JP6456138B2 - 電極及びそれを用いて構成される電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電極及びそれを用いて構成される電池に関する。より詳しくは、亜鉛種やカドミウム種等を活物質とする電極として好適に用いることができる電極、及び、それを用いて構成される電池に関する。
近年、小型携帯機器から自動車等の大型用途まで多くの産業において、電池の重要性が急速に高まっており、主にその容量、エネルギー密度や二次電池化の面において優位性を持つ新たな電池系が種々開発・改良されている。
それら種々の電池の中で、近年、金属空気電池等の空気電池が注目されている。電池を高容量化するためには、電極活物質の量を増やす必要があるが、正極活物質として空気中の酸素を用いる空気電池では、電池内に正極活物質を搭載する必要がなく、その分、負極活物質の搭載量を増やすことができるため、エネルギー密度を高めて高容量化しやすい利点がある。ゆえに、従来の電池(ニッケル・カドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池)と異なり、電池容器内のほとんどを負極活物質が占めることとなる。但し、正極は大気に接している必要があり、正極及び負極を積層構造としたり、巻取構造としたりすることができないため、一枚の電極に大量の負極活物質を搭載する必要がある。
ところで、導電性の芯体上に、カドミウム酸化物を主体とする活物質と糊料とを含む活物質層が形成されたアルカリ蓄電池用カドミウム負極において、上記活物質層の糊料として、ポリビニルアルコールとポリアクリル酸ソーダ或いはアルギン酸ソーダとを含む糊料を用いることを特徴とするアルカリ蓄電池用カドミウム負極が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平6−163050号公報
一枚の電極に大量の活物質を搭載すると、活物質層は厚くなる。従来の電池で用いられてきた活物質層の組成では、厚くなった活物質自身の自重を支えきれず、集電体及び/又は活物質層にクラックが入りやすく、活物質層から活物質が移動(脱落、溶出等)してしまうこともある。このようなことが起きると、電極面内で活物質密度が均一ではなくなり、電池性能に大きく影響するため、解決が必要である。但し、活物質層には充分なイオン伝導性を確保しておく必要があるため、活物質をつなぐ、ポリマーからなる結着剤の量を増やして解決することは難しい。
またこのような課題は、亜鉛負極やカドミウム負極を用いる電池において特に重要であるが、これら以外の電極を用いる電池も有するものである。
なお、特許文献1には、厚みのある活物質層において、充分なイオン伝導性を確保し、かつ活物質層からの活物質の脱落等を抑制するという技術的思想は何ら開示されていなかった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、特に活物質層が厚い電極を用いて構成される電池において、活物質層のイオン伝導性を充分に維持しながら、活物質層にクラックが入ったり、活物質層から活物質が脱落したりすることを抑制できる電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、正極活物質が空気中の酸素であり、負極に大量の負極活物質が搭載される空気電池の負極活物質層において、イオン伝導性を充分に維持しながら物理的強度を高める方法に着目し、種々検討した。そして、本発明者らは、鋭意検討の結果、電極が、活物質層内及び/又は活物質層上に、平均繊維径が1μm以上である繊維状物質を有する電極とすることを見出した。これにより、本発明者らは、負極活物質層において、イオン伝導性を落とさずに物理的強度を高めることができ、活物質層にクラックが入ることや活物質層からの活物質の脱落を抑制することができることを見出した。本発明者らは、このようにして活物質の搭載量を増やしてエネルギー密度の高い電池を好適に構成することが可能となり、また、電池を長寿命化できることを見出し、本発明に想到したものである。そして、本発明者らは、空気電池の負極以外の、活物質層を有する各種電極においても、活物質層が上記繊維状物質を有するものとすれば同様にイオン伝導性を充分維持しながら物理的強度を高めることができ、電極作製工程において歩留まりが向上し、コストダウンにつながることも見出した。
なお、上述した特許文献1には、平均繊維径が1μm以上である繊維状物質を用いることの開示も無く、活物質層からの活物質の脱落を充分に抑制するうえで工夫の余地があった。
すなわち本発明は、集電体と、活物質及びポリマーを含む活物質層とを含んで構成される電極であって、上記電極は、活物質層内及び/又は活物質層上に、更に繊維状物質を有し、上記繊維状物質は、平均繊維径が1μm以上である電極である。
