JP2001226463A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP2001226463A
JP2001226463A JP2000039289A JP2000039289A JP2001226463A JP 2001226463 A JP2001226463 A JP 2001226463A JP 2000039289 A JP2000039289 A JP 2000039289A JP 2000039289 A JP2000039289 A JP 2000039289A JP 2001226463 A JP2001226463 A JP 2001226463A
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JP
Japan
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epoxy resin
resin composition
curing
alkyl group
temperature
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Application number
JP2000039289A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Yagi
達也 八木
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化性、流動性及び保存性に優れてた半導体
封止用エポキシ樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)融点が70〜150℃の結晶性エ
ポキシ樹脂を全エポキシ樹脂中に30〜100重量%含
むエポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)無機充
填材、及び(D)2種類以上の硬化促進剤からなるエポ
キシ樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂組成物が硬
化発熱反応ピーク温度100〜170℃で、そのピーク
温度の差が5〜50℃であり、かつ硬化発熱の開始温度
が40〜150℃で、そのピーク開始温度の差が10〜
60℃であることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性に優れ、か
つ流動性、保存性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組
成物及びこれを用いて半導体素子を封止してなる半導体
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ダイオード、トランジスタ、I
C、LSI等の半導体素子は、外的刺激(機械的・熱的
衝撃、化学的作用等)から保護するためにエポキシ樹脂
組成物で封止されてきた。しかし、近年の半導体素子の
集積度向上とそれに伴う素子寸法の増大の一方で、最近
の電子機器の小型化による半導体装置の小型化・薄型化
が求められ、かつプリント回路基板への実装方法も従来
のピン挿入型から表面実装型に移ってきた。しかしなが
ら、表面実装半田処理時の熱衝撃による半導体装置のク
ラックや素子・リードフレームと樹脂組成物の硬化物と
の剥離といった問題が生じ、耐半田性がエポキシ樹脂組
成物に強く求められている。この耐半田性に対する改良
手法に、低粘度化エポキシ樹脂、低粘度化フェノール樹
脂を用いて、無機充填材を高充填化することによる低吸
湿化を付与する手法もよく用いられる。更にIC、LS
I等の半導体素子の封止方法としてエポキシ樹脂組成物
のトランスファー成形が低コスト、大量生産に適してお
り採用されて久しい。このような中、近年の電子機器の
小型化、軽量化、高性能化の市場動向において、半導体
の高集積化も年々進み、又半導体装置の表面実装化が促
進されるなかで、安価で、かつ大量に半導体装置を製造
するため硬化性に優れたエポキシ樹脂組成物が求められ
ている。一方硬化性を向上させたエポキシ樹脂組成物で
は、その流動性や保存性が著しく低下する結果、成形時
に未充填が発生する等の問題が発生してしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、硬化性に優
れ、かつ流動性、保存性に優れた半導体封止用エポキシ
樹脂組成物及びこれを用いて半導体素子を封止してなる
半導体装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)融点が
70〜150℃の結晶性エポキシ樹脂を全エポキシ樹脂
中に30〜100重量%含むエポキシ樹脂、(B)フェ
ノール樹脂、(C)無機充填材、及び(D)2種類以上
の硬化促進剤からなるエポキシ樹脂組成物であって、前
記エポキシ樹脂組成物の硬化発熱反応ピーク温度が10
0〜170℃で、そのピーク温度の差が5〜50℃であ
り、かつ硬化発熱の開始温度が40〜150℃で、その
硬化発熱の開始温度の差が10〜60℃であることを特
徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びこれを用
いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体
装置である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる融点が70〜150℃の結晶性エポ
キシ樹脂は、低粘度型で流動性に優れ、無機充填材を多
く配合できる特徴を有し、その特性が損なわれない範囲
で、他のエポキシ樹脂と併用しても差し支えないが、こ
の結晶性エポキシ樹脂の配合量を調節することにより、
その特性を最大限に引きだすことができる。この樹脂の
