JP2001048521A - 微細球状シリカ粉末とその製造方法および用途 - Google Patents
微細球状シリカ粉末とその製造方法および用途Info
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Abstract
損なわせることなく、封止材の流動性と信頼性を大幅に
向上させることのできる、微細球状シリカ粉末、無機質
充填材、および樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】平均粒子径が0.10〜1.0μm、比表
面積が5〜40m2/g、シラノール基濃度が0.5〜
5.0個/nm2であることを特徴とする微細球状シリ
カ粉末。この微細球状シリカ粉末の原料シリカ質粉末の
火炎溶融製法。この微細球状シリカ粉末を含有してなる
無機質充填材、樹脂組成物。
Description
0〜1.0μmの微細球状シリカ粉末とその製造方法お
よび用途に関する。詳しくは、分散性、充填性に優れ、
充填材として好適な微細球状シリカ粉末とその工業的製
造方法およびそれを用いた無機質充填材と半導体封止材
料など樹脂組成物の用途に関するものである。
止材」という。)のフィラーとして、結晶質および非晶
質シリカ等の破砕状粉末が使用されていたが、近時のそ
の高性能化、表面実装方式の採用、さらにはチップの大
型化とパッケージの薄型化が進んでいる中、樹脂封止材
料の半田耐熱性が要求されるようになり、樹脂に高充填
が可能な球状フィラーが破砕フィラーと併用若しくは単
独で使用されるようになった。例えば、特開平2−17
3155号公報には、平均粒子径40μm以下の球状シ
リカと平均粒子径12μm以下の破砕シリカとを混用す
ることが示されている、また特開平7−25607号公
報には、球状シリカを単独で使用することが示されてい
る。
は、例えば金属微粒子を火炎中に投じて酸化反応させな
がら球状化する方法、金属アルコラートを特定の条件で
ゾルゲル法により析出させ球状化する方法、酸化物粉末
を高温火炎中で溶融または軟化により球状化する方法、
四塩化珪素ガスを酸水素炎で分解・酸化する方法等があ
る。
成物中に占めるフィラーの比率を高めた場合、成形時の
流動性は低下し、チップを搭載したダイが変位したり金
ワイヤーの流れや切断を伴う等、様々な成形性不良を招
くという問題がある。
形性(流動性)を損なわせないようにした技術として、
例えばロジンラムラー線図で表示した直線の勾配を0.
6〜0.95とし粒度分布を広くする方法(特開平6−
80863号公報)、ワーデルの球形度で0.7〜1.
0とし、より球形度を高くする方法(特開平3−661
51号公報)、さらには封止材の流動性を高めるため、
平均粒子径0.1〜1μm程度の球状微小粉末を少量添
加する方法(特開平5−239321号公報)等が提案
されている。
する方法は、フィラーの高充填域においても封止材の流
動特性やバリ特性が飛躍的に改善できるため、最近注目
を浴びている。このような球状の微小粉末は、主として
金属粉末を火炎中に投じて酸化反応させながら球状化す
る方法で製造されており、市販品として「アドマファイ
ンSO−25R」、「アドマファインSO−C2」(ア
ドマテックス社製、商品名)などがある。しかしなが
ら、このような球状微小粉末添加による流動性改善効果
は認められるものの、樹脂への分散性に問題があり、フ
ィラーの高充填域において充分な流動性や成形体の信頼
性が得られていなかった。
て鋭意検討した結果、上記微細球状シリカ粉末のシラノ
ール基濃度が少なくとも6個/nm2程度以上であり、
それが強く悪影響していることをつきとめ、本発明を提
案するに至ったものである。本発明の目的は、フィラー
の高充填域においても、その分散性を損なわせることな
く、封止材の流動性と信頼性(耐半田クラック性)を大
幅に向上させることのできる、微細球状シリカ粉末、そ
れを用いた無機質充填材および樹脂組成物を提供するこ
とである。
径が0.10〜1.0μm、比表面積が5〜40m2/
gであって、シラノール基濃度が0.5〜5.0個/n
m2であることを特徴とする微細球状シリカ粉末であ
る。
よって形成された高温火炎中でシリカ質原料を噴射し、
得られた球状シリカ粉末を分級処理する方法において、
炉体から捕集器までのガス湿度の露点を30〜75℃に
維持することを特徴とする平均粒子径0.10〜1.0
μmの微細球状シリカ粉末の製造方法である。
末を3〜30重量%含有してなることを特徴とする無機
質充填材であり、その無機質充填材を80〜95重量%
含有してなることを特徴とする樹脂組成物である。
て説明する。
均粒子径と比表面積およびシラノール基濃度を有するも
のであり、それと母体フィラーとを併用することによっ
て、エポキシ樹脂やシランカップリング剤を用いた封止
材において、無機質充填材の高充填領域においてもその
流動性を大幅に向上させることができ、封止材の信頼性
を著しく高めることができるものである。
粒子径が0.10〜1.0μm、比表面積が5〜40m
2/gであって、且つシラノール基濃度が0.5〜5.
