JP2005023107A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】融点が215〜265℃で主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートおよび/またはエチレンナフタレートで構成されるポリエステル成分(A)を55〜95重量%と、融点が170〜230℃で主たる繰り返し単位がブチレンテレフタレートおよび/またはブチレンナフタレートで構成されるポリエステル成分(B)を5〜45重量%含むポリエステルフィルムであって、下記の特性(1)と特性(2)を有することを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
(1)ポリエステルフィルムの長手方向(MD)と幅方向(TD)の曲げ強さの平均が250〜1000μN
(2)ポリエステルフィルムの厚み方向の破壊強度が7〜25N/25mm
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二軸配向ポリエステルフィルムに関し、特に、耐屈曲性と耐摩耗性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステルフィルムは、優れた機械的特性、熱的特性、電気的特性、表面特性、光学特性、また、耐熱性、耐薬品性などの性質を利用して、磁気記録媒体用、工業材料用および包装用など種々の用途に幅広く用いられている。しかしながら、ポリエステルフィルムは、包装材料などで特に求められる耐屈曲性と耐摩耗性に劣るため、このような用途においてはナイロン二軸延伸フイルムが多く使用されている。ところが、ナイロンフイルムにおいても、吸湿率および湿度膨張係数が大きく、保存時や加工時の取り扱いに注意を要し、蒸着加工が困難であり、また、耐熱性や印刷適性、腰の強さ、寸法安定性を補うため、ポリエステルフィルムと貼り合わせた形態で用いられる場合が多い。
【0003】
一方、ポリエステルフィルム単体使用でこれに耐屈曲性を与える方法として、ポリエチレンテレフタレートにダイマー酸などの長鎖脂肪族ジカルボン酸等の成分を共重合することによって柔軟性ポリエステルフィルムを得る方法(特許文献1参照。)や、変性ポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートを配合し柔軟性ポリエステルフィルムを得る方法(特許文献2参照。)、融点の異なる二つのポリエステルを混練し耐屈曲性に優れたポリエステルフィルムを得る方法(特許文献3参照。)が提案されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1、2のような柔軟ポリエステルフィルムでは、機械強度が大きいというポリエステルフィルム本来の長所が損なわれるばかりではなく、耐熱性が低く、蒸着加工や印刷加工などの加工特性も劣ったものとなる。また、摩耗や突刺などの耐ピンホール性に劣ったものとなる。また、特許文献3のポリエステルフィルムでは、耐摩耗性が十分ではないため、未延伸ポリプロピレンやポリエチレンのようなシーラントと貼り合わせ包装袋として用いた際、過酷な条件下での輸送時に段ボールなどの梱包資材と擦れてピンホールが発生するといった問題がある
【0005】
【特許文献1】
特開平6−79776号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2001−11213号公報
【0007】
【特許文献3】
特開2003−113259号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、かかる従来技術の背景に鑑み、耐屈曲性と耐摩耗性が共に優れたポリエステルフィルムを提供せんとすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、融点が215〜265℃で主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートおよび/またはエチレンナフタレートで構成されるポリエステル成分(A)を55〜95重量%と、融点が170〜230℃で主たる繰り返し単位がブチレンテレフタレートおよび/またはブチレンナフタレートで構成されるポリエステル成分(B)を5〜45重量%含むポリエステルフィルムであって、下記の特性(1)と特性(2)を有することを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルムである。
(1)ポリエステルフィルムの長手方向(MD)と幅方向(TD)の曲げ強さの平均が250〜1000μN
(2)ポリエステルフィルムの厚み方向の破壊強度が7〜25N/25mm
