JP3721285B2 - 球状無機質粉末及びその用途 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、球状無機質粉末及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体産業においては、半導体の高集積化が進むにつれ、半導体チップの封止材の高性能化が求められ、特に電気絶縁性、低膨張率などの機能が要求されている。これらの要求を満たすため、合成樹脂、特にエポキシ樹脂に、溶融処理された無機質粒子、特に溶融シリカ粒子をフィラーとして充填した封止材が一般に用いられている。そして、この無機質粒子が球状の形状を持ったものであると、高充填することができ、しかも封止する際の流動性や耐金型摩耗性にも優れているので、現在では球状無機質粒子が賞用されている。
【0003】
このように封止材に用いられる球状無機質粒子は、例えば金属微粒子を火炎中に投じて酸化反応させながら球状化する方法、金属アルコラートを特定の条件でゾルゲル法により析出させ球状化する方法、不定形の粒子を粉砕機の中で粒子の角を取り疑似球状化する方法、酸化物粉末を高温火炎中で溶融又は軟化により球状化する方法等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、樹脂組成物中にフィラーを高充填させた場合、球状無機質粒子であっても封止材の流動性が低下し、様々な成形性不良を引き起こすという問題がある。
【0005】
そこで、フィラーの高充填域で封止時の成形性(流動性)を損なわせないようにした技術としては、例えば、ロジンラムラー線図で表示した直線の勾配を0.6〜0.95とし粒度分布を広くする方法(特開平6−80863号公報)、ワーデルの球形度で0.7〜1.0とし、より球形度を高くする方法(特開平3−66151号公報)、更には封止材の流動性を高めるため、平均粒子径0.1〜1μm程度の球状微小粉末を少量添加する方法(特開平5−239321号公報)等が提案されている。
【0006】
これらの中でも、球状微小粉末を少量添加する方法は、フィラーの高充填域においても封止材の流動特性やバリ特性が飛躍的に改善できるため、最近注目を浴びている。この様な球状の微小粉末は、主として金属粉末を火炎中に投じて酸化反応させながら球状化する方法によって製造することができ、市販品として「アドマファインSO−25R」、「アドマファインSO−C2」(アドマテックス社製、商品名)などがある。しかしながら、このような球状微小粉末添加による流動性改善効果は、封止材のエポキシ樹脂の種類によって異なり、その管理が容易でない問題がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、母体フィラーに添加する無機質球状粒子の粒度分布、母体フィラーの添加配合比とそれらの関係に着目し、封止樹脂組成物の流動特性、及びバリ特性といった成形性に与える影響について検討した結果、ある特定の粒度分布を有する微小粒子の適正量を配合することによって、高充填時における成形性が大幅に改善され、しかも樹脂の種類を問わず同様の挙動を示すことを見いだし、本発明に至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(請求項1) 1μm以下の粒子を69.5〜83重量%、0.1μm以下の粒子を5重量%以下(0を含む)を含み、0.25〜0.50μmの領域と、1.0〜3.0μmの領域とに、頻度粒度分布の極大値を有し、しかも粒径が小さい極大値(すなわち0.25〜0.50μmの領域における極大値)の頻度値に対する粒径が大きい極大値(すなわち1.0〜3.0μmの領域における極大値)の頻度値の比(粒径が小さい極大値の頻度値/粒径が大きい極大値の頻度値)が1.5〜3である無機質粉末からなり、この無機粉末がシリカ粉末であることを特徴とする球状無機質粉末。
(請求項2) 球状無機質粉末が非晶質シリカ粉末であることを特徴とする請求項1に記載の球状無機質粉末。
(請求項3) 請求項1又は2に記載の球状無機質粉末と、それ以外の母体となるシリカ質粉末とからなることを特徴とする無機質充填材。
(請求項4) 請求項3に記載の無機質充填材を含有してなることを特徴とする樹脂組成物。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、更に詳しく本発明について説明する。
【0010】
