JP2001270931A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP2001270931A
JP2001270931A JP2000085485A JP2000085485A JP2001270931A JP 2001270931 A JP2001270931 A JP 2001270931A JP 2000085485 A JP2000085485 A JP 2000085485A JP 2000085485 A JP2000085485 A JP 2000085485A JP 2001270931 A JP2001270931 A JP 2001270931A
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epoxy resin
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dihydroxy
compound
phenol
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JP2000085485A
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English (en)
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Keiichi Sakumichi
慶一 作道
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】低溶融粘度で高い耐熱性を有し且つ耐半田クラ
ック性に優れる半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供
する。 【解決手段】(A)式(1)のフェノール樹脂(a)
と、結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェノール類
(b)とを混合しグリシジルエーテル化したエポキシ樹
脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)無機充填材、
及び(D)テトラ置換ホスホニウム(X)と1分子内に
フェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)及び
化合物(Y)の共役塩基との分子会合体であってホスホ
ニウム−フェノキシド型の塩を構造中に有する硬化促進
剤を必須成分とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 (ただし、式中のRは炭素数1〜6のアルキル基を表
し、mは0〜3の整数、nは1以上の正数。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低溶融粘度で高い
耐熱性を有し、且つ耐半田クラック性に優れた低コスト
の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いた
半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ダイオード、トランジスタ、I
C、LSI等の半導体素子を、外的刺激(機械的・熱的
衝撃、化学的作用等)から保護するために、汎用の半導
体装置には、主にオルソクレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂/フェノールノボラック樹脂硬化剤系を樹脂成分
とするエポキシ樹脂組成物が用いられてきた。このエポ
キシ樹脂組成物の硬化物は、ガラス転移温度が高く、硬
化性、熱時曲げ強さに優れた特性を有しているが、オル
ソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の溶融粘度が比
較的高く、無機充填材の高充填化には限界があり、耐半
田クラック性には若干の問題があった。
【0003】一方、近年の半導体素子の高集積度化とそ
れに伴う大型化に加え、電子機器の小型化により、半導
体装置の小型化・薄型化が求められ、且つプリント回路
基板への実装方法も、従来のピン挿入型から表面実装型
に移行してきている。このような半導体装置の封止方法
・実装方法では、表面実装の半田リフロー時の熱衝撃に
よるクラックや半導体素子・リードフレームとエポキシ
樹脂組成物の硬化物との界面の剥離といった問題が生
じ、そのため耐半田クラック性に優れたエポキシ樹脂組
成物が強く求められている。一般的に、半導体装置のク
ラックや半導体素子・リードフレームとエポキシ樹脂組
成物の硬化物との界面の剥離は、半田リフロー時の高温
下で、吸湿されていた水分が水蒸気爆発を起こすことに
よって生じるとされており、これを防ぐためにエポキシ
樹脂組成物に低吸湿性を付与する等の手法がよく用いら
れている。低吸湿化の一つの手法として、低粘度の結晶
性エポキシ樹脂であるビフェニル型エポキシ樹脂等を用
いて無機充填材を高充填化し、樹脂成分の含有量を減少
する技術がある。
【0004】このエポキシ樹脂組成物は、耐半田クラッ
ク性等に優れている特徴を生かして、主に表面実装対応
の最先端の半導体装置に用いられているが、オルソクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂
組成物の硬化物に較べて、ガラス転移温度が低く、且つ
硬化が遅いのが問題であった。一方、近年の電子機器の
品質安定化、ひいては半導体装置の信頼性向上の要求に
より、汎用の半導体装置に対しても耐半田クラック性が
求められるようになってきた。しかしながら、低粘度の
結晶性エポキシ樹脂であるビフェニル型エポキシ樹脂等
を使用し、溶融球状シリカを高充填化したエポキシ樹脂
組成物は、硬化性と熱時曲げ強さに若干問題があり、且
つコストが高く汎用の半導体装置にそのまま適用するに
は難点がある。この要求に対して、熱時曲げ強さ、耐半
田クラック性に優れ、且つ最先端用材料よりコストが安
いエポキシ樹脂組成物を得るため、オルソクレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂と結晶性エポキシ樹脂の特徴を
生かすべく、エポキシ樹脂組成物の製造時に両方のエポ
キシ樹脂を併用したり、予め両方のエポキシ樹脂を溶融
混合したものを用いる試みがなされているが、オルソク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂をベースとしたエポ
キシ樹脂組成物に較べると、若干硬化性が劣り、汎用の
半導体装置に適用するには依然不十分である。従って、
熱時曲げ強さ、耐半田クラック性に優れ、且つ低コスト
のエポキシ樹脂組成物が求められている。
【0005】又、近年、電子・電気材料、特にIC封止
