JP3546806B2 - 車間制御装置、記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自車を先行車に追従させて走行させるための車間制御に係る技術に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、自動車の走行安全性を向上させると共に、運転者の操作負担を軽減するための技術として、自車を先行車に自動的に追従させる車間制御装置が知られている。その追従のさせ方としては、例えば目標加速度と実加速度との偏差に基づいてスロットル制御やフューエルカット(F/C)制御等の加減速制御をする方法が知られている。
【0003】
しかしながら、この従来技術では、減速制御が作動・解除を繰り返すハンチングを抑制するために目標加速度と実加速度の偏差がある程度大きくなるまでF/C制御等を実行しなかったので、追従性が犠牲になり、減速が遅れるという課題があった。また、加速制御のハンチングを抑制するために目標加速度の偏差に基づいてスロットルを緩やかに制御していたので、やはり追従性が犠牲になり、加速が遅れるという課題があった。
【0004】
そこで、本発明は、制御遅れを改善した車間制御を実現し、運転フィーリングを向上させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するためになされた請求項1に記載の車間制御装置は、自車両を加減速させる加速手段及び減速手段と、自車と先行車との実車間距離に相当する物理量である実車間物理量と、自車と先行車との目標車間距離に相当する物理量である目標車間物理量との差である車間偏差、及び自車と先行車との相対速度に基づいて車間制御量を算出し、その算出された車間制御量に基づき前記加速手段及び減速手段を駆動制御することによって、自車を先行車に追従させて走行させる車間制御手段と、を備える車間制御装置を前提とし、車間制御手段が、更に、次のような制御を実行する。すなわち、所定時間経過後に生じると予測される実車間物理量である予測車間物理量、所定時間経過後に生じると予測される自車と先行車との目標車間距離に相当する物理量である予測目標車間物理量、前記予測車間物理量と前記予測目標車間物理量との差である予測車間偏差及び自車と先行車との相対速度に基づいて算出された予測車間制御量、前記車間制御量としての目標加速度と実加速度との偏差である加速度偏差、前記予測車間制御量としての予測目標加速度と実加速度との偏差である予測加速度偏差に基づいて、前記加速手段又は減速手段の少なくともいずれか一方を駆動制御するのである。
【0006】
加減速制御は、スロットルなどの加速手段やブレーキ装置などの減速手段を駆動制御するが、本発明装置では、その制御に際して、通常の(予測値を用いない)車間制御量に基づくとともに、予測車間物理量にも基づくため、車間制御量への追従性を向上し、制御遅れを改善できる。具体的には、従来手法の場合、例えば減速手段が頻繁に作動、解除をくり返すことを避けるため、加速度偏差(=目標加速度−実加速度)があるしきい値を越えた場合に減速手段を駆動制御していた。これにより、あるしきい値を越えるまで減速手段の作動が行われないために、状況によっては減速開始が遅れて運転者に違和感を与えることがあった。これに対し本発明方法のように予測値を用いれば、将来減速手段の作動が必要であるか否かを判定することができ、必要な場合にはより早期に減速を開始することができるため、運転フィーリングを向上させることができる。
【0007】
なお、「車間物理量」と表現したのは、車間距離そのものではなく、例えば車間距離を自車の車速で除算した値(以下「車間時間」と称す)を用いても同様に実現でき、また、実際には、レーザ光あるいは送信波などを先行車に対して照射し、その反射光あるいは反射波の受けるまでの時間を検出して車間距離を算出しているため、その検出された時間そのものを用い、実時間と目標時間にて同様の制御を実行してもよいからである。つまり、車間距離に相当する物理量であれば実現可能なため、これらを含めて「車間物理量」と表した。また、「車間制御量」の一具体例としては目標加速度が挙げられるが、それ以外にも目標車速や、目標トルク、あるいは目標相対速度などを採用してもよい。
【0009】
さらに、本発明装置では、駆動制御に際して、予測車間物理量及び予測目標車間物理量に加えて、さらに予測車間制御量にも基づいている。つまり、予測車間物理量と予測目標車間物理量との差である予測車間偏差及び自車と先行車との相対速度に基づいて予測車間制御量を算出し、その予測車間制御量に基づいて加速手段又は減速手段の少なくともいずれか一方を駆動制御するのである。このように車間制御量の予測値を用いれば、通常行っている加速手段、減速手段に対する駆動制御方法(例えばスロットル制御量の演算、減速手段に対する要求判定など)を応用することができる。
ところで、車間制御量としては目標加速度を用いることができ、その場合の予測車間物理量としては予測目標加速度を用いることができる。そこで本発明装置では、現時点での加速度偏差(=目標加速度−実加速度)だけでなく、将来生じると想定される予測加速度偏差(=予測目標加速度−実加速度)にも基づいて加速手段や減速手段を駆動制御することにより、目標加速度への追従性を向上させ、より適切に加減速制御することができる。
【0010】
また、請求項2に係る車間制御装置においては、車間制御手段が、所定時間経過後に生じると予測される実車間物理量である予測車間物理量、所定時間経過後に生じると予測される自車と先行車との目標車間距離に相当する物理量である予測目標車間物理量、所定時間経過後に生じると予測される予測相対速度、前記予測車間物理量と前記予測目標車間物理量との差である予測車間偏差及び所定時間経過後に生じると予測される予測相対速度に基づいて算出された予測車間制御量、前記車間制御量としての目標加速度と実加速度との偏差である加速度偏差、前記予測車間制御量としての予測目標加速度と実加速度との偏差である予測加速度偏差に基づいて前記加速手段又は減速手段の少なくともいずれか一方を駆動制御する。このように、予測相対速度にも基づくようにすれば、所定時間後における、より正確な先行車との関係を求めることができる。なお、この場合の予測相対速度については、例えば予測時間と相対速度と相対加速度に基づいて算出することが考えられる。
