JP2001226452A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP2001226452A JP2000034504A JP2000034504A JP2001226452A JP 2001226452 A JP2001226452 A JP 2001226452A JP 2000034504 A JP2000034504 A JP 2000034504A JP 2000034504 A JP2000034504 A JP 2000034504A JP 2001226452 A JP2001226452 A JP 2001226452A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 超低溶融粘度エポキシ樹脂を用いることによ
ってフィラーを高充填して低吸湿性を実現させ、耐半田
クラック性に優れ、且つ常温保存性、速硬化性に優れる
半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 ビスフェノールF類と、結晶性エポキシ
樹脂の前駆体であるフェノール類とを混合しグリシジル
エーテル化したエポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化剤、
無機充填材、及びテトラ置換ホスホニウム(X)と1分
子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物
(Y)及び1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有
する化合物(Y)の共役塩基との分子会合体であって、
該共役塩基が前記フェノール性水酸基を1分子内に2個
以上有する化合物(Y)から1個の水素を除いたフェノ
キシド型化合物からなる硬化促進剤を必須成分とし、無
機充填材の含有量が全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂
硬化剤の合計量100重量部当たり900〜2400重
量部である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機充填材の高充
填化による耐半田クラック性に優れた半導体封止用エポ
キシ樹脂組成物、及びこれを用いた半導体装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ダイオード、トランジスタ、I
C、LSI等の半導体素子は、外的刺激(機械的・熱的
衝撃、化学的作用等)から保護するためにエポキシ樹脂
組成物で封止されてきた。しかし、近年の半導体素子の
集積度向上とそれに伴う大型化の一方で、最近の電子機
器の小型化による半導体装置の小型化・薄型化が求めら
れ、且つプリント回路基板への実装方法も従来のピン挿
入型から表面実装型へ移行してきた。しかしながら、表
面実装の半田処理時の熱衝撃による半導体装置のクラッ
クや、チップ・リードフレームとエポキシ樹脂組成物の
硬化物との界面の剥離といった問題が生じ、耐半田クラ
ック性がエポキシ樹脂組成物に強く求められている。こ
れらのクラックや剥離は、半田処理前の半導体装置自身
が吸湿し、半田処理時の高温下でその水分が水蒸気爆発
を起こすことによって生じると考えられており、それを
防ぐためにエポキシ樹脂組成物に低吸湿性を付与する等
の手法がよく用いられている。その低吸湿化の手法の一
つとして、低粘度の結晶性エポキシ樹脂を用いて無機充
填材を高充填化し、樹脂成分の含有量を減少させる技術
がある。従来、このような手法に用いられるエポキシ樹
脂としては、ビフェニル型エポキシ樹脂が挙げられ、無
機充填材を高充填化したエポキシ樹脂組成物によく使用
されるものである。しかしながら、ビフェニル型エポキ
シ樹脂に無機充填材を90重量%以上配合したエポキシ
樹脂組成物を製造することは容易ではなく、それを実現
するためにはより高度な生産技術を要することが多く、
生産コストが高くなることにもなる。その解決策とし
て、ビフェニル型エポキシ樹脂よりも、更に低粘度のエ
ポキシ樹脂を用いることが考えられるが、現状ではビス
フェノール型エポキシ樹脂等の低分子量エポキシ樹脂を
用いざるを得ない。しかしながら、これらのエポキシ樹
脂は室温で液体或いは半固形状であり、取り扱い作業性
が悪いことが大きな欠点として挙げられる。又近年、電
子・電気材料、特にIC封止材料は、生産効率の向上を
目的とした速硬化性と、物流・保管時の取り扱い性向上
のための保存性の向上とが求められるようになってきて
いる。従来、電子・電気分野向けエポキシ樹脂には、硬
化促進剤としてホスフィン類、アミン類、イミダゾール
系化合物、ジアザビシクロウンデセン等の含窒素複素環
式化合物、第四級アンモニウム、ホスホニウム或いはア
ルソニウム化合物等の種々の化合物が使用されている。
これらの一般に使用される硬化促進剤は、常温等の比較
的低温においても硬化促進作用を示す場合が多い。この
ことは、エポキシ樹脂組成物の製造時及び得られたエポ
キシ樹脂組成物の保存時の粘度上昇や、流動性の低下、
硬化性のバラツキ等、製品としての品質を低下させる原
因となっている。この問題を解決すべく、最近では低温
での粘度、流動性の経時変化を抑え、賦形、成形時の加
熱によってのみ硬化反応を起こすような、いわゆる潜伏
性硬化促進剤の研究が盛んになされている。その手段と
して、硬化促進剤の活性点をイオン対により保護するこ
とで、潜伏性を発現する研究がなされており、特開平8
