JP2001089636A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 速硬化性と保存安定性とを両立させた、電子
・電気材料分野に有用なエポキシ樹脂組成物を提供する
こと。 【解決手段】 1分子内にエポキシ基を2個以上有する
化合物(A)、1分子内にフェノール性水酸基を2個以
上有する化合物(B)、ならびに、テトラ置換ホスホニ
ウム(X)と1分子内にフェノール性水酸基を2個以上
有する化合物(Y)及び1分子内にフェノール性水酸基
を2個以上有する化合物(Y)の共役塩基との分子会合
体(C)であって、該共役塩基が前記フェノール性水酸
基を1分子内に2個以上有する化合物(Y)から1個の
水素を除いたフェノキシド型化合物であることを特徴と
するエポキシ樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】
【0001】本発明は、硬化性と保存性が良好で、電子
・電気材料分野に有用なエポキシ樹脂組成物、及びこれ
を用いた半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子・電気材料、特にIC封止材料は近
年、生産効率の向上を目的とした速硬化性と、物流・保
管時の取り扱い性向上のための保存性の向上とが求めら
れるようになってきている。従来、電子・電気分野向け
エポキシ樹脂には、硬化促進剤としてホスフィン類、ア
ミン類、イミダゾール系化合物、ジアザビシクロウンデ
セン等の含窒素複素環式化合物、第四級アンモニウム、
ホスホニウム或いはアルソニウム化合物等の種々の化合
物が使用されている。これらの一般に使用される硬化促
進剤は、常温等の比較的低温においても硬化促進作用を
示す場合が多い。このことは、エポキシ樹脂組成物の製
造時及び得られたエポキシ樹脂組成物の保存時の粘度上
昇や、流動性の低下、硬化性のバラツキ等、製品として
の品質を低下させる原因となっている。この問題を解決
すべく、最近では低温での粘度、流動性の経時変化を抑
え、賦形、成形時の加熱によってのみ硬化反応を起こす
ような、いわゆる潜伏性硬化促進剤の研究が盛んになさ
れている。その手段として、硬化促進剤の活性点をイオ
ン対により保護することで、潜伏性を発現する研究がな
されており、特開平8−41290号公報では、種々の
有機酸とホスホニウムイオンとの塩構造を有する潜伏性
硬化促進剤が開示されている。しかし、このホスホニウ
ム塩は特定の高次の分子構造を有さず、イオン対が比較
的容易に外部環境の影響を受けるため、最近の低分子エ
ポキシ樹脂やフェノールアラルキル樹脂を用いる半導体
封止材料においては、保存性が低下する問題が生じてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、速硬化性と
保存安定性とを両立させた、電子・電気材料分野に有用
なエポキシ樹脂組成物、及びこれを用いた半導体装置を
提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、1分子
内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)、1分子
内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物
(B)、ならびに、テトラ置換ホスホニウム(X)と1
分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物
(Y)及び1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有
する化合物(Y)の共役塩基との分子会合体(C)であ
って、該共役塩基が前記フェノール性水酸基を1分子内
に2個以上有する化合物(Y)から1個の水素を除いた
フェノキシド型化合物であることを特徴とするエポキシ
樹脂組成物、及びこれを用いて半導体素子を封止してな
ることを特徴とする半導体装置であり、硬化促進剤とし
て反応活性点が保護された塩構造を利用することで、き
わめて優れた硬化性と保存安定性を有するエポキシ樹脂
組成物が得られることを見いだし、本発明を完成するに
至った。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いる1分子内にエポキ
シ基を2個以上有する化合物(A)は、1分子内にエポ
キシ基を2個以上有するものであれば何ら制限されず、
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール型エポキ
シ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポ
キシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹
脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルア
ミン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフ
トール等とカルボニル化合物の縮合により合成される樹
脂のグリシジルエーテル化合物、4,4’−ビス(1,
2−エポキシエチル)ジフェニルエーテル、4,4’−
ビス(1,2−エポキシエチル)ビフェニル、ジシクロ
ペンタジエンとフェノール類を反応させ得られるフェノ
ール樹脂のグリシジルエーテル化合物、更には単核のレ
ゾルシンやカテコール等のグリシジルエーテル化合物等
を挙げることができ、これらは単独でも混合して用いて
もよい。これらのエポキシ樹脂の内では、融点が50〜
150℃の結晶性エポキシ樹脂が好ましい。このような
結晶性エポキシ樹脂は、ビフェニル骨格、ビスフェノー
ル骨格、スチルベン骨格等の剛直な構造を主鎖に有し、
比較的低分子であるために、結晶性を示すものである。
結晶性エポキシ樹脂は、常温では結晶化している固体で
あるが、融点以上の温度域では急速に融解して低粘度の
液状に変化するものである。結晶性エポキシ樹脂の融点
は、示差走査熱量計を用いて、常温から昇温速度5℃/
分で昇温した時の結晶融解の吸熱ピークの頂点の温度を
示す。これらの条件を満たす結晶性エポキシ樹脂として
は、特に、一般式(1)及び一般式(2)から選ばれる
一種以上、又は一般式(3)で表されるスチルベン型エ
ポキシ樹脂と一般式(4)で表されるスチルベン型エポ
キシ樹脂との混合物が好ましい。
【0006】
【化5】
【0007】
【化6】
【0008】
【化7】
【0009】
【化8】 一般式(1)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂の置
換基R1、及び一般式(2)で表されるビスフェノール
型エポキシ樹脂の置換基R2は、水素原子、炭素数1〜
6の鎖状もしくは環状アルキル基、フェニル基、及びハ
ロゲンの中から選択される基又は原子であり、互いに同
じであっても異なっていてもよく、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、
フェニル基、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、特にメ
チル基が好ましい。一般式(3)、及び一般式(4)で
表されるスチルベン型エポキシ樹脂の置換基R3〜R14
は、水素原子、炭素数1〜6の鎖状もしくは環状アルキ
ル基、及びハロゲンの中から選択される基又は原子であ
り、互いに同一であっても異なっていてもよく、例え
ば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、アミル基、ヘキシル基(各異性体を含む)、シク
ロヘキシル基、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、特
に、エポキシ樹脂の溶融粘度の低さから、メチル基、エ
チル基、プロピル基、又はブチル基が好ましい。
【0010】この型のエポキシ樹脂は、一般式(3)の
スチルベン型エポキシ樹脂と一般式(4)のスチルベン
型エポキシ樹脂との混合物であり、一般式(3)のスチ
ルベン型エポキシ樹脂及び一般式(4)のスチルベン型
エポキシ樹脂には、共に置換基の種類等により種々の構
造のものがあり、一般式(3)及び一般式(4)の各々
のスチルベン型エポキシ樹脂は、一種類の構造のもので
も、二種類以上の構造のものの混合物でもかまわない。
一般式(3)のスチルベン型エポキシ樹脂と一般式
(4)のスチルベン型エポキシ樹脂との混合は、両方の
化合物を混合することにより融点が低くなればよく、混
合方法については特に制限されない。例えば、スチルベ
ン型エポキシ樹脂の原料であるスチルベン型フェノール
類をグリシジルエーテル化する前に混合しておいたり、
両方のスチルベン型エポキシ樹脂を溶融混合する方法等
があるが、いずれの場合においても融点は50〜150
℃となるように調整する。一般式(3)のスチルベン型
エポキシ樹脂としては、入手のし易さ、性能、原料価格
の点から、5−ターシャリブチル−4,4’−ジヒドロ
キシ−2,3’,5’−トリメチルスチルベン、3−タ
ーシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,
5’−トリメチルスチルベンのグリシジルエーテル化物
が特に好ましい。一般式(4)のスチルベン型エポキシ
樹脂としては、性能、原料価格の点から、4,4’−ジ
ヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチル
ベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャ
リブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、4,4’−
ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−5,
5’−ジメチルスチルベンのグリシジルエーテル化物が
特に好ましい。
【0011】本発明に用いる1分子内にフェノール性水
