JP2003020364A - 球状無機質粉末およびこれを充填した樹脂組成物 - Google Patents

球状無機質粉末およびこれを充填した樹脂組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】無機質充填材の充填率が高くても、流動性、成
形性に優れる球状無機質粉末および樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】3〜10μmの領域および20〜70μm
の領域に極大値を示す頻度粒度分布を有し、BET法に
より測定した比表面積SBと粒度分布により計算した理
論比表面積SCとの比(SB/SC)が2.5以下である
ことを特徴とする球状無機質粉末。0.2〜1μmの領
域に極大値を示す頻度粒度分布を更に有することが好ま
しい。また、50nm未満の粒子を実質的に含有しない
こと好ましい。これらの球状無機質粉末が充填された樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、球状無機質粉末お
よびこれを充填した樹脂組成物に関する。詳しくは、無
機質充填材の充填率が高くても、流動性、成形性に優れ
る半導体封止材料を得るための球状無機質粉末および樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型軽量化、高性能化
の動向に対応して、半導体パッケージの小型化、薄型
化、狭ピッチ化が益々加速している。また、その実装方
法も配線基板などへの高密度実装に好適な表面実装が主
流になりつつある。このように半導体パッケージおよび
その実装方法が進展する中、半導体封止材料にも高性能
化、特に半田耐熱性、耐湿性、低熱膨張性、機械的特
性、電気絶縁性などの機能向上が要求されている。これ
らの要求を満たすため、エポキシ樹脂に無機質粉末、特
に非晶質シリカ粉末をフィラーとして充填した封止材料
が用いられており、封止材料の90%近くがこの樹脂組
成物によるものである。この封止材料に充填される無機
質粉末は、半田耐熱性、耐湿性、低熱膨張性、機械的強
度向上の観点から、エポキシ樹脂に高充填させることが
望ましい。
【0003】しかし、無機質粉末を高充填すると封止材
料の流動性が低下するので、リードフレーム変形、ワイ
ヤー流れ、ダイシフト、ボイド発生など成形加工上の問
題をを解決することが必要となる。そこで、無機質粉末
の形状や粒度分布を最適化する試み、あるいはエポキシ
樹脂やフェノール樹脂硬化剤などの樹脂成分の粘度を封
止形成される温度域において極めて小さくすることによ
って、流動性を保ち、成形性を改良する試みなど、鋭意
努力が行われているが、十分な解決には至っていない。
【0004】無機質粉末の高充填域においても半導体封
止樹脂組成物の流動性、成形性を損なわせないようにし
た無機質粉末側の改善技術としては、ロジンラムラー線
図で表示した直線の勾配を0.6〜0.95とし、粒度
分布を広くする方法(特開平6−80863号公報
等)、ワーデルの球形度で0.7〜1.0とし、より球
形度を高くする方法(特開平3−66151号公報
等)、更には平均粒径0.1〜1μm程度の球状微小粉
末を少量添加する方法(特開平5−239321号公報
等)などが提案されている。
【0005】一方、樹脂側の改善技術としては、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂硬化剤の溶融粘度を低下させる
方法(特開平9−291136号公報等)、混練過程で
の熱履歴による樹脂硬化反応の進行、流動性、成形性の
低下を防止するため、配合成分のうち予備混合の段階で
硬化反応が進まない原材料を組み合わせこれらの原材料
が溶融あるいは軟化するより高い温度で溶融混合した後
に溶融混練を行う方法(たとえば、特開昭56−149
454号公報、特開平3−195764号公報)、混練
機の選択や混練条件を最適化することにより硬化反応の
進行を最小限に抑え、流動性、成形性を確保する方法
(特開平9−52228号公報等)などが提案されてい
る。
【0006】しかしながら、このような提案によってか
なりの改善がなされてきたが、それらの技術でも今日の
電子分野、特に半導体パッケージやその実装方法の急速
な進展に対して十分に応えることができず、新たな技術
開発が待たれている。
【0007】
【発明が解決使用とする課題】本発明の目的は、無機質
充填材の充填率が高くても、流動性、成形性に優れる封
止材料を得るための球状無機質粉末および樹脂組成物を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上述のような情
