JP2001081353A - 水性液体染料組成物 - Google Patents

水性液体染料組成物

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JP2001081353A
JP2001081353A JP2000213179A JP2000213179A JP2001081353A JP 2001081353 A JP2001081353 A JP 2001081353A JP 2000213179 A JP2000213179 A JP 2000213179A JP 2000213179 A JP2000213179 A JP 2000213179A JP 2001081353 A JP2001081353 A JP 2001081353A
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aqueous liquid
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liquid dye
dye
dyeing
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JP2000213179A
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English (en)
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Akio Tsujimoto
章夫 辻本
Hirotomo Bando
博友 番戸
Akinori Nishio
成則 西尾
Hiroshi Kimura
寛 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nicca Chemical Co Ltd
Suminoe Textile Co Ltd
Original Assignee
Nicca Chemical Co Ltd
Suminoe Textile Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陰イオン染料を液体化し、長期間にわたり貯
蔵安定性に優れる水性液体染料組成物を提供する。 【解決手段】 合計重量に対して、陰イオン染料を0.
1〜80重量%、 【化1】 (Rは炭素数8〜22のアルキル基又はアルケニル基を
表し、AOはアルキレンオキシド単位を表し、a及びb
はそれぞれa+b=2〜100を満足する正の整数であ
り、c及びdはそれぞれ1又は0であり、c及びdの両
方が0であることはないものとし、Mは水素原子、アル
カリ金属原子又はアンモニウム基を表す)で示される界
面活性剤を少なくとも0.01重量%及び水を含む水性
液体染料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性液体染料組成物
に関するものである。本発明は、特に、酸性染料、金属
錯塩染料、直接染料などの陰イオン染料を含有し、長期
間にわたり貯蔵安定性に優れる水性液体染料組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】市販されている染料は、一般には粉体の
形態で供給されている。かかる粉体染料を取り扱う際に
は飛散が避けられず、その結果室内の汚れや人体への付
着若しくは吸引を引き起こしてしまう。また、繊維材料
の染色においては、染色浴の調製や、調色等に多くの手
作業を要し、労働集約型の生産体制をとらざるを得ず、
その結果人手、時間及びスペースが多量に必要となって
いる。それらを改善するには、粉体染料の物理量管理に
よる自動調液、調色のFA(ファクトリーオートメーシ
ョン)化が必要であるが、粉体染料は加熱溶解時の雰囲
気の温度、湿度等の影響を受け易いために自動計量には
不向きであって、染液の調製、調色作業は手作業に依る
ところが大きい。以上のようなダストの問題を解消し、
FA化を実現するたにめ、粉体染料の液状化が要望され
ているのが現状である。
【0003】特公昭59−7740号公報、特開昭62
−11774号公報、特開平1−204970号公報等
には、アルコール系ノニオン界面活性剤等を使用する酸
性染料等の液状化の提案がなされているが、従来のアル
コール系ノニオン界面活性剤等を使用する染料液化手法
では、溶解染料粒子が0.1μm以下にはならず、時間
の経過とともに沈降もしくは再凝集が起こり、さらには
染色機への汚染等が多発し、実用レベルでの使用はでき
なかった。
【0004】また、1:2型金属錯塩染料、特に親水基
がスルホンアミド化された1:2型金属錯塩染料は、耐
光堅牢度、湿潤堅牢度が極めて良好であるため、現在自
動車用繊維素材の染色に使用されている。しかしなが
ら、その反面、この1:2型金属錯塩染料は水に対する
溶解性が低く、溶解後に凝集を起こす場合があり、その
結果染色機への汚染、染色物への汚染が発生してしま
う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリアミド
系繊維、天然繊維及びこれらの繊維を用いた複合繊維か
らなる繊維材料を染色する際に用いられる陰イオン染料
を液体化し、長期間にわたり貯蔵安定性に優れる水性液
体染料組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を行った結果、陰イオン染
料を水に溶解させる際に、アミンにアルキレンオキシド
を付加させ、次いで硫酸エステル化して得られる界面活
性剤を添加して染料をマイクロコロイド化させることに
より、長期間にわたり安定に貯蔵可能な、水性液体染料
組成物が得られることを見出し、さらに水性液体染料組
