトルクを吸収する
    移動用のトルクリミット手段を介して前記移動トルクが
    前記シートクッションに伝達され、前記シートバックを
    前後方向に傾倒する傾倒トルクを伝達すると共に該傾倒
    トルク以上のトルクを吸収する傾倒用のトルクリミット
    手段を介して前記傾倒トルクが前記シートバックに伝達
    される駆動機構とを備えたウォークイン装置付きシー
    ト。
  4. 【請求項4】 前記駆動機構は前記シートクッションの
    前後方向の位置決め調整が可能であることを特徴とする
    請求項1または請求項3に記載のウォークイン装置付き
    シート。
  5. 【請求項5】 前記駆動機構は前記シートバックの前後
    方向の傾倒調整が可能であることを特徴とする請求項2
    または請求項3に記載のウォークイン装置付きシート。
  6. 【請求項6】 前記駆動機構は前記シートクッションの
    前後方向の位置決め調整が可能で、かつ、前記シートク
    ッションをロックするシート移動ロック機構に連動して
    作動することを特徴とする請求項1または請求項3に記
    載のウォークイン装置付きシート。
  7. 【請求項7】 前記駆動機構は前記シートバックの前後
    方向の傾倒調整が可能であり、かつ、前記シートバック
    をロックするシートリクライニングロック機構に連動し
    て作動することを特徴とする請求項2または請求項3に
    記載のウォークイン装置付きシート。
  8. 【請求項8】 前後方向に移動自在に支持されたシート
    クッションに、シートバックが前後方向に傾倒自在に支
    持されたシートと、1つの駆動モータから出力された駆
    動トルクを移動トルクと傾倒トルクに2分岐し、かつ、
    前記シートクッションを前後方向に移動する移動トルク
    を伝達すると共に該移動トルク以上のトルクを吸収する
    移動用のトルクリミット手段を介して前記移動トルクが
    前記シートクッションに伝達され、前記シートバックを
    前後方向に傾倒する傾倒トルクを伝達すると共に該傾倒
    トルク以上のトルクを吸収する傾倒用のトルクリミット
    手段を介して前記傾倒トルクが前記シートバックに伝達
    される駆動機構とを備えたウォークイン装置付きシート
    において、前記シートクッションを前後方向の所定位置
    にロックすると共に前記シートバックを前後方向の所定
    の傾倒位置にロック可能であって、前記シートバックの
    ロックを電動アクチュエータで解除した時該シートバッ
    クが前記傾倒用のトルクリミット手段を介して伝達され
    た傾倒トルクで傾倒され、該シートバックの傾倒に連動
    して前記シートクッションのロックが解除された時該シ
    ートクッションが前記移動用のトルクリミット手段を介
    して伝達された移動トルクで移動され、前記シートクッ
    ションおよびシートバックが前記各々のトルクリミット
    手段を介して伝達されたトルクで復帰位置に復帰される
    ことを特徴としたウォークイン装置付きシート。
  9. 【請求項9】 前後方向に移動自在に支持されたシート
    クッションに、シートバックが前後方向に傾倒自在に支
    持されたシートと、前記シートバックに設けられたロッ
    クプレートに噛合部が形成されると共に前記シートクッ
    ションに回動自在に支持されたロックアームに前記ロッ
    クプレートの噛合部に噛合可能な噛合部が形成され、か
    つ、前記ロックアームが連結されたカムを一方向に回動
    するとロックアームおよびロックプレートの各々の噛合
    部が噛合するように前記ロックアームが回動し、前記カ
    ムが他方向に回動すると前記ロックアームおよびロック
    プレートの各々の噛合部の噛合が解除されるように前記
    ロックアームが回動するシートリクライニングロック機
    構と、前記カムを一方向、他方向に回動可能な電動アク
    チュエータとを備えたウォークイン装置付きシート。
  10. 【請求項10】 前記駆動機構は前記シートの側部に配
    設されたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいず
    れか1項に記載のウォークイン装置付きシート。
  11. 【請求項11】 前記電動アクチュエータが前記シート
    バックのロック解除位置に移動して前記シートバックが
    傾倒し、該シートバックの傾倒に連動して前記シートク
    ッションのロックが解除された時、前記電動アクチュエ
    ータを前記シートバックのロック解除位置に保持するこ
    とを特徴とする請求項8または請求項9に記載のウォー
    クイン装置付きシート。
JP14119493A 1993-05-21 1993-05-21 駆動装置付きシート Pending JPH06328973A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14119493A JPH06328973A (ja) 1993-05-21 1993-05-21 駆動装置付きシート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14119493A JPH06328973A (ja) 1993-05-21 1993-05-21 駆動装置付きシート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06328973A true JPH06328973A (ja) 1994-11-29

