JP3289672B2 - 車両用回転座席 - Google Patents

車両用回転座席

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JP3289672B2 JP09929698A JP9929698A JP3289672B2 JP 3289672 B2 JP3289672 B2 JP 3289672B2 JP 09929698 A JP09929698 A JP 09929698A JP 9929698 A JP9929698 A JP 9929698A JP 3289672 B2 JP3289672 B2 JP 3289672B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば高齢者や
身体障害者等の乗員が楽に乗り降りできる車両用回転座
席に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の回転座席は、乗員が楽に乗降で
きるようにするため、乗員を座席本体に着座姿勢のま
ま、回転動作とスライド動作とを別々に操作しなければ
ならなかったので、この回転動作とスライド動作とを連
動する構成とした車両用回転座席が開発されており、こ
の回転動作とスライド動作とを連動する車両用回転座席
においては、車室内外(車両幅方向)に移動中に座席本
体が回転すると、着座した乗員の足等がドアや開口部に
ぶつかる恐れがあり、これを解決するため、例えば図8
ないし図19に示す構成の車両用回転座席1がある。な
お、図中矢印「前」は車両前方を、「外」はドア開口部
側を示す。
【0003】この車両用回転座席1は運転席の左側に設
置されており、該回転座席1は図8にその全体を斜視図
で示すように、座席本体2と、この座席本体2を回転支
持する回転支持台10と、この回転支持台10を車両前
後方向に移動させるための前後方向支持台30と、この
前後方向支持台30を車両幅方向に移動させるための幅
方向支持台50を備えている。
【0004】先ず、図9に示すように座席本体2はシー
トクッション2aとシートバック2bを有し、シートク
ッション2aの下面に座席台5が取付けられており、図
10に示すように座席台5の前部には着座者が足を載せ
ておくためのフットレスト5aが支持アーム5b,5b
を介して取付けられている。
【0005】この座席台5の下面には、それぞれ円弧形
状をなすピニオンギヤ6と、スライドロック自動解除プ
レート7が取付けられている。ピニオンギヤ6と後述す
るラック38が連動手段の一形態を構成している。スラ
イドロック自動解除プレート7は後述するスライドロッ
ク機構80を自動的に解除する機能を有する。また、こ
の座席台5の前左角部には回転ロック解除レバー73が
配置され、後ろ左角部には回転ロック部材74が配置さ
れている。回転ロック解除レバー73および回転ロック
部材74は後述する回転ロック機構70を構成する。
【0006】なお、この座席台5の両側に形成された4
箇所の孔5c〜5cは、当該座席台5を座席本体2の下
面に固定するためのボルト挿通孔として用いられ、中央
後部寄りにおいて同一円周上に沿って配置された6箇所
の孔5d〜5dは、当該座席台5を後述する回転支持台
10の回転リング11に固定するためのボルト挿通孔と
して用いられる。
【0007】このように構成された座席台5は、回転リ
ング11を介して回転支持台10の上面側に回転可能に
支持されている。図11に示すように回転リング11は
内輪11aと外輪11bを有し、図示は省略したが両輪
11a,11bの間には多数の鋼球が介装されている。
内輪11aが上記座席台5の下面に固定され、外輪11
bは回転支持台10の上面に固定されている。この回転
リング11によれば、着座者および座席本体2等の重量
を受けつつ内輪11aが外輪11bに対して回転するこ
とにより座席本体2が回転支持台10に対して回転す
る。
【0008】回転支持台10の両側部には断面コ字型の
スライドレール12a,12bが前後方向に沿って相互
に平行に取付けられている。また、この回転支持台10
のほぼ中央にはスライドロック機構80が配置され、後
ろ側の両角部には回転ロック機構70を構成する回転ロ
ックプレート75,75が配置されている。スライドロ
ック機構80については後述する。さらに、両スライド
レール12a,12bの前端には弾性ゴム製のストッパ
ー片12c,12cが取付けられている。これについて
も後述する。
【0009】このように構成された回転支持台10は、
前後方向支持台30により車両前後方向に移動可能に支
持されている。この前後方向支持台30は、図12に示
すように車両幅方向に沿って相互に平行な2本の主枠3
1,31と、両主枠31,31の室内側端部間と室外側
端部間に掛け渡し状に取り付けた支持枠32,32(室
外側の支持枠32は図示省略されている)から構成され
るフレームの上面にベース33を取り付けた構成となっ
ている。
【0010】ベース33の室内側および室外側の端縁は
上方へ一定の幅で折り曲げられて折曲げ縁33a,33
aとされ、この両折曲げ縁33a,33aの内面には、
それぞれ2個の縦ローラー36,36と2個の横ローラ
ー37,37が回転可能に設けられている。縦ローラー
36,36は、その回転軸線を横向きにして縦方向(上
下方向)に回転し、横ローラー37,37はその回転軸
線を縦向きにして横方向(水平方向)に回転する。この
片側2個の縦ローラー36,36と2個の横ローラー3
7,37により、上記回転支持台10のスライドレール
12a,12bが支持されており、これにより回転支持
台10が車両前後方向に移動可能に支持されている。縦
ローラー36〜36により上下方向のガタ付きが抑制さ
れ、横ローラー37,37により車両幅方向のガタ付き
が抑制されることにより回転支持台10は車両前後方向
にスムーズに移動する。
【0011】次に、両主枠31,31の室外側の端部間
には支軸39が回動可能に支持され、この支軸39に平
板形状をなすラック38が取付けられている。また、こ
の支軸39の中程にはスライドロック手動解除レバー6
7が取付けられており、このスライドロック手動解除レ
バー67を上下に回動操作して、支軸39を回動させる
とラック38がその室外側端を中心にして上下に回動す
る。このラック38は、スライドロック手動解除レバー
67を操作しない時には水平に保持され、この時上記座
席台5の下面に取り付けたピニオンギヤ6に噛合い可能
となる一方、同レバー67を下方へ回動操作してラック
38を上方へ回動させると、このラック38はピニオン
