JP2001089967A - 不織布およびその製造方法、ならびにそれを用いた電池セパレータおよびアルカリ二次電池 - Google Patents

不織布およびその製造方法、ならびにそれを用いた電池セパレータおよびアルカリ二次電池

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JP2001089967A
JP2001089967A JP26623499A JP26623499A JP2001089967A JP 2001089967 A JP2001089967 A JP 2001089967A JP 26623499 A JP26623499 A JP 26623499A JP 26623499 A JP26623499 A JP 26623499A JP 2001089967 A JP2001089967 A JP 2001089967A
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porous layer
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separator
fine particles
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Shuhei Nagakubo
周平 長久保
Juichi Ino
壽一 猪野
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 親水性および保液性が高くかつ耐久性を備え
た不織布、その製造方法、ならびにその不織布を用いた
高い電解液保持性を示すセパレータおよび寿命の長いア
ルカリ二次電池を提供する。 【解決手段】 繊維の表面に多孔質層を設けることによ
り、その多孔質層の表面および内部に電解液が保持さ
れ、電解液保持性の高いセパレータが得られる。さら
に、接着剤を用いて多孔質層を固定することにより、セ
パレータの耐久性が向上する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、微粒子が集合し
接着剤により固着されてなる多孔質層を構成繊維の表面
に備えることにより、親水性、保液性および耐久性が向
上した不織布とその製造方法とに関する。さらには、こ
の不織布からなる電解液保持性に優れた電池セパレータ
およびアルカリ二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電池セパレータ(以下、単に「セ
パレータ」と称する)には、ポリアミド繊維の不織布が
主に使用されていた。この不織布は、電解液保持性にお
いて優れているが、高温下ではその一部が分解して、電
池の自己放電特性を悪化させる問題があった。そこで、
近年では、ポリオレフィン系繊維の不織布が、主に用い
られるようになってきた。
【0003】このポリオレフィン系繊維の不織布(以
下、「ポリオレフィン不織布」と称する)は、耐電解液
性に優れており電池の長寿命化には最適であるが、表面
が疎水性であるため電解液との親和性が小さい点が問題
である。電解液との親和性すなわち電解液保持性は、セ
パレータの性能を左右する重要な性質である。そこで、
ポリオレフィン不織布は、その表面に親水化処理、例え
ば界面活性剤の付与、コロナ放電もしくはプラズマ放
電、親水基のグラフト重合化、化学処理(スルホン化な
ど)などを施される。
【0004】しかし、前記各処理ではポリオレフィン不
織布の表面の親水化が不十分で電池性能が低下する、高
温下で親水性が著しく低下する、耐久性がない、強度劣
化が起こる、高価になるなどの問題点があった。
【0005】そこで、酸化チタンなどの微粒子をセパレ
ータ基材に付着させたもの、その後紫外線を照射して基
材に親水性を持たせたもの、セパレータ基材表面にゲル
を結合させたものなどが提案されている。しかしなが
ら、これらには、無機微粒子やゲルが剥離、脱落して電
解液の保液性能が低下し、電池特性が低下するといった
問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題を解決す
るために、特開平2−213047号公報には、粒子径
が500オングストローム以下の非晶質である酸化チタ
ンまたは水和酸化チタンを、有機結合剤などを用いて、
0.1〜10重量%付着させたセパレータが記載されて
いる。このセパレータでは、酸化チタンなどの親水性の
微粒子とポリビニルアルコール、ラテックス、アクリル
樹脂、水またはカルボキシメチルセルロースなどの有機
