JP5345787B2 - 半導体封止材用シリカ・アルミナ複合酸化物超微粉末の製造方法 - Google Patents

半導体封止材用シリカ・アルミナ複合酸化物超微粉末の製造方法 Download PDF

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本発明は、超微粉末、その製造方法及びその用途に関する。
近年、電子機器の小型軽量化、高性能化の要求に対応し、半導体パッケージの小型化、薄型化、狭ピッチ化が加速している。また、その実装方法も配線基板などへの高密度実装に好適な表面実装が主流になりつつある。このような状況下、半導体封止材料にも高性能化、特に半田耐熱性、耐湿性、低熱膨張性、電気絶縁性の向上が要求されている。これを満たすには、無機質粉末をエポキシ樹脂に可及的多く含有させた半導体封止材料を用いることが望ましいが、無機質粉末の高充填(高含有)によって封止材の溶融粘度が上昇するので、未充填、ワイヤー流れ、チップシフトなどの成形不良を増大させる恐れがある。
そこで、このようなシリカ粉末の高充填された半導体封止材料において、流動性、成形性を損なわせないようにした技術が種々提案されている。たとえば、ロジンラムラー線図で表示した直線の勾配を0.6〜0.95とし、粒度分布を広くする方法(特許文献1)、ワーデルの球形度で0.7〜1.0とし、より球形度を高くする方法(特許文献2)、更には平均粒径0.1〜1μm程度の球状微小粉末を少量添加する方法(特許文献3)などである。しかし、これらの特性が良くなるあまり、成形時の金型のエアーベント部から半導体封止材料が溢れ出るというバリの発生問題がクローズアップした。
また、セラミックス粉末を改質する手法としては、半導体封止材料の高温放置特性(信頼性)を改善する目的で、アンモニアの化学的吸着量を制御し、半導体封止材料中の不純物をトラップさせた例などが挙げられる。(特許文献4)
特開平6−80863号公報 特開平3−66151号公報 特開平5−239321号公報 WO/2007/132771号公報
本発明の目的は、流動性と成形性に優れ、バリの発生が更に少ない半導体封止材料を提供することであり、それに好適な超微粉末を提供することである。
本発明は、SiO及びAlの酸化物換算の含有率が99.5質量%以上、平均粒子径が0.05〜1.0μm、粒度分布の変動係数が、10〜100%であり、Alの酸化物換算の含有率が10〜99質量%である、高温火炎中にSi源物質とAl源物質を噴射し加熱処理して製造する半導体封止材用シリカ・アルミナ複合酸化物超微粉末である。本発明においては、粒度分布の変動係数が、15〜80%であり、Alの酸化物換算の含有率が20〜95質量%であることが好ましい。また、本発明は、本発明の超微粉末0.5〜20質量%含有してなる平均粒子径が5〜50μmの無機質粉末である。本発明においては、頻度粒度分布において少なくとも二つの山を持つ多峰性の粒度分布を有し、第一の山の極大値が3〜10μm、第二の山の極大値が20〜70μmの範囲内にあることが好ましい。また、無機質粉末がシリカ質粉末及び/又はアルミナ質粉末であることが更に好ましい。

さらに、本発明は、可燃ガスと助燃ガスとによって形成された高温火炎中にSi源物質とAl源物質を噴射し加熱処理して製造する超微粉末の製造方法であって、シリカ質原料粉末とアルミナ質原料粉末は別々のバーナーから噴射し、アルミナ質原料粉末よりもシリカ質原料粉末を1〜20cm下部から噴射することを特徴とする本発明の超微粉末の製造方法である。本発明においては、Si源物質が金属シリコン粉末、Al源物質が金属アルミニウム粉末であることが好ましい。
さらに、本発明は、超微粉末、又は無機質粉末を含有してなる樹脂組成物である。樹脂組成物に用いる樹脂としては、エポキシ樹脂が好ましい。これらの樹脂組成物を用いた半導体封止材料である。
本発明によれば、流動性と成形性に優れ、バリの発生が少ない樹脂組成物(以下、この組成物を単に「組成物」ともいう。)、特に半導体封止材料が提供される。また、そのような組成物を調製するのに好適な超微粉末又は無機質粉末が提供される。