成物の濃縮過程において、縮合ナフタレンスルホン酸塩
及び/又はリグニンスルホン酸塩を添加することによ
り、濃縮が困難な黒色系の陰イオン染料においても濃厚
な水性液体染料組成物が得られることを見出し、本発明
を完成させるに至ったものである。
【0007】すなわち、本発明は、(1)水性液体染料
組成物の合計重量に対して、陰イオン染料を0.1〜8
0重量%、下記一般式[1]
【0008】
【化6】
【0009】(式中、Rは炭素数8〜22のアルキル基
又はアルケニル基を表し、AOはアルキレンオキシド単
位を表し、a及びbはそれぞれa+b=2〜100を満
足する正の整数であり、c及びdはそれぞれ1又は0で
あり、c及びdの両方が0であることはないものとし、
Mは水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム基を
表す)で示される界面活性剤を少なくとも0.01重量
%及び水を含む水性液体染料組成物、(2)陰イオン染
料の含有量を1として、上記一般式[1]で示される界
面活性剤を0.1〜10倍の割合で含む、上記(1)記
載の水性液体染料組成物、(3)陰イオン染料と上記一
般式[1]で示される界面活性剤に加え、縮合ナフタレ
ンスルホン酸塩及びリグニンスルホン酸塩の少なくとも
一方を含む、上記(1)又は(2)記載の水性液体染料
組成物、(4)縮合ナフタレンスルホン酸塩の含有量と
リグニンスルホン酸塩の含有量の和が、水性液体染料組
成物の合計重量に対して0.01〜10重量%の割合で
ある、上記(3)記載の水性液体染料組成物、(5)縮
合ナフタレンスルホン酸塩が下記一般式[2]〜[5]
【0010】
【化7】
【0011】
【化8】
【0012】
【化9】
【0013】
【化10】
【0014】(式中、Xは水素原子、アルカリ金属原子
又はアンモニウム基を表し、e及びfはそれぞれナフタ
レンスルホン酸塩単位及びフェノールスルホン酸塩単位
の縮合数であって、縮合の形態はランダムであってもブ
ロックであってもよく、縮合ナフタレンスルホン酸塩中
のナフタレンスルホン酸塩単位とフェノールスルホン酸
塩単位の比は1/0〜1/4である)のいずれかで示さ
れる化合物である、上記(1)〜(4)のいずれかに記
載の水性液体染料組成物、を提供するものである。
【0015】本発明の水性液体染料組成物は、これを用
いて得られる染色物の均染性、染色堅牢度を著しく向上
させ、さらには染色工場のFA化、自動計量システムの
導入を容易にし、かつ、粉体染料の場合にロット毎に行
われている、粉体染料の加熱溶解等に必要な熱エネルギ
ーを低減し、また作業に要する時間の短縮による工業的
労力を低減することを可能にする。
【0016】
【発明実施の形態】本発明の水性液体染料組成物は、陰
イオン染料、上記一般式[1]で示される界面活性剤及
び水からなる。式[1]において、Rは炭素数8〜22
のアルキル基又はアルケニル基を表し、直鎖状であって
も分枝鎖状であってもよい。このような基としては、例
えば、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル
基、ステアリル基、ベヘニル基、オレイル基などが挙げ
られる。
【0017】式[1]において、AOはアルキレンオキ
シド単位を表し、その例としてはエチレンオキシド単位
(EO)、プロピレンオキシド単位(PO)などが挙げ
られ、特にエチレンオキシド単位(EO)が好ましい。
AOで表されるアルキレンオキシド単位の付加の形態と
しては、エチレンオキシド単位の単独付加、エチレンオ
キシド単位とプロピレンオキシド単位とのブロック付加
又はランダム付加のいずれであってもよい。a及びb
は、それぞれAOの付加モル数であって、a+b=2〜
100を満足する正の整数である。
【0018】式[1]において、c及びdはそれぞれ0
または1であるが、c及びdの両方が0であることはな
いものとする。また、式[1]において、Mは、水素原
子、アルカリ金属原子又はアンモニウム基を表す。式
[1]で示される界面活性剤は、下記一般式[6]
【0019】
【化11】
【0020】(式[6]中、R、AO、a及びbは、式
[1]における定義と同一である)で示されるノニオン
界面活性剤を常法で硫酸エステル化することにより容易
に得ることができる。本発明に用いられる陰イオン染料
は、酸性染料、金属錯塩染料及び直接染料である。特
に、これらの陰イオン染料は、通常用いられている粉末
の形態を有する染料であってよい。
【0021】本発明の水性液体染料組成物は、上記の陰
イオン染料、式[1]で示される界面活性剤及び水を混
合し、撹拌することにより容易に得ることができる。混
合は、40℃以上の温度で加熱して行ってもよい。これ
により、染料溶解粒子がマイクロコロイド化され、極め
て安定な水性液体染料組成物が得られる。ここで、マイ
クロコロイド化された染料溶解粒子の粒径は0.1μm
以下であるのが好ましい。
【0022】本発明の水性液体染料組成物においては、
この組成物の合計重量に対して、陰イオン染料の含有量
は0.1〜80重量%であり、式[1]で示される界面
活性剤の含有量は少なくとも0.01重量%であるのが
よい。これらの含有量が上記の範囲を外れると、溶解染
料粒子がマイクロコロイド化されずに凝集又は沈降を生
じ、貯蔵安定性が低下するおそれがある。また、上記の
含有量範囲内で、式[1]で示される界面活性剤が、陰
イオン染料の含有量の0.1〜10倍の割合で含まれる
場合には、均染性及び長期間にわたり貯蔵安定性に優れ
る水性液体染料組成物を得ることができる。
【0023】本発明の水性液体染料組成物には、所望に
より、通常染料液状化に効果があると言われている可溶
化剤又はヒドロトロープ剤、例えば、カプロラクタム
類、N−置換尿素類、ポリオキシエチレンフェニルエー
