JP2005325339A - ポリプロピレン系樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 重量がWIの下記成分(I)と、WIより少ない量の下記成分(II)とを溶融混練して、中間組成物を製造する工程と、成分(II)の残りと前記中間組成物とを溶融混練する工程とを含むポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法、および、その製造方法によって得られるポリプロピレン系樹脂組成物。
成分(I):プロピレンを重合して得られる重合体部分とプロピレン及び炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)を重合して得られる重合体部分とを含有するプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体。
成分(II):エチレンとプロピレンを含有する単量体を重合して得られ、極限粘度が3dl/g未満である重合体部分を含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体。
【選択図】 なし
Description
上記のとおりの状況の下、本発明の目的は、フィッシュアイの発生がなく、外観が良好であるポリプロピレン系樹脂組成物およびその製造方法を提供することにある。
5〜50重量%の下記成分(I)と95〜50重量%の下記成分(II)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI及び成分(II)の重量WIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含むポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法に係るものである。
成分(I)
プロピレンを主体とする単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(I−A)2〜65重量%と、プロピレン及び炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)を重合する第2段階で得られる重合体部分(I−B)35〜98重量%とを含有するプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)であって(ただし、共重合体(I)の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)に含有されるα−オレフィンの含有量が10〜50重量%であり(ただし、重合体部分(I−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)の極限粘度(〔η〕B)が3dl/g〜10 dl/gであるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)。
成分(II)
プロピレンを主体とする単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(II−A)60〜99重量%と、エチレンとプロピレンを含有する単量体を重合する第2段階で得られる重合体部分(II−B)1〜40重量%とを含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体(II)であって(ただし、共重合体(II)の全量を100重量%とする)、重合体部分(II−B)に含有されるエチレンの含有量が10〜50重量%であり(ただし、重合体部分(II−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)、重合体部分(II−B)の極限粘度(〔η〕B)が1dl/g〜3dl/g未満であり、重合体部分(II−B)の極限粘度(〔η〕B)と重合体部分(II−A)の極限粘度(〔η〕A)の比(〔η〕B/〔η〕A)が1以上4.5以下であるプロピレン−エチレンブロック共重合体(II)。
第一工程
重量がWIの成分(I)と、WIより少ない量の成分(II)とを溶融混練して、中間組成物を製造する工程。
第二工程
成分(II)の残りと、前記中間組成物とを溶融混練して、最終組成物を製造する工程。
5〜50重量%の上記成分(I)と95〜50重量%の上記成分(II)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI及び成分(II)の重量WIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含むポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法に係るものである。
第一工程
重量がWIの成分(I)を溶融混練して、成分(I)の溶融混練物を製造する工程。
第二工程
重量がWIIの成分(II)と、第一工程で得られた溶融混練物とを溶融混練して、組成物を製造する工程。
5〜50重量%の下記成分(I)と95〜50重量%の下記成分(III)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI及び成分(III)の重量WIIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含むポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法に係るものである。
成分(I)