勢を鑑みてなされたものであり、球状無機質粉末の個々
の粒子の粒径に着目し、半導体封止用樹脂組成物の流動
性、成形性に与える影響について鋭意研究開発を進めた
結果、ある特定の粒度分布、比表面積、球形度を有する
球状無機質粉末を開発したものであり、それを充填した
半導体封止用樹脂組成物は、90%以上の高充填時にお
ける流動性、成形性が大幅に改善され、しかも樹脂の種
類、性状を問わず同様の挙動を示すことを見出し本発明
に至ったものである。
【0009】すなわち、本発明は以下のとおりである。 (請求項1) 3〜10μmの領域および20〜70μ
mの領域に極大値を示す頻度粒度分布を有し、BET法
により測定した比表面積SBと粒度分布により計算した
理論比表面積SCとの比(SB/SC)が2.5以下であ
ることを特徴とする球状無機質粉末。 (請求項2) 0.2〜1.5μmの領域、3〜10μ
mの領域および20〜70μmの領域に極大値を示す頻
度粒度分布を有し、BET法により測定した比表面積S
Bと粒度分布により計算した理論比表面積SCとの比(S
B/SC)が2.5以下であることを特徴とする球状無機
質粉末。 (請求項3) 50nm未満の粒子を実質的に含有しな
いことを特徴とする請求項1または2記載の球状無機質
粉末。 (請求項4) d75未満の粒子径を持つ粒子の平均球
形度が0.90以上、d75以上の粒子径を持つ粒子の
平均球形度が0.85以上であることを特徴とする請求
項1〜3にいずれかに記載の球状無機質粉末。 (請求項5) 球状無機質粉末が非晶質シリカであるこ
とを特徴とする請求項1〜4にいずれかに記載の球状無
機質粉末。 (請求項6) 請求項1〜5にいずれかに記載の球状無
機質粉末を60〜96質量%含有してなることを特徴と
する樹脂組成物。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳しく
説明する。本発明の球状無機質粉末は樹脂組成物、特に
封止材料の充填材として用いると、高充填可能かつ高流
動性、高成形性の発現が可能となる。すなわち、本発明
の球状無機質粉末はその特定性状を有することにより、
これを充填した樹脂組成物は従来の技術では達成できな
かった無機質充填材の高充填域における高流動性、高成
形性を満足させることができるものである。
【0011】本発明の球状無機質粉末は、3〜10μm
の領域および20〜70μmの領域に極大値を示す頻度
粒度分布を有し、BET法により測定した比表面積SB
と粒度分布により計算した理論比表面積SCとの比(SB
/SC)が2.0以下であることが必要である。この場
合において、0.2〜1.5μmの領域にも極大値を示
す頻度粒度分布を有するものが好ましい。このように設
計された球状無機質粉末はこれまでに存在せず、樹脂へ
の高充填時における流動性や成形性を確保することがで
きる。
【0012】20〜70μm領域の粒子は、樹脂への充
填時に核となるものであり、20μm未満だと流動性、
成形性が著しく低下し、逆に70μmを越えると成型時
に半導体チップを損傷してしまう問題や、ワイヤー切
断、金型ゲート部詰まりなどの問題を起こす恐れがあ
る。好ましくは、40〜60μmの領域に極大値を示す
頻度粒度分布を有することである。また、3〜10μm
領域の粒子は20〜70μm領域粒子の間隙に入り込む
ことが可能であり、粒子の充填構造を密にすることがで
きるので高充填が可能となる。3〜10μm領域の粒子
は、20〜70μm領域の粒子に対し、0.1〜0.2
倍程度の粒径を持つことが好ましく、特に4〜8μmで
あることが好ましい。これら2つの極大値を同時に有さ
せることで、これまでにない球状無機質粉末の高充填時
における高流動性を達成することができる。
【0013】更に好ましくは、上記頻度粒度分布におい
て、0.2〜1.5μmの領域にも極大値を示す頻度粒
度分布を有することである。0.2〜1.5μm領域の
粒子は、20〜70μm領域の粒子と3〜10μm領域
の粒子とから構成される粒子充填構造の間隙に入り込む
ことが可能であり、粒子の充填構造をより密にすること
ができるので、充填性が一段と向上し流動性を著しく向
上させることができる。
【0014】本発明の球状無機質粉末が備えなければな
らない次の条件は、BET法により測定した比表面積S
Bと粒度分布により計算した理論比表面積SCとの比(S
B/SC)が2.5以下であるということである。この比
が大きいということはレーザー回折法などの粒度分布測
定機では検出できないような超微粒子を多く含有するこ
とを意味する。このような超微粒子は球状無機質粉末の
高充填時に樹脂組成物を増粘させ、流動性、成形性を著
しく損なってしまう。したがって、SB/SCの値は2.