本発明の球状無機質粉末は、無機質充填材に少量含有させることを目的とした特定の性状を有する微小粉末である。すなわち、本発明の球状無機質粉末は、その特定の性状を有する効果により、これを適用した封止用樹脂組成物に対して、高充填域では得られない高流動性とバリ特性を同時に満足することができ、その樹脂組成物を調整する場合の自由度を拡大させることができるものである。
【0011】
本発明の球状無機質粉末は、1μm以下の粒子を60〜95重量%、0.1μm以下の粒子を10重量%以下含み、頻度粒度分布に2カ所の極大値を有していることが、フィラー高充填時における封止樹脂組成物の優れた成形性を確保する意味で非常に重要である。この2カ所の極大値は、1μm未満と1μm以上に有していることが好ましい。
【0012】
1μm未満の極大値に含まれる粒子成分は無機充填材に少量配合させた時の流動性及びバリ特性の向上効果があり、特に0.25〜0.50μm領域であることが好ましい。これによって、無機質充填材における最密充填が向上し、流動性及びバリ特性を向上させることができる。また、1μm以上の極大値に含まれる粒子成分は流動性向上効果があり、特に1.0〜3.0μm領域であることが好ましい。更に、これら2つの極大値を同時に有することで、これ迄にないフィラー高充填時の高流動性とバリ特性を得ることができる。
【0013】
また、1μm以下の粒子含有量が60重量%未満の場合は、無機質充填材に少量配合させた時の流動性及びバリ特性の向上効果が少なく、95重量%を越えると、流動性の向上効果が低下する。
【0014】
本発明の球状無機質粉末は、0.1μm以下の粒子成分が10重量%以下であることが重要である。球状無機質粉末の0.1μm以下の粒子成分が10重量%を越えると、無機質充填材に少量配合させた時の樹脂粘度が増大し、流動性の大幅な低下を引き起こす。
【0015】
更に、本発明の無機質粉末の粒度分布の粒子サイズを対数に換算し、粒径幅をlog(μm)=0.04の幅でヒストグラム表示した際、少なくとも2カ所の極大値の内、粒径が小さい極大値をH1、粒径が大きい極大値をH2とし、そのH1とH2の頻度値の比が1〜5、特に1.5〜3の範囲であることが好ましい。H1とH2の頻度値の比が1未満となると、無機質充填材に少量配合させた時の流動性及びバリ特性の向上効果が少なく、5を越えると、流動性の向上効果が低下する。
【0016】
本発明の球状無機質粉末の前記粒度特性は、レーザー散乱光法による粒度測定法に基づく値であり、コールター粒度測定器(モデルLS−230;コールター社製)にて測定した。
【0017】
本発明の球状無機質粉末における「球状」の程度としては、真円度にて表される値が0.90以上、特に0.95以上であることが好ましい。この真円度は、走査型電子顕微鏡(日本電子社製「JSM−T200型」)と画像解析装置(日本アビオニクス社製)を用いて測定することができる。
【0018】
すなわち、先ず、粉末のSEM写真から粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)を測定する。周囲長(PM)に対応する真円の面積を(B)とすると、その粒子の真円度はA/Bとして表示できる。そこで、試料粒子の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定すると、PM=2πr、B=πr2であるから、B=π×(PM/2π)2 となり、個々の粒子の真円度は、真円度=A/B=A×4π/(PM)2として算出することができる。
【0019】
本発明が対象としている無機質粉末は、シリカ、アルミナ、チタニア等の単体ないしはそれらを成分とする複合物であるが、本発明が封止剤である場合シリカが特に好ましい。
【0020】
本発明の無機質充填材は、母体となるシリカ質粉末を上記本発明の球状無機質粉末との混合物からなるものである。球状無機質粉末の割合については、内割りで1〜20重量%、特に3〜15重量%であることが好ましい。含有率が1重量%未満であると樹脂組成物の成形性が不十分であり、20重量%を越えると、逆に流動性が低下する場合がある。尚、母体となるシリカ質粉末は半導体封止用の樹脂組成物のシリカフィラーとして一般に使用されているものが用いられるが、低熱膨張率及び耐湿性等の封止材としての要求特性に応じるために、特に非晶質シリカが好ましく、その形状は破砕状、球状、或いはそれらの混合物であっても構わない。母体となるシリカ質粉末の平均粒径については、5〜100μm程度のものが使用される。
【0021】
