JPH08245214A - シリカ微粉末、その製造法及び半導体封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

シリカ微粉末、その製造法及び半導体封止用エポキシ樹脂組成物

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JPH08245214A
JPH08245214A JP4684195A JP4684195A JPH08245214A JP H08245214 A JPH08245214 A JP H08245214A JP 4684195 A JP4684195 A JP 4684195A JP 4684195 A JP4684195 A JP 4684195A JP H08245214 A JPH08245214 A JP H08245214A
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silica
epoxy resin
powder
fine powder
silica fine
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Mitsuyoshi Iwasa
光芳 岩佐
Kazuya Yamamoto
一也 山本
Kazuo Takahashi
和男 高橋
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面実装に好適な封止材とするための一次粒
子径の平均が0.1〜1μmのシリカ微粉末を生産性よ
く製造すること。また、充填剤の充填率が高いにもかか
わらず高流動性であり、耐半田クラック性等に著しく優
れた信頼性の高い半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提
供すること。 【構成】 シリカ質物質が炭素の存在下で加熱されるこ
とによって発生した蒸気の酸化物粉末であって非晶質シ
リカを主成分とし、一次粒子径の平均が0.1〜1μ
m、抽出水電気伝導度が100μS/cm以下であるこ
とを特徴とするシリカ微粉末、金属シリコン又はケイ素
合金を電気炉で製造する際に副産される非晶質シリカを
主成分とする酸化物粉末をその抽出水電気伝導度が10
0μS/cm以下となるまで水洗することを特徴とする
シリカ微粉末の製造方法、及び(A)エポキシ樹脂、
(B)エポキシ樹脂の硬化剤、(C)上記本発明のシリ
カ微粉末以外の無機質充填剤及び(D)上記本発明のシ
リカ微粉末を含有してなることを特徴とする半導体封止
用エポキシ樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリカ微粉末、その製
造法及びこのシリカ微粉末を充填剤の一成分として含ま
せてなる半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、半導体の高集積化が進むにつれて
チップが大型化し、またその実装方式も配線基板への高
密度実装に好適な表面実装が主流になりつつある。この
ような状況下において、半導体封止用樹脂組成物(以
下、「封止材」という)には優れた耐湿性と成形性の両
立が望まれるようになった。
【0003】このような要望を満たすには、封止材の流
動性を低下させることなく充填剤の充填率を高めること
が必要であり、そのためには一次粒子径の平均が0.1
〜1μm程度のシリカ微粒子の添加が不可欠であること
が報告されている(特開平5−230284号公報)。
【0004】従来、このようなシリカ微粒子を製造する
方法としては、珪石、珪砂、水晶等のシリカ質物質を振
動ミル等により粒度調節し、それをLPG/酸素の火炎
又は高温プラズマ中に投入し球状化する方法があるが、
この方法では粒子が融着し粗大化するので目的粒子の収
率が悪いという問題があった。また、ハロゲン化ケイ素
の酸水素炎中における加水分解法による合成シリカで
は、逆に数10nmと非常に微粒子が主体となり、これ
また上記と同様にして目的粒子の収率が悪いものであっ
た。更には、精製したシリカ質物質を炭素の存在下で加
熱することによって発生させた蒸気を酸素含有雰囲気下
で捕集する方法もあるが(特公平5−78182号公
報)、この方法であっても得られたシリカ粉末の一次粒
子径の平均は0.1μm未満であり目的粒子の粒度では
なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来、
表面実装に好適な封止材とするための一次粒子径の平均
が0.1〜1μm程度のシリカ微粉末を生産性よく製造
する方法はなかった。本発明の目的は、表面実装に好適
な封止材とするための一次粒子径の平均が0.1〜1μ
m程度のシリカ微粉末を生産性よく製造することであ
る。また、本発明の他の目的は表面実装に好適な封止材
を提供することである。
【0006】本発明者らは、上記目的を達成するために
種々検討した結果、金属シリコン又はフェロシリコン等
のケイ素合金を電気炉で製造する際に副産される非晶質
シリカを主成分とする粉末に着目した。この粉末は、シ
リカフューム、シリカフラワー、シリカダスト、コロイ
