JPH11166131A - カーボンブラック分散液及びその製造方法並びにインク組成物 - Google Patents

カーボンブラック分散液及びその製造方法並びにインク組成物

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JPH11166131A
JPH11166131A JP33404497A JP33404497A JPH11166131A JP H11166131 A JPH11166131 A JP H11166131A JP 33404497 A JP33404497 A JP 33404497A JP 33404497 A JP33404497 A JP 33404497A JP H11166131 A JPH11166131 A JP H11166131A
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carbon black
treatment
exchange resin
dispersion
ink
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JP33404497A
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Masaya Fujisue
昌也 藤末
Toshiyuki Koyama
敏之 小山
Nobutake Mise
信猛 見勢
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化処理を施したカーボンブラック分散液に
限外濾過や透析等の膜処理とイオン交換樹脂処理を行う
ことで、インクジェット用または筆記用のインク用に使
用した場合、ノズルのオリフィス中または先端での目詰
まりや沈殿物発生がなく安定したインクの吐出安定性が
長期に渡って得られる黒色顔料として好適なカーボンブ
ラックを得る。 【解決手段】 あらかじめ酸化処理されたカーボンブラ
ックを含有する液に、膜処理及びイオン交換樹脂処理を
施すことを特徴とするカーボンブラック分散液の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカーボンブラックを
含有する水溶性インク製造において使用される高分散性
カーボンブラック分散液、並びに水溶性インク組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット印刷技術は、記録時の騒
音が小さい、カラー印刷が可能、普通紙に印刷が可能で
高品位であるといった特徴を持つことから、パーソナル
用、オフィス用としてコンピューターからの出力の印刷
用に幅広く使用されている。インクジェット印刷は種々
の方式があり、例えば、ピエゾ振動子を有しインクを圧
力パルスにより吐出するピエゾ方式、記録ヘッド内の発
熱抵抗体でインクに熱エネルギーを作用させることによ
り液滴を形成するバブルジェット方式、記録ヘッド内に
設けられた電極間に電圧を印加することにより液滴を発
生させる通電方式が知られている。
【0003】これらの用途に用いられる記録用のインク
に要求される性能としては次のような項目が挙げられ
る。 (1)印字または筆記物に滲みが生じないこと (2)印字または筆記物が光または熱により退色しない
こと (3)長時間放置したときでも記録ヘッド内のノズルや
ペン先に目詰まりが生じないこと (4)保存安定性がよいこと (5)インクの粘度が低いこと 従来、これらの用途のインクとしては、着色剤として染
料を、水又は水と水溶性有機溶媒とからなる液媒体に溶
解または分散したインクが用いられてきたが、染料を用
いた場合、印字または筆記物に滲みが出やすく光により
退色するという問題を有することから、最近カーボンブ
ラックを黒色顔料として使用したインクが注目されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カーボ
ンブラックをインク用顔料として使用した場合、カーボ
ンブラックの表面が親油性であるために、カーボンブラ
ックの水中での分散性が悪く、ノズルやペン先でカーボ
ンブラックが目詰まりしたり、保存中に凝集を生じ使用
不可能になる。このため、各種分散剤の添加が必要とさ
れている。
【0005】ここで分散剤としては、カーボンブラック
になじみの良い親油性基と水性溶媒になじみの良い親水
性基とを同一分子内に有する化合物であって、界面活性
作用を有するもの、一般的に有機系や高分子(樹脂)系
の分散剤が使用される。しかしながらこれらの分散剤は
カーボンブラック等の顔料表面に吸着もしくは結合させ
ることによりその効果を期待するものであるため、ある
一定量以上添加しなければ分散効果を得られない。この
ためインク中に余分な分散剤が添加されることとなり、
ノズルやペン先でインクが乾燥したときに“詰まり”が
生じて使用不能に陥ることが多かった。また分散剤の必
要量以上の添加により、インクの粘度が高くなり安定し
たインクの吐出性が得られないという問題も生じる。
【0006】このような問題を解決するため、特開平8
−3498号公報には、あらかじめカーボンブラック表
面に酸化処理を施した酸性カーボンブラックに次亜塩素
酸溶液を作用させ、カーボンブラック表面を二段酸化す
ることにより親水化処理を行い、分散剤なしで分散安定
