JP2001084495A - 車間制御装置、車間警報装置及び記録媒体 - Google Patents

車間制御装置、車間警報装置及び記録媒体

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JP2001084495A JP25569999A JP25569999A JP2001084495A JP 2001084495 A JP2001084495 A JP 2001084495A JP 25569999 A JP25569999 A JP 25569999A JP 25569999 A JP25569999 A JP 25569999A JP 2001084495 A JP2001084495 A JP 2001084495A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車間制御及び警報の各処理の実行に際し、車両
確度が未定の物体の存在によって生じていた不要な減速
制御や警報処理を防止し、より運転フィーリングを向上
させる。 【解決手段】第1の先行車の車両確度が未定である場合
には、その第1の先行車の相対速度を略0、つまり0K
m/h付近の値であるとみなして第1の目標加速度を算
出する(S400)。それと共に、車両確度が車両であ
る物体の中から第2の先行車を選択し(S500)、そ
の第2の先行車に対する第2の目標加速度を算出して
(S700)、それら第1及び第2の先行車に対する目
標加速度の内で減速側により大きく制御可能な方を、実
際の車間制御に用いる目標加速度として選択する(S8
00)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自車を先行車に追
従させて走行させるための車間制御装置や車間が所定の
安全車間よりも短くなった場合に所定の警報処理を実行
する車間警報装置などに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の走行安全性を向上さ
せると共に、運転者の操作負担を軽減するための技術と
して、自車を先行車に自動的に追従させる車間制御装置
が知られている。その追従のさせ方は、自車と先行車と
の実車間距離と予め設定された目標車間距離との差であ
る車間偏差がなくなるように制御する手法である。具体
的には、この車間偏差と相対速度(先行車速度に対する
自車速度)とに基づいて目標加速度を算出し、自車の加
速度がその目標加速度となるように、加速装置や減速装
置を制御するのである。
【0003】なお、車間距離そのものではなく、例えば
車間距離を自車の車速で除算した値(以下「車間時間」
と称す)を用いても同様に実現できる。また、実際に
は、レーザ光あるいは送信波などを先行車に対して照射
し、その反射光あるいは反射波の受けるまでの時間を検
出して車間距離を算出しているため、その検出された時
間そのものを用い、実時間と目標時間にて同様の制御を
実行してもよい。このように車間距離に相当する物理量
であれば実現可能なため、これらを含めて「車間物理
量」と記すこととする。また、上述した目標加速度も、
「車間制御量」の一具体例であり、それ以外にも加速度
偏差(目標加速度−実加速度)や、目標トルク、あるい
は目標相対速度としてもよい。但し、以下の説明中、理
解を容易にする目的で、必要に応じて「車間物理量」の
例として車間距離、「車間制御量」の一例として目標加
速度を用いる場合がある。
【0004】このような車間制御においては、前方検出
レーダなどによって検出した車両前方の複数の物体から
適宜制御対象を選択することとなるが、例えば特開平5
−203737号には、前方検出領域を複数に分割し、
各領域内の最も近距離の物体についてそれぞれ危険度を
相対速度に基づいて判定し、車速を制御したり警報を行
ったりする技術が開示されている。また、特開平10−
95246号には、特に車線変更動作中において自車両
の推定進行路内に存在する物体の内、各々を制御対象と
して選択したときに、最も自車が減速すべきであると判
断される一つの物体を制御対象として選択し、車速制御
する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらはいずれも、前
方に検出される物体が車両であることを前提とした制御
方法である。しかしながら、前方検出レーダ、特にレー
ザレーダにおいては、検出された物体が車両であるか否
かを確実に判断できない状況があり得る。例えば、対面
通行道路の中央しきり線上に設置されたポールコーン
や、路側に設置されたガードレール脚柱などは、それら
の設置間隔をレーザレーダの検出周期で割った値と車速
とが等しい時には、あたかも移動する自車両に対して所
定の位置関係を保つ物体、つまり移動物体であると判断
されてしまうことがある。これらの検出物体は、検出距
離のばらつき等から車両であるかは疑わしいにもかかわ
らず、確実に「車両でない」とは判断できないため、制
御対象から除外してしまうことはできない。また、これ
らは自車両の進行路内において近距離に存在するため、
制御対象として選択してしまう。そして、これらの物体
は、あたかも移動する自車両に対して所定の位置関係を
保つように判断されるとは言え、実際には停止物体であ
るため、自車両からの距離がばらついて検出されると、
誤って大きな相対速度を持った物体であると判断してし
まう。したがって、自車両を不要に減速制御させてしま
う可能性があるという問題があった。
【0006】また、これまでは車間制御についての問題
点を挙げたが、実車間距離が所定の警報距離よりも短く
なった場合に警報音などを鳴らして車両運転者に注意を
喚起する際にも同様の問題が生じる。つまり、実際には
警報すべき先行車は存在しないのに、ポールコーンやガ
ードレール脚柱の存在によって無用な警報がなされてし
まい、運転フィーリングが悪化するのである。
【0007】そこで、本発明は、誤った先行車選択によ
る不要な減速制御を防止し、運転フィーリングを向上さ
せた車間制御を実現することを第1の目的とする。ま
た、誤った先行車選択による不要な警報を防止し、運転
フィーリングを向上させた車間警報を実現することを第
2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るためになされた請求項1に記載の車間制御装置におい
ては、物体認識手段が、認識対象の物体の自車に対する
相対位置及び相対速度を算出し、先行車選択手段が、物
体認識手段にて算出された物体の相対位置に基づき、物
体が自車の進行方向を基準として定められた自車線領域
内に存在するか否かを判定し、自車線領域内に存在する
物体の中から自車に対する先行車を選択する。そして車
間制御手段が、先行車選択手段によって選択された先行
車と自車との実車間距離に相当する物理量である実車間
物理量と、自車と先行車との目標車間距離に相当する物
理量である目標車間物理量との差である車間偏差、及び
自車と先行車との相対速度に基づいて車間制御量を算出
し、その算出された車間制御量に基づき加速手段及び減
速手段を駆動制御することによって、自車を先行車に追
従させて走行させることを前提とする。
【0009】なお、実車間物理量としては、例えばレー
ザ光あるいは送信波などを先行車に対して照射し、その
反射光あるいは反射波の受けるまでの時間を検出する構
成を採用した場合には、その検出した時間そのものを用
いてもよいし、車間距離に換算した値を用いてもよい
し、さらには、車速にて除算した車間時間を用いてもよ
い。また、車間制御量としては、目標加速度や加速度偏
差(目標加速度−実加速度)、あるいは目標トルクや目
標相対速度などが考えられる。
【0010】そして、本発明の車間制御装置は、車両確
度判定手段をさらに備えることで、より適切な車間制御
を実行できるようにした。すなわち、車両確度判定手段
は、物体認識手段にて認識された物体が車両である確か
らしさを示す車両確度を、少なくとも車両、車両以外、
未定の3種類に分類して判定する。この判定結果を利用
して先行車選択手段が次のような先行車選択を行う。つ
まり、車両確度判定手段によって判定された車両確度が
車両以外を除く物体の中から第1の先行車を選択し、当
該第1の先行車の車両確度が未定である場合には、さら
に、車両確度判定手段によって判定された車両確度が車
両である物体の中から第2の先行車を選択する。そして
車間制御手段は、第1の先行車の車両確度が車両である
場合には、当該第1の先行車を制御対象の先行車として
車間制御を実行し、一方、第1の先行車の車両確度が未
定である場合には、当該第1の先行車の相対速度を略0
であるとみなして車間制御量を算出すると共に、第2の
先行車に対する車間制御量を算出し、それら第1及び第
2の先行車に対する車間制御量の内で減速側により大き
く制御可能な方の制御量に基づいて車間制御を実行する
のである。
【0011】なお、車両確度の判定手法については、種
々考えられるが、例えば自車速と物体の相対速度とから
物体の速度を求め、移動物体であるか否かを判定した
り、物体が発生させる相対加速度に基づいて判定する方
法(例えば特開平9−178842号に開示)や、物体
の形状が通常の車両の形状と異なることに基づいて判定
する方法(例えば特開平9−184882号に開示)な
どが挙げられる。もちろん、これらの方法を用いたもの
に限られず、車両である確からしさを少なくとも車両、
車両以外、未定の3種類に分類して判定できればどのよ
うな方法でも構わない。
【0012】本発明の場合には、車両確度が車両以外の
場合には制御対象の先行車として選択されない。但し、
車両確度が「未定」の物体については制御対象から除く
ことはせずに、次のように対処する。つまり、第1の先
行車の車両確度が未定である場合には、車両確度が車両
である物体の中から第2の先行車を選択する。そしてそ
の第1の先行車の相対速度を略0であるとみなして車間
制御量を算出すると共に、第2の先行車に対する車間制
御量を算出し、それら第1及び第2の先行車に対する車
間制御量の内で減速側により大きく制御可能な方の制御
量に基づいて車間制御を実行する。
【0013】上述した解決課題において説明したよう
に、車両であるか否かを確実に判断できない物体が存在
することを考慮していないことが原因となって、自車両
を不要に減速制御させてしまうといった問題が発生して
いると考えられる。これに対して本発明の場合には、車
両であるか否かを確実に判断できない物体、すなわち車
両確度が「未定」の物体に対しては、相対速度を略0で
あるとみなして先行車の候補としておき、それとは別に
車両確度が「車両の」の物体から先行車候補を得る。そ
して、それらに対する車間制御量を考えた場合に、減速
側により大きく制御可能な方の制御量に基づいて車間制
御を実行する。そのため、例えば車両確度が「未定」の
物体(例えばポールコーン)を第1の先行車として選択
しているときに真の先行車(車両確度が「車両」の物
体)が接近してきて減速が必要な場合には、車両確度が
「車両」の物体は第2の先行車として選択され、この第
2の先行車に対する車間制御量が減速側に大きくなるた
め、こちらを制御対象の先行車として選択して車間制御
を行う。また、この真の先行車に対して減速が必要なけ
れば、ポールコーンのような車両確度が「未定」の物体
を制御対象の先行車として選択してしまう可能性があ