ドシリカとも呼ばれているものであり、SiO2 含有量
が高く球状粒子であり、その一次粒子径の平均は0.1
〜0.5μmであり、比表面積が7〜25m2 /gと封
止材の充填剤の一成分として好適な特性を備えている。
しかし、不純物特にNa+ 、K+ 、Cl- 、SO4 2-
多いのでこれをそのまま封止材の充填剤として使用する
とアルミニウム配線の腐食等を引き起こす問題がある。
この観点にたって更に検討を進めたところ、抽出水の電
気伝導度が100μS/cm以下になるまでそれを水洗
すればよいことを見いだし、本発明を完成させたもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、シ
リカ質物質が炭素の存在下で加熱されることによって発
生した蒸気の酸化物粉末であって非晶質シリカを主成分
とし、一次粒子径の平均が0.1〜1μm、抽出水電気
伝導度が100μS/cm以下であることを特徴とする
シリカ微粉末、金属シリコン又はケイ素合金を電気炉で
製造する際に副産される非晶質シリカを主成分とする酸
化物粉末をその抽出水電気伝導度が100μS/cm以
下となるまで水洗することを特徴とするシリカ微粉末の
製造方法、及び(A)エポキシ樹脂、(B)エポキシ樹
脂の硬化剤、(C)上記本発明のシリカ微粉末以外の無
機質充填剤及び(D)上記本発明のシリカ微粉末を含有
してなることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組
成物、である。
【0008】以下、更に詳しく本発明について説明する
と、まず本発明のシリカ微粉末は、シリカフュームのよ
うに金属シリコン又はケイ素合金の製造を伴うか、又は
伴わないでシリカ質物質を炭素の存在下で加熱すること
によって発生させた蒸気の酸化物粉末から得られた非晶
質シリカを主成分とするものであって、その一次粒子径
の平均が0.1〜1μm、抽出水電気伝導度が100μ
S/cm以下の要件を備えているものである。
【0009】従来のシリカ微粉末において、その一次粒
子径の平均と抽出水電気伝導度の両方を満たしているも
のはシリカ質物質の火炎又はプラズマによる溶射法かあ
るいは合成シリカ法で得られているが、これらは生産性
の悪いものであった。一方、本発明のようにシリカ質物
質を炭素の存在下で加熱することによって発生させた蒸
気の酸化物粉末から得られたものについては、その一次
粒子径の平均又は抽出水電気伝導度の何れかが満たされ
ていなかったものである。すなわち、シリカフュームの
場合には抽出水電気伝導度が高く、また特公平5−78
182号公報のように精製したシリカ質物質を炭素の存
在下で加熱することによって発生させた蒸気の酸化物粉
末の場合には純度は高いが、蒸気濃度が低い、酸化・冷
却速度が速い等の理由から一次粒子径の平均が0.1μ
m未満であったものである。
【0010】本発明において、シリカ質物質を炭素の存
在下で加熱することによって発生させた蒸気の酸化物粉
末に限定したのは、一次粒子径の平均が0.1〜1μm
であるものを生産性よく取得するためである。
【0011】本発明において、一次粒子径の平均が0.
1〜1μm以外では封止材の流動性とバリ止めの改善効
果が小さく、また抽出水電気伝導度が100μS/cm
をこえるとアルミニウム配線の腐食、絶縁不良等により
封止材の信頼性が低下する。
【0012】本発明において、一次粒子径の平均はSE
M観察によって測定することができる。また、抽出水電
気伝導度は、試料粉末20グラムを電気伝導度1μS/
cm以下のイオン交換水95ミリリットルとエタノール
5ミリリットルと共に三角フラスコ(300ミリリット
ル)に入れ、10分間振とう後ビーカー(100ミリリ
ットル)に移し30分間静置してから電気伝導度計で測
定される。
【0013】次に、本発明のシリカ微粉末の製造法につ
いて説明すると、この発明は本発明のシリカ微粉末を生
産性よく安価に製造するものであり、必要により粒度調
整されたシリカフュームを水洗して抽出水電気伝導度を
100μS/cm以下にまで低下させてから必要に応じ
て粒度調整されるものである。
【0014】本発明で使用されるシリカフュームは、金
属シリコン又はケイ素合金製造時の副産物のいずれでも
よいが、金属シリコン製造時の副産物はSiO2 含有量
が93〜98%程度と高いのでケイ素合金製造時の副産
物に比べて水洗処理による精製が容易であるので好まし
い。
【0015】本発明において水洗処理は、毎回イオン交
換水を用いて固形分濃度5〜30%程度のスラリーを調
合し固液分離を繰り返す方法、水洗回数を減らすために
高純度水を用いたりスラリー濃度を5%よりも低くする
方法、最初は工業用水等を用い最後にイオン交換水を用
いる方法等のいずれでもよいが、本発明においては初回
の水洗効果が大きいのでイオン交換水の節約の点から後
者の方法が好適である。水洗温度については常温で十分
である。
【0016】スラリーの固液分離は、遠心分離、沈降濃
縮、フイルタープレス等による濾過等のいずれでもよい
が、デカンタでの濃縮分離は連続化が容易であるので本
発明では好ましい。
【0017】次いで、固液分離後のケーキは乾燥される
が、その際、強固な凝集を起こさせずに乾燥することが