性を改良する試みが記載されている。しかしこの場合、
酸性カーボンブラックを原料として用いることを要し、
酸性カーボンブラックを原料としない場合には酸化を二
段階で行う必要があるため、高コストな製品を生み出す
原因となる。
【0007】そこで、本発明者のうちの一人は鋭意検討
の末、水もしくは有機酸をあらかじめ含有せしめた水性
溶媒にカーボンブラックを添加した後オゾン等で酸化処
理を行うことにより分散性にすぐれたカーボンブラック
得られることを見いだした。この方法では上記特開平8
−3498号公報に記載された方法に比べ、一段の酸化
だけで極めて水への分散性に優れた高分散性のカーボン
ブラックが得られ、酸化の際に塩素やアルカリ金属を必
要とせず、粘度も小さいインクジェットインク用カーボ
ンブラックが得られ、実際に使用したときもノズルにも
詰まりにくく吐出安定性に優れたカーボンブラックが得
られる事を見いだした。
【0008】しかしながら、本発明者らの更なる検討に
より、こうして得られたカーボンブラック分散液には長
期にわたる保管試験を行うと一部に凝集塊がみられ、分
散安定性に改善の余地があることが判明した。本発明
は、上記の各課題を解決し、長期の分散安定性に優れ、
ノズルやペン先の目詰まりが抑制され、吐出安定性に優
れた水性インク組成物並びにインクを提供しうるカーボ
ンブラックを得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
末、酸化処理したカーボンブラックを含有する液に、透
析や限外濾過等の膜処理に加えてイオン交換樹脂処理を
施すことにより吐出安定性のある高分散性カーボンブラ
ックが得られることを見いだした。更に、こうして得ら
れたカーボンブラック分散液を用いたインク組成物はき
わめて高分散の状態が数ヶ月以上にわたって維持される
ことをも見いだし、本発明に到達した。すなわち、本発
明は、あらかじめ酸化処理されたカーボンブラックを含
有する液に、膜処理及びイオン交換樹脂処理を施すこと
を特徴とするカーボンブラック分散液の製造方法等に存
する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では、カーボンブラックを
酸化処理して酸化処理カーボンブラックとして用いるこ
とができる。酸化処理に供するカーボンブラックの粒子
径は特に限定されないが100nm以下、さらには30
nm以下のものが粒子の沈降が抑制され最適である。さ
らにはDBP吸油量が130より大きいものが印字濃度
が高くなり、より好適に使用される。
【0011】またカーボンブラック中のアルカリ金属、
アルカリ土類金属は水中に溶解し液中でオゾン酸化の効
率を低下するので少ない方が好ましいが、好適には総量
として1wt%以下、より好ましくは0.5wt%以
下、さらに好ましくは0.1wt%以下とする。またカ
ーボンブラック中の硫黄や硫黄化合物、あるいは塩素化
合物はオゾンにより酸化されて溶液中で強酸となり、カ
ーボンブラックの表面に生成した官能基がイオンとなる
ことを妨害する作用を有することから、極力少ないこと
が望ましく全硫黄、全塩素分析値として1wt%以下、
より好ましくは0.5wt%以下、さらに好ましくは
0.1wt%以下である。硫黄含有量を低下するには、
カーボンブラックの原料として用いる芳香族炭化水素や
気体炭化水素として低硫黄含有量の物を用いることで可
能である。また塩素含有量はカーボンブラック製造時の
冷却水として使用する水を純水や脱塩水を使用すること
で低下することができる。
【0012】カーボンブラックの酸化処理は、従来公知
である硝酸や気相オゾンで処理により行っても良いが、
好ましくは水の存在下でオゾン処理することにより、著
しく水性媒体への分散性が向上することができることが
本発明者の一人により見いだされた。ここで水の量はカ
ーボンブラックと水との比率(重量比)で95:5〜
0.5:99.5が適当であり、より好ましくは50:
50〜2:98、さらに好ましくは20:80〜5:9
5の範囲が良い。こうして水とカーボンブラックを混合
し、この混合体にオゾンを導入してカーボンブラックの
酸化処理を行う。具体的にはオゾン及び/またはオゾン
含有ガスを通じてカーボンブラックの酸化処理を行うこ
とができる。
【0013】酸化剤としてオゾンを用いることにより、
従来よりカーボンブラックの酸化に使用されている他の
酸化剤である硝酸、窒素酸化物、硫酸、次亜塩素酸類が
高温下で酸化反応が進むのと異なり、室温でカーボンブ
ラックを酸化することができる。酸化の程度は、カーボ
ンブラックの全酸性基が3μequ/m2以上となるま
で酸化処理するのが好ましい。より好ましくは6μeq
u/m2以上とすれば水性媒体への分散性が非常に良好
となる。3μequ/m2未満の酸性基量では分散媒へ
の分散性が十分ではない場合があり、凝集を生じやすい
傾向にある。
【0014】全酸性基量はNaOHやKOH等のアルカ
リと反応した量として求めることができるものである
が、本発明において全酸性基を求める方法としては以下
の通りである。水等の液媒体中で酸化処理を行った場合
は、酸化処理したカーボンブラックを0.1μmのメン
ブレンフィルターを使用して濾過を行い液媒体と分離す
る。この分離したカーボンブラックを60℃の真空乾燥
機で1昼夜乾燥した後、メノウ乳鉢で粉砕する。この乾
燥後のカーボンブラックを0.2〜0.5g取り、0.