また本発明は、本発明の電極を用いて構成される電池でもある。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載される本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせた形態もまた、本発明の好ましい形態である。
<本発明の電極>
本発明の電極は、活物質及びポリマーを含む活物質層を含んで構成され、活物質層内及び/又は活物質層上に、更に平均繊維径が1μm以上である繊維状物質を有する。このように、ポリマーと、平均繊維径が大きな繊維状物質とを併用することにより、活物質層においてイオン伝導性を充分に維持しながら物理的強度を高めることができ、本発明の効果を発揮することができる。以下では、本発明の電極が有する繊維状物質について説明する。
本発明の電極は、活物質層内及び/又は活物質層上に、繊維状物質を有する。なお、上記繊維状物質が活物質層内及び/又は活物質層上にあることを、上記繊維状物質が活物質層に挿入されていると言い換えてもよい。
上記繊維状物質が活物質層内にあるものとしては、例えば、活物質層内に繊維状物質が練りこまれているもの、活物質層内に繊維状物質層(例えば、不織布)が配置されているものが挙げられる。
また上記繊維状物質が活物質層上にあるものとしては、例えば、活物質層上に繊維状物質層(例えば、不織布)が貼り合わされているもの、繊維状物質を含む組成物を活物質層上に塗布・乾固して得られるもの等が挙げられる。該繊維状物質層は、活物質層側から見て集電体側にあってもよく、活物質層側から見て集電体の反対側にあってもよいが、活物質層側から見て集電体の反対側にあることが好ましい。これにより、活物質層が亜鉛種を含む場合等に、デンドライトによる電極間短絡を該繊維状物質層により物理的に抑制することも可能である。
上記繊維状物質が活物質層内にある活物質層は、活物質等を介してイオンが通過可能である。また、上記繊維状物質層は、通常、本発明の電極を用いて電池を構成したときに電解質が入り込んでイオンが通過可能となる空隙部がある。このような構成により、本発明の電極を備える電池において、本発明の効果を発揮しつつ活物質層のイオン伝導性を充分に維持して電池反応を行うことが可能となる。
上記イオンが通過可能な空隙部がある繊維状物質層としては、例えば複数の繊維が絡み合って網目構造を形成しているものが好ましい。なお、上述した複数の繊維は、同種の材料であってもよく、異種の材料であってもよい。
本発明の電極が、活物質層内及び/又は活物質層上に繊維状物質層を有する場合、該繊維状物質層と活物質層とが重畳している領域をこれらの層の厚み方向(言い換えれば、これらの層の主面に対する法線方向)から見たときに、繊維状物質層の網目構造部分から活物質層が露出している部分の面積が、当該領域100%中、10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、30%以上であることが更に好ましい。該面積は、90%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましく、70%以下であることが更に好ましい。
上記活物質層が露出している部分は、イオンが通過可能であればよく、その形状は特に限定されない。
なお、上記繊維状物質層は、活物質層の全部と重畳することが好ましい。
〔繊維状物質〕
本発明の電極における上記繊維状物質としては、平均繊維径が1μm以上である繊維状(糸状)部分を含む物質である限り種々のものが挙げられる。
上記繊維状物質の平均繊維径は、活物質層の物理的強度をより高める観点からは、例えば2μm以上であることが好ましく、2.5μm以上であることがより好ましく、3μm以上であることが更に好ましく、3.5μm以上であることが一層好ましく、4μm以上であることが特に好ましい。該平均繊維径は、イオン伝導性をより充分に維持する観点からは、1mm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることが更に好ましく、80μm以下であることが一層好ましく、60μm以下であることが特に好ましく、40μm以下であることが最も好ましい。
上記平均繊維径は、電子顕微鏡を用いて、電極を観察し、繊維状物質部に視野を合わせて、視野に写った繊維の直径を直接測定し、任意に5つ測定してその平均を求めることにより算出することができる。
また上記繊維状物質の平均長さは、活物質層の物理的強度をより高める観点からは、例えば10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、40μm以上であることが更に好ましく、60μm以上であることが一層好ましく、80μm以上であることが特に好ましい。該平均長さは、イオン伝導性をより充分に維持する観点からは、100mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましく、1mm以下であることが更に好ましく、500μm以下であることが一層好ましく、300μm以下であることが特に好ましい。