プロピレンを主体とする単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(I−A)2〜65重量%と、プロピレン及び炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)を重合する第2段階で得られる重合体部分(I−B)35〜98重量%とを含有するプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)であって(ただし、共重合体(I)の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)に含有されるα−オレフィンの含有量が10〜50重量%であり(ただし、重合体部分(I−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)の極限粘度(〔η〕B)が3dl/g以上〜10dl/gであるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)。
成分(III)
プロピレンを主体とする単量体を重合して得られる重合体(III)であって、極限粘度(〔η〕)が0.6dl/g以上3dl/g以下である重合体(III)。
第一工程
重量がWIの成分(I)と、WIより少ない量の成分(III)とを溶融混練して、中間組成物を製造する工程。
第二工程
成分(III)の残りと、第一工程で得られた中間組成物とを溶融混練して、最終組成物を製造する工程。
5〜50重量%の上記成分(I)と95〜50重量%の上記成分(III)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI及び成分(III)の重量WIIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含むポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法に係るものである。
第一工程
重量がWIの成分(I)を溶融混練して、成分(I)の溶融混練物を製造する工程。
第二工程
重量がWIIIの成分(III)と、第一工程で得られた溶融混練物とを溶融混練して、組成物を製造する工程。
5〜50重量%の下記成分(I)と94〜1重量%の下記成分(II)と94〜1重量%の下記成分(III)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI、成分(II)の重量WII及び成分(III)の重量WIIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含むポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法に係るものである。
成分(I)
プロピレンを主体とする単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(I−A)2〜65重量%と、プロピレン及び炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)を重合する第2段階で得られる重合体部分(I−B)35〜98重量%とを含有するプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)であって(ただし、共重合体(I)の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)に含有されるα−オレフィンの含有量が10〜50重量%であり(ただし、重合体部分(I−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)の極限粘度(〔η〕B)が3dl/g以上〜10dl/gであるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)。
成分(II)
プロピレンを主体とする単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(II−A)60〜99重量%と、エチレンとプロピレンを含有する単量体を重合する第2段階で得られる重合体部分(II−B)1〜40重量%とを含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体(II)であって(ただし、共重合体(II)の全量を100重量%とする)、重合体部分(II−B)に含有されるエチレンの含有量が10〜50重量%であり(ただし、重合体部分(II−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)、重合体部分(II−B)の極限粘度(〔η〕B)が1dl/g以上3dl/g未満であり、重合体部分(II−B)の極限粘度(〔η〕B)と重合体部分(II−A)の極限粘度(〔η〕A)の比(〔η〕B/〔η〕A)が1dl/g以上4.5以下であるプロピレン−エチレンブロック共重合体(II)。
成分(III)
プロピレンを主体とする単量体を重合して得られる重合体(III)であって、極限粘度(〔η〕)が0.6dl/g以上3dl/g以下である重合体(III)。
第一工程
重量がWIの成分(I)と、成分(II)及び成分(III)の合計量がWIをよりも少ない量の成分(II)および/または成分(III)とを溶融混練して、中間組成物を製造する工程。
第二工程
成分(II)および成分(III)の残りと、第一工程で得られた中間組成物とを溶融混練して、最終組成物を製造する工程。
5〜50重量%の上記成分(I)と94〜1重量%の上記成分(II)と94〜1重量%の上記成分(III)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI、成分(II)の重量WII及び成分(III)の重量WIIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含むポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法に係るものである。
第一工程
重量がWIの成分(I)を溶融混練して、成分(I)の溶融混練物を製造する工程。
第二工程
重量がWIIの成分(II)および量WIIIの成分(III)と、第一工程で得られた溶融混練物とを溶融混練して、組成物を製造する工程。