本発明の無機質充填材は、樹脂組成物中に80〜95重量%含有させて使用されることが好ましい。本発明の無機質充填材の用途が封止材である場合、(A)エポキシ樹脂、(B)エポキシ樹脂の硬化剤、及び(C)本発明の無機質充填材としたとき、(A)、(B)及び(C)の合計量に対し80〜95重量%の含有率であることが好ましい。(C)成分の割合が80重量%よりも少なくなると、封止材の破壊靱性値と曲げ強度が小さくなり、吸水率の上昇や、耐はんだリフロー性が低下する。一方、95重量%よりも多くなると、良好な流動性を保持することが困難となり、成形性が悪化する危険がある。
【0022】
本発明で使用される樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、全芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネイト、マレイミド変成樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニトリルーアクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴムースチレン)樹脂等を挙げることができる。
【0023】
これらの中、封止材用樹脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂が好ましい。その具体例をあげれば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールSなどのグリシジルエーテル、フタル酸やダイマー酸などの多塩基酸とエポクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルエステル酸エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、アルキル変性多官能エポキシ樹脂、βーナフトールノボラック型エオキシ樹脂、1,6−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、2,7−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、更には難燃性を付与するために臭素などのハロゲンを導入したエポキシ樹脂等である。中でも、耐湿性や耐ハンダリフロー性の点からは、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格のエポキシ樹脂等が好適である。
【0024】
エポキシ樹脂の硬化剤については、エポキシ樹脂と反応して硬化させるものであれば特に限定されず、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、クロロフェノール、t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、イソプロピルフェノール、オクチルフェノール等の群から選ばれた1種又は2種以上の混合物をホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド又はパラキシレンとともに酸化触媒下で反応させて得られるノボラック型樹脂、ポリパラヒドロキシスチレン樹脂、ビスフェノールAやビスフェノールS等のビスフェノール化合物、ピロガロールやフロログルシノール等の3官能フェノール類、無水マレイン酸、無水フタル酸や無水ピロメリット酸等の酸無水物、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミンなどがあげることができる。
【0025】
本発明の樹脂組成物には、次の成分を必要に応じて配合することができる。すなわち、低応力化剤として、シリコ−ンゴム、ポリサルファイドゴム、アクリル系ゴム、ブタジエン系ゴム、スチレン系ブロックコポリマ−や飽和型エラストマ−等のゴム状物質、各種熱可塑性樹脂、シリコ−ン樹脂等の樹脂状物質、更にはエポキシ樹脂、フェノ−ル樹脂の一部又は全部をアミノシリコ−ン、エポキシシリコ−ン、アルコキシシリコ−ンなどで変性した樹脂など、シランカップリング剤として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン等の疎水性シラン化合物やメルカプトシランなど、表面処理剤として、Zrキレ−ト、チタネ−トカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤など、難燃助剤として、Sb23、Sb24、Sb25など、難燃剤として、ハロゲン化エポキシ樹脂やリン化合物など、着色剤として、カ−ボンブラック、酸化鉄、染料、顔料などである。更には、ワックス等の離型剤を添加することができる。その具体例をあげれば、天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪酸の金属塩、酸アミド類、エステル類、パラフィンなどである