ギヤ6に対して上方へ変位するため相互に噛合い不能な
状態となる。
【0012】ここで、ピニオンギヤ6は、図10および
図16に示すようにほぼ90°の範囲の円弧形状を有
し、その噛合い当初側(反時計回り方向の端部側、以下
同じ)の一定角度範囲(本実施形態では約40°)には
噛合い歯が形成されていない。このため、座席本体2を
その着座位置(車両前方に向いた位置、図中二点鎖線で
示す位置)から、図中矢印で示すようにドア開口部側
(反時計回り方向)へ回転させ始めた当初約40°の範
囲は、ピニオンギヤ6とラック38は噛み合わず、従っ
て座席本体2は回転するのみで、車両前方へは移動しな
い(非連動範囲)。座席本体2をさらに回転させると、
ピニオンギヤ6がラック38に噛合い、これにより座席
本体2は回転しつつ車両前方へ移動する(連動範囲)。
【0013】ピニオンギヤ6の噛合い当初側の端部には
突起6aが形成されており、この突起6aは座席本体2
が着座位置に位置する時にラック38の後端部38aに
当接し、これにより着座位置における当該座席本体2の
反ドア開口部側(図16において時計回り方向)への回
転が阻止されるとともに、その位置でのガタ付きが防止
される。
【0014】図12に示すように上記支軸39にはスラ
イドロック手動解除レバー67の他に、同じくスライド
ロック手動解除機構60を構成するリンクアーム61の
一端が固定されている。このスライドロック手動解除機
構60はベース33の下面に設けられており、これにつ
いては後述する。
【0015】次に、両主枠31,31の側面には、それ
ぞれ3個の縦ローラー34〜34と、2個の横ローラー
35,35が回転可能に取付けられている。この片側3
個の縦ローラ34〜34と2個の横ローラー35,35
が、それぞれ以下説明する幅方向支持台50のスライド
レール51,51の内側に転動可能に挿入されており、
これにより当該前後方向支持台30が車両幅方向に移動
可能に支持されている。
【0016】幅方向支持台50は、図13および図18
に示すように車両幅方向に沿って相互に平行な2本のス
ライドレール51,51を備えている。両スライドレー
ル51,51は図示するように断面コ字型をなし、上記
したようにその内側に前後方向支持台30の縦ローラー
34〜34および横ローラー35〜35が転動可能に支
持されている。両スライドレール51,51は、室外側
ブラケット52と室内側ブラケット53により車両フロ
ア上に設置されている。室内側ブラケット53は室外側
ブラケット52よりも脚部が長く形成されているので、
両スライドレール51,51は、車室内から車外(ドア
開口部側)に向けて下傾している(図17,18参
照)。
【0017】また、幅方向支持台50の後ろ側のスライ
ドレール51の上面に、座席本体2の幅方向移動中にお
ける前後方向の移動および回転動作を確実に規制するこ
とができ、かつ座席本体2の着座位置における幅方向の
移動をも確実に規制するためにベース58を介してスト
ッパ部材57が取付けられている。このストッパ部材5
7は、図示するようにスライドレール51のほぼ半分程
の長さを有し、スライドレール51の中程からほぼ室外
側端部に至る範囲で該スライドレール51に沿って取付
けられている。図13に示すようにこのストッパ部材5
7の前端縁(図示左端縁)は、スライドレール51の前
端縁から定められた一定の寸法で張り出しており、この
前端縁が第1ストッパー部57aとされている。また、
このストッパ部材57の室内側端部は、図示するように
上側へ略L字状に折り曲げられて第2ストッパー部57
bとされている。
【0018】また、両スライドレール51,51の側方
には、それぞれねじ軸54が回転可能に支持されてお
り、その室内側端部はそれぞれ電動モータ55の出力軸
に連結されている。両ねじ軸54,54には、ねじ嵌合
するナット(図示省略)を介してブラケット56が取付
けられている。上記電動モータ55,55が同一回転数
で正転すると、両ブラケット56,56が同一速度で室
外側(図示左方)へ移動し、同一回転数で逆転すると両
ブラケット56,56が室内側(図示右方)へ同一速度
で移動する。両電動モーター55,55の起動停止は、
ドアトリムボードのアームレスト部に設置した操作スイ
ッチ(図示省略)によりなされる。
【0019】両ブラケット56,56は、前後方向支持
台30の主枠31,31に固定されている。このため、
上記のように電動モータ55,55を正転または逆転さ
せると、この前後方向支持台30ひいては座席本体2が
車両幅方向に移動し、これにより座席本体2をドア開口
部を経て車外の乗降位置に移動させ、または車外から車
内に戻すことができる。このように、幅方向支持台50
は、前記回転支持台10および前後方向支持台30とは
違って電動式となっている。また、前記したように幅方
向支持台50の両スライドレール51,51は車室内か
ら車外(ドア開口部側)に向けて下傾しているため、図
17に示すように座席本体2は車外に移動しつつ徐々に
低い位置に変位し、最終的に室外の乗降位置に至ると、
室内の着座位置での高さより座面が寸法Hだけ低くな
る。このように乗降位置を室内の着座高さよりも低い位
置に設定することにより、例えば車椅子(通常室内の着
座高さよりも低い)と座席本体2との間を楽に乗り移る
ことができる。
【0020】次に、この回転座席1には、座席本体2の
回転をロックするための回転ロック機構70と、車両前
後方向の移動をロックするためのスライドロック機構8
0と、このスライドロック機構80を手動操作で解除す
るためのスライドロック手動解除機構60を備えてい
る。先ず、回転ロック機構70の詳細が図14に示され
ている。この回転ロック機構70は、前記した回転ロッ
ク解除レバー73と回転ロック部材74と回転ロックプ
レート75,75を主体として構成されている。回転ロ
ック解除レバー73は、座席台5の前左角部に支持ピン
73aを介して横方向へ回転操作可能に取付けられてい
る。この回転ロック解除レバー73の後端には、鍵孔形
状の引掛け孔73bを介して操作ワイヤ71の一端が連
結されている。この操作ワイヤ71は、保護チューブ7
2の内周側を経て座席台5の後角部に至っている。
【0021】座席台5の後ろ左角部には前記したように
回転ロック部材74が配置されている。この回転ロック
部材74は、平板の上下を略コ字形に折り曲げ、その上
下折曲げ縁間にロックピン74bを掛け渡し状に取り付
けた構成としたもので、支軸74aを中心にして横方向
に回動可能に取付けられている。図示は省略したが、こ