る。しかしこの場合は、先行車の相対速度が略0である
とみなして算出した車間制御量に基づいて車間制御を行
うため、誤って大きく減速制御してしまうことがなく、
運転者が感じる違和感を排除あるいは軽減させることが
できる。つまり、本発明によれば、誤った先行車選択に
よる不要な減速制御を防止し、運転フィーリングを向上
させた車間制御を実現することができる。
【0014】なお、請求項2に示すように、第1の先行
車を選択する際には、車両確度が車両以外を除く物体の
中で最も近距離に存在するものを選択し、第2の先行車
を選択する際には、車両確度が車両である物体の中で最
も近距離に存在するものを選択することが考えられる。
一般的には自車両から最も近距離に存在する物体を先行
車として選択することが好ましいからである。
【0015】また、これまでの説明では、第1の先行車
の車両確度が未定である場合、第1の先行車の相対速度
を略0であるとみなして車間制御量を算出していたが、
その代わりに、請求項3に示すように、車間制御量を、
自車両が加減速しないような値とみなしてもよい。例え
ば車間制御量として目標加速度を用いるのであれば目標
加速度=0とみなすのである。第1先行車の相対速度を
略0とみなした場合には、第1先行車が制御対象の先行
車として選択された場合に自車両が加減速してしまう場
合も想定されるが、このようにすれば、自車両が加減速
することがなくなる。
【0016】そのため、運転者が感じる違和感をより確
実に排除することができる。また、第1の目的を達成す
るために請求項4記載の構成を採用しても良い。請求項
4記載の車間制御装置は、上述した請求項1記載の車間
制御装置が前提とした構成と同様の前提構成を備え、車
両確度判定手段をさらに備えると共に、車間制御手段
が、次のような処理を行うことを特徴とする。すなわ
ち、車両確度判定手段によって判定された車両確度が車
両以外を除く全ての物体について、車両確度が未定の物
体については当該物体の相対速度を略0であるとみなし
て車間制御量を算出すると共に、車両確度が車両である
物体についても車間制御量を算出し、これらの内で減速
側に最も大きく制御可能な制御量に基づいて車間制御を
実行するのである。
【0017】請求項1記載の車間制御装置の場合には、
多くても2つの先行車の車間制御量を算出するだけで済
んでいたが、この請求項4の場合には、車両確度判定手
段によって判定された車両確度が車両以外を除く全ての
物体について車間制御量を算出することとなり、3つ以
上の物体に対する車間制御量を算出しなくてはならない
場合も想定される。しかし、このようにすることで、例
えば2台前、3台前の先行車を考慮した車間制御も可能
となる。例えば、直前の先行車は自車両よりも高速で走
行しているが、2台前の先行車が自車両よりも低速で走
行している場合には、直前の先行車が将来的に減速し、
結果的に自車両も減速しなくてはならない状況が生じ得
る。その場合、直前の先行車のみを考慮していると、一
旦加速した後にすぐに減速する、といった制御をしてし
まう可能性があるが、2台前の先行車を考慮すれば加速
せずに減速に移行でき、より運転フィーリングを向上さ
せた車間制御を実現することができる。
【0018】なお、このような構成を前提とした場合で
あっても、上述した請求項3と同様の工夫を施すことも
できる。つまり、請求項5に示すように、請求項4記載
の車間制御装置において、先行車選択手段が、車両確度
が未定の物体については、当該物体の相対速度を略0で
あるとみなして車間制御量を算出する代わりに、当該物
体に対する車間制御量を、自車両が加減速しないような
値とみなすのである。車両確度が未定の物体の相対速度
を略0とみなした場合には、その物体が制御対象の先行
車として選択された場合に自車両が加減速してしまう場
合も想定されるが、このようにすれば、自車両が加減速
することがなくなる。
【0019】一方、請求項6に示すように、上述した請
求項1〜5のいずれか記載の車間制御装置において、車
間制御手段が、制御対象の先行車として車両確度が未定
の物体が選択されている際には、減速制御は実行しない
ようにしてもよい。減速制御を実行しないための処理と
しては、例えばブレーキ装置などの減速装置の駆動を禁
止することなどが考えられる。このようにすれば、少な
くとも減速制御は禁止できるため、不要な減速がなされ
ることを防止することができる。
【0020】ここまでの説明は第1の目的を達成するた
めになされた車間制御装置に関するものであったが、次
に、第2の目的を達成するためになされた車間警報装置
に関する発明について説明する。請求項7に記載の車間
警報装置においては、物体認識手段が、認識対象の物体
の自車に対する相対位置及び相対速度を算出し、先行車
選択手段が、物体認識手段にて算出された物体の相対位
置に基づき、物体が自車の進行方向を基準として定めら
れた自車線領域内に存在するか否かを判定し、自車線領
域内に存在する物体の中から自車に対する先行車を選択
する。そして車間警報手段が、少なくとも、先行車選択
手段によって選択された先行車と自車との実車間距離に
相当する物理量である実車間物理量と、自車と先行車と
の相対速度に基づいて警報判定値を算出し、警報判定値
が所定の警報条件を満たしている場合に、車両運転者に
対する警報処理を実行することを前提とする。
【0021】そして、本発明の車間警報装置は、車両確
度判定手段をさらに備えることで、より適切な車間警報
を実行できるようにした。すなわち、車両確度判定手段
は、物体認識手段にて認識された物体が車両である確か
らしさを示す車両確度を、少なくとも車両、車両以外、
未定の3種類に分類して判定する。この判定結果を利用
して先行車選択手段が次のような先行車選択を行う。つ
まり、車両確度判定手段によって判定された車両確度が
車両以外を除く物体の中から第1の先行車を選択し、当
該第1の先行車の車両確度が未定である場合には、さら
に、車両確度判定手段によって判定された車両確度が車
両である物体の中から第2の先行車を選択する。そして
車間警報手段は、第1の先行車の車両確度が車両である
場合には、第1の先行車を制御対象の先行車として車間
警報を実行する。一方、第1の先行車の車両確度が未定
である場合には、第1の先行車の相対速度を略0である
とみなして警報判定値を算出すると共に、第2の先行車
に対する警報判定値を算出し、それら第1及び第2の先
行車に対する警報判定値の内で警報の必要度合いがより
大きな方の判定値に基づいて車間警報を実行するのであ
る。
【0022】車間警報においても、上述した車間制御の
場合と同様に、車両であるか否かを確実に判断できない
物体が存在することを考慮していないことが原因となっ
て、不要な警報処理が発生してしまうといった問題があ
る。これに対して本発明の場合には、車両であるか否か
を確実に判断できない物体、すなわち車両確度が「未
定」の物体に対しては、相対速度を略0であるとみなし
て先行車の候補としておき、それとは別に車両確度が
「車両の」の物体から先行車候補を得る。そして、それ
らに対する警報判定値を考えた場合に、より警報の必要
度合いが大きな判定値に基づいて車間警報を実行する。
そのため、例えば車両確度が「未定」の物体(例えばポ
ールコーン)を第1の先行車として選択しているときに
真の先行車(車両確度が「車両」の物体)が接近してき
て減速が必要な場合には、車両確度が「車両」の物体は
第2の先行車として選択され、この第2の先行車に対す
る警報判定値の方が、より警報必要度合いが大きくなる
ため、こちらの警報判定値に基づいて車間警報が行われ
る。なお、警報必要度合いが「より大きい」だけであっ
て、その場合の警報判定値によっては実際の警報処理が
不要な場合も当然あり得る。また、この真の先行車に対
する警報判定値よりも、ポールコーンのような車両確度
が「未定」の物体の警報判定値の方が警報必要度合いが
大きくなり、この未定物体を制御対象の先行車として選
択してしまう可能性がある。しかしこの場合は、先行車
の相対速度が略0であるとみなして算出した警報判定値
に基づいて車間警報を行うため、実際に警報処理がなさ
れることはほとんどないと考えられる。そのため、運転
者が感じる違和感を排除あるいは軽減させることができ
る。つまり、本発明によれば、誤った先行車選択による
不要な警報を防止し、運転フィーリングを向上させた車
間警報を実現することができる。
【0023】なお、車間警報装置においても、請求項8
に示すように、第1の先行車を選択する際には、車両確
度が車両以外を除く物体の中で最も近距離に存在するも
のを選択し、第2の先行車を選択する際には、車両確度
が車両である物体の中で最も近距離に存在するものを選
択することが考えられる。一般的には自車両から最も近
距離に存在する物体を先行車として選択することが好ま
しいからである。
【0024】また、上述した車間制御装置についての説
明で、請求項4に示すように、車両確度が車両以外を除
く全ての物体について、車両確度が未定の物体について
は当該物体の相対速度を略0であるとみなして車間制御
量を算出すると共に、車両確度が車両である物体につい
ても車間制御量を算出し、これらの内で減速側に最も大
きく制御可能な制御量に基づいて車間制御を実行する旨
を述べた。同様のことを車間警報装置において実行して
も良い。つまり、請求項9に示すように、車両確度が車
両以外を除く全ての物体について、車両確度が未定の物
体については当該物体の相対速度を略0であるとみなし
て警報判定値を算出すると共に、車両確度が車両である
物体についても警報判定値を算出し、これらの内で警報
の必要度合いが最も大きな警報判定値に基づいて車間警
報を実行するのである。
【0025】請求項7記載の車間警報装置の場合には、
多くても2つの先行車の警報判定値を算出するだけで済
んでいたが、この請求項9の場合には、3つ以上の物体
に対する警報判定値を算出しなくてはならない場合も想
定される。しかし、このようにすることで、例えば2台
前、3台前の先行車を考慮した車間警報も可能となる。
例えば、直前の先行車は自車両よりも高速で走行してい
るが、2台前の先行車が自車両よりも低速で走行してい
る場合には、直前の先行車が将来的に減速し、結果的に
自車両も減速しなくてはならない状況が生じ得る。その
場合、直前の先行車のみを考慮していると、警報されな
い可能性があるが、2台前の先行車を考慮すれば早期に
適切な警報を実行することができる。
【0026】また、上述の車間警報装置の場合には、
「警報判定値」という概念を用い、その判定値に基づい
て警報処理を実行するようにしたが、請求項10に示す
車間警報装置の場合は、前提となる車間警報手段が、実
車間物理量が所定の警報条件を満たしている場合に警報
処理を実行するものである。この場合は、第1の先行車
の車両確度が未定である場合に車間警報手段が次のよう
な車間警報を実行する。すなわち、第1の先行車の相対
速度を略0であるとみなして警報判定を実行すると共
に、第2の先行車に対する警報判定を実行し、それら第
1及び第2の先行車に対する警報判定の結果いずれかが
警報実行条件を満たしていれば車間警報を実行するので
ある。
【0027】なお、このタイプの車間警報装置において
も、請求項10に示すように、第1の先行車を選択する
際には、車両確度が車両以外を除く物体の中で最も近距
離に存在するものを選択し、第2の先行車を選択する際
