JP2001151989A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP2001151989A
JP2001151989A JP33969699A JP33969699A JP2001151989A JP 2001151989 A JP2001151989 A JP 2001151989A JP 33969699 A JP33969699 A JP 33969699A JP 33969699 A JP33969699 A JP 33969699A JP 2001151989 A JP2001151989 A JP 2001151989A
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JP
Japan
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epoxy resin
dihydroxy
phenol
resin composition
general formula
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JP33969699A
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English (en)
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Masatoyo Tomokuni
勝豊 友国
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低吸水性で、耐半田クラック性に優れた半導
体封止用エポキシ樹脂組成物。 【解決手段】 (A)ビスフェノールF類(a)と、結
晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェノール類(b)と
を混合しグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂、
(B)一般式(2)で示されるフェノール樹脂、(C)
無機充填材、及び(D)硬化促進剤を必須成分とし、
(a)と(b)との重量比が0.1〜19であり、全エ
ポキシ樹脂のエポキシ基に対する全フェノール樹脂のフ
ェノール性水酸基の当量比が0.5〜2.0で、無機充
填材(C)の含有量が全エポキシ樹脂と全フェノール樹
脂の合計量100重量部当たり200〜2400重量部
であり、硬化促進剤(D)の含有量が全エポキシ樹脂と
全フェノール樹脂の合計量100重量部当たり0.4〜
20重量部である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐半田クラック性
に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを
用いた半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ダイオード、トランジスタ、I
C、LSI等の半導体素子は、外的刺激(機械的・熱的
衝撃、化学的作用等)から保護するためにエポキシ樹脂
組成物で封止されている。しかし、近年の半導体素子の
集積度向上とそれに伴う半導体素子の寸法の増大の一方
で、最近の電子機器の小型化による半導体装置の小型化
・薄型化が求められ、かつプリント回路基板への実装方
法も従来のピン挿入型から表面実装型へ移行してきた。
しかしながら、表面実装半田処理時の熱衝撃による半導
体装置のクラックや、半導体素子・リードフレームと樹
脂組成物の硬化物との剥離といった問題が生じ、耐半田
クラック性が樹脂組成物の硬化物に強く求められてい
る。これらのクラックや剥離は、半田処理前の半導体装
置自身が吸湿し、半田処理時の高温下でその水分が水蒸
気爆発を起こすことによって生じると考えられており、
それを防ぐために樹脂組成物に低吸湿性を付与する等の
手法がよく用いられ、その低吸湿化の手法の一つとして
低粘度の結晶性エポキシ樹脂を用いて無機充填材を高充
填化し、樹脂成分の含有量を減少させる技術がある。
【0003】従来、このような手法に用いられるエポキ
シ樹脂としては、ビフェニル型エポキシ樹脂が挙げら
れ、無機充填材の高充填化に使用されるている。しかし
ながら、ビフェニル型エポキシ樹脂といえども、無機充
填材を90重量%以上導入することは製造上、容易では
なく、それを実現するためにはより高度な生産技術を要
することが多く、又コストも高くなる。この解決策とし
て、ビフェニル型エポキシ樹脂よりも、更に低粘度のエ
ポキシ樹脂を用いることが考えられるが、現状ではビス
フェノール型エポキシ樹脂等の低分子量エポキシ樹脂を
用いざるを得ない。しかしながら、これらの樹脂は室温
では液体あるいは半固形状であり、作業性が悪いことが
大きな欠点として挙げられる。又低吸水化を行うための
他の手段として、硬化剤であるフェノール樹脂として、
疎水性の樹脂を用いることが提案されているが未だ特性
が不十分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来以上の
無機充填材の高充填化を実現し、低吸湿性に由来する優
れた耐半田クラック性を有する半導体封止用エポキシ樹
脂組成物、及びこれを用いて半導体素子を封止してなる
半導体装置を提供するのものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)一般式
(1)で示されるビスフェノールF類(a)と、結晶性
エポキシ樹脂の前駆体であるフェノール類(b)とを混
合しグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂、(B)一
般式(2)で示されるフェノール樹脂、(C)無機充填
材、及び(D)硬化促進剤を必須成分とし、(a)と
(b)との重量比(a/b)が0.1〜19であり、全
エポキシ樹脂のエポキシ基に対する全フェノール樹脂の
フェノール性水酸基の当量比が0.5〜2.0で、無機
充填材(C)の含有量が全エポキシ樹脂と全フェノール
樹脂の合計量100重量部当たり200〜2400重量
部であり、硬化促進剤(D)の含有量が全エポキシ樹脂
と全フェノール樹脂の合計量100重量部当たり0.4
〜20重量部であることを特徴とする半導体封止用エポ
キシ樹脂組成物、及びこれを用いて半導体素子を封止し
てなることを特徴とする半導体装置である。
