JP2000319355A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物及び半導体装置Info
- Publication number
- JP2000319355A JP2000319355A JP11335691A JP33569199A JP2000319355A JP 2000319355 A JP2000319355 A JP 2000319355A JP 11335691 A JP11335691 A JP 11335691A JP 33569199 A JP33569199 A JP 33569199A JP 2000319355 A JP2000319355 A JP 2000319355A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- epoxy resin
- dihydroxy
- resin composition
- phenol
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Epoxy Resins (AREA)
- Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
せ、耐半田クラック性に優れる半導体封止用エポキシ樹
脂組成物を提供すること。 【解決手段】 一般式(1)で示されるビスフェノール
F類(a)と、結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェ
ノール類(b)とを混合しグリシジルエーテル化したエ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化剤、無機充填材、及び
硬化促進剤を必須成分とし、(a)と(b)との重量比
(a/b)が0.1〜19であり、全エポキシ樹脂のエ
ポキシ基に対する全フェノール樹脂硬化剤のフェノール
性水酸基の当量比が0.5〜2.0であり、無機充填材
の含有量が全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂硬化剤の
合計量100重量部当たり900〜2400重量部であ
り、硬化促進剤の含有量が全エポキシ樹脂と全フェノー
ル樹脂硬化剤の合計量100重量部当たり0.4〜20
重量部であることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹
脂組成物。 【化1】 (ただし、式中のR1は炭素数1〜6のアルキル基を表
し、それらは互いに同一であっても異なってもよい。m
は0〜3の整数。)
Description
填化による耐半田クラック性に優れた半導体封止用エポ
キシ樹脂組成物、及びこれを用いた半導体装置に関する
ものである。
C、LSI等の半導体素子は、外的刺激(機械的・熱的
衝撃、化学的作用等)から保護するためにエポキシ樹脂
組成物で封止されてきた。しかし、近年の半導体素子の
集積度向上とそれに伴う大型化の一方で、最近の電子機
器の小型化による半導体装置の小型化・薄型化が求めら
れ、且つプリント回路基板への実装方法も従来のピン挿
入型から表面実装型へ移行してきた。しかしながら、表
面実装の半田処理時の熱衝撃による半導体装置のクラッ
クや、チップ・リードフレームとエポキシ樹脂組成物の
硬化物との界面の剥離といった問題が生じ、耐半田クラ
ック性がエポキシ樹脂組成物に強く求められている。こ
れらのクラックや剥離は、半田処理前の半導体装置自身
が吸湿し、半田処理時の高温下でその水分が水蒸気爆発
を起こすことによって生じると考えられており、それを
防ぐためにエポキシ樹脂組成物に低吸湿性を付与する等
の手法がよく用いられている。その低吸湿化の手法の一
つとして、低粘度の結晶性エポキシ樹脂を用いて無機充
填材を高充填化し、樹脂成分の含有量を減少させる技術
がある。従来、このような手法に用いられるエポキシ樹
脂としては、ビフェニル型エポキシ樹脂が挙げられ、無
機充填材を高充填化したエポキシ樹脂組成物によく使用
されるものである。しかしながら、ビフェニル型エポキ
シ樹脂に無機充填材を90重量%以上配合したエポキシ
樹脂組成物を製造することは容易ではなく、それを実現
するためにはより高度な生産技術を要することが多く、
生産コストが高くなることにもなる。その解決策とし
て、ビフェニル型エポキシ樹脂よりも、更に低粘度のエ
ポキシ樹脂を用いることが考えられるが、現状ではビス
フェノール型エポキシ樹脂等の低分子量エポキシ樹脂を
用いざるを得ない。しかしながら、これらのエポキシ樹
脂は室温で液体或いは半固形状であり、取り扱い作業性
が悪いことが大きな欠点として挙げられる。
無機充填材の高充填化を実現し、低吸湿性に由来する優
れた耐半田クラック性を有する半導体封止用エポキシ樹
脂組成物、及びこれを用いて半導体素子を封止してなる
半導体装置を提供するのものである。
(1)で示されるビスフェノールF類(a)と、結晶性
エポキシ樹脂の前駆体であるフェノール類(b)とを混
合しグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂、(B)フ
ェノール樹脂硬化剤、(C)無機充填材、及び(D)硬
化促進剤を必須成分とし、(a)と(b)との重量比
(a/b)が0.1〜19であり、全エポキシ樹脂のエ
ポキシ基に対する全フェノール樹脂硬化剤のフェノール
性水酸基の当量比が0.5〜2.0であり、無機充填材
の含有量が全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂硬化剤の
合計量100重量部当たり900〜2400重量部であ
り、硬化促進剤の含有量が全エポキシ樹脂と全フェノー
ル樹脂硬化剤の合計量100重量部当たり0.4〜20
重量部であることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹
脂組成物、及びこれを用いて半導体素子を封止してなる
半導体装置である。
し、それらは互いに同一であっても異なってもよい。m
は0〜3の整数。)
式(1)で示されるビスフェノールF類(a)と結晶性
エポキシ樹脂の前駆体のフェノール類(b)との重量比
(a/b)を0.1〜19とした混合物(以下、混合フ
ェノールという)をグリシジルエーテル化したエポキシ
樹脂は、一般式(1)で示されるビスフェノールF類
(a)に由来する低粘度化が図られており、従来のビフ
ェニル型エポキシ樹脂を主として用いたエポキシ樹脂組
成物よりも流動性に優れ、無機充填材を高充填化するこ
とができ、ひいてはエポキシ樹脂組成物の低吸湿化が可
能となり、耐半田クラック性の向上に寄与する。又、高
い結晶性を有する結晶性エポキシ樹脂と共縮合させるこ
とによって、混合フェノールのグリシジルエーテル化物
