JP2000327755A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JP2000327755A
JP2000327755A JP11141066A JP14106699A JP2000327755A JP 2000327755 A JP2000327755 A JP 2000327755A JP 11141066 A JP11141066 A JP 11141066A JP 14106699 A JP14106699 A JP 14106699A JP 2000327755 A JP2000327755 A JP 2000327755A
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molecule
resin composition
molecular
thermosetting resin
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Masahito Akiyama
仁人 秋山
Sumiya Miyake
澄也 三宅
Yoshiyuki Go
義幸 郷
Hiroshi Nagata
永田  寛
Akiko Okubo
明子 大久保
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 速硬化性と保存安定性とを両立させた、電気
・電子材料分野に有用な熱硬化性樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】 1分子内にエポキシ基を2個以上有する
化合物(A)、1分子内にフェノール性水酸基を2個以
上有する化合物(B)、ならびに、テトラフェニルホス
ホニウム(X)1分子と、式(1)で表される化合物か
らなる群より選ばれた、少なくとも一種である化合物
(Y)2〜2.5分子とで形成される分子会合体の構造
を有し、かつ、該構造において前記化合物(Y)は、そ
のフェノール性水酸基の一つが共役塩基であるフェノキ
シド型の化合物からなるモル比の分子化合物(C)を必
須成分とすることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。 【化1】 式中、RはCH2またはC(CH32を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性と保存性が
良好で、電気・電子材料分野に有用な熱硬化性樹脂組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気・電子材料、特にIC封止材料は近
年、生産効率の向上を目的とした速硬化性と、物流・保
管時のハンドリング性向上のための保存性の向上とが求
められるようになってきている。
【0003】従来、電子電気分野向けエポキシ樹脂に
は、硬化触媒としてアミン類、イミダゾール系化合物、
ジアザビシクロウンデセンなどの含窒素複素環式化合
物、第四級アンモニウム、ホスホニウムあるいはアルソ
ニウム化合物などの種々の化合物が使用されている。
【0004】これら一般に使用される硬化触媒は、常温
などの比較的低温においても硬化促進作用を示す場合が
多い。このことは、樹脂組成物の製造および保存時の粘
度上昇や、流動性の低下、硬化性のばらつきなど、製品
としての品質を低下させる原因となっている。
【0005】この問題を解決すべく、近年では低温での
粘度、流動性の経時変化を抑え、賦形、成形時の加熱に
よってのみ硬化反応を起こすような、いわゆる潜伏性硬
化促進剤の研究が盛んになされている。その手段とし
て、硬化促進剤の活性点をイオン対により保護すること
で、潜伏性を発現する研究がなされており、特開平8−
41290号公報では種々の有機酸とホスホニウムイオ
ンとの塩構造を有する潜伏性硬化促進剤が開示されてい
る。しかし、このホスホニウム塩は特定の高次の分子構
造を有さず、イオン対が比較的容易に外部環境の影響を
受けるため、近年の低分子エポキシ樹脂やフェノールア
ラルキル樹脂を用いる半導体封止材料では、保存性が低
下する問題が生じている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、速硬化性と
保存安定性とを両立させた、電気・電子材料分野に有用
な熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は1分子