【0026】
特に、高い耐湿信頼性や高温放置安定性が要求される場合には、各種イオントラップ剤の添加が有効である。イオントラップ剤の具体例としては、協和化学社製商品名「DHF−4A」、「KW−2000」、「KW−2100」や東亜合成化学工業社製商品名「IXE−600」などでがある。
【0027】
本発明の樹脂組成物には、エポキシ樹脂と硬化剤との反応を促進させるために硬化促進剤を配合することができる。その硬化促進剤としては、1,8ージアザビシクロ(5,4,0)ウンデセンー7,トリフェニルホスフィン、ベンジルジメチルアミン、2−メチルイミダゾール等がある。
【0028】
本発明の樹脂組成物は、上記諸材料をブレンダーやミキサーで混合した後、加熱ロ−ル、ニーダー、1軸又は2軸押出機、バンバリーミキサーなどによって溶融混練し、冷却後に粉砕することによって製造することができる。
【0029】
本発明の樹脂組成物を用いて、半導体を封止するには、トランスファーモールド、マルチプランジャー等の公知の成形法を採用すればよく、これによって耐熱性、強度、耐湿性、熱伝導等の特性を付与させることができ、しかも充填材の充填率が高いにもかかわらず流動性が良好となる。
【0030】
次に、本発明の球状無機質粉末の製造方法について説明する。
【0031】
通常の球状無機質粉末は、可燃ガスと助燃ガスで形成された高温火炎中に原料無機質粉末をその融点以上で溶融球状化して製造されるが、本発明においてもそのような技術を基本とする。すなわち、ある特定の粒度分布を持った原料を使用し、可燃ガス量を原料に対して制御することで極めて細かいフュームド粒子の性状を制御することができ、その溶融品の分級処理によって、容易に本発明の球状無機質粉末を製造することができる。
【0032】
本発明の球状無機質粒子粉末の製造方法の一例を示せば、可燃ガスと助燃ガスとによって形成される高温火炎中に、1μm以下の粒子成分が15〜50重量%、かつ5μm以上の粒子成分が50〜80重量%の無機質原料粉末を噴射し、球状化及び分級処理する方法である。無機質原料粉末の1μm以下の粒子が15重量%未満の場合、原料粉からの蒸発分が減少し、それに伴い発生するフュームド粒子の発生量が低下し、本発明の球状無機質粉末を高収率で得ることができなくなり、一方、1μm以下の粒子が50重量%を越えると、火炎内噴射時の原料粒子の分散が不十分となって、溶融球状化と原料粉の蒸発がいずれも困難となり、本発明の球状無機質粉末を高収率で得ることができなくなる。
【0033】
高温火炎を形成するための燃料ガスとしては、プロパン、ブタン、プロピレン、アセチレン、水素等が使用され、また助燃ガスとしては、酸素が一般的に使用される。
【0034】
本発明で使用される装置は、高温火炎の形成、ないしは高温火炎の形成と共に無機質原料粉末を高温火炎中に噴射することのできる溶融炉と、溶融処理物の捕集系とからなっている公知の方法にて実施することができる。この捕集系では、重力沈降室、サイクロン、バグフィルター等の捕集機が設置される。本発明の球状無機質粉末は、捕集系内でのオンライン分級で得ることが可能であるが、球状粉として捕集した後、回転翼を有した分級機等の公知の方法でオフライン分級で得ることも可能である。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例、比較例、参考例をあげて更に具体的に説明する。
【0036】
実施例1〜6 比較例1〜17
図1に示される装置、すなわち、燃料ガス供給管3、助燃ガス供給管4、無機質原料粉末供給管5が接続されているバーナー2が溶融炉1の頂部に設置されている装置を用いて、球状シリカ質粉末を製造した。バーナーは熱量を効率的に利用するため、同一炉に4本のバーナーを設置し、各バーナーから原料を溶射し、溶融炉にて球状化を行っている。溶融炉から排出された球状粉末が、重力沈降室6、サイクロン7、バグフィルター8、ブロワー9からなる捕集系に空気輸送されるように直列に接続されており、所望する粒度の球状無機質粉末を重力沈降室、サイクロンの2種の分級装置を用いて、バグフィルターにて捕集することができるようになっている。
【0037】
