JP3362088B2 - プロピレン樹脂組成物 - Google Patents
プロピレン樹脂組成物Info
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Description
ンスが改良され、射出成形性が良好なゆえに特に自動車
内装材等の射出成形品に好適なプロピレン樹脂組成物に
関する。
性、光沢等の優れた特性を有し、様々な用途に用いられ
ているが、反面、耐衝撃性に劣るという欠点を有してい
る。この欠点を改良するためにエチレン・プロピレン共
重合体ゴム等のゴム成分を配合する方法等が提案されて
いるが、剛性が低下するので良好な剛性−耐衝撃性のバ
ランスを得るため更にタルク等の無機フィラーを併用配
合する方法が提案されている。
は常温パラキシレン可溶分の固有粘度が特定範囲にある
プロピレン・エチレン共重合体に特定固有粘度のエチレ
ン・プロピレン共重合体ゴムとタルクを配合したプロピ
レン樹脂組成物が記載され、また、特公昭63−429
29号公報や特公平4−28749号公報にはエチレン
・プロピレン共重合体ゴムの代わりにエチレン・α−オ
レフィン共重合体を耐衝撃性改良の目的で使用したプロ
ピレン樹脂組成物が記載されている。しかし、これらの
方法では、高度化された近年の品質要求に満足に答える
ことができなくなった。ほかにも特開平4−15934
5号公報には融解ピークや融解熱量等の溶融物性が特定
範囲にあるエチレン・α−オレフィン共重合体を用いて
いるが、耐衝撃性の面で必ずしも満足のいくものではな
かった。この様に、とりわけ自動車内装材の様な高度な
剛性−耐衝撃性バランスが要求される用途においては、
さらなる改良が要求されている。
−耐衝撃性バランスが改良され、射出成形性が良好なプ
ロピレン樹脂組成物を提供することにある。
に鋭意検討の結果、特定の物性を有するプロピレン・エ
チレンブロック共重合体とエチレン・α−オレフィン共
重合体を選択し、これらに更にフィラーを配合すること
によって上記目的を達成することを見出して本発明を完
成した。
各成分の合計量が100重量部となる様に配合されてな
ることを特徴とする、プロピレン樹脂組成物である。 (A)o−ジクロルベンゼンによる分別において50℃で溶出する成分として表 されるエチレン・プロピレンランダム共重合部分を5〜30重量%含有し、メル トフローレート(230℃、2.16kg荷重)が10〜100g/10分であ るプロピレン・エチレンブロック共重合体 ・・・・50〜80重量部 (B)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が0.2〜20g/ 10分、密度が0.869〜0.872g/cm3 かつ共重合コモノマーが炭素 数8以上のα−オレフィンであるエチレン・α−オレフィン共重合体 ・・・・・5〜25重量部 (C)平均アスペクト比が4以上の無機フィラー ・・・・13〜35重量部
共重合体は、o−ジクロルベンゼンによる分別において
50℃で溶出する成分として表されるエチレン・プロピ
レンランダム共重合部分を5〜30重量%、好ましくは
5.5〜22重量%含有し、MFR(230℃、2.1
6kg荷重) が10〜100g/10分、好ましくは15
〜90g/10分、特に好ましくは15〜80g/10
分のプロピレン・エチレンブロック共重合体である。
部分が少な過ぎると耐衝撃性に劣り、一方、多過ぎると
剛性が低下するので好ましくない。また、MFRが低過
ぎるとフローマークやウェルド外観、流動性等の射出成
形性が劣り、一方、高過ぎると耐衝撃性が劣るので好ま
しくない。なお、o−ジクロルベンゼンによる分別にお
いて50℃で溶出しない成分は、結晶性プロピレン単独
重合部分として表される部分である。この様な(A)成
分のプロピレン・エチレンブロック共重合体は、高立体
規則性重合触媒を用いてスラリー重合、気相重合又は液
相塊状重合により製造することができる。重合の具体例
としては、例えば、塩化マグネシウムに四塩化チタン、
有機ハライド及び有機珪素化合物を接触させて形成した
固体成分に有機アルミニウム化合物成分を組み合わせた
触媒を用いてプロピレンの単独重合を行い、次いで、プ
ロピレンとエチレンのランダム共重合を行うことによっ
て目的重合体を製造する方法を挙げることができる。な
お、このプロピレン・エチレンブロック共重合体のMF
Rは、重合時に調整してもよく、また、重合後にジアシ
ル・パーオキサイド、ジアルキル・パーオキサイド等の
有機過酸化物で調整することもできる。
共重合体は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で他
の不飽和化合物、例えば、1−ブテン、1−ヘキセン等
のα−オレフィンや酢酸ビニルの様なビニルエステル若
しくはアクリル酸、アクリル酸メチル等のアクリル酸又
はその誘導体等を含有する三元以上の共重合体であって
もよく、また、2種以上のプロピレン・エチレンブロッ
ク共重合体を併用することも差し支えない。
合体は、MFR(230℃、2.16kg荷重)が0.
