JP2001063503A - エアバッグ装置及びそのケース - Google Patents

エアバッグ装置及びそのケース

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JP2001063503A JP24177299A JP24177299A JP2001063503A JP 2001063503 A JP2001063503 A JP 2001063503A JP 24177299 A JP24177299 A JP 24177299A JP 24177299 A JP24177299 A JP 24177299A JP 2001063503 A JP2001063503 A JP 2001063503A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乗員がインパネにぶつかったときの衝撃吸収
量が多いエアバッグ装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 助手席用エアバッグ装置は、ケース20
と、エアバッグ22と、リッド24と、リッド24をケ
ース20に連結するための厚板26,28と、インフレ
ータ30とを備えている。厚板26,28はケース20
の座席側の側面にスポット溶接によって固着されてい
る。厚板26の下部26aは斜めに屈曲しており、薄板
よりなるケース20の屈曲部52の上面52aに重ね合
わされ、スポット溶接されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエアバッグ装置に係
り、特に自動車のインストルメントパネルに設置される
助手席用エアバッグ装置に適用するのに好適なエアバッ
グ装置に関する。さらに詳しくは、ケースに厚板部分を
設けたエアバッグ装置に関する。また、本発明は、この
エアバッグ装置に用いられるケースに関する。
【0002】
【従来の技術】助手席用エアバッグ装置として、ケース
に厚板を取り付け、この厚板のフック部にリッドを係止
させたものが公知である。
【0003】図9は従来のエアバッグ装置を示す断面図
である。このエアバッグ装置1は、車両衝突時等にガス
を発生させるインフレータ2と、インフレータを収容す
るケース3と、ケース3の内部に折り畳まれた状態で収
容されたエアバッグ5と、ケース3の上部の開放口を閉
じるリッド6とからなり、インストルメントパネル9に
取付けられている。ケース3の上部の外面に厚板10,
11がスポット溶接により固着されている。この厚板1
0,11はケース3の上縁に沿って延在しており、この
延在方向に適宜な間隔をおいて複数の爪状のフック部1
2が一体に設けられている。リッド6の脚片7には、こ
れらのフック部12に対応して、フック部12に係合す
る開口13が設けられている。リッド6の内面には、薄
肉部8が形成されている。
【0004】このエアバッグ装置1を組み立てるべくケ
ース3にリッド6を取付けるには、ケース3の上面の開
放口を塞ぐようにしてリッド6を押し込む。すると、リ
ッド6の脚片7が外向きに弾性変形しつつフック部12
を乗り越え、フック部12と開口13とが整合したとこ
ろで脚片7が元の形に復元し、フック部12が開口13
の内縁に引っ掛かる。
【0005】このように構成されたエアバッグ装置にお
いては、インフレータ2が作動すると、エアバッグ5が
膨張し、リッド6が薄肉部8に沿って開裂し、エアバッ
グ5が車両室内に展開する。
【0006】図9の如く厚板10,11をケース3に取
り付け、この厚板10,11のフック部12にリッド6
を係止させることにより、ケース3の必要強度が低くて
足りるようになり、ケース3を薄肉化し、軽量化するこ
とが可能となる。
【0007】ところで、自動車のインストルメントパネ
ル(インパネ)は、乗員がぶつかってきたときに徐々に
変形してぶつかり時のエネルギーを吸収する衝撃吸収機
能を有する必要があり、インパネに設置される助手席用
エアバッグ装置のケース及びリッドもこの衝撃吸収機能
を有する必要がある。
【0008】実開平6−22116号公報には、ケース
の側面に略く字形状に屈曲した断面形状の屈曲部を設
け、乗員がエアバッグ装置にぶつかってきたときにこの
屈曲部でケースを変形させることが記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、実開平6−
22116号のものよりもさらに衝撃吸収機能を高めた
エアバッグ装置とそのためのケースを提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1)のエ
アバッグ装置は、前面が開放口となっているケースと、
該ケース内に収納され、且つ該ケースに連結されたエア
