JPH08259834A - インクジェット用インク、その製造方法、及びこのインクを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット用インク、その製造方法、及びこのインクを用いたインクジェット記録方法

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JPH08259834A
JPH08259834A JP6797795A JP6797795A JPH08259834A JP H08259834 A JPH08259834 A JP H08259834A JP 6797795 A JP6797795 A JP 6797795A JP 6797795 A JP6797795 A JP 6797795A JP H08259834 A JPH08259834 A JP H08259834A
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ink
water
dye
humic acid
exchange resin
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JP6797795A
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Osamu Kawashima
修 川嶋
Yoshiyuki Gomi
良幸 五味
Naohiro Yoshida
直弘 吉田
Yumiko Matsumoto
裕美子 松本
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェットのインク吐出しノズルに、沈
着物を生ずることなく、析出物によるインク吐出しノズ
ルの目詰まりが生じないインクジェット用水性インクを
提供すること 【構成】 少なくとも着色剤、水および水溶性有機溶媒
からなるインクジェット用インクにおいて、インク中の
フミン酸の含有量が2ppm以下にされてなるインクジ
ェット用水性インク 【効果】 上記目的が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット用イン
ク、このインクの製造方法、及びこのインクによる記録
方法に関する。さらに詳しくは、紙、フィルム、ガラ
ス、金属、布綿等の被記録材に、インクをオリフィスか
ら液滴として吐出させるインクジェット方式で記録を行
うためのインクジェット用インク、このインクの製造方
法、及びこのインクによる記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ノンインパクト記録法は、記録時におけ
る騒音の発生が極めて小さいという点で、近年関心を集
めている。この中でも、特にインクジェット記録法は、
高速印字が可能であり、また、普通紙に特別な処理なし
に記録が行えるという点から、極めて有用な記録法であ
る。このインクジェット記録法には、これまでにも種々
の方式、装置が提案されている。
【0003】例えば、ピエゾ振動子を有し、インクを圧
力パルスにより吐出するピエゾ方式、記録ヘッド内の発
熱抵抗体でインクに熱エネルギーを作用させることによ
り液滴を形成するバブルジェット方式、記録ヘッド内に
設けられた電極間に電圧を印加することにより液滴を発
生させる通電方式、などが知られている。このようなイ
ンクジェット記録方式に使用されるインクとしては、各
種の水溶性染料又は分散染料・顔料を、水、又は水と水
溶性有機溶媒とからなる液媒体に溶解又は分散させたも
のが知られ、かつ実用化されている。また、これと同様
な水性インク組成物が、万年筆、フエルトペン、ボール
ペン等の筆記具のインクとしても使用されている。
【0004】筆記具、インクジェットプリンタ等に使用
される記録液に要求される性能としては、次の様な項目
が挙げられる。 (1)筆記又は印字物に滲みを生じないこと (2)筆記又は印字物が速乾性であること (3)長期間放置した場合でも、ペン先又はプリントヘ
ッドが乾燥しにくく、ノズルに目詰まりを生じさせない
こと (4)保存安定性が良いこと (5)安全性が高いこと。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
水性インク組成物においては、種々の性能が要求される
のは当然であるが、中でも最も要求される性能は、記録
を行っている際、記録を中断した際、更に長期間記録を
行わなかった時に記録装置のノズル、オリフィス又はペ
ン先での目詰まりや沈降物が発生しない、という液安定
性である。特に、インクジェット方式の中でも、熱エネ
ルギーを用いるバブルジェット方式においては、温度変
化によって、発熱ヘッドの表面に異物の沈着が生じ易い
ため、この目詰まりや沈降物発生の問題は特に深刻であ
る。
【0006】しかしながら、従来のインクの場合には、
インクの吐出条件、長期保存安定性、記録時の画像の濃
度、表面張力、電気的性質等、インクに要求される種々
の性能を満たす目的で、種々の添加剤が使用とされてき
た。また、使用される染料、溶媒等の原料の中にも、種
々の不純物が含有されているために、インクジェット装
置のノズルやオリフィスに析出して、これらの目詰まり
の原因になったり、発熱ヘッドの表面に沈着物が生じる
原因になる、等種々の問題があった。
