JP2001058372A - 積層体 - Google Patents

積層体

Info

Publication number
JP2001058372A
JP2001058372A JP2000179708A JP2000179708A JP2001058372A JP 2001058372 A JP2001058372 A JP 2001058372A JP 2000179708 A JP2000179708 A JP 2000179708A JP 2000179708 A JP2000179708 A JP 2000179708A JP 2001058372 A JP2001058372 A JP 2001058372A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
acid
laminate
resin
dissolvable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000179708A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuhisa Yamane
延久 山根
Kokichi Hashimoto
幸吉 橋本
Masahiro Kimura
将弘 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2000179708A priority Critical patent/JP2001058372A/ja
Publication of JP2001058372A publication Critical patent/JP2001058372A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】工業材料、農業材料および包装材料等の用途に
好適に用いられ、分離回収することができる優れたリサ
イクルを有する積層体を提供する。 【解決手段】酸またはアルカリ水溶液処理により、一部
または全部が溶解可能な層を少なくとも一層、また回収
可能なポリマー層を少なくとも一層を有することを特徴
とする積層体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルム状あるい
はシート状の工業材料、農業材料および包装材料等の用
途に好適に用いることのできるリサイクル性に優れた積
層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より包装用フィルム等のように多機
能性が求められる用途には、性能の異なる素材を組み合
わせ、様々な機能を付与した積層体が広く使われてい
る。
【0003】近年、環境問題を背景に資源の再利用、つ
まりリサイクルが強く望まれるようになってきた。しか
しながら、異素材を複合したこれら積層体は、従来の技
術では、使用後に分離・回収しリサイクルすることが困
難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点を解決することにあり、すなわち容易
に分離・回収しリサイクルが可能で、工業材料、農業材
料および包装材料等の用途に好適に用いることのできる
積層体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成せんとするものであり、本発明の積層体は、酸または
アルカリ水溶液処理により一部または全部が溶解可能な
層と、該溶解可能な層から分離回収可能なポリマー層と
からなるものであり、次の好ましい態様を有している。 (a) 25℃の1規定水酸化ナトリウム水溶液に5日間浸
漬後、回収可能なポリマー層の分子量保持率が50%以
上であること。 (b) 25℃の1規定水酸化ナトリウム水溶液に5日間浸
漬後、溶解可能な層の重量減少率が50%以上であるこ
と。 (c) 溶解可能な層がポリ乳酸系樹脂を5〜100重量%
含有していること。 (d) 溶解可能な層と回収可能なポリマー層の間にさらに
ポリ乳酸系樹脂を含む中間層を設けてなること。 (e) 中間層がポリエステル樹脂とポリ乳酸系樹脂のブレ
ンドによりなること。 (f) 中間層がポリオレフィン樹脂とポリ乳酸系樹脂のブ
レンドによりなること。 (g) 回収可能なポリマー層がポリエステル樹脂またはポ
リオレフィン樹脂からなること。 (h) 溶解可能な層の他の一面に、回収可能なポリマー層
をさらに積層してなること。 (i) 積層体が包装材料として用いられること。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の積層体は、酸またはアル