バッグと、該エアバッグ内にガスを供給して該エアバッ
グを膨張させるガス発生器と、該ケースの側面に固着さ
れた厚板と、該開放口を覆うリッドとを有するエアバッ
グ装置において、該厚板の少なくとも後辺部がケースの
側面に固着され、該厚板の後辺部とそれに固着されたケ
ース側面部分とが外方に突出していることを特徴とする
ものである。
【0011】本発明(請求項2)のエアバッグ装置は、
前面が開放口となっているケースと、該ケース内に収納
され、且つ該ケースに連結されたエアバッグと、該エア
バッグ内にガスを供給して該エアバッグを膨張させるガ
ス発生器と、該開放口を覆うリッドとを有するエアバッ
グ装置において、該ケースの側面部分のうち該開放口に
近い前部が後部よりも板厚の大きい厚板よりなり、該後
部が薄板よりなり、該厚板の後辺部と、薄板のうち該後
辺部に引き続く部分とがケースの外方に突出しているこ
とを特徴とするものである。
【0012】本発明(請求項5)のエアバッグ装置のケ
ースは、エアバッグを収容するケースであって、該ケー
スの前面が開放口となっており、該開放口の縁部に沿っ
てケース側面に厚板が設置されたケースにおいて、該厚
板の少なくとも後辺部がケースの側面に固着され、該厚
板の後辺部とそれに固着されたケース側面部分とが外方
に突出していることを特徴とするものである。
【0013】本発明(請求項6)のエアバッグ装置のケ
ースは、エアバッグを収容するケースであって、該ケー
スの前面が開放口となっているケースにおいて、該ケー
スの側面部分のうち該開放口に近い前部が後部よりも板
厚の大きい厚板よりなり、該後部が薄板よりなり、該厚
板の後辺部と、薄板のうち該後辺部に引き続く部分とが
ケースの外方に突出していることを特徴とするものであ
る。
【0014】かかる本発明のケース及びそれを用いたエ
アバッグ装置にあっては、乗員がぶつかってきたときに
厚板の後辺部が外方に突き出すように変形し、この際ケ
ースの該厚板に引き続く部分が外方に引きずり出される
ように変形し、これによって衝撃が吸収される。
【0015】この厚板の後辺部はそれよりも前側の部分
に対し斜交した形状となっていることが好ましい。
【0016】本発明では、ケースは金属又は合成樹脂製
とされる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して実施の形態に
ついて説明する。図1は実施の形態に係るケースの斜視
図、図2は同正面図、図3は同側面図、図4は実施の形
態に係るエアバッグ装置の断面図(図2,5のIV−IV線
に沿う部分の断面図)、図5は実施の形態に係るエアバ
ッグ装置の正面図、図6は厚板とケース上部とを示す斜
視図、図7はケースの変形状況を示す断面図である。
【0018】この実施の形態に係る助手席用エアバッグ
装置は、平面視形状が略長方形状のケース20と、該ケ
ース20内に折り畳まれて配置されたエアバッグ22
と、このケース20の上面側の開放口を覆うリッド24
と、このリッド24をケース20に連結するための厚板
26,28と、エアバッグ22を膨張させるガスを発生
するための略円柱形のインフレータ30とを備えてい
る。
【0019】この厚板26,28はスポット溶接によっ
てケース20の車幅方向に延在する側面に固定されてい
る。厚板26は座席に近いサイドの側面に設けられ厚板
28はウィンドシールドに近いサイドの側面に設けられ
ている。
【0020】このケース20及び厚板26,28はいず
れも金属例えばメッキ鋼板などの鋼製とされている。厚
板26,28とケース20とを同種類の鋼材にて構成し
た場合、厚板26,28の厚みはケース20の厚みの
1.6倍以上例えば1.6〜3倍程度とされる。
【0021】ケース20の底部には半円弧形の膨出部3
2が突設されており、インフレータ30が該膨出部32
に係合し、上方から押え部材34(図4)が該インフレ
ータ30に被せられる。この押え部材34はケース20
の底面に重なるフランジ34aを有しており、このフラ
ンジ34aとケース20の底面との間にエアバッグ22
のガス導入口の縁部が挟持される。このフランジ34a
はボルト34b及びナット34cによってケース20に
固定される。
【0022】前記厚板26,28はケース20の車幅方
向の上縁に沿って延在している。この厚板26,28の
大部分はケース20内に配置され、スポット溶接によっ
て該ケース20に固着されている。このスポット溶接箇
所(後述の厚板下部26aと折曲部52との溶接箇所を
除く。)は、1枚の厚板に対し2〜4箇所程度、例えば
3箇所で十分である。
【0023】厚板26,28の上辺からは略L字形のフ
ック部36,38が外方に向って延設されている。ケー
ス20の一方(図1,3,4の右側)の車幅方向に延在
する側面には、このフック部36と同数個の開口40,