【0007】これら問題を解決するため、市販の染料中
の不純物については、既に種々の検討結果が報告されて
いる(例えば、特公昭60−34993号公報、特公平
3−48950号公報、特公平3−48951号公報、
特公平3−48952号公報、特公平3−48953号
公報、特公平3−48954号公報、特開昭61−11
3673号公報などを参照)。また、インク中の有機溶
媒として、エーテル結合を有する溶媒を使用した場合、
インク中の過酸化物濃度を低減することが望ましいこと
も知られている(特公平6−60297号公報参照)。
しかし、最近では記録ヘッドの交換コストを低減化する
ため、ますます長期間安定性保持が望まれてきており、
この要請に応えるには上記に提案されている技術だけで
は不十分であった。
【0008】本発明者は、上記の状況に鑑み、インク組
成物の安定性を向上させることを目的として、鋭意検討
の結果、これら従来法に従い、純度の高い染料、純度の
高い溶媒を使用すると、かなりの水準まで改良すること
が分かった。しかし、インクジェット方式、特に熱エネ
ルギーを作用させるインクジェット方式においては、熱
ヘッド上への異物の沈着が原因とみられる目詰まりを、
従来法では必ずしも十分には防止できなかった。そこ
で、更に詳細な実験を続けた結果、インク組成物を調製
する際に使用される水に、水に由来するフミン酸が含有
されており、このフミン酸が、熱ヘッド表面における沈
着物の主たる原因であることを見出だし、本発明を完成
するに至ったものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、インク中のフミン酸の含
有量が2ppm以下にされてなることを特徴とする。ま
た、請求項5に記載の発明は、インクジェット用インク
の製造方法において、インクに含まれる水として、フミ
ン酸の含有量が2ppm以下にされてなる水を使用する
ことを特徴とする。さらに、請求項9に記載の発明は、
インクをオリフィスから液滴として吐出させるインクジ
ェット記録方法において、インク中のフミン酸の含有量
が2ppm以下のインクを使用することを特徴とする。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
係るインクジェット用インクは、水、及び水に溶解又は
分散する着色剤を含む液組成物より構成されてなり、イ
ンク(以下、水性インク組成物、インク組成物、又は記
録液ということもある。)中のフミン酸の含有量が2p
pm以下にされてなることが必要である。本発明におい
ては、フミン酸の含有量は、好ましくは1ppm以下、
特に好ましくは0.3ppm以下にされてなるインクで
ある。水、及びインク中に含まれるフミン酸の確認、定
量分析は、ゲル浸透クロマトグラフ法(Gel Permeation
Chromatography,以下GPCと略記する。詳細はWater
Research Vol.15,pp475(1981) に記載されている。)、
紫外−可視吸光光度法、液体クロマトグラフ法、蛍光分
析法、化学ルミネセンス法などが知られているが、本発
明においてはGPC法によって定量分析した値を言う。
【0011】本発明者らの実験によれば、インク中に含
まれるフミン酸の含有量が2ppmより多いと、インク
をノズルやオリフィスから吐出させる場合は、析出物に
よる目詰まり等が生じ、特に熱エネルギーを用いるイン
クジェット記録装置の場合は、インクの繰り返し吐出を
実施している間に、発熱ヘッド表面に異物の蓄積を生じ
て、種々のトラブルの原因となることが分かった。フミ
ン酸は、一般に、工業用水として使用される河川水、地
下水等の着色物質として含有されていることが知られて
いる。フミン酸の形態は、高分子の化合物であり、酸性
領域の水中ではコロイド状を呈し、中性領域からアルカ
リ領域の水中では溶解している。
【0012】インクにフミン酸が存在している場合に、
沈殿等の問題を生じるのは、インク調製時又は調製直後
ではなく、インクの使用時であって、長期に間欠的に又
は連続的に繰り返し吐出させた場合、インク使用時に種
々の温度変化にさらされた場合、又は使用時に外部から
の異物の混入した場合に生じる。場合によっては、使用
時にpHの変化が生じた場合にも、問題が生じることが
ある。そのため、インクに含まれるフミン酸に起因した
上記沈殿等が生じるという問題は、インク調製時又は調
製直後に発見することは困難であり、問題を生じた時点
では、既にインクは製品として市場に流通していること
が多く、その対策を事前に講ずることは極めて困難であ
る。
【0013】これらフミン酸を含む水を工業的に使用す
る場合には、着色度、濁度、TOC(Total of Carbon)
といった指標で管理されているが、通常、フミン酸の含
有量はこれら指標管理値に比べ極めて微量であるため、
従来は全く注意が払われていなかった。また、通常、イ
ンクジェット用のインクにおいては、記録装置の吐出オ
リフィスの目詰まり防止のため、塩類を除去した原料が
用いられ、従来は、水もイオン交換処理されたものが使
用されていた。
【0014】従来は、原料の水の中の陽・陰イオンの除
去は、H型陽イオン交換樹脂とOH型陰イオン交換樹脂
とを、直列に通して脱イオンを実施する、いわゆる2床
式、又は、複層床式(2床式を多段にする)脱イオン法
など種々の方法が採用されている。2床式又は多床式の
場合は、イオン交換樹脂の寿命を考慮し、一般に、ま