5以下、特に2.0以下であることがより好ましい。
【0015】本発明の球状無機質粉末の粒度分布は、レ
ーザー回折光散乱法による粒度測定に基づく値であり、
コールター粒度分布測定機(ベックマンコールター社製
モデル「LS−230」)にて測定した。溶媒には水を
用い、前処理として、1分間、ホモジナイザーを用いて
200Wの出力をかけて分散処理させた。また、PID
S(Polarization Intensity
Differential Scattering)濃
度を45〜55%になるように調製して測定した。な
お、水の屈折率値には1.33を用い、粉末の屈折率値
については粉末の材質の屈折率を考慮した。たとえば、
非晶質シリカについては屈折率値を1.50として測定
した。
【0016】また、比表面積SBはBET法に基づく値
であり、比表面積測定機(湯浅アイオニクス社製モデル
「4−SORB U2」)を用いて測定した。理論比表
面積SCについてはコールター粒度分布測定機によって
自動計算が可能である。具体的には、式;SC=6/
(ρ・SD)(式中、SDは面積平均粒子径(μm)、
ρは球状無機質粉末の比重であり、例えば非晶質シリカ
であれば2.21)で求められる。なお、SDは、式;
SD=Σ(niaidi)/Σ(niai)で求められ
る。これは、一つの粉末の集団において、粒子径の小さ
い順からd1、d2、・・・di、・・dkの粒子径を
持つ粒子が、それぞれn1、n2、・・・ni、・・n
k個あり、また粒子1個当たりの表面積をそれぞれa
1、a2、・・・ai、・・akとした場合、SDは、
SD=(n1a1d1+n2a2d2+・・・+nia
idi+・・・+nkakdk)/(n1a1+n2a
2+・・・+niai+・・・+nkak)で求められ
ることになる。
【0017】本発明の球状無機質粉末においては、50
nm未満の粒子を実質的に含有しないことが好ましい。
上述したように超微粒子は球状無機質粉末の高充填時に
樹脂組成物を増粘させ、流動性、成形性を著しく損なわ
せてしまう。とくに、50nm未満の粒子はその傾向が
著しく、本発明の球状無機質粉末においては、このよう
な超微粒子を実質的に含有しないことが好ましい。
【0018】ここで、50nm未満の粒子を実質的に含
有しないこととは、電子顕微鏡により倍率50,000
倍で撮影した任意の写真100枚中の50nm未満の粒
子個数を数え、写真1枚あたりの平均値として換算した
値が50個未満であることを意味する。50nm未満の
粒子はより少ない方が好ましいが、平均粒子数50個以
上となると、本発明の効果が急激に失われるといったこ
とはなく、この程度の個数ならば間違いなく発明の効果
が発現される。
【0019】電子顕微鏡写真の撮影には、電界放射型走
査電子顕微鏡(日本電子社製モデル「FE−SEM、J
SM−6301F」)を用い、加速電圧15kV、照射
電流3×10-11Aの条件で撮影した。撮影の前処理と
して真空蒸着装置(日本電子社製モデル「JEE−4
X」)で球状無機質粉末に2秒間炭素を蒸着した後、さ
らに金−パラジウムを60秒間蒸着させた。
【0020】本発明の球状無機質粉末における「球状」
の程度としては、累積粒度分布75%(d75)未満の
粒子径を持つ粒子の平均球形度が0.90以上、d75
以上の粒子径を持つ粒子の平均球形度が0.85以上で
あることが好ましい。一般に球状無機質粉末の平均球形
度を上げれば流動性が向上する傾向にあるが、特にd7
5以上の粒子径を持つ粗い粒子の平均球形度を0.85
以上とすることで、本発明の効果をより高めることがで
きるものである。
【0021】平均球形度は、実体顕微鏡(たとえば、ニ
コン社製モデル「SMZ−10型」)、走査型電子顕微
鏡等にて撮影した粒子像を画像解析装置(たとえば、日
本アビオニクス社製など)に取り込み、次のようにして
測定することができる。すなわち、写真から粒子の投影
面積(A)と周囲長(PM)を測定する。周囲長(P
M)に対応する真円の面積を(B)とすると、その粒子
の真円度はA/Bとして表示できる。そこで、試料粒子
の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定する
と、PM=2πr、B=πr2であるから、B=π×
(PM/2π)2となり、個々の粒子の球形度は、球形
度=A/B=A×4π/(PM)2として算出すること
ができる。このようにして得られた任意の粒子200個
の真円度を求めその平均値を平均球形度とした。
【0022】なお、上記以外の真円度の測定法として
は、粒子像分析装置(たとえば、シスメックス社製モデ
ル「FPIA−1000」)にて定量的に自動計測され
た個々の粒子の円形度から、式、真円度=(円形度)2
により換算して求めることもできる。
【0023】本発明における球状無機質粉末は、シリ