の回転ロック部材74と座席台5との間であって支軸7
4a回りには捩りバネが介装されているため、この回転
ロック部材74はロック方向(図示反時計回り方向)に
回転付勢されている。また、この回転ロック部材74の
回動端部に設けた鍵孔形状の引掛け孔74cに上記操作
ワイヤ71の他端が連結されている。
【0022】このように構成された回転ロック機構70
によれば、図中二点鎖線で示すように、回転ロック解除
レバー73を上記捩りバネに抗してアンロック方向へ回
動操作すると、操作ワイヤ71の図示左方への移動を通
じて回転ロック部材74が支軸74aを中心にしてアン
ロック方向(図示時計回り方向)に回転し、これにより
ロックピン74bがロックプレート75の凹部75aか
ら外れて回転ロックが解除される。回転ロックが解除さ
れれば、座席台5ひいては座席本体2の回転動作が可能
な状態となる。
【0023】回転ロック解除レバー73の回動操作を解
除すると、回転ロック部材74は捩りバネによりロック
方向に戻され、これによりロックピン74bが両ロック
プレート75,75に対して係合し得る領域に戻され
る。従って、座席本体2が着座位置あるいはドア開口部
側に向いた横向き位置に回転されると、このロックピン
74bが一方の回転ロックプレート75の凹部75aに
嵌まり込み、これにより座席本体2がその位置で回転不
能にロックされる。図10に示すように、回転ロック部
材74は、座席台5の後ろ左角部に配置され、回転ロッ
クプレート75,75は回転支持台10の後ろ側の両角
部に配置されているので、座席本体2を車両正面を向い
た着座位置に回転させると、左側の回転ロックプレート
75にロック部材74がロックされ、座席本体2をドア
開口部側を向いた横向き位置に回転させると、右側の回
転ロックプレート75にロック部材74がロックされ
る。
【0024】なお、座席本体2が車両正面に向けられた
着座位置では、上記のように回転ロック部材74が左側
の回転ロックプレート75にロックされるとともに、前
記したようにピニオンギヤ6の突起6aがラック38の
後端部38aに当接されて、当該座席本体2の着座位置
におけるガタ付きが防止される。また、回転ロック解除
レバー73のアンロック側への回動操作を止めて、回転
ロック部材74が捩りバネによりロック方向に回動する
と、操作ワイヤ71が図14において右方へ引っ張られ
るので、回転ロック解除レバー73はロック方向に戻さ
れる。
【0025】次に、スライドロック機構80およびスラ
イドロック手動解除機構60の詳細が図15に示されて
いる。先ず、スライドロック機構80は、座席本体2を
車両前後方向移動範囲の最も後方の位置(着座者の足元
スペースが最も広くなる位置)に固定しておくためのも
ので、回転支持台10のほぼ中央に配置されている(図
11参照)。このスライドロック機構80は、支点81
aを中心にして上下方向に傾動可能な傾動ブラケット8
1と、この傾動ブラケット81の動作により上下方向に
移動するロックピン83を有している。傾動ブラケット
81の一端にはローラー82が回転可能に支持されてい
る。また、傾動ブラケット81の他端81bは、ロック
ピン83に径方向へ突き出し状に設けた係合ピン83a
の下側に至っている。ロックピン83は、回転支持台1
0に設けた挿通孔10aと、回転支持台10の上面に取
り付けた支持ブラケット84の支持孔84aを介して上
下に移動可能に支持されている。支持ブラケット84と
係合ピン83aとの間には圧縮バネ85が介装されてい
るため、ロックピン83は下方に付勢されている。
【0026】ロックピン83の下部は、挿通孔10aを
経て回転支持台10の下面側に突き出されている。この
ロックピン83が圧縮バネ85により下方に移動した状
態では、その下端部が、前後方向支持台30のベース3
3に設けたロック孔30aに差し込まれ、これにより回
転支持台10が前後方向支持台30に対して前後方向移
動不能にロックされる(スライドロック)。このロック
状態において、座席本体2が車両前後方向移動範囲のう
ち最も後方の位置にロックされるよう、ロックピン83
およびロック孔30aの位置が設定されている。
【0027】一方、ロックピン83が圧縮バネ85に抗
して上方に移動すると、その下端部がロック孔30aか
ら抜き出され、これにより回転支持台10ひいては座席
本体2が前後方向支持台30に対して前後方向に移動可
能となる(スライドロックの解除)。ロックピン83の
上方への移動すなわちスライドロックの解除は、傾動ブ
ラケット81が支軸81aを中心にして図15において
反時計回り方向(スライドロック解除方向)に回動する
ことによりなされる。この傾動ブラケット81のスライ
ドロック解除方向への傾動は、座席台5の下面に設けた
スライドロック自動解除プレート7によりローラー82
が下方へ押されることによりなされる。すなわち、座席
本体2ひいては座席台5の回転に伴ってこのスライドロ
ック自動解除プレート7がローラー82の上側に至る
と、このローラー82がスライドロック自動解除プレー
ト7により一定寸法下方へ押し下げられ、これにより傾
動ブラケット81がスライドロック解除方向に傾動し
て、その他端81bにより係合ピン83aが押し上げら
れることによりロックピン83が圧縮バネ85に抗して
上方へ移動する。
【0028】スライドロック解除プレート7により、ロ
ーラー82が押し下げられて、スライドロックが解除さ
れるタイミングは、座席本体2が回転してピニオンギヤ
6の歯がラック38の歯に噛み合う直前に設定されてい
る。このため、座席本体2を着座位置から回転させ始め
た当初約40°の範囲では、スライドロック自動解除プ
レート7がローラー82の上側まで至っていないので、
ロックピン83はロック孔30aに差し込まれた状態に
保持され、従って座席本体2は前後方向移動不能にロッ
クされた状態に保持される。
【0029】座席本体2が約40°回転した時点で、ス
ライドロック自動解除プレート7によりローラー82が
押し下げられ、これにより座席本体2が前後方向へ移動
可能な状態になる(スライドロックの自動解除)。以
後、座席本体2がドア開口部側に向いた横向き位置に至
るまで、ローラー82がスライドロック自動解除プレー
ト7により押し下げられた状態に保持され、従って前記
したようにピニオンギヤ6とラック38との噛合いを通
じて座席本体2は回転しつつ前方へ移動する。
【0030】逆に、座席本体2がドア開口部側に向いた
横向き位置から着座位置に向けて約50°回転される間
は、スライドロック自動解除プレート7によりローラー
82が押し下げられた状態に保持されて、スライドロッ