ず、陽イオン交換樹脂を通液し、次いで、陰イオン交換
樹脂に通液する方法がとられている。しかしながら、こ
れら従来採用されている方法では、フミン酸を十分に除
去することはできなかった。
【0015】フミン酸の効率的な除去法としては、本発
明者らの実験によれば、(1) 陰イオン交換樹脂を通液し
た後に陽イオン交換樹脂を通液する方法、(2) 混床式の
脱イオン交換処理する方法、(3) 酸性条件下で濾過処理
と中和処理を施す方法、(4)蒸留処理する方法、などが
挙げられる。フミン酸の除去法は、これらの方法に限定
されるものではないが、工業的には、(2) 混床式の脱イ
オン交換処理する方法、(3) 酸性条件下で濾過処理と中
和処理を施す方法、が経済的にも有効である。上記(1)
の方法、(2) の方法で使用されるイオン交換樹脂として
は、(a) 強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交
換樹脂とを組み合わせる方法、(b) 弱酸性陽イオン交換
樹脂と弱塩基性陰イオン交換樹脂とを組み合わせる方法
があるが、フミン酸の除去効率を考えると、上記(a) の
方法が好ましい。
【0016】本発明に係るインクジェット用インクは、
以下に記載する溶剤成分の種類、その組成、又はインク
に要求される特性に依存して広い範囲で決定されるが、
インク組成物に含まれる水の含有量は、一般に10〜9
9重量%の範囲である。水の含有量が少なすぎると、粘
調になりすぎ、逆に多すぎると着色剤濃度が薄くなり、
従って、筆記又は印字物が薄くなりすぎ、いずれも好ま
しくない。後述する溶媒、浸透性向上剤などの添加物の
配合量を勘案して、上記範囲で好ましいのは30〜99
重量%、とりわけ好ましいのは50〜95重量%の範囲
である。
【0017】本発明に係るインクジェット用インクは、
着色剤を含む。この着色剤は、被記録材に筆記又は印字
する成分であり、水に溶解又は分散するものである。着
色剤としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応
性染料、等に代表される水溶性染料、又は分散染料、顔
料等を使用することができる。特に、インクジェット記
録方式のインクとして好適である染料の具体例として
は、次の様なものが挙げられる。なお、染料は、以下に
例示したものに限定されるものではない。
【0018】直接染料:C.I.ダイレクトブラック1
7、19、32、51、71、108、146;C.
I.ダイレクトブルー6、22、25、71、86、9
0、106、199;C.I.ダイレクトレッド1、
4、17、28、83;C.I.ダイレクトイエロー1
2、24、26、98;C.I.ダイレクトオレンジ3
4、39、44、46、60;C.I.ダイレクトバイ
オレット47、48;C.I.ダイレクトブラウン10
9;C.I.ダイレクトグリーン59など
【0019】酸性染料:C.I.アシッドブラック2、
7、24、26、31、52、63、112、118;
C.I.アシッドブルー9、22、40、59、93、
102、104、113、117、120、167、2
29、234;C.I.アシッドレッド1、6、32、
35、37、51、52、80、85、87、92、9
4、115、180、256、317、315;C.
I.アシッドイエロー11、17、23、25、29、
42、61、71;C.I.アシッドオレンジ7、1
9;C.I.アシッドバイオレット49など
【0020】塩基性染料:C.I.ベーシックブラック
2;C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、2
4、25、26、28、29;C.I.ベーシックレッ
ド1、2、9、12、13、14、37;C.I.ベー
シックバイオレット7、14、27等 食品用染料:C.I.フードブラック2など
【0021】反応性染料:C.I.リアクティブブラッ
ク1、4、5、8、14、21、23、26、31、3
2、34;C.I.リアクティブブルー2、3、4、
5、7、8、10、13、14、15、17、18、1
9、21、25、26、27、28、29、38、3
9、40、42、43、49、51、52、65、6
6、67、68、71、73、74、75、77、7
8、79、80、89、98、100、101、10
4、105、112、113、114、115、11
9、147、148、158、160、162、16
9、170、171、179、182、187;C.
I.リアクティブレッド3、6、13、17、19、2
1、22、23、24、29、35、37、40、4
1、43、45、49、55、56、58、63、6
7、80、81、82、85、86、87、104、1
06、108、109、110、111、112、11
3、114、117、118、119、120、12
3、124、126、128、130、131、13
2、141、147、158、159、170、17
1、174、176;C.I.リアクティブイエロー
2、3、13、14、15、17、18、23、24、
25、26、27、29、35、37、41、42、4
9、50、52、54、55、57、58、63、6
4、75、76、77、79、81、82、83、8
4、85、87、88、91、92、93、95、9
6、111、115、116、131、135;C.