−41290号公報では、種々の有機酸とホスホニウム
イオンとの塩構造を有する潜伏性硬化促進剤が開示され
ている。しかし、このホスホニウム塩は特定の高次の分
子構造を有さず、イオン対が比較的容易に外部環境の影
響を受けるため、最近の低分子エポキシ樹脂やフェノー
ルアラルキル樹脂を用いる半導体封止材料においては、
保存性が低下する問題が生じている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来以上の
無機充填材の高充填化を実現し、低吸湿性に由来する優
れた耐半田クラック性を有し、且つ速硬化性と保存性に
優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用
いて半導体素子を封止してなる半導体装置を提供するの
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)一般式
(1)で示されるビスフェノールF類(a)と、結晶性
エポキシ樹脂の前駆体であるフェノール類(b)とを混
合しグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂、(B)フ
ェノール樹脂硬化剤、(C)無機充填材、及び(D)テ
トラ置換ホスホニウム(X)と1分子内にフェノール性
水酸基を2個以上有する化合物(Y)及び1分子内にフ
ェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)の共役
塩基との分子会合体であって、該共役塩基が前記フェノ
ール性水酸基を1分子内に2個以上有する化合物(Y)
から1個の水素を除いたフェノキシド型化合物からなる
硬化促進剤を必須成分とし、(a)と(b)との重量比
(a/b)が0.1〜19であり、全エポキシ樹脂のエ
ポキシ基に対する全フェノール樹脂硬化剤のフェノール
性水酸基の当量比が0.5〜2.0であり、無機充填材
の含有量が全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂硬化剤の
合計量100重量部当たり900〜2400重量部であ
り、分子会合体(D)の含有量が全エポキシ樹脂と全フ
ェノール樹脂硬化剤の合計量100重量部当たり0.4
〜20重量部であることを特徴とする半導体封止用エポ
キシ樹脂組成物。及びこれを用いて半導体素子を封止し
てなる半導体装置である。
【化4】 (ただし、式中のR1は炭素数1〜6のアルキル基を表
し、それらは互いに同一であっても異なってもよい。m
は0〜3の整数。 )
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の低粘度・低分子量の一般
式(1)で示されるビスフェノールF類(a)と結晶性
エポキシ樹脂の前駆体のフェノール類(b)との重量比
(a/b)を0.1〜19とした混合物(以下、混合フ
ェノールという)をグリシジルエーテル化したエポキシ
樹脂は、一般式(1)で示されるビスフェノールF類
(a)に由来する低粘度化が図られており、従来のビフ
ェニル型エポキシ樹脂を主として用いたエポキシ樹脂組
成物よりも流動性に優れ、無機充填材を高充填化するこ
とができ、ひいてはエポキシ樹脂組成物の低吸湿化が可
能となり、耐半田クラック性の向上に寄与する。又、高
い結晶性を有する結晶性エポキシ樹脂と共縮合させるこ
とによって、混合フェノールのグリシジルエーテル化物
であるエポキシ樹脂を室温で固体として取り扱うことが
できるようになり、一般式(1)で示されるビスフェノ
ールF類(a)をグリシジルエーテル化したエポキシ樹
脂の作業性を改善することができる。
【0006】一般式(1)で示されるビスフェノールF
類(a)としては、特に分子量、粘度を制限するもので
はないが、なるべく低分子量であることが望ましく、よ
り好ましくは一般式(1)において無置換(m=0)
で、低分子量、2つの水酸基がp−配向であるビス(4
−ヒドロキシフェニル)メタンである。これにより低粘
度化への寄与は大きくなり、且つ置換基がないのでグリ
シジルエーテル化した場合、高い反応性を有するエポキ
シ樹脂を得ることができる。
【0007】結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェノ
ール類(b)としては、例えば、一般式(2)のビフェ
ニル型、一般式(3)のスチルベン型等が挙げられる。
【化5】 (ただし、式中のR2は炭素数1〜6のアルキル基を表
し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよ
い。mは0〜4の整数。)
【0008】
【化6】 (ただし、式中のR3は水素原子、炭素数1〜6のアル
キル基を表し、それらは互いに同一であっても異なって
いてもよい。R4は炭素数1〜6のアルキル基を表し、
それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。m
は0〜4の整数。)
【0009】一般式(2)のビフェニル型フェノール類
としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テ
トラメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチルビフェ
ニル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャ
リブチル−6,6’−ジメチルビフェニル、4,4’−
ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−5,
5’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’,5,5’−テトラターシャリブチルビフェニ
ル等(置換位置の異なる異性体を含む)が挙げられる。
【0010】一般式(3)のスチルベン型フェノール類
としては、例えば、3−ターシャリブチル−4,4’−
ジヒドロキシ−5,3’−ジメチルスチルベン、3−タ
ーシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,6−
ジメチルスチルベン、3−ターシャリブチル−2,4’
−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベ
ン、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−
3’,5’,6−トリメチルスチルベン、3−ターシャ
リブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−
トリメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチルス
チルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジター
シャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,
2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−
6,6’−ジメチルスチルベン、2,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチ
ルスチルベン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’,
5,5’−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒド
ロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−5,5’−ジ
メチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’,5,5’−テトラターシャリブチルスチルベン等
(置換位置の異なる異性体を含む)が挙げられる。
【0011】これらの内では、入手のし易さ、性能、原
料価格等の点から、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テ
トラメチルビフェニル、(以上2種のフェノール樹脂
を、以下a群という)、3−ターシャリブチル−2,
4’−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチ
ルベン、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒドロキ
シ−3’,5’,6−トリメチルスチルベン、3−ター
シャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,
5’−トリメチルスチルベン(以上3種のフェノール樹
脂を、以下b群という)、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−
6,6’−ジメチルスチルベン、2,2’−ジヒドロキ
シ−3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチ
ルスチルベン、2,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ
ターシャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、
2,2’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラ
メチルスチルベン、又は4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジターシャリブチル−5,5’−ジメチルスチル
ベン(以上6種のフェノール樹脂を、以下c群という)
から選択される1種以上が好ましい。特にビフェニル型
フェノール類では、低粘度化効果が大きく、且つ反応性
に富む4,4’−ジヒドロキシビフェニルが含まれてい
ること(a群)が好ましい。又、スチルベン型フェノー
ル類では、b群から選ばれる1種以上と、c群から選ば
れる1種以上との混合物が、グリシジルエーテル化物の
融点が低くなるため好ましい。これらの混合比、混合方
法は限定しない。
【0012】一般式(1)で示されるビスフェノールF
類(a)と、結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェノ
ール類(b)との混合方法は特に限定しないが、溶剤に
よる溶解や加熱による溶融混合等の方法により、均一に
混合することが好ましい。この方法で得られるエポキシ
樹脂は、一般的に行われているビスフェノールF型エポ
キシ樹脂と結晶性エポキシ樹脂とをドライブレンド或い
はメルトブレンドする方法と比較して、より均一化され
ているため、硬化反応性が向上する。一般式(1)で示
されるビスフェノールF類(a)と結晶性エポキシ樹脂
の前駆体であるフェノール類(b)との混合比は、重量
