JP2016152082A - アニオン伝導性膜及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 良好なアニオン伝導性を有しながら、デンドライトが発生する活物質を用いた場合のデンドライトの成長による正極、負極の短絡も充分に抑制して電池を長寿命化できるアニオン伝導性膜を提供する。
【解決手段】 ポリマーと無機化合物とを含むアニオン伝導性材料から形成されるアニオン伝導性膜であって、該アニオン伝導性膜は、アニオン伝導性材料の層を2つ以上含む多層構造を有するアニオン伝導性膜。
【選択図】なし
【解決手段】 ポリマーと無機化合物とを含むアニオン伝導性材料から形成されるアニオン伝導性膜であって、該アニオン伝導性膜は、アニオン伝導性材料の層を2つ以上含む多層構造を有するアニオン伝導性膜。
【選択図】なし
Description
本発明は、アニオン伝導性膜及びその製造方法に関する。より詳しくは、電池を構成する材料として好適に用いることができるアニオン伝導性膜及びその製造方法に関する。
溶液中でイオンを選択的に透過できるアニオン伝導性材料は、電池を構成する材料として使用できる材料であり、近年、携帯機器やノートパソコン等の電子機器分野だけでなく、自動車や航空機等の移動体分野をはじめとする様々な分野で電池の使用が広がるとともに、更なる利用の拡大が期待されている。
従来のアニオン伝導性材料としては、特定の一般式で表される層状複水酸化物からなることを特徴とするアルカリ電解質膜が開示されている(特許文献1参照。)。また、特定の一般式で表される化合物からなる陰イオン交換樹脂膜形成用4級化剤が開示されている(特許文献2参照。)。
アニオン伝導性材料には、アニオン伝導性に加え、活物質に亜鉛、ニッケル、リチウム等を用いた場合に生じる、電極表面に形成されるデンドライトを原因とする正極と負極との短絡を防止する効果も期待される。上記特許文献1、2に記載の電解質膜・樹脂膜は、いずれもデンドライトの抑制の点で充分なものではなく、デンドライトが発生する活物質を用いた電池に用いる材料として充分なものではなかった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、良好なアニオン伝導性を有しながら、デンドライトが発生する活物質を用いた場合のデンドライトの成長による正極、負極の短絡も充分に抑制して電池を長寿命化できるアニオン伝導性膜を提供することを目的とする。
本発明者は、アニオン伝導性に加え、デンドライトの抑制効果にも優れるアニオン伝導性膜について種々検討したところ、ポリマーと無機化合物とを含むアニオン伝導性材料の層を2つ以上含む多層構造を有するアニオン伝導性膜とすることで、アニオン伝導性とデンドライトの抑制効果との両方に優れるアニオン伝導性膜となることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、ポリマーと無機化合物とを含むアニオン伝導性材料から形成されるアニオン伝導性膜であって、上記アニオン伝導性膜は、アニオン伝導性材料の層を2つ以上含む多層構造を有することを特徴とするアニオン伝導性膜である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明のアニオン伝導性膜は、ポリマーと無機化合物とを含むアニオン伝導性材料の層を2つ以上含む多層構造を有する。デンドライトは、膜のクラックや微孔等のきっかけがあると、そこをきっかけに成長する。膜にデンドライトが成長しだすと、物理的にとがった形状であるために、その後先端部に充電反応が集中し、より成長を早める。このとき、膜が一層であると、そのきっかけから成長するデンドライトにより、膜自体も裂けはじめ、容易に貫通してしまうことになる。一方、膜が層状になっている場合、一層の膜が完全に貫通したとしても、その上にもう一層の膜があり、その膜の内部にデンドライトが侵入するためには、新たなきっかけが必要となる。つまり、層状であれば、一層を貫通したとしてもデンドライトは新たに侵入のきっかけを探さなければならず、一層で構成された膜と比較して多層構造をもつことで、非常に大きなデンドライト抑制効果を得ることができる。また、一層の膜の場合、内部に気泡が入りやすく、そこを通ってデンドライトが成長しやすいが、同じ膜厚でも薄膜状の層が多数積層されたものであると、一層当たりの膜厚が薄く、その膜厚以上のサイズの気泡の混入がないため、このことによっても大きなデンドライト抑制効果を得ることができる。
本発明のアニオン伝導性膜の原料となるアニオン伝導性材料が含むポリマー及び無機化合物は、それぞれ1種であってもよく、2種以上であってもよい。
本発明のアニオン伝導性膜の原料となるアニオン伝導性材料が含むポリマー及び無機化合物は、それぞれ1種であってもよく、2種以上であってもよい。
本発明の多層構造のアニオン伝導性膜の層の数は、2つ以上である限り特に制限されない。層の数が多くなる程、デンドライトを抑制する効果はより高くなるが、製造工程が煩雑なものとなるため、デンドライトの抑制効果と製造工程の両方を考慮すると、層の数は、2〜100層であることが好ましい。より好ましくは、3〜50層であり、更に好ましくは、5〜20層である。
上記アニオン伝導性膜の全体の厚さは、用途に応じて適宜選択できるが、例えば0.1μm以上であることが好ましい。より好ましくは、0.5μm以上である。更に好ましくは、1μm以上である。また、該厚さは、例えば50mm以下であることが好ましい。より好ましくは、20mm以下である。更に好ましくは、10mm以下である。
また、アニオン伝導性膜を構成する積層された層の一層当たりの平均厚さは、0.05〜100μmが好ましい。より好ましくは、0.1〜50μmであり、更に好ましくは、1〜30μmである。
アニオン伝導性膜の全体の厚さは、電子顕微鏡を用いた断面観察により測定することができる。
アニオン伝導性膜を構成する積層された層の一層当たりの平均厚さは、アニオン伝導性膜の全体の厚さと積層された層の数から計算される。
また、アニオン伝導性膜を構成する積層された層の一層当たりの平均厚さは、0.05〜100μmが好ましい。より好ましくは、0.1〜50μmであり、更に好ましくは、1〜30μmである。
アニオン伝導性膜の全体の厚さは、電子顕微鏡を用いた断面観察により測定することができる。
アニオン伝導性膜を構成する積層された層の一層当たりの平均厚さは、アニオン伝導性膜の全体の厚さと積層された層の数から計算される。
本発明のアニオン伝導性膜を構成する多層構造は、隣り合う層の材料及び/又は強度が異なるものであることが好ましい。このように隣り合う層の材料及び/又は強度が異なることで、層間の界面を超えてデンドライトが成長し難くなり、デンドライトの成長がより充分に抑制される。隣り合う層の材料が異なる場合には、アニオン伝導性膜に含まれるポリマーや無機化合物が異なる場合の他、ポリマーや無機化合物以外の他の成分として異なる材料を含む場合も含まれる。
隣り合う層の材料及び/又は強度が異なる多層構造は、隣り合う層の材料及び/又は強度が異なっていればよく、3層以上の多層構造である場合には、同じ材料及び強度の層が1層おきに配置されている、2種類の層によって構成されているものであってもよく、3種類以上の層によって構成されているものであってもよい。
隣り合う層の材料及び/又は強度が異なる多層構造は、隣り合う層の材料及び/又は強度が異なっていればよく、3層以上の多層構造である場合には、同じ材料及び強度の層が1層おきに配置されている、2種類の層によって構成されているものであってもよく、3種類以上の層によって構成されているものであってもよい。
上記隣り合う層の強度が異なるものである場合、層の突き刺し強度が異なることが好ましい。突き刺し強度が異なることで、デンドライトのアニオン伝導性膜への侵入に対する抵抗が異なることになり、これにより、デンドライトの侵入を抑制することができる。