01NのNaOHを60cm3入れた三角フラスコに入
れ、窒素を三角フラスコに流し、スターラーで6時間撹
拌し反応させる。この反応物を再び0.1μmのメンブ
レンフィルターを使用し濾過を行い、濾過液を得る。
【0015】この反応液を40cm3分取し、0.02
5N塩酸を用い自動中和滴定装置を行い濾過液のNaO
H濃度を求める。カーボンブラックの全酸性基量は以下
の式を使用し算出する。また単位表面積への換算はあら
かじめ窒素吸着量からカーボンブラック単位gあたりの
比表面積を求めておけば次式(1)により算出された全
酸性基量から容易に換算できる。
【0016】
【式1】 なお、カーボンブラックとして既に全酸性基が3μeq
u/m2以上のものを用いれば、さらに酸化を行う必要
はなく、そのまま以下に説明する膜処理等の処理に供す
ることができる。この場合にも、特に好ましくは6μe
qu/m2以上のカーボンブラックを用いることによ
り、水性媒体への分散性が非常に良好となる。3μeq
u/m2未満の酸性基量では分散媒への分散性が十分で
はない場合があり、凝集を生じやすい傾向にある。
【0017】上記の酸化処理されたカーボンブラック、
あるいは特定量の全酸性基を有するカーボンブラックは
分散性に優れているものの、その分散液を長期間に渡っ
て保管すると、分散性が損なわれてくることが本発明者
らの検討により判明した。そこで、本発明においては、
上述の酸化処理されたカーボンブラック、あるいは全酸
性基量が3μequ/m2以上のカーボンブラックを含
有する液を、以下のとおり膜処理及びイオン交換樹脂処
理する。こうすることにより、さらに長期間の保存安定
性が向上することが、本発明者らの鋭意検討により見い
だされたのである。
【0018】まず、本発明における膜処理とは限外濾過
膜や透析膜処理を含み、一般に溶液中の低分子から高分
子量の化合物やイオン性物質を、膜の種類に応じて、あ
る特定の成分ごとに除去可能な分離膜による処理を指
す。ここで用いる膜の分画分子量は300以上のものが
より好適に使用され、実際膜処理後長期保管した後のカ
ーボンブラック分散性も分画分子量を大きくすることに
より、より向上させることができる。その理由としては
完全には明らかではないが、おそらくカーボンブラック
分散液中には、カーボンブラックの酸化処理時に生成す
る不純物であるフミン酸が存在しており、膜処理により
このようなフミン酸が除去され、さらに低分子量の有機
物やイオン性物質も同時に除去されるため、より分散性
が向上するものと思われる。なお透析膜処理には電気透
析も含まれ、それぞれ目的やコスト等を考え併せ選択す
ることができる。
【0019】ここで、分画分子量とは膜で除去されるう
る化合物の最大分子量のことで、たとえば膜の分画分子
量が300とは膜処理に供される溶媒からは300以下
の分子量のものしか除去できないという意味である。ま
た、本発明においては、さらにイオン交換樹脂処理を行
う。イオン交換樹脂処理としてはカチオン交換樹脂(例
えば三菱化学(株)製「SK1B」)やアニオン交換樹
脂(例えば三菱化学(株)製「SA20A」)を充填し
た樹脂塔に交互に通液しても良いし、それぞれの樹脂を
を同一の塔に混合して充填した混床式イオン交換樹脂塔
に通液しても良いし、バッチ式の槽内にイオン交換樹脂
とカーボンブラック分散液を同時に存在させた後、イオ
ン交換樹脂と分散液を濾過等により分離してもよい。
【0020】イオン交換樹脂処理と膜処理の順序はどち
らが先でも良いが、膜処理は同一膜を繰り返し使用して
もあまり性能が低下することがないが、最初にイオン交
換樹脂処理を行うと樹脂表面に無機以外のフミン酸等の
高分子成分等が付着してイオン性物質の交換能が劣化し
使用されるイオン交換樹脂の使用量が増加するため、一
般的には限外濾過や透析等の膜処理を先に行うのが好ま
しい。
【0021】本発明では、以上説明したように膜処理と
イオン交換樹脂処理の双方を併用することが特徴であ
る。イオン交換樹脂のみで処理を行った場合には、後述
の比較例にもあるように本発明により膜処理を併用した
場合と分散性に関して同等の性能を有するカーボンブラ
ック分散液を得るにはイオン交換樹脂の使用量で数倍も
の量を使用せねばならない等、不都合が大きいことが判
明した。一方、膜処理のみ行った場合には分散性が充分
でないことも判明した。これは、膜処理だけでは除去で
きないイオン種が、分散性に何らかの影響を及ぼしてい