42が設けられ、他方(図1,3,4の左側)の車幅方
向に延在する側面にはフック部38と同数個の開口4
4,46が設けられている。
【0024】開口40,42は、それらの上辺が同一高
さとなるように配置されている。開口40,42の列
は、両端側に開口42が配置され、これらの開口42の
間に開口40が配置されている。開口42の上下方向の
長さは開口40の上下方向の長さよりも大きい。これら
の開口40,42を通って厚板26のフック部36がケ
ース20外に突出している。
【0025】開口44,46は、それらの上辺が同一高
さとなるように配置されている。開口44,46の列
は、両端側に開口46が配置され、これらの開口46の
間に開口44が配置されている。開口46の上下方向の
長さは開口44の上下方向の長さよりも大きい。これら
の開口44,46を通って厚板28のフック部38がケ
ース20外に突出している。
【0026】なお、厚板26の下部16aは好ましくは
20〜70°特に好ましくは30〜60°例えば約45
゜程度の角度で折曲されており、この下部26aがケー
ス20の側面のスリット(細長い開口)50を通ってケ
ース20外に延出している。
【0027】ケース20の車幅方向に延在し、且つ座席
に近いサイドの側面は、このスリット50の下側が外方
に張り出す略V字形断面形状の折曲部52となってお
り、厚板下部26aは該折曲部52の上面52aに重ね
合わされ、2〜4箇所程度スポット溶接されている。折
曲部52の下部52bはケース20の側面から略垂直に
外方に曲折されている。
【0028】リッド24は1対の脚片部56,58を有
しており、各脚片部56,58にそれぞれ開口60,6
2が設けられている。この開口60,62にフック部3
6,38が係合することによりリッド24がケース20
に係止される。
【0029】このように構成されたエアバッグ装置にお
いて、インフレータ30がガス噴出作動すると、エアバ
ッグ22が膨張し、リッド24が薄肉部24aに沿って
開裂し、エアバッグ22が車両室内に膨張する。この膨
張に際し、厚板26,28及びケース20にはエアバッ
グ22からケース20を膨張させるように圧迫力が加え
られるが、厚板26,28はケース20内に配置されて
おり、エアバッグ22の圧迫力が厚板26,28によっ
て対抗されるため、ケース20が膨張することが防止さ
れる。
【0030】また、エアバッグ22が膨張する場合、リ
ッド24に対し図4の上方に持ち上げる力がエアバッグ
22から加えられるが、この力は脚片部56,58及び
厚板26,28によって対抗される。この厚板26,2
8のフック部36,38が開口40,42,44,46
を通ってケース20外に突出しているところから、厚板
26,28に加えられる上方への引上力は、厚板26,
28とケース20とのスポット溶接箇所だけでなく、開
口40,42,44,46の上辺とフック部36,38
との当接箇所をも介してケース20に伝達される。この
ため、この引上力がケース20に広く分散されて伝達さ
れるので、この引上力によるケース20の変形も防止さ
れる。
【0031】インパネに設置されたこのエアバッグ装置
に乗員がぶつかってきた場合、ケース20は、図7の2
点鎖線20’,26’,52’の如く車幅方向に延在し
且つ座席に近いサイドの側面が外方に向って突出するよ
うに変形する。この場合、厚板26は高剛性であるので
それ自体はさほど変形せず、その下部26aが外方に移
動し、厚板26全体としては下方に移動する。この厚板
26の下部26aの外方への突出に伴って、略V字形で
あった屈曲部52が52’の如く偏平に潰れ、平坦であ
ったケース20の側面が20’の如く折れ曲る。このケ
ース20の側面が20’の如く折れ曲る際に、乗員に加
えられる衝撃が吸収される。
【0032】この実施の形態では、ケース20に多数の
透口66を設けており、インパネ衝撃(乗員がスンスト
ルメントパネルに当ったときに乗員に加えられる衝撃)
をより多く吸収するようにしている。また、この実施の
形態では、前記開口42,46の高さ方向の長さを開口
40,44よりも大きくしているが、これもインパネ衝
撃をより多く吸収するためである。
【0033】即ち、助手席の乗員がリッド24の左右方
向の中間付近に図5の矢印Fの如く突っ込んできた場
合、リッド24の中央はF方向に凹み、ケース22の側
面もこれに倣って変形してインパネ衝撃が吸収される
が、この際、ケース22の両端側が上方へ持ち上げられ
ようとする。両端側の開口42,46が図1,2,6の
ように下方に長く延在しているため、ケース22の両側
が上方に持ち上げられようとしたときにケース22の両
端側が厚板26,28の拘束を受けることがない。従っ
て、ケース22がスムーズに変形し、インパネ衝撃の吸
収量が多くなる。
【0034】なお、図示はしないが、屈曲部52の上面