【0012】
そして、これらの構成を前提とした場合には、請求項3に示すように、減速手段に対する駆動制御に際して、加速度偏差及び予測加速度偏差の少なくともいずれか一方が所定のしきい値を越えた場合に減速手段を駆動制御することが考えられる。しきい値は、加速度偏差と予測加速度偏差とで同一の値を用いてもよいし、別個の値を用いてもよい。別個の値を用いる場合、予測値を慎重に適用するのであれば予測加速度偏差のしきい値を厳しく(越えにくく)設定すればよく、予測値を重視するのであればしきい値を甘く(越えやすく)設定すればよい。
【0013】
なお、予測目標車間物理量は次のようにして演算することができる。例えば、予測時間と、車速と、加速度とに基づいて算出することが考えられる。特に車速に基づいて目標車間物理量を可変とする場合は、所定時間経過後の予測車速に基づいて予測目標車間物理量を算出することで、所定時間後におけるより正確な目標車間物理量を算出することができる。また、予測車間物理量は次のようにして演算することができる。つまり、予測時間と、車間物理量と、相対速度とに基づいて算出するのである。そして、その場合には、請求項4に示すように、相対加速度にも基づいて算出することで、より正確な予測値を算出することができる。
【0014】
一方、請求項5に示すように、データ不安定状態を判定して予測値の使用可否を判定してもよい。つまり、実車間物理量あるいは自車と先行車との相対速度の信頼性を判定する手段を備え、それらが信頼できないと判断した場合には、予測値(予測車間物理量、予測目標車間物理量、予測相対速度、予測車間制御量)に基づいた加速手段及び減速手段の駆動制御をしないようにするのである。予測値を求めるのに必要なデータが信頼できないとき、予測値自体も信頼できないものとなる。そして、このような予測値を用いると、予測値を使わない場合に比べて誤った駆動制御を実施してしまう可能性が高くなる。従って、このように信頼性を判定して予測値の使用可否を判断することで、誤制御を防止することができる。なお、信頼性の判定手段の例としては、例えば距離や相対速度が、通常の交通環境であり得ないような変化を示したとき、信頼性が低いと判断することが考えられる。
【0015】
また、請求項6に示すように、減速手段の駆動制御に際しては、その時点での実車間物理量と相対速度を用いた減速手段作動判定条件による判定結果に基づいて実行可否判定を行うことが考えられる。この減速手段作動判定条件は、減速手段の作動可否を判定するために予め定められた条件であって、実車間物理量と相対速度との関係を示す。つまり、運転者が減速手段を作動してもよいと感じる条件を表しているため、万が一誤った予測値を使用してしまった場合にも、作動可否条件に基づいて減速手段を駆動制御するか否かを判断することによって、無用な減速制御を防止することができる。そして、この減速手段作動判定条件については、請求項7に示すように、目標車間設定手段によって設定可能な最短の目標車間物理量と実際に設定されている目標車間物理量との差を加味して定めることが考えられる。つまり、最短の目標者間物理量を基準として設定された減速手段作動判定条件を、実際の目標車間設定に応じて補正するのである。このようにすれば、車間設定に応じて減速手段作動判定条件を変更することができ、運転者の感性により合致した条件とすることができる。
【0016】
なお、請求項8に示すように、車間制御装置の車間制御手段をコンピュータシステムにて実現する機能は、例えば、コンピュータシステム側で起動するプログラムとして備えることができる。このようなプログラムの場合、例えば、フロッピーディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いることができる。この他、ROMやバックアップRAMをコンピュータ読み取り可能な記録媒体として前記プログラムを記録しておき、このROMあるいはバックアップRAMをコンピュータシステムに組み込んで用いても良い。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、上述した発明が適用された車間制御用電子制御装置2(以下、「車間制御ECU」と称す。)およびブレーキ電子制御装置4(以下、「ブレーキECU」と称す。)を中心に示す自動車に搭載されている各種制御回路の概略構成を表すブロック図である。
【0018】
車間制御ECU2は、マイクロコンピュータを中心として構成されている電子回路であり、現車速(Vn)信号、操舵角(str−eng ,S0)信号、ヨーレート信号、目標車間時間信号、ワイパスイッチ情報、アイドル制御やブレーキ制御などの制御状態信号等をエンジン電子制御装置6(以下、「エンジンECU」と称す。)から受信する。そして、車間制御ECU2は、この受信したデータに基づいて、車間制御演算や車間警報演算をしている。
【0019】
レーザレーダセンサ3は、レーザによるスキャニング測距器とマイクロコンピュータとを中心として構成されている電子回路であり、スキャニング測距器にて検出した先行車の角度や距離等、および車間制御ECU2から受信する現車速(Vn)信号、カーブ曲率半径R等に基づいて、車間制御装置の一部の機能として先行車の自車線確率を演算し、相対速度等の情報も含めた先行車情報として車間制御ECU2に送信する。また、レーザレーダセンサ3自身のダイアグノーシス信号も車間制御ECU2に送信する。