内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)、1分子
内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物
(B)、ならびに、テトラフェニルホスホニウム(X)
1分子と、式(1)で表される化合物からなる群より選
ばれた、少なくとも一種である化合物(Y)2〜2.5
分子とで形成される分子会合体の構造を有し、かつ、該
構造において前記化合物(Y)は、そのフェノール性水
酸基の一つが共役塩基であるフェノキシド型の化合物か
らなる分子化合物(C)を必須成分とすることを特徴と
する熱硬化性樹脂組成物に関するものであり、硬化促進
剤として反応活性点が保護された分子化合物の構造を利
用することで、きわめて優れた硬化性と保存性を有する
組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0008】
【化1】 式中、RはCH2またはC(CH32を表す。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は1分子内にエポキシ基を
2個以上有する化合物(A)、1分子内にフェノール性
水酸基を2個以上有する化合物(B)、ならびに、テト
ラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート(Z)
(以下、ボレート(Z)と略する)と式(1)で表され
る化合物からなる群より選ばれた、少なくとも一種であ
る化合物(Y)(以下化合物(Y)と略す)とを反応さ
せて合成されるテトラフェニルホスホニウム(X)1分
子と前記化合物(Y)2〜2.5分子とで形成される分
子会合体の構造を有し、かつ、該構造において前記化合
物(Y)は、そのフェノール性水酸基の一つが共役塩基
であるフェノキシド型の化合物からなる分子化合物
(C)を配合した熱硬化性樹脂組成物により、きわめて
優れた硬化性と保存性を得るものである。
【0010】本発明において用いる1分子内にエポキシ
基を2個以上有する化合物(A)は、1分子内にエポキ
シ基を2個以上有するものであれば何ら制限はなく、例
えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキ
シ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂など、ビフェノール
などのフェノール類やフェノール樹脂、ナフトール類な
どの水酸基にエピクロロヒドリンを反応させて製造する
エポキシ樹脂の他、脂環式エポキシ樹脂のようにオレフ
ィンを過酸を用いて酸化させエポキシ化したエポキシ樹
脂や、ハイドロキノン等のジヒドロキシベンゼン類をエ
ピクロロヒドリンでエポキシ化したものも含まれる。
【0011】本発明において用いる1分子内にフェノー
ル性水酸基を2個以上有する化合物(B)は、1分子内
にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)の硬化剤と
して作用するものである。具体的には、フェノールノボ
ラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、アルキル変性
ノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトー
ル類とフェノール類をカルボニル基含有化合物と共縮合
した樹脂などが例示されるが、1分子内で芳香族性の環
に結合する水素原子が水酸基で2個以上置換された化合
物であればよい。
【0012】本発明において用いる分子化合物(C)を
合成するためのボレート(Z)と反応させる、化合物
(Y)としては、式(1)で表される化合物からなる群
より選ばれた少なくとも一種であり、具体的には、4,
4’−イソプロピリデンジフェノール(通称ビスフェノ
ールA)や、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロ
キシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタンおよ
びこれらのうちビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン及び(2−
ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ンの混合物(たとえば本州化学製、ビスフェノールF−
D)などが例示される。
【0013】分子化合物(C)の合成方法は、テトラフ
