JP2001072828A - 射出圧縮成形用プロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

射出圧縮成形用プロピレン系樹脂組成物

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JP2001072828A
JP2001072828A JP32413299A JP32413299A JP2001072828A JP 2001072828 A JP2001072828 A JP 2001072828A JP 32413299 A JP32413299 A JP 32413299A JP 32413299 A JP32413299 A JP 32413299A JP 2001072828 A JP2001072828 A JP 2001072828A
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propylene
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injection compression
compression molding
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Yoshihiro Sobashima
好洋 傍島
Masaaki Isoi
政明 磯井
Akira Kobayashi
明 小林
Hagumu Kozai
育 香西
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Japan Polychem Corp
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Japan Polychem Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた射出圧縮成形性(高流動性)と高度な
物性バランス(高い剛性、衝撃強度と表面硬度)を備
え、その上成形品の低シボ光沢外観にも優れている射出
圧縮成形用プロピレン系樹脂組成物を提供。 【解決手段】 (a)結晶性ポリプロピレン単独重合部
分を55〜95重量%と、エチレン含量が31重量%以
上、極限粘度が1.5dl/g以上であるエチレン・プ
ロピレン−ランダム共重合部分を5〜45重量%含有
し、この成分(a)全体のメルトフローレートが50〜
500g/10分であるプロピレン・エチレン−ブロッ
ク共重合体100重量部、(b)平均粒径が1.5〜1
5μmのタルク1〜60重量部、(c)炭素数3〜8の
α−オレフィンを20〜50重量%含有し、MFRが
0.05〜100g/10分であるエチレン・α−オレ
フィン共重合ゴム0〜50重量部及び(d)MFRが1
1g/10分以上のポリエチレン0〜10重量部からな
ることを特徴とする射出圧縮成形用プロピレン系樹脂組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた射出圧縮成
形性、物性バランス(高い剛性、衝撃強度と表面硬度)
と共に、極めて低い光沢の成形品シボ外観を有し、必要
に応じ表皮貼合や布張りが不要での製品化も可能な新規
な射出圧縮成形用ポリプロピレン系樹脂組成物に関し、
各種工業部品、自動車部品とりわけ自動車内装部品用の
素材として好適な射出圧縮成形用プロピレン系樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、工業部品分野における各種成形
品、例えばバンパー、インパネ、ファンシュラウド、グ
ローブボックス等の自動車部品、テレビ、VTR、洗濯
機等の家電機器製品の部品用などとして、プロピレン系
樹脂組成物がその優れた成形性、機械的強度や経済性の
特徴を活かし多く実用に供されてきている。しかしなが
ら、近年上記各用途は、益々高機能化や製品大型化が進
みつつあり、それに伴いプロピレン樹脂組成物には、例
えば自動車内装部品分野においては、高度な物性バラン
ス(高い剛性、衝撃強度及び成形品表面硬度)に加え、
大型製品や多数個取りに対応し得る極めて高い成形加工
性、具体的には高流動性と、製品の落ち着いた風合いを
もたらす低シボ光沢外観が求められている。一方、射出
圧縮成形による成形品は、比較的低圧で大型成形品が賦
型できるので、製品大型化に対応でき易いばかりでな
く、経済的にも有利である。しかしながら、従来の射出
圧縮成形用プロピレン系樹脂組成物は、一般に一定水準
以上の流動性を付与させると、シボ光沢が高くなり過ぎ
たり、衝撃強度が低下したりする問題があり、製品の大
型化や多数個取りに限界があると共に、外観表皮貼合や
布張りを不要とするのが困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な状
況下で、優れた射出圧縮成形性(高流動性)と高度な物
性バランス(高い剛性、衝撃強度と表面硬度)を備え、
その上成形品の低シボ光沢外観にも優れている射出圧縮
成形用プロピレン系樹脂組成物を提供することにより、
表皮貼合や布張りの不要化も必要に応じ可能で、そのた
めコストダウンを図ることができる高性能な工業部品、
自動車部品とりわけ自動車内装部品を提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために、種々の研究を重ねた結果、特定のプ
ロピレン・エチレン−ブロック共重合体に、特定のタル
クと、場合により特定のエチレン・α−オレフィン共重