結合剤とを混合し、その懸濁液にセパレータ基材を浸漬
させ、または懸濁液をセパレータ基材に塗布して前記微
粒子を固定化している。
【0007】特開平2−213047号のセパレータ
は、微粒子を有機結合剤と混合し懸濁液にするため、セ
パレータ基材に固定化された微粒子の表面の大部分が有
機結合剤で覆われ、さらには微粒子間の間隙もが有機結
合剤で埋められる。その結果、微粒子本来の親水性が抑
制され、また微粒子間の間隙に電解液が入り込めなくな
り、セパレータの電解液保持性が低下する。さらに、充
放電によって有機結合剤が分解溶出し、有機結合剤およ
び微粒子が電解液中に浮遊するため、イオン伝導率など
の電池特性が低下する。
【0008】また、特開平9−330694号公報に
は、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂などの有機
溶媒に可溶なバインダー樹脂を用いてイオン交換性微粉
体を固着させたセパレータが記載されている。しかし、
このセパレータは、バインダー樹脂が疎水性であるた
め、親水性能が損なわれ、電池特性を劣化させる。
【0009】この発明は、このような従来技術に存在す
る問題に着目してなされたものである。その目的とする
ところは、親水性および保液性が高くかつ耐久性を備え
た不織布、その製造方法、ならびにその不織布を用いた
高い電解液保持性を示すセパレータおよび寿命の長いア
ルカリ二次電池を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明の不織布は、微粒子が集合
し接着剤により固定されてなる多孔質層を構成繊維の表
面に備えるものである。
【0011】請求項2に記載の発明の不織布は、請求項
1に記載の発明において、接着剤が水溶性接着剤である
ものである。
【0012】請求項3に記載の発明の不織布は、請求項
1または2に記載の発明において、接着剤がポリビニル
アルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレ
ンオキサイドまたはケイ酸カリウムを含有するものであ
る。
【0013】請求項4に記載の発明の不織布は、請求項
1〜3のいずれか1項に記載の発明において、接着剤が
0.1〜10重量%付着するものである。
【0014】請求項5に記載の発明の不織布の製造方法
は、多孔質層を成形した後に接着剤を塗布するものであ
る。
【0015】請求項6に記載の発明のセパレータは、請
求項1〜4のいずれか1項に記載の不織布を用いたもの
である。
【0016】請求項7に記載の発明のアルカリ二次電池
は、請求項6に記載のセパレータを用いたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て詳細に説明する。
【0018】本発明者らは、セパレータの電解液保持性
とガス透過性とを高めるために鋭意研究した結果、セパ
レータを構成する繊維(以下、単に「繊維」と称する)
の表面に電解液を引き付けておく必要があるとの認識に
至った。そこで各種実験を行い、繊維の表面に多孔質層
を設けることにより、その多孔質層の表面および内部に
電解液が保持され、電解液保持性の高いセパレータが得
られることを見出した。さらに、接着剤を用いて多孔質
層を固定することにより、セパレータの耐久性が向上す
ることを見出した。
【0019】セパレータは、繊維が不規則に配列集積さ
れた不織布からなるものである。不織布は、多孔質層を
備えた繊維を抄紙法などにより不織布に成形したもの、
あるいは繊維を不織布に成形した後に多孔質層を設けた
もののどちらでもよい。したがって、以下に「不織布」
という場合は、微粒子の多孔質層を備えるものと、多孔
質層のない繊維のみからなるものとのどちらも含まれ
る。
【0020】不織布は、繊維の表面に多孔質層を備える
ことにより親水性および保液性が高まり、セパレータに
用いられた場合には高い電解液保持性を示す。また、そ
の他の使用用途例えばフィルターの場合には、水溶液に
対する濡れ性が向上し、汚染物質の吸着性能が高まるな
どの特性を発揮する。
【0021】多孔質層とは、微粒子が繊維表面上で重畳
的に存在し、その内部に多くの空隙が存在する状態をい
う。この空隙の存在により多孔質層の比表面積は大きく
なり、これは多孔質層の雰囲気と接触する面積が大きく
なることを意味する。したがって、微粒子が親水性の高
いものである場合、多孔質層は、その比表面積の大きさ
と相まって親水性および保液性が極めて高くなる。
【0022】多孔質層を形成する微粒子は、必要とする
機能や使用条件により決定され、その種類や形状を特に