であるエポキシ樹脂を室温で固体として取り扱うことが
できるようになり、一般式(1)で示されるビスフェノ
ールF類(a)をグリシジルエーテル化したエポキシ樹
脂の作業性を改善することができる。
類(a)としては、特に分子量、粘度を制限するもので
はないが、なるべく低分子量であることが望ましく、よ
り好ましくは一般式(1)において無置換(m=0)
で、低分子量、2つの水酸基がp−配向であるビス(4
−ヒドロキシフェニル)メタンである。これにより低粘
度化への寄与は大きくなり、且つ置換基がないのでグリ
シジルエーテル化した場合、高い反応性を有するエポキ
シ樹脂を得ることができる。
ール類(b)としては、例えば、一般式(2)のビフェ
ニル型、一般式(3)のスチルベン型等が挙げられる。
し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよ
い。mは0〜4の整数。)
キル基を表し、それらは互いに同一であっても異なって
いてもよい。R4は炭素数1〜6のアルキル基を表し、
それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。m
は0〜4の整数。)
としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テ
トラメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチルビフェ
ニル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャ
リブチル−6,6’−ジメチルビフェニル、4,4’−
ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−5,
5’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’,5,5’−テトラターシャリブチルビフェニ
ル等(置換位置の異なる異性体を含む)が挙げられる。
としては、例えば、3−ターシャリブチル−4,4’−
ジヒドロキシ−5,3’−ジメチルスチルベン、3−タ
ーシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,6−
ジメチルスチルベン、3−ターシャリブチル−2,4’
−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベ
ン、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−
3’,5’,6−トリメチルスチルベン、3−ターシャ
リブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−
トリメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチルス
チルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジター
シャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,
2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−
6,6’−ジメチルスチルベン、2,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチ
ルスチルベン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’,
5,5’−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒド
ロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−5,5’−ジ
メチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’,5,5’−テトラターシャリブチルスチルベン等
(置換位置の異なる異性体を含む)が挙げられる。
料価格等の点から、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テ
トラメチルビフェニル、(以上2種のフェノール樹脂
を、以下a群という)、3−ターシャリブチル−2,
4’−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチ
ルベン、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒドロキ
シ−3’,5’,6−トリメチルスチルベン、3−ター
シャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,
5’−トリメチルスチルベン(以上3種のフェノール樹
脂を、以下b群という)、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−
6,6’−ジメチルスチルベン、2,2’−ジヒドロキ
シ−3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチ
ルスチルベン、2,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ
ターシャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、
2,2’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラ
メチルスチルベン、又は4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジターシャリブチル−5,5’−ジメチルスチル
ベン(以上6種のフェノール樹脂を、以下c群という)
から選択される1種以上が好ましい。特にビフェニル型
フェノール類では、低粘度化効果が大きく、且つ反応性
に富む4,4’−ジヒドロキシビフェニルが含まれてい
ること(a群)が好ましい。又、スチルベン型フェノー
ル類では、b群から選ばれる1種以上と、c群から選ば
れる1種以上との混合物が、グリシジルエーテル化物の
融点が低くなるため好ましい。これらの混合比、混合方
法は限定しない。
類(a)と、結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェノ
ール類(b)との混合方法は特に限定しないが、溶剤に
よる溶解や加熱による溶融混合等の方法により、均一に
混合することが好ましい。この方法で得られるエポキシ
樹脂は、一般的に行われているビスフェノールF型エポ
キシ樹脂と結晶性エポキシ樹脂とをドライブレンド或い
はメルトブレンドする方法と比較して、より均一化され