2〜20g/10分、好ましくは0.5〜15g/10
分、密度が0.869〜0.872g/cm3 かつ共重
合コモノマーが炭素数8以上のα−オレフィンのエチレ
ン・α−オレフィン共重合体である。α−オレフィンの
好適な含量は10〜17モル%、特に12〜17モル%
が好ましい。また、このエチレン・α−オレフィン共重
合体は、そのエチレン3連鎖分率が60%以上のものは
ロックウェル硬度等の点から好ましい。したがって、エ
チレン3連鎖分率60%以上、α−オレフィンコモノマ
ー含量10〜17モル%、MFR(230℃、2.16
kg荷重)0.5〜15g/10分かつ密度0.869
〜0.872g/cm3 のエチレン・α−オレフィン共
重合体が特に好ましい。
が劣るので好ましくない。また、密度が低過ぎるものは
製造が困難となり、一方、高過ぎると耐衝撃性が劣るの
で好ましくない。α−オレフィンの炭素数が7以下のも
のでは耐衝撃性の著しい改良効果が期待できない。炭素
数8以上のα−オレフィンとしては、例えば、1−オク
テン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−
ドデセン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチ
ル−1−ペンテン等を挙げることができる。エチレン・
α−オレフィン共重合体に高分子量成分を少量含有させ
て物性を改善する目的で、少量のジエン成分、例えば、
エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,
9−デカジエン、ビニルノルボルネン等を共重合するこ
ともできる。
体を製造するための触媒としては、ハロゲン化チタンの
様なチタン化合物、バナジウム化合物、アルキルアルミ
ニウム−マグネシウム錯体、アルキルアルコキシアルミ
ニウム−マグネシウム錯体、の様な有機アルミニウム−
マグネシウム錯体や、アルキルアルミニウム或いはアル
キルアルミニウムクロリド等のいわゆるチーグラー型触
媒を挙げることができるが、とりわけ、WO−91/0
4257号公報に示されている様なメタロセン化合物を
触媒としたメタロセン触媒で重合した場合に、より著し
い効果が奏される共重合体が得られるので好ましい。
溶液法、スラリー法或いは圧力200kg/cm2 以上、温
度180℃以上の高圧イオン重合法等の製造プロセスを
適用してエチレンとα−オレフィンを共重合する方法を
挙げることができる。
4以上、好ましくは5以上、特に好ましくは5.5以上
の無機フィラーである。平均アスペクト比が小さ過ぎる
と成形体の弾性率が不良となり好ましくない。
は、例えば、長さが15μm以下、平均粒径が1〜10
μmかつ平均アスペクト比が4以上のタルク、平均粒径
が8〜100μmかつ平均アスペクト比が10以上のマ
イカ、平均直径が13μm以下かつ平均アスペクト比が
5以上の繊維状フィラー等を挙げることができる。なか
でも特にタルクが好ましい。フィラーとしては、平均粒
径が小さいほど、また、平均アスペクト比が大きいほど
本発明の効果を高度に発現することができる。
砕機やミクロン型粉砕機で粉砕して、更にミクロンミル
型粉砕機、ジェットミル型粉砕機等で微粉砕した後、サ
イクロンやミクロンセパレータ等で分級調整して製造す
ることができる。原石としては、金属不純物が少ない中
国産が一般に好ましい。
マイカ等の種類や製法の異なるものがあり、特に限定は
されないが、性能面から白マイカ、金マイカが好まし
い。また、これらマイカは、湿式粉砕や湿式分級法によ
って製造されたものが特に好ましい。
素繊維、硼酸アルミニウム繊維、チタン酸カリウム繊
維、塩基性硫酸マグネシウム繊維、炭素カルシウム繊維
等を挙げることができる。これらの中で特に好ましいも
のは、平均直径が0.2〜10μmのものであり、平均
アスペクト比が10以上のものである。ここで、平均粒
径の測定としては、堀場製作所製LA−500型があ
る。また、直径、長さ、アスペクト比については、顕微
鏡等により測定した値である。以上の様なフィラーは、
カップリング剤等の表面処理剤で処理されたものでも一
向に構わない。
付与するために本発明の効果を著しく損なわない範囲
で、上記必須成分以外の任意成分を配合することができ