【化5】 (式中のR1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、それ
らは互いに同一であっても異なってもよい。aは0〜3
の整数。)
【化6】 (式中のR2は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、そ
れらは互いに同一であっても異なってもよい。bは0〜
3の整数。Xは、フェノール類又はナフトールの芳香族
環から1個の水素を除いた残基で、それらは互いに同一
であっても異なってもよい。m、nは平均値で、m、n
はいずれも1〜10正数。)
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の低粘度・低分子量の一般
式(1)で示されるビスフェノールF類(a)と結晶性
エポキシ樹脂の前駆体のフェノール類(b)との重量比
(a/b)を0.1〜19とした混合物(以下、混合フ
ェノールという)をグリシジルエーテル化したエポキシ
樹脂は、一般式(1)で示されるビスフェノールF類に
由来する低粘度化が図られており、従来のビフェニル型
エポキシ樹脂を主として用いた樹脂組成物よりも流動性
に優れ、無機充填材を高充填化することができ、ひいて
はエポキシ樹脂組成物の硬化物の低吸湿化が可能とな
り、耐半田クラック性の向上に寄与する。又高い結晶性
を有する結晶性エポキシ樹脂と共重合させることによっ
て、混合フェノールのグリシジルエーテル化物であるエ
ポキシ樹脂を室温下でも固体として取り扱うことができ
るようになり、一般式(1)で示されるビスフェノール
F類のみをグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂の作
業性を改善することができる。一般式(1)で示される
ビスフェノールF類(a)として、好ましいのはビス
(4−ヒドロキシフェニル)メタンであり、これにより
低粘度化への寄与は大きくなり、かつ置換基がないので
グリシジルエーテル化した場合、高い反応性を有するエ
ポキシ樹脂を得ることができる。
【0007】結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェノ
ール類(b)としては、例えば、一般式(3)のビフェ
ニル型、一般式(4)のスチルベン型等が挙げられる。
【化7】 (式中のR3は炭素数1〜4のアルキル基を表し、それ
らは互いに同一であっても異なってもよい。cは0〜4
の整数。)
【0008】
【化8】 (式中のR4は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を
表し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよ
い。R5は炭素数1〜4のアルキル基、それらは互いに
同一であっても異なってもよい。dは0〜4の整数。)
【0009】一般式(3)のビフェニル型フェノール類
としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テ
トラメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチルビフェ
ニル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャ
リブチル−6,6’−ジメチルビフェニル、4,4’−
ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−5,
5’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’,5,5’−テトラターシャリブチルビフェニ
ル等(置換位置の異なる異性体を含む)が挙げられる。
【0010】一般式(4)のスチルベン型フェノール類
としては、例えば、3−ターシャリブチル−4,4’−
ジヒドロキシ−5,3’−ジメチルスチルベン、3−タ
ーシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,6−
ジメチルスチルベン、3−ターシャリブチル−2,4’
−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベ
ン、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−
3’,5’,6−トリメチルスチルベン、3−ターシャ
リブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−
トリメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチルス
チルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジター
シャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,
2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−
6,6’−ジメチルスチルベン、2,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチ
ルスチルベン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’,
5,5’−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒド
ロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−5,5’−ジ
メチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’,5,5’−テトラターシャリブチルスチルベン等
(置換位置の異なる異性体を含む)が挙げられる。
【0011】これらの内では、入手のし易さ、性能、原
料価格等の点から、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テ
トラメチルビフェニル(以上2種のフェノール類を、以
下a群という)、3−ターシャリブチル−2,4’−ジ
ヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベン、