本発明の超微粉末は、SiO及びAlの酸化物換算の含有率が99.5質量%以上の超微粉末である。SiO及びAlの酸化物換算の含有率が99.5質量%未満、すなわち、SiO及びAl以外の含有率が0.5質量%を超えると、半導体封止材料とした際に、必要でない不純物となる物質が増えてしまうため、好ましくない。例えば、エポキシ樹脂の硬化反応に悪影響を与え、流動性、成形性が悪化する恐れが生じる。SiO及びAlの酸化物換算の含有率は、好ましくは99.6質量%以上、更に好ましくは99.7質量%以上である。
本発明の超微粉末は、平均粒子径が0.05〜1μmである。平均粒子径が0.05μm未満であると、バリ低減の効果はあるが、溶融粘度が大きくなるので、流動性が悪化する。一方、1μmを超えると流動性は向上するが、バリ低減の効果が小さくなる。好ましい平均粒子径は、0.07〜0.9μmであり、更に、0.1〜0.8μmが好ましい。
本発明の超微粉末は、粒度分布の変動係数が10〜100%である。粒度分布の変動係数が10%未満であると、流動性は向上するものの、バリ低減の効果が小さくなる。一方、100%を超えると最密充填構造に寄与しない粒子が多くなり、樹脂等に高充填させたときに増粘し、流動性と成形性が悪化する。より好ましい粒度分布の変動係数は15〜80%である。
本発明の超微粉末は、Alの酸化物換算の含有率が10〜99質量%である。Alの酸化物換算の含有率が10質量%未満であると、粒度分布の変動係数を10〜100%にすることが困難となる。一方、99質量%を超えると、樹脂等に高充填させたときに増粘し、流動性と成形性が悪化する。更に、樹脂との混合時に使用するニーダー、ロールや、成型時に用いる金型の磨耗も激しくなるので好ましくない。より好ましいAlの酸化物換算の含有率は20〜95質量%である。
本発明の超微粉末のSiOの酸化物換算の含有率は重量減少法、Alの酸化物換算の含有率は原子吸光分析法を用いて、下記のような手順で測定することができる。
(1)SiO含有率の測定:超微粉末2.5gを白金皿に精秤し、試薬特級フッ化水素酸、試薬特級硫酸、純水をそれぞれ20ml、1ml、1ml加える。その白金皿を300℃に加熱されたサンドバス上に15分間静置して粉末を溶解、乾固させる。次に、1000℃に加熱されたマッフル炉に白金皿を入れ10分間加熱して、フッ化ケイ酸を蒸発させる。デシケーター内で室温まで放冷後、白金皿の質量を精秤し、質量減少率から超微粉末のSiOの含有率を算出する。
(2)Al含有率の測定:超微粉末1gを白金皿に精秤し、試薬特級フッ化水素酸、試薬特級過塩素酸をそれぞれ20ml、1ml加える。その白金皿を300℃に加熱されたサンドバス上に15分間静置してから室温まで冷却し、25mlメスフラスコに移しかえ純水で定容する。この溶液のAl量を原子吸光光度計を用い検量線法により定量する。そのAl量をAlに換算し超微粉末中の含有率を算出する。原子吸光光度計を例示すれば、日本ジャーレルアッシュ社製商品名「原子吸光光度計 モデルAA−969」である。検量線を作成するのに用いる標準液を例示すれば、関東化学社製原子吸光用Al標準液(濃度1000ppm)である。なお、測定の際のフレームにはアセチレン−亜酸化窒素フレームを用い、波長309.3nmにおける吸光度を測定して定量した。
本発明の超微粉末の平均粒子径は、動的光散乱式粒度分布に基づいて測定する。測定機には日機装社製「Nanotorac150」を用いた。水に超微粉末を分散させ、更に超音波ホモジナイザーで200Wの出力で3分間分散処理してから測定した。粒度分布の解析は、0.003〜6.5μmの粒子径範囲を44分割して行った。水の屈折率には1.33、超微粉末の屈折率には1.46を用いた。測定した粒度分布において、累積重量が50%となる粒子径が平均粒子径である。また、超微粉末の変動係数は、式、変動係数(%)=(標準偏差/平均粒子径)×100から求められた値である。
本発明の無機質粉末は、本発明の超微粉末を0.5〜20質量%含有する平均粒子径が5〜50μmの無機質粉末である。超微粉末の含有率が0.5質量%未満であるとバリ低減の効果がなくなる。一方、20質量%を超えると無機質粉末を樹脂等に高充填させたときに増粘し、流動性と成形性が悪化する。特に好ましい超微粉末の含有率は1〜10質量%である。また、無機質粉末の平均粒子径が5μm未満であると成形性が悪化するので好ましくない。一方、50μmを超えると半導体チップの損傷、ワイヤー切断、金型ゲート部詰まりなどを起こす恐れが高くなる。好ましい平均粒子径は8〜40μm、特に10〜35μmである。また、最大粒子径は、194μm以下であることが好ましく、更に好ましくは101μm以下である。