には、車両確度が車両である物体の中で最も近距離に存
在するものを選択することが考えられる。
【0028】そして、このような構成を前提とする場合
であっても、請求項9のような車間警報制御も可能であ
る。すなわち、請求項12に示すように、車両確度が車
両以外を除く全ての物体について、車両確度が未定の物
体については当該物体の相対速度を略0であるとみなし
て警報判定を実行すると共に、車両確度が車両である物
体についても警報判定を実行し、これらの内のいずれか
が警報実行条件を満たしていれば車間警報を実行するの
である。
【0029】一方、これまでの説明では第1の先行車の
車両確度が未定である場合であっても警報判定値を算出
したり、警報判定を実行することを前提としていたが、
請求項7〜12の車間警報装置について、次のようにし
てもよい。請求項7又は8記載の車間警報装置において
は、請求項13に示すように、車間警報手段が、第1の
先行車の車両確度が未定である場合は警報判定値を算出
せず、第2の先行車に対する警報判定値に基づいて車間
警報を実行する。また、請求項9記載の車間警報装置に
おいては、請求項14に示すように、車間警報手段が、
車両確度が未定の物体については警報判定値を算出せ
ず、車両確度が車両である物体について警報判定値を算
出し、これらの内で警報の必要度合いが最も大きな警報
判定値に基づいて車間警報を実行する。また、請求項1
0又は11記載の車間警報装置においては、請求項15
に示すように、車間警報手段が、第1の先行車の車両確
度が未定である場合は警報判定を実行せず、第2の先行
車に対する警報判定の結果、警報実行条件を満たしてい
れば車間警報を実行する。さらに、請求項12記載の車
間警報装置においては、請求項16に示すように、車間
警報手段が、車両確度が未定の物体については警報判定
を実行せず、車両確度が車両である物体について警報判
定を実行し、これらの内のいずれかが警報実行条件を満
たしていれば車間警報を実行する。
【0030】このようにすれば、車両確度が未定の物体
に対しては警報がなされることがなくなる。なお、請求
項17,18に示すように、このような車間制御装置の
先行車選択手段、車間制御手段及び車両確度判定手段を
コンピュータシステムにて実現する機能、あるいは車間
警報装置の先行車選択手段、車間警報手段及び車両確度
判定手段をコンピュータシステムにて実現する機能は、
例えば、コンピュータシステム側で起動するプログラム
として備えることができる。このようなプログラムの場
合、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気
ディスク、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュ
ータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコ
ンピュータシステムにロードして起動することにより用
いることができる。この他、ROMやバックアップRA
Mをコンピュータ読み取り可能な記録媒体として前記プ
ログラムを記録しておき、このROMあるいはバックア
ップRAMをコンピュータシステムに組み込んで用いて
も良い。
【0031】また、車間制御装置における減速手段とし
ては、例えば自車に搭載されたブレーキ装置に対するブ
レーキ圧を調整して発生させた制動力により車両を減速
させたり、例えば内燃機関のスロットルバルブを全閉さ
せることにより、内燃機関に制動力(いわゆるエンジン
ブレーキ)を発生させたり、例えば自動変速器をシフト
ダウンさせることにより、自動変速器に制動力を発生さ
せるようにしてもよい。さらには、これらの制御を組み
合わせて、車両に制動力を発生させるようにしてもよ
い。
【0032】
【発明の実施の形態】図1は、上述した発明が適用され
た車間制御用電子制御装置2(以下、「車間制御EC
U」と称す。)およびブレーキ電子制御装置4(以下、
「ブレーキECU」と称す。)を中心に示す自動車に搭
載されている各種制御回路の概略構成を表すブロック図
である。
【0033】車間制御ECU2は、マイクロコンピュー
タを中心として構成されている電子回路であり、現車速
(Vn)信号、操舵角(str-eng ,S0)信号、ヨーレ
ート信号、目標車間時間信号、ワイパスイッチ情報、ア
イドル制御やブレーキ制御の制御状態信号等をエンジン
電子制御装置6(以下、「エンジンECU」と称す。)
から受信する。そして、車間制御ECU2は、この受信
したデータに基づいて、車間制御演算や車間警報演算を
している。
【0034】レーザレーダセンサ3は、レーザによるス
キャニング測距器とマイクロコンピュータとを中心とし
て構成されている電子回路であり、スキャニング測距器
にて検出した先行車の角度や距離等、および車間制御E
CU2から受信する現車速(Vn)信号、カーブ曲率半
径R等に基づいて、車間制御装置の一部の機能として先
行車の自車線確率を演算し、相対速度等の情報も含めた
先行車情報として車間制御ECU2に送信する。また、
レーザレーダセンサ3自身のダイアグノーシス信号も車
間制御ECU2に送信する。なお、このレーザレーダセ
ンサ3は、同一先行車判定手段としても機能する。
【0035】なお、前記スキャニング測距器は、車幅方
向の所定角度範囲に送信波あるいはレーザ光をスキャン
照射し、物体からの反射波あるいは反射光に基づいて、
自車と前方物体との距離をスキャン角度に対応して検出
可能な測距手段として機能している。
【0036】さらに、車間制御ECU2は、このように
レーザレーダセンサ3から受信した先行車情報に含まれ
る自車線確率等に基づいて、車間距離制御すべき先行車
を決定し、先行車との車間距離を適切に調節するための
制御指令値として、エンジンECU6に、目標加速度信
号、フューエルカット要求信号、ODカット要求信号、
3速シフトダウン要求信号、ブレーキ要求信号を送信し
ている。また警報発生の判定をして警報吹鳴要求信号を
送信したり、あるいは警報吹鳴解除要求信号を送信した
りする。さらに、ダイアグノーシス信号、表示データ信
号等を送信している。なお、この車間制御ECU2は、
先行車選択手段、車間制御手段及び車間警報手段に相当
する。
【0037】ブレーキECU4は、マイクロコンピュー
タを中心として構成されている電子回路であり、車両の
操舵角を検出する操舵角検出手段としてのステアリング
センサ8、車両旋回検出手段としてヨーレートを検出す
るヨーレートセンサ10、および各車輪の速度を検出す
る車輪速センサ12から操舵角やヨーレートを求めて、
これらのデータをエンジンECU6を介して車間制御E
CU2に送信したり、ブレーキ力を制御するためにブレ
ーキ油圧回路に備えられた増圧制御弁・減圧制御弁の開
閉をデューティ制御するブレーキアクチュエータ25を
制御している。またブレーキECU4は、エンジンEC
U6を介する車間制御ECU2からの警報要求信号に応
じて警報ブザー14を鳴動する。
【0038】エンジンECU6は、マイクロコンピュー
タを中心として構成されている電子回路であり、スロッ
トル開度センサ15、車両速度を検出する車速検出手段
としての車速センサ16、ブレーキの踏み込み有無を検
出するブレーキスイッチ18、クルーズコントロールス
イッチ20、クルーズメインスイッチ22、およびその
他のセンサやスイッチ類からの検出信号あるいはボデー
LAN28を介して受信するワイパースイッチ情報やテ
ールスイッチ情報を受信し、さらに、ブレーキECU4
からの操舵角(str-eng,S0 )信号やヨーレート信
号、あるいは車間制御ECU2からの目標加速度信号、
フューエルカット要求信号、ODカット要求信号、3速
シフトダウン要求信号、警報要求信号、ダイアグノーシ
ス信号、表示データ信号等を受信している。
【0039】そして、エンジンECU6は、この受信し
た信号から判断する運転状態に応じて、駆動手段として
の内燃機関(ここでは、ガソリンエンジン)のスロット
ル開度を調整するスロットルアクチュエータ24、トラ
ンスミッション26のアクチュエータ駆動段に対して駆
動命令を出力している。これらのアクチュエータによ
り、内燃機関の出力、ブレーキ力あるいは変速シフトを
制御することが可能となっている。なお、本実施形態の
場合のトランスミッション26は5速オートマチックト
ランスミッションであり、4速の減速比が「1」に設定
され、5速の減速比が4速よりも小さな値(例えば、
0.7)に設定された、いわゆる、4速+オーバードラ
イブ(OD)構成になっている。したがって、上述した
ODカット要求信号が出された場合、トランスミッショ
ン26が5速(すなわち、オーバードライブのシフト位
置)にシフトしていた場合には4速へシフトダウンす
る。また、シフトダウン要求信号が出された場合には、
トランスミッション26が4速にシフトしていた場合に
は3速へシフトダウンする。その結果、これらのシフト
ダウンによって大きなエンジンブレーキが生じ、そのエ
ンジンブレーキにより自車の減速が行われることとな
る。
【0040】また、エンジンECU6は、必要な表示情
報を、ボデーLAN28を介して、ダッシュボードに備
えられているLCD等の表示装置(図示していない。)
に送信して表示させたり、あるいは現車速(Vn)信
号、操舵角(str-eng,S0 )信号、ヨーレート信号、
目標車間時間信号、ワイパスイッチ情報信号、アイドル
制御やブレーキ制御の制御状態信号を、車間制御ECU
2に送信している。
【0041】次に、レーザレーダセンサ3にて行われる
処理について説明する。図2は、メイン処理を示すフロ
ーチャートであり、レーザレーダセンサ3は所定間隔で
この処理を実行する。処理が開始されると、まず、レー
ザレーダセンサ3に備えられたスキャニング測距器によ
る測距データ(距離・角度の計測データ)が読み込まれ
る(S1)。次に、認識対象の個々の車両などを物標化
する物標化処理を行う(S2)。そして、認識した物標
が車両である確からしさを示す車両確度を判定する(S
3)。その後、物標データを車間制御ECU2へ送信し
(S7)、本メイン処理を終了する。
【0042】次に、前記図2のステップ2にて行われる
物標化処理について説明する。この物標化処理に関して
は、既に本出願人が出願した特願平6−112779号
(特開平7−318652号)にて説明している物標化
処理と同様であるので、その説明は簡略化する。
【0043】図3のフローチャートに示すように、物標
化処理を開始すると、S31にて、測距データに基づい
て、障害物を不連続な点として認識し、それらの点の
内、近接するもの同士を一体化し、車両の幅方向の長さ
のみを有するセグメント(線分)として認識する。ここ
で「近接」とは、X軸方向、すなわち車両の幅方向の間
隔がレーザ光Hの照射間隔以下で、Y軸方向、すなわち
車両の前後方向の間隔が3.0m未満である場合とし
た。セグメント化とは、測距データの各点を所定の条件
により同一と想定される物体毎に1つのセグメントとし
てまとめる処理である。この処理は、例えば車両の左右
のテールランプに具備されている反射板あるいは車体な
ど、1台の車両を複数のスキャン角度において検出した
ような場合に、各点が同一の車両であると認識するため
に必要な処理である。
【0044】続くS32では、変数iに1を代入してS
33へ移行する。 S33では、物標Biか否かを判断