特徴を引き出すためには、融点が70〜150℃の結晶
性エポキシ樹脂を全エポキシ樹脂中に30重量%以上含
むものが好ましい。併用するエポキシ樹脂としては、1
分子内に2個以上のエポキシ基を有するモノマー、オリ
ゴマー、及びポリマー全般を指す。例えば、ノボラック
型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、トリフェ
ノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変
性フェノール型エポキシ樹脂、フェニレン及び/又はジ
フェニレン骨格を含むフェノールアラルキル型エポキシ
樹脂等が挙げられ、これらは単独でも併用してもよい。
【0006】融点が、70〜150℃の結晶性エポキシ
樹脂には種々の樹脂がある。融点が150℃を越えると
溶融混合時に十分に融解せず均一分散できないので、こ
のエポキシ樹脂を用いた樹脂組成物の成形品は不均一と
なり、強度が各部分によって異なるために半導体装置の
性能が低下するので好ましくない。又70℃未満だと樹
脂の取り扱いに難点があり、好ましくない。本発明での
融点とは、示差走査熱量計(以下、DSCという)を用
いて、5℃/分の昇温速度で得られる融解ピークのピー
ク温度を指す。これらの条件を満たす結晶性エポキシ樹
脂としては、一般式(1)のビフェニル型エポキシ樹
脂、一般式(2)のビスフェノール型エポキシ樹脂、一
般式(3)のスチルベン型エポキシ樹脂が挙げられる。
【化4】 (式中のR1は炭素数1〜6のアルキル基で、それらは
互いに同一であっても異なっていてもよい。mは0〜4
の整数。)
【0007】
【化5】 (式中のR2は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基
で、それらは互いに同一であっても異なっていてもよ
い。R3は炭素数1〜6のアルキル基で、それらは互い
に同一であっても異なっていてもよい。mは0〜4の整
数。Xは炭素、酸素、硫黄の中から選択される原子を表
す。)
【0008】
【化6】 (式中のR4は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基
で、それらは互いに同一であっても異なっていてもよ
い。R5は炭素数1〜6のアルキル基で、それらは互い
に同一であっても異なっていてもよい。mは0〜4の整
数。)
【0009】一般式(1)のビフェニル型エポキシ樹脂
としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テ
トラメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチルビフェ
ニル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャ
リブチル−6,6’−ジメチルビフェニル、4,4’−
ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−5,
5’−ジメチルビフェニル、又は4,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’,5,5’−テトラターシャリブチルビフ
ェニル等(置換位置の異なる異性体を含む)のグリシジ
ルエーテル化物が挙げられる。一般式(2)のビスフェ
ノール型エポキシ樹脂としては、例えば、4,4’−メ
チレンビス(2−メチルフェノール)、4,4’−メチ
レンビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−
メチレンビス(2,3,6−トリメチルフェノール)、
4,4’−エチリデンビス(2,6−ジメチルフェノー
ル)、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2−
メチルフェノール)、4,4’−(1−メチルエチリデ
ン)ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−
(1−メチルエチリデン)ビス[2−(1−メチルエチ
ル)フェノール]、又は4,4’−ビス(2,3−ヒド
ロキシプロピルオキシ)−2,2’−ジメチル−5,
5’−ジターシャリブチルジフェニルスルフィド等のグ
リシジルエーテル化物が挙げられる。
【0010】一般式(3)のスチルベン型エポキシ樹脂
としては、例えば、3−ターシャリブチル−4,4’−
ジヒドロキシ−5,3’−ジメチルスチルベン、3−タ
ーシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,6−
ジメチルスチルベン、3−ターシャリブチル−2,4’
−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベ
ン、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−
3’,5’,6−トリメチルスチルベン、3−ターシャ
リブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−
トリメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチルス
チルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジター
シャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,
2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−
6,6’−ジメチルスチルベン、2,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチ
ルスチルベン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’,
5,5’−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒド
ロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−5,5’−ジ
メチルスチルベン、又は4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’,5,5’−テトラターシャリブチルスチルベン等
(置換位置の異なる異性体を含む)のグリシジルエーテ
ル化物が挙げられる。
【0011】本発明で用いられるフェノール樹脂は、1
分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するモノマ
ー、オリゴマー、及びポリマー全般を指す。例えば、フ
ェノールノボラック樹脂,フェニレン及び/又はジフェ
ニレン骨格を含むフェノールアラルキル樹脂、ナフトー
ルアラルキル樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシ
クロペンタジエン変性フェノール樹脂、ナフトール樹脂
等が挙げられ、これらは単独でも併用してもよい。これ
らのフェノール樹脂は、分子量、軟化点、水酸基当量等
に制限なく使用することができるが、軟化点110℃以
下の比較的低粘度のフェノール樹脂が好ましい。軟化点
が110℃を越えるとエポキシ樹脂の低粘度化の効果が
薄れるので好ましくない。全エポキシ樹脂のエポキシ基
と全フェノール樹脂のフェノール性水酸基との当量比と
しては、好ましくは0.5〜2.0、特に好ましくは
0.7〜1.5である。0.5〜2.0の範囲を外れる
と硬化性、耐湿信頼性等が低下するので好ましくない。
【0012】本発明で用いられる無機充填材の種類につ
いては特に制限はなく、一般に封止材料に用いられてい
るものを使用することができる。例えば、溶融破砕シリ
カ粉末、溶融球状シリカ粉末、結晶シリカ粉末、2次凝
集シリカ粉末、アルミナ、チタンホワイト、水酸化アル
ミニウム等が挙げられ、特に溶融球状シリカが好まし
い。形状は限りなく真球状であることが好ましく、又粒
子の大きさの異なるものを混合することにより充填量を
多くすることができる。この無機充填材の配合量として
は、全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂との合計量10
0重量部当たり200〜900重量部が好ましい。20
0重量部未満だと無機充填材による補強効果が十分に発
現せず、かつ吸湿要因である樹脂成分の配合量が多くな
るので高吸湿性となるおそれがあり、900重量部を越
えると樹脂組成物の流動性が低下し、成形時に充填不良
等が生じるおそれがあるので好ましくない。本発明に用
いられる無機充填材は、予め十分に混合しておくことが
好ましい。又必要に応じて無機充填材をカップリング剤
やエポキシ樹脂あるいはフェノール樹脂で予め処理して
用いてもよく、処理の方法としては、溶剤を用いて混合
した後に溶媒を除去する方法や直接無機充填材に添加
し、混合機を用いて処理する方法等がある。
【0013】本発明で用いられる硬化促進剤は、エポキ
シ樹脂とフェノール樹脂との架橋反応を促進するもので
あり、本発明のエポキシ樹脂組成物中に2種類以上を含
むことが必須であり、用いる硬化促進剤としては、例え
ば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン
−7等のアミジン系化合物、トリフェニルホスフィン、
テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート
塩等の有機リン系化合物、2−メチルイミダゾール等の
イミダゾール化合物等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0014】本発明は、活性化温度が異なる2種類以上
の硬化促進剤を適切な割合で配合し、保存性・流動性を
低下させずに硬化性の優れたエポキシ樹脂組成物を得る
ことである。一般に硬化促進剤の活性化温度が低いもの
を用いると、低温でも硬化反応が進んでしまい、流動性
や保存性が低下する。一方活性化温度が高い硬化促進剤
を用いたエポキシ樹脂組成物では、硬化性が著しく低下
し、成形時の離型性不良、信頼性の低下が生じるおそれ
がある。
【0015】本発明の2種類以上の硬化促進剤を含むエ
ポキシ樹脂組成物は、DSCにより測定される硬化発熱
のピークが100〜170℃で、各々の硬化促進剤に起
因する硬化発熱のピークの差が5〜50℃である。硬化
発熱のピークが100℃未満であると、硬化反応が低温
においても進み、流動性や保存性の低下がおこり好まし
くない。又硬化発熱のピークが170℃を越えると成形
時に充分に硬化せず、離型性や信頼性が低下するので好
ましくない。更に硬化発熱のピーク温度の差は、5〜5
0℃であるが、差が5℃未満あるいは50℃を越える
と、硬化性と流動性、保存性が両立したエポキシ樹脂組
成物が得られず、好ましくない。好ましくは硬化発熱に
よるピーク温度の差としては、10〜40℃が好まし
い。活性が異なる2種類以上の硬化促進剤を含むエポキ
シ樹脂組成物では、DSC測定での硬化発熱挙動につい
て、異なった2つ以上の硬化発熱開始温度が観察され
る。この硬化発熱の開始温度(以下、硬化開始温度とい
う)の差が10〜60℃であることにより、本発明のエ
ポキシ樹脂組成物を特徴づけることができる。又この開
始温度の差が10℃未満だと、硬化性と流動性、保存性
が両立した材料が得られず、好ましい開始温度の差は2
0〜60℃である。本発明では、DSC測定(昇温温度
10℃/分)による硬化発熱が始まる温度を硬化開始温
度とした。なお、3種類以上の硬化促進剤を用いた場合
は、いずれの硬化促進剤も硬化発熱反応ピーク温度が1