(1)(a)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物の共存下、一般式Ti(OR1)nX4-n(R1は炭素数が1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン原子、nは0<n≦4の数字を表わす。)で表されるチタン化合物を、有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物を、エステル化合物及び、エーテル化合物と四塩化チタンとの混合物で処理して得られる三価のチタン化合物含有固体触媒成分、(b)有機アルミニウム化合物、(c)Si−OR2結合(R2は炭素数が1〜20の炭化水素基である。)を有するケイ素化合物からなる触媒系。
また、(b)成分中のAl原子のモル数に対する(c)成分中のAl原子のモル数の比、すなわち、〔(c)成分成分中のAl原子のモル数〕/〔(b)成分中のAl原子のモル数〕の数値は、通常0.02〜500であり、好ましくは0.05〜50である。
重合体(III)の極限粘度(〔η〕)が0.6dl/g以上3dl/g以下であり、好ましくは、0.7dl/g以上2dl/g以下であり、さらに好ましくは0.75dl/g以上1dl/g以下である。重合体(III)の極限粘度(〔η〕)が、過大な場合、成形時の流動性が悪化することがある。
方法[1]
第一工程
重量がWIの成分(I)と、WIより少ない量の成分(II)とを溶融混練して、中間組成物を製造する工程。
第二工程
成分(II)の残りと、前記中間組成物とを溶融混練して、最終組成物を製造する工程。
第一工程で用いられる成分(II)の量として、好ましくは、成分(I)の全量WIに対して、5重量%以上であり、より好ましくは5〜70重量%であり、より好ましくは10〜70重量%である。
方法[2]
第一工程
重量がWIの成分(I)を溶融混練して、成分(I)の溶融混練物を製造する工程。
第二工程
重量がWIIの成分(II)と、第一工程で得られた溶融混練物とを溶融混練して、組成物を製造する工程。
方法[3]
第一工程
重量がWIの成分(I)と、WIより少ない量の成分(III)とを溶融混練して、中間組成物を製造する工程。
第二工程
成分(III)の残りと、第一工程で得られた中間組成物とを溶融混練して、最終組成物を製造する工程。
第一工程で用いられる成分(III)の量として、好ましくは、成分(I)の全量WIに対して、5重量%以上であり、より好ましくは5〜70重量%であり、より好ましくは10〜70重量%である。
方法[4]
第一工程
量WIの成分(I)を溶融混練して、成分(I)の溶融混練物を製造する工程。
第二工程
重量がWIIIの成分(III)と、第一工程で得られた溶融混練物とを溶融混練して、組成物を製造する工程。
方法[5]
第一工程
重量がWIの成分(I)と、成分(II)及び成分(III)の合計量がWIをよりも少ない量の成分(II)および/または成分(III)とを溶融混練して、中間組成物を製造する工程。
第二工程
成分(II)および成分(III)の残りと、第一工程で得られた中間組成物とを溶融混練して、最終組成物を製造する工程。
第一工程で用いられる成分(II)と成分(III)の合計量として、好ましくは、成分(I)の全量WIに対して、5重量%以上であり、より好ましくは5〜70重量%であり、より好ましくは10〜70重量%である。
方法[6]
第一工程
重量がWIの成分(I)を溶融混練して、成分(I)の溶融混練物を製造する工程。
第二工程
重量がWIIの成分(II)および量WIIIの成分(III)と、第一工程で得られた溶融混練物とを溶融混練して、組成物を製造する工程。
(1)第一工程において、溶融混練により得られた生成物(溶融物)を一旦固化して固化状態の中間組成物を得、第二工程において、固化された組成物と、成分(II)の残りとを溶融混練する方法。
(2)第一工程において、溶融混練により得られた生成物(溶融物)を固化することなく未固化の中間組成物を得、第二工程において、固化されていない中間組成物と、成分(II)の残りとを溶融混練する方法。
(3)第一工程において、溶融混練により得られた生成物(溶融物)を一旦固化して固化状態の中間組成物を得、固化された中間組成物を一旦溶融し、溶融された中間組成物と、成分(II)の残りとを溶融混練する方法。
前記方法[2]の好ましい態様は、複数の供給口を有する押出機を用いて、第一工程として、上流側の第1供給口から、全量(WI)の成分(I)を供給して、溶融混練して成分(I)の溶融混練物を得、第二工程として、第1供給口よりも下流側にある第2供給口から、全量(WII)の成分(II)を供給して、第一工程で得られた溶融混練物と、成分(II)を溶融混練して、組成物を製造する方法である。
また、前記方法[3]の好ましい態様は、複数の供給口を有する押出機を用いて、第一工程として、上流側の第1供給口から、全量(WI)の成分(I)とWIより少ない重量の成分(III)とを供給して、溶融混練して溶融混練物を得、第二工程として、第1供給口よりも下流側にある第2供給口から、成分(III)の残りを供給して、第一工程で得られた溶融混練物と、成分(III)を溶融混練して、最終組成物を製造する方法である。
前記方法[4]の好ましい態様は、複数の供給口を有する押出機を用いて、第一工程として、上流側の第1供給口から、全量(WI)の成分(I)を供給して、溶融混練して成分(I)の溶融混練物を得、第二工程として、第1供給口よりも下流側にある第2供給口から、全量(WIII)の成分(III)を供給して、第一工程で得られた溶融混練物と、成分(III)を溶融混練して、組成物を製造する方法である。