ェニルホスホニウムテトラフェニルボレート(Z)と、
前記化合物(Y)とを、Z:Y=1:2〜4のモル比で
反応させた後、さらに沸点60℃以上の溶媒中で熱反応
させることにより行われる。
【0014】分子化合物(C)の合成における、反応の
前段階は、ホウ素上の置換反応を含む反応である。この
置換反応には化合物(Y)のフェノール性水酸基が深く
関与しており、ホウ素上に4つの置換基を有するボレー
ト(Z)と、2つのフェノール性水酸基を有する化合物
(Y)とのモル比の最適値は、一義的に決定される。具
体的には、1分子内の2つのフェノール性水酸基の両方
が反応に関与できる場合、およびその片方のみが反応に
関与できる場合の2通りが存在し、それぞれに対応する
ボレート(Z)と化合物(Y)のモル比はX:Y=1:
2および1:4である。
【0015】この範囲外、たとえばボレート(Z)に対
し化合物(Y)のモル比が1:2未満の場合では、反応
に必要な水酸基が不足し、ホウ素上での置換反応が十分
に行われないため、後段のアルコール系溶剤中での熱反
応が十分に行われない事がある。また、ボレート(Z)
に対し化合物(Y)のモル比が1:4を越える場合で
は、過剰に添加された化合物(Y)が除去しきれず、分
子化合物(C)の特性を劣化させると考えられる。実際
に本発明では、この範囲内にボレート(Z)と化合物
(Y)のモル比を設定することで、反応が最適に行われ
ることが、発明者らにより確認されている。この反応
は、ホウ素上のフェニル基がフェノール性水酸基で置換
される際に発生するベンゼン量でモニターでき、通常理
論発生量に対して80重量%以上のベンゼンが発生すれ
ば十分に反応が進行している。
【0016】分子化合物(C)の合成における後段の溶
媒中での熱反応の際に用いる溶媒は、溶媒の種類に関し
ては、沸点60℃以上であれば、特に制限はないが、1
分子内に水酸基を少なくとも1個有する沸点60℃以上
の溶媒が好ましく、特にメタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール等、通常用いられるアルコール系
溶媒が好適である。
【0017】また溶媒中での熱反応時間は1時間以上と
することが望ましいが、この熱反応とは、必ずしも還流
反応である必要はなく、実質的に60℃以上に加熱でき
る条件であれば、還流状態である必要はない。前述の条
件により、このプロセスにおいて、反応合成物が十分に
溶媒中に拡散され、これよりホウ素由来の成分や、余分
な成分(Y)が取り除かれて分子化合物(C)が形成さ
れる。
【0018】また、アルコール系溶剤を加熱することで
溶解度を一時的に上昇させ、不溶分を溶解した上で、再
び冷却により必要な分子化合物(C)を再析出させるこ
とが可能であることも、この条件の優れた点である。
【0019】本発明において用いる分子化合物(C)に
含まれる化合物(Y)は、フェノール性水酸基がフェノ
ラートになった共役塩基型の化合物との混合物となって
いるが、そのモル数は化合物(C)の中和適定による分
析結果より、ホスホニウムのモル数に等しいと考えられ
る。すなわち、ホスホニウム1モルに対して、フェノー
ル化合物(Y)は、2.0〜2.5モルであるが、その
フェノール性水酸基のうち一つは共役塩基であるフェノ
キシド型の化合物であると考えられる。
【0020】本発明に用いる分子化合物(C)は、前述
のようにホスホニウム−フェノキシド型の塩を構造に有
するが、これが従来の技術におけるホスホニウム−有機
酸アニオン塩型の化合物と異なる点は、本発明に用いる
分子化合物(C)では水素結合による高次構造がこのイ
オン結合を取り囲んでいる点である。従来の技術におけ
る塩では、イオン結合の強さのみにより反応性を制御し
ていたのに対し、本発明に用いる分子化合物(C)で
は、常温ではアニオンの高次構造による囲い込みが活性
点の保護を行う一方、実際の賦形の段階においては、こ
の高次構造が崩れることで活性点がむき出しになり、反
応性を発現する、いわゆる潜伏性が付与される。
【0021】本発明において用いる、1分子内にエポキ
シ基を2個以上有する化合物(A)と、硬化剤として機
能する、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有す
る化合物(B)の比率は、エポキシ基1モルに対し、フ
ェノール性水酸基を0.5〜2モル、好ましくは0.8
〜1.2程度のモル比となるよう用いると硬化性、耐熱
性、電気特性等がより良好となる。また、硬化促進剤と
して機能する、分子化合物(C)は、前記化合物