無機質原料粉末として天然珪石粉末(平均粒径:5μm)を用いた。この原料をキャリアガスとして酸素25Nm3/Hrにて各バーナーに搬送した、各バーナーは燃料ガスとしてLPG:10Nm3/hr、助燃ガスとして酸素:25Nm3/Hrで火炎を形成し、その火炎中に50kg/hrで原料粉末を噴射して球状化処理を行った。溶融球状化品の内、バグフィルターにて捕集された粉体Aについて粒度分布を測定し、樹脂組成物を調合した場合の流動性助長効果を、以下に従い評価した。次に、この粉体Aを、オフライン分級し、表1に示す単一の極大値を有する7種の粉体B〜Hを製造した。これを表2、3に示した種々の割合で配合し得られた粉体I〜Xを製造した。これらの粉体B〜Xについて、粉体Aと同様にして流動性助長効果を評価した。実施例の結果を表2に、比較例の結果を表3に示した。また、これらの粉体A〜Xの真円度は全て0.98以上の値であった。
【0038】
流動性助長効果試験
粉体A〜Xを表4に示す配合で各材料と共にドライブレンドした後、これをロール表面温度100℃のミキシングロールを用い、5分間混練・冷却・粉砕した後、スパイラルフローの測定を行った。測定は、スパイラルフロー金型を用い、EMMI−66(Epoxy Molding Material Institude ; Society of Plastic Industry)に準拠して行った。成形温度は175℃、成形圧力は75kg/cm2、成形時間は90秒である。また、バリの測定は2μm、5μm、10μm、30μmのスリットを持つバリ測定用金型を用い、成形温度は175℃、成形圧力は75kg/cm2で成形した際にスリットに流れ出た樹脂をノギスで測定し、それぞれのスリットで測定された値を平均しバリ長さとした。
【0039】
流動性の助長効果は、式SF2/SF1(但し、SF1は粉体A〜Xを配合しない母体シリカ質粉末のみのスパイラルフロー値、SF2は母体シリカ質粉末に粉体A〜Xを配合した時のスパイラルフロー値である。)により算出した。また、バリ長さは、式BR2/BR1(但し、SF1は粉体A〜Xを配合しない母体シリカ質粉末のみの各スリットのバリ長さの平均値、BR2は母体シリカ質粉末に粉体A〜Xを配合した時の値である。)により算出した。
【0040】
参考例1
市販の高純度シリカ微粒粉末「アドマファインSO−C2」(アドマテックス社製)の流動性助長効果の試験結果を表3に示した。
【0041】
【表1】
Figure 0003721285
【0042】
【表2】
Figure 0003721285
【0043】
【表3】
Figure 0003721285
【0044】
【表4】
Figure 0003721285
【0045】
表1〜表4から明らかなように、本発明の球状シリカ質粉末の配合された封止剤は充填材の充填量が高充填であり、樹脂の種類に関わらず、その流動性が110%以上助長されていることが分かる。また同時に、バリ長さも50%以下に低減されていることが分かる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、低熱膨張性、高破壊靭性、高曲げ強度、耐はんだリフロー性、金型の低摩耗性の特性を有し、しかも充填材の高充填域においても、エポキシ樹脂の種類を問わずに、封止材の流動性を大幅に向上させることができる、球状無機質粉末、無機質充填材、及び樹脂組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】球状無機質粉末の製造装置の概略図である。
【符号の説明】
1 溶融炉
2 バーナー
3 燃料ガス供給管
4 助燃ガス供給管
5 無機質原料粉末供給管
6 重力沈降室
7 サイクロン
8 バグフィルター
9 ブロワー

Claims (4)

  1. 1μm以下の粒子を69.5〜83重量%、0.1μm以下の粒子を5重量%以下(0を含む)を含み、0.25〜0.50μmの領域と、1.0〜3.0μmの領域とに、頻度粒度分布の極大値を有し、しかも粒径が小さい極大値(すなわち0.25〜0.50μmの領域における極大値)の頻度値に対する粒径が大きい極大値(すなわち1.0〜3.0μmの領域における極大値)の頻度値の比(粒径が小さい極大値の頻度値/粒径が大きい極大値の頻度値)が1.5〜3である無機質粉末からなり、この無機粉末がシリカ粉末であることを特徴とする球状無機質粉末。
  2. 球状無機質粉末が非晶質シリカ粉末であることを特徴とする請求項1に記載の球状無機質粉末。
  3. 請求項1又は2に記載の球状無機質粉末と、それ以外の母体となるシリカ質粉末とからなることを特徴とする無機質充填材。
  4. 請求項3に記載の無機質充填材を含有してなることを特徴とする樹脂組成物。
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