クが解除された状態に保持されるので、座席本体2は着
座位置に向けて回転しつつ、後方へ移動する。座席本体
2が横向き位置から約50°回転された時点で、座席本
体2は後方位置に戻されるとともに、スライドロック自
動解除プレート7がローラー82の上方から外れてその
押し下げが解除され、これによりロックピン83が圧縮
バネ85により下方に移動してその下端部が前後方向支
持台30のロック孔30aに再び差し込まれ、従って当
該座席本体2が後方位置で前後方向移動不能にロックさ
れる。その後、座席本体2は約40°回転動作のみし
て、車両前方を向いた着座位置に戻される。
【0031】このようにスライドロック機構80は、座
席本体2の回転動作と前後方向への移動動作とが連動さ
れるタイミングに合わせて自動的にロック・アンロック
されるようになっており、上記スライドロック自動解除
プレート7はこれを実現できる寸法および形状に設定さ
れ、またその取付け位置が設定されている。なお、座席
本体2が後方位置でロックされた状態では、上記したよ
うにロックピン83がロック孔30aに差し込まれると
ともに、前後方向支持台30の前側の縦ローラー36,
36が、回転支持台10の両スライドレール12a,1
2bの先端に取り付けたストッパー片12c,12cに
弾性的に押圧される状態となり、これにより当該ロック
状態における座席本体2の前後方向のガタ付きが防止さ
れるようになっている。
【0032】このように構成したスライドロック機構8
0は、座席本体2の2動作の連動タイミングとは関係な
く手動的に解除できるようになっており、これがスライ
ドロック手動解除機構60によりなされる。このスライ
ドロック手動解除機構60は、前記した支軸39に取り
付けたスライドロック手動解除レバー67とリンクアー
ム61と、リンクアーム61の先端に支軸64aを介し
て回転可能に連結した連結リンク64と、前後方向支持
台30のベース33の下面に支軸65aを中心にして上
下方向に回転可能に取り付けた傾動アーム65と、この
傾動アーム65の傾動により上下動するロック解除ピン
63を有している。傾動アーム65の一端に、支軸64
bを介して連結リンク64の一端が回転可能に連結され
ている。ロック解除ピン63は、前記ロック孔30a
と、ベース33の下面に取り付けた支持ブラケット62
の挿通孔62aを介して、前記ロックピン83と同軸で
上下方向に移動可能に支持されている。このロック解除
ピン63の長手方向ほぼ中央には係合ピン63aが径方
向へ突き出し状に設けられており、この係合ピン63a
と支持ブラケット62との間に、上記傾動アーム65の
他端65bが至っている。
【0033】ロック解除ピン63の下部にはピン63b
が径方向へ突き出し状に設けられ、このピン63bと上
記支持ブラケット62との間には、圧縮バネ66が介装
されているため、このロック解除ピン63は下方へ付勢
されている。
【0034】このように構成されたスライドロック手動
解除機構60によれば、スライドロック手動解除レバー
67を下方へ操作しない状態(図中実線で示す状態)で
は、ロック解除ピン63が圧縮バネ66により下方位置
に保持されるので、その上面はロック孔30aの深い位
置に位置し、このため前記ロックピン83がロック孔3
0aに差し込まれてスライドロックされた状態若しくは
スライドロックされ得る状態となっている。
【0035】スライドロック解除レバー67を図中二点
鎖線で示すように、下方へ押し下げ操作(スライドロッ
ク手動解除操作)すると、リンクアーム61が支軸39
を中心にして図示反時計回り方向に回動するので、連結
アーム64の移動を通じて傾動アーム65が支軸65a
を中心にして図示反時計回り方向に回動する。こうして
傾動アーム65が回動すると、その他端65bが上方へ
移動してロック解除ピン63が圧縮バネ66に抗して上
方へ移動する。ロック解除ピン63が上方へ移動してロ
ック孔30aにさらに深く差し込まれると、その上面が
ロック孔30aの上端から突き出され、このためロック
ピン83がこのロック孔30aから押し出されて、スラ
イドロック機構80がアンロックされる。
【0036】また、上記のようにスライドロック手動解
除レバー67を押し下げ操作すると支軸39が回転する
ため、この支軸39に取り付けた前記ラック38が図中
二点鎖線で示すように上方へ傾動し、これにより前記ピ
ニオンギヤ6が座席本体2の全回転範囲についてこのラ
ック39と噛合い不能な状態となる。このように、スラ
イドロック手動解除機構60により、スライドロック機
構80を解除(アンロック)すると、座席本体2の回転
動作と前後方向移動動作との連動状態も自動的に解除さ
れる。従って、スライドロック手動解除機構60を操作
(レバー67を押し下げ操作)すると、座席本体2を回
転動作のみさせることができ、または前後方向への移動
動作のみさせることができる。
【0037】また、座席本体2を車両前方に向けた姿勢
(着座位置から回転させない姿勢)のまま、スライドロ
ックを手動解除して、当該座席本体2を車両前後方向移
動範囲の最も前方位置に移動させ、然る後スライドロッ
ク手動解除機構60の操作を解除してラック30を元の
水平位置に戻すと、ピニオンギヤ6の突起6aがラック
38の前端部寄りに設けた凹部38bに嵌まり込み、こ
れにより座席本体2がこの前方位置で移動不能にロック
される。
【0038】また、ストッパ部材57は、座席本体2が
着座位置に位置する状態では、図19に示されるよう
に、回転支持台10は最も後ろ側に位置し、座席台5は
座席本体2と同様車両正面に向いた着座位置に位置して
いる。この着座位置では、座席台5側に設けたロック部
材74のロックピン74bが回転ロックプレート75の
凹部75aに嵌まり込んで回転ロックされた状態となっ
ている。
【0039】座席本体2が着座位置に位置すると、室内
側のスライドレール12aの、室外側の縁部に当接可能
な位置に上記ストッパ部材57の第2ストッパー部57
bが位置する。この状態が得られるよう、第2ストッパ
ー部57bの位置すなわちストッパ部材57の長さが設
定されている。このため、回転支持台10ひいては座席
本体2の室外側への移動がこの第2ストッパー部57b
によって禁止される。このように、ストッパ部材57の
第2ストッパー部57bにより座席本体2の着座位置に
おける幅方向の移動が禁止されるので、着座位置におけ
る座席本体2の幅方向の位置を確実にロックすることが
できる。
【0040】また、回転ロック解除レバー73をアンロ
ック操作して回転ロックを解除した状態で、座席本体2