比(a/b)で0.1〜19が好ましく、より好ましく
は0.5〜9である。0.1未満だと、一般式(1)で
示されるビスフェノールF類(a)に由来する低粘度化
の効果が薄くなるため好ましくない。又、19を越える
と、結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェノール類
(b)を混合することによる作業性の向上が見られない
ため好ましくない。本発明のエポキシ樹脂の合成方法に
ついては特に限定しないが、例えば、混合フェノールを
過剰のエピクロルヒドリンに溶解した後、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在
下で50〜150℃、好ましくは60〜120℃で1〜
10時間反応させる方法が挙げられる。反応終了後、過
剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物をトルエン、
メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解し、濾過し、水
洗して無機塩を除去し、次いで溶剤を留去することによ
り目的のエポキシ樹脂を得ることができる。生成したエ
ポキシ樹脂の塩素イオン、ナトリウムイオン、その他フ
リーのイオンは極力少ないことが望ましい。本発明のエ
ポキシ樹脂の融点としては、70〜150℃が好まし
く、特に、90〜140℃が好ましい。70℃未満だ
と、常温でブロッキングし易く、取り扱い作業性やこれ
を用いたエポキシ樹脂組成物の常温保存性の低下が見ら
れるため好ましくない。150℃を越えると、加熱混練
の際にエポキシ樹脂が十分に溶融されずに不均一なエポ
キシ樹脂組成物となり、硬化物の物性がばらつくおそれ
があるため、好ましくない。本発明でのエポキシ樹脂の
融点とは、示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)・
製)を用い、常温から昇温速度5℃/分で測定したとき
の融解ピークの頂点の温度を言う。本発明のエポキシ樹
脂の融解熱量としては3〜40mJ/mgが好ましい。
3mJ/mg未満だと、エポキシ樹脂は、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂のような挙動を示し、作業性が著し
く低下するので好ましくない。40mJ/mgを越える
と、加熱混練の際にエポキシ樹脂が十分に溶融されずに
不均一なエポキシ樹脂組成物となり、エポキシ樹脂組成
物の硬化物の物性がばらつくおそれがあるため、好まし
くない。本発明での融解熱量とは、示差走査熱量計(セ
イコー電子工業(株)・製)を用い、エポキシ樹脂10
mg前後を精秤し、昇温速度5℃/分で測定した吸熱ピ
ークの熱量を言う。又、本発明のエポキシ樹脂の特性を
損なわない範囲で、他のエポキシ樹脂を併用できる。併
用できるエポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上の
エポキシ基を有するモノマー、オリゴマー及びポリマー
全般を言う。例えば、クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフトール型
エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、
ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等
が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても良い。
【0013】本発明で用いられるフェノール樹脂硬化剤
は、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する
モノマー、オリゴマー及びポリマー全般を言う。例え
ば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル
樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、テルペン変性フェノ
ール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等
が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても良い。
これらのフェノール樹脂硬化剤は、分子量、軟化点、水
酸基当量等に制限なく使用することができるが、軟化点
90℃以下の比較的低粘度のフェノール樹脂硬化剤が好
ましい。軟化点が90℃以上だとエポキシ樹脂の低粘度
化の効果が薄れるので好ましくない。全エポキシ樹脂の
エポキシ基と全フェノール樹脂硬化剤のフェノール性水
酸基との当量比としては、好ましくは0.5〜2.0、
特に好ましくは0.7〜1.5である。0.5〜2.0
の範囲を外れると、硬化性、耐湿信頼性等が低下するの
で好ましくない。
【0014】本発明で用いられる無機充填材の種類につ
いては特に制限はなく、一般に封止材料に用いられてい
るものを使用することができる。例えば、溶融破砕シリ
カ、溶融球状シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ、ア
ルミナ、チタンホワイト、水酸化アルミニウム、タル
ク、クレー、ガラス繊維等が挙げられ、特に溶融球状シ
リカが好ましい。形状は限りなく真球状であることが好
ましく、又、粒子の大きさの異なるものを混合すること