アニオン伝導性膜の突き刺し強度は、JIS Z1707に基づいて測定することができる。
アニオン伝導性膜の突き刺し強度は、JIS Z1707に基づいて測定することができる。
上記隣り合う層の材料及び/又は強度が異なるものである場合、隣り合う層の材料、強度のいずれが異なっていてもよく、その両方が異なっていてもよいが、隣り合う層中の無機化合物及び/又はその平均粒子径が異なることは、本発明の好適な実施形態の1つである。
アニオン伝導性膜の特性は、使用する無機化合物の種類や平均粒子径に大きく影響されることから、使用する無機化合物の種類や平均粒子径を変えることで、アニオン伝導性膜の層の特性を容易に変えることができる。
層中の無機化合物の種類や平均粒子径を変える場合、後述する好ましい無機化合物の種類及び平均粒子径の範囲内で無機化合物の種類や平均粒子径を変えることが好ましい。
アニオン伝導性膜の特性は、使用する無機化合物の種類や平均粒子径に大きく影響されることから、使用する無機化合物の種類や平均粒子径を変えることで、アニオン伝導性膜の層の特性を容易に変えることができる。
層中の無機化合物の種類や平均粒子径を変える場合、後述する好ましい無機化合物の種類及び平均粒子径の範囲内で無機化合物の種類や平均粒子径を変えることが好ましい。
上記使用する無機化合物の平均粒子径を異なるものとする場合、平均粒子径の差異が20%以上であることが好ましい。差異をこのようにすることで、平均粒子径を異なるものとすることの効果を充分に得ることができる。平均粒子径の差異は40%以上であることがより好ましい。更に好ましくは、60%以上である。また、平均粒子径の差異は500%以下であることが好ましい。平均粒子径の差異が500%より大きくなるようにする場合、必然的に平均粒子径の大きな無機化合物を用いることになるが、粒子径の大きな無機化合物を用いると粒子間の隙間が大きくなり、デンドライト抑制効果そのものが低下するおそれがある。
本発明のアニオン伝導性膜を構成する多層構造ではまた、隣り合う層中のポリマーと無機化合物との質量割合が異なることも好適な実施形態の1つである。
層中のポリマーと無機化合物との質量割合を変えることによっても、層の特性を容易に変えることができる。
層中のポリマーと無機化合物との質量割合を変える場合、後述するアニオン伝導性材料におけるポリマーと無機化合物との好ましい質量割合の範囲内で、ポリマーと無機化合物との質量割合を変えることが好ましい。
層中のポリマーと無機化合物との質量割合を変えることによっても、層の特性を容易に変えることができる。
層中のポリマーと無機化合物との質量割合を変える場合、後述するアニオン伝導性材料におけるポリマーと無機化合物との好ましい質量割合の範囲内で、ポリマーと無機化合物との質量割合を変えることが好ましい。
上記層中のポリマーと無機化合物との質量割合を変える場合、質量割合の差異が20%以上であることが好ましい。差異をこのようにすることで、質量割合を異なるものとすることの効果を充分に得ることができる。質量割合の差異は40%以上であることがより好ましい。更に好ましくは、60%以上である。また、イオン伝導度の点から、質量割合の差異は500%以下であることが好ましい。
なお、ここでいう質量割合の差異とは、ある層中のポリマーと無機化合物との合計質量に対する無機化合物の質量%割合の値と、他の層中のポリマーと無機化合物との合計質量に対する無機化合物の質量%割合の値との差を意味する。
なお、ここでいう質量割合の差異とは、ある層中のポリマーと無機化合物との合計質量に対する無機化合物の質量%割合の値と、他の層中のポリマーと無機化合物との合計質量に対する無機化合物の質量%割合の値との差を意味する。
本発明のアニオン伝導性膜を構成する多層構造は、ガス吸収性材料を含有する層を含むことが好ましい。ガス吸収性材料を含有することで、負極から発生する水素ガスや、正極から発生する酸素ガスを吸着し、電池を密閉化できる。ガス吸収性材料及びその好ましい割合については、後述する。
本発明のアニオン伝導性膜は、アニオン伝導性材料の層を2つ以上含むものとなる限り、その製造方法は特に制限されないが、ポリマーと無機化合物とを含むアニオン伝導性材料の層を2層以上積層する工程を含む方法が好ましい。
このような、アニオン伝導性膜の製造方法であって、該製造方法は、ポリマーと無機化合物とを含むアニオン伝導性材料の層を2層以上積層する工程を含むアニオン伝導性膜の製造方法もまた、本発明の1つである。
アニオン伝導性材料の層を2層以上積層する方法としては、2種以上の固体状のアニオン伝導性材料を重ねる方法、固体状のアニオン伝導性材料を折り畳んで重ねる方法、及び、これら両方を含む方法があり、これらいずれの方法を用いてもよい。また、積層する際に層(アニオン伝導性材料)を圧延してもよい。これらの方法の中でも、ポリマーと無機化合物とを含む層を折り畳む方法を用いることが好ましく、また、積層する際に層(アニオン伝導性材料)を圧延する方法が好ましい。すなわち、本発明のアニオン伝導性膜の製造方法におけるアニオン伝導性材料の層を2層以上積層する工程は、ポリマーと無機化合物とを含む層を折り畳む工程と、該層を圧延する工程とを含むことが好ましい。固体状のアニオン伝導性材料を圧延しながら折り畳む工程を繰り返すことで多数の層が積層されたアニオン伝導性膜を容易に製造することができる。また、折りたたんで圧延し、層状構造を形成するようにすることで、突き刺し強度の高い膜を得ることができる。
なお、ポリマーと無機化合物とを含む層を折り畳む工程と、該層を圧延する工程とを含む製造方法は、これらの工程を含む限り、2種以上の固体状のアニオン伝導性材料を重ねる工程等、その他の工程を含んでいてもよい。
このような、アニオン伝導性膜の製造方法であって、該製造方法は、ポリマーと無機化合物とを含むアニオン伝導性材料の層を2層以上積層する工程を含むアニオン伝導性膜の製造方法もまた、本発明の1つである。
アニオン伝導性材料の層を2層以上積層する方法としては、2種以上の固体状のアニオン伝導性材料を重ねる方法、固体状のアニオン伝導性材料を折り畳んで重ねる方法、及び、これら両方を含む方法があり、これらいずれの方法を用いてもよい。また、積層する際に層(アニオン伝導性材料)を圧延してもよい。これらの方法の中でも、ポリマーと無機化合物とを含む層を折り畳む方法を用いることが好ましく、また、積層する際に層(アニオン伝導性材料)を圧延する方法が好ましい。すなわち、本発明のアニオン伝導性膜の製造方法におけるアニオン伝導性材料の層を2層以上積層する工程は、ポリマーと無機化合物とを含む層を折り畳む工程と、該層を圧延する工程とを含むことが好ましい。固体状のアニオン伝導性材料を圧延しながら折り畳む工程を繰り返すことで多数の層が積層されたアニオン伝導性膜を容易に製造することができる。また、折りたたんで圧延し、層状構造を形成するようにすることで、突き刺し強度の高い膜を得ることができる。
なお、ポリマーと無機化合物とを含む層を折り畳む工程と、該層を圧延する工程とを含む製造方法は、これらの工程を含む限り、2種以上の固体状のアニオン伝導性材料を重ねる工程等、その他の工程を含んでいてもよい。
<アニオン伝導性材料>
本発明におけるアニオン伝導性材料が含む無機化合物は、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物であることが好ましい。