ているため、硬化反応性が向上する。一般式(1)で示
されるビスフェノールF類(a)と結晶性エポキシ樹脂
の前駆体であるフェノール類(b)との混合比は、重量
比(a/b)で0.1〜19が好ましく、より好ましく
は0.5〜9である。0.1未満だと、一般式(1)で
示されるビスフェノールF類(a)に由来する低粘度化
の効果が薄くなるため好ましくない。又、19を越える
と、結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェノール類
(b)を混合することによる作業性の向上が見られない
ため好ましくない。本発明のエポキシ樹脂の合成方法に
ついては特に限定しないが、例えば、混合フェノールを
過剰のエピクロルヒドリンに溶解した後、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在
下で50〜150℃、好ましくは60〜120℃で1〜
10時間反応させる方法が挙げられる。反応終了後、過
剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物をトルエン、
メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解し、濾過し、水
洗して無機塩を除去し、次いで溶剤を留去することによ
り目的のエポキシ樹脂を得ることができる。生成したエ
ポキシ樹脂の塩素イオン、ナトリウムイオン、その他フ
リーのイオンは極力少ないことが望ましい。本発明のエ
ポキシ樹脂の融点としては、70〜150℃が好まし
く、特に、90〜140℃が好ましい。70℃未満だ
と、常温でブロッキングし易く、取り扱い作業性やこれ
を用いたエポキシ樹脂組成物の常温保存性の低下が見ら
れるため好ましくない。150℃を越えると、加熱混練
の際にエポキシ樹脂が十分に溶融されずに不均一なエポ
キシ樹脂組成物となり、硬化物の物性がばらつくおそれ
があるため、好ましくない。本発明でのエポキシ樹脂の
融点とは、示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)・
製)を用い、常温から昇温速度5℃/分で測定したとき
の融解ピークの頂点の温度を言う。本発明のエポキシ樹
脂の融解熱量としては3〜40mJ/mgが好ましい。
3mJ/mg未満だと、エポキシ樹脂は、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂のような挙動を示し、作業性が著し
く低下するので好ましくない。40mJ/mgを越える
と、加熱混練の際にエポキシ樹脂が十分に溶融されずに
不均一なエポキシ樹脂組成物となり、エポキシ樹脂組成
物の硬化物の物性がばらつくおそれがあるため、好まし
くない。本発明での融解熱量とは、示差走査熱量計(セ
イコー電子工業(株)・製)を用い、エポキシ樹脂10
mg前後を精秤し、昇温速度5℃/分で測定した吸熱ピ
ークの熱量を言う。又、本発明のエポキシ樹脂の特性を
損なわない範囲で、他のエポキシ樹脂を併用できる。併
用できるエポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上の
エポキシ基を有するモノマー、オリゴマー及びポリマー
全般を言う。例えば、クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフトール型
エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、
ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等
が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても良い。
は、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する
モノマー、オリゴマー及びポリマー全般を言う。例え
ば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル
樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、テルペン変性フェノ
ール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等
が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても良い。
これらのフェノール樹脂硬化剤は、分子量、軟化点、水
酸基当量等に制限なく使用することができるが、軟化点
90℃以下の比較的低粘度のフェノール樹脂硬化剤が好
ましい。軟化点が90℃以上だとエポキシ樹脂の低粘度
化の効果が薄れるので好ましくない。全エポキシ樹脂の
エポキシ基と全フェノール樹脂硬化剤のフェノール性水
酸基との当量比としては、好ましくは0.5〜2.0、
特に好ましくは0.7〜1.5である。0.5〜2.0
の範囲を外れると、硬化性、耐湿信頼性等が低下するの
で好ましくない。
いては特に制限はなく、一般に封止材料に用いられてい
るものを使用することができる。例えば、溶融破砕シリ
カ、溶融球状シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ、ア
ルミナ、チタンホワイト、水酸化アルミニウム、タル
ク、クレー、ガラス繊維等が挙げられ、特に溶融球状シ
リカが好ましい。形状は限りなく真球状であることが好
ましく、又、粒子の大きさの異なるものを混合すること
により充填量を多くすることができる。無機充填材の含
有量としては、全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂硬化
剤との合計量100重量部当たり900〜2400重量
部が好ましく、特に1000〜1600重量部が好まし
い。900重量部未満だと、無機充填材による補強効果
が十分に発現せず、且つ吸湿要因である樹脂成分の含有
量が多くなるので、高吸湿性となるおそれがあり、24
00重量部を越えると、エポキシ樹脂組成物の流動性が
低下し、成形時に充填不良等が生じるおそれがあるので
好ましくない。本発明の無機充填材は、予め十分に混合
しておくことが好ましい。又、必要に応じて無機充填材
をカップリング剤やエポキシ樹脂或いはフェノール樹脂
硬化剤で予め処理して用いても良く、処理の方法として
は、溶剤を用いて混合した後に溶媒を除去する方法や、
直接無機充填材に添加し、混合機を用いて処理する方法
等がある。
エポキシ樹脂とフェノール樹脂硬化剤との架橋反応を促
進するものであれば良く、例えば、1,8−ジアザビシ
クロ(5,4,0)ウンデセン−7等のアミジン系化合
物、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスフォ
ニウム・テトラフェニルボレート塩等の有機リン系化合
物、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。こ
れらの硬化促進剤は単独でも混合して用いても良い。含
有量としては、全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂硬化
剤との合計量100重量部当たり0.4〜20重量部が
好ましい。0.4重量部未満だと、加熱成形時に十分な
硬化性が得られないおそれがあり、一方、20重量部を
越えると、硬化が速すぎて成形時に流動性の低下による
充填不良等を生じるおそれがあるので好ましくない。
(D)成分の他、必要に応じて臭素化エポキシ樹脂、酸
化アンチモン、リン化合物等の難燃剤、酸化ビスマス水
和物等の無機イオン交換体、γ-グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラ
ック、ベンガラ等の着色剤、シリコーンオイル、シリコ
ーンゴム等の低応力化成分、天然ワックス、合成ワック
ス、高級脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラフィン等
の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤を配合することが
できる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(D)成分、及びその他の添加剤等をミキサーを用いて
常温混合し、ロール、ニーダー、押出機等の混練機で溶
融混練し、冷却後粉砕して得られる。本発明のエポキシ
樹脂組成物を用いて、半導体素子等の電子部品を封止
し、半導体装置を製造するには、トランスファーモール
ド、コンプレッションモールド、インジェクションモー
ルド等の成形方法で成形硬化すればよい。
実施例及び比較例のエポキシ樹脂A〜Eの合成に用いた
ビスフェノールF類(融点62℃)の構造式(4)、及
び結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェノール類の構
造式(5)〜式(7)を以下に示す。生成したエポキシ
樹脂の粘度は、ICIコーンプレート粘度計(Rese
arch Equipment社・製)を用いて、15
0℃で測定した。
樹脂A〜Eについて、その特性を表1に示す。エポキシ
樹脂A〜Eは、式(4)〜式(7)を表1の配合割合で
常法によりグリシジルエーテル化して得た。配合割合は
重量部とする。融点、融解熱量は、前述した方法で測定
した。
重量部とする。 エポキシ樹脂A 4.2重量部 式(8)のフェノールアラルキル樹脂硬化剤(水酸基当量165g/eq.、 軟化点75℃) 4.6重量部
5℃の2本ロールを用いて30回混練し、得られた混練
物シートを冷却後粉砕して、エポキシ樹脂組成物とし
た。得られたエポキシ樹脂組成物の特性を以下の方法で
評価した。結果を表2に示す。
ラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175℃、
注入圧力70kg/cm2、硬化時間2分で測定した。
単位はcm。 吸湿率:トランスファー成形機を用いて、金型温度17
5℃、注入圧力75kg/cm2、硬化時間2分で直径
50mm、厚さ3mmの円盤を成形し、175℃、8時
間で後硬化し、85℃、相対湿度85%の環境下で16
8時間放置し、重量変化を測定して吸湿率を求めた。単
位は重量%。 耐半田クラック性:トランスファー成形機を用いて、金
型温度175℃、注入圧力75kg/cm2、硬化時間
2分で100pTQFP(パッケージサイズは14×1
4mm、厚み1.4mm、半導体素子の寸法は8.0×
8.0mm、リードフレームは42アロイ製)を成形
し、175℃、8時間で後硬化し、得られたパッケージ
を85℃、相対湿度85%で168時間放置し、その後
240℃の半田槽に10秒間浸漬した。顕微鏡でパッケ
ージを観察し、外部クラックの発生率((クラック発生
パッケージ数)/(全パッケージ数)×100)を求め
た。単位は%。又、半導体素子とエポキシ樹脂組成物の
剥離面積の割合を超音波探傷装置を用いて測定し、剥離
率((剥離面積)/(半導体素子面積)×100)を求
めた。単位は%。
シ樹脂組成物を得て、実施例1と同様にして評価した。
結果を表2、表3に示す。実施例5に用いた式(9)の
フェノールノボラック樹脂硬化剤(水酸基当量105g
/eq.、軟化点81℃)、比較例1に用いた式(1
0)を主成分とするエポキシ樹脂(エポキシ当量165
g/eq.、融点52℃)、比較例4に用いた式(1
1)を主成分とするエポキシ樹脂(エポキシ当量192
g/eq.、融点105℃)の構造を以下に示す。
樹脂を用いることによって従来以上の無機充填材の高充
填化が可能となり、低吸湿性に由来する優れた耐半田ク
ラック性を有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及
び半導体装置が得られる。
Claims (7)
- 【請求項1】 (A)一般式(1)で示されるビスフェ
ノールF類(a)と、結晶性エポキシ樹脂の前駆体であ
るフェノール類(b)とを混合しグリシジルエーテル化
したエポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、
(C)無機充填材、及び(D)硬化促進剤を必須成分と
し、(a)と(b)との重量比(a/b)が0.1〜1
9であり、全エポキシ樹脂のエポキシ基に対する全フェ
ノール樹脂硬化剤のフェノール性水酸基の当量比が0.
5〜2.0であり、無機充填材の含有量が全エポキシ樹
脂と全フェノール樹脂硬化剤の合計量100重量部当た
り900〜2400重量部であり、硬化促進剤の含有量
が全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂硬化剤の合計量1
00重量部当たり0.4〜20重量部であることを特徴
とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 (ただし、式中のR1は炭素数1〜6のアルキル基を表
し、それらは互いに同一であっても異なってもよい。m
は0〜3の整数。) - 【請求項2】 無機充填材(C)の含有量が全エポキシ
樹脂と全フェノール樹脂硬化剤の合計量100重量部当
たり1000〜1600重量部である請求項1記載の半
導体封止用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】 一般式(1)で示されるビスフェノール
F類(a)と、結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェ
ノール類(b)とを混合しグリシジルエーテル化したエ
ポキシ樹脂(A)が、融点70〜150℃である請求項
1、又は2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項4】 一般式(1)で示されるビスフェノール
F類(a)と、結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェ
ノール類(b)とを混合しグリシジルエーテル化したエ
ポキシ樹脂(A)が、融解熱量3〜40mJ/mgであ
る請求項1、2、又は3記載の半導体封止用エポキシ樹
脂組成物。 - 【請求項5】 結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェ
ノール類(b)が、一般式(2)、又は一般式(3)か
ら選ばれる一種以上である請求項1、2、3、又は4記
載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化2】 (ただし、式中のR2は炭素数1〜6のアルキル基、そ
れらは互いに同一であっても異なっていてもよい。mは
0〜4の整数。) 【化3】 (ただし、式中のR3は水素原子、炭素数1〜6のアル
キル基を表し、それらは互いに同一であっても異なって
いてもよい。R4は炭素数1〜6のアルキル基を表し、
それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。m
は0〜4の整数。) - 【請求項6】 結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェ
ノール類(b)が、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テ
トラメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−2,
2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチルビフェニル、
3−ターシャリブチル−2,4’−ジヒドロキシ−
3’,5’,6−トリメチルスチルベン、3−ターシャ
リブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−
トリメチルスチルベン、3−ターシャリブチル−4,
4’−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチ
ルベン、又は、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒ
ドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベンと、
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラ
メチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’
−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベ
ン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリ
ブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,4’−ジ
ヒドロキシ−3,3’−ジタシャリブチル−6,6’−
ジメチルスチルベン、2,2’−ジヒドロキシ−3,
3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、もしくは
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチ
ル−5,5’−ジメチルスチルベンとの混合物から選ば
れる一種以上である請求項1、2、3、4、又は5記載
の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5、又は6記載
のいずれかの半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて
半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11335691A JP2000319355A (ja) | 1999-03-08 | 1999-11-26 | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5976499 | 1999-03-08 | ||
JP11-59764 | 1999-03-10 | ||
JP11-63056 | 1999-03-10 | ||
JP6305699 | 1999-03-10 | ||
JP11335691A JP2000319355A (ja) | 1999-03-08 | 1999-11-26 | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000319355A true JP2000319355A (ja) | 2000-11-21 |
Family
ID=27296990
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11335691A Pending JP2000319355A (ja) | 1999-03-08 | 1999-11-26 | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000319355A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001114994A (ja) * | 1999-08-06 | 2001-04-24 | Toray Ind Inc | エポキシ系樹脂組成物および半導体装置 |
JP2003048958A (ja) * | 2001-08-07 | 2003-02-21 | Kyocera Chemical Corp | エポキシ樹脂組成物および半導体封止装置 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08109242A (ja) * | 1994-10-07 | 1996-04-30 | Yuka Shell Epoxy Kk | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 |
JPH08301981A (ja) * | 1995-05-02 | 1996-11-19 | Sumitomo Chem Co Ltd | エポキシ樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置 |