酸基を2個以上有する化合物(B)は、1分子内にエポ
キシ基を2個以上有する化合物(A)の硬化剤として作
用するものである。具体的には、フェノール類とアルデ
ヒド類又はケトン類の共縮反応物であるフェノール樹脂
やビスフェノール類、フェノール類とジメトキシパラキ
シレン等の共縮反応物であるフェニレン又はジフェニレ
ン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂が含まれ、単
核のレゾルシン、カテコール等も硬化反応を生じるなら
ば使用できるが、「フェノール」の定義が一般に芳香環
に結合する水素原子が水酸基で置換された化合物である
ことから、ナフトール等の縮合多環芳香族由来の水酸基
含有化合物とカルボニル化合物の共縮反応物なども含ま
れる。これらのフェノール樹脂の内では、分子内の水酸
基が少ないために硬化物の吸水率が小さく、分子が適度
の屈曲性を有するために硬化反応における反応性も良
く、又、低粘度化も可能であることから、特にフェノー
ルアラルキル樹脂が好ましい。本発明の、1分子内にエ
ポキシ基を2個以上有する化合物(A)と、硬化剤とし
て作用する、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上
有する化合物(B)との比率は、エポキシ基1モルに対
し、フェノール性水酸基を0.5〜2モル、好ましく
は、0.8〜1.2程度のモル比となるように調整する
ことにより硬化性、硬化物の耐熱性、電気特性等がより
良好となる。
【0012】本発明に用いる分子会合体(C)は、テト
ラ置換ホスホニウム(X)と1分子内にフェノール性水
酸基を2個以上有する化合物(Y)及び1分子内にフェ
ノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)の共役塩
基との分子会合体(C)であって、該共役塩基が前記フ
ェノール性水酸基を1分子内に2個以上有する化合物
(Y)から1個の水素を除いたフェノキシド型化合物で
ある。その構成成分の一つであるテトラ置換ホスホニウ
ム(X)の置換基については何ら限定されず、置換基は
互いに同一であっても異なっていてもよい。例えば、置
換又は無置換のアリール基やアルキル基を置換基に有す
るテトラ置換ホスホニウムイオンが、熱や加水分解に対
して安定であり好ましい。具体的には、テトラフェニル
ホスホニウム、テトラトリルホスホニウム、テトラエチ
ルフェニルホスホニウム、テトラメトキシフェニルホス
ホニウム、テトラナフチルホスホニウム、テトラベンジ
ルホスホニウム、エチルトリフェニルホスホニウム、n
−ブチルトリフェニルホスホニウム、2−ヒドロキシエ
チルトリフェニルホスホニウム、トリメチルフェニルホ
スホニウム、メチルジエチルフェニルホスホニウム、メ
チルジアリルフェニルホスホニウム、テトラ−n−ブチ
ルホスホニウム等を例示できる。
【0013】本発明の分子会合体(C)の構成成分であ
る、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化
合物(Y)としては、例えば、式(5)で表される化合
物、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニ
ル)メタン(通称テトラメチルビスフェノールF)、
4,4’−スルホニルジフェノール及び式(6)で表さ
れる化合物、4,4’−イソプロピリデンジフェノール
(通称ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン及びこれらの内ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタンの3種の混合物(例えば、本州化学工業
(株)・製、ビスフェノールF−D)等のビスフェノー
ル類、1,2−ベンゼンジオール、1,3−ベンゼンジ
オール、1,4−ベンゼンジオール等のジヒドロキシベ
ンゼン類、1,2,4−ベンゼントリオール等のトリヒ
ドロキシベンゼン類、1,6−ジヒドロキシナフタレン
等のジヒドロキシナフタレン類の各種異性体、2,2’
−ビフェノール、4,4’−ビフェノール等のビフェノ
ール類の各種異性体等の化合物が挙げられる。更に、他
の構成成分である共役塩基は、上記の化合物(Y)から
1個の水素を除いたフェノキシド型化合物である。
【化9】
【0014】
【化10】 (式中、R15はCH2又はC(CH32を表す。)
【0015】本発明の分子会合体(C)は、前述のよう
にホスホニウム−フェノキシド型の塩を構造中に有する
が、従来の技術におけるホスホニウム−有機酸アニオン
塩型の化合物と異なる点は、本発明の分子会合体(C)
では水素結合による高次構造がイオン結合を取り囲んで
いる点である。従来の技術における塩では、イオン結合
の強さのみにより反応性を制御しているのに対し、本発
明の分子会合体(C)では、常温ではアニオンの高次構
造による囲い込みが活性点の保護を行う一方、成形の段
階においては、この高次構造が崩れることで活性点がむ
き出しになり、反応性を発現する、いわゆる潜伏性が付