により充填量を多くすることができる。無機充填材の含
有量としては、全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂硬化
剤との合計量100重量部当たり900〜2400重量
部が好ましく、特に1000〜1600重量部が好まし
い。900重量部未満だと、無機充填材による補強効果
が十分に発現せず、且つ吸湿要因である樹脂成分の含有
量が多くなるので、高吸湿性となるおそれがあり、24
00重量部を越えると、エポキシ樹脂組成物の流動性が
低下し、成形時に充填不良等が生じるおそれがあるので
好ましくない。本発明の無機充填材は、予め十分に混合
しておくことが好ましい。又、必要に応じて無機充填材
をカップリング剤やエポキシ樹脂或いはフェノール樹脂
硬化剤で予め処理して用いても良く、処理の方法として
は、溶剤を用いて混合した後に溶媒を除去する方法や、
直接無機充填材に添加し、混合機を用いて処理する方法
等がある。
【0015】本発明に用いる硬化促進剤である分子会合
体(D)は、テトラ置換ホスホニウム(X)と1分子内
にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)及
び1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合
物(Y)の共役塩基との分子会合体であって、該共役塩
基が前記フェノール性水酸基を1分子内に2個以上有す
る化合物(Y)から1個の水素を除いたフェノキシド型
化合物である。その構成成分の一つであるテトラ置換ホ
スホニウム(X)の置換基については、何ら限定され
ず、置換基は互いに同一であっても異なっていてもよ
い。例えば、置換又は無置換のアリール基やアルキル基
を置換基に有するテトラ置換ホスホニウムイオンが、熱
や加水分解に対して安定であり好ましい。具体的には、
テトラフェニルホスホニウム、テトラトリルホスホニウ
ム、テトラエチルフェニルホスホニウム、テトラメトキ
シフェニルホスホニウム、テトラナフチルホスホニウ
ム、テトラベンジルホスホニウム、エチルトリフェニル
ホスホニウム、n−ブチルトリフェニルホスホニウム、
2−ヒドロキシエチルトリフェニルホスホニウム、トリ
メチルフェニルホスホニウム、メチルジエチルフェニル
ホスホニウム、メチルジアリルフェニルホスホニウム、
テトラ−n−ブチルホスホニウム等を例示できる。
【0016】本発明の分子会合体(D)の構成成分であ
る、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化
合物(Y)としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)メタン(通称テトラメチル
ビスフェノールF)、4,4’−スルホニルジフェノー
ル、4,4’−イソプロピリデンジフェノール(通称ビ
スフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メ
タン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−
ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン及びこれらの内ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒ
ドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン
の3種の混合物(例えば、本州化学工業(株)・製、ビ
スフェノールF−D)等のビスフェノール類、1,2−
ベンゼンジオール、1,3−ベンゼンジオール、1,4
−ベンゼンジオール等のジヒドロキシベンゼン類、1,
2,4−ベンゼントリオール等のトリヒドロキシベンゼ
ン類、1,6−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキ
シナフタレン類の各種異性体、2,2’−ビフェノー
ル、4,4’−ビフェノール等のビフェノール類の各種
異性体等の化合物が挙げられる。更に、他の構成成分で
ある共役塩基は、上記の化合物(Y)から1個の水素を
除いたフェノキシド型化合物である。
【0017】本発明の分子会合体(D)は、前述のよう
にホスホニウム−フェノキシド型の塩を構造中に有する
が、従来の技術におけるホスホニウム−有機酸アニオン
塩型の化合物と異なる点は、本発明の分子会合体(D)
では水素結合による高次構造がイオン結合を取り囲んで
いる点である。従来の技術における塩では、イオン結合
の強さのみにより反応性を制御しているのに対し、本発
明の分子会合体(D)では、常温ではアニオンの高次構
造による囲い込みが活性点の保護を行う一方、成形の段
階においては、この高次構造が崩れることで活性点がむ
き出しになり反応性を発現する、いわゆる潜伏性が付与
されている。
【0018】本発明の分子会合体(D)の製造方法は何
ら限定されないが、代表的な2方法を挙げることができ
る。1つ目は、テトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボ
レート(Z)と、1分子内にフェノール性水酸基を2個
以上有する化合物(Y)とを、高温下で反応させた後、
更に沸点60℃以上の溶媒中で熱反応させる方法であ
る。2つ目は、1分子内にフェノール性水酸基を2個以
上有する化合物(Y)と、無機塩基又は有機塩基と、テ
トラ置換ホスホニウムハライドとを反応させる方法であ