テルなどの特殊ノニオン界面活性剤、ピロリドン類、グ
リコール類等の化合物を添加してもよい。これらは単独
で用いてもよいし、又は2種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0024】また、本発明においては、陰イオン染料、
式[1]で示される界面活性剤及び水を混合して得られ
た水性液体染料組成物に、無機塩又は有機塩を加え、塩
析効果を利用して、水及び塩を含む水層部と、陰イオン
染料を多量に含む、式[1]で示される界面活性剤の油
層部とを分離して、濃厚な水性液体染料組成物を得るこ
とも可能である。
【0025】この濃縮過程において、縮合ナフタレンス
ルホン酸塩及びリグニンスルホン酸塩の少なくとも一方
を添加すれば、通常濃縮が困難な黒色系の陰イオン染料
についても、高収率で濃厚な水性液体染料組成物を得る
ことが可能になる。ここで、縮合ナフタレンスルホン酸
塩は、上記一般式[2]〜[5]で示される化合物のい
ずれかであるのが好ましい。
【0026】式[2]〜[5]において、Xは、それぞ
れ水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム基を表
す。式[2]〜[5]において、e及びfはそれぞれ、
ナフタレンスルホン酸塩単位、フェノールスルホン酸塩
単位の縮合数を示し、縮合の形態としては、ナフタレン
スルホン酸塩の単独縮合、ナフタレンスルホン酸塩とフ
ェノールスルホン酸塩のランダム縮合又はブロック縮合
のいずれであってもよい。式[2]〜[5]中のナフタ
レンスルホン酸単位とフェノールスルホン酸単位の比は
1/0〜1/4であり、好ましくは1/0〜1/1であ
る。
【0027】また、e及びfについては、特に制限はな
いが、e+f=2〜100であるのが好ましく、e+f
=2〜20であるのがさらに好ましい。縮合数の和(e
+f)が100を超えると、得られる水性液体染料組成
物を用いた染色物の染着濃度が低くなるおそれがあり、
好ましくない。式[2]〜[5]で示される化合物は、
従来公知の方法により製造することができる。例えば、
硫酸中にナフタレンを単独で、又はナフタレンとフェノ
ールの混合物を添加し、150℃程度で硫酸化を行い、
冷却した後、この反応液にさらにホルマリン水溶液を加
え、90〜120℃で縮合させ、次いでアルカリ水溶液
で中和することにより容易に得ることができる。
【0028】一方、リグニンスルホン酸塩は、木材を亜
硫酸蒸解によりパルプ化する際に得られるリグニンスル
ホン酸を中和することにより得られるが、フェニルプロ
パン部分からなる骨格構造は木材の種類、産地により異
なり、非常に複雑で未だ不明な部分が多い。リグニンス
ルホン酸塩としては、市販されているものを制限なく使
用することができる。
【0029】濃縮過程においては、上記の縮合ナフタレ
ンスルホン酸塩又はリグニンスルホン酸塩を単独で、あ
るいは両者を併用して添加することができる。本発明の
水性液体染料組成物においては、上記の縮合ナフタレン
スルホン酸塩の含有量とリグニンスルホン酸塩の含有量
の和は、組成物の合計重量に対し、0.01〜10重量
%であることが好ましい。含有量が0.01重量%以下
では、水性液体染料組成物の収率が不十分となるおそれ
があり、含有量が10重量%を超えても、それ以上の濃
縮効果は得られない。
【0030】濃縮過程において用いられる無機塩又は有
機塩としては、特に限定されるものではないけれども、
例えば、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、酢酸ナト
リウムなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよい
し、又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。本発
明の水性液体染料組成物を使用できる繊維材料は、陰イ
オン染料を適用することのできる繊維材料であれば特に
制限はなく、例えば、6−ナイロン、6,6−ナイロン
などのポリアミド系繊維や、綿、麻などの天然繊維、及
びこれらの繊維を用いた複合繊維などが挙げられる。
【0031】本発明の水性液体染料組成物は、特に、ナ
イロンカーペット、マット等の連続染色や連続捺染に有
用であり、かかる組成物を用いて自動調液、調色を推進
することにより、手作業による調液、調色等の労働集約
型の生産体制を改善することができ、その結果として人
手、時間、スペース、エネルギーの削減が可能となる。
【0032】
【実施例】次に本発明の実施例を挙げ、本発明を更に詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら
限定されるものではない。以下の実施例1〜9及び比較
例1〜6においては、水性液体染料組成物の評価を次の
ように行った。また、染色にはミニカラー染色機(テク
サム技研社製)を使用し、6−ナイロンニット又は綿ニ
ット(綿100%)を試験布として用いて、染料濃度を
1%o.w.f.、浴比1:20、染色温度100℃、
染色時間30分の条件で染色した後、軽く水洗いし、乾
燥した。得られた染色物を、安定性、均染性及び染色堅
牢度の評価に用いた。評価は下記のようにして行った。
【0033】(1)貯蔵安定性 水性液体染料組成物の貯蔵安定性については、実施例1
〜9及び比較例1〜6で得られた水性液体染料組成物
を、0℃と40℃のそれぞれの温度で貯蔵し、1ヶ月後
及び6ヶ月後の組成物の外観、すなわち、沈降物の有無
を目視により評価した。
【0034】(2)希釈液の安定性 水性液体染料組成物の希釈液の安定性は、陰イオン染料
の1重量%希釈液(染料粉体換算)10mLを、作成直
後と、室温にて1ヶ月貯蔵した後のものについて、0.