合ゴム、特定のポリエチレンを特定の比率で配合するこ
とにより得られるプロピレン系樹脂組成物が、優れた射
出圧縮成形性と高度な物性バランス(高い剛性、衝撃強
度と表面硬度)を備え、さらに成形品の低シボ光沢外観
に優れ、耐傷付性にも優れ、表皮貼合や布張りの不要化
も必要に応じ可能で、そのためコストダウンを図ること
ができる性能を備えていることを見出し、本発明を完成
するに至ったものである。
【0005】すなわち、本発明は、下記の成分(a)〜
(d)からなることを特徴とする射出圧縮成形用プロピ
レン系樹脂組成物である。 (a)結晶性ポリプロピレン単独重合部分(A単位部)
を55〜95重量%と、エチレン含量が31重量%以上
で、且つ極限粘度が1.5dl/g以上であるエチレン
・プロピレン−ランダム共重合部分(B単位部)を5〜
45重量%含有し、この成分(a)全体のメルトフロー
レート(MFR:230℃、2.16kg)が50〜5
00g/10分であるプロピレン・エチレン−ブロック
共重合体:100重量部 (b)平均粒径が1.5〜15μmのタルク:1〜60
重量部 (c)炭素数3〜8のα−オレフィンを20〜50重量
%含有し、且つMFR(230℃、2.16kg)が
0.05〜100g/10分であるエチレン・α−オレ
フィン共重合ゴム:0〜50重量部 (d)MFR(190℃、2.16kg)が11g/1
0分以上のポリエチレン:0〜10重量部
【0006】
【発明の実施の形態】[I]射出圧縮成形用プロピレン
系樹脂組成物 1.構成成分 本発明の射出圧縮成形用プロピレン系樹脂組成物は、下
記の成分(a)、成分(b)、場合により、成分
(c)、成分(d)からなる。それぞれの成分について
以下に説明する。
【0007】(1):プロピレン・エチレン−ブロック
共重合体[成分(a)] (i)構造 本発明において用いられる成分(a)のプロピレン・エ
チレン−ブロック共重合体は、プロピレンの単独重合に
よって得られる結晶性ポリプロピレン単独重合部分(A
単位部)を55〜95重量%、好ましくは55〜85重
量%、特に好ましくは60〜83重量%と、エチレンと
プロピレンとの共重合によって得られるエチレン含量が
31重量%以上、好ましくは33重量%以上、特に好ま
しくは35重量%以上で、且つその極限粘度が1.5d
l/g以上、好ましくは1.5〜3.5dl/gである
エチレン・プロピレン−ランダム共重合部分(B単位
部)を5〜45重量%、好ましくは15〜45重量%、
特に好ましくは17〜40重量%とを含有し、この成分
(a)全体のMFR(230℃、2.16kg荷重)が
50〜500g/10分、好ましくは70〜400g/
10分、特に好ましくは90〜300g/10分である
プロピレン・エチレン−ブロック共重合体である。これ
らは、1種単独で用いても2種以上組み合わせて用いて
もよい。またMFRが500g/10分を超えるプロピ
レン系重合体又はプロピレン系オリゴマーと組み合わせ
て、成分(a)全体のMFRを50〜500g/10分
に調整してもよい。ここで、結晶性プロピレン単独重合
部分(A単位部)の密度は、剛性等の点から0.907
1g/cm以上、特に0.9081g/cm以上で
あることが好ましい。
【0008】結晶性プロピレン単独重合部分(A単位
部)の含有割合が上記範囲未満であると、剛性や成形品
表面硬度が不足し、一方上記範囲を超えると衝撃強度や
低シボ光沢度合が不足し悪化する。さらに、エチレン・
プロピレン−ランダム共重合部分(B単位部)の含有割
合が上記範囲未満であると、衝撃強度や低シボ光沢度合
が不足し、一方上記範囲を超えると、剛性や成形品表面
硬度が不足する。また、該B単位部のエチレン含量が上
記範囲未満であると、成形品表面硬度や低シボ光沢度合
が不足する。また、該B単位部の極限粘度が上記範囲未
満であると、低シボ光沢度合が悪化し不適である。さら
に、該プロピレン・エチレン−ブロック共重合体全体の
MFRが上記範囲未満であると、射出圧縮成形性(流動
性)や低シボ光沢度合が劣り、一方上記範囲を超えると
衝撃強度が不足する。
【0009】(ii)製造 本発明で用いるプロピレン・エチレン−ブロック共重合
体は、高立体規則性触媒を用いてスラリー重合、気相重
合あるいは液相塊状重合により製造されるもので、重合
方式としてはバッチ重合、連続重合どちらの方式も採用
することができる。該プロピレン・エチレン−ブロック
共重合体を製造するに際しては、最初にプロピレンの単
独重合によって結晶性ポリプロピレン部(A単位部)を
形成し、次にプロピレンとエチレンとのランダム共重合
によってエチレン・プロピレン−ランダム共重合部(B
単位部)を形成したものが品質上から好ましい。例え
ば、塩化マグネシウムに四塩化チタン及び有機酸ハライ
ドを接触させて形成した固体成分に、有機アルミニウム
化合物や有機珪素化合物を組合せた触媒やメタロセン触
媒を用いてプロピレンの単独重合を行い、次いでエチレ
ンとプロピレンとのランダム共重合を行うことによって
製造する。このプロピレン・エチレン−ブロック共重合
体は、本発明の効果を損なわない範囲内で他の不飽和化
合物、例えば1−ブテン等のα−オレフィン、酢酸ビニ
ルの如きビニルエステル等を含有する三元以上の共重合
体であってもこれらの混合物であってもよい。
【0010】また、このプロピレン・エチレン−ブロッ
ク共重合体は、ペレット状でもパウダー状でも良いが、
成分(b)、(c)、(d)の分散や添加効果の点から
パウダー状が好ましい。
【0011】さらに、このプロピレン・エチレン−ブロ