を室外側へ回転操作すると、ピニオンギヤ6とラック3
8の噛合い作用により回転支持台10(従って当該座席
本体2)が回転しつつ前方へ移動する。座席本体2が横
向き位置にまで回転操作されて前端位置に至った状態で
は、回転支持台10の室内側のスライドレール12aの
後端部がストッパ部材57の第2ストッパー部57bよ
りも前側(図19において左側)へ移動し、かつ当該ス
トッパ部材57の第1ストッパー部57aよりも僅かの
寸法hだけ前側に移動した状態となり、これにより回転
支持台10の車両幅方向の移動が許容される状態とな
る。なお、この時点ではロックピン74bがもう一方の
回転ロックプレート75の凹部75aに係合されるの
で、座席本体2がこの横向き位置で回転不能にロックさ
れる。
【0041】この状態で電動モータ55を起動すること
により座席本体2を室外側に移動させることができる。
この座席本体2の室外側への移動過程において、回転支
持台10の室内側のスライドレール12aの後端と、ス
トッパ部材57の第1ストッパー部57aとの間に僅か
な隙間hが保持され、これにより前後方向支持台30ひ
いては座席本体2の室外側への移動が許容される。反
面、スライドレール12aの後ろ側(図19において右
側)に、この第1ストッパー部57aが位置することに
より前後方向支持台30の後ろ側への移動が禁止され
る。座席本体2の後ろ側への移動が禁止されるので、そ
の回転動作も禁止される。
【0042】ここで、上記したように座席本体2の横向
き位置では、ロックピン74bがロックプレート75に
係合していることによりその回転が規制された状態とな
っているのであるが、回転ロックは座席本体2の位置に
関係なくいつでも解除操作することができる。このた
め、誤って回転ロック解除レバー73を解除操作してし
まった場合には、座席本体2は回転可能となり、従って
回転動作と連動した後方への移動動作も許容されること
となってしまう。座席本体2が室外側へ移動中に、回転
動作または後方へ移動すると座席本体2および着座者が
ドア開口部のピラー等に干渉し、その結果スムーズな室
外側への移動ができなくなってしまう。この点、上記ス
トッパ部材57によれば、座席本体2の室外側への移動
過程において当該座席本体2の後方への移動および回転
動作が禁止されるため、誤って回転ロック解除レバー7
3を解除操作しても、座席本体2および着座者をドア開
口部のピラー等に干渉することなく真っ直ぐに室外側へ
移動させることができる。
【0043】また、座席本体2の室外側への移動過程に
おいては、上記したようにスライドレール12aの後端
部が第1ストッパー部57aの側方を通過することによ
り座席本体2の後方への移動が禁止される他、ロック部
材74がロックプレート75に係合した状態のまま室外
側へ移動する。このため、ロック部材74のロックピン
74bが第1ストッパー部57aの側方を通過すること
によっても、座席本体2の後ろ側への移動が禁止され
る。
【0044】また、座席本体2が室外側の先端位置に至
ると、回転支持台10の室内側のスライドレール12a
の後端部は第1ストッパー部57aの側方から外れる
が、上記ロックピン74bが依然として第1ストッパー
部57aの側方に位置するので、同先端位置においても
座席本体2の後ろ側への移動および回転動作が禁止され
た状態となる。
【0045】このように車両用回転座席1によれば、座
席本体2は回転支持台10および前後方向支持台30に
支持され、座席本体2(座席台5)と前後方向支持台3
0との間には、連動手段として相互に噛み合うピニオン
ギヤ6とラック38が介装されているため、座席本体2
の回転動作と前後方向の移動動作が連動され、これによ
り例えばセダン型乗用車の場合のように狭いドア開口部
Dであっても、座席本体2をピラー等の他部位に干渉す
ることなく、かつ着座者の足をドア開口部Dの端部に干
渉させることなく、座席本体2をドア開口部D側へ向け
ることができ、また室外へ移動させることができるよう
になっている。
【0046】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の車両用回転座席1における座席本体2の幅方向移動
中での前後方向の移動および回転動作を規制するストッ
パ部材57は、図17に示されるように、前後方向支持
台30の左右一対のスライドレール12a、12bが水
平面上に配設され、幅方向支持台50のスライドレール
51が傾斜状に設けられている場合においては成立する
が、例えば、スライドレール51が傾斜していない水平
状の場合においては、座席本体2を車室内に引き込んだ
位置で、一方のスライドレール12aはストッパ部材5
7から外れても、他方のスライドレール12bはストッ
パ部材57に当接して後方への移動が規制されて成り立
たない問題がある。このため、幅方向支持台50のスラ
イドレール51を水平状に設けた場合において、例え
ば、座席本体2を室内側に引き込んだ位置で、前後方向
支持台30の一方のスライドレール12aはストッパ部
材57の第2ストッパー部57bの室内側に通過可能に
位置し、他方のスライドレール12bの位置で前後方向
に移動可能とするため、ストッパ部材57側に切欠部を
設けると、前後方向支持台30は幅方向に移動中で、他
方のスライドレール12bがストッパ部材57より外側
に外れ、一方のスライドレール12aがこの切欠部に至
ると、前後方向への移動を規制できないという問題があ
る。
【0047】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたもので、幅方向支持台が水平状あるいは傾
斜状であっても、前後方向支持台が車室内に位置した状
態で座席本体を前後方向に移動することができ、前後方
向支持台が幅方向支持台に沿って移動中に前後方向への
移動を規制することのできる規制装置を備えた車両用回
転座席を提供することを目的とするものである。
【0048】
【課題を解決するための手段】このため請求項1記載の
車両用回転座席は、座席本体を車両前後方向に移動可能
に支持する前後方向支持台と、該前後方向支持台を車両
幅方向に移動させるための幅方向支持台を備え、前記前
後方向支持台に、前記座席本体の前後方向の移動経路に
進退可能なストッパ部材を設け、該ストッパ部材は、前
記前後方向支持台が前記幅方向支持台の室内側端部に至
ると前記座席本体の移動経路から外れて該座席本体の前
後方向の移動を許容し、前記前後方向支持台が前記幅方
向支持台の室内側端部から室外側に移動すると、前記座
席本体の移動経路に進入して該座席本体の前後方向の移
