JP2001047065A - 晶析脱燐装置及びその晶析脱燐方法 - Google Patents
晶析脱燐装置及びその晶析脱燐方法Info
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Abstract
容易に分離できるため、設備費や運転経費も低廉であ
り、また、分離回収した燐酸マグネシウム結晶も肥料や
土壌改良材として還元することができる晶析脱燐装置及
びその方法を提供する。 【解決手段】イ)マグネシウムを添加すると共にアルカ
リでpH調整した排水を攪拌して燐酸マグネシウム化合
物の結晶を析出させる流動床反応槽と、ロ)流動床反応
槽の上部の液抜き出し管からの液中の微細フロックを濾
過処理する燐酸マグネシウム化合物結晶が充填された固
定床濾過装置と、ハ)流動床反応槽の下部の液抜き出し
管からの液中の燐酸マグネシウム化合物結晶を分離する
結晶分離装置を設けたことを特徴とする晶析脱燐装置。
Description
る排水中の燐を除去する方法に関し、更に詳細には、燐
を燐酸マグネシウム化合物結晶として析出分離する晶析
脱燐方法に関する。
水などの燐化合物を含有する排水中の燐を除去する方法
として、嫌気性処理と好気性処理を組合せて燐を微生物
汚泥に取り込んで除去する生物脱燐方法や硫酸アルミニ
ウム、ポリ塩化アルミニウムなどの凝集剤を用いてSS
やコロイドなどと共に凝集させて沈降分離する凝集沈殿
法が一般的に用いられているが、生物脱燐方法にあって
は、生物学的処理であるため、運転管理が煩雑であり、
また高度な技術を必要とし、更に、処理時間がかかるた
め装置が過大となる問題があり、また、凝集沈殿法で
は、凝集剤自体とSSやコロイドなどが凝集分離するた
め、発生スラッジ量が多くなり、スラッジの処理に多額
な費用や過大な設備が必要となる問題がある。
は、発生汚泥やスラッジをそのまま埋め立て処分する
か、焼却処理したのち埋め立て処分しているが、脱水や
焼却などその処分に多額な費用や過大な設備が必要とな
ると共に、近年はダイオキシン発生問題などから焼却処
分が困難となってきており、できるだけスラッジ量など
を少なくすると共に資源の有効活用が図れる処理方法が
望まれてきている。
石灰や生石灰などのカルシウム塩を添加してヒドロキシ
アパタイト結晶を析出させて分離するCa塩晶析脱燐方
法や塩化マグネシウム、水酸化マグネシウムなどのマグ
ネシウム塩を添加し排水中のアンモニアを利用してマグ
ネシウムアンモニア燐酸(MAP)などの結晶を析出さ
せて分離するMAP法晶析脱燐方法などが開発されてい
る。
おいて、Ca塩晶析脱燐方法では、炭酸カルシウムの生
成を抑えるため、晶析させる前に脱炭酸する必要があ
り、それらの工程やpH調整工程が複雑であり、また、
カルシウム塩はスケールが発生しやすいため、処理槽内
にスケール付着や配管の閉塞などを惹起する恐れがある
問題がある。また、MAP法晶析脱燐方法では、マグネ
シウム、アンモニア及び燐酸が1:1:1のモル比であ
る必要があるため、結晶析出条件が狭く使用範囲が限定
される問題があると共に、微細なフロックが流出しやす
く、脱燐効率が低い問題などがある。
に用いられる装置の問題点に鑑みて成されたものであ
り、脱燐効果が安定して高く維持でき、析出結晶も容易
に分離できるため、設備費や運転経費も低廉であり、ま
た、分離回収した結晶も不純物が少なくマグネシウムや
燐酸及びアンモニアを多量に含んでいるため、肥料や土
壌改良材として還元することができる晶析脱燐装置及び
その晶析脱燐方法を提供する目的で成されたものであ
る。
の本発明の要旨は、請求項1に記載した発明において
は、燐化合物を含有する排水中の燐を除去する装置にお
いて、イ)マグネシウムを添加すると共にアルカリでp
H調整した排水を攪拌して燐酸マグネシウム化合物の結
晶を析出させる上部及び下部に液抜き出し管が設けられ
た流動床反応槽と、ロ)流動床反応槽の上部の液抜き出
し管から抜き出された液中の微細フロックを濾過処理す
る燐酸マグネシウム化合物結晶が充填された固定床濾過
装置と、ハ)流動床反応槽の下部の液抜き出し管から抜
き出された液中の燐酸マグネシウム化合物結晶を分離す
る結晶分離装置を設けたことを特徴とする晶析脱燐装置
である。
は、請求項1記載の晶析脱燐装置において、排水にマグ
ネシウムを添加すると共にアルカリでpH調整する原水
調整槽を流動床反応槽の前段に設けたことを特徴とし、
更に請求項3に記載した発明においては、請求項1又は
請求項2記載の晶析脱燐装置において、固定床濾過装置
に充填された燐酸マグネシウム化合物結晶が、流動床反
応槽で生成した粒径1〜3mmの燐酸マグネシウム化合
物結晶であることを特徴とする。
は、燐化合物を含有する排水中の燐を除去する方法にお
いて、イ)排水に燐の1〜3倍モル比、好ましくは1.