ック共重合体のMFRは、重合条件で調整してもよく、
重合後過酸化物にて任意に調整してもよい。低シボ光沢
度合、成形品外観や物性バランスの点からは前者が好ま
しい。この過酸化物で調整する方法においては、成分
(a)〜成分(d)を混練する際に過酸化物を同時添加
する方法でも良く、この場合、用いる成分(a)は、調
整後の見込みMFRが50〜500g/10分となるよ
うなMFRを有する成分(a)を選定する必要がある。
【0012】必要に応じて用いる過酸化物は特に限定さ
れないが、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド等のケトン
パーオキサイド;n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチ
ルパーオキサイド)バレレイト等のパーオキシケター
ル;クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベ
ンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサ
イド;1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロ
ピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド
等のジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサ
イド等のジアシルパーオキサイド;ビス−(4−t−ブ
チルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパ
ーカーボネート;t−ブチルパーオキシアセテート等の
パーオキシエステル等が挙げられる。
【0013】中でも、10時間半減期温度が100℃以
上で、且つ1分間半減期温度がプロピレン・エチレン−
ブロック共重合体の融点以上であることが好ましく、こ
の様なものとしては、クメンハイドロパーオキサイド、
ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,
3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベン
ゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド等が挙げら
れる。これらは、1種単独で用いても2種以上組み合わ
せて用いてもよい。
【0014】(iii)測定法 上記プロピレン・エチレン−ブロック共重合体中のB単
位部含量は、1gの試料を沸騰キシレン300ml中に
30分間浸漬して溶解させた後、室温まで冷却して、そ
れをガラスフィルターで濾過乾燥して求めた固相重量か
ら逆算して測定した値である。エチレン含量は、赤外ス
ペクトル分析法等により測定したものである。さらに、
B単位部の極限粘度は、上記のガラスフィルターで濾過
(通過)した溶解物を別途濃縮乾燥したものを135℃
のデカリン中で測定したたものである。MFRは、JI
S−K7210(230℃、2.16kg)に準拠して
測定したものである。
【0015】(2):タルク[成分(b)] 本発明において用いられる成分(b)のタルクは、低光
沢性や剛性の向上、成形品の寸法安定性・調整等に有効
であり、平均粒径が1.5〜15μm、好ましくは1.
5〜10μm、特に好ましくは2〜8μmのものであ
る。タルクの平均粒径が1.5μm未満であると凝集し
て外観が低下し、一方、15μmを超えると衝撃強度が
低下するので、いずれも好ましくない。さらに、該タル
クは、平均アスペクト比が4以上、特に5以上のものが
より好ましい。
【0016】該タルクは、先ず例えばタルク原石を衝撃
式粉砕機やミクロンミル型粉砕機で粉砕して製造した
り、更にジェットミルなどで微粉砕した後、サイクロン
やミクロンセパレーター等で分級調整する等の方法で製
造する。ここで原石は中国産が金属不純物成分が少ない
ので好ましい。また、該タルクは、各種金属塩などで表
面処理したものでも良く、さらに見掛け比容を2.50
ml/g以下にしたいわゆる圧縮タルクを用いても良
い。上記タルクの平均粒径は、レーザー光散乱方式粒度
分布計を用いて測定した値であり、測定装置としては、
例えば、堀場製作所製LA−920型が測定精度におい
て優れているので好ましい。また、上記タルクの直径や
長さ及びアスペクト比の測定は、顕微鏡等により測定さ
れた値より求められる。
【0017】(3):エチレン・α−オレフィン共重合
ゴム[成分(c)] 本発明において、場合により用いられる成分(c)のエ
チレン・α−オレフィン共重合ゴムは、炭素数3〜8の
α−オレフィンを20〜50重量%、好ましくは20〜
45重量%、特に好ましくは20〜40重量%含有し、
またこのゴムはジエンとの3元共重合ゴムであっても良
く、この場合は、ジエンを1〜10重量%、好ましくは
2〜8重量%、特に好ましくは3〜6重量%含有する。
また、このエチレン・α−オレフィン共重合ゴムのMF
R(230℃、2.16kg)は、0.05〜100g
/10分、好ましくは0.1〜100g/10分、特に
好ましくは0.5〜80g/10分のものである。さら
に、100℃、2.16kgでのMFRが1g/10分
以上のものが好ましく、特に2g/10分以上のものが
射出圧縮成形性や低シボ光沢度合の点で好ましい。密度
は、0.85〜0.88g/cm、好ましくは0.8
6〜0.88g/cm、特に好ましくは0.86〜
0.87g/cmのものである。