また、前記方法[5]の好ましい態様は、複数の供給口を有する押出機を用いて、第一工程として、上流側の第1供給口から、全量(WI)の成分(I)と、成分(II)と成分(III)の合計量がWIよりも少ない量の成分(II)と成分(III)とを供給して、溶融混練して中間組成物を得、第二工程として、第1供給口よりも下流側にある第2供給口から、成分(II)および成分(III)の残りを供給して、第一工程で得られた中間組成物と、成分(II)および成分(III)の残りとを溶融混練して、組成物を製造する方法である。
前記方法[6]の好ましい態様は、複数の供給口を有する押出機を用いて、第一工程として、上流側の第1供給口から、全量(WI)の成分(I)を供給して、溶融混練して成分(I)の溶融混練物を得、第二工程として、第1供給口よりも下流側にある第2供給口から、全量(WII)の成分(II)と全量(WIII)の成分(III)を供給して、第一工程で得られた溶融混練物と、成分(II)と成分(III)を溶融混練して、組成物を製造する方法である。
各物性値の測定法を以下に示した。
(1)フィッシュアイの数の測定方法
溶融混練によって得られた熱可塑性樹脂を用い、20mmΦ単軸押出機(田辺プラスチック機械株式会社製 V−20)とフィルム引き取り装置にて、幅50mm、厚さ50μmのフィルムを作成した。
EPSON社製 スキャナーGT−9600を用いて、得られたフィルムの画像を900dpi、8bitの条件でコンピューターに取り込み、その画像を旭エンジニアリング社製 画像解析ソフト A像君を用いて2値化した。フィッシュアイは周辺より明るい部分として認識された。フィッシュアイの形状は不定形であるので、フィッシュアイと同じ面積である円の直径をフィッシュアイの大きさとして、フィルム100cm2当たりの直径200μm以上であるフィッシュアイの数を求めた。
JIS−K−6758に従って、温度230℃、荷重21Nの条件で測定した。
下記の条件で測定した13C−NMRスペクトルから、Kakugoらの報告(Macromolecules 1982,15,1150-1152)に基づいて求めた。
10mmΦの試験管中で約200mgのプロピレン−エチレンブロック共重合体を3mlのオルソジクロロベンゼンに均一に溶解させて試料を調整し、その試料の13C−NMRスペクトルを下記の条件下で測定した。
測定温度:135℃
パルス繰り返し時間:10秒
パルス幅:45°
積算回数:2500回
プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン主体とした重合体部分(A)の極限粘度(〔η〕A)、および、エチレン−プロピレン共重合体部分(B)の極限粘度(〔η〕B)は、プロピレン重合体部分(A)と全ブロック共重合体の各々の極限粘度を測定することにより、次式から算出した。
〔η〕B=〔η〕T/X−(1/X−1)〔η〕A
〔η〕T:プロピレン−エチレンブロック共重合体全体の極限粘度(dl/g)
なお、プロピレン−エチレンブロック共重合体中のプロピレン主体とした重合体部分(A)の極限粘度(〔η〕A)は、その製造時に、第一工程であるプロピレン主体とした重合体部分(A)の製造後に重合槽内より取り出し、取り出されたプロピレン主体とした重合体から極限粘度(〔η〕A)を求めた。
(I−1)プロピレン−エチレンブロック共重合体(成分(I))
MFRが、0.05g/10分、プロピレン単独重合体部分の極限粘度(〔η〕A)が0.97dl/g、エチレン−プロピレン共重合体部分の極限粘度(〔η〕B)が8.4dl/g、プロピレン−エチレンブロック共重合体に対する重量割合が72重量%であり、エチレン含量が34重量%、であるプロピレン-エチレンブロック共重合体。ブロック共重合体の極限粘度は、6.3であった。
MFRが、1.4g/10分、プロピレン単独重合体部分の極限粘度(〔η〕A)が0.92dl/g、プロピレン−エチレン共重合体部分の極限粘度(〔η〕B)が5.6dl/g、プロピレン−エチレンブロック共重合体に対する重量割合が44重量%であり、エチレン含量が34重量%、であるプロピレン-エチレンブロック共重合体。
MFRが、5.5g/10分、プロピレン単独重合体部分の極限粘度(〔η〕A)が0.92dl/g、プロピレン−エチレン共重合体部分の極限粘度(〔η〕B)が5.6dl/g、プロピレン−エチレンブロック共重合体に対する重量割合が38重量%であり、エチレン含量が32重量%、であるプロピレン-エチレンブロック共重合体。ブロック共重合体の極限粘度は、3.0であった。
MFRが、45g/10分、プロピレン単独重合体部分の極限粘度(〔η〕A)が0.92dl/g、プロピレン−エチレン共重合体部分の極限粘度(〔η〕B)が2.41dl/g、プロピレン−エチレンブロック共重合体に対する重量割合が26重量%であり、エチレン含量が45重量%、であるプロピレン-エチレンブロック共重合体。ブロック共重合体の極限粘度は、1.3であった。
MFRが、24g/10分、プロピレン単独重合体部分の極限粘度(〔η〕A)が0.92dl/g、プロピレン−エチレン共重合体部分の極限粘度(〔η〕B)が8.0dl/g、プロピレン−エチレンブロック共重合体に対する重量割合が26重量%であり、エチレン含量が45重量%、であるプロピレン-エチレンブロック共重合体。ブロック共重合体の極限粘度は、2.8であった。
MFRが、120g/10分、極限粘度(〔η〕A)が0.9dl/gであるプロピレン単独重合体。
(III−2)プロピレン単独重合体
MFRが、320g/10分、極限粘度(〔η〕A)が、0.8dl/gであるプロピレン単独重合体。
3個の投入口を有する二軸押出機(TEM50A、東芝機械社製)を用いて、表1に示した成分を所定の投入口より投入し、シリンダー温度150℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量30kg/hrの条件で溶融混練し、押出されたストランドを水槽にて冷却し、ペレタイザーでペレット化した。投入口は、上流側から、第一投入口、第2投入口、第3投入口とする。なお、スクリーンパックとして、日本精線製金属繊維焼結フィルターNF14Nを用いた。
得られたペレットを用い、20mmφ単軸押出し機にて、厚さ50μmのフィルムを作成し、フィッシュアイの個数を測定した。結果を表1に示した。