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの固有粘度が0.6〜1.5dl/gであること、ポリエステル成分(A)がスルホン酸アルカリ金属塩基を有する残基を1〜50モル%含んでなること、ポリエステル成分(B)がスルホン酸アルカリ金属塩基を有する残基を1〜50モル%含んでなること、ガラス転移点が15℃以下で、柔軟成分が10〜85重量%共重合されたポリエステル成分(C)を0.3〜8重量%含んでなること、ポリエステルフィルムの熱固定温度がポリエステル成分(B)の融点−40〜+10℃であること、ポリエステルフィルムの厚みが6〜25μmであること、およびポリエステルフィルムの面配向係数が0.05〜0.18であることが、それぞれ好ましい態様として含まれる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、融点が215〜265℃で主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートおよび/またはエチレンナフタレートで構成されるポリエステル成分(A)と、融点が170〜230℃で主たる繰り返し単位がブチレンテレフタレートおよび/またはブチレンナフタレートで構成されるポリエステル成分(B)を基本成分として含むポリエステルフィルムである。 本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを構成するポリエステルとは、主鎖中の主要な結合をエステル結合とする高分子化合物の総称であって、通常、ジカルボン酸成分とグリコール成分を重縮合反応させることによって得ることができる。
【0011】
ここで使用されるジカルボン酸成分は、主としてテレフタル酸およびナフタレンジカルボン酸である。本発明の効果を阻害しない限りにおいて、共重合成分として、例えば、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキシンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等を使用することができる。
【0012】
また、ここで使用されるグリコール成分は、主としてエタンジオールである。本発明の効果を阻害しない限りにおいて、共重合成分として、例えば、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール等を使用することができる。
【0013】
これらのジカルボン酸成分、グリコ−ル成分は2種以上を併用してもよい。
【0014】
また、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、例えば、トリメリット酸、トリメシン酸、トリメチロ−ルプロパン等の多官能化合物や、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリブチレングリコール等のポリエーテルを共重合することもできる。
【0015】
本発明で使用されるポリエステルを製造する際の重合触媒としては、例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物等が挙げられ、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物およびチタン化合物が好ましく用いられる。また、着色防止剤を使用してもよく、例えば、リン化合物等を使用することができる。
【0016】
重合触媒と着色防止剤は、通常、ポリエステルの重合が完結する以前の任意の段階において、添加することが好ましい。このような方法としては、例えば、ゲルマニウム化合物を例にすると、ゲルマニウム化合物粉体をそのまま添加する方法や、あるいは、ポリエステルの出発原料であるグリコ−ル成分中にゲルマニウム化合物を溶解させ添加する方法(例えば、特公昭54−22234号公報参照。)等を挙げることができる。ゲルマニウム化合物としては、例えば、二酸化ゲルマニウム、結晶水含有水酸化ゲルマニウム、あるいはゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラブトキシド、ゲルマニウムエチレングリコキシド等のゲルマニウムアルコキシド化合物、ゲルマニウムフェノレ−ト、ゲルマニウムβ−ナフトレ−ト等のゲルマニウムフェノキシド化合物、リン酸ゲルマニウム、亜リン酸ゲルマニウム等のリン含有ゲルマニウム化合物および酢酸ゲルマニウム等を使用することができる。中でも、二酸化ゲルマニウムが好ましい。また、アンチモン化合物としては、例えば、三酸化アンチモンなどのアンチモン酸化物および酢酸アンチモンなどを使用することができる。チタン化合物としては、テトラエチルチタネートやテトラブチルチタネートなどのアルキルチタネート化合物などが好ましく使用される。
【0017】
高温、減圧下で重縮合反応せしめたポリエステルは、さらに、その融点以下の温度で減圧下または不活性ガス雰囲気下で固相重合反応せしめ、アセトアルデヒドの含有量を減少させたり、所定の固有粘度、カルボキシル末端基量に調製することができる。
【0018】
本発明で用いられるポリエステル成分(A)は、融点が215〜265℃であることが重要であり、融点は好ましくは225℃〜260℃、特に好ましくは235℃〜258℃である。かかる融点範囲であると、本発明の目的である耐摩耗性と耐熱性に優れたものとなる。ポリエステル成分(A)の融点が215℃未満では耐熱性に劣るものとなり、一方、融点が265℃を超えると耐屈曲性と耐衝撃性に劣ったものとなる。ポリエステル成分(A)は、エチレンテレフタレートおよび/またはエチレンナフタレートで構成されるポリエステルであり、特に、ポリエチレンテレフタレートのホモポリエステルや、ポリエチレンテレフタレートに、イソフタル酸、1,4シクロヘキサンジカルボン酸、プロパンジオール、ブタンジオールの少なくとも1種類を本発明の効果を阻害しない限りにおいて共重合せしめたコポリエステルが好ましく使用される。