JPH1045873A (ja) * | 1996-05-31 | 1998-02-17 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 |
JPH10176035A (ja) * | 1996-12-18 | 1998-06-30 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 |
JPH111543A (ja) * | 1997-04-17 | 1999-01-06 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
-
1999
- 1999-11-26 JP JP11335691A patent/JP2000319355A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08109242A (ja) * | 1994-10-07 | 1996-04-30 | Yuka Shell Epoxy Kk | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 |
JPH08301981A (ja) * | 1995-05-02 | 1996-11-19 | Sumitomo Chem Co Ltd | エポキシ樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置 |
JPH1045873A (ja) * | 1996-05-31 | 1998-02-17 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 |
JPH10176035A (ja) * | 1996-12-18 | 1998-06-30 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 |
JPH111543A (ja) * | 1997-04-17 | 1999-01-06 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001114994A (ja) * | 1999-08-06 | 2001-04-24 | Toray Ind Inc | エポキシ系樹脂組成物および半導体装置 |
JP2003048958A (ja) * | 2001-08-07 | 2003-02-21 | Kyocera Chemical Corp | エポキシ樹脂組成物および半導体封止装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4395923B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JPH111544A (ja) | エポキシ樹脂組成物及び電子部品 | |
JP4696372B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP2000319355A (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP2000327883A (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP2001064362A (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP2003213084A (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP4639412B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP4765135B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP2001172474A (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP2000309678A (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP2000273277A (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP4379973B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP2003041096A (ja) | エポキシ樹脂成形材料の製造方法及び半導体装置 | |
JP2001151989A (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP4560871B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP2000119369A (ja) | 固形エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 | |
JP4724947B2 (ja) | エポキシ樹脂成形材料の製造方法及び半導体装置 | |
JP2001040180A (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP4517433B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP2001226463A (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP5191072B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP2009298961A (ja) | 封止用エポキシ樹脂組成物およびその製造方法 | |
JP2000086867A (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP2001270931A (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060630 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090213 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090602 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090728 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100420 |