1μmのメンブランフィルターで吸引ろ過し、そのろ過
時間(秒)を計測して評価した。ろ過時間が短いほど、
希釈液中の染料溶解粒子の粒径が細かく、希釈液が安定
である。
【0035】(3)均染性 均染性については、染色ムラの有無により3段階評価を
行った。 ○:染色ムラが全く確認されない △:染色ムラがわずかに確認される ×:染色ムラが目立つ (4)染色堅牢度 染色堅牢度については、摩擦堅牢度(JIS L−08
49法)、耐光堅牢度(JIS L−0842法)を評
価した。評価は1から5の5段階評価とした。数値が大
きいほど、堅牢度に優れている。
【0036】また、実施例10〜12においては、染色
工場で実際に使用されている連続染色機であるキュース
ター連続染色機(ドイツ、キュースター社製)、ヒート
アンドスプレー連続染色機(住江織物(株)製)、クロ
モトロニックジェット連続捺染機(オーストリア、チン
マー社製)を用いて染色し、均染性、摩擦堅牢度及び耐
光堅牢度を評価した。これらの評価は、実施例1〜9及
び比較例1〜6における評価方法と同じ方法で行った。
【0037】実施例1 金属錯塩染料(C.I. Acid Black 13
2)100g、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)ラ
ウリルアミン(EO15モル付加)のモノ硫酸エステル
アンモニウム塩100g及び水800gの混合液を80
℃に昇温し、この温度で1時間混合することにより、染
料濃度10重量%(染料粉体換算)の水性液体染料組成
物を得た。
【0038】この水性液体染料組成物では、1ヶ月後及
び6ヶ月後において、0℃及び40℃のどちらの貯蔵温
度においても沈降物は見られず、貯蔵安定性は良好であ
った。また、水性液体染料組成物の1重量%希釈液(染
料粉体換算)では、ろ過時間は、作成直後で25秒と短
く、さらに1ヶ月後で26秒であり、作成直後と殆ど変
わっておらず、安定性は良好であった。
【0039】この水性液体染料組成物を用い、6−ナイ
ロンニットの染色を実施した結果、未処理の粉体染料を
用いた場合と比較して、均染性が優れており、耐光堅牢
度及び摩擦堅牢度は4−5とほぼ同等であった。評価結
果を表1に示す。 実施例2 金属錯塩染料(C.I. Acid Red 399)
100g、N,N−ビス(ポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレン)ステアリルアミン(EO20モル付加/
PO5モル付加)のモノ硫酸エステルナトリウム塩50
g、ポリオキシエチレンフェニルエーテル(EO4モル
付加)50g及び水800gの混合液を80℃に昇温
し、この温度で1時間混合した。次いで、この混合液
に、硫酸アンモニウム200gを加え、同温度で30分
間混合した。混合後液を静置し、下層の含塩水層を除去
して上層の水性液体染料組成物を得た。水性液体染料組
成物の収率は99%であり、染料濃度は47重量%(染
料粉体換算)であった。
【0040】この水性液体染料組成物では、1ヶ月後及
び6ヶ月後において、0℃及び40℃のどちらの貯蔵温
度においても沈降物は見られず、貯蔵安定性は良好であ
った。また、水性液体染料組成物の1重量%希釈液(染
料粉体換算)では、ろ過時間は、作成直後で20秒と短
く、さらに1ヶ月後で20秒であり、作成直後と変わっ
ておらず、安定性は良好であった。
【0041】この水性液体染料組成物を用い、6−ナイ
ロンニットの染色を実施した結果、未処理の粉体染料を
用いた場合と比較して、均染性が優れており、耐光堅牢
度及び摩擦堅牢度は4−5とほぼ同等であった。評価結
果を表1に示す。 実施例3 金属錯塩染料(C.I. Acid Yellow 2
35)100g、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)
ステアリルアミン(EO10モル付加)のジ硫酸エステ
ルカリウム塩100g、ε−カプロラクタム50g及び
水750gの混合液を80℃に昇温し、この温度で1時
間混合した。次いで、硫酸ナトリウム100gを加え、
同温度で30分間混合した。混合後液を静置し、下層の
含塩水層を除去し、上層の水性液体染料組成物を得た。
水性液体染料組成物の収率は97%であり、染料濃度は
37重量%(染料粉体換算)であった。
【0042】この水性液体染料組成物では、1ヶ月後及
び6ヶ月後において、0℃及び40℃のどちらの貯蔵温
度においても沈降物は見られず、貯蔵安定性は良好であ
った。また、水性液体染料組成物の1重量%希釈液(染
料粉体換算)では、ろ過時間は、作成直後で18秒と短
く、さらに1ヶ月後で19秒であり、作成直後と殆ど変
わっておらず、安定性は良好であった。
【0043】この水性液体染料組成物を用い、6−ナイ
ロンニットの染色を実施した結果、未処理の粉体染料を
用いた場合と比較して、均染性が優れており、耐光堅牢
度及び摩擦堅牢度は4−5とほぼ同等であった。評価結
果を表1に示す。 実施例4 酸性染料(C.I. Acid Blue 138)1
00gに、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)ベヘニ
ルアミン(EO30モル付加)のモノ硫酸エステルナト
リウム塩50g、ポリオキシエチレンフェニルエーテル
(EO4モル付加)50g及び水800gの混合液を8
0℃に昇温し、この温度で1時間混合した。次いで、こ
の混合液に硫酸アンモニウム200gを加え、同温度で
30分間混合した。混合後液を静置し、下層の含塩水層
を除去し、上層の水性液体染料組成物を得た。水性液体
染料組成物の収率は99%であり、染料濃度は48重量
%(粉体染料換算)であった。
【0044】この水性液体染料組成物では、1ヶ月後及
び6ヶ月後において、0℃及び40℃のどちらの貯蔵温
度においても沈降物は見られず、貯蔵安定性は良好であ
った。また、水性液体染料組成物の1重量%希釈液(染