【0020】
なお、前記スキャニング測距器は、車幅方向の所定角度範囲に送信波あるいはレーザ光をスキャン照射し、物体からの反射波あるいは反射光に基づいて、自車と前方物体との距離をスキャン角度に対応して検出可能な測距手段として機能している。
【0021】
さらに、車間制御ECU2は、このようにレーザレーダセンサ3から受信した先行車情報に含まれる自車線確率等に基づいて、車間距離制御すべき先行車を決定し、先行車との車間距離を適切に調節するための制御指令値として、エンジンECU6に、目標加速度信号、フューエルカット要求信号、ODカット要求信号、3速シフトダウン要求信号、ブレーキ要求信号を送信している。また警報発生の判定をして警報吹鳴要求信号を送信したり、あるいは警報吹鳴解除要求信号を送信したりする。さらに、ダイアグノーシス信号、表示データ信号等を送信している。
【0022】
ブレーキECU4は、マイクロコンピュータを中心として構成されている電子回路であり、車両の操舵角を検出する操舵角検出手段としてのステアリングセンサ8、車両旋回検出手段としてヨーレートを検出するヨーレートセンサ10、および各車輪の速度を検出する車輪速センサ12から操舵角やヨーレートを求めて、これらのデータをエンジンECU6を介して車間制御ECU2に送信したり、ブレーキ力を制御するためにブレーキ油圧回路に備えられた増圧制御弁・減圧制御弁の開閉をデューティ制御するブレーキアクチュエータ25を制御している。またブレーキECU4は、エンジンECU6を介する車間制御ECU2からの警報要求信号に応じて警報ブザー14を鳴動する。
【0023】
エンジンECU6は、マイクロコンピュータを中心として構成されている電子回路であり、スロットル開度センサ15、車両速度を検出する車速検出手段としての車速センサ16、ブレーキの踏み込み有無を検出するブレーキスイッチ18、クルーズコントロールスイッチ20、クルーズメインスイッチ22、及びその他のセンサやスイッチ類からの検出信号あるいはボデーLAN28を介して受信するワイパースイッチ情報やテールスイッチ情報を受信し、さらに、ブレーキECU4からの操舵角(str−eng,S0 )信号やヨーレート信号、あるいは車間制御ECU2からの目標加速度信号、フューエルカット要求信号、ODカット要求信号、3速シフトダウン要求信号、ブレーキ要求信号、警報要求信号、ダイアグノーシス信号、表示データ信号等を受信している。
【0024】
そして、エンジンECU6は、この受信した信号から判断する運転状態に応じて、駆動手段としての内燃機関(ここでは、ガソリンエンジン)のスロットル開度を調整するスロットルアクチュエータ24、トランスミッション26のアクチュエータ駆動段に対して駆動命令を出力している。これらのアクチュエータにより、内燃機関の出力、ブレーキ力あるいは変速シフトを制御することが可能となっている。なお、本実施形態の場合のトランスミッション26は5速オートマチックトランスミッションであり、4速の減速比が「1」に設定され、5速の減速比が4速よりも小さな値(例えば、0.7)に設定された、いわゆる、4速+オーバードライブ(OD)構成になっている。したがって、上述したODカット要求信号が出された場合、トランスミッション26が5速(すなわち、オーバードライブのシフト位置)にシフトしていた場合には4速へシフトダウンする。また、3速シフトダウン要求信号が出された場合には、トランスミッション26が4速にシフトしていた場合には3速へシフトダウンする。その結果、これらのシフトダウンによって大きなエンジンブレーキが生じ、そのエンジンブレーキにより自車の減速が行われることとなる。
【0025】
また、エンジンECU6は、必要な表示情報を、ボデーLAN28を介して、ダッシュボードに備えられているLCD等の表示装置(図示していない。)に送信して表示させたり、あるいは現車速(Vn)信号、操舵角(str−eng,S0 )信号、ヨーレート信号、目標車間時間信号、ワイパスイッチ情報信号、アイドル制御やブレーキ制御の制御状態信号を、車間制御ECU2に送信している。
【0026】
図2は、車間制御ECU2が実行するメイン処理を示すフローチャートであり、最初のステップS100においてはレーザレーダセンサ3から先行車に関するデータなどのレーザレーダデータを受信する。なお、このレーザレーダセンサ3にて行われる処理については後述する。
【0027】
続くS200ではエンジンECU6から現車速(Vn)や目標車間時間などのエンジンECUデータを受信する。
これらの受信データに基づき、先行車選択(S300)、目標加速度演算(S400)、減速要求判定(S900)及び警報発生判定(S1000)の各処理を実行する。これらの各処理の詳細は後述する。その後、推定Rの演算を行い(S1100)、レーザレーダセンサ3側へは、現車速(Vn)や推定Rなどのデータを送信し(S1200)、エンジンECU6へは、目標加速度やフューエルカット要求、ODカット要求、3速シフトダウン要求、ブレーキ要求、警報要求などのデータを送信する(S1300)。
【0028】
以上はメイン処理全体についての説明であったので、続いて、S300,S400,S900及びS1000に示した各処理の詳細について順番に説明する。まず、S300での先行車選択サブルーチンについて図3のフローチャートを参照して説明する。
【0029】
最初のステップS310においては、先行車候補群を抽出する。この処理は、レーザレーダセンサ3より受信した全ての物標データについて、自車線確率が所定値よりも大きいものを抽出する処理である。ここで、自車線確率とは、各物標が自車両の推定進行路上に存在する確率であり、レーザレーダセンサ3内にて演算処理され、車間制御ECU2に物標データの一部として送信される。
【0030】