与されている。又、硬化促進剤として作用する、分子会
合体(C)は、前述の化合物(A)、化合物(B)の合
計重量100重量部に対して、0.5〜20重量部程度
が硬化性、保存性、他特性のバランスがよく好適であ
る。
【0016】本発明の成分(A)、(B)及び(C)か
らなるエポキシ樹脂組成物には、シリカ粉末等の無機充
填材、カルナバワックス等の離型剤、シラン系カップリ
ング剤、シリコーンオイル等の低応力剤、カーボンブラ
ック等の着色剤等を適宜添加し、用途に応じて最適化を
図れば何ら差し支えない。封止材料に本発明のエポキシ
樹脂組成物を用いる場合、無機充填材は、化合物
(A)、(B)の合計重量100重量部に対して、10
0〜2400重量部程度、離型剤やカップリング剤は、
0.1〜20重量部程度が好適である。本発明のエポキ
シ樹脂組成物は、前記各成分を混合後、加熱ニーダー、
押し出し機、熱ロール等により、加熱混練して得られ
る。本発明の分子会合体(C)の製造方法は何ら限定さ
れないが、代表的な2方法を挙げることができる。1つ
目は、テトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート
(Z)と、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有
する化合物(Y)とを、高温下で反応させた後、更に沸
点60℃以上の溶媒中で熱反応させる方法である。2つ
目は、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する
化合物(Y)と、無機塩基又は有機塩基と、テトラ置換
ホスホニウムハライドとを反応させる方法である。
【0017】この2通りの方法について更に詳細を述べ
る。1つ目のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレ
ート(Z)と、1分子内にフェノール性水酸基を2個以
上有する化合物(Y)を高温下で反応させた後、更に沸
点60℃以上の溶媒中で熱反応させる方法において、前
段階の反応工程は、ホウ素上の置換反応を含む反応であ
る。この置換反応には化合物(Y)のフェノール性水酸
基が深く関与しており、ホウ素上に4つの置換基を有す
るボレート(Z)と、1分子内にフェノール性水酸基を
2個以上有する化合物(Y)とのモル比の最適値は、一
義的に決定される。つまりボレート(Z)1モルに対す
る化合物(Y)のフェノール性水酸基のモル数が1未満
の場合では、反応に必要なフェノール性水酸基が不足
し、ホウ素上での置換反応が十分に行われないため、後
段の溶媒中での熱反応が十分に行われないことがある。
又、化合物(Y)中にあるフェノール性水酸基数をn
(nは2以上の整数)とすると、ボレート(Z)1モル
に対する化合物(Y)のフェノール性水酸基のモル数が
2nを越える場合では、過剰に添加された化合物(Y)
が除去しきれず、分子会合体(C)の特性を低下させる
と考えられる。本発明者らは、この範囲内になるようボ
レート(Z)と化合物(Y)のモル比を設定することに
より、反応が最適に行われることを確認している。この
反応は、ホウ素上のフェニル基置換基の脱離割合でモニ
ターすることができる。例えば、テトラフェニルホスホ
ニウム・テトラフェニルボレートを使用した場合、ホウ
素上のフェニル基が、フェノール性水酸基で置換される
際に発生するベンゼンの量でモニターでき、通常、理論
発生量に対して80重量%以上のベンゼンが発生すれ
ば、十分に反応が進行している。
【0018】分子会合体(C)の合成における後段の溶
媒中での熱反応の際に用いる溶媒の種類に関しては、沸
点60℃以上であれば、特に限定はされないが、1分子
内に水酸基を少なくとも1個有する沸点60℃以上の溶
媒が好ましく、特にメタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール等、通常用いられるアルコール系溶媒
が好適である。又、溶媒中での熱反応時間は、1時間以
上とすることが望ましいが、この熱反応とは、必ずしも
還流反応である必要はなく、実質的に60℃以上に加熱
できる条件であれば、還流状態である必要はない。前述
の条件により、このプロセスにおいて、反応合成物が十
分に溶媒中に拡散され、ホウ素由来の成分や、余剰の
(Y)成分が除去されて、分子会合体(C)が形成され
る。又、アルコール系溶媒を加熱することで溶解度を一
時的に上昇させ、不溶分を溶解した上で、再び冷却によ
り目的の分子会合体(C)を再析出させることが可能で
あることも、この製造方法の優れた点である。
【0019】2つ目の、1分子内にフェノール性水酸基
を2個以上有する化合物(Y)と、無機塩基又は有機塩
基と、テトラ置換ホスホニウムハライドとを反応させる
方法について、更に具体的に記述する。化合物(Y)
と、無機塩基又は有機塩基をアルコール等の溶媒に溶解
し、続いて適当な溶媒に溶解したテトラ置換ホスホニウ
ムハライドを添加し反応させ、最終的には再結晶や再沈
等の操作により、固形物として取り出す。無機塩基とし
