JP5082200B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、ポリプロピレン系樹脂組成物およびその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、フィッシュアイの発生がなく、外観が良好であるポリプロピレン系樹脂組成物およびその製造方法に関するものである。
ポリプロピレンは、安価で、良好な機械的特性、成形性、耐熱性、耐溶剤性、外観等を有するため、自動車用途、電気・電子用途、包装用途等の各種の広い分野で使用されている。
耐衝撃性が求められる用途には、エチレン−プロピレン共重合体を含むプロピレン−エチレンブロック共重合体が用いられている。特に射出成形用途では、流動性、耐衝撃性、成形外観の観点から、プロピレンを主体とし、比較的分子量が低い重合体部分と、比較的分子量が高く、すなわち、極限粘度が高いエチレン−プロピレン共重合体部分とを含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体が用いられている。
しかし、極限粘度が高いエチレン−プロピレン共重合体部分を含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体を、連続重合法で製造した場合、エチレン−プロピレン共重合体部分の分散不良が起こり、フィッシュアイが発生する。フィッシュアイは、成形品の外観を悪化させたり、耐衝撃性を低下させたりする。
特開11−124439号公報には、フィッシュアイの少ないポリオレフィンの製造方法として、溶融混練して造粒する際に、混練装置で樹脂に対して樹脂温度と剪断速度を制御する技術が記載されている。
また、特開2001−150429号公報には、ポリオレフィンのフィッシュアイを軽減する方法として、溶融に係る装置と混練に係る装置をそれぞれ独立に2台設けて、それぞれを制御する方法が記載されている。
特開11−124439号公報 特開2001−150429号公報
上記の各特許公報に記載されている方法によって、フィッシュアイをある程度削減することは可能ではあるものの、十分な効果が得られるとまでは云えず、さらなる改良が求められている。
上記のとおりの状況の下、本発明の目的は、フィッシュアイの発生がなく、外観が良好であるポリプロピレン系樹脂組成物およびその製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明の一は、
5〜50重量%の下記成分(I)と95〜50重量%の下記成分(II)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI及び成分(II)の重量WIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含むポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法に係るものである。
成分(I)
プロピレンを主体とする単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(I−A)2〜65重量%と、プロピレン及び炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)を重合する第2段階で得られる重合体部分(I−B)35〜98重量%とを含有するプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)であって(ただし、共重合体(I)の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)に含有されるα−オレフィンの含有量が10〜50重量%であり(ただし、重合体部分(I−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)の極限粘度(〔η〕B)が3dl/g〜10 dl/gであるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)。
成分(II)
プロピレンを主体とする単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(II−A)60〜99重量%と、エチレンとプロピレンを含有する単量体を重合する第2段階で得られる重合体部分(II−B)1〜40重量%とを含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体(II)であって(ただし、共重合体(II)の全量を100重量%とする)、重合体部分(II−B)に含有されるエチレンの含有量が10〜50重量%であり(ただし、重合体部分(II−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)、重合体部分(II−B)の極限粘度(〔η〕B)が1dl/g〜3dl/g未満であり、重合体部分(II−B)の極限粘度(〔η〕B)と重合体部分(II−A)の極限粘度(〔η〕A)の比(〔η〕B/〔η〕A)が1以上4.5以下であるプロピレン−エチレンブロック共重合体(II)。
第一工程
重量がWIの成分(I)と、WIより少ない量の成分(II)とを溶融混練して、中間組成物を製造する工程。
第二工程
成分(II)の残りと、前記中間組成物とを溶融混練して、最終組成物を製造する工程。
また、本発明の一は、
5〜50重量%の上記成分(I)と95〜50重量%の上記成分(II)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI及び成分(II)の重量WIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含むポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法に係るものである。