【0019】
また、ポリエステル成分(A)は、スルホン酸アルカリ金属塩基を有する残基を1〜50モル%含んでなることが好ましく、該残基はより好ましくは1〜25モル%、特に好ましくは1〜15モル%である。このスルホン酸アルカリ金属塩基を有する残基は、ポリエステル成分(A)に共重合成分として取り込まれ、該残基が取り込まれることによって、本発明の目的である耐摩耗性がより優れたものとなる。共重合量が50モル%を超えると機械強度や耐熱性に劣ったものとなる。
【0020】
本発明で用いられるポリエステル成分(B)は、融点が170〜230℃であることが重要であり、融点は好ましくは190℃〜225℃、特に好ましくは200℃〜224℃である。かかる融点範囲であると、本発明の目的である耐屈曲性に優れたものとなる。ポリエステル成分(B)の融点が170℃未満では耐熱性に劣るものとなり、融点が230℃を超えると耐屈曲性と耐衝撃性に劣ったものとなる。ポリエステル成分(B)は、ブチレンテレフタレートおよび/またはブチレンナフタレートで構成されるポリエステルであり、特に、ポリブチレンテレフタレートのホモポリエステルや、ポリブチレンテレフタレートに、イソフタル酸、1,4シクロヘキサンジカルボン酸、エチレンジオール、プロパンジオールの少なくとも1種類を本発明の効果を阻害しない限りにおいて共重合せしめたコポリエステルが好ましく使用される。
【0021】
また、ポリエステル成分(B)は、スルホン酸アルカリ金属塩基を有する残基を1〜50モル%含んでなることが好ましく、該残基はより好ましくは1〜25モル%、特に好ましくは1〜15モル%である。このスルホン酸アルカリ金属塩基を有する残基は、ポリエステル成分(B)に共重合成分として取り込まれ、該残基が取り込まれることによって、本発明の目的である耐摩耗性がより優れたものとなる。共重合量が50モル%を超えると機械強度や耐熱性に劣ったものとなる。
【0022】
上記ポリエステル成分(A)とポリエステル成分(B)に取り込まれるスルホン酸アルカリ金属塩基を有する残基を構成する成分としては、エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化物、例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸および4−スルホナフタレン−2,6−ジカルボン酸等のアルカリ金属塩を挙げることができ、中でも5−スルホイソフタル酸やスルホテレフタル酸のリチウム、ナトリウムおよびカリウム塩がより好ましく用いられる。
【0023】
ポリエステル成分にスルホン酸アルカリ金属塩基のようなイオン結合を有する残基を共重合せしめることは、分子鎖間の相互作用を大きくする効果があり、分子鎖のすり抜けが抑制されるため、耐摩耗性の向上に有効である。
【0024】
本発明においては、上記ポリエステル成分(A)とポリエステル成分(B)に、さらにガラス転移点が15℃以下で、柔軟成分が10〜85重量%共重合されたポリエステル成分(C)を加えて、本発明のポリエステルフィルムとすることができる。
【0025】
このポリエステル成分(C)は、上述の重縮合反応により得られるポリエステルに柔軟成分をブロック共重合せしめたポリエステルであり、製造方法はこれに限定されたものではないが、ポリエステルと柔軟成分を押出機で溶融混練する方法、また、ポリエステルの重合工程において柔軟成分を添加して重縮合することにより得ることができる。
【0026】
ここで用いられる柔軟成分としては、ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、ポリラクトンおよびポリオレフィンなどを示すことができ、特にポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルが好ましい。ポリエステルに他のポリマー、特に直鎖型のポリエーテルをブロック共重合させることにより、分子運動性の高いセグメント(ソフトセグメント)が形成される。外部からの衝撃や、折り曲げによる衝撃などは、分子鎖内のソフトセグメントにより吸収され、耐衝撃性、屈曲性に優れたものとなる。ポリエステルに柔軟成分をブロック共重合させる割合は10〜85重量%が好ましく、より好ましくは20〜75重量%、特にこの好ましくは30〜65重量%である。かかる好ましい範囲であると本発明の目的である耐屈曲性がより優れたものになる。柔軟成分が10重量%未満では耐屈曲性に劣ったものとなり、85重量%を超えるとヘイズの増加や機械強度が低下する傾向を示す。
【0027】
ポリエステル成分(C)は、ガラス転移点が15℃以下であることが好ましく、より好ましくは0℃以下、特に好ましくは−15℃以下である。かかる好ましい範囲であると本発明の目的である耐屈曲性がより優れたものとなる。ガラス転移点は、耐屈曲性の点からフィルムの使用温度−10℃以下であることが好ましい。また、ガラス転移点は取り扱い性から−100℃以上であることが好ましい。