本発明の無機質粉末は、頻度粒度分布において少なくとも二つの山を持つ多峰性の粒度分布を有するものであることがより好ましい。すなわち、レーザー回折散乱式粒度分布測定機(「モデルLS−230」(ベックマンコールター社製))にて測定された粒度において、少なくとも二つの山を持つ多峰性の粒度分布を有し、第一の山の極大値が3〜10μm、第二の山の極大値が20〜70μmの範囲内にあることが好ましい。これによって、無機質粉末の密充填構造の形成が容易となり、樹脂等に高充填することが更に容易となる。
レーザー回折散乱式粒度分布測定用試料の調製は、媒体に水を用い、PIDS(Polarization Intensity Differential Scattering)濃度を45〜55質量%に調整し、200W出力の超音波ホモジナイザーに1分間かけて行った。粒度分布の解析は0.04〜2000μmの範囲を粒子径チャンネルがlog(μm)=0.04の幅で116分割にして行った。水の屈折率には1.33を用い、無機質粉末の屈折率には文献値を用いた。たとえば、シリカ質粉末の屈折率には1.46、アルミナ質粉末の屈折率には1.76を用いた。測定した粒度分布において、累積重量が50%となる粒子が平均粒子径、累積質量が100%となる粒子径が最大粒子径である。
無機質粉末の種類としては、シリカ質粉末及び/又はアルミナ質粉末であることが好ましい。これらの粉末は単独で用いてもよく、また二種類混合してもよい。半導体封止材料の熱膨張率を低くする場合や、金型の摩耗性を低減する場合にはシリカ質粉末が、熱伝導性を付与する場合にはアルミナ質粉末が選択される。なおシリカ質粉末は、後記の方法で測定された非晶質率の値で95%以上であることが好ましい。
本発明のシリカ質粉末は、下記方法で測定された非晶質率が95%以上であることが好ましい。非晶質率は、粉末X線回折装置(例えばRIGAKU社製商品名「モデルMini Flex」)を用い、CuKα線の2θが26°〜27.5°の範囲においてX線回折分析を行い、特定回折ピークの強度比から測定した。シリカ粉末の場合、結晶質シリカは、26.7°に主ピークが存在するが、非晶質シリカではピークは存在しない。非晶質シリカと結晶質シリカが混在していると、結晶質シリカの割合に応じた26.7°のピーク高さが得られるので、結晶質シリカ標準試料のX線強度に対する試料のX線強度の比から、結晶質シリカ混在比(試料のX線回折強度/結晶質シリカのX線回折強度)を算出し、式、非晶質率(%)=(1−結晶質シリカ混在比)×100から非晶質率を求める。
本発明の無機質粉末の平均球形度は0.85以上であることが好ましい。これによって、半導体封止材料中の転がり抵抗が小さくなり、流動性、成形性を向上させることが。平均球形度は、実体顕微鏡(例えばニコン社製商品名「モデルSMZ−10型」)等にて撮影した粒子像を画像解析装置(例えばマウンテック社製商品名「MacView」)に取り込み、写真から粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)から測定する。周囲長(PM)に対応する真円の面積を(B)とすると、その粒子の真円度はA/Bとなるので、試料の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定すると、PM=2πr、B=πrであるから、B=π×(PM/2π)となり、個々の粒子の真円度は、真円度=A/B=A×4π/(PM)となる。このようにして得られた任意の粒子200個の真円度を求め、その平均値を二乗したものを平均球形度とした。
次に、本発明の超微粉末の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、可燃ガスと助燃ガスとによって形成された高温火炎中にSi源物質とAl源物質を噴射し加熱処理して製造する超微粉末の製造方法であって、Si源物質とAl源物質は別々のバーナーから噴射し、Al源物質よりもSi源物質を1〜20cm下部から噴射することを特徴とする超微粉末の製造方法である。Al源物質よりもSi源物質を1〜20cm下部から噴射することで、まず、Al源物質からAl粒子が生成し、そのAl粒子を核としてSiOの生成、粒成長が起こるため、粒度分布の変動係数、Al含有率の制御が極めて容易になる。Si源物質とAl源物質を同じバーナーから噴射する、あるいは、Si源物質をAl源物質よりも1cm未満の下部位置から噴射するとSi源物質とAl源物質が不規則に存在する形態となり易く、粒度分布の変動係数が10〜100%である本発明の超微粉末の要件を満足することが困難となる。一方、20cmを超えると、Si源物質とAl源物質がそれぞれ独立した超微粉末として製造され、Al含有率が10〜99質量%である本発明の超微粉末の要件を満足することが出来ない。Al源物質よりもSi源物質を5〜15cm下部から噴射することがより好ましい。