I.リアクティブオレンジ1、2、5、7、10、1
1、12、13、15、16、20、30、34、3
5、41、42、44、45、46、56、57、6
2、63、64、67、69、71、72、73、7
4、78、82、84、87;C.I.リアクティブバ
イオレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
6、17、22、23、24、26、27、33;C.
I.リアクティブブラウン1、2、5、6、7、8、
9、16、17、18、19、21、24、26、30
など
【0022】分散染料・顔料:C.I.ディスパースブ
ラック1、3、10、24;C.I.ディスパースブル
ー3、7、9、14、16、19、20、26、27、
35、43、44、54、55、56、58、60、6
2、64、70、72、73、75、79、81、8
2、83、87、91、93、94、95、96、10
2、106、108、112、113、115、11
8、120、122、125、128、130、13
9、141、142、143、146、148、14
9、153、154、158、165、167、17
1、173、174、176、191、183、18
5、186、187、189、197、198、20
0、201、205、207、211、214、22
4、225、257、259、267、268、27
0、284、285、287、288、291、29
3、295、297、301、315、330、33
3;C.I.ディスパースレッド1、4、5、7、1
1、12、13、15、17、27、43、44、5
0、52、53、54、55、56、58、59、6
0、65、72、73、74、75、76、78、8
1、82、86、88、90、91、92、93、9
6、103、105、106、107、108、11
0、111、113、117、118、121、12
2、126、127、128、131、132、13
4、135、137、143、145、146、15
1、152、153、154、157、159、16
4、167、169、177、179、181、18
3、184、185、188、189、190、19
1、192、200、201、202、203、20
5、206、207、210、221、224、22
5、227、229、239、240、257、25
8、277、278、279、281、288、29
6、303、310、311、312、320、32
4、328;C.I.ディスパースイエロー3、4、
5、7、9、13、24、30、33、34、42、4
4、49、50、51、54、56、58、60、6
3、64、66、68、71、74、76、79、8
2、83、85、86、88、90、91、93、9
8、99、100、104、114、116、118、
119、122、124、126、135、140、1
41、149、160、162、163、164、16
5、179、180、182、183、186、19
2、198、199、202、204、210、21
1、215、216、218、224;C.I.ディス
パースオレンジ1、3、5、7、11、13、17、2
0、21、25、29、30、31、32、33、3
7、38、42、43、44、45、47、48、4
9、50、53、54、55、56、57、58、5
9、61、66、71、73、76、78、80、8
9、90、91、93、96、97、119、127、
130、139、142;C.I.ディスパースブラウ
ン1、2、4、9、13、19など
【0023】上記の中で、分散染料・顔料を用いた分散
系のインクは、目詰まりなどの問題が起こることがある
ので、使用に際しては十分に配慮が必要である。直接染
料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料を用いた水溶性
の染料が好適であり、中でもインク中での染料自体の安
定性が良好な直接染料、又は酸性染料が好ましい。これ
らは、単独でも2種以上の混合物であってもよい。着色
剤は、インク組成物の中において、一般にはインク組成
物の全重量に対して約0.1〜20重量%の範囲で配
合、使用される。
【0024】本発明に係るインクには、グリコール系溶
媒及び/又は多価アルコール系溶媒を、単独で又は2種
類以上を混合して配合するのが好ましい。これらは、イ
ンク中の染料の安定性を向上させ、インク吐出時の目詰
まりを防止するように作用する。
【0025】グリコール系溶媒と多価アルコール系溶媒
の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、エチレングリコール、プロピレング
リコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセ
リン、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,2,6−ヘキサントリオール等が挙げられる。これ
ら溶媒の配合量は、一般にはインク組成物の全重量に対
して1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%、より
好ましくは5〜20重量%の範囲である。
【0026】本発明に係るインクには、浸透剤を併有す
ることが好ましい。浸透剤は、インク組成物を被記録材
上に筆記又は印字した時に、適度に速乾性を付与するよ
うに作用する。