ては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が
挙げられる。又、有機塩基としては、例えば、ピリジ
ン、トリエチルアミン等が挙げられる。用いるテトラ置
換ホスホニウムハライドの置換基については何ら限定さ
れることはなく、置換基は互いに同一であっても異なっ
ていてもよい。例えば、置換又は無置換のアリール基や
アルキル基を置換基に有するテトラ置換ホスホニウムイ
オンが、熱や加水分解に対して安定であり好ましい。具
体的には、テトラフェニルホスホニウム、テトラトリル
ホスホニウム、テトラエチルフェニルホスホニウム、テ
トラメトキシフェニルホスホニウム、テトラナフチルホ
スホニウム、テトラベンジルホスホニウム、エチルトリ
フェニルホスホニウム、n−ブチルトリフェニルホスホ
ニウム、2−ヒドロキシエチルトリフェニルホスホニウ
ム、トリメチルフェニルホスホニウム、メチルジエチル
フェニルホスホニウム、メチルジアリルフェニルホスホ
ニウム、テトラ−n−ブチルホスホニウム等を例示でき
る。ハライドとしてはクロライドやブロマイドを例示で
き、テトラ置換ホスホニウムハライドの価格や吸湿等の
特性、及び入手のし易さから選択すれば良く、いずれを
用いても差し支えない。
【0020】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示すが、本発明は
これにより何ら限定されるものではない。 ・まず、2通りの方法による分子会合体(C)の合成例
を示す。分子会合体(C)の構造分析のため中和滴定に
よる硬化促進剤の活性基当量評価、及び組成比決定のた
1H−NMR測定を行った。 ・次に、得られた分子会合体(C)を、1分子内にエポ
キシ基を2個以上有する化合物(A)、1分子内にフェ
ノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)に加えて
粉砕混合し、更に100℃で5分間熱板上で溶融混練し
た後、冷却粉砕して組成物のサンプルを調製し、その特
性を評価した。特性評価のため、キュラストメータによ
る硬化トルクの測定、及び示差走査熱分析(DSC)に
よる硬化発熱量残存率を測定した(実施例1〜6、比較
例1、2)。 ・又、エポキシ樹脂組成物、及び半導体装置に関わる評
価として、エポキシ樹脂組成物を調製し、特性を評価し
た(実施例7〜14、比較例3、4)。評価方法は下記
のとおりである。
【0021】1.中和滴定:硬化促進剤の活性基当量評
価のため、合成した分子会合体(C)をメタノール/水
系溶媒中で蓚酸及び水酸化ナトリウムを用いて、そのア
ルカリ当量を測定した。具体的には、分子会合体(C)
を重量既知の過剰の蓚酸と反応させ、残余の蓚酸を規定
度既知の水酸化ナトリウム水溶液で定量して、分子会合
体(C)の重量当たり規定度(N/g)を算出した。こ
の値の逆数がホスホニウムフェノキシド当量である。 2.組成比の決定:合成した分子会合体(C)中のテト
ラ置換ホスホニウム(X)と、1分子内にフェノール性
水酸基を2個以上有する化合物(Y)[(X)1モルに
対するモル数(a)]及び前記(Y)から1個の水素を
除いたフェノキシド型の共役塩基[(X)1モルに対す
るモル数(b)]の組成比を求めるために、重メタノー
ル溶媒中で1H−NMR測定を行い、テトラ置換ホスホ
ニウムの置換基のプロトンの面積と、1分子内にフェノ
ール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)[(X)1
モルに対するモル数(a)]及び前記(Y)から1個の
水素を除いたフェノキシド型の共役塩基[(X)1モル
に対するモル数(b)]のフェニルプロトンの面積を算
出した。この値を用いて、成分の組成比[モル比(a+
b)/(X)]を算出した。 3.硬化トルク:前記の調製方法により作製した組成物
のサンプルを用いて、キュラストメーター(オリエンテ
ック社・製、JSRキュラストメーターPS型)を用い
て、175℃、45秒後のトルクを求めた。キュラスト
メーターにおけるトルクは硬化性のパラメータであり、
値の大きい方が硬化性が高いことを示す。 4.硬化発熱量残存率(保存性評価):前記の調製方法
により作製した組成物のサンプルを用いて、調製直後の
初期硬化発熱量、及び40℃で3日間保存処理した後の
硬化発熱量を測定し、初期硬化発熱量(mJ/mg)に
対する保存処理後の硬化発熱量(mJ/mg)の百分率
を算出した。単位は%。尚、硬化発熱量の測定は、昇温
速度10℃/分の条件で示差走査熱量計(DSC)を用
いて測定した。この値が大きいほど保存性が良好である
ことを示す。 5.スパイラルフロー(流動性評価):エポキシ樹脂組
成物を調製して作成した材料を用いて、EMMI−1−
66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用い、金
型温度175℃、注入圧力70kg/cm2、硬化時間
2分で測定した。スパイラルフローは流動性のパラメー
タであり、数値が大きい方が流動性が良好である。単位