なお、高温火炎とは最高温度で約1600℃以上の温度を有する火炎である。
本発明においては、Si源物質が金属シリコン粉末、Al源物質が金属アルミニウム粉末であることが好ましい。それぞれの原料としては金属シリコン、金属アルミニウムの他、シリカ、アルミナ、Si又はAlを成分とする複合物等が挙げられるが、平均粒子径が0.05〜1.0μmの超微粉を高効率で製造する等の観点から、Si源物質としては金属シリコン粉末、Al源物質としては金属アルミニウム粉末が最も好ましい。
本発明の組成物について説明する。本発明の組成物は超微粉末又は無機質粉末を含有してなる樹脂組成物である。樹脂組成物中の超微粉末又は無機質粉末の含有率は5〜90体積%であり、更に好ましくは30〜85体積%である。
樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネイト、マレイミド変成樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニトリルーアクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴム−スチレン)樹脂等を使用することができる。
これらの中、半導体封止材料としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂が好ましい。それを例示すれば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールSなどのグリシジルエーテル、フタル酸やダイマー酸などの多塩基酸とエポクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルエステル酸エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、アルキル変性多官能エポキシ樹脂、β−ナフトールノボラック型エオキシ樹脂、1,6−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、2,7−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、更には難燃性を付与するために臭素などのハロゲンを導入したエポキシ樹脂等である。中でも、耐湿性や耐ハンダリフロー性の点からは、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格のエポキシ樹脂等が好適である。
本発明のエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂の硬化剤、又はエポキシ樹脂の硬化剤とエポキシ樹脂の硬化促進剤を含むものである。エポキシ樹脂の硬化剤としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、クロロフェノール、t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、イソプロピルフェノール、オクチルフェノール等の群から選ばれた1種又は2種以上の混合物をホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド又はパラキシレンとともに酸化触媒下で反応させて得られるノボラック型樹脂、ポリパラヒドロキシスチレン樹脂、ビスフェノールAやビスフェノールS等のビスフェノール化合物、ピロガロールやフロログルシノール等の3官能フェノール類、無水マレイン酸、無水フタル酸や無水ピロメリット酸等の酸無水物、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミン等をあげることができる。エポキシ樹脂と硬化剤との反応を促進させるために、上記した例えばトリフェニルホスフィン、ベンジルジメチルアミン、2−メチルイミダゾール等の硬化促進剤を使用することができる。