する。物標Bi(iは自然数)とは、後述の処理により
一まとまりのセグメントに対して作成される障害物のモ
デルである。始動時には物標Biが作成されていないの
で、否定判断して続くステップS34へ移行する。
【0045】S34では、対応する物標Biのないセグ
メントがあるか否かを判断する。前述のように、始動時
には物標Biが作成されていないので、S31にてセグ
メントを認識していれば、その全てのセグメントは対応
する物標Biのないセグメントである。この場合、肯定
判断してS35へ移行する。
【0046】S35では、物標Biの個数が所定値(レ
ーザ光Hが掃引照射される所定角度内に出現する障害物
の個数の上限値にマージンを加えた値)未満であるか否
かを判断する。始動時には物標Biの個数が前記所定値
未満であるので、肯定判断してS36へ移行する。
【0047】S36では、各セグメントに対して車両に
近接したものから順に物標Bj(j=1,2,…)を作
成し、一旦本物標化処理ルーチンを終了する。なお、物
標Bjを順次作成する途中で、物標の総数が前記所定値
に達したときは、それ以上物標Bjを作成しない。
【0048】ここで、各物標Bjは次のようなデータを
備えている。すなわち、中心座標(X,Y)、幅W、X
軸方向,Y軸方向の相対速度VX ,VY 、中心座標
(X,Y)の過去4回分のデータ、および、状態フラグ
Fjがそれである。そして、物標Bjの作成時には、前
記各データは次のように設定される。中心座標(X,
Y)および幅Wは、セグメントの中心座標および幅をそ
のまま使用する。また、VX=0,VY =車速の−1/
2倍、過去4回分のデータは空、Fj=0に設定する。
なお、状態フラグFjは、物標Bjの状態が、未定状
態,認識状態,または外挿状態のいずれであるかを表す
フラグであり、未定状態の場合は、Fj=0に設定され
る。尚、物標Bjの作成時には未定状態が設定される。
【0049】一方、S33にて物標Biである(YE
S)と判断した場合、S37へ移行して、その物標Bi
に対応するセグメントを検出する。尚、物標Biに対応
するセグメントとは、既に出願されている特願平6−1
12779号の図5に基づいて説明される内容と同じで
あり、そのセグメントの選択方法も同号の図6に基づい
て説明される内容と同じであるので、その説明は省略す
る。
【0050】続くS38では、対応するセグメントの有
無などに応じて、以下に説明する物標Biのデータ更新
処理を実行し、S39にて変数iをインクリメントした
後、S33へ移行する。なお、S33での物標Biのデ
ータ更新処理についても、既に出願されている特願平6
−112779号の図7に基づいて説明される内容と同
じであるので、その説明は省略した。
【0051】上述した処理により、セグメントとして認
識された障害物が過去に認識された物標Biと同一であ
るか否かを良好に判断することができる。このため、物
標Biに対応する障害物の自車両に対する相対速度(V
X,VY)を、正確に算出することができる。
【0052】次に、前記図2のステップ3にて行われる
車両確度判定処理について図4のフローチャートを参照
して説明する。なお、この処理は全物標に対して実施す
る。車両確度判定処理の最初のステップS51では、判
定対象の物標のY軸方向の相対速度VY に−1を掛けた
値が自車速に0.7を掛けた値よりも大きいか、又は判
定対象の物標のY軸方向の相対速度VY に自車速を足し
た値が10Km/h以下であるか、という条件成立を判
定する。これは停止物体か否かを判定するための条件判
定処理であり、条件が成立した場合には(S51:YE
S)、車両確度を「車両以外」として(S60)、本処
理ルーチンを終了する。
【0053】一方、条件が成立しない場合には(S5
1:NO)、車両確度が「車両以外」を除く「車両」あ
るいは「未定」のいずれかであるため、それらのいずれ
であるかをS52〜S57にて判定する。まずS52で
は、(相対速度今回値−前回値)を測距周期で割ること
によって相対加速度を算出する。そして、続くS53で
は、S52で算出した相対加速度の絶対値が所定値αAr
よりも大きいか否かを判断する。この所定値αArは、制
御対象として想定している車両においては取り得ないよ
うな値であり、S53で肯定判断された場合には、S5
9へ移行して車両確度を「未定」としてから、本処理ル
ーチンを終了する。つまり、S51での相対速度に着目
した判定では移動物体であると判定されるために「車両
以外」ではないとし、但し、相対加速度に着目したS5
3での判定では、通常の車両においては取り得ないよう
な値となっているため、車両確度は「未定」としたので
ある。
【0054】S54〜S57も同様の考え方で判定して
いる。すなわち、S54では、物標幅が所定値αOWより
も大きいか否かを判断し、S55では物標の奥行きが所
定値αODよりも大きいか否かを判断する。これら2つの
所定値αOW,αODは、それぞれ通常の車両においては取
り得ないような車幅及び車両の前後長であり、S53あ
るいはS54で肯定判断された場合には、S59へ移行
して、やはり車両確度を「未定」とする。また、S56
では、物標幅の変化、つまり幅今回値から幅前回値を引
いた値の絶対値が所定値αOWC よりも大きいか否かを判
断し、S57では物標の奥行きの変化、つまり奥行き今
回値から奥行き前回値を引いた値の絶対値が所定値αOD
C よりも大きいか否かを判断する。これら2つの所定値
αOWC,αODC についても、それぞれ通常の車両におい
ては取り得ないような車幅及び車両の前後長の変化量が
設定されている。
【0055】したがって、S53〜S57で全て否定判
断、すなわち相対加速度、物標幅、物標奥行き、物標幅
変化及び物標奥行き変化の観点での全ての条件を通常の
車両が取り得る範囲内であった場合には、車両確度を
「車両」としてから(S58)、本処理ルーチンを終了
する。
【0056】以上は、レーザレーダセンサ3にて行われ
る処理説明であったが、次に車間制御ECU2にて実行
される処理について説明する。図5は、車間制御ECU
2が実行するメイン処理を示すフローチャートであり、
最初のステップS100においてはレーザレーダセンサ
3から先行車に関するデータなどのレーザレーダデータ
を受信し、続くS110ではエンジンECU6から現車
速(Vn)や目標車間時間などのエンジンECUデータ
を受信する。
【0057】これらの受信データに基づき、第1先行車
選択(S300)、第1目標加速度演算(S400)及
び第1警報判定(S490)の各処理を実行する。これ
らの各処理の詳細は後述する。その後、第1先行車を認
識中であり且つその第1先行車の車両確度が「未定」で
あるか否かを判断し(S500)、そうであれば(S5
00:YES)、第2先行車選択(S600)、第2目
標加速度演算(S700)、制御先行車判定(S80
0)、第2警報判定(S890)、減速要求判定(S9
00)及び警報発生判定(S990)の各処理を実行す
る。これらの各処理の詳細は後述する。その後、推定R
の演算を行い(S1000)、レーザレーダセンサ3側
へは、現車速(Vn)や推定Rなどのレーザレーダデー
タを送信し(S1100)、エンジンECU6へは、目
標加速度やフューエルカット要求、ODカット要求、3
束シフトダウン要求、警報要求などのエンジンECUデ
ータを送信する(S1200)。
【0058】一方、S500にて否定判断、つまり、認
識中の第1先行車の車両確度が「車両」である場合に
は、S600での第2先行車の選択を行わず、S130
0へ移行して制御先行車を第1先行車に決定し、続くS
1400では目標加速度を第1先行車に対する第1目標
加速度に決定する。そして、S1500にて第2警報要
求を解除した後、S900へ移行する。
【0059】以上は処理全体についての説明であったの
で、続いて、S300,S400,S490,S60
0,S700,S800,S890,S900及びS9
90に示した各処理の詳細について順番に説明する。な
お、これらの処理の内で、S490,S890,S99
0は警報関連の処理であるため、それ以外の車間制御関
連の処理を最初に説明し、その後警報関連の処理を説明
することとする。
【0060】まず、S300での第1先行車選択サブル
ーチンについて図6のフローチャートを参照して説明す
る。最初のステップS310においては、第1先行車候
補群を抽出する。この処理は、レーザレーダセンサ3よ
り受信した全ての物標データについて、自車線確率が所
定値よりも大きいものを抽出する処理である。ここで、
自車線確率とは、各物標が自車両の推定進行路上に存在
する確率であり、レーザレーダセンサ3内にて演算処理
され、車間制御ECU2に物標データの一部として送信
される。
【0061】続くS320では先行車候補があるか否か
を判断する。先行車候補がなければ(S320:N
O)、第1先行車データを先行車未認識時のデータに設
定して、本処理ルーチンを終了する。一方、先行車候補
があれば(S320:YES)、S330へ移行し、車
間距離が最小の物標を先行車として選択する。その後S
340へ移行し、第1先行車データとしてS330で選
択された物標のデータを設定し、本処理ルーチンを終了
する。
【0062】次に、S400での第1目標加速度演算サ
ブルーチンについて図7(a)のフローチャートを参照
して説明する。最初のステップS410においては、第
1先行車を認識中であるかどうかを判断する。第1先行
車を認識中でなければ(S410:NO)、先行車を未
認識の場合の値を第1目標加速度として設定し(S45
0)、本サブルーチンを終了する。
【0063】一方、第1先行車を認識中であれば(S4
10:YES)、S420へ移行して車間偏差比を演算
する。この車間偏差比(%)は、現在車間から目標車間
を減算した値(車間偏差)を目標車間で除算し100を
掛けた値である。ここで、目標車間は車速に応じて可変
とするここで、より運転者の感覚に合致させることがで
きる。
【0064】さらに、続くS430にて相対速度を演算
する。この相対速度演算は、図8のフローチャートに示
すように、まず先行車の車両確度が「未定」か否かを判
断し(S431)、車両確度が「未定」でない場合、す
なわち車両確度が「車両」である場合には(S431:
NO)、相対速度に対してローパスフィルタを施し(S
432)、本サブルーチンを終了する。一方、車両確度
が「未定」である場合には、相対速度として所定値を設
定し(S433)、本サブルーチンを終了する。なお、
S433で相対速度として設定する所定値は略0であ
る。つまり、未定物体についての相対速度は、実際の測
距データから得た相対速度ではなく、固定的に0Km/
h付近の値に設定する。
【0065】図7(a)の処理説明に戻り、このように
S420,S430にて車間偏差比と相対速度が得られ
たら、続くS440において、それら両パラメータに基
づき、図7(b)に示す制御マップを参照して目標加速
度を得る。なお、この制御マップは、車間偏差比(%)
として−96,−64,−32,0,32,64,96
の7つの値、相対速度(Km/h)として16,8,
0,−8,−16,−24の6つの値に対する目標加速
度を示すものであるが、マップ値として示されていない
値については、マップ内では直線補間により演算した値
を採用し、マップ外ではマップ端の値を採用する。ま