動を規制する構成とした。この車両用回転座席によれ
ば、座席本体の前後方向の移動を規制するためのストッ
パ部材が、従来のように幅方向支持台ではなく、前後方
向支持台に設けられているので、幅方向支持台による前
後方向支持台の移動方向が水平であっても、或いは従来
のように傾斜する方向であっても、当該座席本体の幅方
向移動中における前後方向の移動を規制することができ
る。又、従来はストッパ手段が幅方向支持台側に設けら
れていたので、前後方向支持台の幅方向の移動距離に合
わせてそのサイズを設定する必要があり、その結果構成
の簡素化あるいは当該車両用回転座席の軽量化にとって
好ましくなかったが、請求項1記載の構成によれば、ス
トッパ部材が幅方向に移動する前後方向支持台に設けら
れているので、幅方向移動距離に関係なくコンパクトに
構成することができ、又その軽量化を図ることができ
る。
【0049】請求項2記載の車両用回転座席は、請求項
1記載の車両用回転座席であって、ストッパ部材は、座
席本体の前後方向の移動経路に進入する方向にばね付勢
し、前後方向支持台が幅方向支持台の室内側端部に至る
と、該ストッパ部材が前記幅方向支持台に設けたエンド
プレートに当接して前記ばね付勢に抗して前記移動経路
から外れる構成とした。この車両用回転座席によれば、
上記と同様、幅方向の移動方向が水平であっても傾斜す
る方向であっても、幅方向移動中における座席本体の前
後方向の移動を阻止することができるとともに、幅方向
室内側の端部に位置させるとストッパ部材が移動経路か
ら外れて座席本体の前後方向の移動が許容される状態と
なる。座席本体の幅方向室内側への移動によりストッパ
部材が、エンドプレートに当接して変位し、これにより
ストッパ部材が座席本体の前後方向移動経路から外れ
て、当該座席本体の前後方向の移動が許容される。一
方、座席本体が室外側に向けて移動を始めると、ストッ
パ部材も同方向に一体で移動してエンドプレートから離
れるため、当該ストッパ部材がばね付勢により座席本体
の前後方向移動経路に進入し、これにより座席本体の前
後方向の移動が規制される。このように、座席本体の幅
方向の移動に連動してストッパ部材が変位するので、使
用者が特別の操作をすることなく座席本体の前後方向へ
の移動が許容される状態と規制される状態が切り替わ
る。
【0050】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施形態を図面にし
たがって説明する。なお、本発明の車両用回転座席1は
従来とほぼ同様に構成されているので、同位の部材は同
符号を付してその説明は省略し、本発明の対象とする前
後方向支持台を水平状に設けた幅方向支持台に沿って移
動する過程での前後方向への移動を規制する規制装置4
1回りについて図1ないし図7にしたがって説明する。
【0051】この幅方向支持台50は、図1に示すよう
に前後方向支持台30の縦ローラー34〜34および横
ローラー35〜35(図2)を転動可能に支持する断面
コ字型のスライドレール51,51が車両幅方向に並設
され、両スライドレール51,51は、室外側ブラケッ
ト52Aと室内側ブラケット53Aによりその同長さの
脚片52a,53aを介して図5に示すように車両フロ
ア上に水平状に設置されている。
【0052】また、両スライドレール51,51の側方
には、それぞれねじ軸54が電動モータ55により同調
回転可能に支持され、ねじ軸54,54には、ねじ嵌合
するナットを介してブラケット56が取付けられ、該ブ
ラケット56は電動モータ55,55の回転で室外、室
内へ同一速度で移動する。また、両スライドレール5
1,51の室内側の端部間には断面略L形状のエンドプ
レート59が取付けられ、このエンドプレート59の立
上り片59aはスライドレール51の上面より所定の長
さ突出されている。このように設けられて幅方向支持台
51には回転支持台10を車両前後方向に移動する前後
方向支持台30が車両幅方向に移動可能に取付支持され
ている。
【0053】この前後方向支持台30は、図2に示すよ
うにその2本の主枠31,31は幅方向支持台50のス
ライドレール51,51間に位置する所定の間隔に室内
外の支持枠32により枠組み形成され、この主枠31,
31の室外側の所定の範囲には室内外に折曲げ縁33a
を有するベース33が取付けられ、このベース33を取
付けた主枠31,31の室内側には立上り部31aが形
成されている。
【0054】そして、ベース33の折曲げ縁33a,3
3aの内面には、それぞれ2個の縦ローラー36,36
と2個の横ローラー37,37が回転可能に設けられ
て、この縦ローラー36,36と横ローラー37,37
には回転支持台10のスライドレール12,12が支持
されている。また、主枠31,31の側面には、幅方向
支持台50のスライドレール51,51の内側に転動可
能に挿入される3個の縦ローラー34〜34と、2個の
横ローラー35,35が回転可能に取付けられている。
なお、両主枠31,31の室外側には座席台5の下面側
に取付けられたヒニオンギヤ6と係脱可能に噛合い連繋
するラック38が取付けられている。
【0055】このように設けられた前後方向支持台30
の後部側(図示右側)の主枠31の室内側に形成した立
上り部31aに前後方向支持台30の室外側への移動中
に回転支持台10が後方向に移動することを規制する規
制装置41が設けられている。この規制装置41は、図
3に示すようにガイドプレート42とストッパ部材45
とコイルばね47とより構成されている。このガイドプ
レート42は主枠31の立上り部31aに所定の間隔で
取付けられたガイドピン43、43を介して立上り部3
1aと所定の間隔を有してほぼ対設状に取付けられるも
ので、略長方形状の板状に形成されるとともに、その上
縁42aの所定の位置にコイルばね47の一端を掛合す
る掛合孔42cを貫設した凸部42bが突設されてい
る。
【0056】このように取付けられたガイドプレート4
2と立上り部31aとの間にはストッパ部材45がスラ
イド可能に取付けられている。このストッパ部材45は
図3に示すようにガイドプレート42より長い略長方形
状に形成され、その室外側となる外端部45a寄りには
回転支持台10の室内側のスライドレール12aを移動
可能とする凹部45bが凹設されて、外端部45a側に
ストッパー部45cが形成されている。また、この凹部
45bに連続してガイドプレート42の凸部42bと対
応する高さで凸部45dが突設され、この凸部45dに
はコイルばね47を掛合する掛合孔45eが貫設されて