5〜2倍モル比のマグネシウムを添加すると共に、アル
カリでpH7.5〜10、好ましくは8〜8.5に調整
する原水調整工程と、ロ)調整した混合液を攪拌して燐
酸マグネシウム化合物の結晶を析出させる晶析反応工程
と、ハ)晶析反応工程の上部液を燐酸マグネシウム化合
物結晶が充填された固定床濾過装置に供給して微細フロ
ックを濾過処理する濾過処理工程と、ニ)晶析反応工程
の下部液を結晶分離装置に供給して燐酸マグネシウム化
合物結晶を分離する結晶分離工程を設けたことを特徴と
する晶析脱燐方法を設けたことを特徴とする晶析脱燐方
法である。
は、請求項4記載の晶析脱燐方法において、固定床濾過
装置に充填された燐酸マグネシウム化合物結晶が、流動
床反応槽で生成した粒径1〜3mmの燐酸マグネシウム
化合物結晶である請求項4記載の晶析脱燐方法であるこ
とを特徴とし、更に請求項6に記載した発明において
は、請求項4又は請求項5記載の晶析脱燐方法におい
て、濾過処理工程で固定床濾過装置が所定の濾過効率に
低下した後に水で逆洗し、微細フロックを含有した逆洗
水を原水調整工程に循環する逆洗水循環工程を設けたこ
とを特徴とする。
すると共にアルカリでpH調整する原水調整工程は、流
動床反応槽の前段に原水調整槽を設けて調整するのが好
ましいが、流動床反応槽内にマグネシウム及びアルカリ
を添加して調整してもよく、また、流動床反応槽に排水
を導入する原水導入管に供給して調整してもよい。
晶としては、燐酸マグネシウム:Mg3(PO4)2、マ
グネシウムアンモニア燐酸:MgNH4PO4などの結晶
であり、その粒径は1〜3mm程度である。なお、固定
床濾過装置に用いられる充填結晶は、流動床反応槽で生
成した結晶を用いるのが、薬品費も低廉となり濾過性も
よいため好ましいが、他の装置で製造された結晶を用い
てもよいことは勿論である。
ネシウム化合物の結晶を用いるのは、流動床反応槽で未
反応となった燐や微細フロック状の結晶を、充填した結
晶の表面で析出成長させることにより、燐の除去効率を
高く維持できるためである。
部の液抜き出し管から流出せず、流動床反応槽の底部に
沈殿しない程度の緩い攪拌であるのが好ましく、緩速攪
拌機、空気攪拌手段又はポンプ循環などいずれで攪拌し
てもよい。
マグネシウム、水酸化マグネシウムなどが用いられ、そ
の添加量は排水に含有される燐の1〜3倍モル比が好ま
しく、更に好ましくは、1.5〜2倍モル比であり、ま
た、pH調整するアルカリとしては、水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムなどが用いられ、
調整pHは、7.5〜10が好ましく、更に好ましく
は、8〜8.5である。
の1倍モル比以下では燐の除去率が低くなり、3倍モル
比以上では、残存マグネシウム量が多くなり、薬品費が
嵩むと共に、固定床濾過装置でスケールが発生して濾過
床の目詰まりを速める恐れがある。また、pHが7.5
以下であると燐酸マグネシウム化合物の生成効率が低下
し、pHが10以上では薬品費が嵩むと共に、固定床濾
過装置でスケールが発生して濾過床の目詰まりを速める
恐れがある。
て図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形
態である晶析脱燐装置の系統図である。
シウム溶液を供給するマグネシウム供給管B及びアルカ
リ溶液を供給するアルカリ供給管Cが接続され、原水導
入管Aから導入された排水に、マグネシウム供給管Bか
ら供給された塩化マグネシウムなどのマグネシウム溶液
を添加すると共に、アルカリ供給管Cから供給された水
酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液でpH調整する原水
調整槽である。2は上部に液抜き出し管E、下部に液抜
き出し管Fと調整された混合液導入管Dが接続され、ま
た、内部に攪拌機9が付設され、調整された混合液を攪
拌して燐酸マグネシウム化合物の結晶を析出させる流動
床反応槽である。なお、流動床反応槽2に付設される攪