カリ水溶液処理により一部または全部が溶解可能な層
と、該溶解可能な層とは溶解性の異なる分離回収可能な
ポリマー層とからなるものである。
【0007】本発明で好ましく用いられる水溶液として
は、酸性水溶液およびアルカリ性水溶液が挙げられる。
【0008】ここで酸とは、例えば、塩酸、硫酸、酢酸
等が挙げられ、水溶液としたときpH7未満となる物質
である。また、アルカリとしては、例えば、水酸化ナト
リウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム等が挙
げられ、水溶液としたときpH7を超える物質である。
【0009】本発明の積層体においては、これを酸また
はアルカリ水溶液処理することにより、水溶液により溶
解可能な層の一部または全部を溶解し、溶解しないで残
された回収可能なポリマー層を分離回収することができ
る。回収可能なポリマー層の回収のためには、好ましく
は、0.01規定から4規定、特に好ましくは0.1〜
3規定の濃度の酸水溶液またはアルカリ水溶液による処
理をが好ましい。酸またはアルカリの濃度が、かかる範
囲以下では、溶解可能である層の溶解に時間がかかるた
め分離の効率が悪く好ましくない。またかかる範囲以上
では、回収可能なポリマー層の劣化や分子量低下等の影
響を与えるため好ましくない。
【0010】水溶液処理としては、浸漬、噴霧、洗い流
し等の手段があるが、通常は積層体を水溶液に浸漬する
ことで処理される。また浸漬時には攪拌を行うことが、
積層体の分離性を向上する上で好ましい。
【0011】さらに、酸またはアルカリ水溶液の温度範
囲は、本発明の効果を損ねない範囲であれば問題はない
が、通常0〜200℃、特に好ましくは20〜100℃
である。一般的に水溶液の温度がこれよりも低くなれ
ば、溶解可能な層の溶解に時間がかかるため分離効率が
悪化するため好ましくない。一方これよりも高くなれば
分離効率が向上する反面、回収層の劣化も促進するため
好ましくない。
【0012】本発明の積層体においては、酸の水溶液ま
たはアルカリ水溶液等で積層体を処理した際に、一部ま
たは全部が溶解可能な層を少なくとも一層有することが
必要である。このとき、回収可能な層の分離を良くする
ためには、溶解可能な層の構成物は、25℃の1規定水
酸化ナトリウム水溶液に5日間浸漬後、重量減少率が5
0%以上であることが好ましく、特に70%以上である
とより好ましい。
【0013】一部または全部が溶解可能な層を構成する
素材としては、ポリ乳酸、酢酸セルロース、セルロー
ス、でんぷん、ポリビニルアルコール、大豆成分等を主
体とする樹脂が挙げられる。特に回収性および成形性を
考慮すると、特にポリ乳酸を主体とする樹脂が好まし
く、その樹脂中のポリ乳酸の含有量は5〜100重量%
であることが好ましい。
【0014】ポリ乳酸を主体とする樹脂としては、例え
ば、D−乳酸ホモポリマー、L−乳酸ホモポリマー、D
−乳酸/L−乳酸コポリマー、D−乳酸/ヒドロキシカ
ルボン酸コポリマーおよびそれらの混合物を挙げること
ができるが、本発明ではこれらに限定されない。またポ
リ乳酸を主体とするポリマーは、L−乳酸成分を主体と
し、D−乳酸成分の含有量が0〜30重量%であること
が、耐熱性、熱収縮特性の点で好ましい。特に好ましく
はD−乳酸成分の含有量が0〜20重量%である。
【0015】上記のポリ乳酸を主体とする樹脂は、次の
ような方法で得ることができる。原料としては、D−乳
酸および/またはL−乳酸を主体とし、グリコール酸、
ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロ
ン酸等のヒドロキシカルボン酸類を併用することもでき
る。さらにジカルボン酸類やグリコール類も用いること
ができる。ポリ乳酸を主体とするポリマーは、上記原料
を直接脱水重縮合する方法、または上記環状エステル中
間体を開環重合する方法によって得ることができる。例
えば、直接脱水重縮合して製造する場合、乳酸類または
乳酸類とヒドロキシカルボン酸類を好ましくは有機溶
媒、特にフェニルエーテル系溶媒の存在下で共沸脱水縮
合し、特に好ましくは共沸により重合することにより本
発明に適した高分子量のポリマーが得られる。ポリマー
の分子量は、積層体の成形性等の点から重量平均分子量
が好ましくは1万〜100万、より好ましく2万〜50
万の範囲である。
【0016】ポリ乳酸を主体とする樹脂のメルトインデ
ックスは、積層性と成形性を良好とするためには、0.