料粉体換算)では、ろ過時間は、作成直後で18秒と短
く、さらに1ヶ月後で18秒であり、作成直後と変わっ
ておらず、安定性は良好であった。
【0045】この水性液体染料組成物を用い、6−ナイ
ロンニットの染色を実施した結果、未処理の粉体染料を
用いた場合と比較して、均染性が優れており、耐光堅牢
度及び摩擦堅牢度は4−5とほぼ同等であった。評価結
果を表1に示す。 実施例5 直接染料(C.I. Direct Blue 20
1)100g、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)オ
レイルアミン(EO15モル付加)のモノ硫酸エステル
アンモニウム塩100g及び水800gの混合液を80
℃に昇温し、この温度で1時間混合し、染料濃度10重
量%(染料粉体換算)の水性液体染料組成物を得た。
【0046】この水性液体染料組成物では、1ヶ月後及
び6ヶ月後において、0℃及び40℃のどちらの貯蔵温
度においても沈降物は見られず、貯蔵安定性は良好であ
った。また、水性液体染料組成物の1重量%希釈液(染
料粉体換算)では、ろ過時間は、作成直後で18秒と短
く、さらに1ヶ月後で18秒であり、作成直後と変わっ
ておらず、安定性は良好であった。
【0047】この水性液体染料組成物を用い、綿ニット
の染色を実施した結果、未処理の粉体染料を用いた場合
と比較して、均染性が優れており、摩擦堅牢度は3であ
り、耐光堅牢度は3−4であって、染色堅牢度はほぼ同
等であった。評価結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1〜3において、POEはポリ(オキシ
エチレン)を意味し、POEPOPはポリ(オキシエチ
レンオキシプロピレン)を意味する。 比較例1 金属錯塩染料(C.I. Acid Black 13
2)100g、ポリオキシエチレンビスフェノールAエ
ーテル(EO20モル付加)100g及び水800gの
混合液を80℃に昇温し、この温度にて1時間混合し、
染料濃度10重量%(染料粉体換算)の水性液体染料組
成物を得た。
【0050】この水性液体染料組成物においては、貯蔵
温度0℃では1ヶ月後及び6ヶ月後において沈降物が見
られず、貯蔵温度40℃では1ヶ月後には沈降物が見ら
れなかったが、6ヶ月後では容器底部に沈降物が凝集し
ており、貯蔵安定性は低かった。また、水性液体染料組
成物の1重量%希釈液(染料粉体換算)では、ろ過時間
は、作成直後で160秒と長く、さらに1ヶ月後では沈
降物が凝集していたためにろ過できず、安定性は低かっ
た。
【0051】この水性液体染料組成物を用いて、6−ナ
イロンニットを染色した結果、実施例1の水性液体染料
組成物を用いて染色した場合と比較して、耐光堅牢度は
同等であったが、摩擦堅牢度がやや劣り、また染色ムラ
がわずかに見られ、均染性にやや劣っていた。評価結果
を表2に示す。
【0052】比較例2 金属錯塩染料(C.I. Acid Red 399)
100g、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
(EO10モル付加)100g及び水800gの混合液
を80℃に昇温し、この温度で1時間混合した。この混
合液に硫酸アンモニウム200gを加え、同温度で30
分間混合した。混合後液を静置し、下層の含塩水層を除
去し、上層の水性液体染料組成物を得た。この水性液体
染料組成物の収率は90重量%であり、染料濃度は48
重量%(粉体染料換算)であった。
【0053】この水性液体染料組成物においては、0℃
及び40℃の温度で貯蔵した場合、いずれも1ヶ月後に
は沈降物を生じ、さらに6ヶ月後には容器底部に沈降物
が凝集してしまい、貯蔵安定性は著しく低かった。ま
た、水性液体染料組成物の1重量%希釈液(染料粉体換
算)では、作成直後及び1ヶ月後のいずれでも、沈降物
が多量に生じていたため、ろ過できなかった。希釈液の
安定性は著しく劣っていた。
【0054】この水性液体染料組成物を用いて、6−ナ
イロンニットを染色した結果、実施例2の水性液体染料
組成物を用いて染色した場合と比較して、耐光堅牢度は
同等であったが、摩擦堅牢度がやや劣り、また染色ムラ
がわずかに見られ、均染性にやや劣っていた。評価結果
を表2に示す。
【0055】比較例3 金属錯塩染料(C.I. Acid Red 399)
100g、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)ステア
リルアミン(EO10モル付加)100g及び水800
gの混合液を80℃に昇温し、この温度で1時間混合し
た。この混合液に硫酸アンモニウム200gを加え、同
温度で30分間混合した。混合後液を静置し、下層の含
塩水層を除去し、上層の水性液体染料組成物を得た。水
性液体染料組成物の収率は85%であり、染料濃度は4
7重量%(染料粉体換算)であった。
【0056】この水性液体染料組成物では、0℃及び4
0℃のいずれの貯蔵温度においても1ヶ月後では沈降物
が見られず、安定であったが、6ヶ月後には沈降物が生
じ、貯蔵安定性は低かった。また、水性液体染料組成物
の1重量%希釈液(染料粉体換算)では、作成直後及び
1ヶ月後のいずれでも、沈降物が多量に生じていたた
め、ろ過できなかった。希釈液の安定性は著しく劣って
いた。
【0057】この水性液体染料組成物を用いて、6−ナ
イロンニットを染色した結果、実施例2の水性液体染料
組成物を用いて染色した場合と比較して、摩擦堅牢度は
やや劣る程度であるが、耐光堅牢度は著しく劣ってい
た。また、染色ムラがわずかに見られ、均染性にやや劣
っていた。評価結果を表2に示す。
【0058】比較例4 金属錯塩染料(C.I. Acid Yellow 2
35)100g、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)