【0018】含有する具体的なα−オレフィンとして
は、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチ
ル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−
オクテン等を挙げることができる。なかでも、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好まし
く、とりわけ、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ンが好ましい。ジエンとの3元共重合体の場合は、共重
合するジエンとしては、エチリデンノルボルネン、ジシ
クロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等を挙げるこ
とができる。α−オレフィンの含有量が上記範囲未満で
あると、本発明の樹脂組成物の衝撃強度が劣り、一方、
上記範囲を超えると剛性や表面硬度が低下するために、
各々不適である。これらの共重合ゴムは、1種単独でも
2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0019】また、これらの製造方法は特に限定されな
いが、バナジウム化合物系や、WO−91/04257
号公報等に開示されるメタロセン系触媒を用いて製造さ
れたものが好ましく、後者が特に好ましい。
【0020】ここで、α−オレフィンの含有量は赤外ス
ペクトル分析法や13C−NMR法等の常法(一般に、
赤外スペクトル分析法で得られる値は、13C−NMR
法に較べ低密度ほど小さく(約10〜50%)なる傾向
がある)によって測定される値である。さらに、該共重
合ゴムのMFRは、JIS−K7210(230℃、
2.16kg荷重)に準拠して測定されたものであり、
100℃、2.16kgの場合も該規格を準用して測定
したものである。密度は、JIS−K7112に準拠し
て測定したものである。
【0021】(4):ポリエチレン[成分(d)] 本発明において、場合により用いる成分(d)のポリエ
チレンは、MFR(190℃、2.16kg)が11g
/10分以上、好ましくは11〜50g/10分、特に
好ましくは15〜30g/10分、密度が0.91〜
0.98g/cm、好ましくは0.92〜0.97g
/cm、特に好ましくは0.93〜0.97g/cm
のものである。上記範囲外のMFRや密度のものは、
低光沢シボ度合や耐傷付き性が劣り不適である。MFR
は、JIS−K7210(190℃、2.16kg)に
準拠して測定したものである。密度は、JIS−K71
12に準拠して測定したものである。
【0022】(5):その他の配合成分(任意成分)
[成分(e)] 本発明の射出圧縮成形用プロピレン系樹脂組成物におい
ては、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、或い
は、更に性能の向上を図る為に、上記成分(a)、
(b)、(c)及び(d)以外に、以下に示す任意の添
加剤や配合材成分を配合することが出来る。具体的に
は、着色する為の顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、光安
定剤、紫外線吸収剤、核剤、難燃剤、分散剤、上記成分
(a)〜(d)以外のポリスチレン等の各種樹脂、SE
BS、SEP、SEPS等の各種ゴム、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、マイカ等の各種フィラー等の配合材
を挙げることが出来る。
【0023】また、帯電防止剤、例えば非イオン系、カ
チオン系などの帯電防止剤は、本発明の樹脂組成物や射
出圧縮成形品の帯電防止性の付与・向上に極めて有効で
ある。具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、グリセリン脂肪酸エステル、アルキルジエタノール
アミン、アルキルジエタノールアマイド、アルキルジエ
タノールアミンエステル等が挙げられる。
【0024】さらに、光安定剤や紫外線吸収剤、例えば
ヒンダードアミン化合物、ベンゾエート化合物、ベンゾ
トリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物やホル
ムアミジン系化合物等は、本発明の樹脂組成物や射出圧
縮成形品の耐候性の付与・向上に極めて有効である
【0025】具体例としては、ヒンダードアミン化合物
としては、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエ
チル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジンとの縮合物;ポリ〔〔6−(1,1,3,
3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリア
ジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン
〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ〕〕;テトラキス(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカ
ルボキシレート;テトラキス(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタン
テトラカルボキシレート;ポリ〔2−N,N’−ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘ
キサメチレンジアミン−4−(N−モルホリノ)シムト
リアジン〕;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル)セバケート;ビス−2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジルセバケート等が挙げら
れ、ベンゾエート系化合物としては、2,4−ジ−t−
ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−
ヒドロキシベンゾエート;n−ヘキサデシル−3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げ
られ、ベンゾトリアゾール系化合物としては、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等が挙げら
れ、ベンゾフェノン系化合物としては2−ヒドロキシ−
4−n−オクトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0026】さらに、タルクなどの無機系、または芳香
族カルボン酸の金属塩、ソルビトール系または芳香族リ
ン酸金属塩などの有機系の核剤は、本発明の樹脂組成物
や射出圧縮成形品の剛性・耐熱性や硬度の付与・向上に
極めて有効である。具体例としては、タルク、芳香族カ
ルボン酸の金属塩として、アルミニウム−モノ−ヒドロ
キシ−ジ−p−t−ブチルベンゾエート、安息香酸ナト
リウム等が挙げられ、さらにソルビトール系のものとし
ては、1,3,2,4−ジ−ベンジリデン−ソルビトー
ル;1,3,2,4−ジ−(p−メチル−ベンジリデ
ン)ソルビトール;1,3,2,4−ジ−(p−エチル
−ベンジリデン)ソルビトール;1,3,2,4−ジ−
(2’,4’−ジ−メチル−ベンジリデン)ソルビトー
ル;1,3−p−クロロ−ベンジリデン−2,4−p−
メチル−ベンジリデン−ソルビトール等が挙げられ、ま
た芳香族リン酸金属塩としては、ソジウムビス(4−t
−ブチルフェニル)フォスフェート;ソジウム−2,
2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェ
ニル)フォスフェート;リチウム−2,2’−メチレン
−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフ
ェート等が挙げられる。
【0027】さらに、分散剤としての各種金属塩は、タ
ルクや着色顔料の分散性を高めるので成形品の剛性・耐
熱性・硬度や低光沢シボ度合・風合い等の向上に極めて
有効である。具体例としては、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、ベヘン酸カルシウム、
ベヘン酸マグネシウム、ベヘン酸亜鉛、モンタン酸亜
鉛、モンタン酸カルシウム、モンタン酸マグネシウム、
メリシン酸カルシウム、メリシン酸マグネシウム、メリ
シン酸亜鉛、セロチン酸カルシウム、セロチン酸マグネ
シウム、セロチン酸亜鉛、リグノセリン酸カルシウム、
リグノセリン酸マグネシウム、リグノセリン酸亜鉛等を
挙げることができる。
【0028】2.成分の配合割合 本発明の射出圧縮成形用プロピレン系樹脂組成物中に配
合される成分(b)、成分(c)、成分(d)の各成分
は、成分(a)100重量部を基準として配合される。 (1)成分(b):タルク 本発明の射出圧縮成形用プロピレン系樹脂組成物中に配
合される成分(b)のタルクの配合割合は、成分(a)
100重量部に対して、1〜60重量部、好ましくは2
〜50重量部、特に好ましくは5〜30重量部である。
配合割合が1重量部未満では、剛性や耐熱性が不足し、
上記範囲を超えると、低シボ光沢度合、衝撃強度や射出
圧縮成形性が劣る様になり不適である。 (2)成分(c):エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ム 本発明の射出圧縮成形用プロピレン系樹脂組成物中に配
合される成分(c)のエチレン・α−オレフィン共重合
ゴムの配合割合は、成分(a)100重量部に対して、
0〜50重量部、好ましくは0〜40重量部、特に好ま
しくは0〜30重量部である。配合割合が上記範囲を超
えると、硬度・剛性や射出圧縮成形性が劣り不適であ
る。 (3)成分(d):ポリエチレン 本発明の射出圧縮成形用プロピレン系樹脂組成物中に配
合される成分(d)のポリエチレンの配合割合は、成分
(a)100重量部に対して、0〜10重量部、好まし
くは1〜8重量部、特に好ましくは2〜6重量部であ
る。配合割合が上記範囲を超えると、低シボ光沢度合、
剛性や耐熱性が劣る様になり不適である。
【0029】3.射出圧縮成形用プロピレン系樹脂組成
物の製造 (1)混練・造粒 本発明の射出圧縮成形用プロピレン系樹脂組成物は、上
記成分(a)、成分(b)、場合により、成分(c)、
成分(d)、成分(e)を上記配合割合で配合して、一
軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミ
キサー、ブラベンダープラストグラフ、ニーダー等通常
の混練機を用いて混練・造粒することによって得られ
る。この場合、各成分の分散を良好にすることが出来る
混練・造粒方法を選択することが好ましく、通常は二軸
押出機を用いて混練・造粒が行われる。この混練・造粒