材料は、生産効率の向上を目的とした速硬化性と、物流
・保管時の取り扱い性向上のための保存性の向上とが求
められるようになってきている。従来、電子・電気分野
向けエポキシ樹脂には、硬化促進剤としてホスフィン
類、アミン類、イミダゾール系化合物、ジアザビシクロ
ウンデセン等の含窒素複素環式化合物、第四級アンモニ
ウム、ホスホニウム或いはアルソニウム化合物等の種々
の化合物が使用されている。これらの一般に使用される
硬化促進剤は、常温等の比較的低温においても硬化促進
作用を示す場合が多い。このことは、エポキシ樹脂組成
物の製造時及び得られたエポキシ樹脂組成物の保存時の
粘度上昇や、流動性の低下、硬化性のバラツキ等、製品
としての品質を低下させる原因となっている。この問題
を解決すべく、最近では低温での粘度、流動性の経時変
化を抑え、賦形、成形時の加熱によってのみ硬化反応を
起こすような、いわゆる潜伏性硬化促進剤の研究が盛ん
になされている。その手段として、硬化促進剤の活性点
をイオン対により保護することで、潜伏性を発現する研
究がなされており、特開平8−41290号公報では、
種々の有機酸とホスホニウムイオンとの塩構造を有する
潜伏性硬化促進剤が開示されている。しかし、このホス
ホニウム塩は特定の高次の分子構造を有さず、イオン対
が比較的容易に外部環境の影響を受けるため、最近の低
分子エポキシ樹脂やフェノールアラルキル樹脂を用いる
半導体封止材料においては、保存性が低下する問題が生
じている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低溶融粘度
で低内部応力の特性を有し、オルソクレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物と同等の
耐熱性を有し、且つ速硬化性、常温保存特性、耐半田ク
ラック性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及
びこれを用いて半導体素子を封止してなる半導体装置を
提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)一般式
(1)で示されるノボラック型フェノール樹脂(a)
と、結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェノール類
(b)とを混合し、グリシジルエーテル化したエポキシ
樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)無機充填
材、及び(D)テトラ置換ホスホニウム(X)と1分子
内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)
及び1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化
合物(Y)の共役塩基との分子会合体であって、該共役
塩基が前記フェノール性水酸基を1分子内に2個以上有
する化合物(Y)から1個の水素を除いたフェノキシド
型化合物からなる硬化促進剤を必須成分とし、(a)と
(b)との重量比(a/b)が0.1〜19であり、全
エポキシ樹脂のエポキシ基に対する全フェノール樹脂硬
化剤のフェノール性水酸基の当量比が0.5〜2.0で
あり、無機充填材の含有量が全エポキシ樹脂と全フェノ
ール樹脂硬化剤の合計量100重量部当たり200重量
部以上900重量部未満であり、該分子会合体の含有量
が全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂硬化剤の合計量1
00重量部当たり0.4〜20重量部であることを特徴
とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。
【化5】 (ただし、式中のR1は炭素数1〜6のアルキル基を表
し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよ
い。mは0〜3の整数。nは平均値であり、1以上の正
数。)
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いる一般式(1)で示
されるノボラック型フェノール樹脂(a)と結晶性エポ
キシ樹脂の前駆体であるフェノール類(b)との重量比
(a/b)を0.1〜19とした混合物(以下、混合多
価フェノールという)をグリシジルエーテル化したエポ
キシ樹脂は、結晶性エポキシ樹脂に由来する低粘度化が
図られており、これにより無機充填材の高充填化、ひい
てはエポキシ樹脂組成物の低吸湿化が可能となり、エポ
キシ樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が殆ど低下せ
ず、又、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を
用いたエポキシ樹脂組成物の硬化物の熱時曲げ強さと較
べても遜色なく、且つ低弾性率で、硬化性も同等の特性
を有している。この方法で得られるエポキシ樹脂は、ノ
ボラック型エポキシ樹脂と結晶性エポキシ樹脂がより均
一化されることにより、結晶性エポキシ樹脂を使用する
場合の問題点である硬化反応性も向上するものと考えら
れる。従って、本発明のエポキシ樹脂組成物を用いた半
導体装置は、プリント回路基板への実装時の半田リフロ
ー処理後でも高い信頼性を得ることができる。
【0009】一般式(1)で示されるノボラック型フェ
ノール樹脂としては、種々の構造のものがあるが、耐熱
性の点からオルソクレゾールノボラック型フェノール樹
脂が好ましい。nの値としては、5〜8が特に好まし
い。本発明に用いる結晶性エポキシ樹脂の前駆体である
フェノール類(b)としては、例えば一般式(2)のビ
フェニル型フェノール、一般式(3)のフェノール類、
一般式(4)のスチルベン型フェノール等が挙げられ
る。
【化6】 (ただし、式中のR2は炭素数1〜6のアルキル基を表
し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよ
い。mは0〜4の整数。)
【0010】
【化7】
【0011】
【化8】 (ただし、式中のR5は水素原子、炭素数1〜6のアル
キル基を表し、それらは互いに同一であっても異なって
いてもよい。R6は炭素数1〜6のアルキル基を表し、
それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。m
は0〜4の整数。)
【0012】一般式(2)のビフェニル型フェノールと
しては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラ
メチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’