【0028】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエステル成分(A)が55〜95重量%、ポリエステル成分(B)が5〜45重量%を含有することが必要である。ポリエステル成分(A)は、好ましくは60〜90重量%、特に好ましくは65〜85重量%であり、ポリエステル成分(B)は好ましくは10〜40重量%、特に好ましくは15〜35%である。かかる範囲であると本発明の目的である耐屈曲性に優れたものになる。ポリエステル成分(A)が55重量%未満、またはポリエステル成分(B)が45重量%を超えると、耐熱性、機械強度、寸法安定性などの性能が低下し、本発明の目的である耐摩耗性が劣るものとなり、またポリエステル成分(A)が95重量%を超える、またはポリエステル成分(B)が5重量%未満では、本発明の目的である耐屈曲性が劣るものとなる。
【0029】
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエステル成分(C)を0.3〜8重量%含有することが好ましく、より好ましくは0.5〜5重量%、特に好ましくは1〜3重量%である。かかる好ましい範囲であると本発明の目的である耐屈曲性がより優れたものになる。ポリエステル成分(C)が5重量%を超えるとヘイズの増加や機械強度が低下する傾向を示す。
【0030】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの固有粘度は、0.6〜1.5dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.70〜1.2dl/g、特に好ましくは0.75〜0.9dl/gである。かかる好ましい範囲であると本発明の目的である耐摩耗性がより優れたものとなる。0.6dl/g未満では耐摩耗性、耐衝撃性に劣ったものとなり、1.5dl/gを超えるとコストの増加や生産性が問題となることがある。
【0031】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの長手方向(MD)と幅方向(TD)の曲げ強さの平均は250〜1000μNであることが必要があり、好ましくは300〜900μN、より好ましくは300〜800μN、特に好ましくは300〜700μNである。かかる好ましい範囲であると本発明の目的である耐摩耗性と耐屈曲性に優れたものとなる。長手方向(MD)と幅方向(TD)の曲げ強さの平均が250μN未満では腰、機械強度が低下し、印刷などの加工適性、取り扱い性に劣り、1000μNを超えると耐屈曲性、耐摩耗性に劣るものとなる。 曲げ強さは、フィルムの腰および変形のしやすさの指標である。腰が強いフィルムは屈曲時に負荷が変形部に集中しピンホールが発生しやすく耐屈曲性に劣る。また、フィルムを四つ折りにし角を作り段ボールなどと擦りあわせた際、角がつぶれにくいため、負荷が点に集中しピンホールが発生しやすいため耐摩耗性に劣るものとなる。
【0032】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの厚み方向の破壊強度は7〜25N/25mmであることが必要であり、好ましくは8〜22N/25mm、さらに好ましくは9〜19N/25mm、特に好ましくは11〜16N/25mmである。破壊強度がかかる好ましい範囲であると本発明の目的である耐摩耗性に優れたものとなる。破壊強度が7N/25mm未満では耐摩耗性に劣り、また25N/25mmを超えると曲げ強さが上記該範囲を超えることになり、耐摩耗性と耐屈曲性の両立が困難となる。
【0033】
従来の二軸配向ポリエステルフィルムは長手方向、幅方向と延伸するため面方向の強度は向上するものの、厚み方向の強度が低下するものである。摩耗の際、一方向でも弱い方向があると選択的に弱い方向から破壊が起こり耐摩耗性に劣るものとなりやすい。厚み方向の破壊強度を該範囲とする手法としては、例えば、ポリエステル成分(A)およびポリエステル成分(B)にスルホン酸アルカリ金属塩基を有する残基を1〜50モル%共重合せしめる、あるいはフィルムの固有粘度を0.6〜1.5dl/gに調製することが有効である。
【0034】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、厚みが6〜25μmであるこが好ましく、より好ましくは8〜20μm、特に好ましくは9〜15μmである。厚みがかかる好ましい範囲であると本発明の目的である耐屈曲性と耐摩耗性に優れたものとなる。厚みが6μm未満では機械強度が低下し、25μmを超えると耐屈曲性と耐摩耗性が劣る傾向を示す。
【0035】
また、本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは、それを単層で使用することができ、またそれを複数層積層して使用することもできる。また、本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは、他のフィルムと積層して用いることができる。この場合、積層形態は特に限定されるものではないが本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムを他のフィルムの片面に積層した2層構造や、2層の他のフィルムの中央に本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムを積層した3層構造などがある。積層する他のフィルム特に限定されるものではないが、例えば、融点が240〜265℃で主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートおよび/またはエチレンナフタレートで構成されるポリエステルが75重量%以上からなるポリマーからなり、積層厚みがフィルム全体の厚みに対して5〜30%であることが耐熱性、蒸着適性および印刷適性などの表面加工適性の点から有効である。