の際には、上記成分(a)、成分(b)、場合により、
成分(c)、成分(d)、成分(e)の配合物を同時に
混練しても良く、また性能向上を図るべく各成分を分
割、例えば先ず成分(a)と成分(b)の一部または全
部を混練し、その後に残り成分を混練・造粒することも
出来る。また、この際、成分(a)、成分(b)、場合
により、成分(c)〜成分(e)と共に、前述の過酸化
物を配合して混練・造粒することもできる。
【0030】(2)射出圧縮成形用プロピレン系樹脂組
成物の成形 この様にして得られた射出圧縮成形用プロピレン系樹脂
組成物は、射出圧縮成形(プレスインジェクション)に
て成形することによって各種成形品を得ることが出来
る。
【0031】[II]射出圧縮成形用プロピレン系樹脂
組成物の物性 上記方法によって製造された本発明の射出圧縮成形用プ
ロピレン系樹脂組成物は、MFR(230℃、2.16
kg荷重)が、好ましくは50g/10分以上、とりわ
け好ましくは80g/10分以上に制御されて、射出圧
縮成形性が良好であるほか、曲げ弾性率が、好ましくは
1400Mpa以上、とりわけ好ましくは1600Mp
a以上、ノッチ付Izod衝撃強度(23℃)が、好ま
しくは5KJ/m以上、とりわけ好ましくは8KJ/
以上、成形品表面のロックウェル硬度が、好ましく
は60以上、とりわけ好ましくは70以上に制御されて
物性バランスに優れると共に、良好な低シボ光沢度合、
好ましくはシボ光沢値が4.0%以下、とりわけ好まし
くは3.0%以下の低シボ光沢外観の各性能を発現する
ことができる。
【0032】[III]射出圧縮成形用プロピレン系樹
脂組成物の用途 本発明の射出圧縮成形用プロピレン系樹脂組成物は、上
記性能を発現出来るため、各種の生活資材用製品、自動
車部品や家電機器部品など各種工業部品用等の射出圧縮
成形用成形材料としての実用性能を有しており、なかで
も、自動車用内外装部品、とりわけ、ドアトリム、ピラ
ー、インストルメントパネル、コンソール等の内装部品
用射出圧縮成形材料として好適である。
【0033】
【実施例】本発明の射出圧縮成形用プロピレン系樹脂組
成物を更に詳細に説明する為に、以下に実施例を示して
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって
限定されるものではない。なお、実施例、比較例で用い
た原材料と評価方法は、以下の通りである。
【0034】[I]原材料 実施例および比較例で用いた原材料は次に示す通りであ
る。 (1)成分(a)(いずれも酸化防止剤を含有し、パウ
ダー状品はドライブレンド済である。) a−1:密度が0.9091g/cmのA単位を部9
0重量%、エチレン含量が48重量%、極限粘度が5.
1dl/gのB単位部を10重量%各々含有し、且つ成
分(a)全体のMFRが75g/10分である気相重合
で製造したプロピレン・エチレン−ブロック共重合体
(ペレット) a−2:密度が0.9092g/cmのA単位を部8
9重量%、エチレン含量が36重量%、極限粘度が4.
5dl/gのB単位部を11重量%各々含有し、且つ成
分(a)全体のMFRを、気相重合後の80g/10分
から、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサンを用い処理し、100g/10分に調
整したプロピレン・エチレン−ブロック共重合体(ペレ
ット) a−3:密度が0.9092g/cmのA単位部を9
0重量%、エチレン含量が37重量%、極限粘度が4.
4dl/gのB単位部を10重量%各々含有し、且つ成
分(a)全体のMFRが40g/10分である気相重合
で製造したプロピレン・エチレン−ブロック共重合体
(ペレット) a−4:密度が0.9091g/cmのA単位部を7
7重量%、エチレン含量が45重量%、極限粘度が3.
2dl/gのB単位部を23重量%各々含有し、且つ成
分(a)全体のMFRが110g/10分である気相重
合で製造したプロピレン・エチレン−ブロック共重合体
(パウダー) a−5:密度が0.9092g/cmのA単位部を8
0重量%、エチレン含量が37重量%、極限粘度が3.
0dl/gのB単位部を20重量%各々含有する、MF
Rが70g/10分である気相重合で製造したプロピレ
ン・エチレン−ブロック共重合体(ペレット)と、MF
R(230℃、2.16kg)が4000g/10分の
プロピレン系オリゴマーをドライブレンドして、成分
(a)全体のMFRを100g/10分に調整したプロ
ピレン・エチレン−ブロック共重合体(ペレット)
【0035】a−6:密度が0.9091g/cm
A単位部を92重量%、エチレン含量が27重量%、極
限粘度が1.8dl/gのB単位部を8重量%各々含有
し、且つ成分(a)全体のMFRが40g/10分であ
る気相重合で製造したプロピレン・エチレン−ブロック
共重合体(ペレット) a−7:上記a−6を、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを用い処理し、成分
(a)全体のMFRを、110g/10分に調整したプ
ロピレン・エチレン−ブロック共重合体(ペレット) a−8:密度が0.9091g/cmのA単位部を7
5重量%、エチレン含量が40重量%、極限粘度が2.
8dl/gのB単位部を25重量%各々含有し、且つ成
分(a)全体のMFRが25g/10分である気相重合
で製造したプロピレン・エチレン−ブロック共重合体
(ペレット) a−9:密度が0.9091g/cmのA単位部を7
9重量%、エチレン含量が42重量%、極限粘度が2.