−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチルビフェニ
ル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリ
ブチル−6,6’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジ
ヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−5,5’
−ジメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’,5,5’−テトラターシャリブチルビフェニル等
(置換位置の異なる異性体を含む)が挙げられる。
【0013】一般式(3)のフェノール類としては、例
えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、1,1−ビス(3’,5’−ジメチル
−4’−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3’−メチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3’,5’−ジメチル−4’−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3’−ター
シャリブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、
ビス(2−ターシャリブチル−5−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)スルフィド等が挙げられる。
【0014】一般式(4)のスチルベン型フェノールと
しては、例えば、3−ターシャリブチル−4,4’−ジ
ヒドロキシ−5,3’−ジメチルスチルベン、3−ター
シャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,6−ジ
メチルスチルベン、3−ターシャリブチル−2,4’−
ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベ
ン、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−
3’,5’,6−トリメチルスチルベン、3−ターシャ
リブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−
トリメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチルス
チルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジター
シャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,
2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−
6,6’−ジメチルスチルベン、2,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチ
ルスチルベン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’,
5,5’−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒド
ロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−5,5’−ジ
メチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’,5,5’−テトラターシャリブチルスチルベン等
(置換位置の異なる異性体を含む)が挙げられる。
【0015】これらの内では、入手のし易さ、性能、原
料価格等の点から、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テ
トラメチルビフェニル、ビス(3,5−ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,5−トリ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビ
ス(3’−メチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3’,5’−ジメチル−4’−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、ビス(2−ターシャリブチ
ル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド
(以上7種のフェノール類を、以下a群という)、3−
ターシャリブチル−2,4’−ジヒドロキシ−3’,
5’,6−トリメチルスチルベン、3−ターシャリブチ
ル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメ
チルスチルベン、3−ターシャリブチル−4,4’−ジ
ヒドロキシ−3’,5,5’−トリメチルスチルベン
(以上3種のフェノール類を、以下b群という)、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチ
ルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ
ターシャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、
2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチ
ル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,4’−ジヒド
ロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジ
メチルスチルベン、2,2’−ジヒドロキシ−3,
3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、又は4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−
5,5’−ジメチルスチルベン(以上6種のフェノール
類を、以下c群という)から選択される1種以上が好ま
しい。a群の内、ビフェニル型フェノールでは、低粘度
化効果が大きく、且つ反応性に富む4,4’−ジヒドロ
キシビフェニルが含まれているものが特に好ましい。そ
の他のa群では、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、2,2−ビス(3’,5’−ジ
メチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス
(2−ターシャリブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)スルフィドが特に好ましい。又、スチルベン
型フェノールでは、b群から選ばれる1種以上と、c群
から選ばれる1種以上との混合物が、グリシジルエーテ
ル化物の軟化点が低くなるため好ましい。これらの混合
比、混合方法等は特に限定しない。
【0016】本発明のノボラック型フェノール樹脂
(a)と結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェノール
類(b)との混合比は、重量比(a/b)で0.1〜1
9が好ましく、特に、0.5〜9が好ましい。重量比が
0.1未満だと、グリシジルエーテル化したときに生成
したノボラック型エポキシ樹脂に由来するガラス転移温
度、熱時曲げ強さを十分に発現できないので好ましくな
い。又、重量比が19を越えると、グリシジルエーテル
化したときに生成した結晶性エポキシ樹脂に由来する低
粘度化の効果が薄くなり、無機充填材の高充填化ができ
ないので好ましくない。本発明のエポキシ樹脂の合成方
法については特に限定しないが、例えば、混合多価フェ
ノールを過剰のエピクロルヒドリンに溶解した後、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化
物の存在下で50〜150℃、好ましくは60〜120
℃で1〜10時間反応させる方法が挙げられる。反応終
了後、過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物をト
ルエン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解し、濾
過し、水洗して無機塩を除去し、次いで溶剤を留去する
ことにより目的のエポキシ樹脂を得ることができる。生
成したエポキシ樹脂の塩素イオン、ナトリウムイオン、
その他フリーのイオンは極力少ないことが望ましい。本
発明のエポキシ樹脂の軟化点としては、80〜110℃
の範囲にあることが好ましく、特に、90〜100℃が
好ましい。80℃未満だと、常温で液状又は半固形状で
あり、グリシジルエーテル化処理後の作業性の問題や、
これを用いたエポキシ樹脂組成物の常温保存性の低下、
或いはその硬化物のガラス転移温度の低下のおそれがあ
るので好ましくない。110℃を越えると、グリシジル
エーテル化したときに生成したノボラック型エポキシ樹
脂自体の粘度が高くなり、同時に生成した結晶性エポキ
シ樹脂成分の低粘度化の効果が薄くなるので好ましくな
い。軟化点の測定方法は、JIS K 7234の環球
法に準じた。本発明のエポキシ樹脂の融解熱量として
は、5〜35mJ/mgが好ましい。この融解熱量は、
結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェノール類(b)
のグリシジルエーテル化により生成する結晶性エポキシ
樹脂に由来している。5mJ/mg未満だと、エポキシ
樹脂は低軟化点のノボラック型エポキシ樹脂のような挙
動を示し、作業性が著しく低下するので好ましくない。
35mJ/mgを越えると、結晶性エポキシ樹脂のよう
な挙動を示し、ノボラック型エポキシ樹脂に由来する高
いガラス転移温度や硬化性(成形性)を維持することが
できなくなるため好ましくない。本発明での融解熱量と
は、示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)・製)を
用い、エポキシ樹脂10mg前後を精秤し、昇温速度5
℃/分で測定した吸熱ピークの熱量を言う。又、本発明
のエポキシ樹脂の特性を損なわない範囲で、他のエポキ
シ樹脂を併用できる。併用できるエポキシ樹脂として
は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフタ
レン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ
樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ
樹脂等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても
良い。
【0017】本発明で用いられるフェノール樹脂硬化剤
は、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する
モノマー、オリゴマー及びポリマー全般を言う。例え
ば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル
樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、テルペン変性フェノ
ール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等
が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても良い。
これらのフェノール樹脂硬化剤は、分子量、軟化点、水
酸基当量等に制限なく使用することができる。全エポキ
シ樹脂のエポキシ基に対する全フェノール樹脂硬化剤の
フェノール性水酸基の当量比としては、好ましくは0.
5〜2.0、特に好ましくは0.7〜1.5である。
0.5〜2.0の範囲を外れると、硬化性、耐湿信頼性
等が低下するので好ましくない。
【0018】本発明で用いられる無機充填材の種類につ
いては特に制限はなく、一般に封止材料に用いられてい
るものを使用することができる。例えば、溶融破砕シリ
カ、溶融球状シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ、ア
ルミナ、チタンホワイト、水酸化アルミニウム、タル
ク、クレー、ガラス繊維等が挙げられ、特に溶融球状シ
リカが好ましい。形状は限りなく真球状であることが好
ましく、又、粒子の大きさの異なるものを混合すること
により充填量を多くすることができる。無機充填材の含
有量としては、全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂硬化
剤との合計量100重量部当たり200重量部以上90
0重量部未満が好ましい。特に400〜800重量部で
あれば、従来のオルソクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂を主として用いたエポキシ樹脂組成物よりも吸湿率
が低くなり、クラックの発生を防止することができるの
でより好ましい。200重量部未満だと、無機充填材に