はcm。 6.ショアD硬度:エポキシ樹脂組成物を調製して作成
した材料を用いて、金型温度175℃、注入圧力70k
g/cm2、硬化時間2分で成形し、型開き10秒後に
測定したショアD硬度の値を硬化性とした。ショアD硬
度は硬化性の指標であり、数値が大きい方が硬化性が良
好である。 7.30℃保存性:エポキシ樹脂組成物を調製して作成
した材料を用いて、30℃で1週間保存した後、スパイ
ラルフローを測定し、調製直後のスパイラルフローに対
する百分率として表す。単位は%。
【0022】[分子会合体(C)の合成] (合成例1)本州化学工業(株)・製ビスフェノールF
−D(化合物(Y)に相当)300g(1.5モル)
と、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレ
ート(Z)329g(0.5モル)とを3Lセパラブル
フラスコに仕込み、200℃で3時間反応させた。この
反応でのベンゼン留出量は、理論生成量の97重量%
(即ちベンゼン留出率97%)であった。この反応によ
る粗生成物を微粉砕し、セパラブルフラスコに仕込み、
2−プロパノールを粗生成物の仕込み重量の3倍量加
え、内温82.4℃(2−プロパノールの沸点温度)で
1.5時間攪拌した。その後、2−プロパノールの大部
分を除去し、更に加熱減圧下で低沸点分を除去した。得
られた生成物を化合物C1とした。C1の中和滴定を行
い、アルカリ当量を求めた。又、C1の1H−NMRデ
ータを図1に示した。測定溶媒は重メタノールであり、
4.8ppm付近及び3.3ppm付近のピークは溶媒
のピークである。ここで、6.4〜7.1ppm付近の
ピーク群は、原料であるビスフェノールF[(X)1モ
ルに対するモル数(a)]及びこのビスフェノールFか
ら1個の水素を除いたフェノキシド型の共役塩基
[(X)1モルに対するモル数(b)]のフェニルプロ
トン、7.6〜8.0ppm付近のピーク群は、テトラ
フェニルホスホニウム基のフェニルプロトンと帰属さ
れ、それらの面積比から、モル比が(a+b)/(X)
=2.2/1であると計算された。
【0023】(合成例2)5Lのセパラブルフラスコ
に、本州化学工業(株)・製ビスフェノールF−D(化
合物(Y)に相当)300g(1.5モル)、北興化学
工業(株)・製テトラフェニルホスホニウムブロマイド
314g(0.75モル)、メタノール3000gを仕
込み、完全に溶解させた。そこに水酸化ナトリウムを3
0g含有するメタノール/水混合溶液を攪拌しながら滴
下した。得られた溶液を多量の水中に滴下する再沈作業
を行い、目的物を固形物として得た。濾過して固形物を
取り出し、乾燥させて得られた生成物を化合物C2とし
た。C2の中和滴定を行い、アルカリ当量を求めた。
又、C2の1H−NMRデータを図2に示した。測定溶
媒は重メタノールであり、4.8ppm付近及び3.3
ppm付近のピークは溶媒のピークである。ここで、
6.4〜7.1ppm付近のピーク群は、原料であるビ
スフェノールF[(X)1モルに対するモル数(a)]
及びこのビスフェノールFから1個の水素を除いたフェ
ノキシド型の共役塩基[(X)1モルに対するモル数
(b)]のフェニルプロトン、7.6〜8.0ppm付
近のピーク群は、テトラフェニルホスホニウム基のフェ
ニルプロトンと帰属され、それらの面積比から、モル比
が(a+b)/(X)=2/1であると計算された。
【0024】(合成例3)1Lのセパラブルフラスコ
に、本州化学工業(株)・製ビスフェノールF−D(化
合物(Y)に相当)120g(0.6モル)、北興化学
工業(株)・製テトラフェニルホスホニウムブロマイド
126g(0.3モル)、メタノール246gを仕込
み、加熱下完全に溶解させた。そこに水酸化ナトリウム
12gを含有するメタノール/水混合溶液を攪拌しなが
ら、内温65℃の状態で滴下した。得られた溶液に、更
に水を滴下し、滴下終了後冷却することで、目的物を固
形物として得た。濾過して固形物を取り出し、更に水中
で洗浄し、乾燥させて得られた生成物を化合物C3とし
た。C3の中和滴定を行い、アルカリ当量を求めた。
又、測定溶媒は重メタノールを用い、1H−NMR測定
を行った。得られたデータからモル比が(a+b)/
(X)=2/1であると計算され、合成例2の化合物C
2のデータと一致し、同一の物質であることが確認され
た。
【0025】(合成例4〜6)表1に従い、合成例1〜
3と同様にして、化合物C4〜C7を得た。
【0026】(比較合成例1)安息香酸ナトリウム7
2.05g(0.5モル)を200gのメタノールに溶
解したものを室温で攪拌し、テトラフェニルホスホニウ
ムブロマイド209.6g(0.5モル)をメタノール
200gに溶解したものを、前記攪拌物に滴下した。完
全に滴下後、溶液を加熱し析出分を再溶解した後、これ
に純水150gを加えて再析出物を得た。この再析出物
を、吸引ろ過し、純水で数回洗浄し、80℃の真空乾燥
機で2時間乾燥して化合物Dを得た。
【表1】
【0027】[組成物のサンプル調製] (実施例1〜6、及び比較例1、2)表2に示した配合