た、マップ内の値を用いる場合においても、所定の上下
限ガードを施すことも考えられる。S440の処理後
は、本サブルーチンを終了する。
【0066】S490の第1警報判定については後述す
ることとし、次に、S600での第2先行車選択サブル
ーチンについて図9のフローチャートを参照して説明す
る。最初のステップS610においては、第2先行車候
補群を抽出する。上述した図6のS310での第1先行
車候補群抽出においては、レーザレーダセンサ3より受
信した全ての物標データについて、自車線確率が所定値
よりも大きいものを抽出したが、このS610での第2
先行車候補群抽出においては、さらに車両確度が「車
両」であるものに限定して抽出する。つまり、自車線確
率が所定値より大きくても車両確度が「未定」の物標は
抽出しない。
【0067】その後のS620〜S650の処理は、図
6のS320〜350と同様の内容である。すなわち、
先行車候補がなければ(S620:NO)、第2先行車
データを先行車未認識時のデータに設定して(S65
0)本処理ルーチンを終了し、一方、先行車候補があれ
ば(S620:YES)、車間距離が最小の物標を先行
車として選択し(S630)、第2先行車データとして
S630で選択された物標のデータを設定して(S64
0)、本処理ルーチンを終了する。
【0068】次に、S700での第2目標加速度演算サ
ブルーチンについて図10のフローチャートを参照して
説明する。最初のステップS710においては、第2先
行車を認識中であるかどうかを判断する。第2先行車を
認識中でなければ(S710:NO)、先行車を未認識
の場合の値を第2目標加速度として設定し(S75
0)、本サブルーチンを終了する。
【0069】一方、第2先行車を認識中であれば(S7
10:YES)、S720へ移行して車間偏差比を演算
し、続くS730にて相対速度に対してローパスフィル
タを施した後、S740において、車間偏差比と相対速
度の両パラメータに基づき、図7(b)に示す制御マッ
プを参照して第2目標加速度を得る。
【0070】なお、図7(a)のS430での相対速度
演算においては、図8に示すように、先行車の車両確度
が「未定」である場合には相対速度として所定値を設定
していたが、この第2先行車の場合には車両確度が「車
両」のものしか存在しないので、図10のS730に示
すように、一律に相対速度に対してローパスフィルタを
施すようにした。
【0071】次に、S800での制御先行車判定ルーチ
ンについて、図11のフローチャートを参照して説明す
る。最初のステップS810においては、第2先行車を
認識中であるかどうかを判断する。第2先行車を認識中
でなければ(S810:NO)、第1先行車しか存在し
ないこととなる。そのため、第1先行車を制御先行車と
して決定し(S850)、S400にて演算した第1目
標加速度を制御に用いる目標加速度として決定し(S8
60)、本ルーチンを終了する。
【0072】一方、第2先行車を認識中であれば(S8
10:YES)、第1先行車と第2先行車が両方存在す
るため、そのいずれを制御対象の先行車とするか決定す
る必要がある。そこで、続くS820では第2目標加速
度が第1目標加速度よりも小さいか否かを判断する。S
820で肯定判断された場合には、第2先行車の方が第
1先行車よりも、より減速度合いの大きな目標加速度を
必要としていることとなる。そのため、第2先行車を制
御先行車として決定し(S830)、S700にて演算
した第2目標加速度を制御に用いる目標加速度として決
定し(S840)、本ルーチンを終了する。また、S8
20で否定判断された場合には、第1先行車の方が第2
先行車よりも、より減速度合いの大きな目標加速度を必
要としていることとなるため、S850へ移行する。つ
まり、第2先行車を認識中でない場合と同様、第1先行
車を制御先行車として決定し、第1目標加速度を制御に
用いる目標加速度として決定する。
【0073】S890の第2警報判定については後述す
ることとし、次に、S900での減速要求判定サブルー
チンについて図12のフローチャートを参照して説明す
る。この減速要求判定は、フューエルカット要求判定
(S910)、ODカット要求判定(S920)、3速
シフトダウン要求判定(S930)及びブレーキ要求判
定(S940)を順番に行って終了する。各制御につい
て説明する。
【0074】まず、S910のフューエルカット要求判
定サブルーチンについて、図13のフローチャートを参
照して説明する。最初のステップS911においてフュ
ーエルカット要求中であるかどうか判断し、フューエル
カット要求中でなければ(S911:NO)、加速度偏
差が参照値Aref11よりも小さいかどうか判断する(S9
13)。そして、加速度偏差<Aref11であれば(S91
3:YES)、フューエルカット要求成立として(S9
15)、本サブルーチンを終了する。また、加速度偏差
≧Aref11であれば(S913:NO)、そのまま本サブ
ルーチンを終了する。
【0075】一方、フューエルカット要求中であれば
(S911:YES)、S917へ移行し、加速度偏差
が参照値Aref12よりも大きいかどうか判断する。そし
て、加速度偏差>Aref12であれば(S917:YE
S)、フューエルカット要求を解除して(S919)、
本サブルーチンを終了するが、加速度偏差≦Aref12であ
れば(S917:NO)、そのまま本サブルーチンを終
了する。
【0076】次に、S920のODカット要求判定サブ
ルーチンについて、図14のフローチャートを参照して
説明する。最初のステップS921においてODカット
要求中であるかどうか判断し、ODカット要求中でなけ
れば(S921:NO)、加速度偏差が参照値Aref21よ
りも小さいかどうか判断する(S923)。そして、加
速度偏差<Aref21であれば(S923:YES)、OD
カット要求成立として(S925)、本サブルーチンを
終了する。また、加速度偏差≧Aref21であれば(S92
3:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0077】一方、ODカット要求中であれば(S92
1:YES)、S927へ移行し、加速度偏差が参照値
Aref22よりも大きいかどうか判断する。そして、加速度
偏差>Aref22であれば(S927:YES)、ODカッ
ト要求を解除して(S929)、本サブルーチンを終了
するが、加速度偏差≦Aref22であれば(S927:N
O)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0078】次に、S930の3速シフトダウン要求判
定サブルーチンについて、図15のフローチャートを参
照して説明する。最初のステップS931において3速
シフトダウン要求中であるかどうか判断し、3速シフト
ダウン要求中でなければ(S931:NO)、加速度偏
差が参照値Aref31よりも小さいかどうか判断する(S9
33)。そして、加速度偏差<Aref31であれば(S93
3:YES)、3速シフトダウン要求成立として(S9
35)、本サブルーチンを終了する。また、加速度偏差
≧Aref31であれば(S933:NO)、そのまま本サブ
ルーチンを終了する。
【0079】一方、3速シフトダウン要求中であれば
(S931:YES)、S937へ移行し、加速度偏差
が参照値Aref32よりも大きいかどうか判断する。そし
て、加速度偏差>Aref32であれば(S937:YE
S)、3速シフトダウン要求を解除して(S939)、
本サブルーチンを終了するが、加速度偏差≦Aref32であ
れば(S937:NO)、そのまま本サブルーチンを終
了する。
【0080】次に、S940のブレーキ要求判定サブル
ーチンについて、図16のフローチャートを参照して説
明する。最初のステップS941においてフューエルカ
ット要求中であるかどうか判断し、フューエルカット要
求中でなければ(S941:NO)、ブレーキ要求を解
除して(S951)、そのまま本サブルーチンを終了す
る。一方、フューエルカット要求中であれば(S94
1:YES)、ブレーキ要求中であるかどうか判断し
(S943)、ブレーキ要求中でなければ(S943:
NO)、加速度偏差が参照値Aref41よりも小さいかどう
か判断する(S945)。そして、加速度偏差<Aref41
であれば(S945:YES)、ブレーキ要求成立とし
て(S947)、本サブルーチンを終了する。また、加
速度偏差≧Aref41であれば(S945:NO)、そのま
ま本サブルーチンを終了する。
【0081】一方、ブレーキ要求中であれば(S94
3:YES)、S949へ移行し、加速度偏差が参照値
Aref42よりも大きいかどうか判断する。そして、加速度
偏差>Aref42であれば(S949:YES)、ブレーキ
要求を解除して(S951)、本サブルーチンを終了す
るが、加速度偏差≦Aref42であれば(S949:N
O)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0082】なお、図13〜図16のフローチャートの
説明中に用いた参照値Aref11,Aref12,Aref21,Aref2
2,Aref31,Aref32,Aref41,Aref42について、補足説
明しておく。これらの参照値は、以下に示すようなしき
い値となっている。 [減速手段] [作動指示しきい値][作動解除しきい値] フューエルカット Aref11 Aref12 ODカット Aref21 Aref22 3速シフトダウン Aref31 Aref32 ブレーキ Aref41 Aref42 これらのしきい値の大小関係は、以下のようになる。 (a)作動指示しきい値/作動解除しきい値の関係 フューエルカット:Aref11<Aref12 ODカット:Aref21<Aref22 3速シフトダウン:Aref31<Aref32 ブレーキ:Aref41<Aref42 このような関係は、作動指示と作動解除指示のチャタリ
ングが発生しないために必要である。 (b)各減速手段間の作動指示しきい値の関係 0>Aref11≧Aref21≧Aref31≧Aref41 これは、より発生減速度の小さな手段が先に作動される
ことが望ましいからである。 (c)各減速手段間の作動解除しきい値の関係 Aref12≧Aref22≧Aref32≧Aref42>0 これは、発生減速度のより大きな手段が先に解除される
ことが望ましいからである。
【0083】以上は車間制御関連の処理の説明であった
ので、続いて、警報関連の処理であるS490,S89
0,S990の詳細について図17〜図19を参照して
説明する。まず、S490での第1警報判定サブルーチ
ンについて、図17のフローチャートを参照して説明す
る。
【0084】最初のステップS491では、第1警報要
求を現在指示中であるかどうかを判断する。第1警報要
求中でなければ(S491:NO)、所定の条件成立を
判断して警報要求を指示するための処理(S492,S
493,S494)を実行する。
【0085】S492では、以下の算出式に示すよう
に、車速と相対速度に応じて警報距離を算出する。 警報距離=f(車速,相対速度) 次に、この警報距離よりも車間距離が短い状態が生じて
いるかどうかを判断し(S493)、車間距離が警報距
離以上の場合には(S493:NO)、そのまま本処理
ルーチンを終了する。そして、警報距離よりも車間距離