ステアリルアミン(EO10モル付加)100g及び水
800gの混合液を80℃に昇温し、この温度で1時間
混合した。次いで、硫酸アンモニウム200gを加え、
同温度で30分間混合した。混合後液を静置し、下層の
含塩水層を除去し、上層の水性液体染料組成物を得た。
水性液体染料組成物の収率は85%であり、染料濃度は
35重量%(染料粉体換算)であった。
【0059】この水性液体染料組成物では、0℃及び4
0℃の温度で貯蔵した場合、いずれも1ヶ月後には沈降
物を生じ、さらに6ヶ月後には容器底部に沈降物が凝集
してしまい、貯蔵安定性は著しく低かった。また、水性
液体染料組成物の1重量%希釈液(染料粉体換算)で
は、作成直後及び作成1ヶ月後のいずれでも、沈降物が
多量に生じていたため、ろ過できなかった。希釈液の安
定性は著しく劣っていた。
【0060】この水性液体染料組成物を用いて6−ナイ
ロンニットを染色した結果、実施例3の水性液体染料組
成物を用いて染色した場合と比較して、摩擦堅牢度はや
や劣る程度であるが、耐光堅牢度は著しく劣っていた。
また染色ムラがわずかに見られ、均染性に劣っていた。
評価結果を表2に示す。
【0061】比較例5 酸性染料(C.I. Acid Blue 138)1
00g、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル
(EO10モル付加)50g、ポリオキシエチレンフェ
ニルエーテル(EO4モル付加)50g及び水800g
の混合液を80℃に昇温し、この温度で1時間混合し
た。次いで、この混合液に硫酸アンモニウム200gを
加え、同温度で30分間混合した。混合後液を静置し、
下層の含塩水層を除去し、上層の水性液体染料組成物を
得た。水性液体染料組成物の収率は84%であり、染料
濃度は51重量%(粉体染料換算)であった。
【0062】この水性液体染料組成物では、0℃及び4
0℃の温度で貯蔵した場合、いずれも1ヶ月後には沈降
物を生じ、さらに6ヶ月後には容器底部に沈降物が凝集
してしまい、貯蔵安定性は著しく低かった。また、水性
液体染料組成物の1重量%希釈液(染料粉体換算)で
は、作成直後及び作成1ヶ月後のいずれでも、沈降物が
多量に生じていたため、ろ過できなかった。希釈液の安
定性は著しく劣っていた。
【0063】この水性液体染料組成物を用いて、6−ナ
イロンニットを染色した結果、実施例4の水性液体染料
組成物を用いて染色した場合と比較して、耐光堅牢度は
同等であったが、摩擦堅牢度がやや劣り、また染色ムラ
がわずかに見られ、均染性に劣っていた。評価結果を表
2に示す。
【0064】比較例6 直接染料(C.I. Direct Blue 20
1)100g、ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル(EO10モル付加)100g、エチレングリコー
ル50g及び水800gの混合液を80℃に昇温し、こ
の温度で1時間混合した。次いで、硫酸アンモニウム2
00gを加え、同温度で30分間混合した。混合後液を
静置し、下層の含塩水層を除去し、上層の水性液体染料
組成物を得た。水性液体染料組成物の収率は88%であ
り、染料濃度は50重量%(粉体染料換算)であった。
この水性液体染料組成物では、0℃及び40℃の温度で
貯蔵した場合、いずれも1ヶ月後には沈降物を生じ、さ
らに6ヶ月後には容器底部に沈降物が凝集してしまい、
貯蔵安定性は著しく低かった。
【0065】また、水性液体染料組成物の1重量%希釈
液(染料粉体換算)では、作成直後及び作成1ヶ月後の
いずれでも、沈降物が多量に生じていたため、ろ過でき
なかった。希釈液の安定性は著しく劣っていた。この水
性液体染料組成物を用いて、綿ニットを染色した結果、
実施例5の水性液体染料組成物を用いて染色した場合と
比較して、摩擦堅牢度及び耐光堅牢度は同等であった
が、染色ムラがわずかに見られ、均染性にやや劣ってい
た。
【0066】評価結果を表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】合成例1(縮合ナフタレンスルホン酸塩A
の合成) コンデンサー付き1L4口フラスコに硫酸98g及びナ
フタレン128gを仕込み、150℃で2時間反応さ
せ、90℃まで冷却し、水100g及び37%ホルマリ
ン水溶液81gを仕込み、同温度で2時間反応させ、水
145g及び水酸化ナトリウム40gを加え、ナフタレ
ンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物を得た。こ
の縮合物を、縮合ナフタレンスルホン酸塩Aとする。
【0069】合成例2(縮合ナフタレンスルホン酸塩B
の合成) コンデンサー付き1L4口フラスコに硫酸98g、ナフ
タレン78.4g及びフェノール18.8gを仕込み、
150℃で2時間反応させ、90℃迄冷却し、水100
g及び37%ホルマリン水溶液81gを仕込み、同温度
で2時間反応させ、25%アンモニア水140gを加
え、ナフタレンスルホン酸アンモニウムとフェノールス
ルホン酸アンモニウムのホルマリン縮合物を得た。この
縮合物を、縮合ナフタレンスルホン酸塩Bとする。
【0070】実施例6 金属錯塩染料(C.I. Acid Black 13
2)100g、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)ス
テアリルアミン(EO30モル付加)のモノ硫酸エステ
ルアンモニウム塩100g、ポリオキシエチレンフェニ
ルエーテル(EO4モル付加)50g及び水800gの
混合液を90℃に昇温し、この温度で1時間混合し、さ
らに硫酸アンモニウム200gを加えて30分間攪拌
後、12時間放冷静置した。下層の含塩水層を除去し、
上層の水性液体染料組成物を得た。得られた水性液体染
料組成物の収率は67%であり、染料濃度は16重量%
(粉体染料換算)であった。
【0071】この水性液体染料組成物では、1ヶ月後及