上記平均長さは、電子顕微鏡を用いて、電極を観察し、繊維状物質部に視野を合わせて、視野に写った繊維の長さを直接測定し、任意に5つ測定してその平均を求めることにより算出することができる。
上記繊維状物質のアスペクト比(縦/横)とは、上述した繊維状物質の平均繊維径に対する繊維状物質の平均長さを意味する。該アスペクト比(縦/横)は、10以上であることが好ましく、12以上であることがより好ましく、14以上であることが更に好ましく、16以上であることが特に好ましい。該アスペクト比(縦/横)は、1000000以下であることが好ましく、100000以下であることがより好ましく、10000以下であることが更に好ましく、1000以下であることが一層好ましく、100以下であることが特に好ましい。
なお、該アスペクト比(縦/横)は、上記のように測定した繊維状物質の平均繊維径及び平均長さから算出できる。
本発明における繊維状物質は、種々の材料のものを使用できるが、ポリマーであることが好ましい。該ポリマーとしては、例えば、ポリアミド(更に好ましくは、ナイロン);ポリオレフィン(更に好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン);ハロゲン原子含有ポリマー(更に好ましくは、フッ素樹脂)がより好ましいものとして挙げられ、これらの1種以上を使用できる。
また本発明における繊維状物質は、耐アルカリ性であることが好ましい。
上記繊維状物質は、表面が親水化処理されたものであることが好ましい。親水化処理されたものであることにより、本発明の電極を用いて構成した電池において、活物質層中に水溶液等の電解質溶液が浸み込み易くなり、気泡が入ることが抑制されてイオン伝導性が高くなるため、特に本発明の電池の使用開始時における性能(初期性能)が優れたものとなる。該親水性処理としては、例えば、繊維の表面に酸素含有官能基を導入することや、分散・乳化・懸濁・マイクロサスペンジョン重合等により表面処理することが挙げられる。その他、繊維を構成する材料以外の材料を含んでいたり、繊維を構成する材料以外の材料をコーティングしていてもよい。なお、親水性処理された繊維とは、1質量%の水分散液を超音波処理にて調製した際に固形分の沈降が24時間後に生成していないものと定義する。
本発明の電極において、上記繊維状物質の質量割合は、活物質層100質量%に対して、0.01〜5質量%であることが好ましい。
本発明に係る活物質層内に上記繊維状物質が含まれている場合は、本発明に係る活物質層は、上記繊維状物質を、活物質層全体100質量%中、0.1質量%以上含有することがより好ましい。また、電極の容量を充分なものとする観点からは、上記繊維状物質を、活物質層全体100質量%中、1質量%以下含有することがより好ましく、0.9質量%以下含有することが更に好ましく、0.8質量%以下含有することが特に好ましい。
なお、繊維状物質の好ましい含有量は、活物質層の厚みに関わらず、上記範囲のものである。
なお、本明細書中、活物質層全体の質量は、繊維状物質が活物質層内にある場合は当該繊維状物質を含むものとし、繊維状物質層が活物質層上にある場合は当該繊維状物質層を含まないものとして算出する。以下においても同様である。
本発明に係る活物質層上に上記繊維状物質層がある場合は、該繊維状物質層の平均厚みは、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることが更に好ましく、50μm以上であることが特に好ましく、80μm以上であることが最も好ましい。また、該繊維状物質層の平均厚みは、10mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましく、400μm以下であることが更に好ましく、200μm以下であることが特に好ましく、150μm以下であることが最も好ましい。
上記平均厚みは、任意に5箇所測定してその平均を求めることにより算出することができる。
本発明に係る活物質層上に上記繊維状物質層がある場合は、本発明に係る活物質層全体100質量%に対する該繊維状物質層の質量割合は、20質量%以上含有することがより好ましく、40質量%以上含有することが更に好ましい。また、イオン伝導性をより充分に維持する観点からは、上記繊維状物質を、活物質層全体100質量%中、90質量%以下含有することがより好ましく、80質量%以下含有することが更に好ましい。
本発明の電極は、活物質層内に、活物質及びポリマーを含む他、導電助剤、その他の成分等を更に含んでもよい。以下では、本発明の電極の活物質層に含まれる、活物質、ポリマー、導電助剤、その他の成分について順に説明する。
〔活物質〕
本発明の電極の活物質層に含まれる活物質は、正極の活物質でもよく、負極の活物質でもよい。