よる補強効果が十分に発現せず、且つ吸湿要因である樹
脂成分の含有量が多くなるので、高吸湿性となるおそれ
があり、900重量部以上だと、エポキシ樹脂組成物の
流動性が低下し、成形時に充填不良等が生じるおそれが
あるので好ましくない。本発明の無機充填材は、予め十
分に混合しておくことが好ましい。又、必要に応じて無
機充填材をカップリング剤やエポキシ樹脂或いはフェノ
ール樹脂硬化剤で予め処理して用いても良く、処理の方
法としては、溶剤を用いて混合した後に溶媒を除去する
方法や、直接無機充填材に添加し、混合機を用いて処理
する方法等がある。
【0019】本発明に用いる硬化促進剤(D)である分
子会合体は、テトラ置換ホスホニウム(X)と1分子内
にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)及
び1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合
物(Y)の共役塩基との分子会合体であって、該共役塩
基は、前記フェノール性水酸基を1分子内に2個以上有
する化合物(Y)から1個の水素を除いたフェノキシド
型化合物である。本発明の分子会合体の構成成分の一つ
であるテトラ置換ホスホニウム(X)の置換基について
は、何ら限定されず、置換基は互いに同一であっても異
なっていてもよい。例えば、置換又は無置換のアリール
基やアルキル基を置換基に有するテトラ置換ホスホニウ
ムイオンが、熱や加水分解に対して安定であり好まし
い。具体的には、テトラフェニルホスホニウム、テトラ
トリルホスホニウム、テトラエチルフェニルホスホニウ
ム、テトラメトキシフェニルホスホニウム、テトラナフ
チルホスホニウム、テトラベンジルホスホニウム、エチ
ルトリフェニルホスホニウム、n−ブチルトリフェニル
ホスホニウム、2−ヒドロキシエチルトリフェニルホス
ホニウム、トリメチルフェニルホスホニウム、メチルジ
エチルフェニルホスホニウム、メチルジアリルフェニル
ホスホニウム、テトラ−n−ブチルホスホニウム等を例
示できる。
【0020】本発明の分子会合体の構成成分である、1
分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物
(Y)としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジメチルフェニル)メタン(通称テトラメチルビス
フェノールF)、4,4’−スルホニルジフェノール、
4,4’−イソプロピリデンジフェノール(通称ビスフ
ェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒ
ドロキシフェニル)−(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン及びこれらの内ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒ
ドロキシフェニル)−(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ンの3種の混合物(例えば、本州化学工業(株)・製、
ビスフェノールF−D)等のビスフェノール類、1,2
−ベンゼンジオール、1,3−ベンゼンジオール、1,
4−ベンゼンジオール等のジヒドロキシベンゼン類、
1,2,4−ベンゼントリオール等のトリヒドロキシベ
ンゼン類、1,6−ジヒドロキシナフタレン等のジヒド
ロキシナフタレン類の各種異性体、2,2’−ビフェノ
ール、4,4’−ビフェノール等のビフェノール類の各
種異性体等の化合物が挙げられる。更に、他の構成成分
である共役塩基は、上記の化合物(Y)から1個の水素
を除いたフェノキシド型化合物である。
【0021】本発明の分子会合体は、前述のようにホス
ホニウム−フェノキシド型の塩を構造中に有するが、従
来の技術におけるホスホニウム−有機酸アニオン塩型の
化合物と異なる点は、本発明の分子会合体では水素結合
による高次構造がイオン結合を取り囲んでいる点であ
る。従来の技術における塩では、イオン結合の強さのみ
により反応性を制御しているのに対し、本発明の分子会
合体では、常温ではアニオンの高次構造による囲い込み
が活性点の保護を行う一方、成形の段階においては、こ
の高次構造が崩れることで活性点がむき出しになり、反
応性を発現する、いわゆる潜伏性が付与されている。
【0022】本発明の分子会合体の製造方法としては、
何ら限定されないが、代表的な2方法を挙げることがで
きる。1つ目は、テトラ置換ホスホニウム・テトラ置換
ボレート(Z)と、1分子内にフェノール性水酸基を2
個以上有する化合物(Y)とを、高温下で反応させた
後、更に沸点60℃以上の溶媒中で熱反応させる方法で
ある。2つ目は、1分子内にフェノール性水酸基を2個
以上有する化合物(Y)と、無機塩基又は有機塩基と、
テトラ置換ホスホニウムハライドとを反応させる方法で
ある。用いるテトラ置換ホスホニウムハライドの置換基
については、何ら限定されることはなく、置換基は互い
に同一であっても異なっていてもよい。例えば、置換又
は無置換のアリール基やアルキル基を置換基に有するテ
トラ置換ホスホニウムイオンが、熱や加水分解に対して
安定であり好ましい。具体的には、テトラフェニルホス
ホニウム、テトラトリルホスホニウム、テトラエチルフ
ェニルホスホニウム、テトラメトキシフェニルホスホニ
ウム、テトラナフチルホスホニウム、テトラベンジルホ
スホニウム、エチルトリフェニルホスホニウム、n−ブ
チルトリフェニルホスホニウム、2−ヒドロキシエチル
トリフェニルホスホニウム、トリメチルフェニルホスホ
ニウム、メチルジエチルフェニルホスホニウム、メチル
ジアリルフェニルホスホニウム、テトラ−n−ブチルホ
スホニウム等を例示できる。ハライドとしてはクロライ
ドやブロマイドを例示でき、テトラ置換ホスホニウムハ
ライドの価格や吸湿等の特性、及び入手のし易さから選
択すれば良く、いずれを用いても差し支えない。
【0023】又、本発明の分子会合体の特性を損なわな
い範囲で、その他の硬化促進剤を併用しても何ら問題は
ない。併用できる硬化促進剤としては、エポキシ樹脂と
フェノール樹脂硬化剤との架橋反応を促進するものであ
れば良く、例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7等のアミジン系化合物、トリフェニ
ルホスフィン、テトラフェニルホスフォニウム・テトラ
フェニルボレート塩等の有機リン系化合物、2−メチル
イミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。これらの硬化促
進剤は単独でも混合して用いても差し支えない。本発明
の分子会合体の含有量としては、全エポキシ樹脂と全フ
ェノール樹脂硬化剤との合計量100重量部当たり0.