が短い場合には(S493:YES)、第1警報要求を
成立させる(S494)。
【0086】一方、S491にて肯定判断、すなわち、
第1警報要求中であれば、所定の条件成立を判断して警
報要求を解除するための処理(S495,S496,S
497)を実行する。S495では、第1警報要求が成
立した後1秒経過したかどうかを判断する。第1警報要
求成立後1秒経過していなければ(S495:NO)、
そのまま本処理ルーチンを終了する。これは、警報処理
を実行した場合、少なくとも1秒間はその状態を続ける
ためである。
【0087】そして、第1警報要求が成立した後1秒経
過すると(S495:YES)、続いて、車間距離が警
報距離以上かどうかを判断し(S496)、車間距離が
警報距離未満の場合には(S496:NO)、そのまま
本処理ルーチンを終了する。そして、車間距離が警報距
離以上の場合には(S496:YES)、第1警報要求
を解除する(S497)。
【0088】次に、S890での第2警報判定サブルー
チンについて、図18のフローチャートを参照して説明
する。この処理は、図17で説明した第1警報判定と同
様の処理であり、第1警報要求が第2警報要求に代わっ
ただけである。つまり、第2警報要求中でなければ(S
891:NO)、警報距離を算出し(S892)、この
警報距離よりも車間距離が短い状態が生じているかどう
かを判断する(S893)。そして、車間距離が警報距
離以上の場合には(S893:NO)、そのまま本処理
ルーチンを終了するが、警報距離よりも車間距離が短い
場合には(S893:YES)、第2警報要求を成立さ
せる(S894)。
【0089】一方、第2警報要求中であれば(S89
1:YES)、第2警報要求が成立した後1秒経過した
かどうかを判断し(S895)、第2警報要求成立後1
秒経過していなければ(S895:NO)、そのまま本
処理ルーチンを終了する。そして、第2警報要求が成立
した後1秒経過すると(S895:YES)、車間距離
が警報距離以上かどうかを判断し(S896)、車間距
離が警報距離未満の場合には(S896:NO)、その
まま本処理ルーチンを終了する。そして、車間距離が警
報距離以上の場合には(S896:YES)、第2警報
要求を解除する(S897)。
【0090】次に、S990での警報発生判定サブルー
チンについて、図19のフローチャートを参照して説明
する。最初のステップS991では、第1警報要求中で
あるかどうかを判断する。第1警報要求中であれば(S
991:YES)、警報要求成立として(S992)、
本ルーチンを終了する。また、第1警報要求中でなけれ
ば(S991:NO)、第2警報要求中であるかどうか
を判断する(S993)。そして、第2警報要求中であ
れば(S993:YES)、警報要求成立として(S9
92)、本ルーチンを終了するが、第2警報要求中でな
ければ(S993:NO)、警報要求解除として(S9
94)、本ルーチンを終了する。
【0091】このS992において警報要求が成立した
旨は、図5のS1200でのエンジンEUUデータとし
てエンジンECU6へ送信される。そして、エンジンE
CU6からブレーキECU4に対して指示することによ
って、ブレーキECU4は警報ブザー14を鳴動する。
一方、S994において警報要求が解除されたことがエ
ンジンECU6へ伝わると、ブレーキECU4を介して
警報ブザー14が停止されることとなる。
【0092】このように、本実施例のシステムによれ
ば、車間制御及び車間警報を実行する際、車両確度が車
両以外の場合には制御対象の先行車として選択しない。
但し、車両確度が「未定」の物体については制御対象か
ら除くことはせずに、次のように対処する。つまり、第
1の先行車の車両確度が未定である場合には、車両確度
が車両である物体の中から第2の先行車を選択する(図
5のS500)。
【0093】そして、車間制御の場合には、その第1の
先行車の相対速度を略0、つまり0Km/h付近の値で
あるとみなして(図8のS433)、車間制御量である
第1の目標加速度を算出する(図5のS400)。それ
と共に、第2の先行車に対する第2の目標加速度を算出
し(図5のS700)、それら第1及び第2の先行車に
対する目標加速度の内で減速側により大きく制御可能な
方を、実際の車間制御に用いる目標加速度として選択す
る(図5のS800,図11)。
【0094】そのため、例えば車両確度が「未定」の物
体(例えばポールコーン)を第1の先行車として選択し
ているときに真の先行車(車両確度が「車両」の物体)
が接近してきて減速が必要な場合には、車両確度が「車
両」の物体は第2の先行車として選択され、この第2の
先行車に対する第2の目標加速度が減速側に大きくなる
ため、こちらを制御対象の先行車として選択して車間制
御を行う。また、この真の先行車に対して減速が必要な
ければ、ポールコーンのような車両確度が「未定」の物
体を制御対象の先行車として選択してしまう可能性があ
る。しかしこの場合は、先行車の相対速度が略0である
とみなして算出した第1の目標加速度に基づいて車間制
御を行うため、誤って大きく減速制御してしまうことが
なく、運転者が感じる違和感を排除あるいは軽減させる
ことができる。つまり、誤った先行車選択による不要な
減速制御を防止し、運転フィーリングを向上させた車間
制御を実現することができるのである。
【0095】また、車間警報の場合には、その第1の先
行車の相対速度を0Km/h付近の値であるとみなして
(図8のS433)、警報距離を算出する(図17のS
492)。そして、この警報距離に基づいて第1警報要
求の成立の有無を判断する。それと共に、第2の先行車
に対する警報距離を算出し(図18のS892)、この
警報距離に基づいて第2警報要求の成立の有無を判断す
る。そして、これら第1あるいは第2の警報要求のいず
れか一方でも成立していれば、実際の警報処理を行うた
めの警報要求が成立したと判断している(図19)。
【0096】そのため、車両確度が「未定」の物体(例
えばポールコーン)を第1の先行車として選択している
ときには、その第1の先行車の相対速度が略0であると
みなして算出した警報距離に基づいて警報要求の成立判
定を行うため、実際に警報処理がなされることはほとん
どないと考えられる。そして、この状態で真の先行車
(車両確度が「車両」の物体)が接近してきて警報が必
要な場合には、車両確度が「車両」の物体は第2の先行
車として選択され、この第2の先行車に対する警報距離
に基づく判定で警報要求が成立すれば、車間警報が行わ
れる。したがって、実際には必要のない状況で警報がな
されることを防止でき、必要な状況では適切に警報がな
されるため、運転者が感じる違和感を排除あるいは軽減
させることができる。つまり、誤った先行車選択による
不要な警報を防止し、運転フィーリングを向上させた車
間警報を実現することができるのである。
【0097】なお、本実施例では、図6のS330,図
9のS630に示すように、第1の先行車及び第2の先
行車を選択する際、それぞれ最も近距離に存在するもの
を選択している。一般的には自車両から最も近距離に存
在する物体を先行車として選択することが好ましいから
である。
【0098】以上、本発明はこのような実施形態に何等
限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範
囲において種々なる形態で実施し得る。それらのいくつ
かを説明する。 (1)上記実施形態では、第1の先行車の車両確度が未
定である場合、第1の先行車の相対速度を略0であると
みなして車間制御量としての第1の目標加速度を算出し
ていたが、その代わりに、第1の目標加速度自体を、自
車両が加減速しないような値に設定してもよい。つまり
第1の目標加速度=0とするのである。第1先行車の相
対速度を略0とみなした場合には、第1先行車が制御対
象の先行車として選択された場合に自車両が加減速して
しまう場合も想定されるが、このようにすれば、自車両
が加減速することがなくなる。
【0099】(2)また、上記実施形態では第1の先行
車の車両確度が「車両」であれば、第1の目標加速度の
み演算し、第1の先行車の車両確度が「未定」であって
も、第2の先行車の第2の目標加速度を演算するにとど
まっていた。これに対して、車両確度が車両以外を除く
全ての物体について、車両確度が未定の物体については
当該物体の相対速度を略0であるとみなして目標加速度
を算出し、車両確度が車両である物体についても目標加
速度を算出し、これらの内で減速側に最も大きく制御可
能な目標加速度に基づいて車間制御を実行してもよい。
【0100】上記実施形態の場合には、多くても2つの
先行車の目標加速度を算出するだけで済んでいたが、こ
の場合には3つ以上の物体に対する目標加速度を算出し
なくてはならない場合も想定される。しかし、このよう
にすることで、例えば2台前、3台前の先行車を考慮し
た車間制御も可能となる。例えば、直前の先行車は自車
両よりも高速で走行しているが、2台前の先行車が自車
両よりも低速で走行している場合には、直前の先行車が
将来的に減速し、結果的に自車両も減速しなくてはなら
ない状況が生じ得る。その場合、直前の先行車のみを考
慮していると、一旦加速した後にすぐに減速する、とい
った制御をしてしまう可能性があるが、2台前の先行車
を考慮すれば加速せずに減速に移行でき、より運転フィ
ーリングを向上させた車間制御を実現することができ
る。
【0101】もちろん、車間警報についても同様の手法
を適用すれば、より運転フィーリングを向上させた車間
警報を実現できることとなる。 (3)また、制御対象の先行車として車両確度が未定の
物体が選択されている際には、減速制御は実行しないよ
うにしてもよい。具体的には、例えば上記実施形態の図
13の処理を図20の処理に置き換える。この図20の
処理の内、S1911,S1913,S1915,S1
917,S1919は、それぞれ図13のS911,S
913,S915,S917,S919と同じである。
変わっている部分は、S1911の判断処理で肯定・否
定いずれの判断がされた場合であっても、先行車の車両
確度が「未定」であるか否かを判断している(S191
2,S1916)。そして、フューエルカット要求中で
ない場合は(S1911:NO)、先行車の車両確度が
「未定」であれば(S1912:YES)、S1913
でのフューエルカット要求成立の有無の判定自体を行う
ことなく、無条件に処理を終了する。一方、フューエル
カット要求中である場合は(S1911:YES)、先
行車の車両確度が「未定」であれば(S1916:YE
S)、無条件にS1919へ移行してフューエルカット
要求を解除する。
【0102】フューエルカット要求判定の場合について
説明したが、それ以外のODカット要求判定、3速シフ
トダウン要求判定、ブレーキ要求判定についても、同様
に変更した処理とすればよい。このようにすることで、
制御対象の先行車として車両確度が未定の物体が選択さ
れている際には、減速制御は実行されなくなる。
【0103】(4)また、車間警報の実施方法につい
て、上記実施形態では第1の先行車及び第2の先行車に
対して警報要求の有無を判断し、いずれか一方でも成立
していれば警報要求が成立したと判断した。このような
実施形態に限らず、以下のように実現してもよい。
【0104】まず、第1の先行車の車両確度が「車両」