拌機9は、攪拌羽根で攪拌する機械式攪拌機が好ましい
が、空気攪拌手段又はポンプ循環などであってもよい。
し管Eと逆洗水排出管Gが接続され、下部に濾過処理水
排出管Hと逆洗水供給管Jが接続され、また、内部に燐
酸マグネシウム化合物結晶で形成された濾過床10が設
けられ、流動床反応槽2の上部液抜き出し管Eから抜き
出された液中の微細フロックを濾過処理する固定床濾過
装置である。4は微細フロックが濾過分離され、清澄化
された濾過処理水を貯留する処理水槽であり、上部に濾
過処理水排出管Hと処理水排出管Iが接続され、下部に
逆洗水を固定床濾過装置3に供給する逆洗水供給管Jが
接続されている。
が接続され、下部液抜き出し管Fから抜き出された液中
の燐酸マグネシウム化合物結晶を分離するウエッジワイ
ヤ、金網、多孔板などのスクリーンである結晶分離装置
であるが、遠心分離装置や濾過装置などであってもよ
い。6は結晶分離装置5で結晶が分離された分離液を貯
留するドレン槽であり、下部に分離液を原水調整槽1に
循環する分離液循環管Lが接続されている。
ネシウム化合物結晶を貯留する結晶貯留槽であり、上部
に結晶を吸引排出する結晶排出管Mが接続されている。
8は固定床濾過装置3の濾過床10を逆洗した逆洗水が
貯留される逆洗水槽であり、上部に逆洗水排出管Gが接
続され、下部に逆洗水を原水調整槽1に循環する逆洗水
循環管Kが接続されている。なお、11,12,13及
び14は夫々の配管に配置されたポンプである。
を除去する方法について以下詳述する。排水を原水導入
管Aから原水調整槽1に導入し、マグネシウム供給管B
からマグネシウム溶液を添加すると共に、アルカリ供給
管Cからアルカリ溶液を供給してpH調整する。なお、
マグネシウム溶液の添加量は、マグネシウムが排水に含
有される燐の1〜3倍モル比となるように添加するのが
好ましく、更に好ましくは、1.5〜2倍モル比であ
る。前記において、マグネシウムが燐の1倍モル比以下
では燐の除去率が低くなり、3倍モル比以上では、残存
マグネシウム量が多くなり、薬品費が嵩むと共に、固定
床濾過装置でスケールが発生して濾過床の目詰まりを速
める恐れがある。また、調整pHは、7.5〜10が好
ましく、更に好ましくは、8〜8.5であり、pHが
7.5以下であると燐酸マグネシウム化合物の生成効率
が低下し、pHが10以上では薬品費が嵩むと共に、固
定床濾過装置でスケールが発生して濾過床の目詰まりを
速める恐れがある。
液導入管Dから流動床反応槽2に導入され、攪拌機9で
生成結晶が流動床反応槽2の上部の液抜き出し管Eから
流出せず、流動床反応槽2の底部に沈殿しない程度の緩
速で攪拌されることにより、排水中の燐とマグネシウム
が反応して燐酸マグネシウム化合物の結晶が析出され
る。
された液を上部液抜き出し管Eから抜き出して固定床濾
過装置3に供給し、濾過床10を下降流する間に液中の
微細フロックを濾過分離すると共に、流動床反応槽で未
反応となった燐などを結晶表面で析出させることによ
り、燐の除去効率を高く維持することができ、微細フロ
ックなどが濾過分離される。濾過後の清澄化された濾過
処理水は、濾過処理水排出管Hから処理水槽4に導入さ
れて貯留され、処理水排出管Iから系外に排出される。
て反応した液を下部液抜き出し管Fから抜き出してポン
プ11を介して結晶分離装置5に供給し、液中の燐酸マ
グネシウム化合物結晶を分離して結晶貯留槽7に回収す
る。また、結晶が分離された分離液はドレン槽6に導入
して貯留する。なお、回収した燐酸マグネシウム化合物
結晶は結晶排出管Mから適宜な吸引排出手段で吸引排出
されるが、固定床濾過装置3の濾過床10の充填用結晶
として一部用いられる以外に、不純物が少なくマグネシ
ウムや燐酸及びアンモニアを多量に含有し、不純物も少
ないため、肥料や土壌改良材として還元することができ
る。また、ドレン槽6に貯留された分離液は、結晶分離
装置5で濾過分離されない微粒子を再度成長させるた
め、分離液循環管Lからポンプ14を介して原水調整槽
1に循環される。
濾過効率に低下した後に、逆洗工程が行われるが、逆洗