カ、アルミナ、チタニア、マグネシア、カルシア等の無
機質粉末であり、それらの粉末を単独で用いても二種類
以上混合したものでもかまわない。とくに、半導体チッ
プと封止材料との熱膨張率を近づけるという点、半田耐
熱性、耐湿性、金型の低摩耗性という観点において、結
晶質シリカを高温で溶融する方法ないしは合成法で製造
された非晶質シリカが最適である。また、その非晶質率
は、粉末X線回折装置(たとえば、RIGAKU社製モ
デル「Mini Flex」)を用い、CuKα線の2
θが26°〜27.5°の範囲において試料のX線回折
分析を行い、特定回折ピークの強度比から測定すること
ができる。すなわち、結晶質シリカは、26.7°に主
ピークが存在するが、非晶質シリカでは、ピークは存在
しない。非晶質シリカと結晶質シリカが混在している
と、それらの割合に応じた26.7°のピーク高さが得
られるので、結晶質シリカ標準試料のX線強度に対する
試料のX線強度の比から、結晶質シリカ混在比(試料の
X線回折強度/結晶質シリカのX線回折強度)を算出
し、式、非晶質率(%)=(1−結晶質シリカ混在比)
×100から非晶質率を求めることができる。
【0024】次に本発明の樹脂組成物について説明す
る。本発明の樹脂組成物は本発明の球状無機質粉末を6
0〜96質量%含有しているものである。
【0025】本発明で使用される樹脂としては、エポキ
シ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等の
ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンテレフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンス
ルフィド、全芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶
ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネイト、
マレイミド変成樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニ
トリルーアクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アク
リロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴムース
チレン)樹脂等をあげることができる。
【0026】これらの中、封止材料としては、1分子中
にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂が好まし
い。その具体例をあげれば、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、フェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂をエ
ポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノール
F及びビスフェノールSなどのグリシジルエーテル、フ
タル酸やダイマー酸などの多塩基酸とエポクロルヒドリ
ンとの反応により得られるグリシジルエステル酸エポキ
シ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹
脂、複素環式エポキシ樹脂、アルキル変性多官能エポキ
シ樹脂、βーナフトールノボラック型エオキシ樹脂、
1,6−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、2,
7−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ビスヒド
ロキシビフェニル型エポキシ樹脂、更には難燃性を付与
するために臭素などのハロゲンを導入したエポキシ樹脂
等である。中でも、耐湿性や耐ハンダリフロー性の点か
らは、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビ
スヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨
格のエポキシ樹脂等が好適である。
【0027】エポキシ樹脂の硬化剤については、エポキ
シ樹脂と反応して硬化させるものであれば特に限定され
ず、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、レ
ゾルシノール、クロロフェノール、t−ブチルフェノー
ル、ノニルフェノール、イソプロピルフェノール、オク
チルフェノール等の群から選ばれた1種又は2種以上の
混合物をホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド又は