本発明の電極が負極である場合は、上記負極の活物質としては、炭素種・カドミウム種・リチウム種・ナトリウム種・マグネシウム種・鉛種・亜鉛種・錫種・シリコン含有材料・水素吸蔵合金材料、白金等の貴金属材料等、電池の負極活物質として通常用いられるものを用いることができる。これらの中でも、本発明の電極における上記活物質は、亜鉛種又はカドミウム種を含有することが好ましく、亜鉛種を含有することがより好ましい。これにより、本発明の効果が顕著なものになる。なお、例えば亜鉛種とは、亜鉛の金属単体又は亜鉛化合物を意味し、カドミウム種とはカドミウムの金属単体又はカドミウム化合物を意味する。リチウム種、ナトリウム種、マグネシウム種、鉛種、亜鉛種、及び、錫種についても同様である。
本発明の電極が正極である場合は、上記正極の活物質としては、一次電池や二次電池の正極活物質として通常用いられるものを用いることができる。例えば、オキシ水酸化ニッケル、水酸化ニッケル、コバルト含有水酸化ニッケル等のニッケル含有化合物;二酸化マンガン等のマンガン含有化合物;酸化銀;コバルト酸リチウム等のリチウム含有化合物;鉄含有化合物;コバルト含有化合物等が挙げられる。
本発明の電極の活物質層に含まれる活物質は、負極の活物質であることが好ましい。
上記活物質は、平均粒子径が1nm〜500μmであることが好ましい。より好ましくは5nm〜200μmであり、更に好ましくは10nm〜100μmであり、特に好ましくは、10nm〜60μmである。
上記平均粒子径は、粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
上記活物質の粒子の形状としては、微粉状、粉状、粒状、顆粒状、鱗片状、多面体状、ロッド状、曲面含有状等が挙げられる。なお、平均粒子径が上述のような範囲の粒子は、例えば、粒子をボールミル等により粉砕し、得られた粗粒子を分散剤に分散させて所望の粒子径にした後に乾固する方法や、該粗粒子をふるい等にかけて粒子径を選別する方法のほか、粒子を製造する段階で調製条件を最適化し、所望の粒径の(ナノ)粒子を得る方法等により製造することが可能である。
上記活物質の活物質層中の質量割合は、活物質層全体100質量%中、40質量%以上であることが好ましい。活物質の配合量がこのような範囲であると、電極の容量を充分なものとすることができ、本発明の電極を電池に用いた場合に、より良好な電池性能を発揮する。より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは80質量%以上であり、特に好ましくは85質量%以上である。また、該質量割合は、99.9質量%以下であることが好ましく、99.5質量%以下であることがより好ましく、99質量%以下であることが更に好ましく、98質量%以下であることが特に好ましい。
〔ポリマー〕
本発明の電極の活物質層は、更に、ポリマーを含むものである。
本発明の電極の活物質層は、結着剤として機能するポリマーを含むことが好ましい。結着剤としては種々の公知のものを用いることができるが、熱可塑性、熱硬化性のいずれであってもよく、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン原子含有ポリマー、ポリオレフィン等の炭化水素部位含有ポリマー、ポリスチレン等の芳香族基含有ポリマー;アルキレングリコール等のエーテル基含有ポリマー;ポリビニルアルコール等の水酸基含有ポリマー;ポリアミド、ポリアクリルアミド等のアミド結合含有ポリマー;ポリマレイミド等のイミド基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸塩等のカルボン酸塩基含有ポリマー;スルホン酸塩部位含有ポリマー;第四級アンモニウム塩や第四級ホスホニウム塩含有ポリマー;イオン交換性重合体;天然ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)等の人工ゴム;ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルセルロース)、カルボキシメチルセルロース等の糖類;ポリエチレンイミン等のアミノ基含有ポリマー;ポリウレタン等が挙げられる。中でも、上記ポリマーは、芳香族基、カルボキシル基、カルボン酸塩基、水酸基、アミノ基、エーテル基、アミド結合(−CO−NH−)、及び、ウレタン基(−NHCOO)からなる群より選択される少なくとも1種を含有するか、又は、炭化水素であることが好ましい。また、カルボン酸塩基は、カルボン酸リチウム塩基、カルボン酸ナトリウム塩基、カルボン酸カリウム塩基が好ましい。より好ましくは、カルボン酸ナトリウム塩基である。上記炭化水素は、例えばポリオレフィンが挙げられる。
中でも、上記結着剤としては、ハロゲン原子含有ポリマー、炭化水素部位含有ポリマーが好ましい。該ハロゲン原子含有ポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレンがより好ましい。該炭化水素部位含有ポリマーとしては、ポリオレフィンがより好ましい。なお、上記結着剤は、1種でも2種以上でも使用することができる。