続くS320では先行車候補があるか否かを判断する。先行車候補がなければ(S320:NO)、先行車未認識時のデータを先行車データとして設定し(S350)、本処理ルーチンを終了する。一方、先行車候補があれば(S320:YES)、S330へ移行し、車間距離が最小の物標を先行車として選択する。その後S340へ移行し、先行車データとしてS330で選択された物標のデータを設定し、本処理ルーチンを終了する。
【0031】
次に、S400での目標加速度演算サブルーチンについて図4(a)のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS410においては、先行車を認識中であるかどうかを判断する。そして、先行車を認識中であれば(S410:YES)、S420へ移行して車間偏差比を演算する。この車間偏差比(%)は、現在車間から目標車間を減算した値(車間偏差)を目標車間で除算し100を掛けた値である。ここで、目標車間は車速に応じて可変とするここで、より運転者の感覚に合致させることができる。続くS430にて相対速度に対してローパスフィルタを施す。
【0032】
そして、S440では、S420,S430にて得られた車間偏差比と相対速度という2つのパラメータに基づき、図4(b)に示す制御マップの値を得て、目標加速度とする。
なお、図4(b)の制御マップは、車間偏差比(%)として−96,−64,−32,0,32,64,96の7つの値、相対速度(Km/h)として16,8,0,−8,−16,−24の6つの値に対する目標加速度を示すものであるが、マップ値として示されていない値については、マップ内では直線補間により演算した値を採用し、マップ外ではマップ端の値を採用する。また、マップ内の値を用いる場合においても、さらに所定の上下限ガードを施すことも考えられる。
【0033】
一方、先行車を認識中でなければ(S410:NO)、先行車を未認識の場合の値を目標加速度として設定する(S450)。
次に、S900での減速要求判定サブルーチンについて図5のフローチャートを参照して説明する。
【0034】
この減速要求判定においては、まず、加速度偏差及び予測加速度偏差の算出を行う(S905)。加速度偏差は目標加速度から実加速度を減算して得る。また予測加速度偏差は予測目標加速度から実加速度を減算して得る。
ここで、予測加速度偏差を求めるのに用いた予測目標加速度は、予測車間偏差比と予測相対速度という2つの予測値によるパラメータに基づき、図4(b)に示すのと同じような制御マップを用いて値を得る。また、予測車間偏差比は、予測車間から予測目標車間を減算した値(予測車間偏差)を予測目標車間で除算し100を掛けた値である。そして、予測目標車間は予測車速に応じて可変とすることで、より運転者の感覚に合致させることができる。
【0035】
なお、予測車間偏差比を得る際に「予測目標車間物理量」である予測目標車間を用いたが、目標車間が一定の場合には、予測目標車間ではなく、目標車間に基づけば十分対応できる。また、目標車間を車速によって変化させる場合であっても、予測目標車間の代わりに目標車間を用いることも(性能は相対的に劣るが)可能である。
【0036】
その後、フューエルカット要求判定(S910)、ODカット要求判定(S920)、3速シフトダウン要求判定(S930)及びブレーキ要求判定(S940)を順番に行って終了する。各制御について説明する。
まず、S910のフューエルカット要求判定サブルーチンについて、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0037】
最初のステップS911においてフューエルカット要求中であるかどうか判断し、フューエルカット要求中でなければ(S911:NO)、加速度偏差が加速度偏差しきい値ATref1よりも小さいかどうか判断する(S912)。そして、加速度偏差<ATref1であれば(S912:YES)、車間距離Dが減速要求許可条件しきい値Dp1以下かどうかを判断する(S914)。
【0038】
ここで減速要求許可条件しきい値Dp1について説明する。このしきい値Dp1は下記の式にて算出する。
Dp1=a1×Vr+b1+{c1×Vn×(Tth−Tthmin)}
なお、Vrは相対速度、Vnは車速、Tthは設定車間時間、Tthmin は最短設定車間時間、係数a1,b1は運転者の減速タイミングより予め決定した定数、c1は補正係数である。なお、係数a1 ,b1は、ドライバによる実際の運転を行い、相対速度を様々に変更して、アクセルOFFした時の(先行車との)距離を取得して得る。
【0039】
また、Vn×(Tth−Tthmin) は、設定車間時間によるオフセット分の補正項である。つまり、ドライバの好みによって設定車間時間は異なる。相対的に短くてもよいドライバにとってはシステムにて設定可能な最短の車間時間に設定するであろうし、相対的に長いものを好むドライバにとっては最短設定車間時間に比べて長く設定する。したがって、その違いを反映するためにこの補正項を設けた。
【0040】
そして、D≦Dp1の場合は(S914:YES)、フューエルカット要求成立として(S915)、本サブルーチンを終了するが、D>Dp1の場合は(S914:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
また、加速度偏差≧ATref1であれば(S912:NO)、予測加速度偏差が予測加速度偏差しきい値ATref1exよりも小さいかどうか判断する(S913)。そして、予測加速度偏差<ATref1exであれば(S913:YES)、S914へ移行するが、予測加速度偏差≧ATref1exであれば(S913:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0041】