ることが考えられるが、その機構は明らかではない。
【0022】このようにカーボンブラックを含有する液
に膜処理の後イオン交換樹脂処理を行うことにより、長
期間の分散安定性が発揮され、しかもイオン交換樹脂単
独で処理したときと比べてイオン交換樹脂使用量を大幅
に削減することも可能となる。本発明に従い酸化処理を
施したカーボンブラックを含有する液に限外濾過や透析
後イオン交換樹脂処理を行ったカーボンブラック分散液
や、それを乾燥もしくは濾過等することにより液媒体を
除去したカーボンブラックは、各種媒体と混合して有用
であるが、特に水性媒体に分散して水性分散液とするこ
とにより、優れた性能を有する水性インクとすることが
可能である。なおここで水性媒体としては水あるいは水
とこれに混和する極性溶媒との混合物をいい、グリコー
ル系溶媒及び/又は多価アルコール系溶媒を単独又は混
合系で使用するのが好ましい。グリコール系溶媒と多価
アルコール系 溶媒の具体例としては、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジ
エチレン グリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリ
セリン、ポリグリセリン、チオジグリコール、ヘキシレ
ン グリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、1,2, 6−ヘキサントリオール
等が挙げられる。これら溶媒の含有量は、一般にはイン
クの全重量に対して1〜40wt%、好ましくは、5〜
30wt%、より好ましくは5〜20Wt%の範囲であ
る。
【0023】水性分散液中のカーボンブラックの濃度は
用途に応じて適宜選択すればよいが、好ましくは0.5
〜50wt%、特に好ましくは0.5〜20wt%の範
囲である。この範囲であればインキとした場合の印字濃
度が良好で、しかもインクの粘度が抑制され優れた特性
のインクを得ることができる。こうして得られるカーボ
ンブラック水性分散液はカーボンブラックの濃度が20
wt%を超える場合等には必要に応じて分散剤を添加す
る等、各種の添加剤を加え水性インクとすることができ
る。また必要に応じ濃縮、乾燥し、その後別途希釈して
インクとして使用することができる。この場合、カーボ
ンブラックを水に添加し、ビーズミル、ボールミル、衝
撃性分散、超音波分散等による分散処理を用いることが
できる。
【0024】インク化する際の添加剤としてはたとえ
ば、インクに被記録材上での適度な速乾性を付与するた
めの浸透剤や分散剤、定着剤、防かび剤等が挙げられ
る。浸透剤としては例えば、メチルアルコール、エチル
アルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルア
ルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアル
コール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアル
コール等の低級アルキルアルコール類;エチレングリコ
ールメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコ
ールエチル(又はブチル)エーテル、ジエチレングリコ
ールアリルエーテル等の多価アルコールの低級モノアル
キルエーテル類;ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等の多価
アルコールの低級ジアルキルエーテル類が挙げられる。
これら浸透剤の含有量は、一般にはインクの全重量に対
して0.1〜15wt%、好ましくは0.5〜10wt
%、より好ましくは、0.5〜7wt%の範囲である。
【0025】分散剤としては、たとえば脂肪酸塩、アル
キル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、
アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコ
ハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスル
ホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル
硫酸エステル塩、脂肪族アミン及び脂肪族アマイドの硫