3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−
3’,5’,6−トリメチルスチルベン、3−ターシャ
リブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−
トリメチルスチルベン(以上3種のフェノール類を、以
下b群という)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,
5,5’−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒド
ロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジ
メチルスチルベン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’
−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベ
ン、2,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリ
ブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,2’−ジ
ヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチル
ベン、又は4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジター
シャリブチル−5,5’−ジメチルスチルベン(以上6
種のフェノール類を、以下c群という)から選択される
1種以上が好ましい。特にビフェニル型フェノール類で
は、低粘度化効果が大きく、かつ反応性に富む4,4’
−ジヒドロキシビフェニルが含まれていることが好まし
い。又、スチルベン型フェノール類では、b群、c群そ
れぞれ単独ではその結晶性の高さから融点が高くなる傾
向にあるが、それぞれから選択される1種以上の混合物
にすることにより、グリシジルエーテル化物の融点を低
下させるので好ましい。これらの混合比、混合方法は限
定しない。
【0012】一般式(1)で示されるビスフェノールF
類(a)と、結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェノ
ール類(b)との混合方法は特に限定しないが、溶剤に
よる溶解や加熱による溶融混合等の方法により、均一に
混合することが好ましい。これは、一般的に行われてい
るビスフェノールF型エポキシ樹脂と結晶性エポキシ樹
脂とをドライブレンドあるいはメルトブレンドする方法
と比較して、グリシジルエーテル化する前に混合した方
がより均一化されているため、硬化反応性が向上する。
一般式(1)で示されるビスフェノールF類(a)と結
晶性エポキシ樹脂前駆体であるフェノール類(b)との
混合比は、重量比(a/b)で0.1〜19が好まし
く、より好ましくは1.5〜9である。0.1未満だ
と、一般式(1)で示されるビスフェノールF類に由来
する低粘度化効果が少ないため好ましくない。又、19
を越えると、結晶性エポキシ樹脂成分を混合したことに
よる作業性の向上が見られないので好ましくない。
【0013】本発明のエポキシ樹脂の合成方法について
は特に限定しないが、例えば、混合フェノールを過剰の
エピクロルヒドリンに溶解した後、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下で5
0〜150℃、好ましくは60〜120℃で1〜10時
間反応させる方法が挙げられる。反応終了後、過剰のエ
ピクロルヒドリンを留去し、残留物をトルエン、メチル
イソブチルケトン等の溶剤に溶解し、濾過し、水洗して
無機塩を除去し、次いで溶剤を留去することにより目的
のエポキシ樹脂を得ることができる。生成したエポキシ
樹脂の塩素イオン、ナトリウムイオン、その他フリーの
イオンは極力少ないことが望ましい。本発明のエポキシ
樹脂の結晶性エポキシ樹脂に由来する融点としては、7
0〜150℃の範囲にあることが好ましく、特に90〜
140℃が好ましい。70℃未満だと、エポキシ樹脂が
常温でブロッキングし易くなり、作業性やこれを用いた
樹脂組成物の常温保存性の低下があるため好ましくな
い。150℃を越えると、加熱混練の際にエポキシ樹脂
が十分に溶融せず不均一な樹脂組成物となり、樹脂組成
物の硬化物の物性にバラツキが生じるおそれがあるた
め、好ましくない。本発明でのエポキシ樹脂の融点と
は、示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)・製)を
用い、常温から昇温速度5℃/分で測定したときの融解
ピークの頂点の温度を言う。
【0014】本発明のエポキシ樹脂の融解熱量としては
3〜40mJ/mgが好ましい。3mJ/mg未満だ
と、一般式(1)で示されるビスフェノールF類に由来
するエポキシ樹脂のような挙動を示し、作業性が著しく
低下するので好ましくない。40mJ/mgを越える
と、加熱混練の際にエポキシ樹脂が十分に溶融されずに
不均一なエポキシ樹脂組成物となり、エポキシ樹脂組成
物の硬化物の物性にバラツキが生じる可能性があるため
好ましくない。本発明での融解熱量とは、示差走査熱量
計(セイコー電子工業(株)・製)を用い、エポキシ樹
脂10mg前後を精秤し、昇温速度5℃/分で測定した
吸熱ピークの熱量を言う。又本発明のエポキシ樹脂の特
性を損なわない範囲で、他のエポキシ樹脂を併用でき
る。併用できるエポキシ樹脂としては、1分子中に2個
以上のエポキシ基を有するモノマー、オリゴマー、ポリ
マー全般を指し、例えば、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフトー
ル型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹
脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹
脂等が挙げられ、これらは単独でも併用しても良い。
【0015】本発明で用いられる一般式(2)のフェノ
ール樹脂は、1分子中にナフトール構造とフェノール類
構造を共に有しており、従来のフェノール類ノボラック
樹脂に比べ、ナフトール構造の導入により耐熱性、熱時
高強度、低吸湿性、低熱膨張性を有するため、これを用
いたエポキシ樹脂組成物で封止された半導体装置の吸湿