により、前記の方法で組成物のサンプルを調製し評価し
た。比較例1では、実施例1における分子会合体(C)
に代えてトリフェニルホスフィンを、比較例2では前述
の比較合成例1で合成された化合物Dを用いた。得られ
た各組成物の評価結果は、表2に示した通りであった。
【表2】 表2に示した各実施例の評価結果から明らかなように、
本発明の組成物は、優れた硬化性と保存性を有するのに
対して、従来の硬化促進剤であるトリフェニルホスフィ
ンを用いた比較例1では、明らかに硬化性、保存性が劣
る。又、比較例2は、テトラフェニルホスホニウム
(X)と1官能の有機酸(OA)が、モル比X:OA=
1:1の塩であり、硬化性はやや高いものの、保存性は
トリフェニルホスフィン同様非常に劣っている。この結
果からも、本発明の分子会合体(C)が、従来の硬化促
進剤に比べ、硬化性、保存性に大きく優れていることが
分かる。
【0028】[エポキシ樹脂組成物の調製] (実施例7)式(7)のビフェニル型エポキシ樹脂を主
成分とする樹脂(エポキシ当量185、融点105℃)
51重量部、式(8)のフェノールアラルキル樹脂(水
酸基当量167、軟化点73℃)49重量部、化合物C
2を3.1重量部、溶融球状シリカ(平均粒径15μ
m)500重量部、カーボンブラック2重量部、臭素化
ビスフェノールA型エポキシ樹脂2重量部、カルナバワ
ックス2重量部を混合し、熱ロールを用いて、95℃で
8分間混練して冷却後粉砕し、エポキシ樹脂組成物を得
た。得られたエポキシ樹脂組成物のスパイラルフロー、
ショアD硬度、30℃保存性の結果を表3に示す。
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】(実施例8〜14、及び比較例3、4)表
3の配合に従い、実施例7と同様にしてエポキシ樹脂組
成物を得て、実施例7と同様にして評価した。結果を表
3に示す。なお、実施例8に使用した結晶性エポキシ樹
脂Aは、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキ
シ)−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベンを
主成分とする樹脂60重量%と4,4’−ビス(2,3
−エポキシプロポキシ)−5−ターシャリブチル−2,
3’,5’−トリメチルスチルベンを主成分とする樹脂
40重量%との混合物である(エポキシ当量209、融
点120℃)。実施例9に使用したオルソクレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂は、エポキシ当量200、軟化
点65℃(日本化薬(株)・製EOCN−1020−6
5)である。実施例9に使用したフェノールノボラック
樹脂は、水酸基当量104、軟化点105℃である。
【表3】 表3に示した各実施例の評価結果から明らかなように、
本発明のエポキシ樹脂組成物は、優れた流動性、硬化
性、及び保存性を有しているのに対して、従来の硬化促
進剤であるトリフェニルホスフィンを用いた比較例3で
は、明らかに流動性、保存性が劣る。又、比較例4は、
テトラフェニルホスホニウム(X)と1官能の有機酸
(OA)が、モル比X:OA=1:1の塩であり、保存
性及び流動性は、トリフェニルホスフィン同様、非常に
劣っている。この結果からも、本発明の分子会合体
(C)を用いたエポキシ樹脂組成物は、従来の硬化促進
剤を用いたものに比べ、流動性、硬化性、及び保存性に
非常に優れていることが分かる。
【0031】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化性
と保存性に優れ、電子・電気部品の封止材料として用い
れば、生産効率の向上と、物流・保管時の取り扱い性の
向上に寄与することができ、電子・電気材料分野におけ
る要求に対応でき有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 合成例1で得られた化合物C1の1H−NM
Rチャートである。
【図2】 合成例2で得られた化合物C2の1H−NM
Rチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 (72)発明者 秋山 仁人 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内 Fターム(参考) 4J002 CD02W CD04W CD05W CD06W CD10W CD12W CD13 CE00X EW176 GJ01 GJ02 GQ05 4J036 AA01 AA05 AD03 AD04 AD05 AD07 AD08 AD10 DA04 DB05 DD07 FB08 GA04 JA07 4M109 AA01 EA02 EA03 EA04 EB03 EC14 EC20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子内にエポキシ基を2個以上有する
    化合物(A)、1分子内にフェノール性水酸基を2個以