4〜20重量部が好ましい。0.4重量部未満だと、加
熱成形時に十分な硬化性が得られないおそれがあり、一
方、20重量部を越えると、硬化が速すぎて成形時に流
動性の低下による充填不良等を生じるおそれがある。
【0024】本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(D)成分の他、必要に応じて臭素化エポキシ樹脂、酸
化アンチモン、リン化合物等の難燃剤、酸化ビスマス水
和物等の無機イオン交換体、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラ
ック、ベンガラ等の着色剤、シリコーンオイル、シリコ
ーンゴム等の低応力化成分、天然ワックス、合成ワック
ス、高級脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラフィン等
の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤を配合することが
できる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(D)成分、及びその他の添加剤等をミキサーを用いて
常温混合し、ロール、ニーダー、押出機等の混練機で溶
融混練し、冷却後粉砕して得られる。本発明のエポキシ
樹脂組成物を用いて、半導体素子等の電子部品を封止
し、半導体装置を製造するには、トランスファーモール
ド、コンプレッションモールド、インジェクションモー
ルド等の成形方法で硬化成形すればよい。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例で具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 [エポキシ樹脂の合成例]実施例及び比較例のエポキシ
樹脂Aの合成に使用したオルソクレゾールノボラック型
フェノール樹脂(軟化点62℃)の構造式(5)、及び
結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェノール類の構造
式(6)を以下に示す。
【化9】
【0026】
【化10】 実施例及び比較例で使用したエポキシ樹脂Aは、式
(5)と式(6)とを重量比8:2の配合割合で混合
し、常法によりグリシジルエーテル化して得た。軟化点
(90℃)、融解熱量(12mJ/mg)は、前述した
方法で測定した。エポキシ当量は195g/eq.であ
った。
【0027】[分子会合体の合成例]本州化学工業
(株)・製ビスフェノールF−D[ビス(モノヒドロキ
シフェニル)メタンの異性体混合物の商品名。化合物
(Y)に相当する。]300g(1.5モル)と、テト
ラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート
(Z)329g(0.5モル)とを3Lセパラブルフラ
スコに仕込み、200℃で3時間反応させた。この反応
でのベンゼン留出量は、理論生成量の97重量%(即ち
ベンゼン留出率97%)であった。この反応による粗生
成物を微粉砕し、セパラブルフラスコに仕込み、2−プ
ロパノールを粗生成物の仕込み重量の3倍量加え、内温
82.4℃(2−プロパノールの沸点温度)で1.5時
間攪拌した。その後、2−プロパノールの大部分を除去
し、更に加熱減圧下で低沸点分を除去した。得られた生
成物を化合物D1とした。又、溶媒を重メタノールとし
て、D1の1H−NMRでの測定を行った。4.8pp
m付近及び3.3ppm付近のピークは溶媒のピーク
で、6.4〜7.1ppm付近のピーク群は、原料であ
るビスフェノールF[(X)1モルに対するモル数
(a)]及びこのビスフェノールFから1個の水素を除
いたフェノキシド型の共役塩基[(X)1モルに対する
モル数(b)]のフェニルプロトン、7.6〜8.0p
pm付近のピーク群は、テトラフェニルホスホニウム基
のフェニルプロトンと帰属され、それらの面積比から、
モル比が(a+b)/(X)=2.2/1であると計算
された。
【0028】[エポキシ樹脂組成物の合成例]配合割合
は重量部とする。 (実施例1) エポキシ樹脂A 21.3重量部 式(7)のフェノールノボラック樹脂硬化剤(水酸基当量105g/eq.、 軟化点83℃) 11.7重量部
【化11】 溶融球状シリカ(平均粒径20μm) 67.0重量部 化合物D1 3.3重量部 臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量359g/eq.) 1.0重量部 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.5重量部 カーボンブラック 0.2重量部 カルナバワックス 0.5重量部 をミキサーを用いて混合した後、表面温度が90℃と4
5℃の2本ロールを用いて30回混練し、得られた混練
物シートを冷却後粉砕して、エポキシ樹脂組成物とし
た。得られたエポキシ樹脂組成物の特性を以下の方法で
評価した。結果を表1に示す。
【0029】評価方法 スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイ
ラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175℃、
注入圧力70kg/cm2、硬化時間2分で測定した。
単位はcm。 バコール硬度:トランスファー成形機を用いて、金型温
度175℃、注入圧力75kg/cm2、硬化時間2分
で16pSOPを成形した。金型が開いて10秒後の成
形品の表面硬度をバコール硬度計#935を用いて測定