上記結着剤の活物質層全体中の質量割合は、0.3〜30質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.5〜15質量%であり、更に好ましくは、1〜10質量%であり、特に好ましくは、2〜6質量%である。
上記結着剤は、電極組成物の調製の際等に熱や圧力等により繊維化された状態になってもよい。
上記繊維化された結着剤は、平均繊維径が500nm以下の繊維であることが好ましい。該平均繊維径は、100nm以下であることがより好ましい。
なお、上記繊維化された結着剤の平均繊維径とは、電極組成物中の結着剤の平均繊維径ではなく、本発明の電極の活物質層中の繊維化された結着剤の平均繊維径を意味する。
本発明の電極において、本発明に係る繊維状物質と、上記繊維化された結着剤とを併用することが本発明における好ましい形態の1つであり、当該形態により本発明の効果が顕著に発揮される。
上記繊維化された結着剤の活物質層全体中の質量割合は、0.1〜30質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.3〜15質量%であり、更に好ましくは、0.5〜10質量%であり、特に好ましくは、1〜6質量%である。
〔導電助剤〕
本発明に係る活物質層は、更に導電助剤を含んでいてもよい。
上記導電助剤としては、特に制限されないが、例えば、導電性カーボン、導電性セラミックス、亜鉛・銅・真鍮・ニッケル・銀・ビスマス・インジウム・鉛・錫等の金属等の1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の電極が導電助剤を含む場合は、本発明の活物質層中の活物質100質量%に対して、0.0001〜100質量%であることが好ましい。導電助剤の含有割合がこのような範囲であると、本発明の電極を電池に用いた場合に、より良好な電池性能を発揮する。より好ましくは、0.0005〜60質量%であり、更に好ましくは、0.001〜40質量%である。
<その他の成分>
本発明に係る活物質層は、その他の成分として、周期表の第1族〜第17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物、有機化合物、及び、有機化合物塩からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
本発明に係る活物質層が上記その他の成分を含む場合は、該その他の成分の活物質層全体中の含有割合は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましい。
本発明に係る活物質層の平均厚みは、100μm以上であることが好ましく、200μm以上であることがより好ましく、500μm以上であることが更に好ましく、活物質の脱落等を抑制して大量の活物質を搭載したエネルギー密度の高い電池を構成できるという本発明の効果を発揮する観点から、1mm以上であることが特に好ましい。該活物質層の平均厚みは、例えば10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましい。
上記活物質層の平均厚みは、マイクロメーターにより任意に5点を測定して算出することができる。
〔集電体〕
本発明の電極は、更に、集電体を含む。
上記集電体としては、(電解)銅箔、銅メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡銅、パンチング銅、真鍮等の銅合金、真鍮箔、真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡真鍮、パンチング真鍮、ニッケル箔、耐食性ニッケル、ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)、パンチングニッケル、金属亜鉛、耐食性金属亜鉛、亜鉛箔、亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)、(パンチング)鋼板、導電性を付与した不織布;Ni・Zn・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・真鍮等を添加した(電解)銅箔・銅メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡銅・パンチング銅・真鍮等の銅合金・真鍮箔・真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡真鍮・パンチング真鍮・ニッケル箔・耐食性ニッケル・ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)・パンチングニッケル・金属亜鉛・耐食性金属亜鉛・亜鉛箔・亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)・(パンチング)鋼板・不織布;Ni・Zn・