限定されるものではない。しかし、入手が容易で多孔質
層が形成し易いことから無機酸化物が好ましい。不織布
をセパレータとして使用する場合には、親水性および耐
アルカリ性が要求されるので、無機酸化物、親水性ポリ
マーまたはイオン交換樹脂の微粒子が好適である。これ
らの内、酸化チタンおよび酸化ジルコニウムの微粒子
は、親水性と耐アルカリ性に優れ、入手し易くかつ苛性
カリ水溶液などのアルカリ電解液とのなじみが極めてよ
いので、特に好ましい。これらの微粒子は、それぞれ単
独または混合で使用されてもよい。
【0023】微粒子の径は、特に限定されるものではな
いが、1〜100nm、さらには5〜50nmであることが
好ましい。また、繊維の径が極めて小さい場合には、微
粒子も径の小さなものが好ましい。微粒子の径が1nmよ
り小さい場合は、製造コストが高くなり実用性が低下
し、また多孔質層が緻密になり過ぎて保液性が不十分に
なり易い。さらには、懸濁液中における凝集力が強過ぎ
て、懸濁液の安定性が低下し、均質な多孔質層が得られ
難くなる。反対に、微粒子の径が100nmより大きい場
合は、微粒子が繊維の表面から剥離し易くなったり、多
孔質層の均質性が低下したりして、好ましくない。不織
布をセパレータに使用する場合は、微粒子の径が上記範
囲から外れると、多孔質層の電解液保持性が低くなる。
【0024】多孔質層の厚さの好ましい範囲は、10nm
以上、より好ましくは20nm以上で、かつ繊維の径に比
して1/4以下、より好ましくは1/6以下である。多
孔質層の厚さは、不織布を圧縮して多孔質層を強制的に
一部剥離させ、その剥離部分を走査型電子顕微鏡で観察
することで測定できる。多孔質層が10nmより薄い場
合、多孔質層内部の空隙量が少なくなり、多孔質として
の機能が十分に発揮されなくなる。一方、繊維径の1/
4より厚い場合、繊維に屈曲などの外力が加わった際
に、微粒子の脱落もしくは多孔質層の剥離が起こり易く
なる。不織布をセパレータに使用する場合には、多孔質
層の厚さが10nm未満であると、その内部に取り込める
電解液の量が少なくなり、電解液保持性が不十分となり
易い。
【0025】多孔質層を形成する微粒子は、粒度分布の
幅が小さいこと、すなわち粒子径が均一であることが好
ましい。粒子径が均一の場合は、微粒子の凝集力が強く
なり、外力を受けても微粒子が繊維から剥離し難くな
る。粒子径が不均一の場合は、繊維の表面に微粒子が均
一に付着せず、多孔質層が形成され難く、さらには微粒
子の脱落が多くなる。
【0026】セパレータにおいて、多孔質層における個
々の空隙の大きさは重要な意味を持つことが確認され
た。すなわち、多孔質層における個々の空隙が電極を構
成する活物質間の間隙に比べて同等もしくは小さいと、
セパレータの保持する電解液が電極に吸収され難くな
る。これは、多孔質層の空隙は小さい方が、二次電池の
長寿命化に有効であることを意味する。
【0027】多孔質層の付着率は、特に限定されるもの
ではないが、不織布の全重量に対して1〜50重量%で
あることが好ましい。1重量%より小さい場合は、微粒
子の付着量が不足し、多孔質層が十分に形成されない。
一方、50重量%より大きい場合は、微粒子が繊維間の
隙間を埋めてしまい、通気性を低下させるおそれがあ
る。また、不織布をセパレータに使用する場合には、4
〜50重量%が好ましく、より好ましくは4〜30重量
%である。4重量%より低いと、電解液保持性が不十分
となる。一方、50重量%より高いと、ガス透過性とク
ッション性が不足し、セパレータと電極板との密着力が
小さくなる。また、セパレータと電極板の間に隙間がで
き易く、電極板による電解液の吸収が起こり易くなり、
電池の寿命が短くなる。
【0028】不織布の比表面積は、0.5〜50m2/gで
あることが好ましく、0.5〜20m2/gであることがさ
らに好適である。この比表面積が0.5m2/gより小さい
場合は、多孔質層が形成され難い。反対に、50m2/gよ
り大きい場合は、繊維径に対して多孔質層が厚過ぎ、多
孔質層が繊維間の隙間を埋めてしまう。セパレータで
は、この比表面積が0.5m2/gより小さいと、電解液保
持性が低くなる。さらに、電解液が電極板に吸収され易
くなり、電池の寿命が短くなる。一方50m2/gより大き
いと、過充電時に正極で発生する酸素ガスのガス透過性
が悪くなるため、負極での還元反応が起こり難くなり、
充放電性能が低くなる。セパレータにおける不織布の比
表面積は、1〜10m2/gであることが最適である。
【0029】繊維の種類は、その用途により決定される
べきものであり、特に限定されない。不織布をセパレー
タに使用する場合には、アルカリ性電解液を使用するた