る。用いるテトラ置換ホスホニウムハライドの置換基に
ついては何ら限定されることはなく、置換基は互いに同
一であっても異なっていてもよい。例えば、置換又は無
置換のアリール基やアルキル基を置換基に有するテトラ
置換ホスホニウムイオンが、熱や加水分解に対して安定
であり好ましい。具体的には、テトラフェニルホスホニ
ウム、テトラトリルホスホニウム、テトラエチルフェニ
ルホスホニウム、テトラメトキシフェニルホスホニウ
ム、テトラナフチルホスホニウム、テトラベンジルホス
ホニウム、エチルトリフェニルホスホニウム、n−ブチ
ルトリフェニルホスホニウム、2−ヒドロキシエチルト
リフェニルホスホニウム、トリメチルフェニルホスホニ
ウム、メチルジエチルフェニルホスホニウム、メチルジ
アリルフェニルホスホニウム、テトラ−n−ブチルホス
ホニウム等を例示できる。ハライドとしてはクロライド
やブロマイドを例示でき、テトラ置換ホスホニウムハラ
イドの価格や吸湿等の特性、及び入手のし易さから選択
すれば良く、いずれを用いても差し支えない。
【0019】又、本発明の分子会合体(D)の特性を損
なわない範囲で、その他の硬化促進剤を併用しても何ら
問題はない。併用できる硬化促進剤としては、エポキシ
樹脂とフェノール樹脂硬化剤との架橋反応を促進するも
のであれば良く、例えば、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7等のアミジン系化合物、
トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスフォニウ
ム・テトラフェニルボレート塩等の有機リン系化合物、
2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。本発明
の分子会合体(D)の含有量としては、全エポキシ樹脂
と全フェノール樹脂硬化剤との合計量100重量部当た
り0.4〜20重量部が好ましい。0.4重量部未満だ
と、加熱成形時に十分な硬化性が得られないおそれがあ
り、一方、20重量部を越えると、硬化が速すぎて成形
時に流動性の低下による充填不良等を生じるおそれがあ
る。
【0020】本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(D)成分の他、必要に応じて臭素化エポキシ樹脂、酸
化アンチモン、リン化合物等の難燃剤、酸化ビスマス水
和物等の無機イオン交換体、γ-グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラ
ック、ベンガラ等の着色剤、シリコーンオイル、シリコ
ーンゴム等の低応力化成分、天然ワックス、合成ワック
ス、高級脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラフィン等
の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤を配合することが
できる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(D)成分、及びその他の添加剤等をミキサーを用いて
常温混合し、ロール、ニーダー、押出機等の混練機で溶
融混練し、冷却後粉砕して得られる。本発明のエポキシ
樹脂組成物を用いて、半導体素子等の電子部品を封止
し、半導体装置を製造するには、トランスファーモール
ド、コンプレッションモールド、インジェクションモー
ルド等の成形方法で成形硬化すればよい。
【0021】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定され
るものではない。 [エポキシ樹脂の合成例]実施例及び比較例のエポキシ
樹脂A〜Eの合成に用いたビスフェノールF類(融点6
2℃)の構造式(4)、及び結晶性エポキシ樹脂の前駆
体であるフェノール類の構造式(5)〜式(7)を以下
に示す。
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】エポキシ樹脂A〜Eは、式(4)〜式
(7)を、表1の配合割合で常法によりグリシジルエー
テル化して得た。配合割合は重量部とする。得られたエ
ポキシ樹脂A〜Eの特性を表1に示す。粘度は、ICI
コーンプレート粘度計(Research Equip
ment社・製)を用いて、150℃で測定した。融
点、融解熱量は、前述した方法で測定した。
【表1】
【0026】[分子会合体(D)の合成例]1Lのセパ
ラブルフラスコに、本州化学工業(株)・製のビスフェ
ノールF−D(化合物(Y)に相当)120g(0.6
モル)、北興化学工業(株)・製のテトラフェニルホス
ホニウムブロマイド126g(0.3モル)、メタノー
ル246gを仕込み、加熱下完全に溶解させた。そこに
水酸化ナトリウム12g含有するメタノール/水混合溶
液を攪拌しながら、内温65℃の状態で滴下した。得ら
れた溶液に、更に水を滴下し、滴下終了後冷却すること
で、目的物を固形物として得た。濾過して固形物を取り
出し、更に水中で洗浄し、乾燥させて得られた生成物を
化合物D1とした。測定溶媒に重メタノールを用い、1
H−NMRデータを測定して化合物D1の構造を同定し
た。4.8ppm付近及び3.3ppm付近のピークは
溶媒のピークである。6.4〜7.1ppm付近のピー
ク群は、原料であるビスフェノールF[(X)1モルに
対するモル数(p)]及びこのビスフェノールFから1
個の水素を除いたフェノキシド型の共役塩基[(X)1
モルに対するモル数(q)]のフェニルプロトン、7.