酸塩類等のアニオン系界面活性剤;ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソル
ビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、
グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロ
ピレンブロックポリマー等の非イオン系界面活性剤;脂
肪族アミン及び4級アンモニウム塩、芳香族4級アンモ
ニウム塩、複素環4級アンモニウム塩等のカチオン系界
面活性剤、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリ
ン誘導体等の両性界面活性剤;弗素系界面活性剤を挙げ
ることができる。これら分散剤の含有量は、一般にはイ
ンクの全重量に対して15wt%以下、好ましくは10
wt%以下、より好ましくは7wt%以下の範囲であ
る。
【0026】定着剤としては、水溶性樹脂のポリビニル
アルコール、ポリアクリルアミドなどのノニオン系水溶
性樹脂、ポリアクリル酸、スチレン/アクリル系樹脂な
どのアニオン系樹脂の他水性エマルジョンも使用するこ
とができる。又特殊な例としてカーボンブラックを含む
インクに若干の染料を含有せしめることがあるがその場
合には染料の溶解安定性向上のために、モノエタノール
アミン、ジエタノールア ミン等のアルカノールアミン
類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、
1,3−ジメチルイミダゾリジノン等の窒素含有5員環
ケトン類;α−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、
ブチルラクトン等のオキシカルボン酸の分子内エステル
類;モルホリン等から選ばれる溶解性向上剤を併有する
と更に好ましい。これら溶解性向上剤の含有量は、一般
にはインクの全重量に対して15wt%以下、好ましく
は10wt%以下、より好ましくは7wt%以下の範囲
である。
【0027】こうして得られる本発明のインク組成物
は、インクジェット用のインクとして必要な液滴形成の
安定性、吐出安定性、長時間の吐出安定性、長時間休止
後の吐出安定性、保存安定性、被記録材への定着性、記
録画像の耐性等いずれもバランスの優れたものとなる。
さらに筆記具用水性インク、各種塗料やカラーフィルタ
ー等にも好適に使用される。
【0028】
【実施例】次に実施例を用いて、本発明をさらに詳細に
説明する。 (比較例1)市販カーボンブラック(三菱化学(株)製
「#47」、硫黄量0.5wt%、アルカリ金属および
アルカリ土類金属の総含有量0.1wt%)を20g、
0.1N酢酸0.5dm3に混合し、家庭用ミキサーで
5分間撹拌分散させた。得られた液を撹拌翼の付いた3
dm3のガラス容器に入れ、撹拌しながら、オゾン濃度
8wt%のオゾン含有ガスを500cm3/minで5
時間導入した。この際オゾン発生器としてペルメレック
電極社の電解発生型のオゾナイザーを用いてオゾンを発
生させた。
【0029】オゾン処理後の分散液のpHを測定すると
2.5であった。この液中の粒度分布を日機装社製「マ
イクロトラックUPA」で測定すると平均50%の粒径
が77nmであった。この分散液の長期分散安定性を評
価するために、3ヶ月間60℃の環境中で放置した長期
保管試験を実施した。この長期保管試験後の粒径は光学
顕微鏡法によれば500nm〜2000nmのものが観
測され、著しい分散性の低下が見られた。 (比較例2)比較例1と同様の方法で作成したカーボン
ブラック分散液を旭化成製卓上脱塩装置「マイクロアシ
ライザーG1」を使用し、分画分子量1000の膜で電
気透析を行った。この膜処理を行った分散液の長期保管
試験を、比較例1同様に3カ月間60℃の恒温槽内で放
置することにより行いカーボンブラックの粒子径を測定
したところ、体積平均粒径は130nmであり、更に2
カ月間60℃の恒温槽内で放置したところ、分散液中に
は目視による凝集塊が一部観測された。
【0030】(実施例1)比較例2と同一条件の電気透
析処理したカーボンブラック分散液に、さらにカチオン
交換樹脂(三菱化学(株)製「SK1BのH型」)とア
ニオン交換樹脂(三菱化学(株)製「SA20AのOH
型」)を等量混合したイオン交換樹脂を、カーボンブラ
ック分散液100重量部に対し10重量部添加し30分
放置後分散液と樹脂とを濾過分離した。このとき使用し