後の半田処理時に発生する応力を低減することができ、
かつ高強度であることにより吸湿半田処理後の密着性、
耐半田クラック性に優れている。一方、ナフトールのみ
をホルムアルデヒドに代表されるアルデヒド類で縮合し
たナフトールノボラック樹脂は、分子中のナフタレン構
造がパッキングし易いため溶融粘度が高く、しかも立体
障害によりナフトールの水酸基の反応性が低く、これを
用いたエポキシ樹脂組成物は成形時の流動性が劣り、硬
化性も低い。これに対し、一般式(2)で示されるフェ
ノール樹脂は、分子中のフェノール類構造によりナフタ
レン構造のパッキングが阻害されることにより低溶融粘
度を示し、又硬化性に優れ、更にナフトールノボラック
樹脂とフェノール類ノボラック樹脂との単なる併用では
両者の相溶性が低く、かつ硬化性の差が大きいため、不
均一な樹脂組成物となり、樹脂組成物の硬化物の物性に
バラツキが生じ、このため熱時強度が低下する。又成形
時の金型汚れや離型性低下が発生する。一般式(2)の
m、nは平均値で、m、nはいずれも1〜10の正数で
あるが、10を越えると樹脂の溶融粘度が高くなり、こ
れを用いた樹脂組成物の成形時の流動性が劣るおそれが
ある。一般式(2)のフェノール樹脂のm/nの比率
は、10/90〜90/10、より好ましくは25/7
5〜75/25である。mの占める割合が、10/90
未満だと耐熱性、低吸湿性、低熱膨張性の効果が低くな
り、半導体装置の吸湿半田処理後の特性が劣る。一方、
mの占める割合が、90/10を越えるとエポキシ樹脂
組成物の成形時の流動性が劣り、又硬化性が低くなる。
【0016】一般式(2)のフェノール樹脂は、他のフ
ェノール樹脂と併用できる。併用できるフェノール樹脂
としては、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を
有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を指し、例
えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラッ
ク樹脂、フェノールアラルキル樹脂、テルペン変性フェ
ノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹
脂、ビスフェノールA、トリフェノールメタン等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。これらの
樹脂は,単独もしくは混合して用いてもよい。一般式
(2)で示されるフェノール樹脂の特性を最大限引き出
すためには、全フェノール樹脂中30重量%以上、好ま
しくは50重量%以上配合することが好ましい。全エポ
キシ樹脂のエポキシ基に対する全フェノール樹脂のフェ
ノール性水酸基との当量比としては、0.5〜2.0
で、好ましくは0.7〜1.5である。0.5〜2.0
の範囲を外れると、硬化性、耐湿信頼性等が低下するの
で好ましくない。
【0017】本発明で用いられる無機充填材の種類につ
いては特に制限はなく、一般に封止材料に用いられてい
るものを使用することができる。例えば、溶融破砕シリ
カ、溶融球状シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ、ア
ルミナ、チタンホワイト、水酸化アルミニウム、タル
ク、クレー、ガラス繊維等が挙げられ、特に溶融球状シ
リカ粉末が好ましい。形状は限りなく真球状であること
が好ましく、又、粒子の大きさの異なるものを混合する
ことにより充填量を多くすることができる。この無機充
填材の配合量としては、全エポキシ樹脂と全フェノール
樹脂との合計量100重量部当たり200〜2400重
量部が好ましく、特に400〜1600重量部が好まし
い。200重量部未満だと、無機充填材による補強効果
が十分に発現せず、かつ吸湿要因である樹脂成分の配合
量が多くなるので、高吸湿性となるおそれがあり、24
00重量部を越えると、樹脂組成物の流動性が低下し、
成形時に充填不良等が生じるおそれがあるので好ましく
ない。本発明に用いられる無機充填材は、予め十分に混
合しておくことが好ましい。又、必要に応じて無機充填
材をカップリング剤やエポキシ樹脂あるいはフェノール
樹脂で予め処理して用いてもよく、処理の方法として
は、溶剤を用いて混合した後に溶媒を除去する方法や直
接無機充填材に添加し、混合機を用いて処理する方法等
がある。
【0018】本発明で用いられる硬化促進剤としては、
エポキシ樹脂とフェノール樹脂との架橋反応を促進する
ものであればよく、例えば、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7等のアミジン系化合物、
トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスフォニウ
ム・テトラフェニルボレート塩等の有機リン系化合物、
2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。これら
の硬化促進剤は単独でも混合して用いてもよい。配合量
としては、全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂との合計
量100重量部当たり0.4〜20重量部が好ましい。
配合量が0.4重量部未満だと、加熱成形時に十分な硬
化性が得られないおそれがあり、一方、20重量部を越
えると、硬化が速すぎて成形時に流動性の低下による充
填不良等を生じるおそれがあるので好ましくない。
【0019】本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(D)成分の他、必要に応じて臭素化エポキシ樹脂、酸
化アンチモン、リン化合物等の難燃剤、酸化ビスマス水
和物等の無機イオン交換体、γ-グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラ
ック、ベンガラ等の着色剤、シリコーンオイル、シリコ
ーンゴム等の低応力化成分、天然ワックス、合成ワック
ス、高級脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラフィン等
の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤を配合することが
できる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(D)成分、及びその他の添加剤等をミキサーを用いて