水としては、処理水槽4に貯留された処理水が用いら
れ、処理水は逆洗水供給管Jからポンプ12を介して固
定床濾過装置3へ供給され、濾過床10を上昇流する間
に目詰まりした微細フロックなどが除去され、逆洗水排
出管Gから排出させて逆洗水槽8に導入される。逆洗水
槽8に貯留された逆洗水は、除去された微細フロックな
どをより成長させるため、逆洗水循環管Kからポンプ1
3を介して原水調整槽1に循環される。
置を用いて有機性排水を処理した実施例について更に詳
述する。
排水を処理した。なお、原水中のT−P:27〜180
mg/L(平均65mg/L)、PO4−P:7〜98
mg/L(平均51mg/L)であった。その結果、処
理水中のT−P:0.5〜2.0mg/L(平均1.1
mg/L)、PO4−P:0.3〜1.4mg/L(平
均0.9mg/L)であった。前記の通り、脱燐効果が
極めて高いことが判明した。
でき、析出結晶も容易に分離できるため、設備費や運転
経費も低廉であり、また、分離回収した結晶も不純物が
少なくマグネシウム、アンモニア及び燐酸を多量に含ん
でいるため、肥料や土壌改良材とりて還元することがで
きる晶析脱燐装置及びその晶析脱燐方法である。
統図
Claims (6)
- 【請求項1】燐化合物を含有する排水中の燐を除去する
装置において、 イ)マグネシウムを添加すると共にアルカリでpH調整
した排水を攪拌して燐酸マグネシウム化合物の結晶を析
出させる上部及び下部に液抜き出し管が設けられた流動
床反応槽と、 ロ)流動床反応槽の上部の液抜き出し管から抜き出され
た液中の微細フロックを濾過処理する燐酸マグネシウム
化合物結晶が充填された固定床濾過装置と、 ハ)流動床反応槽の下部の液抜き出し管から抜き出され
た液中の燐酸マグネシウム化合物結晶を分離する結晶分
離装置 を設けたことを特徴とする晶析脱燐装置。 - 【請求項2】排水にマグネシウムを添加すると共にアル
カリでpH調整する原水調整槽を流動床反応槽の前段に
設けた請求項1記載の晶析脱燐装置。 - 【請求項3】固定床濾過装置に充填された燐酸マグネシ
ウム化合物結晶が、流動床反応槽で生成した粒径1〜3
mmの燐酸マグネシウム化合物結晶である請求項1又は
請求項2記載の晶析脱燐装置。 - 【請求項4】燐化合物を含有する排水中の燐を除去する
方法において、 イ)排水に燐の1〜3倍モル比、好ましくは1.5〜2
倍モル比のマグネシウムを添加すると共に、アルカリで
pH7.5〜10、好ましくは8〜8.5に調整する原
水調整工程と、 ロ)調整した混合液を攪拌して燐酸マグネシウム化合物
の結晶を析出させる晶析反応工程と、 ハ)晶析反応工程の上部液を燐酸マグネシウム化合物結
晶が充填された固定床濾過装置に供給して微細フロック
を濾過処理する濾過処理工程と、 ニ)晶析反応工程の下部液を結晶分離装置に供給して燐
酸マグネシウム化合物結晶を分離する結晶分離工程 を設けたことを特徴とする晶析脱燐方法。 - 【請求項5】固定床濾過装置に充填された燐酸マグネシ
ウム化合物結晶が、流動床反応槽で生成した粒径1〜3
mmの燐酸マグネシウム化合物結晶である請求項4記載
の晶析脱燐方法。 - 【請求項6】濾過処理工程で固定床濾過装置が所定の濾
過効率に低下した後に水で逆洗し、微細フロックを含有
した逆洗水を原水調整工程に循環する逆洗水循環工程を
設けた請求項4又は請求項5記載の晶析脱燐方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP22588299A JP4519965B2 (ja) | 1999-08-10 | 1999-08-10 | 晶析脱燐装置及びその晶析脱燐方法 |
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- 1999-08-10 JP JP22588299A patent/JP4519965B2/ja not_active Expired - Fee Related
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