1〜30であることが好ましく、0.5〜15であると
特に好ましい。
【0017】また、一部または全部が溶解可能な層を構
成する素材は、ヒドロキシカルボン酸成分を構成成分と
するポリグリコール酸、ポリ酪酸ポリヒドロキシブチレ
ート等や、ジカルボン酸成分とグリコール成分を構成成
分とするポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ
プロピレンテレフタレート(PPT)、ポリエチレン−
2,6−ナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフ
タレート(PBT)、ポリヘキサメチレンテレフタレー
ト(PHT)、ポリエチレンイソフタレート(PE
I)、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート
(PCT)、ポリブチレンサクシネート等のポリエステ
ル、またはこれらのポリエステルを主体とする共重合体
等とのブレンド体であってもよい。また共重合体の場合
は、ランダム共重合体でもブロック共重合体であっても
よい。
【0018】さらに、一部または全部が溶解可能な層に
は、酸溶解性またはアルカリ溶解性を損なわない範囲内
で、各種の添加剤が含まれていてもよい。例えば、難燃
剤、酸化防止剤、耐侯剤、熱安定剤、滑剤、結晶核剤、
紫外線吸収剤、着色剤、末端封鎖剤、脂肪酸エステル、
ワックス等の有機滑剤あるいはポリシロキサン等を配合
することができる。
【0019】本発明の積層体においては、一部または全
部が溶解可能な層から分離回収可能なポリマー層を少な
くとも一層有することが必要である。このとき、分離回
収可能なポリマー層は、25℃の1規定水酸化ナトリウ
ム水溶液に5日間浸漬後の分子量保持率が50%以上、
さらに好ましくは70%以上であることがリサイクル、
回収性の点から好ましい。
【0020】分離回収可能なポリマー層を構成する物質
としては、例えば、熱可塑性樹脂などを用いることが可
能である。具体的には、ポリエステル樹脂、ポリオレフ
ィン樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン樹脂等
が挙げられる。
【0021】ポリエステルとしては、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート等を挙げることができる。この
とき、ポリエステルには、特性を損ねない範囲で他の共
重合成分を含有してもよく、ジカルボン酸成分として
は、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸以外に、例
えば、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジ
カルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸、フタル酸、イソフタル酸
等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、エイコ
酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマ−酸、ドデカンジ
オン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン
酸、シクロヘキシンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン
酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸等の多官能酸等を挙げること
ができる。一方、グリコ−ル成分としてはエチレングリ
コール以外に、例えば、プロパンジオ−ル、ブタンジオ
−ル、ペンタンジオ−ル、ヘキサンジオ−ル、ネオペン
チルグリコ−ル、トリエチレングリコール等の脂肪族グ
リコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族グリ
コール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香
族グリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレン
グリコール等を挙げることができる。さらにポリエチレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリ
エーテルを共重合してもよい。
【0022】なお、これらのジカルボン酸成分、グリコ
−ル成分は2種以上を併用してもよい。
【0023】また、分離回収可能なポリマー層を構成す
るポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピ
レンポリメチルペンテン等を挙げることができる。
【0024】本発明においては、上記した2種以上のポ
リマーをブレンドして使用してもよい。さらに複数また
は同一のポリマーを2層以上に共押出し積層フィルムと
してもよい。
【0025】ここで使用されるポリマーの極限粘度は、
好ましくは0.40〜1.20dl/g、より好ましく
は0.50〜0.85dl/g、さらに好ましくは0.