本発明の樹脂組成物には、更に以下の成分を必要に応じて配合することができる。すなわち、低応力化剤として、シリコーンゴム、ポリサルファイドゴム、アクリル系ゴム、ブタジエン系ゴム、スチレン系ブロックコポリマーや飽和型エラストマー等のゴム状物質、各種熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂状物質、更にはエポキシ樹脂、フェノール樹脂の一部又は全部をアミノシリコーン、エポキシシリコーン、アルコキシシリコーンなどで変性した樹脂など、シランカップリング剤として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン等の疎水性シラン化合物やメルカプトシランなど、表面処理剤として、Zrキレート、チタネートカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤など、難燃助剤として、Sb、Sb、Sbなど、難燃剤として、ハロゲン化エポキシ樹脂やリン化合物など、着色剤として、カーボンブラック、酸化鉄、染料、顔料など、更には離型剤として、天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪酸の金属塩、酸アミド類、エステル類、パラフィンなどである。
特に、高い耐湿信頼性や高温放置安定性が要求される場合には、各種イオントラップ剤の添加が有効である。イオントラップ剤の具体例としては、協和化学社製商品名「DHF−4A」、「KW−2000」、「KW−2100」や東亜合成化学工業社製商品名「IXE−600」などである。
本発明の組成物は、上記各材料の所定量をブレンダーやヘンシェルミキサー等によりブレンドした後、加熱ロール、ニーダー、一軸又は二軸押し出し機等によって混練したものを冷却後、粉砕することによって製造することができる。
本発明の樹脂組成物は半導体封止材料として好適に使用できる。樹脂組成物の樹脂としては、エポキシ樹脂が好ましい。本発明の半導体封止材料を用いて半導体を封止するには、トランスファーモールド法、真空印刷モールド法等の常套の成形手段が採用される。
実施例1〜22 比較例1〜19
装置は、特開2001−335313号公報の図示に準じたものを用いた。すなわち、内炎と外炎が形成できるように二重管構造のLPG−酸素混合型バーナー2本が炉頂に設けられてなる製造炉の下部に捕集系ラインが直結されてなる装置を用いて製造した。上記2本のバーナーのそれぞれの中心部には更にスラリー噴霧用の二流体ノズルが取り付けられており、一方の二流体ノズルの中央部からは金属シリコン粉末のメチルアルコールスラリーを噴射し、もう一方の二流体ノズルの中央部からは金属アルミニウム粉末のメチルアルコールスラリーが噴射できるようになっている。また、二流体ノズルの周囲からは酸素を供給できるようになっている。火炎の形成はそれぞれの二重管バーナーの出口に数十個の細孔を設け、そこからLPGと酸素の混合ガスを噴射することによって行われる。二流体ノズルから噴射され火炎を通過した超微粉末は、ブロアーによって吸引され捕集ラインへ空気輸送され、バグフィルターから捕集される。なお、超微粉末の平均粒子径の調整は金属シリコン粉末スラリー及び金属アルミニウム粉末スラリーの濃度と火炎条件などを変更することによって行った。粒度分布の変動係数、A1含有率は、金属アルミニウムスラリーの噴射位置に対する金属シリコン粉末スラリーの噴射位置、火炎への供給量などを変更することによって行った。それらの条件と、バグフィルターから捕集した超微粉末の特性を表1に示す。なお、高温火炎の最高温度は約1700℃〜2100℃の範囲であった。
次に、得られた超微粉末を配合して、表2に示される無機質粉末を製造した。なお、使用した無機質粉末の粒度調整は市販の球状シリカ粉末、又は球状アルミナの多段篩分け操作によって行った。球状シリカ粉末、球状アルミナ粉末の平均球形度はいずれも0.88以上であり、球状シリカ粉末の非晶質率はいずれも99%以上であった。