【0027】浸透剤の具体例としては、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−
ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコール等の低級アルキルアルコール類;エチ
レングリコールメチル(又はエチル)エーテル、ジエチ
レングリコールエチル(又はブチル)エーテル、ジエチ
レングリコールアリルエーテル等の多価アルコールの低
級モノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジエ
チルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテ
ル等の多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類が挙
げられる。これらは、単独でも2種以上の混合物であっ
てもよい。
【0028】これら浸透剤の配合量は、一般にはインク
組成物の全重量に対して0.1〜15重量%、好ましく
は0.5〜10重量%、より好ましくは、2〜7重量%
の範囲である。本発明に係るインクジェット用インクに
は、染料の溶解性向上剤を併用するのが好ましい。
【0029】染料の溶解性向上剤の具体例としては、モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノ
ールアミン類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロ
リドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等の窒素含
有5員環ケトン類;α−バレロラクトン、ε−カプロラ
クトン、ブチルラクトン等のオキシカルボン酸の分子内
エステル類;モルホリン等から選ばれるものが挙げられ
る。これらは単独でも、2種以上の混合物であってもよ
い。これら表面張力調整剤の配合量は、一般にはインク
組成物の全重量に対して0.1〜15重量%、好ましく
は0.5〜10重量%、より好ましくは1〜7重量%の
範囲である。
【0030】本発明に係るインクジェット用インクの基
本構成は、以上の通りであるが、これら成分の他に、必
要に応じて、従来公知の各種の分散剤、界面活性剤、比
抵抗調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、防菌剤等を
配合することができる。
【0031】配合できる界面活性剤としては、脂肪酸
塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキル
スルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタ
レンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレン
アルキル硫酸エステル塩、脂肪族アミン、及び脂肪族ア
マイドの硫酸塩類等のアニオン系界面活性剤;ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エス
テル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン
オキシプロピレンブロックポリマー等の非イオン系界面
活性剤;脂肪族アミン及び4級アンモニウム塩、芳香族
4級アンモニウム塩、複素環4級アンモニウム塩等のカ
チオン系界面活性剤、ベタイン、アミノカルボン酸塩、
イミダゾリン誘導体等の両性界面活性剤;弗素系界面活
性剤などを挙げることができる。
【0032】比抵抗調整剤は、通電方式のインクジェッ
ト記録方式に使用するインク組成物に配合するのが好ま
しく、その具体例としては、塩化リチウム、塩化アンモ
ニウム、塩化ナトリウム、アルカリ金属の硫酸塩、アル
カリ金属の硝酸塩、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム等の無機塩類;アルカリ金属の酢酸塩、酢酸アンモニ
ウム、アルカリ金属のシュウ酸塩、シュウ酸アンモニウ
ム、アルカリ金属のクエン酸塩、クエン酸アンモニウ
ム、アルキルアンモニウムの塩化物塩、アルキルアンモ
ニウムの硫酸塩、アルキルアンモニウムの酢酸塩、アル
キルアンモニウムのシュウ酸塩等の有機塩などを挙げる
ことができる。
【0033】
【発明の効果】本発明に係るインクジェット用インク
は、次の様な特別に有利な効果を奏し、その産業上の利
用価値は極めて大である。 1.本発明に係るインクジェット用インクは、従来の技
術的問題点がほぼ完全に解決されており、そのままでイ
ンクジェット方式における記録特性(信号応答性、液滴
形成の安定性、吐出安定性、長時間の連続記録性、長期
間の動作休止後のインク吐出安定性)、保存安定性、被
記録材への定着性、又は記録画像の耐光性、等いずれも
バランスのとれた優れたものである。 2.本発明に係るインクジェット用インクは、各種の方
式のインクジェット記録用のインクとして有用であり、
特に、沈着物の発生を最も嫌う熱エネルギーを使用する
インクジェット記録方式のインクとして好適である。 3.本発明に係るインクジェット用インクは、ピエゾ方
式、通電方式においては析出物による目詰まりを起こさ
ず、特にバブルジェット方式においては熱ヘッド上への
異物の沈着が原因とみられる目詰まりを起こさず、高品
質の印字物が得られる。
【0034】