肝要なことである。本発明においては、静置乾燥法は好
ましくはなく、瞬間真空乾燥法(例えばホソカワミクロ
ン社製「クラックスシステム」)、媒体流動乾燥法(奈
良機械製作所社製「MSD」)、気流式乾燥法(セイシ
ン企業社製「フラッシュジェットドライヤ」)、凍結乾
燥法等が望ましく、特に気流式乾燥法はケーキを希釈す
る必要がないので最適である。
【0018】本発明のシリカ微粉末の用途としては、封
止材の充填剤、樹脂及び/又はゴムの補強剤、塗料のチ
キトロピー性付与剤、フイルムのアンチブロッキング
剤、断熱材、農薬担体、複写用トナー等があるが、以
下、本発明の封止材について説明する。
【0019】本発明に用いられる(A)成分のエポキシ
樹脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有する
ものであれば特に制限はなく、具体例を挙げれば、フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とアルデヒド類
のノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールF及びビスフェノールSなどのグ
リシジルエーテル、フタル酸やダイマー酸などの多塩基
酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジ
ルエステル酸エポキシ樹脂、その他、線状脂肪族エポキ
シ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、
アルキル変性多官能エポキシ樹脂、β−ナフトールノボ
ラック型エポキシ樹脂、1,6−ジヒドロキシナフタレ
ン型エポキシ樹脂、2,7−ジヒドロキシナフタレン型
エポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル型エポキシ樹
脂、さらには難燃性を付与するために臭素などのハロゲ
ンを導入したエポキシ樹脂などがあり、これらを1種又
は2種以上を用いる。特に半田耐熱性と耐湿信頼性の観
点からは、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ビスヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタ
レン骨格のエポキシ樹脂などが好適である。
【0020】本発明に用いられる(B)成分のエポキシ
樹脂の硬化剤としては、エポキシ樹脂(A)と反応して
硬化させるものであれば特に限定されず、例えば、フェ
ノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、
クロロフェノール、t−ブチルフェノール、ノニルフェ
ノール、イソプロピルフェノール、オクチルフェノール
等の群から選ばれた1種又は2種以上の混合物をホルム
アルデヒド、パラホルムアルデヒド又はパラキシレンと
ともに酸化触媒下で反応させて得られるノボラック型樹
脂、ポリパラヒドロキシスチレン樹脂、ビスフェノール
AやビスフェノールS等のビスフェノール化合物、ピロ
ガロールやフロログルシノール等の3官能フェノール
類、無水マレイン酸、無水フタル酸や無水ピロメリット
酸等の酸無水物、メタフェニレンジアミン、ジアミノジ
フェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香
族アミンなどが挙げられる。
【0021】(C)成分の無機質充填剤としては、上記
した本発明のシリカ微粉末以外の無機質粉末である。無
機質粉末の一次粒子の平均粒径としては、5〜40μm
が好ましく、またその形状については、球状、破砕状、
角取り状のいずれであってもよいが球状が望ましい。無
機質粉末の種類としては、シリカ、アルミナ、窒化ケイ
素、窒化アルミニウム等適宜選択して使用されるが、溶
融シリカが一般的である。
【0022】更に、(D)成分は上記した本発明のシリ
カ微粉末である。
【0023】本発明においては、(C)成分と(D)成
分の構成比率が重要であり、(C)成分97〜60重量
%好ましくは95〜70重量%に対し、(D)成分3〜
40重量%好ましくは5〜30重量%である。(D)成
分が3重量%未満では封止材の流動性を改善する効果が
小さく、また40重量%をこえると封止材の粘度が増大
し流動性が低下する。
【0024】本発明においては、(C)成分と(D)成
分からなる充填剤の割合は封止材中に70〜95重量%
特に80重量%以上含む割合が好ましい。充填剤の充填
率が70重量%未満では封止材の強度が不足したり耐湿
性が悪化して半田クラック性が低下したりする。また、
充填剤の充填率が95重量%をこえると、スパイラルフ
ロー値が小さくなり、成形時に未充填を生じたり、チッ
プを搭載したダイパットが変動したりし、更には半導体
素子とリードとを結ぶボンディングワイヤを変形させた
り切断させたりする危険がある。特にダイパットが変動
した場合、半田付け時にパッケージクラックが容易に発
生するようになる。
【0025】(A)成分と(B)成分の割合について
は、(A)成分50重量%以上(B)成分50重量%未
満が一般的である。
【0026】本発明の封止材には、上記(A)、