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・真鍮等によりメッキされた(電解)銅箔・銅メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡銅・パンチング銅・真鍮等の銅合金・真鍮箔・真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡真鍮・パンチング真鍮・ニッケル箔・耐食性ニッケル・ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)・パンチングニッケル・金属亜鉛・耐食性金属亜鉛・亜鉛箔・亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)・(パンチング)鋼板・不織布;銀;アルカリ(蓄)電池や空気亜鉛電池に集電体や容器として使用される材料等が挙げられる。
<電極の調製方法>
本発明の電極は、活物質層の原料となる電極合剤組成物を集電体上に塗工・圧着・接着・圧電・圧延・延伸・溶融等して活物質を含む活物質層を形成する工程を含む製造方法により製造することができる。本発明の電極が、2層以上の活物質層が積層された構造のものである場合、活物質層を形成する工程を2回以上行うことで電極を製造することができる。
本発明の電極は、電極の製造後に、活物質層内及び/又は活物質層上に平均繊維径が1μm以上である繊維状物質を有するものであればよいが、電極合剤組成物において繊維状物質(より好ましくは、上述した好ましい平均繊維径の繊維状物質)を配合することが好ましい。電極合剤組成物に配合する繊維状物質のその他の好ましい形態は、上述した繊維状物質の好ましい形態と同様である。
上記電極合剤組成物は、上述した活物質層が含む繊維状物質、活物質、ポリマーを含み、必要に応じて導電助剤、その他の成分を含み、更に必要に応じて溶媒を含んで構成されるものである。溶媒を除く電極合剤組成物の固形分全体に対する繊維状物質、活物質、ポリマー等の成分の好ましい含有割合は、上述した活物質層におけるこれらの好ましい割合と同様である。
上記電極合剤組成物が含む溶剤としては、水、エタノール、アセトン、イソプロピルアルコール、ブタノール、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の電極は、電子伝導性に優れるとともに、厚みのある電極とした場合にも、活物質層のイオン伝導性が充分に維持され、充放電レート特性に優れると共に、活物質層からの活物質の移動(脱落等)を抑制することができるものである。このような本発明の電極を用いて構成される電池もまた、本発明の1つである。
本発明の電極は、中でも、亜鉛種を活物質とする負極に用いられることが好ましい。すなわち、本発明の電極が亜鉛負極であることが好ましい。したがって、本発明の電池が、亜鉛種を活物質とする亜鉛負極として本発明の電極を含む電池であることは、本発明の好適な実施形態の1つである。
<本発明の電極を用いて構成される電池>
以下においては、亜鉛種を活物質とする亜鉛負極として本発明の電極を含む電池について記載する。
亜鉛種を活物質とする亜鉛負極として本発明の電極を含む電池の正極活物質としては、一次電池や二次電池の正極活物質として通常用いられるものを用いることができ、特に制限されないが、例えば、酸素(酸素が正極活物質となる場合、正極は、酸素の還元や水の酸化が可能なペロブスカイト型化合物、コバルト含有化合物、鉄含有化合物、銅含有化合物、マンガン含有化合物、白金含有化合物等より構成される空気極となる)や、本発明の電極が正極である場合に正極の活物質として上述したもの等が挙げられる。これらの中でも、正極活物質が酸素であることが好ましい。
上述したとおり、本発明の電極は、活物質の厚みを厚くした場合でも、活物質層からの活物質の脱落等を充分に抑制することができるため、容量を大きくするために負極活物質の厚みを厚くすることが求められる亜鉛空気電池の負極として用いられることが好適である。したがって、本発明の電池が亜鉛空気電池であることは、本発明の好適な実施形態の1つである。
また、本発明の亜鉛負極を使用した電池の形態としては、一次電池、充放電が可能な二次電池、メカニカルチャージ(亜鉛負極の機械的な交換)の利用、本発明の亜鉛負極と上述したような正極活物質より構成される正極とは別の第3極の利用等、いずれの形態であっても良い。