第一工程
重量がWIの成分(I)を溶融混練して、成分(I)の溶融混練物を製造する工程。
第二工程
重量がWIIの成分(II)と、第一工程で得られた溶融混練物とを溶融混練して、組成物を製造する工程。
また、本発明の一は、
5〜50重量%の下記成分(I)と95〜50重量%の下記成分(III)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI及び成分(III)の重量WIIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含むポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法に係るものである。
成分(I)
プロピレンを主体とする単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(I−A)2〜65重量%と、プロピレン及び炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)を重合する第2段階で得られる重合体部分(I−B)35〜98重量%とを含有するプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)であって(ただし、共重合体(I)の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)に含有されるα−オレフィンの含有量が10〜50重量%であり(ただし、重合体部分(I−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)の極限粘度(〔η〕B)が3dl/g以上〜10dl/gであるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)。
成分(III)
プロピレンを主体とする単量体を重合して得られる重合体(III)であって、極限粘度(〔η〕)が0.6dl/g以上3dl/g以下である重合体(III)。
第一工程
重量がWIの成分(I)と、WIより少ない量の成分(III)とを溶融混練して、中間組成物を製造する工程。
第二工程
成分(III)の残りと、第一工程で得られた中間組成物とを溶融混練して、最終組成物を製造する工程。
また、本発明の一は、
5〜50重量%の上記成分(I)と95〜50重量%の上記成分(III)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI及び成分(III)の重量WIIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含むポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法に係るものである。
第一工程
重量がWIの成分(I)を溶融混練して、成分(I)の溶融混練物を製造する工程。
第二工程
重量がWIIIの成分(III)と、第一工程で得られた溶融混練物とを溶融混練して、組成物を製造する工程。
また、本発明の一は、
5〜50重量%の下記成分(I)と94〜1重量%の下記成分(II)と94〜1重量%の下記成分(III)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI、成分(II)の重量WII及び成分(III)の重量WIIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含むポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法に係るものである。
成分(I)
プロピレンを主体とする単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(I−A)2〜65重量%と、プロピレン及び炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)を重合する第2段階で得られる重合体部分(I−B)35〜98重量%とを含有するプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)であって(ただし、共重合体(I)の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)に含有されるα−オレフィンの含有量が10〜50重量%であり(ただし、重合体部分(I−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)の極限粘度(〔η〕B)が3dl/g以上〜10dl/gであるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)。
成分(II)
プロピレンを主体とする単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(II−A)60〜99重量%と、エチレンとプロピレンを含有する単量体を重合する第2段階で得られる重合体部分(II−B)1〜40重量%とを含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体(II)であって(ただし、共重合体(II)の全量を100重量%とする)、重合体部分(II−B)に含有されるエチレンの含有量が10〜50重量%であり(ただし、重合体部分(II−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)、重合体部分(II−B)の極限粘度(〔η〕B)が1dl/g以上3dl/g未満であり、重合体部分(II−B)の極限粘度(〔η〕B)と重合体部分(II−A)の極限粘度(〔η〕A)の比(〔η〕B/〔η〕A)が1dl/g以上4.5以下であるプロピレン−エチレンブロック共重合体(II)。