55〜0.75の範囲にあるものが積層体の加工性の点
から本発明の内容に適したものである。
【0026】本発明において分離回収可能なポリマー層
にポリエステル樹脂を用いる場合、耐熱性の点から、ポ
リエステルのカルボキシル末端基量は15〜45当量/
トン以上が好ましく、さらには20〜40当量/トンで
あると特に好ましい。
【0027】またポリエステル中のジエチレングリコー
ル含有量は、同じく耐熱性の点から25重量%以下が好
ましく、さらに5重量%以下であると特に好ましい。ポ
リエステル中に残存する触媒金属元素の濃度(M)〔ミ
リモル%〕と残存するリン元素の濃度(P)〔ミリモル
%〕の比M/Pは、耐熱性、耐分解性の点から0.1〜
2の範囲にあることが好ましく、0.5〜1.5重量%
の範囲にあると特に好ましい。
【0028】また、ポリマー層中には、本発明の効果を
阻害しない範囲で公知の添加剤、例えば、耐熱安定剤、
耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑
剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、核
剤などを配合してもよい。
【0029】本発明の積層体には、前記の溶解可能な層
と分離回収可能な層以外にも、必要に応じその他の積層
を行なってもよい。このような層としては、具体的に
は、帯電防止層、マット層、ハードコート層、易滑コー
ト層、易接着層、粘着層などが例示される。
【0030】本発明においてはまた、溶解可能な層と分
離回収可能な層の間には、両層の密着性を良好とするた
めの、中間層を設けることができる。中間層としては、
特にポリエステル樹脂および/またはポリオレフィン樹
脂とポリ乳酸系樹脂の少なくとも2種類の樹脂のブレン
ド物が好ましく用いられる。
【0031】特にポリエステルとのブレンド物におい
て、用いるポリエステルとしては、前述の分離回収可能
なポリマー層を構成するポリエステルと同様のポリエス
テルを用いることができる。
【0032】このときポリエステルの分子量は、特に4
00〜20,000、より好ましくは400〜12,00
0であると、中間層の透明性が増し好ましい。またさら
に透明性の点から、中間層に用いるポリエステルとして
は、先に挙げた脂肪族ジカルボン酸および/またはポリ
エーテルを共重合したポリエステルであることが好まし
い。このとき、共重合成分として用いられる脂肪族ジカ
ルボン酸およびポリエーテルの分子量は100〜10,
000であることが好ましく、特に好ましく100〜
5,000である。さらに、脂肪族ジカルボン酸および
/またはポリエーテルの好ましい共重合量は、1モル%
〜50モル%、特に好ましくは5〜35モル%である。
【0033】本発明において、積層体の構成としては、
分離回収可能な層をA、溶解可能な層をB、他の層(前
述の中間層など)をCとすると、A/B、A/C/B、
A/B/A、A/C/B/C/A、などの積層形態が挙
げられる。このときアルカリ水溶液等の水溶液による分
解性を有するB層が積層体の最外層とならないようにす
ることが実用上好ましい。
【0034】このときの積層体各層の厚みは本発明の特
性を損ねない範囲であればかまわなく、用途に応じて任
意に選べばよいが、特にフィルム状、シート状の積層体
の場合、通常はA層が1〜3000μm、B層が0.0
1〜10μm、またC層が0.01〜10μm程度であ
る。
【0035】積層の方法としては、共押し出し、コーテ
ィング、熱接着などが挙げられるが、本発明の目的を損
なわない範囲であればその方法を問わない。
【0036】コーティングは、特に限定するものではな
いが、製造面、環境面を考慮すると水系または水分散系
塗剤をフィルム製膜中に塗布する方法が好ましい。
【0037】本発明の積層体がフィルム状体の場合は、
耐熱性、機械強度、寸法安定性の点からは、二軸配向フ
ィルムとすることがより好ましい。二軸配向フィルムと
は、無延伸状態のシートまたはフィルムを長手方向およ
び幅方向に各々2.0〜6倍程度延伸されて作られるも
のであり、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すも
のをいう。二軸延伸の方法としては、同時二軸延伸、逐
次二軸延伸のいずれであってもよい。
【0038】本発明の積層体が積層フィルムである場
合、耐熱性、寸法安定性の点から、150℃、30分の
熱収縮率がフィルム長手方向で0.1〜5.0%、巾方
向で−2〜1%であることが好ましく、更に好ましくは
フィルム長手方向で1.0〜3.0%、巾方向に−1〜
0%である。ここで熱収縮率のマイナス(−)の値は伸
びを示すものである。
【0039】本発明の積層体において、分離回収可能な
層がポリエステルで構成されるフィルムである場合にお
いては、寸法安定性の点からフィルムの融解サブピーク
(Ts)は120〜245℃であることが好ましく、好
ましくは140〜235℃、更に好ましくは160〜2
25℃である。Tsが140℃未満であると熱寸法安定
性、特に高温(120〜200℃)での熱寸法安定性が
悪化するので好ましくない。またTsが245℃を越え
るとフィルムが脆化するので好ましくない。
【0040】本発明の積層体中には粒子を含有させるこ