であれば、第1の先行車について警報判定値として「車
間距離−警報距離」を算出する。この値が負側に大きく
なるほど警報の必要度合いが大きいと考えてよい。この
警報判定値が所定値(例えば0)未満であったとき警報
要求が成立するとし、所定値以上であったとき警報要求
は非成立であるとする。一方、第1の先行車の車両確度
が「未定」であれば、第2の先行車についても同様に警
報判定値を算出し、それぞれの警報判定値を比較して、
小さい方の警報判定値に基づいて車間警報を実行する。
すなわち、小さい方の車間警報値が所定値未満であった
とき警報要求が成立するとし、所定値以上であったとき
警報要求は非成立であるとする。
【0105】このような実施形態においては、車間警報
として数段階の警報処理を実行する場合にも容易に拡張
することができる。つまり、上記警報要求を判断する所
定値として複数の値を用意しておき、警報判定値の値に
応じた適切な段階の警報処理を実行するのである。この
ようにすれば、より運転フィーリングを向上させた車間
警報を実現することができる。
【0106】(5)減速手段としては、上述した実施形
態で説明したものも含め、採用可能なものを挙げてお
く。ブレーキ装置のブレーキ圧を調整して行うもの、内
燃機関に燃料が供給されるのを阻止するフューエルカッ
ト制御、前記内燃機関に接続された自動変速機がオーバ
ードライブのシフト位置となるのを禁止するオーバード
ライブカット制御、前記自動変速機を高位のシフト位置
からシフトダウンさせるシフトダウン制御、前記内燃機
関の点火時期を遅らせる点火遅角制御、前記自動変速機
が備えたトルクコンバータをロックアップ状態にするロ
ックアップ制御、前記内燃機関からの排気の流動抵抗を
増加させる排気ブレーキ制御およびリターダ制御を実行
して行うものなどである。
【0107】(6)また、上記実施形態においては、車
間距離をそのまま用いていたが、車間距離を車速で除算
した車間時間を用いても同様に実現できる。つまり、相
対速度と車間時間偏差比をパラメータとする目標加速度
の制御マップを準備しておき、制御時には、その時点で
の相対速度と車間時間偏差比に基づいて目標加速度を算
出して、車間制御を実行するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の車間制御装置のシステムブロック
図である。
【図2】 レーザレーダセンサにおいて実行される認識
処理を示すフローチャートである。
【図3】 図2の認識処理中で実行される物標化処理サ
ブルーチンを示すフローチャートである。
【図4】 図2の認識処理中で実行される車両確度判定
サブルーチンを示すフローチャートである。
【図5】 車間制御ECUにて実行されるメイン処理を
示すフローチャートである。
【図6】 図5のメイン処理中で実行される第1先行車
選択サブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】 (a)は図5のメイン処理中で実行される第
1目標加速度演算サブルーチンを示すフローチャート、
(b)は制御マップの説明図である。
【図8】 図7の第1目標加速度演算処理中で実行され
る相対速度演算サブルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図9】 図5のメイン処理中で実行される第2先行車
選択サブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】 図5のメイン処理中で実行される第2目標
加速度演算サブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】 図5のメイン処理中で実行される制御先行
車判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】 図5のメイン処理中で実行される減速要求
判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】 図12の減速要求判定中で実行されるフュ
ーエルカット要求判定サブルーチンを示すフローチャー
トである。
【図14】 図12の減速要求判定中で実行されるOD
カット要求判定サブルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図15】 図12の減速要求判定中で実行される3速
シフトダウン要求判定サブルーチンを示すフローチャー
トである。
【図16】 図12の減速要求判定中で実行されるブレ
ーキ要求判定サブルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図17】 図5のメイン処理中で実行される第1警報
判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図18】 図5のメイン処理中で実行される第2警報
判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図19】 図5のメイン処理中で実行される警報発生
判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図20】 別実施形態のフューエルカット要求判定処
理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2…車間制御用電子制御装置(車間制御ECU) 3…レーザレーダセンサ 4…ブレーキ電子制御装置(ブレーキECU) 6…エンジン電子制御装置(エンジンECU) 8…ステアリングセンサ 10…ヨーレートセンサ 12…車輪速センサ 14…警報ブザー 16…車速センサ 18…ブレーキスイッチ 20…クルーズコントロールスイッチ 22…クルーズメインスイッチ 24…スロットルアクチュエータ 25…ブレーキアクチュエータ 26…トランスミッション 28…ボデーLAN
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 29/02 301 F02D 29/02 301D 341 341 // G01S 17/93 G01S 17/88 A (72)発明者 笹谷 佳江 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 西村 隆雄 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3D044 AA25 AA31 AA35 AA45 AB01 AC00 AC03 AC24 AC26 AC39 AC51 AC55 AC59 AD00 AD02 AD04 AD07 AD17 AD21 AE03 AE04 AE07 AE21 3G093 AA05 BA04 BA14 BA23 CB07 CB10 DA06 DB00 DB05 DB15 DB16 DB23 EA05 EB00 EB03 EB04 FA04 FA11 FA12 5H180 AA01 CC03 CC14 CC27 LL01 LL04 LL07 LL09 5J084 AA02 AA05 AA07 AB01 AC02 BA03 BA11 CA31 CA61 EA22 EA29

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自車両を加減速させる加速手段及び減速手
    段と、 認識対象の物体の自車に対する相対位置及び相対速度を
    算出する物体認識手段と、 前記物体認識手段にて算出された前記物体の相対位置に
    基づき、前記物体が自車の進行方向を基準として定めら
    れた自車線領域内に存在するか否かを判定し、自車線領
    域内に存在する物体の中から自車に対する先行車を選択
    する先行車選択手段と、 前記先行車選択手段によって選択された先行車と自車と
    の実車間距離に相当する物理量である実車間物理量と、
    自車と先行車との目標車間距離に相当する物理量である
    目標車間物理量との差である車間偏差、及び自車と先行
    車との相対速度に基づいて車間制御量を算出し、その算
    出された車間制御量に基づき前記加速手段及び減速手段
    を駆動制御することによって、自車を先行車に追従させ
    て走行させる車間制御手段と、 を備える車間制御装置において、 前記物体認識手段にて認識された前記物体が車両である
    確からしさを示す車両確度を、少なくとも車両、車両以
    外、未定の3種類に分類して判定する車両確度判定手段
    を備え、 前記先行車選択手段は、 前記車両確度判定手段によって判定された車両確度が車
    両以外を除く物体の中から第1の先行車を選択し、 当該第1の先行車の車両確度が未定である場合には、さ
    らに、前記車両確度判定手段によって判定された車両確
    度が車両である物体の中から第2の先行車を選択し、 前記車間制御手段は、 前記第1の先行車の車両確度が車両である場合には、当
    該第1の先行車を制御対象の先行車として車間制御を実
    行し、 一方、前記第1の先行車の車両確度が未定である場合に
    は、当該第1の先行車の相対速度を略0であるとみなし
    て車間制御量を算出すると共に、前記第2の先行車に対
    する車間制御量を算出し、それら第1及び第2の先行車
    に対する車間制御量の内で減速側により大きく制御可能
    な方の制御量に基づいて前記車間制御を実行すること、 を特徴とする車間制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の車間制御装置において、 前記先行車選択手段は、 前記第1の先行車として、前記車両確度が車両以外を除
    く物体の中で最も近距離に存在するものを選択し、 前記第2の先行車として、前記車両確度が車両である物
    体の中で最も近距離に存在するものを選択すること、 を特徴とする車間制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の車間制御装置におい
    て、 前記車間制御手段は、 前記第1の先行車の車両確度が未定である場合、当該第
    1の先行車の相対速度を略0であるとみなして車間制御
    量を算出する代わりに、当該第1の先行車の車間制御量
    を、自車両が加減速しないような値とみなすこと、 を特徴とする車間制御装置。
  4. 【請求項4】自車両を加減速させる加速手段及び減速手
    段と、 認識対象の物体の自車に対する相対位置及び相対速度を
    算出する物体認識手段と、 前記物体認識手段にて算出された前記物体の相対位置に
    基づき、前記物体が自車の進行方向を基準として定めら
    れた自車線領域内に存在するか否かを判定し、自車線領
    域内に存在する物体の中から自車に対する先行車を選択
    する先行車選択手段と、 前記先行車選択手段によって選択された先行車と自車と
    の実車間距離に相当する物理量である実車間物理量と、
    自車と先行車との目標車間距離に相当する物理量である
    目標車間物理量との差である車間偏差、及び自車と先行
    車との相対速度に基づいて車間制御量を算出し、その算
    出された車間制御量に基づき前記加速手段及び減速手段