本発明の電池に用いる電解液としては、蓄電池の電解液として通常用いられるものを用いることができ、特に制限されないが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエトキシエタン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、イオン性液体、フッ素含有カーボネート類、フッ素含有エーテル類、ポリエチレングリコール類、フッ素含有ポリエチレングリコール類等が挙げられる。これらの有機溶剤系電解液は、1種でも2種以上でも使用することができる。水系電解液としては、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、硫酸亜鉛水溶液、硝酸亜鉛水溶液、リン酸亜鉛水溶液、酢酸亜鉛水溶液等などが挙げられる。これらの中でも、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液といったアルカリ性電解質が好ましい。上記水系電解液は、1種でも2種以上でも使用することができる。水系電解液は、上記有機溶剤系電解液を含んでいてもよい。
本発明の電池としては、更に、セパレーターを使用することもできる。セパレーターとは、正極と負極を隔離し、電解液を保持して正極と負極との間のイオン伝導性を確保する部材である。セパレーターとして特に制限はないが、不織布、濾紙、ポリエチレンやポリプロピレン等の炭化水素部位含有ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン部位含有ポリマー、ポリフッ化ビニリデン部位含有ポリマー、セルロース、フィブリル化セルロース、ビスコースレイヨン、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール含有ポリマー、セロファン、ポリスチレン等の芳香環部位含有ポリマー、ポリアクリロニトリル部位含有ポリマー、ポリアクリルアミド部位含有ポリマー、ポリハロゲン化ビニル部位含有ポリマー、ポリアミド部位含有ポリマー、ポリイミド部位含有ポリマー、ナイロン等のエステル部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸塩部位含有ポリマー、ポリイソプレノールやポリ(メタ)アリルアルコール等の水酸基含有ポリマー、ポリカーボネート等のカーボネート基含有ポリマー、ポリエステル等のエステル基含有ポリマー、ポリウレタン等のカルバメートやカルバミド基部位含有ポリマー、寒天、ゲル化合物、有機無機ハイブリッド(コンポジット)化合物、イオン交換膜性ポリマー、環化ポリマー、スルホン酸塩含有ポリマー、第四級アンモニウム塩含有ポリマー、第四級ホスホニウム塩ポリマー、環状炭化水素基含有ポリマー、エーテル基含有ポリマー、セラミックス等の無機物等が挙げられる。セパレーターはこれらのうちの1種であってもよく、2種以上であってもよい。
本発明の電極は、上述の構成よりなり、活物質層におけるクラックを抑制することができる。これにより、活物質の搭載量を増やしてエネルギー密度の高い電池を好適に構成することが可能となる。また、電極作製工程において、活物質層の物理的強度が高まるため、歩留まりが向上し、コストダウンにつながる。更に、本発明の電極を用いて構成される電池において、活物質層からの活物質の脱落等を抑制することができ、電池を長寿命化することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、平均粒子径は、上述の方法で測定した。
参考例1)
ポリオレフィン水分散液(三井化学社製、ケミパールS100)とポリテトラフルオロエチレンと酸化亜鉛(平均粒子径1μm)とを1:3:96の質量比で混錬し、ペースト化した亜鉛極合剤の片面に日本バイリーン社製不織布(平均厚み100μm、平均繊維径30μm)、もう片面に錫でメッキされたパンチング鋼板を圧延によって貼り付け、活物質層の平均厚み100μm、200μm、500μm、1mm、2mm、5mmのそれぞれについて電極を作製した。不織布を貼り付けた電極は、すべての水準についてクラックの発生がなかった。
(比較参考例1)
比較用に、不織布を貼り付けていない以外は参考例1と同様に、活物質層の平均厚み100μm、200μm、500μm、1mm、2mm、5mmのそれぞれについて電極を作製した。不織布を貼り付けていない電極(活物質層)は、1mm以上の平均厚みにおいてクラックが発生した。
(実施例2)
ポリオレフィン水分散液(三井化学社製、ケミパールS100)とポリテトラフルオロエチレンと酸化亜鉛(平均粒子径1μm)と、平均繊維径5μm、平均長さ100μmのナイロン繊維とを1:3:95.7:0.3の質量比で混錬し、ペースト化した亜鉛極合剤を錫でメッキされたパンチング鋼板を圧延によって貼り付け、活物質層の平均厚み100μm、200μm、500μm、1mm、2mm、5mmのそれぞれについて電極を作製した。ナイロン繊維を添加した電極は、すべての水準についてクラックの発生がなかったが、不織布を貼り付けていない活物質は、1mm以上の平均厚みにおいてクラックが発生した。
(比較例2)
比較用にナイロン繊維を添加していない以外は実施例2と同様に、活物質層の平均厚み100μm、200μm、500μm、1mm、2mm、5mmのそれぞれについて電極を作製した。不織布を貼り付けていない電極(活物質層)は、1mm以上の平均厚みにおいてクラックが発生した。
(実施例3)