とができる。含有される粒子は、それぞれの層に不活性
なものを添加すれば特に限定されないが、内部粒子や無
機粒子および/または有機粒子などの外部粒子の中から
任意に選定され、かかる粒子は好ましくは0.01〜5
0重量%、更に好ましくは0.02〜40重量%含有さ
れていることが好ましい。含有される粒子の平均粒子径
は、好ましくは0.001〜10μmであり、更に好ま
しくは0.01〜2μmである。平均粒子径が10μmを
超える粒子を使用すると、積層体に欠陥が生じ易くなる
ので好ましくない。無機粒子および/または有機粒子と
しては、例えば、湿式および乾式シリカ、コロイダルシ
リカ、珪酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン
酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、マイカ、カオ
リン、クレ−等の無機粒子およびスチレン、シリコ−
ン、アクリル酸類等を構成成分とする有機粒子等を挙げ
ることができる。なかでも湿式および乾式シリカ、コロ
イダルシリカ、珪酸アルミ、アルミナ、炭酸カルシウム
等の無機粒子が好ましい。これらの内部粒子、無機粒子
および/または有機粒子は二種以上を併用してもよい。
【0041】本発明の積層体は、工業材料、農業材料と
して用いられるフィルム、シート等、各種用途に使用す
ることができ、特に包装材料に好適に用いられる。
【0042】
【実施例】本発明における物性の測定方法および効果の
評価方法は次のとおりである。
【0043】(1)アルカリ溶解性 積層体各層から約3g削り取り重量G1を正確に測定す
る。温度25℃の1規定水酸化ナトリウム水溶液100
ml中に5日間浸漬、攪拌を行なった後、濾紙で水溶液
を濾過し、純水で十分洗浄して、濾紙上の残査を110
℃×1時間乾燥後、23℃、湿度60%の雰囲気に1時
間冷却、調湿後、残査の重量G2を測定する。次式によ
りアルカリ溶解度を求める。 アルカリ溶解度=(G1−G2)/G1×100 アルカリ溶解度が70%以上のものを○、50%以上7
0%未満のものを△、50%未満のものを×としてアル
カリに対する溶解性を評価する。
【0044】(2)分子量保持率 積層体各層から約3gの削り取り分子量M1を測定す
る。温度25℃の1規定水酸化ナトリウム水溶液100
ml中に5日間浸漬、攪拌を行ったあと、濾紙で水溶液
を濾過し、純水で十分洗浄して、濾紙上の残査の分子量
M2を測定する。次式により分子量保持率を求める。 分子量保持率=100−(M1−M2)/M1×100 分子量保持率が70%以上のものを○、50%以上70
%未満のものを△、50%未満のものを×としてアルカ
リに対する溶解性を評価する。
【0045】(3)分離・回収性 積層方向に垂直な面が1cm×2cmである積層体を1
規定水酸化ナトリウム水溶液100ml中に温度25℃
で5日間攪拌する。少なくとも1層が溶解し、少なくと
も1層を回収することができた場合、分離回収性を○と
判定し、そうでない場合、×と判定する。
【0046】次に、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではな
い。
【0047】(実施例1、2)各層の原料組成を表1に
示したとおりとし、積層フィルム(積層体)を作成し
た。まず、原料を水分含有率30ppmとなるまで常法
に従って乾燥後、互いに隣接したダイから各層のポリマ
ーを共押出して積層、融着させ、静電印加しながらシー
ト状溶融体を冷却ドラム上で冷却固化させて未延伸積層
フィルムを作成した。得られた未延伸積層フィルムを9
0℃に加熱して長手方向に3.4倍延伸し、1軸延伸フ
ィルムとした。この1軸延伸フィルムをフリップを把持
して100℃に加熱されたテンター内に導き、連続的に
110℃に加熱されたゾーンで幅方向に4.0倍延伸
し、5秒間の熱処理を施し、表1に記載の厚み設計によ
り積層フィルムを得た。評価結果は表1に示した通りで
あり、いずれの例においても、PLAがアルカリ溶液中
に溶解しPETの回収が可能であった。
【0048】なお、実施例1の第2層を構成するポリエ
チレンテレフタレートの特性を評価したところ、融点2
55℃、固有粘度0.62dl/g、フィルム中に残存
する触媒金属の量は20ミリモル%、フィルム中に残存
するリン元素の濃度は20ミリモル%であった。また実
施例2中の第1層を構成するポリ乳酸の特性を評価した
ところ、融点170℃、メルトインデックス10であっ
た。
【0049】(実施例3、4)実施例1、2で作成した
積層フィルムと、別に用意した二軸延伸ポリプロピレン
フィルム(東レ製:“トレファン”)を、温度150℃
で熱ラミネートし、表1に記載のとおり実施例3、4の
積層体を作成した。評価によりいずれも分離回収可能な
積層体であり、PLAが溶解しPET、PPの回収が可
能であった。
【0050】(実施例5)実施例2の積層フィルム二組
と、その間に、別に用意した二軸延伸ポリプロピレンフ
ィルム(東レ製:“トレファン”)を温度150℃で熱
ラミネートし、積層体を作成した。評価により分離回収
可能な積層体であり、PLAが溶解しPET、PPの回
収が可能であった。