いる。また、このストッパ部材45にはガイドピン4
3,43を挿通する所定長さのスライド長孔46,46
が貫設されている。
【0057】このように形成されたストッパ部材45は
スライド長孔46,46を介して主枠31の立上り部3
1aとガイドプレート42との間にガイドピン43,4
3によりスライド可能に支承され、凸部42b,45d
の掛合孔42c,45e間にはコイルばね47が掛着さ
れてストッパ部材45は室内側に付勢されている。
【0058】次に、水平状に配設した幅方向支持台50
に取付けた前後方向支持台30に取付けた規制装置41
の機能を図3および図6(A)(B)(C)(D)を参照して説明す
る。なお、図6では、座席本体2の回転中心(回転リン
グ11の回転中心)を基準にして、車両前後方向移動範
囲の後方位置を符号L0 で示し、前方位置を符号L1で
示し、また、車両幅方向移動範囲の室内側位置を符号W
0 で示し、室外側位置を符号W1 で示している。
【0059】まず、図6(A)は座席本体2が着座位置
に位置し、この状態で前後方向支持台30の主枠31に
取付けた規制装置41のストッパ部材45は図3に示す
ように幅方向支持台50の左右のスライドレール51の
端部に取付けたエンドプレート59の立上り片59aに
当接し、同ストッパ部材45はコイルばね47を引張り
状にしてスライド長孔46を介して室外側に移動し、同
スライド長孔46の室内側端縁46aはガイドピン43
に当接している。この状態でストッパ部材45に凹設し
た凹部45bは回転支持台10の室内側のスライドレー
ル12aを前後方向に移動可能に位置して、左右のスラ
イドレール12a、12bは後部側に移動して座席本体
2は着座位置に位置している。
【0060】そして、図6(A)の着座位置において回
転ロック機構70を解除して座席本体2をドア開口部D
側(図示反時計回り方向)に回転させる。図6(B)
は、同方向へ約40°回転させた状態を示している。こ
の間は、ピニオンギヤ6とラック38は噛み合わないの
で、座席本体2は回転動作のみする。この段階で、座席
本体2は、そのシートクッション2aがドア開口部Dの
後部すなわちリヤピラーPに干渉する手前の位置にまで
至っているため、このままさらに回転させたのではピラ
ーPに干渉して座席本体2をドア開口部Dに向けた横向
き位置まで回転させることができない。
【0061】しかしながら、約40°回転させた時点
で、スライドロック解除プレート7がスライドロック機
構80のローラー82の上方に至ってこのローラー82
を押し下げるため、当該スライドロック機構80がアン
ロックされ、これにより座席本体2が前方へ移動可能な
状態になるとともに、ピニオンギヤ6とラック38が噛
み合い始める。
【0062】このため、以後さらに座席本体2を回転さ
せると、この回転動作に連動して座席本体2は、ピニオ
ンギヤ6とラック38の噛合い作用を通じて前方へ移動
する。こうして座席本体2は残り約50°回転しつつ前
方へ移動し、これにより図6(C)に示すようにドア開
口部D側に向いた横向き姿勢になるとともに、前方位置
L1 に至る。このように、座席本体2が回転しつつ前方
へ移動することにより、その回転途中において着座者の
足あるいはフットレスト5aがドア開口部Dの前端に干
渉することが回避される。
【0063】こうして、座席本体2が横向き姿勢になっ
た時点で、回転支持台10の室内側のスライドレール1
2aの後端部がストッパ部材45の凹部45bより離脱
し、ストッパ部材45より僅かに前側に移動した状態と
なる。そして、ロック部材74が回転支持台10の後ろ
右側の回転ロックプレート75にロックされ、これによ
り座席本体2が当該横向き姿勢で回転不能にロックされ
る。
【0064】次に、幅方向支持台50の両電動モーター
55,55を正転させて座席本体2を、図6(C)の室
内側位置W0 から図6(D)の室外側位置W1 に移動し
ていくと、前後方向支持台30の主枠31に取付けた規
制装置41も一体に移動する。これにより、幅方向支持
台50のスライドレール51に取付けたエンドプレート
59に当接して室外側にコイルばね47に抗して移動さ
れていたストッパ部材45は図3に二点鎖線で示すよう
コイルばね47の復元力により室内側に移動していき、
そのストッパー部45cはスライドレール12aの端面
側に移動し、スライド長孔46の端縁46bがガイドピ
ン43と当接した状態で、ストッパー部45cはスライ
ドレール12aの端部と対設して、スライドレール12
a,12bの車両前後方向の移動が規制され、座席本体
2の車両前後方向の移動が規制される。この規制を維持
した状態で図6(D)に移動する。この時点で着座者は
席を離れることができる。
【0065】以上のようにして、室外側位置W1 に移動
させた座席本体2を元の着座位置に戻すには、電動モー
ター55,55を逆転させて前後方向支持台30を逆方
向に作動させることにより、座席本体2を図6(C)に
示す室内側位置W0 にまで戻す。この室内側位置W0 に
至る手前の位置より前後方向支持台30の主枠31に取
付けた規制装置41のストッパ部材45の室内端部が幅
方向支持台50のエンドプレート59に当接されてい
き、これにより、同ストッパ部材45はコイルばね47
に抗して室外側に移動し、スライド長孔46の端縁46
aがガイドピン43に当接した時点で、ストッパー部4
5cはスライドレール12aとの対設位置より室外側に
位置するとともに、凹部45bがスライドレール12a
を前後方向へ移動可能に位置する。この状態で、回転ロ
ック機構70を解除操作して手操作で座席本体2を室内
側に向けて回転させる。この段階においてもピニオンギ
ヤ6とラック38が噛合い状態に保持されているので、
座席本体2は前記とは逆に室内側に回転しつつ前方位置
L1 から後方位置L0 へ向けて移動する。
【0066】横向き姿勢から約50°室内側に回転させ
た段階で、座席本体2は後方位置L0 に戻されて図6
(B)に示す位置に至る。その後、座席本体2をさらに
約40°回転させることにより、図6(A)に示す着座
位置に戻すことができる。この40°の回転範囲では、
ピニオンギヤ6とラック38の噛合いが外れ、かつスラ
イドロック解除プレート7がローラー82の上方から外
れて、スライドロック機構80がロック状態に復帰する
ので、座席本体2は回転動作のみし、前後方向には移動
しない。
【0067】このように、本実施形態の回転座席1にお
いては、座席本体2を回転可能に支持する回転支持台1
0と、該回転支持台10を車両前後方向に移動可能に支
持する前後方向支持台30と、該前後方向支持台30を