常温混合し、ロール、ニーダー、押出機等の混練機で溶
融混練し、冷却後粉砕する一般的な方法で得られる。本
発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、半導体素子等の電
子部品を封止し、半導体装置を製造するには、トランス
ファーモールド、コンプレッションモールド、インジェ
クションモールド等の成形方法で成形硬化すればよい。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例で具体的に説明する。
実施例及び比較例のエポキシ樹脂A〜Eの合成に使用し
たビスフェノールF類の構造を式(5)、及び結晶性エ
ポキシ樹脂の前駆体であるフェノール類の構造を式
(6)〜式(8)として以下に示す。又溶融粘度はIC
Iコーン&プレート粘度計(Research Equipment社・
製)を用いて、150℃で測定した。
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】又実施例及び比較例で使用したエポキシ樹
脂A〜Eについて、その特性を表1に示す。エポキシ樹
脂A〜Eは、式(5)〜式(8)を表1の配合割合で常
法によりグリシジルエーテル化して得た。配合割合は重
量部とする。融点、融解熱量は、前述した方法で測定し
た。
【表1】
【0023】実施例1 配合割合は重量部とする。 エポキシ樹脂A 4.2重量部 式(9)のフェノール樹脂(水酸基当量140g/eq.、軟化点96℃。X は、フェノール類又はナフトールの芳香族環から1個の水素を除いた残基) 4.6重量部
【化11】 溶融球状シリカ(平均粒径20μm) 88重量部 1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、DBUという ) 0.2重量部 臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量359g/eq.) 1.0重量部 三酸化アンチモン 0.5重量部 カーボンブラック 0.2重量部 カルナバワックス 0.4重量部 その他添加物 0.9重量部 をミキサーを用いて混合した後、表面温度が90℃と4
5℃の2本ロールを用いて30回混練し、得られた混練
物シートを冷却後粉砕して、樹脂組成物とした。得られ
た樹脂組成物の特性を以下の方法で評価した。結果を表
2に示す。
【0024】評価方法 スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイ
ラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175℃、
注入圧力70kg/cm2、硬化時間2分で測定した。
単位はcm。 吸水率:トランスファー成形機を用いて、金型温度17
5℃、注入圧力75kg/cm2、硬化時間2分で直径
50mm、厚さ3mmの成形品を成形し、175℃、8
時間で後硬化し、得られた成形品を85℃、相対湿度8
5%の環境下で168時間放置し、重量変化を測定して
吸水率を求めた。単位は重量%。 耐半田クラック性:トランスファー成形機を用いて、金
型温度175℃、注入圧力75kg/cm2、硬化時間
2分で100pTQFP(パッケージサイズは14×1
4mm、厚み1.4mm、半導体素子の寸法は8.0×
8.0mm、リードフレームは42アロイ)を成形し、
175℃、8時間で後硬化し、得られたパッケージを8
5℃、相対湿度85%で168時間放置し、その後24
0℃の半田槽に10秒間浸漬した。顕微鏡でパッケージ
を観察し、外部クラックの発生率[(クラック発生パッ
ケージ数)/(全パッケージ数)×100]を%で表し
た。又、半導体素子と樹脂組成物の硬化物との剥離面積
の割合を超音波探傷装置を用いて測定し、剥離率[(剥
離面積)/(半導体素子面積)×100]を%で表し
た。
【0025】実施例2〜4、比較例1〜(5) 表2、表3の配合に従い、実施例1と同様にして樹脂組
成物を得て、実施例1と同様にして評価した。結果を表
2、表3に示す。比較例1、比較例5に用いた式(1
0)を主成分とするエポキシ樹脂(エポキシ当量165
g/eq.)、比較例4に用いた式(11)を主成分と
するエポキシ樹脂(エポキシ当量192g/eq.)の
構造を以下に示す。
【化12】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて半
導体素子を封止してなる半導体装置は、高強度、低吸水
性で耐半田クラック性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 Fターム(参考) 4J002 CC032 CC042 CC052 CD051 CD071 CE002 DE136 DE146 DJ016 DJ036 DJ046 DL006 EU117 EU137 EW147 EW177 EY017 FA046 FD016 FD070 FD090 FD130 FD142 FD157 FD160 GQ05 4J036 AA05 AD04 AD07 AD08 AD10 DC40 DC46 DD07 FA03 FA05 FB08 GA04 GA06 JA07 4M109 AA01 BA01 CA21 EA04 EA06 EB02 EB03 EB04 EB06 EB07 EB08 EB09 EB12 EB19 EC03 EC04 EC05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(1)で示されるビスフェ
    ノールF類(a)と、結晶性エポキシ樹脂の前駆体であ
    るフェノール類(b)とを混合しグリシジルエーテル化
    したエポキシ樹脂、(B)一般式(2)で示されるフェ
    ノール樹脂、(C)無機充填材、及び(D)硬化促進剤
    を必須成分とし、(a)と(b)との重量比(a/b)
    が0.1〜19であり、全エポキシ樹脂のエポキシ基に
    対する全フェノール樹脂のフェノール性水酸基の当量比
    が0.5〜2.0で、無機充填材(C)の含有量が全エ
    ポキシ樹脂と全フェノール樹脂の合計量100重量部当
    たり200〜2400重量部であり、硬化促進剤(D)
    の含有量が全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂の合計量