パラキシレンとともに酸化触媒下で反応させて得られる
ノボラック型樹脂、ポリパラヒドロキシスチレン樹脂、
ビスフェノールAやビスフェノールS等のビスフェノー
ル化合物、ピロガロールやフロログルシノール等の3官
能フェノール類、無水マレイン酸、無水フタル酸や無水
ピロメリット酸等の酸無水物、メタフェニレンジアミ
ン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルス
ルホン等の芳香族アミン等をあげることができる。
【0028】本発明の樹脂組成物には、次の成分を必要
に応じて配合することができる。すなわち、低応力化剤
として、シリコ−ンゴム、ポリサルファイドゴム、アク
リル系ゴム、ブタジエン系ゴム、スチレン系ブロックコ
ポリマ−や飽和型エラストマ−等のゴム状物質、各種熱
可塑性樹脂、シリコ−ン樹脂等の樹脂状物質、更にはエ
ポキシ樹脂、フェノ−ル樹脂の一部又は全部をアミノシ
リコ−ン、エポキシシリコ−ン、アルコキシシリコ−ン
などで変性した樹脂など、シランカップリング剤とし
て、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン等のエポキシシラン、アミノプロピルトリエ
トキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、
N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のア
ミノシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリ
メトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン等の
疎水性シラン化合物やメルカプトシランなど、表面処理
剤として、Zrキレ−ト、チタネ−トカップリング剤、
アルミニウム系カップリング剤など、難燃助剤として、
Sb23、Sb24、Sb25など、難燃剤として、ハ
ロゲン化エポキシ樹脂やリン化合物など、着色剤とし
て、カ−ボンブラック、酸化鉄、染料、顔料などであ
る。更には、ワックス等の離型剤を添加することができ
る。その具体例をあげれば、天然ワックス類、合成ワッ
クス類、直鎖脂肪酸の金属塩、酸アミド類、エステル
類、パラフィンなどである
【0029】とくに、高い耐湿信頼性や高温放置安定性
が要求される場合には、各種イオントラップ剤の添加が
有効である。イオントラップ剤の具体例としては、協和
化学社製商品名「DHF−4A」、「KW−200
0」、「KW−2100」や東亜合成化学工業社製商品
名「IXE−600」などである。
【0030】本発明の樹脂組成物には、エポキシ樹脂と
硬化剤との反応を促進させるために硬化促進剤を配合す
ることができる。その硬化促進剤としては、1,8ージ
アザビシクロ(5,4,0)ウンデセンー7,トリフェ
ニルホスフィン、ベンジルジメチルアミン、2−メチル
イミダゾール等がある。
【0031】本発明の樹脂組成物は、上記各材料の所定
量をブレンダーやヘンシェルミキサー等によりブレンド
した後、加熱ロール、ニーダー、一軸又は二軸押し出し
機等により混練したものを冷却後、粉砕することによっ
て製造することができる。
【0032】本発明の樹脂組成物を封止材料として用
い、半導体チップを封止するには、トランスファーモー
ルド、マルチプランジャー等の公知の成形法を採用する
ことができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例をあげて更に
具体的に説明する。
【0034】実施例1〜8 比較例1〜8 天然珪石を粉砕、その粉砕物をLPGと酸素との燃焼に
より形成される高温火炎中に供給し、溶融・球状化処理
を行う際、火炎形成条件、原料粒度、原料供給量、分級
条件などを調整して、表1に示す単一の極大値を有する
10種の球状シリカ粉末を製造した。これらの球状シリ
カ粉末の非晶質率は、いずれも99%以上であった。こ
れらを表2および表3に示した種々の割合で配合して球
状非晶質シリカ粉末A〜Pを調整し、その粒度分布を測
定し、0.2〜1μmの領域、3〜10μmの領域およ
び20〜70μmの領域における極大値をそれぞれP
1、P2、P3として表に示した。また、BET法によ
り測定した比表面積SBと粒度分布により計算した理論
比表面積SCとの比を(SB/SC)を求めた。
【0035】得られた球状非晶質シリカ粉末A〜Pの封
止材料としての特性を評価するため、その粉末90%
(質量%、以下同じ)に、4,4’−ビス(2,3−エ
ポキシプロポキシ)−3,3’、5,5’−テトラメチ
ルビフェニル型エポキシ樹脂4.2%、フェノール樹脂