【0036】
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、面配向係数が0.10〜0.18であることが好ましく、より好ましくは0.12〜0.17、特に好ましくは0.14〜0.16である。面配向係数がかかる好ましい範囲であると耐熱性と機械強度に優れたものになる。面配向係数が0.10未満では機械強度が低下し、0.18を超えると耐摩耗性が劣る傾向を示す。
【0037】
フィルムの面配向係数を上記した範囲内とする方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、フィルムの長手方向または幅方向の延伸倍率、延伸温度、延伸速度、さらには熱処理温度や熱処理時間の調整などにより達成することができる。
【0038】
本発明の二軸配向ポリエステルフイルムには、取い扱い性、加工性とヘーズを両立させるために、平均粒子径0.01〜5μmの内部粒子、無機粒子および/または有機粒子などの外部粒子の中から任意に選定される粒子が0.01〜10重量%含有されていることが好ましく、特に0.01〜0.2重量%含有されていることが好ましい。なお、10μmを超える平均粒子径を有する粒子を使用するとフィルム破れなどの欠陥が生じ易くなるので好ましくない。
【0039】
前記無機粒子および/または有機粒子としては、例えば、湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、マイカ、カオリン、クレー等の無機粒子、およびスチレン、シリコーン、アクリル酸類等を構成成分とする有機粒子等を挙げることができる。
【0040】
これらの内部粒子、無機粒子および/または有機粒子は二種以上を併用してもよい。表面ヘイズをコントロールする点から球状粒子が好ましく、特にシリカおよびアルミナが好ましく用いられる。
【0041】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムには、帯電防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、結晶核剤、耐候剤、紫外線吸収剤、顔料および染料などの添加剤を本発明の目的を損なわない範囲において用いることができる。これらの添加成分の添加方法はとくに限定されず、例えば、ポリエステルの溶融重合時、固相重合時、あるいは押出機中などにこれらの添加成分を添加することができる。
【0042】
次に、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法について述べるが、本発明は、特にこれに限定されるものではない。ポリエステル成分(A)とポリエステル成分(B)を含むポリエステルチップを必要に応じて乾燥した後、公知の溶融押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出し、静電印加などの方式によりキャスティングドラムに密着させ冷却固化し、未延伸シートを得る。得られた未延伸シートをフイルムの長手方向および幅方向に延伸、熱処理し、目的とする二軸配向ポリエステルフィルムを得る。延伸はフィルムの品質の点でテンター方式によるものが好ましく、長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する逐次二軸延伸方式、および長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方式が好ましい。
【0043】
延伸倍率は、長手方向と幅方向それぞれの方向に1.5〜6.0倍が好ましく、より好ましくは2.0〜5.0倍である。長手方向と幅方向の延伸倍率はどちらを大きくしてもよく、同一としてもよい。また、延伸速度は1,000%/分〜200,000%/分であることが好ましい。また、延伸温度は、80〜150℃が好ましい。
【0044】
二軸延伸の後にフイルムの熱処理を行うが、この熱処理方法は特に限定されず、オ−ブン中や加熱されたロ−ル上などで熱処理する、公知の方法で行なうことができる。熱固定温度は、ポリエステル(B)の融点−40℃〜+10℃が好ましく、より好ましくは−30〜+5℃、特に好ましくは−25〜融点である。かかる好ましい範囲であると本発明の目的である耐屈曲性に優れたものになる。ポリエステル成分(A)と相溶性の良いポリエステル成分(B)を混合し、かつ、ポリエステル成分(B)の融点近傍で熱処理を行うことにより、ポリエステル成分(A)の非晶部の配向が緩和され、分子運動性が高められ耐屈曲性が向上する。かかる熱処理温度がポリエステル成分(B)の融点−40℃未満では、非晶部の配向緩和が不十分であり、一方、ポリエステル成分(B)の融点+10℃を超えると結晶化が進み脆くなりやすいため耐屈曲性が劣ったものとなりやすい。
【0045】
また、二軸延伸を行った後、特定のエネルギーを与えることにより、ポリエステル(樹脂)の非晶部分の運動性を高める処理を行うことが好ましい。かかるエネルギーを付与する方法としては、赤外線や紫外線などの特定波長の電磁波を吸収する添加剤をあらかじめ添加して、電磁波を照射する方法、電子線を照射する方法、特定条件で加熱する方法や、これらの組み合わせなどを採用することができる。