0個/nm2であることが必要である。平均粒子径が
0.10μm未満で、比表面積が40m2/gをこえる
場合、または平均粒径が1.0μmをこえ、比表面積が
5m2/g未満であると、フィラーの高充填域における
封止材の流動性改善効果が不十分となる。また、本発明
の微細球状シリカ粉末のシラノール基濃度が0.5個/
nm2未満では、封止材の強度補強と吸湿性の抑制作用
を示すカップリング剤が反応する活性サイトが少なくな
る。一方、5.0個/nm2をこえると、封止材を調製
する際に凝集粒子の増大による分散不良を引き起こし、
カップリング剤と反応していないシラノール基が増大す
るため封止材の吸湿性を悪化させる。
光法、比表面積はBET法、またシラノール基濃度はカ
ールフィッシャ法によってそれぞれ測定される。それら
の機器の一例は、コールター社製粒度測定器(モデルL
S−230型)、湯浅アイオニクス社製比表面積測定器
(モデル4−SORB)、三菱化学社製微量水分測定器
(モデルCA−05)である。
て、ヘキサメタリン酸ソーダなどの分散剤を適量添加し
た純水が用いられ、また超音波分散を付与することが望
ましい。
度を測定するには、水分気化装置に微細球状シリカ粉末
をセットし、電気ヒーターで加熱しながら脱水処理され
たアルゴンガスをキャリアガスとして供給し、微細球状
シリカ粉末表面に付着したシラノール基が縮合して揮発
した水蒸気を測定器に導き、その水分を測定することに
よって行われる。本発明においては、加熱温度250℃
未満までに発生した水分は、物理的な吸着水とし、加熱
温度250℃から900℃までに発生した水分がシラノ
ール基の脱水縮合によるものとし、それを基に単位表面
積あたりのシラノール基濃度を求めた。
状」の程度としては、球形度の平均値が0.90以上、
特に0.95以上であることが好ましい。球形度は、走
査型電子顕微鏡(日本電子社製「JSM−T200
型」)と画像解析装置(日本アビオニクス社製)を用
い、以下のようにして測定することができる。
積(A)と周囲長(PM)を測定する。周囲長(PM)
に対応する真円の面積を(B)とすると、その粒子の球
形度はA/Bとして表示できる。そこで、試料粒子の周
囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定すると、
PM=2πr、B=πr2であるから、B=π×(PM
/2π)2 となり、個々の粒子の球形度は、球形度=A
/B=A×4π/(PM)2として算出することができ
るので、任意の粒子200個の平均値を粉末の球形度と
して求めた。
質化率は、95%以上特に98%以上であることが好ま
しい。非晶質化率は、粉末X線回折装置(例えば、RI
GAKU社製「Mini Flex」)を用い、CuK
α線の2θが26°〜27.5°の範囲において試料の
X線回折分析を行い、特定回折ピークの強度比から測定
することができる。すなわち、結晶シリカは、26.7
°に主ピークが存在するが、非晶質シリカでは、この位
置には存在しない。非晶質シリカと結晶シリカが混在し
ていると、それらの割合に応じた26.7°のピーク高
さが得られるので、結晶シリカ標準試料のX線強度に対
する試料のX線強度の比から、結晶シリカ混在比(試料
のX線強度/結晶シリカのX線強度)を算出し、式、非
晶質化率(%)=(1―結晶シリカ混在比)×100か
ら非晶質化率を求めることができる。
ついては、後述する。
状シリカ粉末が母体フィラー中に3〜30重量%含有し
たものからなる。母体フィラーの材質としては、アルミ
ナ、結晶シリカ、非晶質シリカ等、従来より用いられて
いるものが使用され、その形状も球状、破砕状、角取り
状、これらの二種以上の混在物のいずれであってもよ
い。本発明の微細球状シリカ粉末の含有率が3重量%未
満では、樹脂組成物の流動性改善効果は不十分であり、
30重量%をこえると粘度上昇により流動性が著しく低
下する。
途が封止材である場合、母体フィラーとしては、低熱膨
張性および耐湿性等の要求特性に応じることのできる球
状非晶質シリカが特に好ましい。中でも、30〜50μ
mの粗粉域における球形度が0.80以上で、しかも3