(B)、(C)、(D)の成分以外に必要に応じて以下
の成分を含ませることができる。すなわち、低応力化剤
として、シリコーンゴム、ポリサルファイドゴム、アク
リル系ゴム、ブタジエン系ゴム、スチレン系ブロックコ
ポリマーや飽和型エラストマー等のゴム状物質、各種熱
可塑性樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂状物質、更にはエ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂の一部または全部をアミノ
シリコーン、エポキシシリコーン、アルコキシシリコー
ンなどで変性した樹脂など、シランカップリング剤とし
て、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン等のエポキシシラン、アミノプロピルトリエ
トキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、
N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のア
ミノシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリ
メトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン等の
疎水性シラン化合物やメルカプトシランなど、表面処理
剤として、Zrキレート、チタネートカップリング剤、
アルミニウム系カップリング剤など、難燃助剤として、
Sb2 3 、Sb2 4 、Sb2 5 など、難燃剤とし
て、ハロゲン化エポキシ樹脂やリン化合物など、着色剤
として、カーボンブラック、酸化鉄、染料、顔料などで
ある。
【0027】特に高い耐湿信頼性や高温放置安定性が要
求される場合には、各種イオントラップ剤の添加が有効
である。イオントラップ剤の具体例としては、協和化学
社製商品名「DHF−4A」、「KW−2000」、
「KW−2100」や東亞合成化学工業社製商品名「I
XE−600」などが挙げられる。
【0028】本発明のエポキシ樹脂組成物には、エポキ
シ樹脂とエポキシ樹脂の硬化剤との反応を促進させるた
めに硬化促進剤を配合することができる。その硬化促進
剤としては、上記したようなものが挙げられるが、耐熱
性及び耐湿性の面から有機ホスフィン化合物とシクロア
ミジン誘導体が特に好ましい。また、耐熱性を更に高め
るためにビスマレイミド類等のイミド化合物を配合する
こともできる。
【0029】本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に
応じて、ワックス等の離型剤を添加することができる。
その具体例を挙げれば、天然ワックス類、合成ワックス
類、直鎖脂肪酸の金属塩、酸アミド類、エステル類、パ
ラフィン等である。
【0030】本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記の諸
材料をブレンダー又はミキサーで混合した後、加熱ロー
ル、ニーダー、押出機、バンバリーミキサーなどの装置
によって溶融混練し、冷却粉砕することによって製造す
ることができる。
【0031】本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて実際
に各種半導体を樹脂封止するには、トランスファーモー
ルド、マルチプランジャー等の公知の成形法により硬化
成形すれば良く、これによって耐熱性、強度、耐湿性、
熱伝導率等の一般的特性を満足させるのみならず、充填
剤の充填率が高いにもかかわらず流動特性に非常に優れ
る。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例と比較例を挙げてさら
に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって
限定されるものではない。尚、以下の例における部及び
%はいずれも重量基準で示した。
【0033】実施例1〜4 比較例1〜3 表1に示す市販のシリカフュームを表2及び表4に示す
条件で水洗した後、表3に示す条件で乾燥して表4に示
すシリカ微粉末を製造した。
【0034】
【表1】
【0035】(1)平均粒径、粒径範囲はSEM観察で
測定された一次粒子の値である。 (2)EC(抽出水電気伝導度)は上記の方法で測定し
た。 (3)不純物はサンプル20gを100ミリリットルの
純水と共に300ミリリットル三角フラスコに入れ、1
0分間振とう後、遠心分離を行い、上澄み液を原子吸光
及びイオンクロマトグラフで測定した。
【0036】
【表2】 (注)イオン交換水の電気伝導度は0.6μS/cmで
ある。濃縮分離は巴工業社製「デカンタP−660型」
で行い、スラリ供給量0.5m3 /hrで行った。ケー
キの固形分濃度は約50重量%であった。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】表5に示す材料を同表に示す割合で計量
し、ミキサーで混合してから加熱ロールで混練後、冷却
・粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキ
シ樹脂組成物について、以下に従うスパイラルフロー
(SF)、バリ、ゲルタイム、耐半田クラック性、信頼
性を評価した。それらの結果を表6に示す。
【0040】(4)スパイラルフロー(SF) スパイラルフロー金型を用いて、EMMI1−66(E
poxy Molding Material Ins
titute ; Society of Plast
ic Industry)に準処して測定した。成形温
度は175℃である。
【0041】(5)バリ 2、5、10及び30μmの間隙を有する金型でトラン
スファー成形し、その間隙に出たバリの長さの平均値で
評価した。成形温度は175℃である。 (6)ゲルタイム ゲルタイムとは、樹脂が溶融硬化するまでの時間を表す
1つの指標であり、ゲルタイムの長いものはスパイラル
フロー値も長くなる。従って、本発明の効果を確認する
に当たり、スパイラルフローの優劣を見極めるべくゲル
タイムがおよそ30秒になるように表5の配合は考慮さ
れている。ゲルタイムの測定は、175℃に加熱した金
属ブロック上で、樹脂が溶融・硬化するまでの時間を測
定することによって行った。
【0042】(7)耐半田クラック性 低圧トランスファー成形法により、175℃×2分の条
件で模擬素子を封止した44ピンQFP成形体(パッケ
ージ)の16個を得た後、175℃×5時間のポストキ
ュアを行った。これらを温度85℃、湿度85%RHの
条件で96時間放置後、260℃の半田に10秒間浸漬
し、超音波探査映像装置により、16個のパッケージ中
に観察された内部クラックの発生率を求めた。
【0043】(8)信頼性 本発明の樹脂組成物を用いて断線及びリーク電流測定用
に設計した半導体素子をトランスファーモールドにより
被覆した16ピンDIP成形品20個について120℃
の高圧蒸気下で20V印加して耐湿試験(バイアス・プ
レッシャー・クッカーテスト)を行い、時間の経過に伴
って発生するアルミニウム腐食をアルミパターンのオー
プンの発生もしくは一定限度以上のリーク電流の増加に
よって判定する方法で不良率を表示した。表6には30
0時間経過後の不良率が示されている。
【0044】比較例4 本発明のシリカ微粉末(D)を含まず無機質充填剤
(C)のみを、配合1では85重量%、配合2では92
重量%充填したこと以外は実施例と同様にしてエポキシ
樹脂組成物を製造し評価した。
【0045】比較例5 本発明のシリカ微粉末(D)のかわりに特公平5−78
182号公報の方法で製造された一次粒子の平均粒径が
0.07μm、比表面積が42.7m2 /g、ECが1
4μS/cmであるシリカ粉末を用いたこと以外は実施
例と同様にしてエポキシ樹脂組成物を製造し評価した。
【0046】比較例6 本発明のシリカ微粉末(D)のかわりに珪石の溶射法で
製造された粉末を分級して得られた一次粒子の平均粒径
が1.2μm、比表面積が3.8m2 /g、ECが11
μS/cmであるシリカ粉末を用いたこと以外は実施例
と同様にしてエポキシ樹脂組成物を製造し評価した。
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【発明の効果】本発明によれば表面実装に好適な封止材
とするための一次粒子径の平均が0.1〜1μmのシリ
カ微粉末を生産性よく製造することができる。また、本
発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は充填剤の含有
率が高いにもかかわらず高流動性を有するので耐半田ク
ラック性等に著しく優れ信頼性の高いものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/31

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカ質物質が炭素の存在下で加熱され
    ることによって発生した蒸気の酸化物粉末であって非晶
    質シリカを主成分とし、一次粒子径の平均が0.1〜1
    μm、抽出水電気伝導度が100μS/cm以下である
    ことを特徴とするシリカ微粉末。
  2. 【請求項2】 金属シリコン又はケイ素合金を電気炉で
    製造する際に副産される非晶質シリカを主成分とする酸
    化物粉末をその抽出水電気伝導度が100μS/cm以
    下となるまで水洗することを特徴とするシリカ微粉末の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 (A)エポキシ樹脂、(B)エポキシ樹
    脂の硬化剤、(C)請求項1記載のシリカ微粉末以外の
    無機質充填剤及び(D)請求項1記載のシリカ微粉末を
    含有してなることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹
    脂組成物。
JP4684195A 1995-03-07 1995-03-07 シリカ微粉末、その製造法及び半導体封止用エポキシ樹脂組成物 Pending JPH08245214A (ja)

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