表1または2に示した成分を同表に示した順序で投入した以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1または2に示した。
表3または4に示した成分を同表に示した順序で投入した以外は実施例1と同様に実施した。結果を表3または4に示した。
本発明の要件を満足しない混練方法によって得られた比較例1〜6は、フィッシュアイの個数が多いことが分かる。
Claims (10)
- 5〜50重量%の下記成分(I)と95〜50重量%の下記成分(II)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI及び成分(II)の重量WIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含むポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法。
成分(I)
プロピレンを主体とする単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(I−A)2〜65重量%と、プロピレン及び炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)を重合する第2段階で得られる重合体部分(I−B)35〜98重量%とを含有するプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)であって(ただし、共重合体(I)の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)に含有されるα−オレフィンの含有量が10〜50重量%であり(ただし、重合体部分(I−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)の極限粘度(〔η〕B)が3dl/g〜10 dl/gであるプロピレン−α―オレフィンブロック共重合体(I)。
成分(II)
プロピレンを主体とする単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(II−A)60〜99重量%と、エチレンとプロピレンを含有する単量体を重合する第2段階で得られる重合体部分(II−B)1〜40重量%とを含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体(II)であって(ただし、共重合体(II)の全量を100重量%とする)、重合体部分(II−B)に含有されるエチレンの含有量が10〜50重量%であり(ただし、重合体部分(II−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)、重合体部分(II−B)の極限粘度(〔η〕B)が1 dl/g〜3dl/g未満であり、重合体部分(II−B)の極限粘度(〔η〕B)と重合体部分(II−A)の極限粘度(〔η〕A)の比(〔η〕B/〔η〕A)が1以上4.5以下であるプロピレン−エチレンブロック共重合体(II)。
第一工程
重量がWIの成分(I)と、WIより少ない量の成分(II)とを溶融混練して、中間組成物を製造する工程。
第二工程
成分(II)の残りと、前記中間組成物とを溶融混練して、最終組成物を製造する工程。 - 第一工程において、溶融混練による生成物を固化させずに未固化の前記中間組成物を得、第二工程において、前記未固化の中間組成物と残りの成分(II)とを合わせることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 5〜50重量%の下記成分(I)と95〜50重量%の下記成分(II)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI及び成分(II)の重量WIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含むポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法。
成分(I)
プロピレンを主体とする単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(I−A)2〜65重量%と、プロピレン及び炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)を重合する第2段階で得られる重合体部分(I−B)35〜98重量%とを含有するプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)であって(ただし、共重合体(I)の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)に含有されるα−オレフィンの含有量が10〜50重量%であり(ただし、重合体部分(I−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)の極限粘度(〔η〕B)が3dl/g〜10dl/gであるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)。
成分(II)
プロピレンを主体とする単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(II−A)60〜99重量%と、エチレンとプロピレンを含有する単量体を重合する第2段階で得られる重合体部分(II−B)1〜40重量%とを含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体(II)であって(ただし、共重合体(II)の全量を100重量%とする)、重合体部分(II−B)に含有されるエチレンの含有量が10〜50重量%であり(ただし、重合体部分(II−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)、重合体部分(II−B)の極限粘度(〔η〕B)が1dl/g〜3dl/g未満であり、重合体部分(II−B)の極限粘度(〔η〕B)と重合体部分(II−A)の極限粘度(〔η〕A)の比(〔η〕B/〔η〕A)が1以上4.5以下であるプロピレン−エチレンブロック共重合体(II)。