め、耐アルカリ性に優れるポリアミドもしくはポリオレ
フィン系の繊維が好ましい。特に、電池への悪影響が少
なく、耐酸化性に優れるポリプロピレンもしくはポリエ
チレンが好適である。
【0030】繊維の径も、その用途により決定されるべ
きものであり、特に限定されるものではない。不織布を
セパレータに使用する場合には、0.5〜30μm、さ
らに1〜20μm、特に3〜15μmであることが好まし
い。30μmより太くなると多孔質層が剥離し易くな
り、20μmより太くなると不織布の比表面積が小さく
なり電解液保持性が不十分となる。一方、0.5μmよ
り細い場合は、繊維間の隙間が小さくなり過ぎ、ガス透
過性が悪くなる。なお、ガス透過性については、フラジ
ール法(JIS L 1096)にしたがい測定した値
で3〜100ml/(cm2・s)が好ましく、5〜60ml/(cm2
s)がより好ましい。
【0031】上述のようにポリオレフィン系繊維は疎水
性であり、疎水性繊維をセパレータに使用する場合は、
繊維表面を多孔質層の成形前に親水化処理する方が好ま
しい。この事前の親水化処理により、多孔質層が繊維表
面から剥離しても、セパレータは親水性を一定以上に維
持できる。親水化処理には、コロナ放電やスルホン化処
理など公知の方法が利用できる。
【0032】繊維または不織布の表面に成形された多孔
質層は、微粒子同士が凝集するので、接着剤を用いなく
とも容易に剥離、脱落することはない。しかし、不織布
が過大な外力を受けた場合は、微粒子の剥離、脱落が発
生し、その影響が無視できない。そのため、過酷な環境
下で使用される場合は、多孔質層のさらなる強度(剥
離、脱落を生じ難いこと)が要求される。多孔質層の強
度を向上させるためには、微粒子をより強固に繊維およ
びそれら同士に固着させる必要があり、それには接着剤
を用いることが有効である。
【0033】しかし、接着剤の使い方によっては、接着
剤が微粒子の表面を覆い、多孔質層の空隙を塞いでしま
う場合もある。この場合は、多孔質層の比表面積が小さ
くなり、不織布の親水性および保液性が低下することに
なる。そこで、接着剤の使用方法が重要な問題となる。
【0034】前述の特開平2−213047号公報に記
載の発明は、酸化チタン微粒子と接着剤を混合して懸濁
液を製造し、この懸濁液に不織布を浸すなどして繊維の
表面もしくは繊維間の隙間に微粒子を化学的に結合させ
るものである。この公報の発明は、懸濁液における接着
剤の含有率が微粒子の含有率と同じかそれ以上であるた
め、微粒子が繊維表面に付着する際に大量の接着剤が微
粒子を覆い、多孔質層が形成されず、微粒子の大部分が
雰囲気と遮断される。そのため、親水性の高い微粒子を
用いたとしても、その親水性が有効に機能しない。さら
にこの公報に記載のセパレータでは、充放電によって接
着剤が分解溶出し、微粒子が電解液中に浮遊し、電池特
性を劣化させてしまう。
【0035】繊維表面に多孔質層を成形するためには、
微粒子の懸濁液において接着剤の含有率を低く抑える、
または接着剤を全く含有させない必要がある。懸濁液中
の接着剤の含有率が十分に低いと、繊維または不織布を
懸濁液中に浸漬した場合に、接着剤が微粒子および繊維
の一部にだけ付着する。そして、微粒子または繊維に付
着した接着剤同士が会合することにより、繊維と微粒
子、微粒子と微粒子の接点は接着剤により補強され、微
粒子表面の大部分は接着剤に覆われることなく、微粒子
本来の親水性が十分に維持される。また、微粒子同士の
空隙は確保され、多孔質層の保液性が大きく損なわれる
ことはない。ただし、多孔質層が形成されれば、微粒子
表面の大部分が覆われる場合まで排除する趣旨ではな
い。一方、微粒子の懸濁液中に接着剤を全く含ませない
場合は、その後別工程により接着剤を塗布する必要があ
る。この場合の接着剤の塗布方法は、特に限定されるも
のではなく、多孔質層を備えた繊維または不織布を接着
剤溶液槽に浸漬する方法、またはスプレーなどを用いて
接着剤溶液を噴霧する方法など公知の方法でよい。中で
も、接着剤の付着率の制御が容易で、均一に塗布できる
浸漬法が好ましい。このように多孔質層の成形と接着剤
の塗布とを別工程にすることにより、製造管理が容易に
なり、不織布の品質がより安定する。
【0036】微粒子と接着剤の懸濁液を用いて多孔質層
を成形する場合は、微粒子の含有率は0.4〜25重量
%、接着剤の含有率は0.02〜8重量%であることが
好ましい。また、多孔質層を備えた繊維または不織布を
接着剤溶液に浸漬する場合には、溶液における接着剤の
含有率は0.02〜10重量%であることが好ましい。
10重量%を越えると、多孔質層の空隙の多くが接着剤