    上有する化合物(B)、ならびに、テトラ置換ホスホニ
    ウム(X)と1分子内にフェノール性水酸基を2個以上
    有する化合物(Y)及び1分子内にフェノール性水酸基
    を2個以上有する化合物(Y)の共役塩基との分子会合
    体(C)であって、該共役塩基が前記フェノール性水酸
    基を1分子内に2個以上有する化合物(Y)から1個の
    水素を除いたフェノキシド型化合物であることを特徴と
    するエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 1分子内にフェノール性水酸基を2個以
    上有する化合物(Y)の共役塩基が、ジヒドロキシベン
    ゼン類、トリヒドロキシベンゼン類、ビスフェノール
    類、ビフェノール類、ジヒドロキシナフタレン類、フェ
    ノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂の中
    から選択される1種以上である請求項1記載のエポキシ
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 分子会合体(C)が、テトラ置換ホスホ
    ニウム・テトラ置換ボレート(Z)と、1分子内にフェ
    ノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)とを、高
    温下で反応させた後、更に沸点60℃以上の溶媒中で熱
    反応させて得られるものである請求項1〜2記載のエポ
    キシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 分子会合体(C)が、1分子内にフェノ
    ール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)と、無機塩
    基又は有機塩基と、テトラ置換ホスホニウムハライドと
    を反応させて得られるものである請求項1〜2記載のエ
    ポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 テトラ置換ホスホニウム(X)が、テト
    ラフェニルホスホニウムである請求項1〜4記載のエポ
    キシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 1分子内にエポキシ基を2個以上有する
    化合物(A)が、融点50〜150℃の結晶性エポキシ
    樹脂である請求項1〜5記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 融点50〜150℃の結晶性エポキシ樹
    脂が、一般式(1)及び一般式(2)から選ばれる1種
    以上である請求項6記載のエポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1は水素原子、炭素数1〜6の鎖状もしくは
    環状アルキル基、フェニル基、及びハロゲンの中から選
    択される基又は原子であり、互いに同一であっても異な
    っていてもよい。) 【化2】 (式中、R2は水素原子、炭素数1〜6の鎖状もしくは
    環状アルキル基、フェニル基、及びハロゲンの中から選
    択される基又は原子であり、互いに同一であっても異な
    っていてもよい。)
  8. 【請求項8】 融点50〜150℃の結晶性エポキシ樹
    脂が、一般式(3)で示されるスチルベン型エポキシ樹
    脂と一般式(4)で示されるスチルベン型エポキシ樹脂
    との混合物である請求項6記載のエポキシ樹脂組成物。 【化3】 (式中、R3〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、炭
    素数1〜6の鎖状もしくは環状アルキル基、及びハロゲ
    ンの中から選択される基又は原子を示す。ただし、炭素
    −炭素二重結合に結合している2個のアリール基は互い
    に異なる。) 【化4】 (式中、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、炭
    素数1〜6の鎖状もしくは環状アルキル基、及びハロゲ
    ンの中から選択される基又は原子を示す。ただし、炭素
    −炭素二重結合に結合している2個のアリール基は互い
    に同じである。)
  9. 【請求項9】 1分子内にフェノール性水酸基を2個以
    上有する化合物(B)が、フェノールアラルキル樹脂で
    ある請求項1〜8記載のエポキシ樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9記載のいずれかのエポキ
    シ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを
    特徴とする半導体装置。
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