成分(III)
プロピレンを主体とする単量体を重合して得られる重合体(III)であって、極限粘度(〔η〕)が0.6dl/g以上3dl/g以下である重合体(III)。
第一工程
重量がWIの成分(I)と、成分(II)及び成分(III)の合計量がWIをよりも少ない量の成分(II)および/または成分(III)とを溶融混練して、中間組成物を製造する工程。
第二工程
成分(II)および成分(III)の残りと、第一工程で得られた中間組成物とを溶融混練して、最終組成物を製造する工程。
また、本発明の一は、
5〜50重量%の上記成分(I)と94〜1重量%の上記成分(II)と94〜1重量%の上記成分(III)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI、成分(II)の重量WII及び成分(III)の重量WIIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含むポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法に係るものである。
第一工程
重量がWIの成分(I)を溶融混練して、成分(I)の溶融混練物を製造する工程。
第二工程
重量がWIIの成分(II)および量WIIIの成分(III)と、第一工程で得られた溶融混練物とを溶融混練して、組成物を製造する工程。
また、本発明の一は、上記のポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法によって製造されるポリプロピレン系樹脂組成物に係るものである。
本発明の製造方法によれば、フィッシュアイの発生がなく、外観が良好であるポリプロピレン系樹脂組成物を得ることができる。
本発明で用いられる成分(I)は、プロピレンを主体とする単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(I−A)と、プロピレンと炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)を重合する第2段階で得られる重合体部分(I−B)とを含有するプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)である。
プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)で用いられるα−オレフィンとは、炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)であり、例えは、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられ、好ましくは、エチレン、1−ブテンである。これらのα−オレフィンは、単独で用いても良く、少なくとも2種を併用しても良い。
プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)に含有されるプロピレンを主体とする単量体を重合して得られる重合体部分(I−A)とプロピレンと炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)を重合して得られる重合体部分(I−B)のそれぞれの含有量は、(I−A)成分が2〜65重量%であり、(I−B)成分が98〜35重量%である。好ましくは、(I−A)成分が10〜60重量%であり、(I−B)成分が90〜40重量%である。さらに好ましくは、(I−A)成分が20〜50重量%であり、(I−B)成分が80〜50重量%である(ただし、共重合体(I)の全量を100重量%とする)。(I−B)成分が過少の場合、または過多の場合、フィッシュアイが充分に削減されないことがある。
重合体部分(I−A)は、プロピレンを主体とする単量体を重合して得られるものであるが、該単量体におけるプロピレンの含有量は、98重量%以上100重量%以下であることが好ましく、99重量%以上100重量%以下であることがより好ましい。重合体部分(I−A)は、耐熱性や剛性等の点から、好ましくは、融点が157℃以上170℃以下であるプロピレン単独重合体またはプロピレンと少量(好ましくは2重量%以下、より好ましくは1重量%以下)の炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)との共重合体であり、より好ましくは、融点が160℃以上168℃以下のプロピレン単独重合体である。炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)としては、エチレン、ブテン−1が例示される。
重合体部分(I−B)に含有されるプ炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)の含有量は10〜50重量%であり、好ましくは、15〜40重量%である(ただし、重合体部分(I−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)。炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)の含有量が過少であると低温での耐衝撃性が低下することがあり、過多であると低温での耐衝撃性が低下したり、フローマークの改良効果が不充分なことがある。
重合体部分(I−B)の極限粘度(〔η〕B)は、射出成形時に、充分なフローマークの改良効果を得るという観点から、3dl/g以上10dl/g以下であり、好ましくは4dl/g以上9dl/g以下であり、より好ましくは5dl/g以上9dl/g以下である。
プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)の製造方法としては、公知の重合触媒と重合方法を用いて製造する方法が挙げられる。重合触媒としては、チーグラー・ナッタ型触媒やメタロセン触媒が挙げられる。また、重合方法としては、スラリー重合法や気相法が挙げられる。
チーグラー・ナッタ型触媒として、具体的には、下記の(1)または(2)の触媒系が挙げられる。
(1)(a)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物の共存下、一般式Ti(OR1n4-n(R1は炭素数が1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン原子、nは0<n≦4の数字を表わす。)で表されるチタン化合物を、有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物を、エステル化合物及び、エーテル化合物と四塩化チタンとの混合物で処理して得られる三価のチタン化合物含有固体触媒成分、(b)有機アルミニウム化合物、(c)Si−OR2結合(R2は炭素数が1〜20の炭化水素基である。)を有するケイ素化合物からなる触媒系。
(2)(a)一般式Ti(OR1n4-n(R1は炭素数が1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン原子、nは0<n≦4の数字を表わす。)で表されるチタン化合物を、一般式AlR2 m3-m(R2は炭素数が1〜20の炭化水素基,Yはハロゲン原子、mは1≦m≦3の数字を表わす。)で表される有機アルミニウム化合物で還元して得られる炭化水素溶媒に不溶のハイドロカルビルオキシ基を含有する固体生成物を、エチレンで予備重合処理したのち、炭化水素溶媒中エーテル化合物及び四塩化チタンの存在下に80℃〜100℃の温度でスラリー状態で処理して得られるハイドロカルビルオキシ基含有固体触媒成分、(b)有機アルミニウム化合物からなる触媒系。
前記(1)の触媒系または(2)の触媒系において、(a)成分中のTi原子のモル数に対する(b)成分中のAl原子のモル数の比、すなわち、〔(b)成分中のAl原子のモル数〕/〔(a)成分中のTi原子のモル数〕の数値は、通常1〜2000であり、好ましくは5〜1500である。
また、(b)成分中のAl原子のモル数に対する(c)成分中のAl原子のモル数の比、すなわち、〔(c)成分成分中のAl原子のモル数〕/〔(b)成分中のAl原子のモル数〕の数値は、通常0.02〜500であり、好ましくは0.05〜50である。
また、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)の重合方法としては、第1段階で、実質的に不活性溶剤の不存在下にプロピレンと分子量調節のため水素を供給して、プロピレン単独、もしくは、プロピレンと少量の炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)を重合して重合体部分(I−A)を製造した後、第2段階で、気相中で、プロピレンと炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)とを重合して重合体部分(I−B)を製造する方法が挙げられる。重合温度は通常20〜150℃であり、好ましくは50〜95℃である。重合圧力は通常大気圧〜40kg/cm2Gであり、好ましくは2〜40kg/cm2Gである。
本発明で用いられる成分(II)は、第1段階でプロピレンを主体とする単量体を重合して得られる重合体部分(II−A)と、第2段階でエチレンとプロピレンを含有する単量体を重合して得られる重合体部分(II−B)とを含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体(II)である。
プロピレン−エチレンブロック共重合体(II)に含有される重合体部分(II−A)と部分(II−B)のそれぞれの含有量は、(II−A)成分が60〜99重量%であり、(II−B)成分が1〜40重量%である。好ましくは、(I−A)成分が65〜95重量%であり、(II−B)成分が5〜35重量%である。さらに好ましくは、(II−A)成分が70〜90重量%であり、(II−B)成分が10〜30重量%である(ただし、共重合体(II)の全量を100重量%とする)。(II−B)成分が過少の場合、耐衝撃強度が低下することがあり、(II−B)成分が過多の場合、剛性や強度が低下することがある。
重合体部分(II−B)に含有されるエチレンの含有量は10〜50重量%であり、好ましくは、15〜40重量%である(ただし、重合体部分(II−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)。重合体部分(II−B)に含有されるエチレンの含有量が過少の場合、または、過多の場合、低温での耐衝撃性が低下することがある。
重合体部分(II−B)の極限粘度(〔η〕B)は、成形時に良好な流動性を得るという観点から、1dl/g以上3dl/g未満であり、好ましくは1dl/g以上2.5dl/g以下である。
重合体部分(II−B)の極限粘度(〔η〕B)と部分(II−A)の極限粘度(〔η〕A)の比(〔η〕B/〔η〕A)は1以上4.5以下である。極限粘度の比(〔η〕B/〔η〕A)が過大な場合、射出成形時の流動性が悪化することがある。
プロピレン−エチレンブロック共重合体(II)の製造方法としては、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)の製造方法と同様の製造方法が挙げられる。