(A)、(B)の合計重量を100とした場合、0.5
〜2.0重量部程度が硬化性、保存性、他特性のバラン
スがよく好適である。
【0022】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、必要に応
じて無機充填材や離型剤、カップリング剤等当業者にて
公知の添加剤、副資材を組み合わせることは何らさしつ
かえない。エポキシ樹脂封止材料に本発明の熱硬化性樹
脂を用いる場合、無機充填剤は、化合物(A)、(B)
の合計重量を100とした場合、100〜2400重量
部程度、離型剤やカップリング剤は、0.1〜20重量
部程度が好適である。
【0023】本発明の樹脂組成物とするには、前記各成
分を混合後、加熱ニーダー、押し出し機、熱ロール等に
より、加熱混練する方法により製造することができる。
【0024】
【実施例】以下にこの発明の実施例を示すが、本発明が
これにより何らかの制限を受けるものではない。
【0025】まず、ボレート(Z)とフェノール化合物
(Y)から、硬化促進剤となる分子化合物(C)を合成
し、次に、得られた分子化合物(C)を1分子内にエポ
キシ基を2個以上有する化合物(A)、1分子内にフェ
ノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)に加えて
粉砕混合し、さらに100℃で5分間熱板上で溶融混練
した後、冷却粉砕して組成物のサンプルを調製した。特
性評価のため、キュラストメータによる硬化トルクの測
定および示差走査熱分析(DSC)による硬化発熱量残
存率を測定した。評価方法は下記のとおりである。
【0026】1.硬化トルク 前記のサンプル調製方法により作製した樹脂組成物を用
いて、キュラストメーター(オリエンテック社製、JS
RキュラストメーターPS型)により、175℃、45
秒後のトルクを求めた。キュラストメーターにおけるト
ルクは硬化性のパラメータであり、値の大きい方が硬化
性が高いことを示す。
【0027】2.硬化発熱量残存率(保存性評価) 前記のサンプル調製方法により作製した樹脂組成物を用
いて、調製直後の初期硬化発熱量、および40℃で3日
間保存処理後の硬化発熱量を測定し、初期硬化発熱量
(mj/mg)に対する保存処理後の硬化発熱量(mj
/mg)の百分率を算出した。尚、硬化発熱量の測定
は、昇温速度10℃/minの条件で示差熱分析により
測定した。この値が大きいほど保存性が良好であること
を示す。
【0028】3.中和適定 硬化促進剤の活性基当量評価のため、合成した分子化合
物(C)をメタノール/水系溶媒中でシュウ酸および水
酸化ナトリウムを用いて、そのアルカリ当量を測定し
た。具体的には分子化合物(C)を重量既知の過剰のシ
ュウ酸と反応させ、残余のシュウ酸を規定度既知の水酸
化ナトリウム水溶液で定量して、分子化合物(C)の重
量あたり規定度(N/g)を算出した。この値の逆数が
ホスホニウムフェノキシド当量となる。
【0029】4. 組成比の決定 合成した分子化合物(C)中のテトラフェニルホスホニ
ウム(X)と共役塩基型を含む化合物(Y)の組成比を
得るために、重メタノール溶媒中で1H−NMR測定を
行い、テトラフェニルホスホニウムのフェニルプロトン
の面積と、共役塩基型を含む化合物(Y)のフェニルプ
ロトンの面積を算出した。この値を用いて、成分の組成
比 (X/Y) が算出できる。
【0030】[硬化促進剤の合成] (合成例1)本州化学工業製ビスフェノールF−D(化
合物(Y)に相当)300.3g(1.5モル)と、テ
トラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート
(Z)325.6g(0.5モル)とを3Lセパラブル
フラスコに仕込み、200℃で3時間反応させた。この
反応でのベンゼン留出量は、理論生成量の97wt%
(すなわちベンゼン留出率97%)であった。
【0031】この反応による粗生成物を微粉砕し、セパ
ラブルフラスコに仕込み、2−プロパノールを粗生成物
の仕込み重量の3倍量加え、内温82.4℃(2−プロ
パノール沸点温度)で1.5時間攪拌させた。その後2
−プロパノールの大部分を除去し、さらに加熱減圧下で
低沸点分を除去した。得られた生成物を化合物C1とす
る。C1の1H−NMRデータを図1に示した。測定溶
媒は重メチルアルコールであり、4.8ppm付近およ
び3.3ppm付近のピークは溶媒のピークである。こ
こで、6.4〜7.1ppm付近のピーク群は原料であ
るビスフェノールFのフェニルプロトン、7.6〜8.