【実施例】次に、本発明を実施例、比較例に基づいて詳
細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以
下の記載例に限定されるものではない。なお、以下に記
載の例で、フミン酸を含まない水の調製、フミン酸を含
む水の調製、水中のフミン酸の分析、インク組成物の評
価は、次に記載の方法によって実施したものである。
【0035】<フミン酸を含まない水の調製>工業用水
に、まず、凝集剤としてのポリ塩化アルミニウム、殺藻
剤としての次亜塩素酸ナトリウムをそれぞれ添加し、水
に含まれる不純物を凝集沈殿させた。次いで、この工業
用水の上澄みを砂濾過器で濾過し、精製水を得た。得ら
れた精製水を、まず、強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化
学(株)製、SK1B)を充填したイオン交換樹脂塔に
通液し、水中の陽イオンを除去した。次いで、水中の炭
酸ガスを空気で置換処理した後、強塩基性陰イオン交換
樹脂(三菱化学(株)製、SA20A)を充填したイオ
ン交換樹脂塔に通液し、水中の陰イオンを除去した。更
に、強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製、SK
1B)と強塩基性陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)
製、SA11A)とを同一の塔に混合して充填した、混
床式イオン交換樹脂塔に通液した。こうして得られたフ
ミン酸が除去された水につき、フミン酸を下記Aに記載
の方法での分析した結果、フミン酸が含まないことが確
認された。
【0036】<フミン酸を含む水の調製>上記のフミン
酸を含まない水の製造例において、混床式イオン交換樹
脂塔への通液を行わなかった以外は、上記の製造例と同
様の手順で、フミン酸を含む水を調製した。得られた水
につき、下記Aに記載の方法での分析した結果、フミン
酸が含むことが確認され、この水をエバポレーターで濃
縮し、乾燥重量を測定したところ、4.5ppm相当の
フミン酸固形物が得られた。
【0037】A.フミン酸の分析:試料の水1Lを、ま
ず、予め良く洗浄された0.45ミクロンのテフロン・
フィルターで100mmHgの減圧濾過を実施した。つ
いで、これを、ナトリウム型の強酸性陽イオン交換樹脂
(三菱化学(株)製SK1B)が充填されたイオン交換
樹脂塔に通液した。この使用した樹脂塔は、事前に、樹
脂塔に蒸留水を通液して、イオン交換樹脂からの溶出が
ないように洗浄したものである。通過液をロータリーエ
バポレーターにて40倍に濃縮液し、分析用試料とし
た。この濃縮液について、公知のGPC分析法(Water
Research Vol.15,pp457(1981))に準拠して、次の様に
して分析した。
【0038】
【表1】 使用した装置:(株)島津製作所製LC−6A 分離カラム:東ソ−(株)製TSKgel 2000SW 7.5m
mφ×600 mm ガードカラム:東ソ−(株)製TSKgel SW 7.5 mm
φ×75mm 溶解液:0.01モルNaH2 PO4 ・2H2 O、0.005モ
ルKH2 PO4 流 速:1.0ml/分 検出器:(株)島津製作所製 RF-535 EM 340nm 、
M 440nm
【0039】B.インク組成物の評価 (1)吐出安定性:以下の例で調製したインク組成物を
用いて、記録ヘッド内のインクに熱エネルギーを与えて
液滴を発生させ記録を行う、オンデマンドタイプのヘッ
ドを有する市販の Hewlett Packard社製の Desk Writer
550C を使用し、室温の雰囲気中で60時間の連続吐出
を行い、その安定性を目視観察する方法である。
【0040】(2)目詰まり性:以下の例で調製したイ
ンク組成物を用いて、上記の Desk Writer 550C を使用
し、1秒間の間欠吐出試験を、インク組成物を調製した
直後から60時間連続で実施し、その後インク組成物を
3ヶ月放置したあと同様の試験を行い、記録ヘッドの目
詰まり性を目視観察する方法である。
【0041】(3)保存安定性:以下の例で調製したイ
ンク組成物を、プラスチック製の瓶に収納して密閉し、
60℃の温度で60日間保存した後、不溶分の析出の有
無、インクの色調を目視観察する方法である。 (4)速乾性:以下の例で調製したインク組成物を用い
て、上記の Desk Writer550C を使用し、被記録材に印
字したあと3秒経過後に、印字部を指でこすり、画像ず
れ・ニジミの有無を判定する方法である。
【0042】(5)発熱抵抗体への沈着物:以下の例で
調製したインク組成物に浸した10mm×10mmの発熱抵抗体
に、60時間連続でパルス電流(周波数1KHz、パル
ス幅5μs)を通電した後、この発熱抵抗体を水で洗浄
し、発熱抵抗体表面を顕微鏡によって観察する方法であ
る。
【0043】[実施例1] <インク組成物の調製>次の構造式[1]で表される染
料の4gを、水(フミン酸を含む水とフミン酸を含まな
い水とを、重量比で7:3の混合物)66gと、トリエ
チレングリコール25gの混合液に溶解し、更に、これ
にイソプロピルアルコール5gを添加して、攪拌、混合
した。得られた混合液を、平均孔径0.2ミクロンのナ
イロン・フィルターによって加圧濾過し、目的とするイ
ンク組成物を得た。このインク組成物中のフミン酸の量
を、上記Aに記載のGPC分析法で確認したところ、
1.9ppmであった。