00〜170℃内で、その最大値と最小値のピーク温度
の差が5〜50℃で、かつ最大値と最小値の硬化発熱の
開始温度が40〜150℃で、その硬化発熱の開始温度
の差は10〜60℃内であるものである。
【0016】一般に硬化促進剤による硬化発熱のピーク
温度は、用いるエポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促
進剤の添加量によって異なることから、適切なエポキシ
樹脂とフェノール樹脂の組合せを選択することや、硬化
促進剤の添加量を適切な量に調整することにより、硬化
発熱のピーク温度の差は5〜50℃、かつ硬化開始温度
の差が10〜60℃になるようにエポキシ樹脂組成物を
調整すればよい。種類の異なる硬化促進剤Aと硬化促進
剤Bを含むエポキシ樹脂組成物Mにおいて、各々の硬化
促進剤に起因する硬化発熱のピーク温度と硬化開始温度
について、エポキシ樹脂組成物MにおけるDSC測定か
ら求めることができる。10℃/分で昇温したときに硬
化発熱のピークが始まる温度を硬化開始温度とすること
ができる。又この方法以外にも以下の方法でそれぞれの
温度を求めることができる。硬化促進剤以外のエポキシ
樹脂、フェノール樹脂、無機充填材等の組成が同一であ
り硬化促進剤Aのみが添加されているエポキシ樹脂組成
物Aについて、DSCにより硬化発熱のピーク温度と開
始温度を求める。このエポキシ樹脂組成物Aのピーク温
度と開始温度を、エポキシ樹脂組成物Mにおける硬化促
進剤Aによる硬化発熱のピーク温度と開始温度とする。
同様に硬化促進剤Bのみが含まれるエポキシ樹脂組成物
Bから求められるピーク温度と開始温度を、エポキシ樹
脂組成物Mにおける硬化促進剤Bによる硬化発熱のピー
ク温度と開始温度とする。
【0017】有機リン系硬化促進剤は、一般的にエポキ
シ樹脂組成物に用いられる他の硬化促進剤に比べ、その
硬化発熱のピーク温度が比較的高温に位置する。エポキ
シ樹脂組成物中に含まれる2種類以上の硬化促進剤の
内、少なくとも1種はホスホニウム系硬化促進剤を用い
ることが好ましい。これにより、容易にDSCによる硬
化発熱のピーク温度の差が5℃以上あるエポキシ樹脂組
成物を調整できる。有機リン系硬化促進剤としては、例
えばトリフェニルホスフィン、やテトラフェニルホスホ
ニウム・テトラナフトイルオキシボレート、テトラフェ
ニルホスホニウム・テトラフェニルボレート塩等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。
【0018】本発明のエポキシ樹脂組成物は,(A)〜
(D)成分の他、必要に応じて臭素化エポキシ樹脂、酸
化アンチモン、リン化合物等の難燃剤、酸化ビスマス水
和物等の無機イオン交換体、γ-グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラ
ック、ベンガラ等の着色剤、シリコーンオイル、シリコ
ーンゴム等の低応力化成分、天然ワックス、合成ワック
ス、高級脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラフィン等
の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤を配合することが
できる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(D)成分、及びその他の添加剤をミキサー等を用いて
混合後、加熱ニーダや熱ロールを用いて加熱混練し、続
いて冷却、粉砕することで得られる。本発明のエポキシ
樹脂組成物を用いて、半導体素子等の電子部品を封止
し、半導体装置を製造するには、トランスファーモール
ド、コンプレッションモールド、インジェクションモー
ルド等の従来の成形方法で硬化成形すればよい。
【0019】以下、本発明を実施例で具体的に説明する
が、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
配合単位は重量部とする。 実施例1 ビフェニル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)・製、YX4000H K、エポキシ当量191、融点105℃、以下、エポキシ樹脂1という) 7.7重量部 フェノールノボラック樹脂(水酸基当量105、軟化点83℃) 4.3重量部 球状溶融シリカ粉末 86.9重量部 トリフェニルホスフィン(以下、硬化促進剤1という) 0.1重量部 テトラフェニルホスホニウム・テトラナフトイルオキシボレート(以下、硬化 促進剤2という) 0.2重量部 カルナバワックス 0.5重量部 カーボンブラック 0.3重量部 をミキサーを用いて混合した後、表面温度が90℃と4
5℃の2本ロールを用いて30回混練し、得られた混練
物シートを冷却後粉砕して樹脂組成物を得た。得られた
樹脂組成物を以下の方法で評価した。結果を表1に示
す。
【0020】評価方法 硬化発熱開始温度:セイコー電子(株)・製DSC22
0を用いて測定し、データ解析については同装置付属の
ワークステーションSCC5200により行った。エポ
キシ樹脂組成物約10mg前後を精秤し、昇温速度10
℃/分、流量100ml/分の窒素雰囲気中の条件で測
定した。 スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイ
ラルフロー測定用の金型を用いて,金型温度175℃、
注入圧力70kg/cm2、硬化時間2分で測定した。
単位はcm。 スパイラルフロー保存性:エポキシ樹脂組成物を25℃
で72時間放置した後、上記と同一の測定方法でスパイ
ラルフローを測定した。以下の式で保存性を算出した。
[(25℃で72時間放置後のスパイラルフロー)/
(放置前のスパイラルフロー)×100]を%で表示し
た。 バコール硬度:トランスファー成形機を用いて,金型温