【0046】
また、寸法安定性の点から上記熱処理はフィルムをその長手方向および/または幅方向に3〜10%弛緩させつつ行うことが好ましく、より好ましくは4〜8%、特に好ましくは5〜7%である。また、再延伸を各方向に対して1回以上行ってもよく、再延伸後、熱処理を行っても良い。
【0047】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルムにコロナ放電処理などの表面処理を施すことにより接着性を向上させることができる。その際の処理強度は5〜50W・min/m2が好ましく 、より好ましくは10〜45W・min/m2である。また、エンボス加工やサンドマット加工などの表面凹凸加工、あるいは、プラズマ処理、アルカリ処理、火炎処理および電子線放射処理などの表面処理を必要に応じて施してもよい。
【0048】
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムには、金属膜蒸着適性の点から、易接着処理剤をコーティングすることが好ましい。易接着処理剤としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリシロキサンおよびエポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。
【0049】
さらに、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムに、帯電防止剤、水蒸気・ガスバリア剤(ポリ塩化ビニリデンなど)、離型剤、粘着剤、接着剤、難燃剤、紫外線吸収剤、マット化剤、顔料および染料などのコーティングや印刷を行なってもよく、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、パラジウムなどの金属やその化合物を遮光、水蒸気・ガスバリア、表面導電性、赤外線反射などの目的で真空蒸着してもよく、その目的、方法についてはこれらに限定されない。
【0050】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの用途は特に限定されないが、包装材料用および成形加工用に好ましく使用される。
【0051】
以下に、本発明に用いた各物性と特性の測定、評価方法について説明する。
【0052】
(1)融点、熱固定温度、ガラス転移点
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC2)を用いて測定した。ポリエステル(樹脂)サンプル10mgを窒素気流下で10℃/分の速度で−100℃から280℃まで昇温する過程でガラス状態からゴム状態への転移に伴う比熱変化をガラス転移点、結晶融解に伴う吸熱ピーク温度を融点とした。また、フィルムサンプル10mgを窒素気流下で10℃/分の速度で20℃から280℃まで昇温する過程で熱処理に起因するサブ吸熱ピークを熱処理温度とした。
【0053】
(2)曲げ強さ
ポリエステルフィルムサンプルを長手方向と幅方向に長さ10cm、幅10mmに切り出す。東洋精機製作所(株)製ループスティッフネステスタを用いて曲げ強さ(μN)を測定した。ループ長は50mm、押しつぶし距離は20mmとした。
【0054】
(3)厚み方向の破壊強度
厚み方向の破壊強度はJIS K−6854に規定されたもののうち、T形剥離の方法を参考に行なった。ポリエステルフィルムの両面にコロナ処理を行ない、三井武田ケミカル(株)製接着剤”タケラック”(登録商標)A610と硬化剤”タケネート”(登録商標)A50と酢酸エチルを36:4:60で混合した接着剤を、塗布厚み3g/m2となるようにメタバーを用いて塗布した。これに被着材として片面をコロナ処理した東レ(株)製PETフィルム“ルミラー”(登録商標)T60(厚み188μm)を両面に貼り合わせ、40℃で96時間硬化させた。このときチャックでつかむ部分として、被着材のPETフィルムを一辺だけサンプルのフィルムより50mm以上はみだすようにした。ただし、他の接着剤を用いて貼り合わせる場合、硬化温度、硬化時間は接着剤により十分接着強度が得られる条件で行う。他の接着剤を用いて貼り合わせる場合、これら貼り合わせの工程でサンプルとなるフィルムの特性が変わらないように、接着剤を選定する。次に、幅25±0.2mm、接着部分125mm以上、チャックでつかむ部分50mmとなるように切り出し、東洋精機製作所株式会社製の引張試験機で、被着材のPETフィルムを上下のチャックにはさみ、100±5mm/minでチャックを移動させてサンプルのフィルムが剥離するときの荷重を測定した。厚み方向の破壊強度の値としては、被着材に破れがなくサンプルとなるフィルムが破壊した試験の破壊開始25mmから125mmまでの荷重の平均値を試験片の幅(25±0.2mm)で除した値を用いた。また、接着剤部分で剥離した場合は試験を再度やり直した。接着剤部分での剥離は、剥離または/および劈開部分を酢酸エチルでふき取り、接着剤がふき取られたか否かで判断した。1サンプルについて10検体測定し、最大値と最小値をのぞいた残り8つの値の平均値を表1に記載した。
【0055】
(4)固有粘度
サンプルをオルソクロロフェノールに溶解し、25℃において測定した。