ここで、減速要求許可条件しきい値Dp1を用いた判定条件は、運転者が減速手段(ここではフューエルカット)を作動してもよいと感じる条件を表しているため、万が一誤った予測値を使用してしまった場合にも、この条件に基づいて減速手段を駆動制御するか否かを判断することによって、無用な減速制御を防止することができる。そして、この条件を、設定可能な最短の目標車間時間と実際に設定されている目標車間時間との差を加味して定めているため、車間設定に応じて判定条件を変更することができ、運転者の感性により合致した条件とすることができる。
【0042】
一方、フューエルカット要求中であれば(S911:YES)、S916へ移行し、目標加速度が目標加速度しきい値ATmcref1よりも大きいかどうか判断する。そして、目標加速度>ATmcref1であれば(S916:YES)、フューエルカット要求を解除して(S919)、本サブルーチンを終了するが、目標加速度≦ATmcref1であれば(S916:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0043】
次に、S920のODカット要求判定サブルーチンについて、図7のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS921においてODカット要求中であるかどうか判断し、ODカット要求中でなければ(S921:NO)、加速度偏差が加速度偏差しきい値ATref2よりも小さいかどうか判断する(S922)。そして、加速度偏差<ATref2であれば(S922:YES)、車間距離Dが減速要求許可条件しきい値Dp2以下かどうかを判断する(S924)。
【0044】
そして、D≦Dp2の場合は(S924:YES)、ODカット要求成立として(S925)、本サブルーチンを終了する。
また、加速度偏差≧ATref2であれば(S922:NO)、予測加速度偏差が予測加速度偏差しきい値ATref2exよりも小さいかどうか判断する(S923)。そして、予測加速度偏差<ATref2exであれば(S923:YES)、S924へ移行するが、予測加速度偏差≧ATref2exであれば(S923:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0045】
一方、ODカット要求中であれば(S921:YES)、S926へ移行し、目標加速度が目標加速度しきい値ATmcref2よりも大きいかどうか判断する。そして、目標加速度>ATmcref2であれば(S926:YES)、ODカット要求を解除して(S927)、本サブルーチンを終了するが、目標加速度≦ATmcref2であれば(S926:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0046】
次に、S930の3速シフトダウン要求判定サブルーチンについて、図8のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS931において3速シフトダウン要求中であるかどうか判断し、3速シフトダウン要求中でなければ(S931:NO)、加速度偏差が加速度偏差しきい値ATref3よりも小さいかどうか判断する(S932)。そして、加速度偏差<ATref3であれば(S932:YES)、車間距離Dが減速要求許可条件しきい値Dp3以下かどうかを判断する(S934)。
【0047】
そして、D≦Dp3の場合は(S934:YES)、3速シフトダウン要求成立として(S935)、本サブルーチンを終了する。
また、加速度偏差≧ATref3であれば(S932:NO)、予測加速度偏差が予測加速度偏差しきい値ATref3exよりも小さいかどうか判断する(S933)。そして、予測加速度偏差<ATref3exであれば(S933:YES)、S934へ移行するが、予測加速度偏差≧ATref3exであれば(S933:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0048】
一方、3速シフトダウン要求中であれば(S931:YES)、S936へ移行し、目標加速度が目標加速度しきい値ATmcref3よりも大きいかどうか判断する。そして、目標加速度>ATmcref3であれば(S936:YES)、3速シフトダウン要求を解除して(S937)、本サブルーチンを終了するが、目標加速度≦ATmcref3であれば(S936:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0049】
次に、S940のブレーキ要求判定サブルーチンについて、図9のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS941においてフューエルカット要求中であるかどうか判断し、フューエルカット要求中でなければ(S941:NO)、ブレーキ要求を解除して(S948)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0050】
一方、フューエルカット要求中であれば(S941:YES)、ブレーキ要求中であるかどうか判断し(S942)、ブレーキ要求中でなければ(S942:NO)、加速度偏差が加速度偏差しきい値ATref4よりも小さいかどうか判断する(S943)。そして、加速度偏差<ATref4であれば(S943:YES)、車間距離Dが減速要求許可条件しきい値Dp4以下かどうかを判断する(S945)。
【0051】
そして、D≦Dp4の場合は(S945:YES)、ブレーキ要求成立として(S946)、本サブルーチンを終了する。
また、加速度偏差≧ATref4であれば(S943:NO)、予測加速度偏差が予測加速度偏差しきい値ATref4exよりも小さいかどうか判断する(S944)。そして、予測加速度偏差<ATref4exであれば(S944:YES)、S945へ移行するが、予測加速度偏差≧ATref4exであれば(S944:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0052】