6〜8.0ppm付近のピーク群は、テトラフェニルホ
スホニウム基のフェニルプロトンと帰属され、それらの
面積比から、モル比が(p+q)/(X)=2/1であ
ると計算された。
【0027】 [エポキシ樹脂組成物の合成例] (実施例1) エポキシ樹脂A 4.1重量部 式(8)のフェノールアラルキル樹脂硬化剤(水酸基当量165g/eq.、 軟化点75℃) 4.5重量部
【化11】 溶融球状シリカ(平均粒径20μm) 88.5重量部 化合物D1 0.4重量部 臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量359g/eq.) 0.5重量部 三酸化アンチモン 0.5重量部 カーボンブラック 0.2重量部 カルナバワックス 0.4重量部 その他添加物 0.9重量部 をミキサーを用いて混合した後、表面温度が90℃と4
5℃の2本ロールを用いて30回混練し、得られた混練
物シートを冷却後粉砕して、エポキシ樹脂組成物とし
た。得られたエポキシ樹脂組成物の特性を以下の方法で
評価した。結果を表2に示す。
【0028】評価方法 スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイ
ラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175℃、
注入圧力70kg/cm2、硬化時間2分で測定した。
単位はcm。 ショアD硬度:金型温度175℃、注入圧力70kg/
cm2、硬化時間2分で成形し、型開き10秒後に測定
したショアD硬度の値を硬化性とした。ショアD硬度は
硬化性の指標であり、数値が大きい方が硬化性が良好で
ある。 吸湿率:トランスファー成形機を用いて、金型温度17
5℃、注入圧力75kg/cm2、硬化時間2分で直径
50mm、厚さ3mmの円盤を成形し、175℃、8時
間で後硬化し、85℃、相対湿度85%で168時間放
置し、重量変化を測定して吸湿率を求めた。単位は重量
%。 耐半田クラック性:トランスファー成形機を用いて、金
型温度175℃、注入圧力75kg/cm2、硬化時間
2分で100pTQFP(パッケージサイズは14×1
4mm、厚み1.4mm、半導体素子の寸法は8.0×
8.0mm、リードフレームは42アロイ製)を成形
し、175℃、8時間で後硬化し、85℃、相対湿度8
5%で168時間放置し、その後240℃の半田槽に1
0秒間浸漬した。顕微鏡でパッケージを観察し、外部ク
ラックの発生率[(クラック発生パッケージ数)/(全
パッケージ数)×100]を求めた。単位は%。又、半
導体素子とエポキシ樹脂組成物の剥離面積の割合を超音
波探傷装置を用いて測定し、 剥離率[(剥離面積)/(半導体素子面積)×100]
を求めた。単位は%。 30℃保存性:30℃で1週間保存した後、スパイラル
フローを測定し、調製直後のスパイラルフローに対する
百分率として表した。単位は%。
【0029】(実施例2〜5、比較例1〜8)表2、表
3の配合(配合割合は重量部とする)に従い、実施例1
と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得て、実施例1と同
様にして評価した。結果を表2、表3に示す。実施例5
に用いた式(9)のフェノールノボラック樹脂硬化剤
(水酸基当量105g/eq.、軟化点81℃)、比較
例1、5に用いた式(10)を主成分とするエポキシ樹
脂(エポキシ当量165g/eq.、融点52℃)、比
較例4、5に用いた式(11)を主成分とするエポキシ
樹脂(エポキシ当量192g/eq.、融点105℃)
の構造を以下に示す。又、比較例6に用いた硬化促進剤
は、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン
−7(以下、DBUという)である。
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】本発明は、超低溶融粘度エポキシ樹脂を
用いることによって従来以上のフィラー高充填化を実現
し、低吸湿性に由来する優れた耐半田クラック性を有
し、且つ常温保存性、速硬化性に優れた半導体封止用エ
ポキシ樹脂組成物、及びこれを用いて半導体素子を封止
してなる半導体装置を提供するのものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/31 Fターム(参考) 4J002 CC03X CC04X CC07X CD04W CD05W DE137 DE147 DJ017 DJ037 DJ047 DL007 EJ016 EW178 FA047 FD017 FD14X FD146 FD158 GQ05 4J036 AA05 AC01 AC07 AD01 AD04 AD08 DB06 FB07 GA23 JA07 4M109 AA01 BA01 CA21 EA04 EB03 EB04 EB12 EC01 EC03 EC14 EC20

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(1)で示されるビスフェ
    ノールF類(a)と、結晶性エポキシ樹脂の前駆体であ
    るフェノール類(b)とを混合しグリシジルエーテル化
    したエポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、
    (C)無機充填材、及び(D)テトラ置換ホスホニウム
    (X)と1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有す
    る化合物(Y)及び1分子内にフェノール性水酸基を2
    個以上有する化合物(Y)の共役塩基との分子会合体で
    あって、該共役塩基が前記フェノール性水酸基を1分子
    内に2個以上有する化合物(Y)から1個の水素を除い
    たフェノキシド型化合物からなる硬化促進剤を必須成分
    とし、(a)と(b)との重量比(a/b)が0.1〜
    19であり、全エポキシ樹脂のエポキシ基に対する全フ
    ェノール樹脂硬化剤のフェノール性水酸基の当量比が
    0.5〜2.0であり、無機充填材の含有量が全エポキ
    シ樹脂と全フェノール樹脂硬化剤の合計量100重量部
    当たり900〜2400重量部であり、分子会合体
    (D)の含有量が全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂硬
    化剤の合計量100重量部当たり0.4〜20重量部で
    あることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。 【化1】 (ただし、式中のR1は炭素数1〜6のアルキル基を表
    し、それらは互いに同一であっても異なってもよい。m
    は0〜3の整数。 )
  2. 【請求項2】 1分子内にフェノール性水酸基を2個以
    上有する化合物(Y)の共役塩基が、ジヒドロキシベン
    ゼン類、トリヒドロキシベンゼン類、ビスフェノール