【0056】
(5)フィルム厚み
フィルムの厚みは、ダイヤルゲージにて任意の10ヶ所を測定し、その平均値を求めた。
【0057】
(6)面配向係数
ナトリウムD線を光源として、アッベ屈折計を用いて長手方向、幅方向、厚み方向の屈折率(Nx,Ny,Nz)を測定し、下記式により求めた。
面配向係数fn={(Nx+Ny)/2}−Nz
(7)耐屈曲性
ASTM F−392に規定されたゲルボテスターを使用し、フィルムサンプル(280mm×180mm)を雰囲気温度0℃で、500回のゲルボ繰り返し折り曲げ試験を実施した。試験後のピンホール個数を測定した。サンプル10検体を測定し平均値を求めた。C級以上が合格である。
A級:ピンホールが2個以下
B級:ピンホールが5個以下
C級:ピンホールが8個以下
D級:ピンホールが8個を越える、もしくは破断する。
【0058】
(8)耐摩耗性
50cm×50cm×20cmの段ボール(シート:K6、フロート1段)に水充填袋を10袋入れ、17℃の雰囲気下で25回転/分の回転速度で回転させ、5分おきにピンホールの発生を確認し、全サンプルが破袋するまで試験を続けた。全サンプルが破袋するまでの平均時間を下記式より求めた。C級以上が合格である。
破袋平均時間=(5×x+10×y+15×z+・・・)/10
試験開始0〜5分に破袋したサンプル数:x
試験開始5〜10分に破袋したサンプル数:y
試験開始10〜15分に破袋したサンプル数:z
A級:破袋平均時間が20分以上
B級:破袋平均時間が17分以上
C級:破袋平均時間が14分以上
D級:破袋平均時間が14分未満
なお、水充填袋作成方法は以下の通りである。
【0059】
フィルム片面にコロナ処理を行い、三井武田ケミカル(株)製接着剤”タケラック”(登録商標)A610と硬化剤”タケネート”(登録商標)A50と酢酸エチルを36:4:60で混合した接着剤を、塗布厚み3g/m2となるようにメタバーを用いて塗布した。これに出光ユニラックス(株)製LLDPEフィルム(”ユニラックス”(登録商標)LS−722CN、厚み50μm)を貼り合わせ、40℃で96時間硬化させた。ついで製袋装置を用い80mm×60mm(3方シール、内寸60mm×50mm)の大きさの袋にし、水15g充填した。
【0060】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明する。
【0061】
(実施例1)
ポリエステル成分(A)として、表1に記載のポリエステル(3)を79重量%、ポリエステル成分(B)としてポリエステル(6)を19重量%、ポリエステル成分(C)としてポリエステル(7)を1重量%を用い、平均粒径0.1μmのアルミナ粒子を0.05重量%含有するようにしてポリマー組成物を調整しポリマーチップとした。得られたポリマーチップを130℃で5時間真空乾燥したのち単軸押出機に供給し、押出温度280℃で溶融押出を行い、静電印加しながら鏡面冷却ドラムにて冷却固化して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを、延伸温度非粘着シリコーンロールにてロール/ロール間で延伸温度95℃にて長手方向に3.8倍延伸後、テンター内で120℃で幅方向に3.5倍延伸し、次いで、熱固定温度195℃にて5秒間熱処理しながら幅方向にリラックス4%することにより、二軸延伸された厚さ12μmのポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、表2に示すとおり優れた特性を示した。
【0062】
(実施例2)
ポリエステル成分(A)として表1のポリエステル(4)を79重量%、ポリエステル成分(B)としてポリエステル(5)を19重量%、ポリエステル成分(C)としてポリエステル(7)を1重量%を用い、長手方向の延伸温度98℃、熱固定温度を198℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして二軸延伸された厚さ12μmのポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、表2に示すとおり優れた特性を示した。
【0063】
(実施例3)
ポリエステル成分(A)として表1のポリエステル(3)を90重量%、ポリエステル成分(B)としてポリエステル(5)を10重量%を用い、熱固定温度を231℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして2軸延伸された厚さ9μmのポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、表2に示すとおり優れた特性を示した。
【0064】
(実施例4)
ポリエステル成分(A)として表1のポリエステル(2)を85重量%、ポリエステル成分(B)としてポリエステル(6)を15重量%を用い、長手方向の延伸倍率3.5倍、長手方向の延伸温度100℃、熱固定温度を190℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして2軸延伸された厚さ12μmのポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、表2に示すとおり優れた特性を示した。
【0065】
(比較例1)