本発明で用いられる成分(III)は、プロピレンを主体とする単量体を重合して得られる重合体(III)である。該単量体におけるプロピレンの含有量は、98重量%以上100重量%以下であることが好ましく、99重量%以上100重量%以下であることがより好ましい。
重合体(III)の極限粘度(〔η〕)が0.6dl/g以上3dl/g以下であり、好ましくは、0.7dl/g以上2dl/g以下であり、さらに好ましくは0.75dl/g以上1dl/g以下である。重合体(III)の極限粘度(〔η〕)が、過大な場合、成形時の流動性が悪化することがある。
重合体(III)の製造方法としては、前記成分(I)であるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)に含有されるプロピレンを主体とする単量体を重合して得られる重合体部分(I−A)と同様の製造方法が挙げられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法の一は、5〜50重量%の成分(I)と95〜50重量%の成分(II)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI及び成分(II)の重量WIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含む方法である。この方法を方法[1]と称する。
方法[1]
第一工程
重量がWIの成分(I)と、WIより少ない量の成分(II)とを溶融混練して、中間組成物を製造する工程。
第二工程
成分(II)の残りと、前記中間組成物とを溶融混練して、最終組成物を製造する工程。
第一工程で用いられる成分(II)の量が、同第一工程で用いられる成分(I)の全量WI以上の重量である場合、フィッシュアイを削減する効果が不十分なことがある。
第一工程で用いられる成分(II)の量として、好ましくは、成分(I)の全量WIに対して、5重量%以上であり、より好ましくは5〜70重量%であり、より好ましくは10〜70重量%である。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法の一は、5〜50重量%の成分(I)と95〜50重量%の成分(II)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI及び成分(II)の重量WIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含む方法である。この方法を方法[2]と称する。
方法[2]
第一工程
重量がWIの成分(I)を溶融混練して、成分(I)の溶融混練物を製造する工程。
第二工程
重量がWIIの成分(II)と、第一工程で得られた溶融混練物とを溶融混練して、組成物を製造する工程。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法の一は、5〜50重量%の成分(I)と95〜50重量%の成分(III)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI及び成分(III)の重量WIIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含む方法である。以下、この方法を方法[3]と称する。
方法[3]
第一工程
重量がWIの成分(I)と、WIより少ない量の成分(III)とを溶融混練して、中間組成物を製造する工程。
第二工程
成分(III)の残りと、第一工程で得られた中間組成物とを溶融混練して、最終組成物を製造する工程。
第一工程で用いられる成分(III)の量が、同第一工程で用いられる成分(I)の全量WI以上の重量である場合、フィッシュアイを削減する効果が不十分なことがある。
第一工程で用いられる成分(III)の量として、好ましくは、成分(I)の全量WIに対して、5重量%以上であり、より好ましくは5〜70重量%であり、より好ましくは10〜70重量%である。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法の一は、5〜50重量%の成分(I)と95〜50重量%の成分(III)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI及び成分(III)の重量WIIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含む方法である。以下、この方法を方法[4]と称する。
方法[4]
第一工程
量WIの成分(I)を溶融混練して、成分(I)の溶融混練物を製造する工程。
第二工程
重量がWIIIの成分(III)と、第一工程で得られた溶融混練物とを溶融混練して、組成物を製造する工程。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法の一は、5〜50重量%の前記成分(I)と94〜1重量%の前記成分(II)と94〜1重量%の前記成分(III)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI、成分(II)の重量WII及び成分(III)の重量WIIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含む方法である。以下、この方法を方法[5]と称する。
方法[5]
第一工程
重量がWIの成分(I)と、成分(II)及び成分(III)の合計量がWIをよりも少ない量の成分(II)および/または成分(III)とを溶融混練して、中間組成物を製造する工程。
第二工程
成分(II)および成分(III)の残りと、第一工程で得られた中間組成物とを溶融混練して、最終組成物を製造する工程。