〜10μmの微粉域における配合率が30〜50重量%
である母体フィラーが好適である。一方、高熱伝導が要
求される樹脂組成物の場合は、シリカ粉末よりも熱伝導
が高いアルミナや窒化珪素などが適している。
カ粉末を含有する無機質充填材が80〜95重量%含有
したものである。80重量%よりも少なくなると、樹脂
組成物が封止材である場合、その破壊靱性値と曲げ強度
が小さくなり、吸水率の上昇や、耐半田クラック性が低
下する。一方、95重量%よりも多くなると、良好な流
動性を保持することが困難となり、成形性が悪化する。
シ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等の
ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンテレフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンス
ルフィド、全芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶
ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネイト、
マレイミド変成樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニ
トリルーアクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アク
リロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴムース
チレン)樹脂等を挙げることができる。
子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂が好ま
しい。その具体例をあげれば、フェノールノボラック型
エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂、フェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂を
エポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルFおよびビスフェノールSなどのグリシジルエーテ
ル、フタル酸やダイマー酸などの多塩基酸とエポクロル
ヒドリンとの反応により得られるグリシジルエステル酸
エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキ
シ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、アルキル変性多官能エ
ポキシ樹脂、βーナフトールノボラック型エポキシ樹
脂、1,6−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、
2,7−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ビス
ヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、さらには難燃性
を付与するために臭素などのハロゲンを導入したエポキ
シ樹脂等である。中でも、耐湿性や耐ハンダリフロー性
の点からは、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ビスヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタ
レン骨格のエポキシ樹脂等が好適である。
シ樹脂と反応して硬化させるものであれば特に限定され
ず、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、
レゾルシノール、クロロフェノール、t−ブチルフェノ
ール、ノニルフェノール、イソプロピルフェノール、オ
クチルフェノール等の群から選ばれた1種または2種以
上の混合物をホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド
またはパラキシレンとともに酸化触媒下で反応させて得
られるノボラック型樹脂、ポリパラヒドロキシスチレン
樹脂、ビスフェノールAやビスフェノールS等のビスフ
ェノール化合物、ピロガロールやフロログルシノール等
の3官能フェノール類、無水マレイン酸、無水フタル酸
や無水ピロメリット酸等の酸無水物、メタフェニレンジ
アミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニ
ルスルホン等の芳香族アミンなどがあげることができ
る。
に応じて配合することができる。すなわち、低応力化剤
として、シリコ−ンゴム、ポリサルファイドゴム、アク
リル系ゴム、ブタジエン系ゴム、スチレン系ブロックコ
ポリマ−や飽和型エラストマ−等のゴム状物質、各種熱
可塑性樹脂、シリコ−ン樹脂等の樹脂状物質、さらには
エポキシ樹脂、フェノ−ル樹脂の一部または全部をアミ
ノシリコ−ン、エポキシシリコ−ン、アルコキシシリコ
−ンなどで変性した樹脂など、シランカップリング剤と
して、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン等のエポキシシラン、アミノプロピルトリ
エトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラ
ン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等
のアミノシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン
等の疎水性シラン化合物やメルカプトシランなど、表面
処理剤として、Zrキレ−ト、チタネ−トカップリング
剤、アルミニウム系カップリング剤など、難燃助剤とし
て、Sb2O3、Sb2O4、Sb2O5など、難燃剤とし
て、ハロゲン化エポキシ樹脂やリン化合物など、着色剤
として、カ−ボンブラック、酸化鉄、染料、顔料などで
ある。さらには、ワックス等の離型剤を添加することが
できる。その具体例をあげれば、天然ワックス類、合成
ワックス類、直鎖脂肪酸の金属塩、酸アミド類、エステ
ル類、パラフィンなどである
要求される場合には、各種イオントラップ剤の添加が有
効である。イオントラップ剤の具体例としては、協和化
学社製商品名「DHF−4A」、「KW−2000」、
「KW−2100」や東亜合成化学工業社製商品名「I
XE−600」などでがある。
硬化剤との反応を促進させるために硬化促進剤を配合す
ることができる。その硬化促進剤としては、1,8ージ
アザビシクロ(5,4,0)ウンデセンー7,トリフェ
ニルホスフィン、ベンジルジメチルアミン、2−メチル
イミダゾール等がある。
ンダーやミキサーで混合した後、加熱ロ−ル、ニーダ
ー、1軸または2軸押出機、バンバリーミキサーなどに
よって溶融混練し、冷却後に粉砕することによって製造
することができる。
止するには、トランスファーモールド、マルチプランジ
ャー等の公知の成形法を採用すればよい。
方法について説明する。
ガスとの燃焼反応によって形成される高温火炎中に、シ
リカ質原料粉末を供給し、その融点以上で溶融球状化し
て製造される。このような方法で得られた粉末には極め
て細かい粒子サイズの気相析出成分(以下、これを「フ
ュームド粒子」という。)が含まれる。これは、高温火
炎内において原料粉末の一部が蒸発することにより、気
相のSiOから粒子が成長し、その後の急冷によって析
出固化したものであり、溶融球状粉末と共に捕集され
る。本発明者の検討によれば、特願平11−15491
0号明細書に記載の方法によって、フュームド粒子の粒
度特性を制御することができ、それを分級処理によって
流動特性に優れた微細球状シリカ粉末を安定して回収す
ることができるが、さらに冷却・捕集する系内の露点を
コントロールすることによって、シラノール基濃度を制
御することができることを見いだした。
製造方法は、可燃ガスと助燃ガスとによって形成される
高温火炎中にシリカ質原料粉末を噴射して溶融球状化
し、冷却しながら球状シリカ粉末を捕集する方法におい
て、炉体から捕集器までのガス湿度の露点を30〜75
℃に維持するものであり、これによって最適なシラノー