車両幅方向に水平状に移動させるための幅方向支持台5
0と、前記座席本体2と前後方向支持台30との間に設
けられて、前記座席本体2の回転動作と前後方向への移
動動作を連動させるピニオンギヤ6とラック38とから
なる連動手段を備え、前記幅方向支持台50には、幅方
向の移動範囲中の所定の位置(着座位置)以外での前後
方向支持台30による前後方向の移動を規制する規制装
置41を前後方向支持台30とともに幅方向に移動可能
に取付ける構成としたものである。
【0068】したがって、本実施形態の規制装置41
は、座席本体2が着座位置に位置した時に、ストッパ部
材45は幅方向支持台50のエンドプレート59に当接
し、室外側に移動して凹部45bはスライドレール12
aを前後方向に移動可能に位置している。座席本体2を
連動手段によりスライドさせつつ開口部に指向する横向
きに回転させた状態では、スライドレール12aの後部
端面はストッパ部材45より若干の間隔を有して車両前
方に位置する。そして前後方向支持台30が、水平に配
設した幅方向支持台50に沿って室外側に水平移動する
ことで、コイルばね47の復元力によりストッパ部材4
5のストッパー部45cがスライドレール12aの端面
側と対設する位置に移動し、座席本体2の室外側への水
平移動範囲でこの状態を維持してスライドレール12a
の後退を規制することができる。
【0069】また、この規制装置41は前後方向支持台
30の後ろ側の主枠31の室内側の立上り部31aに並
設するので、例えば幅方向支持台50のスライドレール
51の長さに変更が生じても、この規制装置41のスト
ッパ部材45とスライドレール12aとの対応関係は一
定であるので、変更が不要である。また、従来のストッ
パ部材57のようにスライドレール51が長くなると長
大なストッパ部材57にする必要がないので、重量低減
対策に即したものとなる。また、この規制装置41は上
記回転座席1と類似の既存装置にも採用することのでき
る経済性を有する。
【0070】なお、上記実施形態では幅方向支持台50
を水平状に配設して例示したが、これに限定するもので
はなく、例えば従来のように幅方向支持台50を傾斜状
に配設したものにも附設することができ、この場合、図
7に示すようにストッパ部材45のストッパー部45c
をスライドレール12aの位置に見合う形状とすること
が好ましい。
【0071】又、ストッパ部材45は車両幅方向に移動
することにより、座席本体の移動経路に進退する構成を
例示したが、例えばストッパ部材としてソレノイドアク
チュエータを用い、座席本体が幅方向支持台の室内側端
部に至ったことをセンサにより検知し、このセンサの出
力信号に基づいて上記ソレノイドアクチュエータを作動
させてそのロッドを座席本体の前後方向移動経路に突き
出し、これにより座席本体の幅方向移動中における前後
方向の移動を規制する構成(電気式)としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図であって、幅方向支
持台の斜視図である。
【図2】前後方向支持台の斜視図である。
【図3】室外に水平状に配設した幅方向支持台にスライ
ド可能に設けた前後方向支持台の主枠に取付けた規制装
置の側面図である。
【図4】図3のI−I線断面図である。
【図5】座席本体が室内から室外に水平移動する様子を
示す側面図である。
【図6】車両用回転座席の操作手順を示す図であって、
(A)は着座位置、(B)は約40°回転した位置、
(C)は横向き位置、(D)は室外の乗降位置の各位置
における座席本体の平面図である。
【図7】室外に傾斜状に配設した幅方向支持台にスライ
ド可能に設けた前後方向支持台の主枠に取付けた規制装
置の側面図である。
【図8】従来の車両用回転座席の全体斜視図である。
【図9】座席本体の斜視図である。
【図10】座席台の斜視図である。
【図11】回転支持台の斜視図である。
【図12】前後方向支持台の斜視図である。
【図13】幅方向支持台の斜視図である。
【図14】回転ロック機構の斜視図である。
【図15】スライドロック機構およびスライドロック手
動解除機構の斜視図である。
【図16】ピニオンギヤ、ラック、回転ロック自動解除
プレートおよび回転リングの位置関係を示す平面図であ
る。
【図17】座席本体が室内から室外に傾斜移動する様子
を示す側面図である。
【図18】座席台、回転支持台および前後方向支持台の
各動作位置におけるストッパ部材との位置関係を示す側
面図である。
【図19】座席台および回転支持台の各動作位置におけ
るストッパ部材との位置関係を示す平面図である。
【符号の説明】
1…車両用回転座席 2…座席本体 10…回転支持台 12a,12b…スライドレール 30…前後方向支持台 31…主枠 31a…立上り部 41…規制装置 42…ガイドプレート 43…ガイドピン 45…ストッパ部材 45b…凹部 45c…ストッパー部 47…コイルばね 50…幅方向支持台
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 2/00 - 2/72 A61G 3/00 501

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 座席本体を車両前後方向に移動可能に支
    持する前後方向支持台と、該前後方向支持台を車両幅方
    向に移動させるための幅方向支持台を備え、 前記前後方向支持台に、前記座席本体の前後方向の移動
    経路に進退可能なストッパ部材を設け、 該ストッパ部材は、前記前後方向支持台が前記幅方向支
    持台の室内側端部に至ると前記座席本体の移動経路から
    外れて該座席本体の前後方向の移動を許容し、前記前後
    方向支持台が前記幅方向支持台の室内側端部から室外側
    に移動すると、前記座席本体の移動経路に進入して該座
    席本体の前後方向の移動を規制する構成とした車両用回
    転座席。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用回転座席であっ
    て、ストッパ部材は、座席本体の前後方向の移動経路に
    進入する方向にばね付勢し、前後方向支持台が幅方向支
    持台の室内側端部に至ると、該ストッパ部材が前記幅方
    向支持台に設けたエンドプレートに当接して前記ばね付
    勢に抗して前記移動経路から外れる構成とした車両用回
    転座席。
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