表1に記載のポリエステル(2)を用い、長手方向の延伸倍率4.0倍、長手方向の延伸温度100℃、熱処理温度220℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして2軸延伸された厚さ12μmのポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、表2に示すとおり、ポリエステル(B)の重量%が本発明の範囲から外れた本比較例1例は、耐屈曲性に劣っていた。
【0066】
(比較例2)
表1のポリエステル(1)とポリエステル(5)を重量比で90:10で混合したものを用い、長手方向の延伸倍率4.0倍、幅方向の延伸倍率3.8倍、熱処理温度190℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして2軸延伸された厚さ12μmのポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、表2に示すとおり、厚み方向の破壊強度が本発明の範囲から外れた本比較例2は、耐摩耗性に劣っていた。
【0067】
(比較例3)
ポリエステル(2)とポリエステル(5)を重量比で96:4で混合したものを用い、長手方向の延伸倍率3.3倍、熱処理温度239℃に変更した以外は実施例1と同様にして2軸延伸された厚さ18μmのポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、表2に示すとおり、ポリエステル(B)の重量%と曲げ強さが本発明の範囲から外れた本比較例3は、耐屈曲性と耐摩耗性に劣っていた。
【0068】
【表1】
【0069】
なお、上記表中の略号は以下のとおりである。
PET:ポリエチレンテレフタレート
PET/SSIA:5−ナトリウムスルホイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート
PBT:ポリブチレンテレフタレート
PET/SSIA:5−ナトリウムスルホイソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート
PBT/PTMG:ポリテトラメチレングリコール共重合ポリブチレンテレフタレート
【0070】
【表2】
【0071】
なお、上記表中の略号は以下のとおりである。
MD:長手方向
TD:幅方向
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、従来のポリエステルフィルムにはない耐屈曲性と耐摩耗性に優れたポリエステルフィルムが得られる。このポリエステルフィルムは、例えば、食品包装のように内容物保護のため耐ピンホール特性が要求される用途に好適であり、その工業的価値は著しく大きい。
Claims (8)
- 融点が215〜265℃で主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートおよび/またはエチレンナフタレートで構成されるポリエステル成分(A)を55〜95重量%と、融点が170〜230℃で主たる繰り返し単位がブチレンテレフタレートおよび/またはブチレンナフタレートで構成されるポリエステル成分(B)を5〜45重量%含むポリエステルフィルムであって、下記の特性(1)と特性(2)を有することを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
(1)ポリエステルフィルムの長手方向(MD)と幅方向(TD)の曲げ強さの平均が250〜1000μN
(2)ポリエステルフィルムの厚み方向の破壊強度が7〜25N/25mm - ポリエステルフィルムの固有粘度が0.6〜1.5dl/gであることを特徴とする請求項1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- ポリエステル成分(A)がスルホン酸アルカリ金属塩基を有する残基を1〜50モル%含んでなる、厚み方向の破壊強度が7〜25N/25mmであることを特徴とする請求項1または2記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- ポリエステル成分(B)がスルホン酸アルカリ金属塩基を有する残基を1〜50モル%含んでなる、厚み方向の破壊強度が7〜25N/25mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- ガラス転移点が15℃以下で、柔軟成分が10〜85重量%共重合されたポリエステル成分(C)を0.3〜8重量%含んでなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- ポリエステルフィルムの熱固定温度が、ポリエステル成分(B)の融点−40〜+10℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- ポリエステルフィルムの厚みが6〜25μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- ポリエステルフィルムの面配向係数が0.10〜0.18であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
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