第一工程で用いられる成分(II)と成分(III)の合計量が、同第一工程で用いられる成分(I)の全量WI以上の重量である場合、フィッシュアイを削減する効果が不十分なことがある。
第一工程で用いられる成分(II)と成分(III)の合計量として、好ましくは、成分(I)の全量WIに対して、5重量%以上であり、より好ましくは5〜70重量%であり、より好ましくは10〜70重量%である。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法の一は、5〜50重量%の前記成分(I)と94〜1重量%の前記成分(II)と94〜1重量%の前記成分(III)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI、成分(II)の重量WII及び成分(III)の重量WIIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含む方法である。以下、この方法を方法[6]と称する。
方法[6]
第一工程
重量がWIの成分(I)を溶融混練して、成分(I)の溶融混練物を製造する工程。
第二工程
重量がWIIの成分(II)および量WIIIの成分(III)と、第一工程で得られた溶融混練物とを溶融混練して、組成物を製造する工程。
本発明の方法において、溶融混練を行なうために用いられる装置としては、例えば、バンバリーミキサー、プラストミル、ブラベンダー、プラストグラフ、一軸または二軸の押出機等が挙げられる。
前記方法[1]において、溶融混練の方法としては、例えば、次の(1)〜(3)が挙げられる。
(1)第一工程において、溶融混練により得られた生成物(溶融物)を一旦固化して固化状態の中間組成物を得、第二工程において、固化された組成物と、成分(II)の残りとを溶融混練する方法。
(2)第一工程において、溶融混練により得られた生成物(溶融物)を固化することなく未固化の中間組成物を得、第二工程において、固化されていない中間組成物と、成分(II)の残りとを溶融混練する方法。
(3)第一工程において、溶融混練により得られた生成物(溶融物)を一旦固化して固化状態の中間組成物を得、固化された中間組成物を一旦溶融し、溶融された中間組成物と、成分(II)の残りとを溶融混練する方法。
これらの方法の中で、フィッシュアイを削減する効果に優れるという観点から、好ましくは、上記(2)の方法である。
生産効率の観点から、前記方法[1]の好ましい態様は、複数の供給口を有する押出機を用いて、第一工程として、上流側の第1供給口から、全量(WI)の成分(I)とWIより少ない重量の成分(II)とを供給して、溶融混練して溶融混練物を得、第二工程として、第1供給口よりも下流側にある第2供給口から、成分(II)の残りを供給して、第一工程で得られた溶融混練物と、成分(II)を溶融混練して、最終組成物を製造する方法である。
前記方法[2]の好ましい態様は、複数の供給口を有する押出機を用いて、第一工程として、上流側の第1供給口から、全量(WI)の成分(I)を供給して、溶融混練して成分(I)の溶融混練物を得、第二工程として、第1供給口よりも下流側にある第2供給口から、全量(WII)の成分(II)を供給して、第一工程で得られた溶融混練物と、成分(II)を溶融混練して、組成物を製造する方法である。
同様に、成分(I)と成分(III)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物を製造する場合には、方法[3]の好ましい態様は、第一工程において、溶融混練により得られた生成物(溶融物)を固化することなく未固化の中間組成物を得、第二工程において、固化されていない中間組成物と、成分(III)の残りとを溶融混練する方法である。
また、前記方法[3]の好ましい態様は、複数の供給口を有する押出機を用いて、第一工程として、上流側の第1供給口から、全量(WI)の成分(I)とWIより少ない重量の成分(III)とを供給して、溶融混練して溶融混練物を得、第二工程として、第1供給口よりも下流側にある第2供給口から、成分(III)の残りを供給して、第一工程で得られた溶融混練物と、成分(III)を溶融混練して、最終組成物を製造する方法である。
前記方法[4]の好ましい態様は、複数の供給口を有する押出機を用いて、第一工程として、上流側の第1供給口から、全量(WI)の成分(I)を供給して、溶融混練して成分(I)の溶融混練物を得、第二工程として、第1供給口よりも下流側にある第2供給口から、全量(WIII)の成分(III)を供給して、第一工程で得られた溶融混練物と、成分(III)を溶融混練して、組成物を製造する方法である。
更にまた、同様に、成分(I)と成分(II)と成分(III)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物を製造する場合には、前記方法[5]の好ましい態様は、第一工程において、溶融混練により得られた生成物(溶融物)を固化することなく未固化の中間組成物を得、第二工程において、固化されていない中間組成物と、成分(II)および成分(III)の残りとを溶融混練する方法である。
また、前記方法[5]の好ましい態様は、複数の供給口を有する押出機を用いて、第一工程として、上流側の第1供給口から、全量(WI)の成分(I)と、成分(II)と成分(III)の合計量がWIよりも少ない量の成分(II)と成分(III)とを供給して、溶融混練して中間組成物を得、第二工程として、第1供給口よりも下流側にある第2供給口から、成分(II)および成分(III)の残りを供給して、第一工程で得られた中間組成物と、成分(II)および成分(III)の残りとを溶融混練して、組成物を製造する方法である。