ル基濃度を有する球状シリカ粉末を製造し、さらに分級
処理によって、流動性の助長効果に優れた平均粒子径と
比表面積とを有する微細球状シリカ粉末を捕集するもの
である。
球状シリカ粉末を得るには、シリカ質原料粉末の平均粒
子径は、3〜8μm程度の比較的粗い原料粉が適用で
き、原料のバーナーへの安定供給および火炎噴射時の分
散を考慮すると、1μm以下の粒子含有率が15重量%
以下である方がかえって好ましい。
水晶粉、沈降シリカ粉等が使用され、その結晶性形態
は、非晶質および/または結晶質のいずれであってもよ
い。
ン、ブタン等の1種または2種以上が使用されるが、平
均粒子径8μm以下の微粉シリカ質原料粉末の加熱溶融
球状化においては、発熱量の比較的小さいプロパン、ブ
タンまたはその混合ガスが好ましい。
される。一般的には、99重量%以上の純酸素を用いる
のが安価で最も好ましい。ガスの発熱量低減を目的と
し、空気やアルゴン等の不活性ガスを助燃ガスに混合す
ることもできる。
ガス理論燃焼量の0.7〜1.0倍として供給すること
であり、これによって0.1μm未満の生成を抑制する
ことができる。また、助燃ガスの10〜70体積%をシ
リカ質原料粉末のキャリアガスとして用いることであ
り、これによってシリカ質原料粉末の噴射を詰まり等の
トラブルを発生させることなくスムーズに行うことがで
き、また製品の非晶質化率の割合を高めることができ
る。更には、その際のシリカ質原料粉末濃度をキャリア
ガス量に対し0.2〜1.5kg/Nm3とすることで
ある。これによって、製品の非晶質化率と平均粒子径
0.10〜1.0μm製品の生産性を更に高めることが
できる。
回転翼を有する分級機等公知の機器を単独でもしくは併
用して行うことができる。ただし、この分級操作におい
ては系内のガス湿度の露点を30〜75℃に維持するた
め、結露しない温度に保つ必要があり、その温度までの
耐熱性を有する装置でなければならない。
金属およびセラミックス製のカートリッジフィルターを
組み込んだ一般的な捕集器が適用できる。ただし、この
捕集操作においても系内のガス湿度の露点を30〜75
℃に維持するため、結露しない温度に保つ必要があり、
その温度までの耐熱性を有する装置でなければならな
い。また、上述の条件にて冷却捕集した球状シリカ粉末
を再度分級機に投入し、平均粒径0.10〜1.0μm
の微細球状シリカ粉末を得ることもできる。
製造設備の概略図の一例を図1に示した。原料フィーダ
ー1と、球状化バ−ナ−2の設置された耐火物張りの竪
型炉体4と、火炎3の高温排ガスで生成した溶融球状粒
子中に混在するフュームド粒子をブロワー8の吸引にて
分級するためのサイクロン6と、サイクロン6では捕集
できなかった超微粉(フュームド粒子主体)を回収する
バッグフィルター7とにより構成されている。高温排ガ
スは、水冷ジャケット連絡管5によって冷却される。9
は吸引ガス量制御バルブ、10はガス排気口、11は捕
集粉抜き出し装置、12、13はガス湿度の露点を維持
するための外気調整弁である。14はガス湿度をモニタ
ーする露点計である。なお、炉体は、横型にして火炎を
水平方向に吹き出す、いわゆる横型炉または傾斜炉であ
ってもよい。
げてさらに具体的に説明する。なお、以下の例の配合条
件における部および%はいずれも重量基準で示した。
量が15%以下で平均粒子径5μmのシリカ質原料粉末
を調製した。これらをキャリアガス(酸素25Nm3/
Hr)にてバーナーに搬送させ、プロパンガス(18N
m3/Hr)と酸素(65Nm3/Hr)で形成した高温
火炎中に噴射し、溶融球状化操作を行った。粉体濃度
(粉末原料投入量(kg/Hr)/プロパンガス量(N
m3/Hr))は、どの実験例においても2.0とし
た。また、溶融炉からバッグフィルターまでの露点を、
系内に取り込む外気の吸引量を外気調整弁12、13の
開度を露点計14で監視しながら表2、表3に示される
値に維持した。
て捕集された球状シリカ粉末について、オフラインにて
小野田エンジニアリング社製クラッシールN−20型分
級機の回転数を調整して、本発明の微細球状シリカ粉末
を得た。微細球状シリカ粉末の粒度分布、比表面積、シ