    類、ビフェノール類、ジヒドロキシナフタレン類、フェ
    ノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂の中
    から選択される1種以上である請求項1記載の半導体封
    止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 分子会合体(D)が、テトラ置換ホスホ
    ニウム・テトラ置換ボレート(Z)と、1分子内にフェ
    ノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)とを、高
    温下で反応させた後、更に沸点60℃以上の溶媒中で熱
    反応させて得られるものである請求項1〜2記載の半導
    体封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 分子会合体(D)が、1分子内にフェノ
    ール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)と、無機塩
    基又は有機塩基と、テトラ置換ホスホニウムハライドと
    を反応させて得られるものである請求項1〜2記載の半
    導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 テトラ置換ホスホニウム(X)が、テト
    ラフェニルホスホニウムである請求項1〜4記載の半導
    体封止用エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 無機充填材(C)の含有量が、全エポキ
    シ樹脂と全フェノール樹脂硬化剤の合計量100重量部
    当たり1000〜1600重量部である請求項1〜5記
    載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 一般式(1)で示されるビスフェノール
    F類(a)と、結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェ
    ノール類(b)とを混合しグリシジルエーテル化したエ
    ポキシ樹脂(A)が、融点70〜150℃である請求項
    1〜6記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 一般式(1)で示されるビスフェノール
    F類(a)と、結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェ
    ノール類(b)とを混合しグリシジルエーテル化したエ
    ポキシ樹脂(A)が、融解熱量3〜40mJ/mgであ
    る請求項1〜7記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。
  9. 【請求項9】 結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェ
    ノール類(b)が、一般式(2)、又は一般式(3)か
    ら選ばれる一種以上である請求項1〜8記載の半導体封
    止用エポキシ樹脂組成物。 【化2】 (ただし、式中のR2は炭素数1〜6のアルキル基、そ
    れらは互いに同一であっても異なっていてもよい。mは
    0〜4の整数。) 【化3】 (ただし、式中のR3は水素原子、炭素数1〜6のアル
    キル基を表し、それらは互いに同一であっても異なって
    いてもよい。R4は炭素数1〜6のアルキル基を表し、
    それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。m
    は0〜4の整数。)
  10. 【請求項10】 結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフ
    ェノール類(b)が、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
    ル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テ
    トラメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−2,
    2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチルビフェニル、
    3−ターシャリブチル−2,4’−ジヒドロキシ−
    3’,5’,6−トリメチルスチルベン、3−ターシャ
    リブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−
    トリメチルスチルベン、3−ターシャリブチル−4,
    4’−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチ
    ルベン、又は、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒ
    ドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベンと、
    4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラ
    メチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’
    −ジターシャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベ
    ン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリ
    ブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,4’−ジ
    ヒドロキシ−3,3’−ジタシャリブチル−6,6’−
    ジメチルスチルベン、2,2’−ジヒドロキシ−3,
    3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、もしくは
    4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチ
    ル−5,5’−ジメチルスチルベンとの混合物から選ば
    れる一種以上である請求項1〜9記載の半導体封止用エ
    ポキシ樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10記載のいずれかの半導
    体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止
    してなることを特徴とする半導体装置。
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