一方、ブレーキ要求中であれば(S942:YES)、S947へ移行し、目標加速度が目標加速度しきい値ATmcref4よりも大きいかどうか判断する。そして、目標加速度>ATmcref4であれば(S947:YES)、ブレーキ要求を解除して(S948)、本サブルーチンを終了するが、目標加速度≦ATmcref4であれば(S947:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0053】
なお、図6〜図9のフローチャートの説明中に用いたしきい値ATref1〜ATref4,ATref1ex〜ATref4ex,ATmcref1〜ATmcref4,Dp1〜Dp4について、補足説明しておく。これらのしきい値の大小関係は以下の通りである。
(a)加速度偏差しきい値の関係
ATref4<ATref3<ATref2<ATref1
これは、より発生減速度の小さな減速手段が先に要求開始して作動されることが望ましいからである。
(b)予測加速度偏差しきい値の関係
ATref4ex<ATref3ex<ATref2ex<ATref1ex
これも、上述の加速度偏差しきい値と同様に、より発生減速度の小さな減速手段が先に要求開始して作動されることが望ましいからである。
(c)予測加速度しきい値の関係
ATmcref4<ATmcref3<ATmcref2<ATmcref1
これは、発生減速度のより大きな手段が先に解除されることが望ましいからである。
(d)減速要求許可条件しきい値の関係
Dp1>Dp2>Dp3>Dp4
これは、より減速度の小さい減速手段をより遠方で要求許可するためである。
【0054】
次に、警報発生判定(S1000)の詳細について図10のフローチャートを参照して説明する。
図10の最初のステップS1010では、警報要求を現在指示中であるかどうかを判断し、警報要求中でなければ(S1010:NO)、所定の条件成立を判断して警報要求を指示するための処理(S1020,S1030,S1040)を実行する。
【0055】
S1020では、以下の算出式に示すように、自車速と相対速度に応じて警報距離Dwを算出する。
警報距離Dw=f(自車速,相対速度)
次に、この警報距離よりも車間距離が短い状態が生じているかどうかを判断し(S1030)、車間距離が警報距離以上の場合には(S1030:NO)、そのまま本処理ルーチンを終了する。そして、警報距離よりも車間距離が短い場合には(S1030:YES)、警報要求を成立させる(S1040)。
【0056】
一方、S1010にて肯定判断、すなわち、警報要求中であれば、所定の条件成立を判断して警報要求を解除するための処理(S1050,S1060,S1070)を実行する。
S1050では、警報要求が成立した後1秒経過したかどうかを判断する。警報要求成立後1秒経過していなければ(S1050:NO)、そのまま本処理ルーチンを終了する。これは、警報処理を実行した場合、少なくとも1秒間はその状態を続けるためである。
【0057】
そして、警報要求が成立した後1秒経過すると(S1050:YES)、続いて、車間距離が警報距離以上かどうかを判断し(S1060)、車間距離が警報距離未満の場合には(S1060:NO)、そのまま本処理ルーチンを終了する。そして、車間距離が警報距離以上の場合には(S1060:YES)、警報要求を解除する(S1070)。
【0058】
S1040において警報要求が成立した旨は、図2のS1300でエンジンECU6へ送信される。そして、エンジンECU6からブレーキECU4に対して指示することによって、ブレーキECU4は警報ブザー14を鳴動する。一方、S1070において警報要求が解除されたことがエンジンECU6へ伝わると、ブレーキECU4を介して警報ブザー14が停止されることとなる。
【0059】
なお、本実施形態においては、車間制御ECU2が車間制御手段に相当する。
以上説明した本実施形態のシステムが発揮する効果を説明する。
本実施形態の車間制御システムでは、図4〜図9からも判るように、ブレーキ装置などの減速手段の駆動制御に際して、通常の(予測値を用いない)車間制御量である目標加速度及びそれを用いて得た加速度偏差に基づくとともに、予測車間制御量である予測目標加速度を用いて得た予測加速度偏差にも基づくため、目標加速度への追従性を向上し、制御遅れを改善できる。
【0060】
つまり、従来手法の場合、図6のS912などに示すように加速度偏差(=目標加速度−実加速度)があるしきい値(加速偏差しきい値ATref1)を越えた場合(S912:YES)にのみ減速手段を駆動制御していた。言い換えれば、このしきい値を越えるまで減速手段の作動が行われないため、状況によっては減速開始が遅れて運転者に違和感を与えることがあった。
【0061】
これに対し本システムの場合は、加速度偏差がしきい値を越えなくても(S912で否定判断であっても)、予測加速度偏差がしきい値(加速度偏差しきい値ATref1ex)を越えていれば(S913:YES)、減速手段を駆動させることができる。すなわち、予測値を用いることで将来減速手段の作動が必要であるか否かを判定することができ、必要な場合にはより早期に減速を開始することができるため、運転フィーリングを向上させることができるのである。
【0062】
このように予測加速度偏差にも基づくことで減速手段の開始タイミングが早期化した場合の試算結果のタイムチャートを図11に示す。