前記方法[6]の好ましい態様は、複数の供給口を有する押出機を用いて、第一工程として、上流側の第1供給口から、全量(WI)の成分(I)を供給して、溶融混練して成分(I)の溶融混練物を得、第二工程として、第1供給口よりも下流側にある第2供給口から、全量(WII)の成分(II)と全量(WIII)の成分(III)を供給して、第一工程で得られた溶融混練物と、成分(II)と成分(III)を溶融混練して、組成物を製造する方法である。
押出機を用いて溶融混練する場合、必要に応じて、押出機のダイスにスクリーンパックを装着してもよい。装着するスクリーンパックとして、好ましくは金属繊維焼結フィルターであり、例えば「機械設計(1981年3月号第25巻第3号第109〜113頁)」に記載されているものである。
押出機のシリンダー設定温度は、通常、100℃〜250℃であり、好ましくは130℃〜230℃である。押出機のダイスから押出された直後の樹脂温度は、通常180℃〜270℃であり、180℃〜240℃であることが好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物には、目的に応じて、例えば、組成物の強化、組成物への機能付与、組成物の増量(コストダウン)等の目的に応じて、充填剤を配合しても良い。
充填剤としては、例えば、タルク、マイカ、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、ワラストナイト、硫酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ガラス繊維、カーボン繊維、ポリアミド繊維、アルミニウム繊維、ステンレス繊維等が挙げられる。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物には、必要に応じて、他の耐衝撃性改良材等の熱可塑性樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、抗ブロッキング剤、造核剤、顔料等を配合しても良い。
以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
各物性値の測定法を以下に示した。
(1)フィッシュアイの数の測定方法
溶融混練によって得られた熱可塑性樹脂を用い、20mmΦ単軸押出機(田辺プラスチック機械株式会社製 V−20)とフィルム引き取り装置にて、幅50mm、厚さ50μmのフィルムを作成した。
EPSON社製 スキャナーGT−9600を用いて、得られたフィルムの画像を900dpi、8bitの条件でコンピューターに取り込み、その画像を旭エンジニアリング社製 画像解析ソフト A像君を用いて2値化した。フィッシュアイは周辺より明るい部分として認識された。フィッシュアイの形状は不定形であるので、フィッシュアイと同じ面積である円の直径をフィッシュアイの大きさとして、フィルム100cm2当たりの直径200μm以上であるフィッシュアイの数を求めた。
(2)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS−K−6758に従って、温度230℃、荷重21Nの条件で測定した。
(3)プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン−エチレン共重合体部分(B成分)の全プロピレン−エチレンブロック共重合体に対する重量比率(X、重量%)及びプロピレン−エチレンブロック共重合体中のプロピレン−エチレン共重合体部分(B成分)のエチレン含量:[(C2’)EP、重量%]
下記の条件で測定した13C−NMRスペクトルから、Kakugoらの報告(Macromolecules 1982,15,1150-1152)に基づいて求めた。
10mmΦの試験管中で約200mgのプロピレン−エチレンブロック共重合体を3mlのオルソジクロロベンゼンに均一に溶解させて試料を調整し、その試料の13C−NMRスペクトルを下記の条件下で測定した。
測定温度:135℃
パルス繰り返し時間:10秒
パルス幅:45°
積算回数:2500回
(4)プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレンを主体とした重合体部分(A)の極限粘度(〔η〕A、単位:dl/g)およびエチレン−プロピレン共重合体部分(B)の極限粘度(〔η〕B、単位:dl/g)
プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン主体とした重合体部分(A)の極限粘度(〔η〕A)、および、エチレン−プロピレン共重合体部分(B)の極限粘度(〔η〕B)は、プロピレン重合体部分(A)と全ブロック共重合体の各々の極限粘度を測定することにより、次式から算出した。
〔η〕B=〔η〕T/X−(1/X−1)〔η〕A
〔η〕T:プロピレン−エチレンブロック共重合体全体の極限粘度(dl/g)
なお、プロピレン−エチレンブロック共重合体中のプロピレン主体とした重合体部分(A)の極限粘度(〔η〕A)は、その製造時に、第一工程であるプロピレン主体とした重合体部分(A)の製造後に重合槽内より取り出し、取り出されたプロピレン主体とした重合体から極限粘度(〔η〕A)を求めた。
(試料)
(I−1)プロピレン−エチレンブロック共重合体(成分(I))
MFRが、0.05g/10分、プロピレン単独重合体部分の極限粘度(〔η〕A)が0.97dl/g、エチレン−プロピレン共重合体部分の極限粘度(〔η〕B)が8.4dl/g、プロピレン−エチレンブロック共重合体に対する重量割合が72重量%であり、エチレン含量が34重量%、であるプロピレン-エチレンブロック共重合体。ブロック共重合体の極限粘度は、6.3であった。
(I−2)プロピレン−エチレンブロック共重合体(成分(I))