Family

ID=15286349

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14119493A Pending JPH06328973A (ja) 1993-05-21 1993-05-21 駆動装置付きシート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06328973A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001097081A (ja) * 1999-09-29 2001-04-10 Toyota Auto Body Co Ltd 車両用回転座席
JP2003312326A (ja) * 2002-04-25 2003-11-06 Nissan Motor Co Ltd 車両用シートのウォークイン装置
JP2008126926A (ja) * 2006-11-24 2008-06-05 Tachi S Co Ltd 車両用シートのモータ駆動式シートバック前倒し装置
JP2008136627A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Kokuyo Co Ltd 家具
JP2015031354A (ja) * 2013-08-05 2015-02-16 株式会社今仙電機製作所 ギヤボックスおよびシート装置
WO2015040771A1 (ja) * 2013-09-19 2015-03-26 アイシン精機株式会社 車両用シート
JP2018118531A (ja) * 2017-01-23 2018-08-02 トヨタ紡織株式会社 乗物用シート
JP2020111074A (ja) * 2019-01-08 2020-07-27 トヨタ紡織株式会社 車両用シート装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001097081A (ja) * 1999-09-29 2001-04-10 Toyota Auto Body Co Ltd 車両用回転座席
JP2003312326A (ja) * 2002-04-25 2003-11-06 Nissan Motor Co Ltd 車両用シートのウォークイン装置
JP2008126926A (ja) * 2006-11-24 2008-06-05 Tachi S Co Ltd 車両用シートのモータ駆動式シートバック前倒し装置
JP2008136627A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Kokuyo Co Ltd 家具
JP2015031354A (ja) * 2013-08-05 2015-02-16 株式会社今仙電機製作所 ギヤボックスおよびシート装置
WO2015040771A1 (ja) * 2013-09-19 2015-03-26 アイシン精機株式会社 車両用シート
JP2015058811A (ja) * 2013-09-19 2015-03-30 アイシン精機株式会社 車両用シート
US9815386B2 (en) 2013-09-19 2017-11-14 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Vehicle seat
JP2018118531A (ja) * 2017-01-23 2018-08-02 トヨタ紡織株式会社 乗物用シート
JP2020111074A (ja) * 2019-01-08 2020-07-27 トヨタ紡織株式会社 車両用シート装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5516071A (en) Seat slide device with walk-in mechanism
US8360497B2 (en) Lock mechanism for electric retractable seat for vehicle
US9108540B2 (en) Power fold with lock for vehicle seat
EP2109553B1 (en) Vehicle seat
JP4986209B2 (ja) シート装置
US8579368B2 (en) Seat for vehicle
EP0617676A1 (en) Double enveloping worm and gear seat recliner
US4283036A (en) Position memory for automatically adjustable seat assemblies
JP2000025496A (ja) 調節機構
JPH06328973A (ja) 駆動装置付きシート
US20100170354A1 (en) Lock releasing mechanism
EP1355799B1 (en) Vehicle seat recliner having a sliding pawl
WO1997026147A1 (en) Electrically released six-way seat adjustment
JP3840554B2 (ja) 車両用シートのウォークイン装置
WO2006098319A1 (ja) リクライニングアジャスタ
JPH10297503A (ja) ステアリング位置調整装置
JP2012148753A (ja) 車両用パワーシート装置
JPH0558208A (ja) ウオークイン機構付シート
JPH1046892A (ja) アクチェエータ及びドアロック装置
JPH09206155A (ja) 車両用シートリクライニング装置
US6890035B2 (en) Disc recliner dump lock
JPH053387Y2 (ja)
JPH05238294A (ja) ウオークイン機構付シート
JPH06189835A (ja) 車両用シートリクライニング装置
JPH06205593A (ja) 電動モータ制御構造