4.3%、トリフェニルホスフィン0.2%、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン0.5%、カーボ
ンブラック0.3%、カルナバワックス0.5%(合計
100%)を加え、ヘンシェルミキサーにてドライブレ
ンドした後、得られた配合物を同方向噛み合い二軸押出
混練機(スクリュー径D=25mm、ニーディングディ
スク長10Dmm、パドル回転数150rpm、吐出量
5kg/h、ヒーター温度105〜110℃)で加熱混
練した。吐出物を冷却プレス機にて冷却した後、粉砕し
て封止材料とした。得られた封止材料の流動性と成形性
を次に示す方法に従って評価した。それらの結果を表2
および表3に示す。
【0036】(1)流動性試験(スパイラルフロー評
価) EMMI−I−66(Epoxy Molding M
aterial Institute;Society
of Plastic Industry)に準拠し
たスパイラルフロー測定用金型を取り付けたトランスフ
ァー成形機を用いて、スパイラルフロー値を測定した。
トランスファー成形条件は、金型温度175℃、成形圧
力7.4MPa、保圧時間90秒とした。
【0037】(2)成形性試験(ボイド数評価) 160ピンQFP(Quad Flat Packag
e;28mm×28mm、厚さ3.6mm、模擬ICチ
ップサイズ15mm×15mm)の半導体パッケージを
トランスファー成形機を用いて24個作製し、パッケー
ジ内に残存する0.1mm以上のボイド数を超音波探傷
機を用いてカウントし、1パッケージあたりのボイド数
を算出した。トランスファー成形条件は、金型温度17
5℃、成形圧力7.4MPa、保圧時間90秒とし、封
止材料のプレヒート温度を80℃とした。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】表から明らかなように、本発明の球状無機
質粉末の充填されてなる封止材料は、無機質粉末の充填
率が90質量%であっても流動性、成形性が高いレベル
にあることがわかる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、無機質充填材の充填率
が高くても、流動性、成形性に優れる球状無機質粉末お
よび樹脂組成物が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福原 浩一 福岡県大牟田市新開町1 電気化学工業株 式会社大牟田工場内 (72)発明者 長坂 英昭 福岡県大牟田市新開町1 電気化学工業株 式会社大牟田工場内 Fターム(参考) 4J002 AA011 AA021 BD121 BN061 BN151 CC031 CC161 CC181 CD011 CD021 CD041 CD051 CD061 CD101 CD111 CD121 CD141 CF061 CF071 CF161 CF211 CG001 CM041 CN011 CN031 CP031 DD066 DE136 DE146 DJ016 FA086 FD016 FD090 FD130 FD140 FD160 GQ05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3〜10μmの領域および20〜70μ
    mの領域に極大値を示す頻度粒度分布を有し、BET法
    により測定した比表面積SBと粒度分布により計算した
    理論比表面積SCとの比(SB/SC)が2.5以下であ
    ることを特徴とする球状無機質粉末。
  2. 【請求項2】 0.2〜1.5μmの領域、3〜10μ
    mの領域および20〜70μmの領域に極大値を示す頻
    度粒度分布を有し、BET法により測定した比表面積S
    Bと粒度分布により計算した理論比表面積SCとの比(S
    B/SC)が2.5以下であることを特徴とする球状無機
    質粉末。
  3. 【請求項3】 50nm未満の粒子を実質的に含有しな
    いことを特徴とする請求項1または2記載の球状無機質
    粉末。
  4. 【請求項4】 d75未満の粒子径を持つ粒子の平均球
    形度が0.90以上、d75以上の粒子径を持つ粒子の
    平均球形度が0.85以上であることを特徴とする請求
    項1〜3にいずれかに記載の球状無機質粉末。
  5. 【請求項5】 球状無機質粉末が非晶質シリカであるこ
    とを特徴とする請求項1〜4にいずれかに記載の球状無
    機質粉末。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の球状無
    機質粉末を60〜96質量%含有してなることを特徴と
    する樹脂組成物。
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