MFRが、1.4g/10分、プロピレン単独重合体部分の極限粘度(〔η〕A)が0.92dl/g、プロピレン−エチレン共重合体部分の極限粘度(〔η〕B)が5.6dl/g、プロピレン−エチレンブロック共重合体に対する重量割合が44重量%であり、エチレン含量が34重量%、であるプロピレン-エチレンブロック共重合体。
(I−3)プロピレン−エチレンブロック共重合体(成分(I))
MFRが、5.5g/10分、プロピレン単独重合体部分の極限粘度(〔η〕A)が0.92dl/g、プロピレン−エチレン共重合体部分の極限粘度(〔η〕B)が5.6dl/g、プロピレン−エチレンブロック共重合体に対する重量割合が38重量%であり、エチレン含量が32重量%、であるプロピレン-エチレンブロック共重合体。ブロック共重合体の極限粘度は、3.0であった。
(II−1)プロピレン−エチレンブロック共重合体(成分(II))
MFRが、45g/10分、プロピレン単独重合体部分の極限粘度(〔η〕A)が0.92dl/g、プロピレン−エチレン共重合体部分の極限粘度(〔η〕B)が2.41dl/g、プロピレン−エチレンブロック共重合体に対する重量割合が26重量%であり、エチレン含量が45重量%、であるプロピレン-エチレンブロック共重合体。ブロック共重合体の極限粘度は、1.3であった。
(II−2)プロピレン−エチレンブロック共重合体(成分(II))
MFRが、24g/10分、プロピレン単独重合体部分の極限粘度(〔η〕A)が0.92dl/g、プロピレン−エチレン共重合体部分の極限粘度(〔η〕B)が8.0dl/g、プロピレン−エチレンブロック共重合体に対する重量割合が26重量%であり、エチレン含量が45重量%、であるプロピレン-エチレンブロック共重合体。ブロック共重合体の極限粘度は、2.8であった。
(III−1)プロピレン単独重合体
MFRが、120g/10分、極限粘度(〔η〕A)が0.9dl/gであるプロピレン単独重合体。
(III−2)プロピレン単独重合体
MFRが、320g/10分、極限粘度(〔η〕A)が、0.8dl/gであるプロピレン単独重合体。
参考例
3個の投入口を有する二軸押出機(TEM50A、東芝機械社製)を用いて、表1に示した成分を所定の投入口より投入し、シリンダー温度150℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量30kg/hrの条件で溶融混練し、押出されたストランドを水槽にて冷却し、ペレタイザーでペレット化した。投入口は、上流側から、第一投入口、第2投入口、第3投入口とする。なお、スクリーンパックとして、日本精線製金属繊維焼結フィルターNF14Nを用いた。
得られたペレットを用い、20mmφ単軸押出し機にて、厚さ50μmのフィルムを作成し、フィッシュアイの個数を測定した。結果を表1に示した。
参考例2〜参考例6、実施例1,2
表1または2に示した成分を同表に示した順序で投入した以外は参考例1と同様に実施
した。結果を表1または2に示した。
比較例1〜6
表3または4に示した成分を同表に示した順序で投入した以外は実施例1と同様に実施した。結果を表3または4に示した。
本発明の要件を満足する混練方法によって得られた実施例1,2は、フィッシュアイの個数が少ないことが分かる。
本発明の要件を満足しない混練方法によって得られた実施例1〜6は、フィッシュアイの個数が多いことが分かる。
Figure 0005082200
Figure 0005082200
Figure 0005082200
Figure 0005082200

Claims (2)

  1. 5〜18重量%の下記成分(I)と95〜82重量%の下記成分(III)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法であって(ただし、重量%で表わされた前記の量は、いずれも成分(I)の重量WI及び成分(III)の重量WIIIの合計量を基準とする)、下記の第一工程および第二工程を含むポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法。
    成分(I)
    98重量%以上100重量%以下のプロピレンを含有する単量体を重合する第1段階で得られる重合体部分(I−A)2〜65重量%と、プロピレン及び炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレン除く)を重合する第2段階で得られる重合体部分(I−B)35〜98重量%とを含有するプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)であって(ただし、共重合体(I)の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)に含有されるα−オレフィンの含有量が10〜50重量%であり(ただし、重合体部分(I−B)に含有される単量体の全量を100重量%とする)、重合体部分(I−B)の極限粘度(〔η〕B)が3dl/g以上〜10dl/gであるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(I)。
    成分(III)
    プロピレン単独重合体(III)であって、極限粘度(〔η〕)が0.6dl/g以上3dl/g以下である重合体(III)。
    第一工程
    重量がWIの成分(I)と、WIより少ない量の成分(III)とを溶融混練して、中間組成物を製造する工程。
    第二工程
    成分(III)の残りと、第一工程で得られた中間組成物とを溶融混練して、最終組成物を製造する工程。
  2. 第一工程において、溶融混練による生成物を固化させずに未固化の前記中間組成物を得、第二工程において、前記未固化の中間組成物と残りの成分(III)とを合わせることを特徴とする請求項1に記載の方法。
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