0ppm付近のピーク群はテトラフェニルホスホニウム
基のフェニルプロトンと帰属され、それらの面積比より
分子化合物(C)中でのテトラフェニルホスホニウム
(X)と共役塩基型を含む化合物(Y)のモル比が、X
/Y=1/2.2であると計算できる。
【0032】(合成例2〜5)合成例2〜5では、表1
に示した条件により、基本的な操作はすべて合成例1と
同様に行い、それぞれ化合物C2〜C5を調整した。
【0033】(比較合成例1)安息香酸ナトリウム7
2.05g(0.5モル)を200gのメタノールに溶
解したもを室温で攪拌し、テトラフェニルホスホニウム
ブロマイド209.6g(0.5モル)をメタノール2
00gに溶解したものをこれに滴下した。完全に滴下
後、溶液を加熱し析出分を再溶解したのち、これに純水
150gを加えて析出物を得た。この析出物を、吸引ろ
過し、純水で数回すすぎ、80℃の真空乾燥機で2時間
乾燥して比較合成品Dを得た。
【0034】
【表1】
【0035】[組成物のサンプル調製] (実施例1〜5、および比較例1、2)表2に示した配
合により、前記の方法で組成物のサンプルを調製し評価
した。比較例1では、実施例における化合物(C)にか
えてトリフェニルホスフィンを、比較例2では前述比較
合成例1で合成された化合物(D)を用いた。得られた
各組成物の評価結果は、表2に示した通りであった。
【0036】
【表2】
【0037】表2に示した各実施例の評価結果から明ら
かなように、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、優れた硬
化性と保存性を有するのに対して、比較例1の従来の硬
化促進剤であるトリフェニルホスフィンでは、明らかに
硬化性、保存性が劣る。また比較例2に用いた硬化促進
剤はテトラフェニルホスホニウム(X)と1官能の有機
酸(OA)が、X:OA=1:1のモル比で塩をなした
化合物であり、硬化性はやや高いものの、保存性はトリ
フェニルホスフィン同様非常に劣っている。これからも
本発明の分子化合物(C)が従来の硬化促進剤に比べ、
硬化性、保存性に大きく優れている事が分かる。
【0038】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、硬化性
と保存性に優れ、電気・電子部品の封止材料として用い
れば、生産効率の向上と、物流・保管時のハンドリング
性向上に寄与することができ、電気・電子材料分野にお
ける昨今の要求に応え得るものとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 合成例1で得られた化合物C1の1H−NM
Rチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永田 寛 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内 (72)発明者 大久保 明子 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内 Fターム(参考) 4J036 AA01 AC01 AD07 AF01 AF06 AF16 AK01 DA01 FB07 GA04 GA06 JA07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子内にエポキシ基を2個以上有する
    化合物(A)、1分子内にフェノール性水酸基を2個以
    上有する化合物(B)、ならびに、テトラフェニルホス
    ホニウム(X)1分子と、式(1)で表される化合物か
    らなる群より選ばれた、少なくとも一種である化合物
    (Y)2〜2.5分子とで形成される分子会合体の構造
    を有し、かつ、該構造において前記化合物(Y)は、そ
    のフェノール性水酸基の一つが共役塩基であるフェノキ
    シド型の化合物からなる分子化合物(C)を必須成分と
    することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。 【化1】 式中、RはCH2またはC(CH32を表す。
  2. 【請求項2】 請求項1の分子化合物(C)が、テトラ
    フェニルホスホニウムテトラフェニルボレート(Z)
    と、式(1)で表される化合物からなる群より選ばれ
    た、少なくとも一種である化合物(Y)とを、Z:Y=
    1:2〜4のモル比で反応させた後、さらに沸点60℃
    以上の溶媒中で熱反応させることにより合成されたもの
    である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001089636A (ja) * 1999-07-22 2001-04-03 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP2001089636A (ja) * 1999-07-22 2001-04-03 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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