【0051】(実施例6)実施例1で作成した積層フィ
ルムと厚み50μmの紙を温度150℃で熱ラミネート
し、積層体を作成した。分離回収可能な積層体であり、
PLAが溶解しPET、PPの回収が可能であった。
【0052】(実施例7)第2層の構成物質をPLA:
50重量%、アジピン酸2モル%共重合PET(固有粘
度0.50dl/g):10重量%、アジピン酸30モ
ル%共重合PET(固有粘度0.65dl/g):40
重量%、の比率で混合した以外は、実施例2と同様の手
法により、積層フィルムを製膜した。特性は、表1に示
したとおりであり、優れた特性を示した。
【0053】(実施例8)第2層の構成物質をPLA:
50重量%、アジピン酸20モル%共重合PBT(固有
粘度0.70dl/g):50重量%、の比率で混合
し、第3層の構成物質をPBTとした以外は、実施例2
と同様の手法により、積層フィルムを製膜した。特性
は、表1に示したとおりであり、優れた特性を示した。
【0054】(実施例9)第2層の構成物質をPLA:
50重量%、ポリエチレングリコール(分子量400
0)1モル%共重合PET(固有粘度0.57dl/
g):10重量%、ポリエチレングリコール(分子量4
000)20モル%共重合PET(固有粘度0.65d
l/g):40重量%、の比率で混合し、第3層の構成
物質をPBTとした以外は、実施例2と同様の手法によ
り、積層フィルムを製膜した。特性は、表1に示したと
おりであり、優れた特性を示した。
【0055】また、フィルムの透明性を確認したとこ
ろ、実施例7、8、9のいずれも実施例2に比べ透明性
に優れるものであった。
【0056】(比較例1)二軸延伸ポリプロピレンフィ
ルム(東レ製:“トレファン”)と二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(東レ製:“ルミラー”)と
を温度150℃で熱ラミネートし、積層体を作成した。
アルカリ溶液では分離回収が不可能であった。
【0057】
【表1】 ※1 単一の層を複数の物質で構成する場合、その重量
比を( )内に示した。 ※2 表中の略号は次のとおりである。
【0058】PET:ポリエチレンテレフタレート PLA:ポリ乳酸 PP:ポリプロピレン PET/I20 : イソフタル酸20モル%共重合ポリエ
チレンテレフタレート PET/AA:アジピン酸共重合PET(肩の数字は共
重合量[モル%] を示す。) PBT/AA:アジピン酸共重合PBT(肩の数字は共
重合量[モル%] を示す。) PET/PEG:ポリエチレングリコール共重合PET
(肩の数字は共重合量[モル%]を示す。)
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、酸またはアルカリ水溶
液処理により、一部または全部が溶解可能な層を少なく
とも一層、また分離回収可能なポリマー層を少なくとも
一層を有することより、フィルム、シート等の積層体に
優れたリサイクル性を発現させることができる。
【0060】工業材料、農業材料および包装材料等の用
途に用いられ、積層体の回収、リサイクルに好適であ
る。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸またはアルカリ水溶液処理により一部
    または全部が溶解可能な層と、該溶解可能な層から分離
    回収可能なポリマー層とからなることを特徴とする積層
    体。
  2. 【請求項2】 25℃の1規定水酸化ナトリウム水溶液
    に5日間浸漬後、分離回収可能なポリマー層の分子量保
    持率が50%以上であることを特徴とする請求項1に記
    載の積層体。
  3. 【請求項3】 25℃の1規定水酸化ナトリウム水溶液
    に5日間浸漬後、溶解可能な層の重量減少率が50%以
    上であることを特徴とする請求項1または2記載の積層
    体。
  4. 【請求項4】 溶解可能な層がポリ乳酸系樹脂を5〜1
    00重量%含有してなることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の積層体。
  5. 【請求項5】 溶解可能な層と回収可能なポリマー層の
    間にさらにポリ乳酸系樹脂を含む中間層を設けてなるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層
    体。
  6. 【請求項6】 中間層がポリエステル樹脂とポリ乳酸系
    樹脂の混合物からなることを特徴とする請求項5記載の
    積層体。
  7. 【請求項7】中間層に用いるポリエステル樹脂として、
    脂肪族ジカルボン酸および/またはポリエーテルを共重
    合したポリエステルを用いることを特徴とする請求項6
    記載のポリエステルフィルム。
  8. 【請求項8】 中間層がポリオレフィン樹脂とポリ乳酸
    系樹脂の混合物からなることを特徴とする請求項5記載
    の積層体。
  9. 【請求項9】 回収可能なポリマー層がポリエステル樹
    脂からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに
    記載の積層体。