で塞がれてしまう。
【0037】接着剤の種類は、特に限定されるものでは
ないが、水溶性接着剤からなることが好ましい。水溶性
接着剤の具体例として、例えばポリビニルアルコール(P
VA)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキ
サイド、ケイ酸カリウムなどが挙げられる。
【0038】接着剤の付着率は、不織布重量に対して
0.1〜10重量%が好ましく、さらには0.1〜5重
量%が好ましい。0.1重量%未満であると接着剤が不
十分で、多孔質層の剥離、脱落のおそれが高くなる。ま
た、10重量%を越えると、接着剤の溶解物や分解物が
充放電サイクル特性に悪影響を及ぼすようになる。接着
剤により繊維表面に固着した多孔質層は、不織布を引っ
張り、さらにエアジェットで強力に吹いても、ほとんど
剥離、脱落することはない。
【0039】電池の組立工程では、セパレータは巻き付
けや圧縮加工などで過大な外力を受ける。このような場
合でも、接着剤で固定された多孔質層は、剥離や脱落を
ほとんど起こさない。接着剤は、多孔質層の剛性を高め
るというよりは、多孔質層が柔軟性を持つように微粒子
を接着する。したがって、微粒子の相対位置の変移が可
能であり、この変移により剥離、脱落が効果的に抑制さ
れる。
【0040】多孔質層の成形方法は、特に限定されるも
のではないが、以下の方法が好ましい。まず、1〜10
0nm径の無機酸化物微粒子の二次凝集粒子を、水、有機
溶剤もしくはこれらの相溶液に混入し、二次凝集粒子の
粗分散液を製造する。ここで、二次凝集粒子は溶媒に混
入される前に粗粉砕されてもよいし、混入後に攪拌器に
より粗粉砕されてもよいが、溶媒中で粗粉砕される方が
粒子径が均一になり易いことからより好ましい。その
後、マイクロビーズミルなどの湿式粉砕機を用いて、溶
媒中で機械的衝撃を加えることにより、その70%以上
が10〜800nmになるように微粉砕する。また、その
70%以上が10〜500nmであることが好適であり、
さらには60%以上が10〜200nmであることが望ま
しい。微粉砕後に、粒子径の大きい二次凝集粒子が多い
と懸濁液の安定性が低く、多孔質層の形成が困難にな
り、多孔質層からの微粒子の脱落が多くなる。
【0041】懸濁液の溶媒は、水、有機溶剤あるいは水
と有機溶剤の相溶液であることが好ましい。この相溶液
における水の割合や有機溶剤の種類は使用する無機酸化
物微粒子や使用する繊維の材質により異なるため限定さ
れるものではないが、繊維および微粒子の双方と親和性
があることが必要である。また、これらの溶媒は酸化物
微粒子を繊維表面に定着させ、乾燥させ、多孔質層を成
形する過程の雰囲気において蒸発し易い溶媒であること
が好ましい。具体的には、アルコール系有機溶剤または
アルコール系有機溶剤と水の相溶液であることが好適で
ある。また、繊維が疎水性である場合は、アルコール系
有機溶剤またはアルコール系有機溶剤と水の相溶液であ
ることが好ましく、相溶液の水の割合は0〜80重量%
が好ましい。アルコールは、エタノール、2−プロパノ
ールなどが好適である。水の割合があまり高くなると、
繊維表面における親和性が悪くなり、微粒子を繊維表面
に定着させるために、界面活性剤もしくは有機結着剤が
必要になり好ましくない。対して、ガラス繊維やポリア
ミド繊維のような親水性である場合には、水だけでもよ
いが、乾燥工程などの生産性や多孔質層の形成の容易性
から疎水性の時と同様の溶媒であることがより好まし
い。
【0042】次に、この懸濁液を繊維の表面に塗布す
る。塗布方法は、特に限定されるものではなく、噴霧法
または浸漬法などが利用できるが、多孔質層の均一性、
塗布工程の環境などの点から、浸漬法が好ましい。この
懸濁液の微粒子濃度は、多孔質層の必要厚みや不織布の
繊維径などに応じて調整されるが、1〜200g/Lであ
ることが好ましい。多孔質層の厚さは、懸濁液の塗布回
数で調整してもよい。この濃度が1g/Lより低い場合
は、1回の塗布で繊維の表面に形成される多孔質層が薄
くなり過ぎるので、塗布を何度も繰り返さなければなら
ない。反対に、200g/Lより高い場合は、不織布の繊
維径にもよるが、多孔質層の部分的な濃淡が著しくなり
多孔質層が均一に形成され難くなる。また、この場合
は、微粒子が繊維間の隙間を詰めてしまうこともあり、
あまり好ましくない。セパレータに使用する場合には、
1〜100g/L、さらには1〜60g/L程度が好ましい。
そして、懸濁液を付着させた不織布を乾燥させて、溶媒
を除去し、繊維の表面に微粒子を集合させ、多孔質層を
成形する。
【0043】多孔質層を備えた不織布を水溶性接着剤