周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、Sb、Bi、S、Se、Te、F、Cl、及び、Brからなる群より選択される少なくとも1つの元素であることが好ましい。中でも、周期表の第1族〜第15族から選ばれる少なくとも1種の元素が好ましく、Li、Na、K、Cs、Mg、Ca、Ba、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Nb、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、Sb、及び、Biからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素がより好ましい。更に好ましくは、Li、Mg、Ca、Ba、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Nb、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、及び、Tlからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素である。
本発明におけるアニオン伝導性材料が含む無機化合物は、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物であることが好ましい。
周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、Sb、Bi、S、Se、Te、F、Cl、及び、Brからなる群より選択される少なくとも1つの元素であることが好ましい。中でも、周期表の第1族〜第15族から選ばれる少なくとも1種の元素が好ましく、Li、Na、K、Cs、Mg、Ca、Ba、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Nb、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、Sb、及び、Biからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素がより好ましい。更に好ましくは、Li、Mg、Ca、Ba、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Nb、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、及び、Tlからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素である。
上記無機化合物としては、例えば、酸化物;複合酸化物;層状複水酸化物;水酸化物;粘土化合物;固溶体;合金;ゼオライト;ハロゲン化物;カルボキシラート化合物;炭酸化合物;炭酸水素化合物;硝酸化合物;硫酸化合物;スルホン酸化合物;ヒドロキシアパタイト等のリン酸化合物;亜リン化合物;次亜リン酸化合物、ホウ酸化合物;ケイ酸化合物;アルミン酸化合物;硫化物;オニウム化合物;塩等が挙げられる。好ましくは、酸化物;複合酸化物;ハイドロタルサイト等の層状複水酸化物;水酸化物;粘土化合物;固溶体;ゼオライト;フッ化物;リン酸化合物;ホウ酸化合物;ケイ酸化合物;アルミン酸化合物;塩が挙げられる。
これらの中でも、無機化合物は、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、硫酸化合物、及び、リン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物であることが好ましい。より好ましくは、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、及び、硫酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物であり、更に好ましくは、層状複水酸化物及び/又は酸化物である。
これらの中でも、無機化合物は、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、硫酸化合物、及び、リン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物であることが好ましい。より好ましくは、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、及び、硫酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物であり、更に好ましくは、層状複水酸化物及び/又は酸化物である。
上記酸化物としては、例えば酸化セリウム、酸化ジルコニウムが好ましい。より好ましくは、酸化セリウムである。また、酸化セリウムは、例えば、酸化サマリウム、酸化ガドリニウム、酸化ビスマス等の金属酸化物がドープされたものや、酸化ジルコニウム等の金属酸化物との固溶体であってもよい。酸素欠陥を持つものであってもよい。
上記ハイドロタルサイトとは、下記式;
[M1 1−xM2 x(OH)2](An−)x/n・mH2O
(M1は、Mg、Fe、Zn、Ca、Li、Ni、Co、Cuのいずれかを表す。M2は、Al、Fe、Mnのいずれかを表す。An−は、1〜3価のアニオンを表す。mは0以上の数である。nは、1〜3の数である。xは、0.20〜0.40の数である。)に代表される化合物であり、150℃〜900℃で焼成することにより、脱水した化合物や、層間内の陰イオンを分解させた化合物、層間内の陰イオンを水酸化物イオン等に交換した化合物、天然鉱物であるMg6Al2(OH)16CO3・mH2O等を上記無機化合物として使用してもよい。上記ハイドロタルサイトには、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シラノール基等の官能基を持つ化合物が配位していてもよい。
[M1 1−xM2 x(OH)2](An−)x/n・mH2O
(M1は、Mg、Fe、Zn、Ca、Li、Ni、Co、Cuのいずれかを表す。M2は、Al、Fe、Mnのいずれかを表す。An−は、1〜3価のアニオンを表す。mは0以上の数である。nは、1〜3の数である。xは、0.20〜0.40の数である。)に代表される化合物であり、150℃〜900℃で焼成することにより、脱水した化合物や、層間内の陰イオンを分解させた化合物、層間内の陰イオンを水酸化物イオン等に交換した化合物、天然鉱物であるMg6Al2(OH)16CO3・mH2O等を上記無機化合物として使用してもよい。上記ハイドロタルサイトには、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シラノール基等の官能基を持つ化合物が配位していてもよい。
上記水酸化物としては、例えば水酸化セリウム、水酸化ジルコニウムが好ましい。上記硫酸化合物は、例えばエトリンガイトが好ましい。
上記リン酸化合物は、例えばヒドロキシアパタイトが好ましい。
上記ヒドロキシアパタイトとは、Ca10(PO4)6(OH)2に代表される化合物であり、調製時の条件によりCaの量を減らした化合物や、Ca以外の元素を導入したヒドロキシアパタイト化合物等を上記無機化合物として使用しても良い。
上記ヒドロキシアパタイトとは、Ca10(PO4)6(OH)2に代表される化合物であり、調製時の条件によりCaの量を減らした化合物や、Ca以外の元素を導入したヒドロキシアパタイト化合物等を上記無機化合物として使用しても良い。
上記無機化合物は、平均粒子径が1000μm以下であるものが好ましい。平均粒子径が大きすぎると、粒子間の隙間が大きくなり、デンドライトの成長が充分に抑制できなくなるおそれがある。より好ましくは、200μm以下であり、更に好ましくは、100μm以下であり、特に好ましくは、75μm以下であり、最も好ましくは、20μm以下である。一方、平均粒子径は、5nm以上であることが好ましい。より好ましくは、10nm以上である。