  10. 【請求項10】 回収可能なポリマー層がポリオレフィ
    ン樹脂からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれ
    かに記載の積層体。
  11. 【請求項11】 溶解可能な層の他の一面に回収可能な
    ポリマー層をさらに積層してなることを特徴とする請求
    項1〜10のいずれかに記載の積層体。
  12. 【請求項12】 包装材料として用いられる請求項1〜
    11のいずれかに記載の積層体。
JP2000179708A 1999-06-16 2000-06-15 積層体 Pending JP2001058372A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000179708A JP2001058372A (ja) 1999-06-16 2000-06-15 積層体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-169115 1999-06-16
JP16911599 1999-06-16
JP2000179708A JP2001058372A (ja) 1999-06-16 2000-06-15 積層体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001058372A true JP2001058372A (ja) 2001-03-06

Family

ID=26492565

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000179708A Pending JP2001058372A (ja) 1999-06-16 2000-06-15 積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001058372A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001260281A (ja) * 2000-01-11 2001-09-25 Toray Ind Inc 積層フィルム
JP2003082271A (ja) * 2001-09-11 2003-03-19 Tohcello Co Ltd 被覆用組成物及び積層体
JP2004190026A (ja) * 2002-11-29 2004-07-08 Toray Ind Inc 樹脂組成物ならびにそれからなる成形品
EP2042301A1 (en) * 2006-07-19 2009-04-01 Mitsubishi Plastics, Inc. Laminated sheet material
WO2009084518A1 (ja) * 2007-12-28 2009-07-09 Toray Industries, Inc. 積層フィルムおよびそれからなる包装体
JP2010125672A (ja) * 2008-11-27 2010-06-10 Mitsubishi Plastics Inc 包装用フィルム
JP2010125671A (ja) * 2008-11-27 2010-06-10 Mitsubishi Plastics Inc 包装用フィルム
WO2024095940A1 (ja) * 2022-10-31 2024-05-10 東洋紡株式会社 積層フィルム、樹脂組成物、及びその製造方法
WO2024095941A1 (ja) * 2022-10-31 2024-05-10 東洋紡株式会社 積層フィルム、樹脂組成物、及びその製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0264147A (ja) * 1988-08-30 1990-03-05 Idemitsu Petrochem Co Ltd 共重合ポリエステル組成物
JPH04336246A (ja) * 1991-05-13 1992-11-24 Mitsui Toatsu Chem Inc 分解性ラミネート紙
JPH09302306A (ja) * 1996-05-17 1997-11-25 Mitsui Toatsu Chem Inc 粉体塗装法
JPH10258489A (ja) * 1997-03-19 1998-09-29 Dainippon Printing Co Ltd アルカリ可溶性樹脂積層体
JP2001260281A (ja) * 2000-01-11 2001-09-25 Toray Ind Inc 積層フィルム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0264147A (ja) * 1988-08-30 1990-03-05 Idemitsu Petrochem Co Ltd 共重合ポリエステル組成物
JPH04336246A (ja) * 1991-05-13 1992-11-24 Mitsui Toatsu Chem Inc 分解性ラミネート紙
JPH09302306A (ja) * 1996-05-17 1997-11-25 Mitsui Toatsu Chem Inc 粉体塗装法