0.02〜10重量%の溶液に1秒〜5分程度浸漬する
ことにより、接着剤を0.1〜10重量%付着させ、多
孔質層を補強する。接着剤溶液の溶媒は、極性溶媒であ
ることが好ましく、特に水またはアルコール溶媒である
ことが好適である。
【0044】なお、アナターゼ型二酸化チタンを含有す
る多孔質層を備える不織布に、400nm以下の波長の紫
外線を照射することにより、不織布の繊維表面を親水化
できる。これは、二酸化チタンが光触媒作用を発現し、
繊維表面を改質するからである。
【0045】この不織布をセパレータとして使用した場
合、アルカリ二次電池の電解液保持性が大幅に向上し、
電解液の枯渇が効果的に防止される。また、内部抵抗の
上昇が押さえられ、充放電によるサイクル寿命が長く、
高率充放電特性(大電流で充放電した場合の電池容量特
性)と高温充放電特性がよくなる。
【0046】特に、微粒子に二酸化チタンまたは酸化ジ
ルコニウムを使用した場合は、高率充放電特性が極めて
よくなる。その理由は明確ではないが、次のように考え
られる。二酸化チタンと酸化ジルコニウムは無機酸化物
であることから、大電流を流すような高負荷がかかる状
況においても酸化分解されることがなく、親水性を保つ
ことができる。また、アルカリ電解液中においてこれら
の酸化物は、表面(電解液との界面)がマイナスに帯電
し、その値も大きい。このため、アルカリ電解液のイオ
ン解離度が大きくなり、その結果イオン伝導度が大きく
なるためである。したがって、このアルカリ二次電池
は、高温環境下で大電流を必要とする用途、例えば電動
工具や電気自動車などに適している。
【0047】
【実施例】以下、実施例および比較例により、この発明
をさらに具体的に説明する。ただし、以下の実施例に限
定されるものではない。
【0048】まず、不織布の特性に関する評価項目の定
義および測定方法を以下に示す。
【0049】(不織布の目付)1m2当たりの不織布の重
量であり、単位はg/m2である。なお、任意に0.1m2
ンプリングして、測定値を10倍することにより1m2
換算した。
【0050】(不織布の厚さ)任意の5箇所をマイクロ
メーターで測定し、その値を単純平均したものである。
なお、単位はμmである。
【0051】(微粒子付着率)不織布に付着する酸化チ
タンまたは酸化ジルコニウムの重量wを、セパレータの
重量で割った値の百分率である。すなわち、付着率=
(多孔質層重量w)/(セパレータ重量)×100であ
る。なお、セパレータを任意に0.1m2サンプリングし
測定した。
【0052】(接着剤付着率)多孔質層に付着する接着
剤の重量aを、不織布の重量で割った値の百分率であ
る。すなわち、接着剤付着率=(接着剤重量a)/(不
織布重量)×100である。なお、不織布を任意に0.
1m2サンプリングし測定した。
【0053】(比表面積)B.E.T理論に基づく低温
ガス吸着法を基本としたBET比表面積測定装置(QU
ANTASORB社製:カンタソーブ QS−17)を
用いて測定した。なお、吸着ガスには、クリプトンガス
を使用した。単位は、m2/gである。
【0054】(吸取保液率)70×70mmのセパレータ
(重量:b1)を30重量%水酸化カリウム(KOH)水溶
液に3分間浸漬し、2枚重ねの5A濾紙の上にこの不織
布を置き、その上から2枚重ねの5A濾紙を置いた。さ
らに、この上に1kgの加重板を置いて1分間放置し、不
織布の重量:b2を測定した。不織布に残留するKOH水
溶液重量すなわち(b2−b1)をb1で割った値の百
分率が吸取保液率である。すなわち、吸取保液率=(b
2−b1)/b1×100である。この値が高いほど、
セパレータの電解液保持性が高く、電極板の膨張収縮に
よっても電解液が吸取られ難いことを示している。
【0055】(多孔質層脱落率)不織布を任意にサンプ
リングして重量c1を測定する。この不織布を長さ方向
に15%引き延ばし、0.5N/cm2の高圧エアーを片面
3分ずつ両面に噴射して多孔質層を剥離させ、その後重
量c2を測定した。このときの重量差すなわち(c1−
c2)を多孔質層重量wで割った値の百分率が脱落率で
ある。すなわち、脱落率=(c1−c2)/w×100
である。この値が低いほど、多孔質層が繊維の表面に強
固に定着しており、耐久性が高いことを示している。
【0056】(吸液高さ維持率)20×200mmの不織
布を吊り下げ固定し、その下端を30重量%KOH水溶液
に浸漬し、30分後セパレータ中に染み込んだKOH水溶
液の液面高さすなわち吸液高さを測定した。上記の多孔
質層脱落率の試験前d1および試験後d2において、吸
液高さを測定し、多孔質層が脱落した場合に吸液高さを