ラノール基濃度を測定し、液状エポキシに加えて混練し
て分散性を評価した。さらに、本発明の微細球状シリカ
粉末を母体フィラー(電気化学工業社製球状溶融シリカ
「FB−105X」:平均粒子径8μm)に配合して表
1に示される樹脂組成物を調合し、その流動性およ耐半
田クラック性を以下に従い測定した。実施例の結果を表
4に、比較例の結果を表5に示した。
2」(アドマテックス社製、商品名)の粉体特性と流動
性などの試験結果を表3、表5に示した。
−230」型)から得られる重量または体積粒度分布曲
線より求めた平均粒子径である。
クス社「モデル4−SORB」型を使用した。
加熱温度で発生した水分量に基づいて求められたシラノ
ール基量を比表面積で割り算して得られた値であり、三
菱化学社製「モデルCA−05」型を使用して測定し
た。
ラルダイトCY179」12.5gに微細球状シリカ粉
末37.5gを添加し、シンキー社製簡易型混練機「あ
わとり練太郎AR−360M」を用いて自転回転数60
0rpm、公転回転数2000rpmの条件にて10分
間混練し、微粉の凝集状態を目視で観察して3段階評価
した。 ○:目視で容易に検出できる大きさの凝集粒子が認めら
れない △:目視で容易に検出できる大きさの凝集粒子が数個認
められる ×:目視で容易に検出できる大きさの凝集粒子が十個以
上認められる
に各材料と共にドライブレンドした後、これをロール表
面温度100℃のミキシングロールを用い、5分間混練
・冷却・粉砕した後、スパイラルフローの測定を行っ
た。測定は、スパイラルフロー金型を用い、EMMI−
66(Epoxy Molding Material
Institute ; Society of P
lastic Industry)に準拠して行った。
成形温度は175℃、成形圧力は75kg/cm2、成
形時間は90秒である。
製小型混練機「S−1KRCニーダー」にて110℃、
50g/minで混練し、低圧トランスファー成型法に
より、175℃×2分の条件で模擬素子を封止した44
ピンQFP成形体の16個を得た後、175℃×5時間
のポストキュアを行った。それを温度85℃、湿度85
%RHの条件で80時間放置後、260℃の半田浴に1
0秒間浸漬した。超音波探査映像装置により、成形体1
6個を観察して検出した内部クラックの発生個数を計数
した。
発明の微細球状シリカ粉末を含有してなる無機質充填材
の配合された封止材は、その充填量が高充填域であって
も、その流動性を高レベルに改善されていることがわか
る。
おいても、その分散性を損なわせることなく、封止材の
流動性と信頼性を大幅に向上させることのできる、微細
球状シリカ粉末、無機質充填材、および樹脂組成物を提
供することができる。
ば、上記特性を有する微細球状シリカ粉末を容易に工業
的規模で製造することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 平均粒子径が0.10〜1.0μm、比
表面積が5〜40m 2/g、シラノール基濃度が0.5
〜5.0個/nm2であることを特徴とする微細球状シ
リカ粉末。 - 【請求項2】 可燃ガスと助燃ガスとによって形成され
た高温火炎中でシリカ質原料を噴射し、得られた球状シ
リカ粉末を分級処理する方法において、炉体から捕集器
までのガス湿度の露点を30〜75℃に維持することを
特徴とする平均粒子径0.10〜1.0μmの微細球状
シリカ粉末の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の微細球状シリカ粉末を3
〜30重量%含有してなることを特徴とする無機質充填
材。 - 【請求項4】 請求項3記載の無機質充填材を80〜9
5重量%含有してなることを特徴とする樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP22897599A JP4112125B2 (ja) | 1999-08-13 | 1999-08-13 | 微細球状シリカ粉末の製造方法 |
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