【0044】
【化1】
【0045】<インク組成物の評価>上記で得られたイ
ンク組成物について、上記Bに記載の評価方法で評価し
た結果は、次の通りであった。 (1)吐出安定性:60時間の連続吐出を行ったとこ
ろ、吐出は終始、極めて安定しており、高品質の記録物
が得られた。 (2)目詰まり性:インク組成物調製直後と、3ヶ月放
置後との試験結果は、いずれの場合もオリフィス先端で
の目詰まりがなく、安定で均一な記録物が得られた。
【0046】(3)保存安定性:60℃で60日間保存
した後でも不溶分の析出は認められず、液の物性や色調
にも変化がなかった。 (4)速乾性:印字部を指でこすっても、画像ずれ・ニ
ジミが生じず、優れた定着性を示した。 (5)発熱抵抗体への沈着物:抵抗体表面には付着物は
認められなかった。
【0047】[実施例2] <インク組成物の調製>上記の方法で調製したフミン酸
を含まない水に、市販されている染料「Kayarus Supra
Yellow RL 」(日本化薬(株)製、直接染料、C.I.Dire
ct Yellow 86)を溶解させた飽和水溶液を作成し、次い
で、この水溶液中に塩化ナトリウムを添加し、攪拌を行
い染料の純度を上げる目的で塩析させた。得られた析出
物を濾取し、この析出物を塩化ナトリウムの飽和純水溶
液で洗浄、乾燥して、乾燥固形物を得た。
【0048】得られた乾燥固形物を、フミン酸を含まな
い水に溶解し、逆浸透膜法により脱塩処理を行った後、
三菱化学(株)製のキレート樹脂「CR10」の層に通
液した。その後、通過液のpHを5%水酸化ナトリウム
水溶液で8.0に調整し、0.45ミクロンのセルロー
スアセテートフィルターで、加圧濾過しインク組成物を
得た。得られたインク組成物中の染料濃度を、紫外−可
視吸光分析法により測定したところ、8.0%であっ
た。
【0049】上記の染料水溶液50gに、フミン酸を含
まない水15gとトリエチレングリコール30gとの混
合溶媒を添加し、更に、これにイソプロピルアルコール
5gを添加してよく攪拌、混合した。次に、この溶液を
平均孔径0.2ミクロンのナイロン・フィルターにて加
圧濾過し、インク組成物とした。このインク組成物中の
フミン酸の有無をGPC分析法で確認したところ、フミ
ン酸は検知されなかった。
【0050】<インク組成物の評価>実施例1における
と同様に、前記(1)〜(5)の評価試験を行った。評
価結果はいずれも実施例1におけると同様で、優れた結
果を示した。
【0051】[実施例3] <インク組成物の調製>フミン酸を含む水とフミン酸を
含まない水とを、重量比で7:3で混合した水に、市販
されている染料として「Aizen Primura Turquoise Blue
GLH」(保土ヶ谷化学工業(株)製、直接染料、C.I.Di
rect Blue 86)を溶解させて飽和水溶液を作成し、次い
で、この飽和水溶液に塩化ナトリウムを添加し、攪拌を
行い染料を塩析させた。
【0052】得られた析出物を濾取し、塩化ナトリウム
の飽和純水溶液(水は、フミン酸を含む水とフミン酸を
含まない水とを、重量比で7:3の混合物である)で洗
浄、乾燥して、乾燥固形物を得た。
【0053】得られた乾燥固形物を、フミン酸を含まな
い水に溶解し、逆浸透膜法により脱塩処理(染料中の塩
類を除くのが目的)を行った後、三菱化学(株)製のキ
レート樹脂「CR10」の層に通液した。その後、通過
液のpHを5%水酸化ナトリウム水溶液で8.0に調整
し、0.45ミクロンのセルロースアセテートフィルタ
ーにて、加圧濾過し、インク組成物を得た。このインク
組成物中のフミン酸濃度を、前記フミン酸固形物を標品
とし、GPC分析法で測定したところ、1.6ppmで
あった。
【0054】<インク組成物の評価>実施例1における
と同様に、前記(1)〜(5)の評価試験を行った。評
価結果はいずれも実施例1におけると同様で、優れた結
果を示した。
【0055】[比較例1] <インク組成物の調製>実施例1に記載の例において、
水を前記の方法で調製したフミン酸を含有する水に代え
た他は、同例におけると同様の手順でインク組成物を調
製した。このインク組成物中のフミン酸濃度を、前記フ
ミン酸固形物を標品としGPC分析法で測定したとこ
ろ、2.6ppmであった。
【0056】<インク組成物の評価>実施例1における
と同様に、前記(1)〜(5)の評価試験を行った。 (1)吐出安定性:インクの連続吐出においてはインク
の吐出が不安定になり、しばしば目詰まりが原因とみら
れる不吐出がみられた。 (2)目詰まり性:インク組成物調製直後に行った間欠
吐出試験で、50時間経過時点と、3ヶ月放置後の試験
で、目詰まりと見られるインク吐出の不安定性が観察さ
れた。
【0057】(3)保存安定性:特に問題は認められな
かった。 (4)速乾性:特に問題は認められなかった。 (5)発熱抵抗体への沈着物:発熱抵抗体の表面を顕微
鏡で観察した結果、黒褐色の沈着物が付着しているのが
認められた。
【0058】[比較例2] <インク組成物の調製>フミン酸を含む水に、市販され
ている染料「スペシャルブラック7984」(Baye
r社製、食品用染料、C.I. Food Black 2)を溶解させて
飽和水溶液を作成し、次いでこの水溶液中に硫酸ナトリ
ウムを添加し、攪拌を行い染料を塩析させた。析出物を
濾取し、この析出物を硫酸ナトリウムの飽和水溶液(水
は、フミン酸を含む水である)によって洗浄、乾燥して
乾燥固形物を得た。