る。この任意成分としては、通常のポリオレフィン用添
加剤や配合剤として知られ又は用いられるもの、例え
ば、酸化防止剤、中和剤、耐候性改良剤、気泡防止剤、
分散剤、帯電防止剤、滑剤、分子量調整剤(過酸化物
等)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、潤滑剤、防
曇剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、導電性付与剤、
架橋剤、架橋助剤、金属不活性化剤、殺菌剤、防黴剤、
蛍光増白剤、着色剤、離型剤、発泡剤、透明化剤、加工
助剤、結晶核剤、軟化剤又は硬度調整剤(オイル・ワッ
クス等)、光沢付与剤、シボ鮮明化剤、物性調整剤(他
の樹脂・ゴム等)、他の充填剤等を挙げることができ、
これらは適宜組み合わせて、成形原材料から成形体を製
造するまでの任意の段階において配合することができ
る。
エチレンブロック共重合体50〜80重量部、好ましく
は60〜75重量部、(B)成分のエチレン・α−オレ
フィン共重合体5〜25重量部、好ましくは10〜20
重量部、及び、(C)成分の無機フィラー13〜35重
量部、好ましくは15〜25重量部である。ただし、
(A)〜(C)各成分の合計量が100重量部となる様
に配合される。
方、多過ぎると耐衝撃性が劣る。逆に(B)成分が少な
過ぎると耐衝撃性が劣り、一方、多過ぎると剛性が劣
る。また、(C)成分が少な過ぎると剛性が劣り、一
方、多過ぎると耐衝撃性が劣るので好ましくない。本発
明のプロピレン樹脂組成物は、特に自動車内装材用射出
成形体に好適であるが、その用途用途に応じて上記範囲
内で最適配合比率を調製することが好ましい。
投入して成形することもできるが、一般には、予め、こ
れら成分をミキサー等でブレンドした後、一軸押出機、
二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー、ニ
ーダーブレンダー、ブラベンダープラストグラフ等の通
常の混練機で溶融混練してペレット状に造粒して樹脂組
成物、即ち成形用材料となし、これを射出等成形するの
が望ましい。この場合、樹脂組成物は、各成分をできる
限り均一微細に分散させることが重要であることから、
二軸押出機を用いて混練造粒することが好ましい。な
お、造粒に際しては、配合物を一括で混練しても、ま
た、性能の向上を図るべく分割混練しても構わない。
る組成物であるものが工業用部品材料用途において特に
好適である。 メルトフローレート:5g/10分超過〜70g/10
分未満、好ましくは6〜50g/10分 曲げ弾性率:20,000kg/cm2 超過〜35,000
kg/cm2 未満、好まししくは21,000kg/cm2 〜3
2,000kg/cm2 IZOD衝撃強度:15cm・kg/cm2 超過、好ましくは
16cm・kg/cm2 以上 ロックウェル硬度 :70超過〜100未満、好ましく
は75〜95
射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形、押出成形(シート
成形、フィルム成形、ブロー成形、パイプ成形等)等各
種成形法にて種々用途の成形体に成形される。これら成
形法の中でも、射出成形法、射出圧縮成形法にて成形さ
れる場合に本発明の効果が大きく奏される。本発明の樹
脂組成物は、改良された剛性−耐衝撃性バランスを有
し、射出成形性が良好であることから、例えば、インス
トルメントパネル、ドアトリム、コンソールボックス、
ピラー等の自動車内装材や、テレビケース、VTRケー
ス、洗濯機カバー、掃除機ケース等の家電製品部品、或
いはステレオケース等の音響機器部品の用途に好適であ
る。
る。例中、原材料及び成形体の各物性は以下の方法にて
評価した。 ○MFR:JIS K7210準拠(230℃、2.16
kg荷重)。 ○密度 :JIS K7112準拠(アニールなしで測
定)。 ○コモノマー量:13C−NMR測定法(Macromolecules
1982,15巻,353〜360 頁及び1402〜1406頁記載) 。 ○エチレン3連鎖分率:13C−NMRシグナル免責を用
いて、日本ゴム協会誌第600巻第1号(1987年)
38頁記載に従って、炭素数が6個のアルキル鎖中のメ