上記平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)、粒度分布測定装置、粉末X線回折(XRD)等により測定することができる。
上記無機化合物の粒子の形状としては、微粉状、粉状、粒状、顆粒状、鱗片状、多面体状、ロッド状、曲面含有状等が挙げられる。なお、平均粒子径が上述のような範囲の粒子は、例えば、粒子をボールミル等により粉砕し、得られた粗粒子を分散剤に分散させて所望の粒子径にした後に乾固する方法や、該粗粒子をふるい等にかけて粒子径を選別する方法のほか、粒子を製造する段階で調製条件を最適化し、所望の粒径の(ナノ)粒子を得る方法等により製造することが可能である。
上記平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)、粒度分布測定装置、粉末X線回折(XRD)等により測定することができる。
上記無機化合物の粒子の形状としては、微粉状、粉状、粒状、顆粒状、鱗片状、多面体状、ロッド状、曲面含有状等が挙げられる。なお、平均粒子径が上述のような範囲の粒子は、例えば、粒子をボールミル等により粉砕し、得られた粗粒子を分散剤に分散させて所望の粒子径にした後に乾固する方法や、該粗粒子をふるい等にかけて粒子径を選別する方法のほか、粒子を製造する段階で調製条件を最適化し、所望の粒径の(ナノ)粒子を得る方法等により製造することが可能である。
上記無機化合物は、比表面積が0.01m2/g以上であることが好ましく、より好ましくは、0.1m2/g以上であり、更に好ましくは、0.5m2/g以上である。一方、該比表面積は、500m2/g以下であることが好ましい。
上記比表面積は、窒素吸着BET法で比表面積測定装置等により測定することができる。
上記比表面積は、窒素吸着BET法で比表面積測定装置等により測定することができる。
上記無機化合物の割合は、アニオン伝導性材料100質量%に対して、0.1質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、0.5質量%以上であり、更に好ましくは、1質量%以上である。また、99.9質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、99質量%以下であり、更に好ましくは、98質量%以下である。
本発明におけるアニオン伝導性材料が含むポリマーとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等の炭化水素部位含有ポリマー、ポリスチレン等に代表される芳香族基含有ポリマー;アルキレングリコール等に代表されるエーテル基含有ポリマー;ポリビニルアルコールやポリ(α−ヒドロキシメチルアクリル酸塩)等に代表される水酸基含有ポリマー;ポリアミド、ナイロン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンやN−置換ポリアクリルアミド等に代表されるアミド結合含有ポリマー;ポリマレイミド等に代表されるイミド結合含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリメチレングルタル酸等に代表されるカルボキシル基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリマレイン酸塩、ポリイタコン酸塩、ポリメチレングルタル酸塩等に代表されるカルボン酸塩含有ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン含有ポリマー;エポキシ樹脂等のエポキシ基が開環することにより結合したポリマー;スルホン酸塩部位含有ポリマー;AR1R2R3B(Aは、N又はPを表す。Bは、ハロゲンアニオンやOH−等のアニオンを表す。R1、R2、R3は、同一又は異なって、炭素数1〜7のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルカルボキシル基、芳香環基を表す。R1、R2、R3は、結合して環構造を形成してもよい。)で表される基が結合したポリマーに代表される第四級アンモニウム塩や第四級ホスホニウム塩含有ポリマー;陽イオン・陰イオン交換膜等に使用されるイオン交換性重合体;天然ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)等に代表される人工ゴム;セルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルセルロース)、カルボキシメチルセルロース、キチン、キトサン、アルギン酸(塩)等に代表される糖類;ポリエチレンイミンに代表されるアミノ基含有ポリマー;カルバメート基部位含有ポリマー;カルバミド基部位含有ポリマー;エポキシ基部位含有ポリマー;複素環、及び/又は、イオン化した複素環部位含有ポリマー;ポリマーアロイ;ヘテロ原子含有ポリマー;低分子量界面活性剤などが挙げられる。
中でも、カルボキシル基含有ポリマー及び/又はハロゲン含有ポリマーが好ましい。より好ましくは、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素含有ポリマーである。上記のとおり、本発明のアニオン伝導性膜を製造する際には、アニオン伝導性材料を圧延する工程を含む方法を用いることが好ましい。このとき、アニオン伝導性材料がフッ素含有ポリマーを含むものであると、圧延時にフッ素含有ポリマーに強い力がかかることでポリマーの繊維化が促進される。その結果、アニオン伝導性膜の物理的強度が向上することになるため、デンドライトの成長による電極間の短絡を防止する効果がより高くなる。
中でも、カルボキシル基含有ポリマー及び/又はハロゲン含有ポリマーが好ましい。より好ましくは、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素含有ポリマーである。上記のとおり、本発明のアニオン伝導性膜を製造する際には、アニオン伝導性材料を圧延する工程を含む方法を用いることが好ましい。このとき、アニオン伝導性材料がフッ素含有ポリマーを含むものであると、圧延時にフッ素含有ポリマーに強い力がかかることでポリマーの繊維化が促進される。その結果、アニオン伝導性膜の物理的強度が向上することになるため、デンドライトの成長による電極間の短絡を防止する効果がより高くなる。
ポリマーはその構成単位に該当するモノマーより、ラジカル重合、ラジカル(交互)共重合、アニオン重合、アニオン(交互)共重合、カチオン重合、カチオン(交互)共重合、グラフト重合、グラフト(交互)共重合、リビング重合、リビング(交互)共重合、分散重合、乳化重合、懸濁重合、開環重合、環化重合、光、紫外線や電子線照射による重合、メタセシス重合、電解重合等により得ることができる。これらポリマーが官能基を有する場合には、それを主鎖及び/又は側鎖に有していても良く、架橋剤との結合部位として存在しても良い。これらポリマーは、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
これらのポリマーは、上記無機化合物以外の有機架橋剤化合物により、エステル結合、アミド結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、アゴスチック相互作用、水素結合、アセタール結合、ケタール結合、エーテル結合、ペルオキシド結合、炭素−炭素結合、炭素−窒素結合、炭素−酸素結合、炭素−硫黄結合、カルバメート結合、チオカルバメート結合、カルバミド結合、チオカルバミド結合、オキサゾリン部位含有結合、トリアジン結合等を介して、架橋されていてもよい。