ポリオレフィン水分散液(三井化学社製、ケミパールS100)とポリテトラフルオロエチレンと酸化亜鉛(平均粒子径1μm)と、平均繊維径5μm、平均長さ100μmのナイロン繊維とを1:3:95.7:0.3の質量比で混錬し、ペースト化した亜鉛極合剤を錫でメッキされたパンチング鋼板の両面に圧延によって貼り付け亜鉛負極とした。対極に水酸化ニッケル合剤を圧延で固めたニッケル正極を用い、参照極として水銀電極を用いてビーカー内で亜鉛極の充放電試験を試みた。その結果、繊維を添加したものは100サイクル以上の充放電を行っても活物質の形状を保っていた。
(比較例3)
比較として、ナイロン繊維を添加しない以外は実施例3と同様の亜鉛極合剤を貼り付けた亜鉛極を準備し、実施例3と同様の試験を試みた。しかし、比較用の繊維のないサンプルは20サイクル程度で活物質がビーカー内へ落下してしまった。
参考例1及び比較参考例1より、活物質層上に繊維状物質を有する本発明の電極は、少なくとも平均厚みが1mm以上の活物質層におけるクラックを抑制できることが分かった。また、実施例2及び比較例2より、活物質層内に繊維状物質を有する本発明の電極は、少なくとも平均厚みが1mm以上の活物質層におけるクラックを抑制できることが分かった。これにより、活物質の搭載量を増やしてエネルギー密度の高い電池を好適に構成することが可能となる。
なお、平均厚みが1mm未満の活物質層においても強度が向上していると考えられるため、少なくとも電極作製工程において歩留まりが向上し、コストダウンにつながる。
また実施例3及び比較例3より、本発明の電極を用いて構成した本発明の電池は、活物質層の物理的強度が増していることから、活物質層からの活物質の脱落を抑制できることが分かった。これにより、電池を長寿命化することができる。
以上を纏めると、上記実施例及び比較例の結果から以下のことが分かった。本発明の電極において、活物質層におけるクラックを抑制することができる。これにより、活物質の搭載量を増やしてエネルギー密度の高い電池を好適に構成することが可能となる。また、電極作製工程において、活物質層の物理的強度が高まるため、歩留まりが向上し、コストダウンにつながる。更に、本発明の電極を用いて構成される電池において、活物質層からの活物質の脱落等を抑制することができ、電池を長寿命化することができる。
なお、上記実施例においては、繊維状物質として特定の繊維や、複数の繊維を絡めて構成された不織布を使用しているが、活物質層からの活物質の移動(脱落等)を抑制することができ、電池を長寿命化することができること、これに伴って、活物質の搭載量を増やしてエネルギー密度の高い電池を好適に構成することが可能となること、更に、電極作製工程における歩留まりが向上し、コストダウンにつながることは、活物質層内及び/又は活物質層上に、平均繊維径が特定以上の繊維状物質を有する場合には全て同様であると評価できる。
また上記実施例は、亜鉛負極や当該亜鉛負極を用いた亜鉛空気電池に係るものであり、これが本発明の好適な形態であるが、その他の種々の電極・電池においても、本発明に係る繊維状物質を用いるものであれば、活物質層のイオン伝導性を充分に維持しながら物理的強度を高めることができるため、本発明の作用効果を発揮することが可能である。従って、上記実施例の結果から、本発明の技術的範囲全般において、また、本明細書において開示した種々の形態において本発明が適用でき、有利な作用効果を発揮できることが実証されている。

Claims (5)

  1. 集電体と、活物質及びポリマーを含む活物質層とを含んで構成される負極であって、
    該負極は、活物質層内に、更に繊維状物質を有し、亜鉛空気電池に用いられるものであり、
    該繊維状物質は、平均繊維径が1μm以上であり、
    該ポリマーは、ポリオレフィン及びポリテトラフルオロエチレンであり、
    該活物質は、亜鉛の金属単体又は亜鉛化合物を含有し、
    該活物質層は、平均厚みが1mm以上である
    ことを特徴とする亜鉛空気電池用負極。
  2. 前記繊維状物質は、アスペクト比が10以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の亜鉛空気電池用負極。
  3. 前記繊維状物質の質量割合は、活物質層100質量%に対して、0.01〜5質量%である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の亜鉛空気電池用負極。
  4. 前記ポリマーは、平均繊維径が500nm以下の繊維である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の亜鉛空気電池用負極。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の亜鉛空気電池用負極を用いて構成される
    ことを特徴とする亜鉛空気電池。
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