JPH10258489A (ja) * 1997-03-19 1998-09-29 Dainippon Printing Co Ltd アルカリ可溶性樹脂積層体
JP2001260281A (ja) * 2000-01-11 2001-09-25 Toray Ind Inc 積層フィルム

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001260281A (ja) * 2000-01-11 2001-09-25 Toray Ind Inc 積層フィルム
JP2003082271A (ja) * 2001-09-11 2003-03-19 Tohcello Co Ltd 被覆用組成物及び積層体
JP2004190026A (ja) * 2002-11-29 2004-07-08 Toray Ind Inc 樹脂組成物ならびにそれからなる成形品
EP2042301A1 (en) * 2006-07-19 2009-04-01 Mitsubishi Plastics, Inc. Laminated sheet material
EP2042301A4 (en) * 2006-07-19 2012-03-07 Mitsubishi Plastics Inc LAMINATED RAIL MATERIAL
WO2009084518A1 (ja) * 2007-12-28 2009-07-09 Toray Industries, Inc. 積層フィルムおよびそれからなる包装体
JP5387402B2 (ja) * 2007-12-28 2014-01-15 東レ株式会社 積層フィルムおよびそれからなる包装体
JP2010125672A (ja) * 2008-11-27 2010-06-10 Mitsubishi Plastics Inc 包装用フィルム
JP2010125671A (ja) * 2008-11-27 2010-06-10 Mitsubishi Plastics Inc 包装用フィルム
WO2024095940A1 (ja) * 2022-10-31 2024-05-10 東洋紡株式会社 積層フィルム、樹脂組成物、及びその製造方法
WO2024095941A1 (ja) * 2022-10-31 2024-05-10 東洋紡株式会社 積層フィルム、樹脂組成物、及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001058372A (ja) 積層体
KR20040091576A (ko) 공압출, 열시일성 및 필러블 폴리에스테르 필름, 그 제조공정 및 그 용도
KR20010053131A (ko) 트리메틸렌-2,6-나프탈렌디카르복실레이트 (공)중합체의필름, 술폰산 4 급 포스포늄염 공중합 공중합체 및 그것의조성물
JP4967194B2 (ja) 積層フィルム
JP4345149B2 (ja) バリアフィルム
JP4386386B2 (ja) 易引裂性積層ポリエステルフィルム
JP3873334B2 (ja) ラミネート用二軸延伸ポリエステルフイルム
JP2004256625A (ja) 包装用ポリエステルフィルム
JP4300957B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP4655409B2 (ja) 成形用積層ポリエステルフィルム
JP2000355090A (ja) 白色フィルム
JP2002355888A (ja) 成形用二軸延伸ポリエステルフィルム
JP2003266535A (ja) 包装用ポリエステルフィルム
JP4182579B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2006015675A (ja) 建築材料用積層ポリエステルフィルム
JP2002210883A (ja) 積層フィルム及びそれを用いた離型フィルム
JP4172233B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP4923385B2 (ja) ポリエステルフィルム
JP2001200073A (ja) 貼り合わせ用ポリエステルフィルム
JP2003285409A (ja) 多層成形体および容器
WO2006016569A1 (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルム
JP2004216877A (ja) 積層ポリエステルフィルムおよびその製造方法
JP2005023107A (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2002194185A (ja) 成形加工用ポリエステルフィルム
KR100748929B1 (ko) 성형하기 쉬운 폴리에스테르 필름

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070614

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100309

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100720