これらのポリマーは、上記無機化合物以外の有機架橋剤化合物により、エステル結合、アミド結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、アゴスチック相互作用、水素結合、アセタール結合、ケタール結合、エーテル結合、ペルオキシド結合、炭素−炭素結合、炭素−窒素結合、炭素−酸素結合、炭素−硫黄結合、カルバメート結合、チオカルバメート結合、カルバミド結合、チオカルバミド結合、オキサゾリン部位含有結合、トリアジン結合等を介して、架橋されていてもよい。
上記ポリマーは、重量平均分子量が、200〜7000000であることが好ましい。これにより、アニオン伝導性材料のイオン伝導性、可とう性等を調節することができる。該重量平均分子量は、より好ましくは、400〜6500000であり、更に好ましくは、500〜5000000である。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
上記ポリマーの割合は、アニオン伝導性材料100質量%に対して、0.1質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、0.5質量%以上であり、更に好ましくは、1質量%以上である。また、99.9質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、99.5質量%以下であり、更に好ましくは、99質量%以下である。
上記アニオン伝導性材料における、ポリマーと無機化合物との配合割合は、5000000/1〜1/100000であることが好ましい。より好ましくは、2000000/1〜1/50000であり、更に好ましくは、1000000/1〜1/10000である。
本発明のアニオン伝導性材料は、ガス吸収性材料を含むことが好ましい。ガス吸収性材料を含むことで、正極または負極から発生するガスを吸収し、電池の密閉化が実現できる。
ガス吸収性材料としては、合成ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ、活性炭、活性コークス、モンモリロナイトのような粘土化合物、及び、マグネタイト(Fe3O4)、ヘマタイト(Fe2O3)、ウスタイト(FeO)等の酸化鉄等が挙げられる。これらの中でも、合成ゼオライト、シリカゲルが好ましい。より好ましくは、合成ゼオライトである。
ガス吸収性材料は1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
ガス吸収性材料としては、合成ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ、活性炭、活性コークス、モンモリロナイトのような粘土化合物、及び、マグネタイト(Fe3O4)、ヘマタイト(Fe2O3)、ウスタイト(FeO)等の酸化鉄等が挙げられる。これらの中でも、合成ゼオライト、シリカゲルが好ましい。より好ましくは、合成ゼオライトである。
ガス吸収性材料は1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記アニオン伝導性材料における、ガス吸収性材料の含有割合は、アニオン伝導性材料全体100質量%に対して、0.1〜50質量%であることが好ましい。より好ましくは、1〜30質量%であり、更に好ましくは、3〜20質量%である。
本発明のアニオン伝導性材料は、ポリマーと、無機化合物とを含む限り、上記ガス吸収性材料以外のその他の成分を更に含んでいてもよい。また、その他の成分は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
上記その他の成分は、特に限定されないが、例えば、亜鉛含有化合物、アルミナ、シリカ、ポリマー、導電性カーボン、導電性セラミックス等が挙げられる。
上記その他の成分の平均粒子径は、1000μm以下であることが好ましい。該平均粒子径は、より好ましくは、500μm以下であり、更に好ましくは、200μm以下であり、より更に好ましくは、100μm以下であり、特に好ましくは、75μm以下であり、最も好ましくは、20μm以下である。一方、平均粒子径は、5nm以上であることが好ましい。該平均粒子径は、より好ましくは、10nm以上であり、更に好ましくは、20nm以上である。
上記その他の成分の平均粒子径は、上記した無機化合物の平均粒子径と同様の方法で測定することができる。
その他の成分の粒子の形状及び製造方法は、上述した無機化合物の粒子の形状及び製造方法と同様である。
上記その他の成分の平均粒子径は、上記した無機化合物の平均粒子径と同様の方法で測定することができる。
その他の成分の粒子の形状及び製造方法は、上述した無機化合物の粒子の形状及び製造方法と同様である。
上記その他の成分は、比表面積が0.01m2/g以上であることが好ましい。該比表面積は、より好ましくは、0.1m2/g以上であり、更に好ましくは、0.5m2/g以上である。また、該比表面積は、1500m2/g以下であることが好ましい。該比表面積は、より好ましくは、500m2/g以下であり、更に好ましくは、450m2/g以下であり、特に好ましくは、400m2/g以下である。
上記比表面積は、上記した無機化合物の比表面積と同様の方法で測定することができる。
なお、比表面積が上述のような範囲の粒子は、例えば、粒子をナノ粒子化したり、粒子製造の際の調製条件を選択することにより粒子表面に凹凸をつけたりすることにより製造することが可能である。
上記比表面積は、上記した無機化合物の比表面積と同様の方法で測定することができる。
なお、比表面積が上述のような範囲の粒子は、例えば、粒子をナノ粒子化したり、粒子製造の際の調製条件を選択することにより粒子表面に凹凸をつけたりすることにより製造することが可能である。
上記その他の成分の割合としては、アニオン伝導性材料100質量%に対して、0.001質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、0.01質量%以上であり、更に好ましくは、0.05質量%以上である。また、90質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、80質量%以下であり、更に好ましくは、70質量%以下である。
本発明におけるアニオン伝導性材料の調製方法としては、例えば、次のような方法が挙げられる。
ポリマー、及び、無機化合物等と共に、必要に応じて、上記その他の成分を混合する。混合には、ミキサー、ブレンダー、ニーダー、ビーズミル、レディミル、ボールミル等を使用することができる。混合の際、水や、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン等の有機溶剤、又は、水と有機溶剤との混合溶剤を加えても良い。
ポリマー、及び、無機化合物の混合の条件は、得られるアニオン伝導性膜の突き刺し強度に影響し、混合の条件を変えることで、得られるアニオン伝導性膜の突き刺し強度を変えることができる。例えば、ポリマーとして上述したフッ素含有ポリマーを用いた場合、混練時間を長くすることでポリマーの繊維化が促進され、突き刺し強度が大きくなる。
ポリマー、及び、無機化合物等と共に、必要に応じて、上記その他の成分を混合する。混合には、ミキサー、ブレンダー、ニーダー、ビーズミル、レディミル、ボールミル等を使用することができる。混合の際、水や、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン等の有機溶剤、又は、水と有機溶剤との混合溶剤を加えても良い。
ポリマー、及び、無機化合物の混合の条件は、得られるアニオン伝導性膜の突き刺し強度に影響し、混合の条件を変えることで、得られるアニオン伝導性膜の突き刺し強度を変えることができる。例えば、ポリマーとして上述したフッ素含有ポリマーを用いた場合、混練時間を長くすることでポリマーの繊維化が促進され、突き刺し強度が大きくなる。