52aに上下方向に延在するスリットないし細長いノッ
チを形成し、屈曲部52が変形し易くなるよう構成して
も良い。
【0035】上記実施の形態では、ケース20とは別体
の厚板26,28をケース20にスポット溶接等によっ
て固着しているが、図8のケース20Aのように厚板部
20aをケース20Aと一体に形成しても良い。即ち、
厚板部20aから薄板部20bにかけて一連一体のもの
であっても良い。この場合、厚板部20aの下部及び薄
板部20bの上部を外方に折曲させ、両者の境界部が外
方に最も凸となる屈曲部52Aを構成するのが好まし
い。
【0036】本発明では、ケースは金属、合成樹脂等で
構成される。
【0037】
【発明の効果】以上の通り、本発明によるとエアバッグ
の膨張時のケースの変形が小さいエアバッグ装置が提供
される。このエアバッグ装置のケースは、厚板のスポッ
ト溶接などの接合箇所が少なくて済み、製造が容易であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るエアバッグ装置のケースの斜
視図である。
【図2】実施の形態に係るエアバッグ装置のケースの正
面図である。
【図3】実施の形態に係るエアバッグ装置のケースの側
面図である。
【図4】実施の形態に係るエアバッグ装置の断面図であ
る。
【図5】実施の形態に係るエアバッグ装置の正面図であ
る。
【図6】実施の形態に係るエアバッグ装置のケースと厚
板とを示す斜視図である。
【図7】ケースの変形状況を示す断面図である。
【図8】別の実施の形態を示す断面斜視図である。
【図9】従来のエアバッグ装置の断面図である。
【符号の説明】
20,20A ケース 22 エアバッグ 24 リッド 26,28 厚板 30 インフレータ 36,38 フック部 40,42,44,46 開口 52,52A 屈曲部 52a 上面 52b 下部 56,58 脚片部 60,62 開口

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面が開放口となっているケースと、該
    ケース内に収納され、且つ該ケースに連結されたエアバ
    ッグと、該エアバッグ内にガスを供給して該エアバッグ
    を膨張させるガス発生器と、該ケースの側面に固着され
    た厚板と、該開放口を覆うリッドとを有するエアバッグ
    装置において、 該厚板の少なくとも後辺部がケースの側面に固着され、
    該厚板の後辺部とそれに固着されたケース側面部分とが
    外方に突出していることを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 【請求項2】 前面が開放口となっているケースと、該
    ケース内に収納され、且つ該ケースに連結されたエアバ
    ッグと、該エアバッグ内にガスを供給して該エアバッグ
    を膨張させるガス発生器と、該開放口を覆うリッドとを
    有するエアバッグ装置において、 該ケースの側面部分のうち該開放口に近い前部が後部よ
    りも板厚の大きい厚板よりなり、該後部が薄板よりな
    り、 該厚板の後辺部と、薄板のうち該後辺部に引き続く部分
    とがケースの外方に突出していることを特徴とするエア
    バッグ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、該厚板の後辺
    部はそれよりも前側の部分に対し斜交した形状となって
    いることを特徴とするエアバッグ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、前記ケースの側面は、車幅方向に延在し且つ座席に
    近いサイドの側面であることを特徴とするエアバッグ装
    置。
  5. 【請求項5】 エアバッグを収容するケースであって、
    該ケースの前面が開放口となっており、該開放口の縁部
    に沿ってケース側面に厚板が設置されたケースにおい
    て、 該厚板の少なくとも後辺部がケースの側面に固着され、
    該厚板の後辺部とそれに固着されたケース側面部分とが
    外方に突出していることを特徴とするエアバッグ装置の
    ケース。
  6. 【請求項6】 エアバッグを収容するケースであって、
    該ケースの前面が開放口となっているケースにおいて、 該ケースの側面部分のうち該開放口に近い前部が後部よ
    りも板厚の大きい厚板よりなり、該後部が薄板よりな
    り、 該厚板の後辺部と、薄板のうち該後辺部に引き続く部分
    とがケースの外方に突出していることを特徴とするエア
    バッグ装置のケース。
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