チレン鎖が6個つながっている構造部分の割合を算出し
た数値を示す。 ○曲げ弾性率 :JIS K7203準拠(230
℃)。 ○IZOD衝撃強度:JIS K7110準拠(23
℃、切削ノッチ付)。 ○ロックウェル硬度:JIS K6758準拠(Rスケ
ールにて測定)。 ○フローマーク:型締圧170トン射出成形機にて成形
温度220℃設定で350mm×100mm×30mmtシー
トを成形し、その外観を目視にて以下の基準で判断。 ○ フローマークなく良好。 △ フローマークやや有り。 × フローマーク非常に目立つ。 ○ウェルド外観:型締圧170トン射出成形機にて成形
温度220℃設定で350mm×100mm×30mmtシー
トを2点ピンゲートにて成形し、中央部のウェルドライ
ン外観を目視にて以下の基準で判断。 ○ ウェルドラインなく良好。 △ ウェルドラインやや有り。 × ウェルドライン非常に目立つ。
(C)成分を表4及び表5に示す割合で配合し、さら
に、これら成分の合計100重量部に対して0.1重量
部のテトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t
−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタンを配合して川田製作所製スーパーミキサーに
て5分間混合した後、神戸製鋼社製二軸混練機「FC
M」にて210℃設定で混練造粒して組成物を得た。得
られたペレットを型締圧100トンの射出成形機にて成
型温度220℃設定で成形して各種物性測定用試験片を
得、物性測定した。その結果を表4及び表5に示す。た
だし、フローマーク及びウェルド外観の評価について
は、上記配合にさらに、(A)成分、(B)成分及び
(C)成分の合計100重量部に対して0.5重量部の
カーボンブラックを配合して得たペレットを用いて評価
した。
ンスが改良され、射出成形性が良好なゆえに特に自動車
内装材等の射出成形品に好適なプロピレン樹脂組成物が
得られると言った顕著な効果が奏される。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記(A)〜(C)各成分の合計量が
100重量部となる様に配合されてなることを特徴とす
る、プロピレン樹脂組成物。 (A)o−ジクロルベンゼンによる分別において50℃で溶出する成分として表 されるエチレン・プロピレンランダム共重合部分を5〜30重量%含有し、メル トフローレート(230℃、2.16kg荷重)が10〜100g/10分であ るプロピレン・エチレンブロック共重合体 ・・・・50〜80重量部 (B)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が0.2〜20g/ 10分、密度が0.869〜0.872g/cm3 かつ共重合コモノマーが炭素 数8以上のα−オレフィンであるエチレン・α−オレフィン共重合体 ・・・・・5〜25重量部 (C)平均アスペクト比が4以上の無機フィラー ・・・・13〜35重量部 - 【請求項2】 (B)成分が、エチレン3連鎖分率60
%以上かつα−オレフィンコモノマー含量10〜17モ
ル%の共重合体である、請求項1に記載のプロピレン樹
脂組成物。 - 【請求項3】 (B)成分が、メタロセン触媒によって
重合された共重合体である、請求項1又は請求項2に記
載のプロピレン樹脂組成物。 - 【請求項4】 プロピレン樹脂組成物が、下記の物性を
有する組成物である、請求項1に記載のプロピレン樹脂
組成物。 メルトフローレート:5g/10分超過〜70g/10
分未満 曲げ弾性率 :20,000kg/cm2 超過〜
35,000kg/cm2 未満 IZOD衝撃強度 :15cm・kg/cm2 超過 ロックウェル硬度 :70超過〜100未満
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1995
- 1995-06-29 JP JP16367095A patent/JP3362088B2/ja not_active Expired - Fee Related
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