<アニオン伝導性膜を用いて構成される電池>
本発明のアニオン伝導性膜は、アニオン伝導性に優れ、また、多層構造を有することに起因して、亜鉛種等のデンドライトの成長が生じる活物質を用いた場合の正極、負極間の短絡も効果的に抑制することができるため、電池のセパレーターや電解質等として好適に用いることができる。また、電極の活物質層の上に貼り付けて使用してもよい。
このような、本発明のアニオン伝導性膜を用いて構成される電池もまた、本発明の1つである。また、該電池が、亜鉛負極を含むことは、本発明の電池の好適な実施形態の1つである。
本発明のアニオン伝導性膜を用いて構成される電池の形態は一次電池;充放電が可能な二次電池(蓄電池);メカニカルチャージ(亜鉛負極の機械的な交換)の利用;正極や負極とは別の第3極(例えば、充放電中に発生する酸素や水素を除去する極)の利用等、いずれの形態であっても良い。このような種々の電池の形態の中でも、二次電池又は燃料電池が好ましい。
本発明のアニオン伝導性膜は、アニオン伝導性に優れ、また、多層構造を有することに起因して、亜鉛種等のデンドライトの成長が生じる活物質を用いた場合の正極、負極間の短絡も効果的に抑制することができるため、電池のセパレーターや電解質等として好適に用いることができる。また、電極の活物質層の上に貼り付けて使用してもよい。
このような、本発明のアニオン伝導性膜を用いて構成される電池もまた、本発明の1つである。また、該電池が、亜鉛負極を含むことは、本発明の電池の好適な実施形態の1つである。
本発明のアニオン伝導性膜を用いて構成される電池の形態は一次電池;充放電が可能な二次電池(蓄電池);メカニカルチャージ(亜鉛負極の機械的な交換)の利用;正極や負極とは別の第3極(例えば、充放電中に発生する酸素や水素を除去する極)の利用等、いずれの形態であっても良い。このような種々の電池の形態の中でも、二次電池又は燃料電池が好ましい。
上記セパレーターとは、正極と負極を隔離し、電解液を保持して正極と負極との間のイオン伝導性を確保する部材である。また、亜鉛負極を使用した蓄電池の場合には、正負極を湿潤させる働き、液枯れを回避する働きをするものであってもよい。
上記セパレーターは、上述した本発明のアニオン伝導性膜がその機能を担うことができるが、更に、不織布、濾紙、ポリエチレンやポリプロピレン等の炭化水素部位含有ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン部位含有ポリマー、ポリフッ化ビニリデン部位含有ポリマー、セルロース、フィブリル化セルロース、ビスコースレイヨン、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール含有ポリマー、セロファン、ポリスチレン等の芳香環部位含有ポリマー、ポリアクリロニトリル部位含有ポリマー、ポリアクリルアミド部位含有ポリマー、ポリハロゲン化ビニル部位含有ポリマー、ポリアミド部位含有ポリマー、ポリイミド部位含有ポリマー、ナイロン等のエステル部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸塩部位含有ポリマー、ポリイソプレノールやポリ(メタ)アリルアルコール等の水酸基含有ポリマー、ポリカーボネート等のカーボネート基含有ポリマー、ポリエステル等のエステル基含有ポリマー、ポリウレタン等のカルバメートやカルバミド基部位含有ポリマー、寒天、ゲル化合物、有機無機ハイブリッド(コンポジット)化合物、イオン交換膜性ポリマー、環化ポリマー、スルホン酸塩含有ポリマー、第四級アンモニウム塩含有ポリマー、第四級ホスホニウム塩ポリマー、環状炭化水素基含有ポリマー、エーテル基含有ポリマー、セラミックス等の無機物等が積層される等して併用されたものであってもよい。なお、セパレーターがこれらのポリマーを併用する場合に、ポリマーが特定の部位・官能基を含有するとは、ポリマーが、その一部において当該部位・官能基を有する単量体単位を含むものであればよく、当該部位・官能基を有さない単量体単位を含むものであってもよい。言い換えれば、ポリマーは、コポリマーであってもよい。
上記セパレーターは、上述した本発明のアニオン伝導性膜がその機能を担うことができるが、更に、不織布、濾紙、ポリエチレンやポリプロピレン等の炭化水素部位含有ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン部位含有ポリマー、ポリフッ化ビニリデン部位含有ポリマー、セルロース、フィブリル化セルロース、ビスコースレイヨン、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール含有ポリマー、セロファン、ポリスチレン等の芳香環部位含有ポリマー、ポリアクリロニトリル部位含有ポリマー、ポリアクリルアミド部位含有ポリマー、ポリハロゲン化ビニル部位含有ポリマー、ポリアミド部位含有ポリマー、ポリイミド部位含有ポリマー、ナイロン等のエステル部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸塩部位含有ポリマー、ポリイソプレノールやポリ(メタ)アリルアルコール等の水酸基含有ポリマー、ポリカーボネート等のカーボネート基含有ポリマー、ポリエステル等のエステル基含有ポリマー、ポリウレタン等のカルバメートやカルバミド基部位含有ポリマー、寒天、ゲル化合物、有機無機ハイブリッド(コンポジット)化合物、イオン交換膜性ポリマー、環化ポリマー、スルホン酸塩含有ポリマー、第四級アンモニウム塩含有ポリマー、第四級ホスホニウム塩ポリマー、環状炭化水素基含有ポリマー、エーテル基含有ポリマー、セラミックス等の無機物等が積層される等して併用されたものであってもよい。なお、セパレーターがこれらのポリマーを併用する場合に、ポリマーが特定の部位・官能基を含有するとは、ポリマーが、その一部において当該部位・官能基を有する単量体単位を含むものであればよく、当該部位・官能基を有さない単量体単位を含むものであってもよい。言い換えれば、ポリマーは、コポリマーであってもよい。
上記セパレーターがポリマーを併用する場合に、ポリマーが官能基を有する場合には、該官能基は主鎖にあっても側鎖にあってもよい。また、主鎖がエステル結合、アミド結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、アゴスチック相互作用、水素結合、アセタール結合、ケタール結合、エーテル結合、ペルオキシド結合、炭素−炭素結合、炭素−窒素結合、カルバメート結合、チオカルバメート結合、カルバミド結合、チオカルバミド結合、オキサゾリン部位含有結合、トリアジン結合等を介して架橋されていてもよい。
上記セパレーターは、1種でも2種以上でも使用することができ、抵抗が上昇し電池性能が低下しなければ、任意の枚数を使用することができる。セパレーターは、細孔、微細孔やガス拡散層を有していてもよい。水含有電解液を使用する場合、界面活性剤導入等により、セパレーターの親水処理を施すことが好ましい。水含有電解液と、固体電解質・ゲル電解質とを併用してもよい。
上記セパレーターは、1種でも2種以上でも使用することができ、抵抗が上昇し電池性能が低下しなければ、任意の枚数を使用することができる。セパレーターは、細孔、微細孔やガス拡散層を有していてもよい。水含有電解液を使用する場合、界面活性剤導入等により、セパレーターの親水処理を施すことが好ましい。水含有電解液と、固体電解質・ゲル電解質とを併用してもよい。