【0059】得られるインク中の染料濃度が3%になる
ように所定量の前記乾燥物を計量し、これをエチレング
リコールとN−メチル−2−ピロリドンの3対1混合液
中に溶解させた。この溶液を平均孔径1ミクロンのテフ
ロン・フィルターで加圧濾過し、得られた濾液の40重
量部に、60重量部のフミン酸を含む水を加えて攪拌し
てインク組成物とした。次いで、インク組成物全重量に
対して塩化第二鉄を0.5%添加して攪拌した後、60
00rpmの条件で5分間遠心分離を行い、その後、上
澄み液をとり、この上澄み液を住友化学工業(株)製の
陽イオン交換樹脂「C−464」が充填された樹脂塔に
通液した。通過液のpHを、0.1N水酸化ナトリウム
水溶液によって9.8に調整し、10日間プラスチック
容器に静置した。再度1ミクロンのテフロン・フィルタ
ーにて、加圧濾過し、インク組成物を得た。得られたイ
ンク組成物中のフミン酸の量を、GPC分析法で確認し
たところ、3.2ppmであった。
【0060】<インク組成物の評価>実施例1における
と同様に、前記(1)〜(5)の評価試験を行った。 (1)吐出安定性:インクの連続吐出においては、目詰
まりが原因とみられる不吐出が見られた。 (2)目詰まり性:インク組成物調製直後に行った間欠
吐出試験で、60時間経過時点と、3ヶ月放置後の試験
で、目詰まりと見られるインク吐出の不安定性が観察さ
れた。
【0061】(3)保存安定性:特に問題は認められな
かった。 (4)速乾性:印字部を指でこすると、画像にずれが生
じ、指にはインクが付着し、定着性に劣っていた。 (5)発熱抵抗体への沈着物:発熱抵抗体の表面を顕微
鏡で観察した結果、黒褐色の沈着物が付着しているのが
認められた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 11/02 PTH D06P 5/00 111A D06P 5/00 111 B41J 3/04 101Y (72)発明者 松本 裕美子 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化学株式会社黒崎開発研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク中のフミン酸の含有量が2ppm
    以下にされてなることを特徴とするインクジェット用イ
    ンク。
  2. 【請求項2】 インクは、水、及び水に溶解又は分散す
    る着色剤を含む液組成物より構成されてなり、かつ、こ
    の液組成物中の水の含有量が30〜99重量%の範囲に
    されてなる、請求項1に記載のインクジェット用イン
    ク。
  3. 【請求項3】 液組成物には、少なくともグリコール系
    溶媒及び/又は多価アルコール系溶媒が配合されてな
    る、請求項2に記載のインクジェット用インク。
  4. 【請求項4】 液組成物には、少なくとも低級アルキル
    アルコール、多価アルコールの低級モノアルキルエーテ
    ル類、多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類から
    選ばれる浸透剤が配合されてなる、請求項2又は請求項
    3に記載のインクジェット用インク。
  5. 【請求項5】 インクジェット用インクの製造方法にお
    いて、インクに含まれる水として、フミン酸の含有量が
    2ppm以下にされてなる水を使用することを特徴とす
    る、インクジェット用インクの製造方法。
  6. 【請求項6】 水が、少なくとも混床式脱イオン処理を
    施されたものである、請求項5に記載のインクジェット
    用インクの製造方法。
  7. 【請求項7】 水が、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基
    性陰イオン交換樹脂とによってイオン交換処理されたも
    のである、請求項6に記載のインクジェット用インクの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 水が、酸性条件下での濾過処理と中和処
    理とを施されたイオン交換水である、請求項6に記載の
    インクジェット用インクの製造方法。
  9. 【請求項9】 インクをオリフィスから液滴として吐出
    させるインクジェット記録方法において、インク中のフ
    ミン酸の含有量が2ppm以下のインクを使用すること
    を特徴とするインクジェット記録方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001081353A (ja) * 1999-07-13 2001-03-27 Nicca Chemical Co Ltd 水性液体染料組成物
JPWO2015046249A1 (ja) * 2013-09-27 2017-03-09 日本化薬株式会社 染料系偏光素子、または、染料系偏光板
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JP2022107617A (ja) * 2016-03-31 2022-07-22 株式会社Dnpファインケミカル インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法

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