3dl/gのB単位部を21重量%各々含有し、且つ成
分(a)全体のMFRが105g/10分である気相重
合で製造したプロピレン・エチレン−ブロック共重合体
(パウダー) a−10:密度が0.9091g/cmのA単位部を
81重量%、エチレン含量が47重量%、極限粘度が
1.8dl/gのB単位部を19重量%各々含有し、且
つ成分(a)全体のMFRが100g/10分である気
相重合で製造したプロピレン・エチレン−ブロック共重
合体(パウダー) a−11:密度が0.9091g/cmのA単位部を
82重量%、エチレン含量が31重量%、極限粘度が
1.3dl/gのB単位部を18重量%各々含有し、且
つ成分(a)全体のMFRが100g/10分である気
相重合で製造したプロピレン・エチレン−ブロック共重
合体(パウダー)
【0036】(2)成分(b)(パウダー状) b−1:平均粒径5.0μm、平均アスペクト比が6の
タルク
【0037】(3)成分(c)(何れもペレット状) c−1:1−ブテンを32.5重量%含有(赤外法)
し、MFR(230℃、2.16kg)が25g/10
分、密度が0.862g/cmのメタロセン系触媒を
用いて溶液重合法で製造されたエチレン・1−ブテン共
重合ゴム c−2:1−オクテンを24.1重量%含有(赤外法)
し、MFR(230℃、2.16kg)が59g/10
分、MFR(100℃、2.16kg)が0.9g/1
0分、密度が0.870g/cmのメタロセン系触媒
を用いて溶液重合法で製造されたエチレン・1−オクテ
ン共重合ゴム c−3:1−オクテンを24.7重量%含有(赤外法)
し、MFR(230℃、2.16kg)が65g/10
分、MFR(100℃、2.16kg)が2.5g/1
0分、密度が0.869g/cmのメタロセン系触媒
を用いて溶液重合法で製造されたエチレン・1−オクテ
ン共重合ゴム c−4:1−オクテンを24.4重量%含有(赤外法)
し、MFR(230℃、2.16kg)が1g/10
分、密度が0.870g/cmのメタロセン系触媒を
用いて溶液重合法で製造されたエチレン・1−オクテン
共重合ゴム
【0038】(4)成分(d) d−1:MFR(190℃、2.16kg)が22g/
10分、密度が0.957g/cmのポリエチレン
【0039】[II]評価方法 評価は次に示す通りの方法で行った。 (1)射出圧縮成形性:(株)神戸製鋼所製射出圧縮成
形機(VFP500−186MI…竪型、型締力500
t)にて、#535シボ付きドアトリムモデル型(上
辺:1080mm、下辺960mm、幅540mm、平
均肉厚2.6mm、最薄部2.3mm、絞り比0.4、
高さ40mmの凸部分あり、2点ゲート)を射出圧縮成
形(215℃、90kg/cm)し、その際の流動充
填性を観察すると共に、成形品全体の外観を目視観察
し、次の様な段階に判定した。 AA:成形品全体にスムースに充填され、成形品の外観
も実用上問題ないもの A:成形品全体に充填され、成形品の外観も実用上問題
ないもの B:成形品全体への充填は可能であって、成形品の外観
も実用上問題ないものの一部にわずかな流れ模様が認め
られるもの C:成形品全体への充填は可能であるが、成形品の外観
が流れ模様、ウエルドラインと艶むらが顕著に認めら
れ、実用上問題となるレベルのもの D:成形品全体への充填が出来ず成形が不可能であった
もの (2)シボ光沢:上記成形品の一定個所の光沢を、JI
S−K7105に準拠して、入射角60°の条件で測定
した。 (3)MFR:JIS−K7210に準拠して、230
℃・2.16kg荷重にて測定した。
【0040】(4)曲げ弾性率:JIS−K7203に
準拠して測定した。本値は耐熱性の目安ともなる。 (5)Izod衝撃強度:JIS−K7110に準拠し
て、23℃の温度下にてノッチ付で測定した。 (6)ロックウェル硬度:JIS−K7202に準拠し
て、Rスケールにて、23℃の温度下にて測定した。 (7)射出圧縮リングマーク:(株)神戸製鋼所製射出
圧縮成形機(VFP500−186MI…竪型、型締力
500t)にて、1個取りの皮シボ付きドアトリムモデ
ル型(上辺:1100mm、下辺980mm、幅600
mm、平均肉厚2.5mmであって、左下部に135m
m径のスピーカーグリル(メッシュ厚み2.5mm、メ
ッシュ間距離0.8mm)を有し、ゲートは製品中央部
に1点)にて、ドアトリムモデルを射出圧縮成形(21
0℃、90kg/cm)し、その際ゲートから約60
mm付近に生じやすいリングマーク(リング状に見える
外観異常で、これが目立つと意匠上実用不可となる)の
発生度合を、目視で観察して次の様な段階で判断した。 A:リングマークが特に認められず、良好な外観を有す
るもの。 B:全体的な光沢がやや高いものの、リングマークが認
められず、外観実用上問題ないもの。 C:細いリングマークが全体的に認められ、外観実用上
不可のもの。 D:太いリングマークが全体的に認められ、外観実用上
不可のもの。
【0041】実施例1〜7及び比較例1〜5 上記の成分(a)、成分(b)、成分(c)および成分
(d)を、ベヘン酸カルシウム0.3重量部、黒灰ドラ
イ顔料2.5重量部(成分(a)〜成分(d)合計10
0重量部当たり)と共に、表1に示す割合で配合し、タ
ンブラーミキサーにて充分混合し、(株)神戸製鋼所製
高速二軸押出機(KCM50)を用い混練造粒した。但
し、実施例3は、上記成分以外にさらに、成分a−3の
MFRを95g/10分に調整する為、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを配