本発明の電池を構成する正極の活物質としては、一次電池や二次電池の正極活物質として通常用いられるものを用いることができ、特に制限されないが、例えば、酸素(酸素が正極活物質となる場合、正極は、酸素の還元や水の酸化が可能なペロブスカイト型化合物、コバルト含有化合物、鉄含有化合物、銅含有化合物、マンガン含有化合物、バナジウム含有化合物、ニッケル含有化合物、イリジウム含有化合物、白金含有化合物;パラジウム含有化合物;金含有化合物;銀化合物;炭素含有化合物等より構成される空気極となる);オキシ水酸化ニッケル、水酸化ニッケル、コバルト含有水酸化ニッケル等のニッケル含有化合物;二酸化マンガン等のマンガン含有化合物;酸化銀;コバルト酸リチウム等のリチウム含有化合物;鉄含有化合物等が挙げられる。
これらの中でも、正極活物質がニッケル含有化合物であることが、本発明の好適な実施形態の1つである。
また、空気電池や燃料電池等、正極活物質が酸素であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。すなわち、本発明の電池の、正極が酸素還元能を有する極であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
これらの中でも、正極活物質がニッケル含有化合物であることが、本発明の好適な実施形態の1つである。
また、空気電池や燃料電池等、正極活物質が酸素であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。すなわち、本発明の電池の、正極が酸素還元能を有する極であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
本発明の電池を構成する負極の活物質としては、炭素、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、錫、シリコン含有材料等、電池の負極活物質として通常用いられるものを用いることができる。これらの中でも、本発明のアニオン伝導性膜の特性を発揮させる点からは、亜鉛、リチウム、ニッケル等の電極反応に伴って、デンドライトを発生するおそれのある活物質を用いることが好ましい。
なお、本発明のアニオン伝導性膜は、リチウムイオン電池、空気電池や燃料電池等のセパレーターや固体(ゲル)電解質としても使用することができると共に、イオン交換膜としても使用することが可能である。
なお、本発明のアニオン伝導性膜は、リチウムイオン電池、空気電池や燃料電池等のセパレーターや固体(ゲル)電解質としても使用することができると共に、イオン交換膜としても使用することが可能である。
本発明のアニオン伝導性膜を電解質として用いない場合、本発明の電池を構成する電解液としては、電池の電解液として通常用いられるものであれば特に制限されず、例えば、水含有電解液、有機溶剤系電解液等が挙げられ、水含有電解液が好ましい。水含有電解液とは、水のみを電解液原料として使用する電解液(水系電解液)や、水に有機溶剤を加えた液を電解液原料として使用する電解液を指す。また、本発明のアニオン伝導性膜は、加湿条件・加温条件・上記電解液や溶媒等非存在下条件等においても、アニオン伝導性を発現することも可能である。
上記水系電解液としては、アルカリ性電解液が好ましい。アルカリ性電解液は、例えば、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、硫酸亜鉛水溶液、硝酸亜鉛水溶液、リン酸亜鉛水溶液、酢酸亜鉛水溶液等が挙げられる。上記水系電解液は、1種でも2種以上でも使用することができる。
また、上記水含有電解液は、有機溶剤系電解液に用いられる有機溶剤を含んでいてもよい。該有機溶剤としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエトキシエタン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、イオン性液体、フッ素含有カーボネート類、フッ素含有エーテル類、ポリエチレングリコール類、フッ素含有ポリエチレングリコール類等が挙げられる。上記有機溶剤系電解液は、1種でも2種以上でも使用することができる。上記有機溶剤系電解液の電解質としては、特に制限はないが、LiPF6、LiBF4、LiB(CN)4、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LiTFSI)等が好ましい。
有機溶剤系電解液を含む水含有電解液の場合、水系電解液と有機溶剤系電解液の合計100質量%に対して、水系電解液の含有量は、好ましくは10〜99.9質量%、より好ましくは20〜99.9質量%である。
有機溶剤系電解液を含む水含有電解液の場合、水系電解液と有機溶剤系電解液の合計100質量%に対して、水系電解液の含有量は、好ましくは10〜99.9質量%、より好ましくは20〜99.9質量%である。
上記電解質として、ゲル電解質を使用することも可能である。ゲル電解質としては、電池の電解質として用いることができるものであれば特に制限されないが、例えば、上記セパレーターと同様の化合物を含む固体電解質や、架橋剤より架橋されたゲル電解質等が挙げられる。
本発明の電池は、正極活物質、負極活物質として上述した種々のものを用いることができ、電池の種類は特に制限されないが、アルカリ乾電池、ニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池、マンガン−亜鉛電池、ニッケル−亜鉛電池、燃料電池、空気電池等、アルカリ性電解液を使用する電池であることが好ましい。
本発明のアニオン伝導性膜は、上述の構成よりなり、良好なアニオン伝導性を有し、かつ、デンドライトが発生する活物質を用いた場合のデンドライトも充分に抑制して電池を長寿命化できるため、亜鉛種等のデンドライトの成長がおこる活物質を用いる電池を構成するセパレーターや電解質の材料として好適に用いることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
実施例、比較例における各種測定は、以下の方法により行った。
<膜厚測定>
膜全体の厚みは、マイクロメーター(ミツトヨ精密機器社製デジタルマイクロメータ 543−390B)によって測定し、各層については電子顕微鏡(日立ハイテク社製 卓上顕微鏡 Miniscope(登録商標) TM3030Plus)を用いて断面観察結果より計測した。
<突き刺し強度測定>
JIS Z1707に基づいて行った。
<膜厚測定>
膜全体の厚みは、マイクロメーター(ミツトヨ精密機器社製デジタルマイクロメータ 543−390B)によって測定し、各層については電子顕微鏡(日立ハイテク社製 卓上顕微鏡 Miniscope(登録商標) TM3030Plus)を用いて断面観察結果より計測した。
<突き刺し強度測定>
JIS Z1707に基づいて行った。
比較例1
ハイドロタルサイトとポリテロラフルオロエチレン(PTFE)を4:6の質量比で混練して得られたアニオン伝導性材料を用い、厚さ300μmの単層アニオン伝導性膜を作製した。酸化亜鉛とPTFEを96:4の質量比で混練した活物質をパンチングニッケルに張り付けて作製した亜鉛負極の表面にこの単層アニオン伝導性膜を配置し、端部はポリエチレンフィルムで被覆してアニオン伝導性膜を貫通する方向にのみ電流が流れる負極を構成した。ポリエチレンフィルムで覆われていないアニオン伝導性膜の開口面積は2cm2である。対極としてニッケル正極、参照極として水銀極を用い、充放電電流10mA/cm2、充電深度50%で、この負極に対して充放電試験を実施した。同じサンプルを4つ用意して4回試験を行った。充放電試験において、良好な充放電電流値が得られたことから、アニオン伝導性膜が優れたアニオン伝導性を有することが確認できたが、200サイクル〜500サイクルの間で4つのサンプルすべてで、デンドライトが成長してアニオン伝導性膜を貫通し、正極に達し正極、負極間の短絡が起こり、電池が頓死した。