た膜の分画分子量は1000であった。この分散液を恒
温槽中60℃のもとで3ヶ月間放置し、長期保管試験を
行いカーボンブラックの粒子径を測定したところ、体積
平均粒径が97nmであった。さらに2カ月間60℃の
恒温槽内で放置した場合でも、分散液中には目視による
凝集塊はほとんど認められず、分散性が保持されてい
た。
【0031】このように膜処理に加え、イオン交換樹脂
処理を併用することで、実用にも使用可能なカーボンブ
ラック分散液が得ることができた。 (比較例3)比較例1でオゾン処理した後のカーボンブ
ラック分散液にカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を
等量混合した樹脂をカーボンブラック分散液100重量
部に対し10重量部添加し30分放置後、分散液と樹脂
とを濾過分離し、比較例1同様に3カ月間60℃の恒温
槽内で放置することにより長期保管試験を実施した。こ
の長期保管試験後の平均50%の粒径が110nmであ
り、平均90%の粒径が220nmであった。このよう
に実施例1と同等の樹脂量で処理した場合分散性に乏し
かった。また実施例1と同等の分散性をイオン交換樹脂
のみの処理で得る為に必要な樹脂量を実験で求めたとこ
ろ、カーボンブラック分散液100重量部に対し30重
量部以上使用せねばならなかった。
【0032】またオゾン酸化処理カーボンブラック分散
液の処理に使用したイオン交換樹脂(この場合はアニオ
ンおよびカチオン交換樹脂処理を別々に行った)は、再
生処理した後でも樹脂表面が変色したままであり、再使
用時の交換能は著しく劣っていた。おそらく酸化処理時
に生成するカーボンブラック分散液に含まれるフミン酸
等の化合物が樹脂表面に吸着し、再生使用時の性能が劣
化したものと思われる。このことも高分散性カーボンブ
ラックを生産する上でイオン交換樹脂のリサイクル使用
を妨げ大幅なコストアップの要因となりうる。
【0033】
【発明の効果】本発明により特にインクジェット用また
は筆記用のインク用に使用した場合、ノズルのオリフィ
ス中または先端での目詰まりや沈殿物発生がなく安定し
たインクの吐出安定性が長期に渡って得られる黒色顔料
として好適なカーボンブラックを得る。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】あらかじめ酸化処理されたカーボンブラッ
    クを含有する液に、膜処理及びイオン交換樹脂処理を施
    すことを特徴とするカーボンブラック分散液の製造方
    法。
  2. 【請求項2】全酸性基量が3equ/m2以上であるカ
    ーボンブラックを含有する液に、膜処理及びイオン交換
    樹脂処理を施すことを特徴とするカーボンブラック分散
    液の製造方法。
  3. 【請求項3】カーボンブラックが予め酸化処理されたも
    のである請求項2記載のカーボンブラック分散液の製造
    方法。
  4. 【請求項4】カーボンブラックの酸化処理が液相中で行
    われたものである請求項1〜3のいずれかに記載のカー
    ボンブラック分散液の製造方法。
  5. 【請求項5】カーボンブラックの酸化処理に使用される
    酸化剤がオゾンである請求項3又は4記載のカーボンブ
    ラック分散液の製造方法。
  6. 【請求項6】膜処理が透析、電気透析又は限外濾過であ
    る請求項1〜5のいずれかに記載のカーボンブラック分
    散液の製造方法。
  7. 【請求項7】膜処理で使用される膜の分画分子量(処理
    により除かれうる物質の最大分子量)が300以上であ
    る請求項1〜6のいずれかに記載のカーボンブラック分
    散液の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法
    により得られたカーボンブラック分散液であって、カー
    ボンブラック含有量が0.1〜50wt%、水含有量が
    10wt%以上であるカーボンブラック分散液。
  9. 【請求項9】請求項8記載のカーボンブラック分散液に
    添加物を加えてなる水溶性インク組成物。
  10. 【請求項10】請求項1〜7のいずれかに記載の製造方
    法により得られたカーボンブラック分散液から、液媒体
    を除去してなるカーボンブラック。
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