    100重量部当たり0.4〜20重量部であることを特
    徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式中のR1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、それ
    らは互いに同一であっても異なってもよい。aは0〜3
    の整数。) 【化2】 (式中のR2は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、そ
    れらは互いに同一であっても異なってもよい。bは0〜
    3の整数。Xは、フェノール類又はナフトールの芳香族
    環から1個の水素を除いた残基で、それらは互いに同一
    であっても異なってもよい。m、nは平均値で、m、n
    はいずれも1〜10正数。)
  2. 【請求項2】 一般式(1)で示されるビスフェノール
    F類(a)と、結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェ
    ノール類(b)とを混合し、グリシジルエーテル化した
    エポキシ樹脂(A)が、融点70〜150℃である請求
    項1記載の半導体封止エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で示されるビスフェノール
    F類(a)と、結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェ
    ノール類(b)とを混合し、グリシジルエーテル化した
    エポキシ樹脂(A)において、融解熱量が3〜40mJ
    /mgである請求項1又は2記載の半導体封止用エポキ
    シ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェ
    ノール類(b)が、一般式(3)又は一般式(4)から
    選ばれる1種以上である請求項1、2又は3記載の半導
    体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化3】 (式中のR3は炭素数1〜4のアルキル基を表し、それ
    らは互いに同一であっても異なってもよい。cは0〜4
    の整数。) 【化4】 (式中のR4は水素、炭素数1〜4のアルキル基を表
    し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよ
    い。R5は炭素数1〜4のアルキル基、それらは互いに
    同一であっても異なってもよい。dは0〜4の整数。)
  5. 【請求項5】 結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェ
    ノール類(b)が、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
    ル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テ
    トラメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−2,
    2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチルビフェニル、
    3−ターシャリブチル−2,4’−ジヒドロキシ−
    3’,5’,6−トリメチルスチルベン、3−ターシャ
    リブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−
    トリメチルスチルベン、3−ターシャリブチル−4,
    4’−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチ
    ルベン、又は、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒ
    ドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベンと、
    4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラ
    メチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’
    −ジターシャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベ
    ン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリ
    ブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,4’−ジ
    ヒドロキシ−3,3’−ジタシャリブチル−6,6’−
    ジメチルスチルベン、2,2’−ジヒドロキシ−3,
    3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、もしくは
    4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチ
    ル−5,5’−ジメチルスチルベンとの混合物から選ば
    れる一種以上である請求項1、2、3、又は4記載の半
    導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5記載のいず
    れかのエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止し
    てなることを特徴とする半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001226452A (ja) * 2000-02-14 2001-08-21 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001226452A (ja) * 2000-02-14 2001-08-21 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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