維持できるかの尺度である吸液高さ維持率を算出した。
すなわち、吸液高さ維持率=d2/d1である。この値
が高いほど、多孔質層が脱落してもKOH水溶液の保液率
が高い、すなわち電池寿命を延ばすことのできるセパレ
ータであるといえる。
【0057】[実施例1]ポリプロピレンが芯部、ポリ
エチレンが鞘部で構成される12μm径の芯鞘複合繊維
を用いて、抄紙法により薄い不織布を成形した。この不
織布を数枚重ねて表面温度120℃のカレンダーロール
に通すことにより接着成形し、不織布を得た。
【0058】二酸化チタン(Degussa製:P−2
5、平均粒子径21nm)を20g/Lの濃度になるように
2−プロパノール中に混入し、均一になるように激しく
攪拌した。この懸濁液を浸漬槽に入れ、その後30分以
内に上記不織布を浸漬し、二酸化チタンの微粒子を繊維
の表面に付着させた。そして、常温エアーを吹き付けて
多孔質層を定着させた。
【0059】PVAのペレットを水と混合し、これを昇温
しながら攪拌してPVAを溶解させ、その後常温まで放冷
して、均一な0.5重量%のPVA水溶液を得た。そし
て、上記の不織布をPVA水溶液中に浸漬し、常温エアー
で乾燥させて、接着剤であるPVAを2重量%付着させ
た。
【0060】[実施例2]接着剤としてカルボキシメチ
ルセルロースを使用する以外は実施例1と同様にして、
不織布を製造した。具体的には、カルボキシメチルセル
ロースを0.7重量%の濃度となるように温水に投入
し、攪拌しながら均一に溶解させた。その後、常温まで
放冷して、均一な接着剤の水溶液を得た。そして、この
水溶液中に多孔質層を備えた不織布を浸漬し、常温エア
ーで乾燥させて、接着剤を2重量%付着させた。
【0061】[実施例3]接着剤としてポリエチレンオ
キサイドを使用する以外は実施例1と同様にして、不織
布を製造した。具体的には、ポリエチレンオキサイドを
3重量%の濃度となるように温水に投入し、攪拌しなが
ら均一に溶解させた。その後、常温まで放冷して、均一
な接着剤の水溶液を得た。そして、この水溶液中に多孔
質層を備えた不織布を浸漬し、常温エアーで乾燥させ
て、接着剤を2重量%付着させた。
【0062】[比較例1]接着剤を使用しない以外は実
施例1と同様にして、不織布を製造した。
【0063】[比較例2]実施例1における多孔質層成
形前の不織布を、二酸化チタン7重量%、PVA7重量%
およびカルボキシメチルセルロース2重量%を含む懸濁
水溶液中に浸漬し、常温エアーで乾燥させて、二酸化チ
タン微粒子を不織布に付着させた。この不織布は、二酸
化チタン微粒子の付着率が5重量%、PVAとカルボキシ
メチルセルロースの混合接着剤の付着量が14重量%で
あった。この不織布は、特開平2−213047号公報
の実施例のセパレータに対応するものである。
【0064】このようにして製造した不織布について、
セパレータとしての性能を以下の方法により評価した。
【0065】(セパレータ評価:正極利用率の測定)評
価用の密閉型電池を以下の方法で製造した。導電材であ
るオキシ水酸化コバルトをコーティングした水酸化ニッ
ケル粉末に、増粘剤を少量添加しペースト状にした。こ
のペーストを発泡ニッケルに充填し乾燥させた後、5,
000kg/cm2でプレス成形し、正極とした。また、導電
補助剤であるニッケルNi粉末を加えたミッシュメタル合
金に、増粘剤を少量添加してペースト状にし、その後は
正極の場合と同様にして負極を製造した。さらに、正極
は幅30mm、長さ175mmに、負極は幅30mm、長さ2
25mmのサイズにカットし、これを試験用電極とした。
【0066】次に、この正負両電極およびセパレータ
を、正負極間にセパレータがくるように同心円状に巻き
取り、サブCサイズの電池缶に投入した。その後、電解
液として30重量%のKOH水溶液6gを、電極の詰まっ
た電池缶内に添加した。負極は電池缶内側底面と、正極
はNi端子を正極と電池蓋の間にスポット溶接することで
導電を取り、正極−電池缶底部あるいは負極−電池蓋部
が電気的に接触するのを避けるためにテフロンシートで
絶縁した。これに電池蓋および蓋と缶側面のショートを
避けるためのプラスチックガスケットを被せてかしめる
ことにより、円筒型電池とした。この電池は、実際のア
ルカリ二次電池と同じ構造をしており、電極とセパレー
タとの接触具合など、正負極およびセパレータを同心円
状に巻き取った円筒型電池にしか現れない特性を敏感に
反映することが可能である。なお、負極容量は正極容量
に対して約1.5倍とした。
【0067】この電池について定電流充放電装置を用い
て充放電テストを行った。充電については、充電率0.