図11は、3速シフトダウンの開始タイミングについて示している。先行車速・自車速・(先行車との)距離・目標加速度・実加速度が示されているが、この内の目標加速度から実加速度を減算したものが加速度偏差である。この加速度偏差による条件を満たした場合、つまり図8のS932にて肯定判断されると、図11中に▲1▼で示すように3速シフトダウン条件が成立する(図8ではS935参照)。ただし、この条件だけだと、上述したように減速タイミングが遅れることがあった。これに対して、予測目標加速度による条件を満たした場合、つまり図8のS933にて肯定判断されると(図8のS933:YES)、加速度偏差による条件が満たされていない場合であっても(図8のS932:NO)、図11中に▲2▼で示すように3速シフトダウン条件が成立する(図8ではS935参照)。そのため、3速シフトダウンの開始タイミングが早期化する。
【0063】
[その他]
(1)上記実施形態においては、減速制御に関してのみ示したが、加速制御に関しても同様に適用できる。例えば加速手段への適用例として、スロットル制御に関して説明する。
【0064】
従来は、加速度偏差(=目標加速度−実加速度)から例えば以下のようにスロットル制御量を演算していた。
スロットル制御量θth(n)=θth(n−1)+K0×加速度偏差
ここで、K0:スロットル制御量ゲイン(固定)
これに対して、上記実施形態のように、予測加速度偏差を用いるのであれば、例えば以下のようにする。
【0065】
スロットル制御量θth(n)=θth(n−1)+K1×加速度偏差+K1×予測加速度偏差
ここで、K1:スロットル制御量ゲイン(=K0/2)
このように予測加速度偏差も用いることによって、将来偏差が大きくなると予測される場合には、それを加味してスロットルを大きく制御するため、加速制御に関しても追従性が向上する。
【0066】
(2)上記実施形態では、予測値を用いることで、必要な場合にはより早期に減速を開始することができ、運転フィーリングを向上させる結果となったが、予測値を用いるにあたっては、無条件に用いるのではなく、データ不安定状態を判定して使用可否を判定してもよい。つまり、実車間距離あるいは自車と先行車との相対速度の信頼性を判定し、それらが信頼できないと判断され場合には、予測値(予測車間物理量、予測目標車間物理量、予測相対速度、予測車間制御量)に基づいた加減速手段の駆動制御をしないようにする。予測値を求めるのに必要なデータが信頼できないとき、予測値自体も信頼できないものとなり、このような予測値を用いると予測値を使わない場合に比べて誤った駆動制御を実施してしまう可能性が高くなる。従って、このように信頼性を判定して予測値の使用可否を判断することで、誤制御を防止することができる。例えば上記実施形態において図2のS900の減速要求判定を実行する前に実車間距離と相対速度の信頼性を判定する処理を実施し、図6のフューエルカット要求判定中のS913で「予測加速度偏差<(予測加速度偏差しきい値)ATref1ex」と判定しているところを、「予測加速度偏差<ATref1ex且つ信頼性問題なし」という判定とするのである。図7のODカット要求判定中のS923、図8の3速シフトダウン要求判定中のS933及び図9のブレーキ要求判定中のS944についても同様である。
【0067】
なお、信頼性の判定をする場合には、例えば先行車との距離や相対速度が、通常の交通環境であり得ないような変化を示したときに、信頼性が低いと判断することが考えられる。通常の交通環境においては、先行車や自車の発生する加減速度はある範囲内、例えば0.2G〜0.7Gの範囲内にあると想定される。これは、車両の性能と交通流によって決まる値である。この発生加速度の範囲や予め与えられるレーダの測定誤差等から求まる距離・相対速度の変化の上下限値に対して、レーダの出力するデータがこれを越えるような場合には、レーダの検知状態が正常でなくデータの信頼性が低いと判断するのである。
【0068】
(3)減速手段としては、上述した実施形態で説明したものも含め、採用可能なものを挙げておく。ブレーキ装置のブレーキ圧を調整して行うもの、内燃機関に燃料が供給されるのを阻止するフューエルカット制御、前記内燃機関に接続された自動変速機がオーバードライブのシフト位置となるのを禁止するオーバードライブカット制御、前記自動変速機を高位のシフト位置からシフトダウンさせるシフトダウン制御、前記内燃機関の点火時期を遅らせる点火遅角制御、前記自動変速機が備えたトルクコンバータをロックアップ状態にするロックアップ制御、前記内燃機関からの排気の流動抵抗を増加させる排気ブレーキ制御およびリターダ制御を実行して行うものなどである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の車間制御装置のシステムブロック図である。
【図2】車間制御ECUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【図3】図2のメイン処理中で実行される先行車選択サブルーチンを示すフローチャートである。
【図4】(a)は図2のメイン処理中で実行される目標加速度演算サブルーチンを示すフローチャート、(b)は制御マップの説明図である。
【図5】図2のメイン処理中で実行される減速要求判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】図5の減速要求判定中で実行されるフューエルカット要求判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】図5の減速要求判定中で実行されるODカット要求判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】図5の減速要求判定中で実行される3速シフトダウン要求判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】図5の減速要求判定中で実行されるブレーキ要求判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】図2のメイン処理中で実行される警報発生判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】予測加速度偏差にも基づくことで減速手段(ここでは3速シフトダウン)の開始タイミングが早期化した場合の試算結果を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