    を駆動制御することによって、自車を先行車に追従させ
    て走行させる車間制御手段と、 を備える車間制御装置において、 前記物体認識手段にて認識された前記物体が車両である
    確からしさを示す車両確度を、少なくとも車両、車両以
    外、未定の3種類に分類して判定する車両確度判定手段
    を備え、 前記車間制御手段は、 前記車両確度判定手段によって判定された車両確度が車
    両以外を除く全ての物体について、車両確度が未定の物
    体については当該物体の相対速度を略0であるとみなし
    て車間制御量を算出すると共に、車両確度が車両である
    物体についても車間制御量を算出し、これらの内で減速
    側に最も大きく制御可能な制御量に基づいて前記車間制
    御を実行すること、 を特徴とする車間制御装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の車間制御装置において、 前記車間制御手段は、 前記車両確度が未定の物体については、当該物体の相対
    速度を略0であるとみなして車間制御量を算出する代わ
    りに、当該物体に対する車間制御量を、自車両が加減速
    しないような値とみなすこと、 を特徴とする車間制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか記載の車間制御装
    置において、 前記車間制御手段は、 制御対象の先行車として車両確度が未定の物体が選択さ
    れている際には、減速制御は実行しないこと、 を特徴とする車間制御装置。
  7. 【請求項7】認識対象の物体の自車に対する相対位置及
    び相対速度を算出する物体認識手段と、 前記物体認識手段にて算出された前記物体の相対位置に
    基づき、前記物体が自車の進行方向を基準として定めら
    れた自車線領域内に存在するか否かを判定し、自車線領
    域内に存在する物体の中から自車に対する先行車を選択
    する先行車選択手段と、 少なくとも、前記先行車選択手段によって選択された先
    行車と自車との実車間距離に相当する物理量である実車
    間物理量と、自車と先行車との相対速度に基づいて警報
    判定値を算出し、前記警報判定値が所定の警報条件を満
    たしている場合に、車両運転者に対する警報処理を実行
    可能な車間警報手段と、 を備える車間警報装置において、 前記物体認識手段にて認識された前記物体が車両である
    確からしさを示す車両確度を、少なくとも車両、車両以
    外、未定の3種類に分類して判定する車両確度判定手段
    を備え、 前記先行車選択手段は、 前記車両確度判定手段によって判定された車両確度が車
    両以外を除く物体の中から第1の先行車を選択し、 当該第1の先行車の車両確度が未定である場合には、さ
    らに、前記車両確度判定手段によって判定された車両確
    度が車両である物体の中から第2の先行車を選択し、 前記車間警報手段は、 前記第1の先行車の車両確度が車両である場合には、当
    該第1の先行車を制御対象の先行車として車間警報を実
    行し、 一方、前記第1の先行車の車両確度が未定である場合に
    は、当該第1の先行車の相対速度を略0であるとみなし
    て警報判定値を算出すると共に、前記第2の先行車に対
    する警報判定値を算出し、それら第1及び第2の先行車
    に対する警報判定値の内で警報の必要度合いがより大き
    な方の判定値に基づいて前記車間警報を実行すること、 を特徴とする車間警報装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の車間警報装置において、 前記先行車選択手段は、 前記第1の先行車として、前記車両確度が車両以外を除
    く物体の中で最も近距離に存在するものを選択し、 前記第2の先行車として、前記車両確度が車両である物
    体の中で最も近距離に存在するものを選択すること、 を特徴とする車間警報装置。
  9. 【請求項9】認識対象の物体の自車に対する相対位置及
    び相対速度を算出する物体認識手段と、 前記物体認識手段にて算出された前記物体の相対位置に
    基づき、前記物体が自車の進行方向を基準として定めら
    れた自車線領域内に存在するか否かを判定し、自車線領
    域内に存在する物体の中から自車に対する先行車を選択
    する先行車選択手段と、 少なくとも、前記先行車選択手段によって選択された先
    行車と自車との実車間距離に相当する物理量である実車
    間物理量と、自車と先行車との相対速度に基づいて警報
    判定値を算出し、前記警報判定値が所定の警報条件を満
    たしている場合に、車両運転者に対する警報処理を実行
    可能な車間警報手段と、 を備える車間警報装置において、 前記車間警報手段は、 前記車両確度判定手段によって判定された車両確度が車
    両以外を除く全ての物体について、車両確度が未定の物
    体については当該物体の相対速度を略0であるとみなし
    て警報判定値を算出すると共に、車両確度が車両である
    物体についても警報判定値を算出し、これらの内で警報
    の必要度合いが最も大きな警報判定値に基づいて前記車
    間警報を実行すること、 を特徴とする車間警報装置。
  10. 【請求項10】認識対象の物体の自車に対する相対位置
    及び相対速度を算出する物体認識手段と、 前記物体認識手段にて算出された前記物体の相対位置に
    基づき、前記物体が自車の進行方向を基準として定めら
    れた自車線領域内に存在するか否かを判定し、自車線領
    域内に存在する物体の中から自車に対する先行車を選択
    する先行車選択手段と、 前記先行車選択手段によって選択された先行車と自車と
    の実車間距離に相当する物理量である実車間物理量が所
    定の警報条件を満たしているか否かの警報判定を行い、
    当該警報判定の結果、警報条件を満たしている場合に、
    車両運転者に対する警報処理を実行可能な車間警報手段
    と、 を備える車間警報装置において、 前記物体認識手段にて認識された前記物体が車両である
    確からしさを示す車両確度を、少なくとも車両、車両以
    外、未定の3種類に分類して判定する車両確度判定手段
    を備え、 前記先行車選択手段は、 前記車両確度判定手段によって判定された車両確度が車
    両以外を除く物体の中から第1の先行車を選択し、 当該第1の先行車の車両確度が未定である場合には、さ
    らに、前記車両確度判定手段によって判定された車両確
    度が車両である物体の中から第2の先行車を選択し、 前記車間警報手段は、 前記第1の先行車の車両確度が車両である場合には、当
    該第1の先行車を制御対象の先行車として車間警報を実
    行し、 一方、前記第1の先行車の車両確度が未定である場合に
    は、当該第1の先行車の相対速度を略0であるとみなし
    て警報判定を実行すると共に、前記第2の先行車に対す
    る警報判定を実行し、それら第1及び第2の先行車に対
    する警報判定の結果いずれかが警報実行条件を満たして
    いれば前記車間警報を実行すること、を特徴とする車間
    警報装置。
  11. 【請求項11】請求項10記載の車間警報装置におい
    て、 前記先行車選択手段は、 前記第1の先行車として、前記車両確度が車両以外を除
    く物体の中で最も近距離に存在するものを選択し、 前記第2の先行車として、前記車両確度が車両である物
    体の中で最も近距離に存在するものを選択すること、 を特徴とする車間警報装置。
  12. 【請求項12】認識対象の物体の自車に対する相対位置
    及び相対速度を算出する物体認識手段と、 前記物体認識手段にて算出された前記物体の相対位置に
    基づき、前記物体が自車の進行方向を基準として定めら
    れた自車線領域内に存在するか否かを判定し、自車線領
    域内に存在する物体の中から自車に対する先行車を選択
    する先行車選択手段と、 前記先行車選択手段によって選択された先行車と自車と
    の実車間距離に相当する物理量である実車間物理量が所
    定の警報条件を満たしているか否かの警報判定を行い、
    当該警報判定の結果、警報条件を満たしている場合に、
    車両運転者に対する警報処理を実行可能な車間警報手段
    と、 を備える車間警報装置において、 前記車間警報手段は、 前記車両確度判定手段によって判定された車両確度が車
    両以外を除く全ての物体について、車両確度が未定の物
    体については当該物体の相対速度を略0であるとみなし
    て警報判定を実行すると共に、車両確度が車両である物
    体についても警報判定を実行し、これらの内のいずれか
    が警報実行条件を満たしていれば前記車間警報を実行す
    ること、 を特徴とする車間警報装置。
  13. 【請求項13】請求項7又は8記載の車間警報装置にお
    いて、 前記車間警報手段は、 前記第1の先行車の車両確度が未定である場合は前記警
    報判定値を算出せず、前記第2の先行車に対する警報判
    定値に基づいて前記車間警報を実行すること、を特徴と
    する車間警報装置。
  14. 【請求項14】請求項9記載の車間警報装置において、 前記車間警報手段は、 前記車両確度が未定の物体については警報判定値を算出
    せず、車両確度が車両である物体について警報判定値を
    算出し、これらの内で警報の必要度合いが最も大きな警
    報判定値に基づいて前記車間警報を実行すること、 を特徴とする車間警報装置。
  15. 【請求項15】請求項10又は11記載の車間警報装置
    において、 前記車間警報手段は、 前記第1の先行車の車両確度が未定である場合は前記警
    報判定を実行せず、前記第2の先行車に対する警報判定
    の結果、警報実行条件を満たしていれば前記車間警報を
    実行すること、 を特徴とする車間警報装置。
  16. 【請求項16】請求項12記載の車間警報装置におい
    て、 前記車間警報手段は、 車両確度が未定の物体については警報判定を実行せず、
    車両確度が車両である物体について警報判定を実行し、
    これらの内のいずれかが警報実行条件を満たしていれば
    前記車間警報を実行すること、 を特徴とする車間警報装置。
  17. 【請求項17】請求項1〜6のいずれか記載の車間制御
    装置の先行車選択手段、車間制御手段及び車両確度判定
    手段としてコンピュータシステムを機能させるためのプ
    ログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒
    体。
  18. 【請求項18】請求項7〜16のいずれか記載の車間警
    報装置の先行車選択手段、車間警報手段及び車両確度判
    定手段としてコンピュータシステムを機能させるための
    プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録
    媒体。
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