度175℃、注入圧力75kg/cm2、硬化時間2分
で16pSOPを成形した。金型が開いて10秒後の成
形品の表面硬度をバコール硬度計#935で測定した。 離型性:上記の16pSOPの成形時における離型性を
○、△、×で評価した。 耐半田性:100ピンTQFP(パッケージサイズは1
4×14mm、厚み1.4mm、シリコンチップサイズ
は8.0×8.0mm、リードフレームは42アロイ
製)を金型温度175℃、注入圧力75kg/cm2
硬化時間2分でトランスファー成形し、175℃で8時
間後硬化した。得られた半導体パッケージを85℃、相
対湿度85%の環境下で168時間放置し、その後24
0℃の半田槽に10秒間浸漬した。顕微鏡で外部クラッ
クを観察し、クラック数[(クラック発生パッケージ
数)/(全パッケージ数)×100]を%で表示した。
又半導体素子と樹脂組成物の硬化物との剥離面積の割合
を超音波探傷装置により測定し,剥離率[(剥離面積)
/(チップ面積)×100]として5個のパッケージの
平均値を求め%で表示した。
【0021】実施例2、3、比較例1〜3 表1の配合に従い,実施例1と同様にして樹脂組成物を
得て,実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示
す。実施例2、比較例1に用いたオルソクレゾール型エ
ポキシ樹脂は、エポキシ当量192、融点62℃(以
下、ECNと示す)で、実施例3に用いた式(4)のス
チルベン型エポキシ樹脂(エポキシ当量187、融点1
10℃)の構造を以下に示す。実施例3、比較例1、比
較例3に用いた1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)
ウンデセン−7を以下、硬化促進剤3という。
【化7】
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化
性、流動性及び保存性に優れており、このエポキシ樹脂
組成物を用いることにより、耐半田性に優れた半導体装
置を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 63/00 C08L 63/00 Z C09K 3/10 C09K 3/10 L Q Z H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 Fターム(参考) 4H017 AA04 AA31 AB08 AC03 AD06 AE05 4J002 CC03X CC04X CC07X CC27X CD05W DE137 DE147 DJ017 EU116 EU206 EW136 EW176 EY016 FD017 FD14X FD156 GQ05 4J036 AA05 AD07 AD08 AD10 AD15 AD20 DC40 DC41 DC46 FA02 FA05 FA06 FB07 GA04 JA07 4M109 AA01 BA04 EA03 EA06 EB03 EB04 EB06 EB07 EB08 EB09 EB12 EB19 EC14 EC20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)融点が70〜150℃の結晶性エ
    ポキシ樹脂を全エポキシ樹脂中に30〜100重量%含
    むエポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)無機充
    填材、及び(D)2種類以上の硬化促進剤からなるエポ
    キシ樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂組成物の硬
    化発熱反応ピーク温度が100〜170℃でそのピーク
    温度の差が5〜50℃であり、かつ硬化発熱の開始温度
    が40〜150℃で、その硬化発熱の開始温度の差が1
    0〜60℃であることを特徴とする半導体封止用エポキ
    シ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 結晶性エポキシ樹脂が、一般式(1)、
    一般式(2)又は一般式(3)から選ばれる一種以上で
    ある請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式中のR1は炭素数1〜6のアルキル基で、それらは
    互いに同一であっても異なっていてもよい。mは0〜4
    の整数。) 【化2】 (式中のR2は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基
    で、それらは互いに同一であっても異なっていてもよ
    い。R3は炭素数1〜6のアルキル基で、それらは互い
    に同一であっても異なっていてもよい。mは0〜4の整
    数。Xは炭素、酸素、硫黄の中から選択される原子を表
    す。) 【化3】 (式中のR4は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基
    で、それらは互いに同一であっても異なっていてもよ
    い。R5は炭素数1〜6のアルキル基で、それらは互い
    に同一であっても異なっていてもよい。mは0〜4の整
    数。)
  3. 【請求項3】 2種類以上の硬化促進剤が、少なくとも
    有機リン系硬化促進剤を含む請求項1、又は2記載の半
    導体封止エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、又は3記載の半導体封止
    用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してな
    ることを特徴とする半導体装置。
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