び6ヶ月後において、0℃及び40℃のどちらの貯蔵温
度においても沈降物は見られず、貯蔵安定性は良好であ
った。また、水性液体染料組成物の1重量%希釈液(染
料粉体換算)では、ろ過時間は、希釈液作成直後で28
秒と短く、さらに1ヶ月後で32秒であり、作成直後と
殆ど変わっておらず、安定性は良好であった。
【0072】この水性液体染料組成物を用いて6−ナイ
ロンニットの染色を行った結果、未処理の粉体染料を用
いた場合と比較して、均染性が優れており、耐光堅牢度
及び染色堅牢度は4−5とほぼ同等であった。結果を表
3に示す。 実施例7 金属錯塩染料(C.I. Acid Black 13
2)100g、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)ス
テアリルアミン(EO30モル付加)のモノ硫酸エステ
ルアンモニウム塩100g、ポリオキシエチレンフェニ
ルエーテル(EO4モル付加)30g、縮合ナフタレン
スルホン酸塩A50g及び水800gの混合液を90℃
に昇温し、この温度で1時間混合し、さらに硫酸アンモ
ニウム200gを加えて30分攪拌後、3時間放冷静置
した。下層の含塩水層を除去し、上層の水性液体染料組
成物を得た。水性液体染料組成物の収率は98%であ
り、染料濃度は25重量%(粉体染料換算)であった。
【0073】この水性液体染料組成物では、1ヶ月後及
び6ヶ月後において、0℃及び40℃のどちらの貯蔵温
度においても沈降物は見られず、貯蔵安定性は良好であ
った。また、水性液体染料組成物の1重量%希釈液(染
料粉体換算)では、ろ過時間は、希釈液作成直後で25
秒と短く、さらに1ヶ月後で26秒であり、作成直後と
殆ど変わっておらず、安定性は良好であった。
【0074】この水性液体染料組成物を用いて6−ナイ
ロンニットの染色を行った結果、未処理の粉体染料を用
いた場合と比較して、均染性が優れており、耐光堅牢度
及び摩擦堅牢度は4−5とほぼ同等であった。結果を表
3に示す。 実施例8 金属錯塩染料(C.I. Acid Black 13
2)100g、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)ス
テアリルアミン(EO30モル付加)のモノ硫酸エステ
ルアンモニウム塩100g、ポリオキシエチレンフェニ
ルエーテル(EO4モル付加)30g、縮合ナフタレン
スルホン酸塩B50g及び水800gの混合液を90℃
に昇温し、この温度で1時間混合し、さらに硫酸アンモ
ニウム200gを加えて30分攪拌後、3時間放冷静置
した。下層の含塩水層を除去し、上層の水性液体染料組
成物を得た。水性液体染料組成物の収率は97%であ
り、染料濃度は25重量%(染料粉体換算)であった。
【0075】この水性液体染料組成物では、1ヶ月後及
び6ヶ月後において、0℃及び40℃のどちらの貯蔵温
度においても沈降物は見られず、貯蔵安定性は良好であ
った。また、水性液体染料組成物の1重量%希釈液(染
料粉体換算)では、ろ過時間は、希釈液作成直後で25
秒と短く、さらに1ヶ月後で26秒であり、作成直後と
殆ど変わっておらず、安定性は良好であった。
【0076】この水性液体染料組成物を用いて6−ナイ
ロンニットの染色を行った結果、未処理の粉体染料を用
いた場合と比較して、均染性が優れており、摩擦堅牢度
及び耐光堅牢度は4−5とほぼ同等であった。結果を表
3に示す。 実施例9 金属錯塩染料(C.I. Acid Black 13
2)100g、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)ス
テアリルアミン(EO30モル付加)のモノ硫酸エステ
ルアンモニウム塩100g、ポリオキシエチレンフェニ
ルエーテル(EO4モル付加)50g、リグニンスルホ
ン酸ナトリウム10g及び水800gの混合液を90℃
に昇温し、この温度で1時間混合し、さらに硫酸アンモ
ニウム200gを加えて30分攪拌後、3時間放冷静置
した。下層の含塩水層を除去し、上層の水性液体染料組
成物を得た。水性液体染料組成物の収率は97%であ
り、染料濃度は24重量%(粉体染料換算)であった。
【0077】この水性液体染料組成物では、1ヶ月後及
び6ヶ月後において、0℃及び40℃のどちらの貯蔵温
度においても沈降物は見られず、貯蔵安定性は良好であ
った。また、水性液体染料組成物の1重量%希釈液(染
料粉体換算)では、ろ過時間は、作成直後及び1ヶ月後
ともに26秒と短く、安定性は良好であった。
【0078】この水性液体染料組成物を用いて6−ナイ
ロンニットの染色を行った結果、未処理の粉体染料を用
いた場合と比較して、均染性が優れており、耐光堅牢度
及び摩擦堅牢度は4−5とほぼ同等であった。結果を表
3に示す。
【0079】
【表3】
【0080】本発明の水性液体染料組成物は、実施例1
〜9からわかるように、長期間にわたり貯蔵安定性に優
れ、その希釈液も安定性に優れている。さらに、本発明
の水性液体染料組成物を用いて得られた染色物は、均染
性に優れ、染色堅牢度も良好である。また、水性液体染
料組成物の濃縮過程において、縮合ナフタレンスルホン
酸塩を併用した実施例7及び8並びにリグニンスルホン
酸塩を使用した実施例9では、濃縮が困難な黒色系の陰
イオン染料においても、高収率で濃厚な水性液体染料組
成物を得ることができることがわかる。
【0081】実施例10 実施例1〜3で得られた水性液体染料組成物を用い、キ
ュースター連続染色機(ドイツ、キュースター社製)に
より染色を行った。被染色物として6,6−ナイロンの
800g/m2 のパイル織物(カーペット生地)を使用
し、ピックアップ500%、スチーミング温度100
℃、スチーミング時間7分の条件で連続染色を行った。
染色浴の組成は下記のとおりであった。
【0082】染色浴の組成 実施例1の水性液体染料組成物 0.32g/L 実施例2の水性液体染料組成物 0.12g/L 実施例3の水性液体染料組成物 0.05g/L 90%酢酸 0.5 g/L この染色物は、未処理の粉体染料を用いて調製した染色