2…車間制御用電子制御装置(車間制御ECU)
3…レーザレーダセンサ
4…ブレーキ電子制御装置(ブレーキECU)
6…エンジン電子制御装置(エンジンECU)
8…ステアリングセンサ 10…ヨーレートセンサ
12…車輪速センサ 14…警報ブザー
15…スロットル開度センサ 16…車速センサ
18…ブレーキスイッチ
20…クルーズコントロールスイッチ 22…クルーズメインスイッチ
24…スロットルアクチュエータ 25…ブレーキアクチュエータ
26…トランスミッション 28…ボデーLAN
Claims (8)
- 自車両を加減速させる加速手段及び減速手段と、
自車と先行車との実車間距離に相当する物理量である実車間物理量と、自車と先行車との目標車間距離に相当する物理量である目標車間物理量との差である車間偏差、及び自車と先行車との相対速度に基づいて車間制御量を算出し、その算出された車間制御量に基づき前記加速手段及び減速手段を駆動制御することによって、自車を先行車に追従させて走行させる車間制御手段と、
を備える車間制御装置において、
前記車間制御手段は、更に、
所定時間経過後に生じると予測される実車間物理量である予測車間物理量、所定時間経過後に生じると予測される自車と先行車との目標車間距離に相当する物理量である予測目標車間物理量、前記予測車間物理量と前記予測目標車間物理量との差である予測車間偏差及び自車と先行車との相対速度に基づいて算出された予測車間制御量、前記車間制御量としての目標加速度と実加速度との偏差である加速度偏差、前記予測車間制御量としての予測目標加速度と実加速度との偏差である予測加速度偏差に基づいて、前記加速手段又は減速手段の少なくともいずれか一方を駆動制御すること
を特徴とする車間制御装置。 - 自車両を加減速させる加速手段及び減速手段と、
自車と先行車との実車間距離に相当する物理量である実車間物理量と、自車と先行車との目標車間距離に相当する物理量である目標車間物理量との差である車間偏差、及び自車と先行車との相対速度に基づいて車間制御量を算出し、その算出された車間制御量に基づき前記加速手段及び減速手段を駆動制御することによって、自車を先行車に追従させて走行させる車間制御手段と、
を備える車間制御装置において、
前記車間制御手段は、更に、
所定時間経過後に生じると予測される実車間物理量である予測車間物理量、所定時間経過後に生じると予測される自車と先行車との目標車間距離に相当する物理量である予測目標車間物理量、所定時間経過後に生じると予測される予測相対速度、前記予測車間物理量と前記予測目標車間物理量との差である予測車間偏差及び所定時間経過後に生じると予測される予測相対速度に基づいて算出された予測車間制御量、前記車間制御量としての目標加速度と実加速度との偏差である加速度偏差、前記予測車間制御量としての予測目標加速度と実加速度との偏差である予測加速度偏差に基づいて前記加速手段又は減速手段の少なくともいずれか一方を駆動制御すること
を特徴とする車間制御装置。 - 請求項1又は2に記載の車間制御装置において、
前記車間制御手段は、
前記減速手段に対する駆動制御に際しては、前記加速度偏差及び前記予測加速度偏差の少なくともいずれか一方が所定のしきい値を越えたか否かを判定し、それら両値の少なくともいずれか一方が所定のしきい値を越えた場合に前記減速手段を駆動制御すること
を特徴とする車間制御装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の車間制御装置において、
前記予測車間物理量は、予測時間と、車間物理量と、相対速度と、相対加速度に基づいて算出すること
を特徴とする車間制御装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の車間制御装置において、
自車と先行車との実車間距離に相当する物理量である実車間物理量、あるいは自車と先行車との相対速度の信頼性を判定する手段を備え、前記実車間物理量あるいは前記相対速度が信頼できないと判断した場合には、前記予測値(予測車間物理量、予測目標車間物理量、予測相対速度、予測車間制御量)に基づいた加速手段及び減速手段の駆動制御をしないこと
を特徴とする車間制御装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の車間制御装置において、
前記車間制御手段は、
前記減速手段の駆動制御に際しては、前記減速手段の作動可否を判定するために予め定められた条件であって、前記実車間物理量と相対速度との関係を示す減速手段作動判定条件を参照し、その時点での前記実車間物理量と前記相対速度を用いた前記減速手段作動判定条件による判定結果に基づいて実行可否判定を行うこと
を特徴とする車間制御装置。 - 請求項6に記載の車間制御装置において、
更に、操作者の入力に基づいて前記目標車間物理量を変更設定可能な目標車間設定手段を備え、その変更設定された目標車間物理量に基づいて前記車間偏差が算出されるよう構成されていると共に、
前記減速手段作動判定条件は、前記目標車間設定手段によって設定可能な最短の目標車間物理量と実際に設定されている目標車間物理量との差を加味して定められること
を特徴とする車間制御装置。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の車間制御装置の車間制御手段としてコンピュータシステムを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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