第一工程
重量がWIの成分(I)を溶融混練して、成分(I)の溶融混練物を製造する工程。
第二工程
重量がWIIの成分(II)と、第一工程で得られた溶融混練物とを溶融混練して、組成物を製造する工程。 - 5〜50重量%の下記成分(I)と95〜50重量%の下記成分(III)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI及び成分(III)の重量WIIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含むポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法。
成分(I)
プロピレンを主体とする単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(I−A)2〜65重量%と、プロピレン及び炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)を重合する第2段階で得られる重合体部分(I−B)35〜98重量%とを含有するプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)であって(ただし、共重合体(I)の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)に含有されるα−オレフィンの含有量が10〜50重量%であり(ただし、重合体部分(I−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)の極限粘度(〔η〕B)が3dl/g以上〜10dl/gであるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)。
成分(III)
プロピレンを主体とする単量体を重合して得られる重合体(III)であって、極限粘度(〔η〕)が0.6dl/g以上3dl/g以下である重合体(III)。
第一工程
重量がWIの成分(I)と、WIより少ない量の成分(III)とを溶融混練して、中間組成物を製造する工程。
第二工程
成分(III)の残りと、第一工程で得られた中間組成物とを溶融混練して、最終組成物を製造する工程。 - 第一工程において、溶融混練による生成物を固化させずに未固化の前記中間組成物を得、第二工程において、前記未固化の中間組成物と残りの成分(III)とを合わせることを特徴とする請求項4に記載の方法。
- 5〜50重量%の下記成分(I)と95〜50重量%の下記成分(III)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI及び成分(III)の重量WIIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含むポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法。
成分(I)
プロピレンを主体とする単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(I−A)2〜65重量%と、プロピレン及び炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)を重合する第2段階で得られる重合体部分(I−B)35〜98重量%とを含有するプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)であって(ただし、共重合体(I)の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)に含有されるα−オレフィンの含有量が10〜50重量%であり(ただし、重合体部分(I−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)の極限粘度(〔η〕B)が3dl/g以上〜10dl/gであるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)。
成分(III)
プロピレンを主体とする単量体を重合して得られる重合体(III)であって、極限粘度(〔η〕)が0.6dl/g以上3dl/g以下である重合体(III)。
第一工程
重量がWIの成分(I)を溶融混練して、成分(I)の溶融混練物を製造する工程。
第二工程
重量がWIIIの成分(III)と、第一工程で得られた溶融混練物とを溶融混練して、組成物を製造する工程。 - 5〜50重量%の下記成分(I)と94〜1重量%の下記成分(II)と94〜1重量%の下記成分(III)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI、成分(II)の重量WII及び成分(III)の重量WIIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含むポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法。
成分(I)