合した。その後、得られたペレットを射出圧縮成形機へ
供し、ドアトリムモデル型を射出圧縮成形すると共に、
射出成形機にても評価用シート試験片を成形して、物性
評価を行った。その評価結果を表2に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】表2に示す様に実施例1〜7に示す組成を
有する樹脂組成物は、何れも良好な圧縮成形性、低いシ
ボ光沢、良好な物性(剛性、衝撃強度と硬度)バランス
を示した。一方、比較例1〜5に示したものは、これら
の性能バランスが不良であった。
【0045】
【発明の効果】本発明の射出圧縮成形用プロピレン系樹
脂組成物は、優れた射出圧縮成形性、物性バランス(高
い剛性、衝撃強度と表面硬度)を有し、無塗装射出圧縮
成形品としても実用可能な外観性能を有するほか、耐傷
付き性、耐久性も良好なため、各種の生活資材用製品、
工業部品用等、なかでも、自動車部品、とりわけドアト
リム、ピラー、インストルメントパネル、コンソール等
の内装部品用射出圧縮成形材料として重要な素材であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 明 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社材料開発センター内 (72)発明者 香西 育 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社プロセス開発センター内 Fターム(参考) 4J002 BB03Y BB05X BB15X BP021 DJ046 FD040 FD050 FD100 FD200 GC00 GN00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(a)〜(d)からなること
    を特徴とする射出圧縮成形用プロピレン系樹脂組成物。 (a)結晶性ポリプロピレン単独重合部分(A単位部)
    を55〜95重量%と、エチレン含量が31重量%以上
    で、且つ極限粘度が1.5dl/g以上であるエチレン
    ・プロピレン−ランダム共重合部分(B単位部)を5〜
    45重量%含有し、この成分(a)全体のメルトフロー
    レート(MFR:230℃、2.16kg)が50〜5
    00g/10分であるプロピレン・エチレン−ブロック
    共重合体:100重量部 (b)平均粒径が1.5〜15μmのタルク:1〜60
    重量部 (c)炭素数3〜8のα−オレフィンを20〜50重量
    %含有し、且つMFR(230℃、2.16kg)が
    0.05〜100g/10分であるエチレン・α−オレ
    フィン共重合ゴム:0〜50重量部 (d)MFR(190℃、2.16kg)が11g/1
    0分以上のポリエチレン:0〜10重量部
  2. 【請求項2】 成分(a)が、エチレン含量が35重量
    %以上で、且つ極限粘度が1.5〜3.5dl/gのエ
    チレン・プロピレン−ランダム共重合部分(B単位部)
    を成分(a)全体の15〜45重量%含有するものであ
    る請求項1に記載の射出圧縮成形用プロピレン系樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 成分(a)が、重合後過酸化物処理した
    ものを含まないものである請求項1〜2に記載の射出圧
    縮成形用プロピレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 成分(a)が、パウダー状である請求項
    1〜3に記載の射出圧縮成形用プロピレン系樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 成分(a)が、MFR(230℃、2.
    16kg)500g/10分を超えるプロピレン系重合
    体又はプロピレン系オリゴマーを含有するものである請
    求項1〜4に記載の射出圧縮成形用プロピレン系樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】 成分(c)が、100℃、2.16kg
    でのMFRが2g/10分以上のものである請求項1〜
    5に記載の射出圧縮成形用プロピレン系樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 成分(a)〜(d)を混練する際、過酸
    化物を同時添加して処理する方法にて製造したものであ
    る請求項1〜6に記載の射出圧縮成形用プロピレン系樹
    脂組成物。
  8. 【請求項8】 MFR(230℃、2.16kg)が5
    0g/10分以上、曲げ弾性率が1400Mpa以上、
    Izod衝撃強度(23℃)が5KJ/m 以上、ロッ
    クウエル硬度が60以上、シボ光沢値が4.0%以下の
    性能を有する請求項1〜7に記載の射出圧縮成形用プロ
    ピレン系樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8に記載の射出圧縮成形用プ
    ロピレン系樹脂組成物を用いて射出圧縮成形法を用いて
    成形加工された自動車用部品。
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