25C(4時間で電池容量を満たすような電流値)で電
池容量の120%まで充電した。放電については、放電
率を1.0C(1時間で容量を放出するような電流値)
で放電した。また放電容量は、電池電圧1.0Vで放電
終了とした時の値を基準とした。ここで、充電率もしく
は放電率とは、電池の容量を完全充電もしくは完全放電
するのに必要な時間(h)の逆数であり、単位をCで表
す。例えば、2時間で電池の持つすべての容量を放電す
る場合は、0.5Cである。
【0068】まず最初に、製造した円筒型電池につい
て、充電率・放電率共に0.25Cの条件における充放
電を10サイクル行った。その結果、正極の利用率は、
ほぼ100%であり、評価可能な電池であることを確認
した。そこで放電率を1.0Cに変更して、さらに充放
電を継続し、500サイクルまでテストを行った。50
0サイクル後における正極の利用率を下記「表1」に示
す。
【0069】なお、正極の利用率は以下のように算出さ
れる。電池の設計容量e1は、電池内に存在する正極活
物質の重量により決まる。電池の充放電試験を行うこと
によって測定された放電時の容量e2を設計容量e1で
割った値の百分率が正極の利用率である。すなわち、正
極利用率=(e2/e1)×100である。この値が高
いほど、より高性能な電池であることを示している。
【0070】実施例1〜3および比較例1〜2で製造し
た不織布の特性を下記「表1」に示す。
【0071】
【表1】
【0072】これらの実施例および比較例の結果を詳細
に検討することにより、以下のことが判る。実施例1〜
3は接着剤の種類を変えて塗布したものであり、比較例
1は接着剤を使用しなかったものである。実施例1〜3
では、接着剤付着率が2重量%と少ないにも関わらず、
多孔質層の脱落を抑制していることが判る。これは、PV
A、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキサ
イドでつくられた膜は造膜性および伸縮性が高いためと
考えられる。
【0073】実施例1〜3と比較例1とを比較すること
により、多孔質層が脱落するとKOH水溶液の吸液性が低
下することが判る。これは多孔質層の脱落により、不織
布の親水性が低下したためである。また、接着剤を使用
しても、吸取保液率などの低下があまりないことが判
る。一方で、接着剤を使用しない場合は、多孔質層の耐
久性が低いことが判る。特に正極利用率の低下が大き
く、これは電池を製造する際の電極巻き取り時にかかる
テンションにより多孔質層の一部が脱落したためと考え
られる。
【0074】実施例1〜3と比較例2とを比較すること
により、微粒子を高濃度の接着剤と一緒に不織布に塗布
すると、比表面積が小さくなること、すなわち微粒子間
の空隙が接着剤で塞がれることが判る。また、比較例2
では500サイクル後の正極利用率が大きく低下してお
り、これは接着剤付着率が高いため分解溶出が起こり、
その分解生成物が電池反応に悪影響を及ぼしたためと考
えられる。
【0075】
【発明の効果】請求項1に記載の発明の不織布によれ
ば、多孔質層が接着剤で固定されているので、過酷な環
境下で使用されても長期間高い保液性を維持する不織布
を提供することができる。
【0076】請求項2に記載の発明の不織布によれば、
請求項1に記載の発明の効果に加えて、接着剤が水溶性
であるので、接着剤の塗布が容易で、また多孔質層の剥
離、脱落が効果的に防止される。
【0077】請求項3に記載の発明の不織布によれば、
請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、接着剤
がPVA、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオ
キサイドまたはケイ酸カリウムであるので、多孔質層の
強度と耐久性をさらに効果的に向上させることができ
る。
【0078】請求項4に記載の発明の不織布によれば、
請求項1〜3の発明の効果に加えて、接着剤が0.1〜
10%付着するので、微粒子を過不足無く接着すること
ができる。これにより、微粒子表面の多くが雰囲気と接
触でき、多孔質層の強度向上と微粒子本来の親水性の維
持という相反する効果が両立される。
【0079】請求項5に記載の発明の不織布の製造方法
によれば、多孔質層を成形した後に接着剤を塗布するの
で、接着剤の付着率を容易かつ精度よく制御することが
できる。
【0080】請求項6に記載の発明のセパレータによれ
ば、上記不織布をセパレータに使用するので、電解液保
持性および耐久性が高いものを提供することができる。
【0081】請求項7に記載の発明のアルカリ二次電池
によれば、上記セパレータを使用するので、寿命が長
く、充放電特性が極めてよい電池を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L031 AB34 BA09 DA00 DA08 4L055 AF16 AF17 AF47 AH50 AJ01 BE09 GA01 GA39 5H021 BB12 CC00 CC02 EE04 EE05 EE32

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微粒子が集合し接着剤により固定されて
    なる多孔質層を構成繊維の表面に備える不織布。
  2. 【請求項2】 上記接着剤が水溶性接着剤である請求項
    1に記載の不織布。
  3. 【請求項3】 上記接着剤がポリビニルアルコール、カ
    ルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキサイドま
    たはケイ酸カリウムを含有する請求項1または2に記載
    の不織布。
  4. 【請求項4】 上記接着剤が0.1〜10重量%付着す
    る請求項1〜3のいずれか1項に記載の不織布。
  5. 【請求項5】 多孔質層を成形した後に接着剤を塗布す
    る不織布の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の不
    織布を用いた電池セパレータ。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の電池セパレータを用い
    たアルカリ二次電池。
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