プロピレンを主体とする単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(I−A)2〜65重量%と、プロピレン及び炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)を重合する第2段階で得られる重合体部分(I−B)35〜98重量%とを含有するプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)であって(ただし、共重合体(I)の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)に含有されるα−オレフィンの含有量が10〜50重量%であり(ただし、重合体部分(I−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)の極限粘度(〔η〕B)が3dl/g以上〜10dl/gであるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)。
成分(II)
プロピレンを主体とする単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(II−A)60〜99重量%と、エチレンとプロピレンを含有する単量体を重合する第2段階で得られる重合体部分(II−B)1〜40重量%とを含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体(II)であって(ただし、共重合体(II)の全量を100重量%とする)、重合体部分(II−B)に含有されるエチレンの含有量が10〜50重量%であり(ただし、重合体部分(II−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)、重合体部分(II−B)の極限粘度(〔η〕B)が1dl/g以上3dl/g未満であり、重合体部分(II−B)の極限粘度(〔η〕B)と重合体部分(II−A)の極限粘度(〔η〕A)の比(〔η〕B/〔η〕A)が1dl/g以上4.5以下であるプロピレン−エチレンブロック共重合体(II)。
成分(III)
プロピレンを主体とする単量体を重合して得られる重合体(III)であって、極限粘度(〔η〕)が0.6dl/g以上3dl/g以下である重合体(III)。
第一工程
重量がWIの成分(I)と、成分(II)及び成分(III)の合計量がWIをよりも少ない量の成分(II)および/または成分(III)とを溶融混練して、中間組成物を製造する工程。
第二工程
成分(II)および成分(III)の残りと、第一工程で得られた中間組成物とを溶融混練して、最終組成物を製造する工程。 - 第一工程において、溶融混練による生成物を固化させずに未固化の前記中間組成物を得、第二工程において、前記未固化の中間組成物と残りの成分(II)および成分(III)とを合わせることを特徴とする請求項7に記載の方法。
- 5〜50重量%の下記成分(I)と94〜1重量%の下記成分(II)と94〜1重量%の下記成分(III)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI、成分(II)の重量WII及び成分(III)の重量WIIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含むポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法。
成分(I)
プロピレンを主体とする単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(I−A)2〜65重量%と、プロピレン及び炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)を重合する第2段階で得られる重合体部分(I−B)35〜98重量%とを含有するプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)であって(ただし、共重合体(I)の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)に含有されるα−オレフィンの含有量が10〜50重量%であり(ただし、重合体部分(I−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)の極限粘度(〔η〕B)が3dl/g以上〜10dl/gであるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)。
成分(II)
プロピレンを主体とする単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(II−A)60〜99重量%と、エチレンとプロピレンを含有する単量体を重合する第2段階で得られる重合体部分(II−B)1〜40重量%とを含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体(II)であって(ただし、共重合体(II)の全量を100重量%とする)、重合体部分(II−B)に含有されるエチレンの含有量が10〜50重量%であり(ただし、重合体部分(II−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)、重合体部分(II−B)の極限粘度(〔η〕B)が1dl/g以上3dl/g未満であり、重合体部分(II−B)の極限粘度(〔η〕B)と重合体部分(II−A)の極限粘度(〔η〕A)の比(〔η〕B/〔η〕A)が1dl/g以上4.5以下であるプロピレン−エチレンブロック共重合体(II)。
成分(III)
プロピレンを主体とする単量体を重合して得られる重合体(III)であって、極限粘度(〔η〕)が0.6dl/g以上3dl/g以下である重合体(III)。
第一工程
重量がWIの成分(I)を溶融混練して、成分(I)の溶融混練物を製造する工程。
第二工程
重量がWIIの成分(II)および量WIIIの成分(III)と、第一工程で得られた溶融混練物とを溶融混練して、組成物を製造する工程。 - 請求項1〜9のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法によって製造されるポリプロピレン系樹脂組成物。
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