した。 吸湿率:トランスファー成形機を用いて、金型温度17
5℃、注入圧力75kg/cm2、硬化時間2分で直径
50mm、厚さ3mmの円盤を成形し、175℃、8時
間で後硬化し、85℃、相対湿度85%の環境下で72
時間放置し、重量変化を測定して吸湿率を求めた。単位
は重量%。 熱時強度:熱時曲げ強度、及び熱時曲げ弾性率をJIS
K 6911に準じて(240℃で)測定した。単位
はいずれもN/mm2。 耐半田クラック性:トランスファー成形機を用いて、金
型温度175℃、注入圧力75kg/cm2、硬化時間
2分で100pTQFP(パッケージサイズは14×1
4mm、厚み1.4mm、半導体素子の寸法は8.0×
8.0mm、リードフレームは42アロイ製)を成形
し、175℃、8時間で後硬化し、得られたパッケージ
を85℃、相対湿度85%で168時間放置し、その後
240℃の半田槽に10秒間浸漬した。顕微鏡でパッケ
ージを観察し、外部クラック発生率[(外部クラック発
生パッケージ数)/(全パッケージ数)×100]を求
めた。単位は%。又、半導体素子とエポキシ樹脂組成物
の剥離面積の割合を超音波探傷装置を用いて測定し、剥
離率[(剥離面積)/(半導体素子面積)×100]を
求めた。単位は%。 30℃保存性:30℃で1週間保存した後、スパイラル
フローを測定し、調製直後のスパイラルフローに対する
百分率として表した。単位は%。
【0030】(実施例2〜13、比較例1〜6)表1、
表2の配合に従い、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂
組成物を得て、実施例1と同様にして評価した。結果を
表1、表2に示す。
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】本発明に従うと、速硬化性、常温保存特
性に優れ、低溶融粘度で低内部応力の特性を有し、且つ
耐熱性に優れる半導体封止用エポキシ樹脂組成物が得ら
れ、これを用いた半導体装置は耐半田クラック性に優れ
ている。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(1)で示されるノボラッ
    ク型フェノール樹脂(a)と、結晶性エポキシ樹脂の前
    駆体であるフェノール類(b)とを混合し、グリシジル
    エーテル化したエポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬
    化剤、(C)無機充填材、及び(D)テトラ置換ホスホ
    ニウム(X)と1分子内にフェノール性水酸基を2個以
    上有する化合物(Y)及び1分子内にフェノール性水酸
    基を2個以上有する化合物(Y)の共役塩基との分子会
    合体であって、該共役塩基が前記フェノール性水酸基を
    1分子内に2個以上有する化合物(Y)から1個の水素
    を除いたフェノキシド型化合物からなる硬化促進剤を必
    須成分とし、(a)と(b)との重量比(a/b)が
    0.1〜19であり、全エポキシ樹脂のエポキシ基に対
    する全フェノール樹脂硬化剤のフェノール性水酸基の当
    量比が0.5〜2.0であり、無機充填材の含有量が全
    エポキシ樹脂と全フェノール樹脂硬化剤の合計量100
    重量部当たり200重量部以上900重量部未満であ
    り、該分子会合体の含有量が全エポキシ樹脂と全フェノ
    ール樹脂硬化剤の合計量100重量部当たり0.4〜2
    0重量部であることを特徴とする半導体封止用エポキシ
    樹脂組成物。 【化1】 (ただし、式中のR1は炭素数1〜6のアルキル基を表
    し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよ
    い。mは0〜3の整数。nは平均値であり、1以上の正
    数。)
  2. 【請求項2】 1分子内にフェノール性水酸基を2個以
    上有する化合物(Y)が、ジヒドロキシベンゼン類、ト
    リヒドロキシベンゼン類、ビスフェノール類、ビフェノ
    ール類、ジヒドロキシナフタレン類、フェノールノボラ
    ック樹脂、フェノールアラルキル樹脂の中から選択され
    る1種以上である請求項1記載の半導体封止用エポキシ
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 分子会合体が、テトラ置換ホスホニウム
    ・テトラ置換ボレート(Z)と、1分子内にフェノール
    性水酸基を2個以上有する化合物(Y)とを、高温下で
    反応させた後、更に沸点60℃以上の溶媒中で熱反応さ
    せて得られるものである請求項1〜2記載の半導体封止
    用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 分子会合体が、1分子内にフェノール性
    水酸基を2個以上有する化合物(Y)と、無機塩基又は
    有機塩基と、テトラ置換ホスホニウムハライドとを反応
    させて得られるものである請求項1〜2記載の半導体封
    止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 テトラ置換ホスホニウム(X)が、テト
    ラフェニルホスホニウムである請求項1〜4記載の半導
    体封止用エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 無機充填材(C)の含有量が全エポキシ
    樹脂と全フェノール樹脂硬化剤の合計量100重量部当
    たり400〜800重量部である請求項1〜5記載の半