浴を使用した場合と比較して、均染性に優れており、耐
光堅牢度及び摩擦堅牢度は4−5とほぼ同等であった。
また、染色機への汚染の程度や、その汚染染料の洗浄度
の程度については、上記の水性液体染料組成物の方が、
未処理の粉体染料よりも優れていた。
【0083】実施例11 実施例2〜4で得られた水性液体染料組成物を用い、ヒ
ートアンドスプレー連続染色機(住江織物(株)製)に
より染色を行った。被染色物として6−ナイロンの50
0g/m2 のパイル織物(カーペット生地)を使用し、
ピックアップ400%、スチーミング温度97±2℃、
スチーミング時間20秒の条件で連続染色を行った。染
色浴の組成は下記のとおりであった。
【0084】染色浴の組成 実施例2の液体染料 0.02g/L 実施例3の液体染料 0.09g/L 実施例4の液体染料 0.19g/L 90%酢酸 0.5 g/L 得られた染色物は、未処理の粉体染料を用いて調製した
染色浴を使用した場合と比較して、均染性に優れてお
り、耐光堅牢度及び摩擦堅牢度は4−5とほぼ同等であ
った。また、スプレーノズル(口径1.1mm)への染
料の滞積も無く、染色浴の高温安定性、染色機への汚染
の程度やその汚染染料の洗浄性の程度についても、上記
の水性液体染料組成物の方が、未処理の粉体染料よりも
優れていた。
【0085】実施例12 実施例2〜4で得られた水性液体染料組成物を用い、ク
ロモトロニックジェット連続捺染機(オーストリア、チ
ンマー社製)により染色を行った。被染色物として6−
ナイロンの400g/m2 のパイル織物(カーペット生
地)を使用し、ピックアップ300%、塗布圧力200
kPa、スチーミング温度100℃、スチーミング時間
10分の条件で連続染色を行った。染色浴の組成は下記
のとおりであった。
【0086】染色浴の組成 実施例2の液体染料 1.0 g/L 実施例3の液体染料 0.2 g/L 実施例4の液体染料 0.2 g/L 澱粉 0.5 g/L 90%酢酸 0.5 g/L 得られた染色物は、未処理の粉体染料を用いて調製した
染色浴を使用した場合と比較して、均染性に優れてお
り、耐光堅牢度及び摩擦堅牢度は4−5とほぼ同等であ
った。また、塗布時の圧力ムラ、スプレーノズル(口径
0.4mm)への染料の滞積も無く、染色機への汚染の
程度やその汚染染料の洗浄性の程度についても、上記の
水性液体染料組成物の方が、未処理の粉体染料よりも優
れていた。
【0087】
【発明の効果】本発明の水性液体染料組成物は、長期に
わたり安定であって、貯蔵安定性に優れ、また得られる
染色物の均染性、摩擦堅牢度及び耐光堅牢度などに優れ
ており、染色工場における染色浴の調製及び調色作業な
どの自動化、自動計量システムの導入を容易にするもの
である。
【0088】また、この水性液体染料組成物は、染色工
場等の現場において容易に調製することができるので、
液体の状態で輸送することは不要であり、よって輸送費
等の余分なコストを発生させることもない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 番戸 博友 福井県福井市文京4丁目23番1号 日華化 学株式会社内 (72)発明者 西尾 成則 大阪府河内長野市松ケ丘中町1459 (72)発明者 木村 寛 奈良県天理市前栽町223 ソレイユ前栽B −203

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性液体染料組成物の合計重量に対し
    て、陰イオン染料を0.1〜80重量%、下記一般式
    [1] 【化1】 (式中、Rは炭素数8〜22のアルキル基又はアルケニ
    ル基を表し、AOはアルキレンオキシド単位を表し、a
    及びbはそれぞれa+b=2〜100を満足する正の整
    数であり、c及びdはそれぞれ1又は0であり、c及び
    dの両方が0であることはないものとし、Mは水素原
    子、アルカリ金属原子又はアンモニウム基を表す)で示
    される界面活性剤を少なくとも0.01重量%及び水を
    含む水性液体染料組成物。
  2. 【請求項2】 陰イオン染料の含有量を1として、前記
    一般式[1]で示される界面活性剤を0.1〜10倍の
    割合で含む、請求項1記載の水性液体染料組成物。
  3. 【請求項3】 陰イオン染料と前記一般式[1]で示さ
    れる界面活性剤に加え、縮合ナフタレンスルホン酸塩及
    びリグニンスルホン酸塩の少なくとも一方を含む、請求
    項1又は2記載の水性液体染料組成物。
  4. 【請求項4】 縮合ナフタレンスルホン酸塩の含有量と
    リグニンスルホン酸塩の含有量の和が、水性液体染料組
    成物の合計重量に対して0.01〜10重量%の割合で
    ある、請求項3記載の水性液体染料組成物。
  5. 【請求項5】 縮合ナフタレンスルホン酸塩が下記一般
    式[2]〜[5] 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 (式中、Xは水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニ
    ウム基を表し、e及びfはそれぞれナフタレンスルホン
    酸塩単位及びフェノールスルホン酸塩単位の縮合数であ
    って、縮合の形態はランダムであってもブロックであっ
    てもよく、縮合ナフタレンスルホン酸塩中のナフタレン
    スルホン酸塩単位とフェノールスルホン酸塩単位の比は
    1/0〜1/4である)のいずれかで示される化合物で
    ある、請求項1〜4のいずれかに記載の水性液体染料組
    成物。
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