ハイドロタルサイトとポリテロラフルオロエチレン(PTFE)を4:6の質量比で混練して得られたアニオン伝導性材料を用い、厚さ300μmの単層アニオン伝導性膜を作製した。酸化亜鉛とPTFEを96:4の質量比で混練した活物質をパンチングニッケルに張り付けて作製した亜鉛負極の表面にこの単層アニオン伝導性膜を配置し、端部はポリエチレンフィルムで被覆してアニオン伝導性膜を貫通する方向にのみ電流が流れる負極を構成した。ポリエチレンフィルムで覆われていないアニオン伝導性膜の開口面積は2cm2である。対極としてニッケル正極、参照極として水銀極を用い、充放電電流10mA/cm2、充電深度50%で、この負極に対して充放電試験を実施した。同じサンプルを4つ用意して4回試験を行った。充放電試験において、良好な充放電電流値が得られたことから、アニオン伝導性膜が優れたアニオン伝導性を有することが確認できたが、200サイクル〜500サイクルの間で4つのサンプルすべてで、デンドライトが成長してアニオン伝導性膜を貫通し、正極に達し正極、負極間の短絡が起こり、電池が頓死した。
実施例1
比較例1と同じ組成のアニオン伝導性膜について、折り畳みながら圧延を繰り返し、10μmの平均厚みをもつ層が30層重なり厚さ300μmとなっているアニオン伝導性膜を作製し、それを用いて比較例1と同様にして負極を作製した。得られた負極を用いて、比較例1と同じ手法で充放電試験を行ったところ、充放電電流値からアニオン伝導性膜が優れたアニオン伝導性を有することが確認でき、また、4つすべてのサンプルにおいて1000サイクル以上の寿命を確認した。
比較例1と同じ組成のアニオン伝導性膜について、折り畳みながら圧延を繰り返し、10μmの平均厚みをもつ層が30層重なり厚さ300μmとなっているアニオン伝導性膜を作製し、それを用いて比較例1と同様にして負極を作製した。得られた負極を用いて、比較例1と同じ手法で充放電試験を行ったところ、充放電電流値からアニオン伝導性膜が優れたアニオン伝導性を有することが確認でき、また、4つすべてのサンプルにおいて1000サイクル以上の寿命を確認した。
実施例2
比較例1と同じ組成のアニオン伝導性膜と、ハイドロタルサイトとPTFEとを6:4の質量比で混練して作られたアニオン伝導性膜を重ね合わせ、その状態で圧延し、厚さ300μmに成形したアニオン伝導性膜を作製した。それを用いて比較例1と同様にして負極を作製し、得られた負極を用いて、比較例1と同じ手法で充放電試験を行ったところ、充放電電流値からアニオン伝導性膜が優れたアニオン伝導性を有することが確認でき、また、400〜600サイクル程度まで長寿命化することが確認された。
比較例1と同じ組成のアニオン伝導性膜と、ハイドロタルサイトとPTFEとを6:4の質量比で混練して作られたアニオン伝導性膜を重ね合わせ、その状態で圧延し、厚さ300μmに成形したアニオン伝導性膜を作製した。それを用いて比較例1と同様にして負極を作製し、得られた負極を用いて、比較例1と同じ手法で充放電試験を行ったところ、充放電電流値からアニオン伝導性膜が優れたアニオン伝導性を有することが確認でき、また、400〜600サイクル程度まで長寿命化することが確認された。
実施例3
比較例1と同じ組成のアニオン伝導性膜と、ZrOとPTFEとを6:5の質量比で混練して作られたアニオン伝導膜を重ね合わせ、その状態で圧延し、厚さ300μmに成形したアニオン伝導性膜を作製した。それを用いて比較例1と同様にして負極を作製し、得られた負極を用いて、比較例1と同じ手法で充放電試験を行ったところ、充放電電流値からアニオン伝導性膜が優れたアニオン伝導性を有することが確認でき、また、400〜600サイクル程度まで長寿命化することが確認された。
比較例1と同じ組成のアニオン伝導性膜と、ZrOとPTFEとを6:5の質量比で混練して作られたアニオン伝導膜を重ね合わせ、その状態で圧延し、厚さ300μmに成形したアニオン伝導性膜を作製した。それを用いて比較例1と同様にして負極を作製し、得られた負極を用いて、比較例1と同じ手法で充放電試験を行ったところ、充放電電流値からアニオン伝導性膜が優れたアニオン伝導性を有することが確認でき、また、400〜600サイクル程度まで長寿命化することが確認された。
実施例4
比較例1と同じ組成のアニオン伝導性材料を混ぜ合わせ、混練条件のうち、混練時間を変更することで、突き刺し強度4Nのアニオン伝導性膜と、突き刺し強度2Nのアニオン伝導性膜とを調製し、それらを重ねて合計厚さ100μm(各アニオン伝導性膜の平均厚さ50μm)の層状構造を作製した。それを用いて比較例1と同様にして負極を作製し、得られた負極を用いて、比較例1と同じ手法で充放電試験を行ったところ、充放電電流値からアニオン伝導性膜が優れたアニオン伝導性を有することが確認でき、また、400〜600サイクル程度まで長寿命化することが確認された。
比較例1と同じ組成のアニオン伝導性材料を混ぜ合わせ、混練条件のうち、混練時間を変更することで、突き刺し強度4Nのアニオン伝導性膜と、突き刺し強度2Nのアニオン伝導性膜とを調製し、それらを重ねて合計厚さ100μm(各アニオン伝導性膜の平均厚さ50μm)の層状構造を作製した。それを用いて比較例1と同様にして負極を作製し、得られた負極を用いて、比較例1と同じ手法で充放電試験を行ったところ、充放電電流値からアニオン伝導性膜が優れたアニオン伝導性を有することが確認でき、また、400〜600サイクル程度まで長寿命化することが確認された。
Claims (12)
- ポリマーと無機化合物とを含むアニオン伝導性材料から形成されるアニオン伝導性膜であって、
該アニオン伝導性膜は、アニオン伝導性材料の層を2つ以上含む多層構造を有する
ことを特徴とするアニオン伝導性膜。 - 前記多層構造は、隣り合う層の材料及び/又は強度が異なる
ことを特徴とする請求項1に記載のアニオン伝導性膜。 - 前記多層構造は、隣り合う層中の無機化合物及び/又はその平均粒子径が異なる
ことを特徴とする請求項2に記載のアニオン伝導性膜。 - 前記多層構造は、隣り合う層中のポリマーと無機化合物との質量割合が異なる
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のアニオン伝導性膜。 - 前記多層構造は、ガス吸収性材料を含有する層を含む
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアニオン伝導性膜。 - 前記無機化合物は、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、硫酸化合物、及び、リン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアニオン伝導性膜。 - 請求項1〜6のいずれかに記載のアニオン伝導性膜を用いて構成される
ことを特徴とする電池。 - 亜鉛負極を含むことを特徴とする請求項7に記載の電池。
- 前記電池は、二次電池である
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の電池。 - 前記電池は、燃料電池である
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の電池。 - アニオン伝導性膜の製造方法であって、
該製造方法は、ポリマーと無機化合物とを含むアニオン伝導性材料の層を2層以上積層する工程を含む
ことを特徴とするアニオン伝導性膜の製造方法。 - 前記アニオン伝導性材料の層を2層以上積層する工程は、ポリマーと無機化合物とを含む層を折り畳む工程と、該層を圧延する工程とを含む
ことを特徴とする請求項11に記載のアニオン伝導性膜の製造方法。
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