    導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 一般式(1)で示されるノボラック型フ
    ェノール樹脂(a)と、結晶性エポキシ樹脂の前駆体で
    あるフェノール類(b)とを混合し、グリシジルエーテ
    ル化したエポキシ樹脂(A)が、軟化点80〜110℃
    である請求項1〜6記載の半導体封止用エポキシ樹脂組
    成物。
  8. 【請求項8】 一般式(1)で示されるノボラック型フ
    ェノール樹脂(a)と、結晶性エポキシ樹脂の前駆体で
    あるフェノール類(b)とを混合し、グリシジルエーテ
    ル化したエポキシ樹脂(A)が、融解熱量5〜35mJ
    /mgである請求項1〜7記載の半導体封止用エポキシ
    樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェ
    ノール類(b)が、一般式(2)、一般式(3)、又は
    一般式(4)から選ばれる一種以上である請求項1〜8
    記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化2】 (ただし、式中のR2は炭素数1〜6のアルキル基を表
    し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよ
    い。mは0〜4の整数。) 【化3】 【化4】 (ただし、式中のR5は水素原子、炭素数1〜6のアル
    キル基を表し、それらは互いに同一であっても異なって
    いてもよい。R6は炭素数1〜6のアルキル基を表し、
    それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。m
    は0〜4の整数。)
  10. 【請求項10】 結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフ
    ェノール類(b)が、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
    ル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テ
    トラメチルビフェニル、ビス(3,5−ジメチル−4−
    ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3’,
    5’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパ
    ン、ビス(2−ターシャリブチル−5−メチル−4−ヒ
    ドロキシフェニル)スルフィド、又は、3−ターシャリ
    ブチル−2,4’−ジヒドロキシ−3’,5’,6−ト
    リメチルスチルベン、3−ターシャリブチル−4,4’
    −ジヒドロキシ−3’,5,5’−トリメチルスチルベ
    ン、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−
    3’,5’,6−トリメチルスチルベンの3種から選ば
    れる1種以上と4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,
    5,5’−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒド
    ロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジ
    メチルスチルベン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’
    −ジターシャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベ
    ン、2,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリ
    ブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,2’−ジ
    ヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチル
    ベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャ
    リブチル−5,5’−ジメチルスチルベンの6種から選
    ばれる1種以上との混合物である請求項1〜9記載の半
    導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10記載のいずれかの半導
    体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止
    してなることを特徴とする半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI482815B (zh) * 2006-03-31 2015-05-01 Sumitomo Bakelite Co 半導體密封用樹脂組成物及半導體裝置
EP3536745A4 (en) * 2016-11-02 2020-05-13 Sumitomo Bakelite Co., Ltd. COMPOSITION AND STRUCTURE OF EPOXY RESIN

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