得られた無機質粉末の半導体封止材料としての特性を評価するため、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’、5,5’−テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂44.2質量%、フェノール樹脂45.2質量%、トリフェニルホスフィン1.9質量%、カーボンブラック2.9質量%,カルナバワックス5.8質量%の割合で調合された樹脂分25体積%と、無機質粉末を75体積%を混合し、更に無機質粉末に対し0.5質量%のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを加えてヘンシェルミキサーにてドライブレンドした後、得られた配合物を同方向噛み合い二軸押出混練機(スクリュー径D=25mm、ニーディングディスク長10Dmm、パドル回転数100〜150rpm、吐出量3.5kg/hr、混練物温度98〜100℃)で加熱混練した。吐出物を冷却プレス機にて冷却した後、粉砕して封止材とし、流動性、成形性及びバリ長さを以下の方法に従って評価した。それらの結果を表2及び表3に示す。
(1)スパイラルフロー
EMMI−I−66(Epoxy Molding Material Institute;Society of Plastic Industry)に準拠したスパイラルフロー測定用金型を取り付けたトランスファー成形機を用いて、スパイラルフロー値を測定した。トランスファー成形条件は、金型温度175℃、成形圧力7.4MPa、保圧時間90秒とした。
(2)ボイド数
160ピンQFP(Quad Flat Package;28mm×28mm、厚さ3.6mm、模擬ICチップサイズ15mm×15mm)の半導体パッケージをトランスファー成形機を用いて、24個作製した。パッケージ内に残存する0.1mm以上のボイド数を、超音波探傷機を用いてカウントし、1パッケージあたりのボイド数を算出した。トランスファー成形条件は、金型温度175℃、成形圧力7.4MPa、保圧時間90秒とし、封止材のプレヒート温度を80℃とした。
(3)バリ長さ
32ピンLOC(Lead on Chip)構造TSOP(Thin Small Outline Package;10mm×21mm、厚さ1.0mm、模擬ICチップサイズ9mm×18mm、リードフレーム42アロイ製)の半導体パッケージをトランスファー成形機により48個作製した。半導体パッケージのバリ長さを測定し、平均値を求めた。トランスファー成形条件は、金型温度175℃、成形圧力7.4MPa、保圧時間90秒とした。
実施例と比較例との対比から明白なように、本発明のシリカ粉末の充填された封止材は、シリカ粉末の充填率が75体積%であっても、流動性と成形性に優れ、バリ長さが短いものであった。
本発明の超微粉末又は無機質粉末は、自動車、携帯電子機器、パソコン、家庭電化製品等に使用される半導体封止材、半導体が搭載される積層板、更にはパテ、シーリング材、各種ゴム、各種エンジニアプラスチックスなどの充填材として使用される。また、本発明の樹脂組成物は、半導体封止材の他に、ガラス織布、ガラス不織布、その他有機基材に含浸硬化させてなる例えばプリント基板用のプリプレグや、各種エンジニアプラスチックス等として使用できる。

Claims (3)

  1. 可燃ガスと助燃ガスとによって形成された高温火炎中に金属シリコン粉末スラリー金属アルミニウム粉末スラリーを噴射し加熱処理して製造する超微粉末の製造方法であって、金属シリコン粉末スラリー金属アルミニウム粉末スラリーは別々のバーナーから噴射し、金属アルミニウム粉末スラリーよりも金属シリコン粉末スラリーを1〜20cm下部から噴射する、SiO 及びAl の酸化物換算の含有率が99.5質量%以上、平均粒子径が0.05〜1.0μm、粒度分布の変動係数が10〜100%であり、Al の酸化物換算の含有率が10〜99質量%である、半導体封止材用シリカ・アルミナ複合酸化物超微粉末の製造方法。
  2. 金属シリコン粉末スラリー濃度が20〜70質量%、金属アルミニウム粉末スラリー濃度が20〜70質量%、金属シリコン粉末スラリー供給量が1〜17(kg/hr)、金属アルミニウム粉末スラリー供給量が3〜19(kg/hr)である請求項1に記載の半導体封止材用シリカ・アルミナ複合酸化物超微粉末の製造方法。
  3. 粒度分布の変動係数が15〜80%であり、Alの酸化物換算の含有率が20〜95質量%である請求項1又は2に記載の半導体封止材用シリカ・アルミナ複合酸化物超微粉末の製造方法。
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