JP2008212878A - 廃水処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】懸濁物質の流出量を抑えながら、好気性グラニュールGrの生成環境を容易に整えることができる。
【解決手段】平膜19dが設けられていない第1排出部17からの処理水Wsの排出量を多くするほど、活性汚泥槽3内の好気性グラニュールGrの生成環境には好適であり、平膜19dが設けられている第2排出部19からの処理水の排出量を多くするほど、縣濁物質の流出を抑えることができる。この廃水処理装置1によれば、両方の排出部17,19それぞれから流出する処理水Wsの流量を適宜に決定することで、懸濁物質の流出量を抑えながら、好気性グラニュールGrの生成環境を容易に整えることができる。
【選択図】図1
【解決手段】平膜19dが設けられていない第1排出部17からの処理水Wsの排出量を多くするほど、活性汚泥槽3内の好気性グラニュールGrの生成環境には好適であり、平膜19dが設けられている第2排出部19からの処理水の排出量を多くするほど、縣濁物質の流出を抑えることができる。この廃水処理装置1によれば、両方の排出部17,19それぞれから流出する処理水Wsの流量を適宜に決定することで、懸濁物質の流出量を抑えながら、好気性グラニュールGrの生成環境を容易に整えることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、廃水処理装置に関し、特に、好気性グラニュールを利用した回分式活性汚泥処理に適した装置に関する。
回分式活性汚泥法などを利用して、好気条件下で好気性グラニュールを生成する方法が知られている。好気性グラニュールは、硝化、脱窒作用を奏し、この特性を利用した廃水処理方法が注目されている。特許文献1〜3には、好気性グラニュールを利用した廃水処理装置が開示されている。これらの装置は、有機廃水が導入される曝気槽と、この曝気槽から廃水の一部を引き抜く排出部とを備え、以下の第1〜第4の各ステップを繰り返して回分式活性汚泥処理を行う。まず、第1のステップでは、曝気槽に有機廃水を導入して微生物汚泥を廃水に接種し、第2のステップでは、曝気槽内を曝気して攪拌し、第3のステップでは曝気を停止して静置させ、第4のステップでは曝気槽内の上澄みを一部排出する。好気性グラニュールを生成するためには、沈降速度の速い活性汚泥を処理槽内に多く残すことが重要である。上記の廃水処理装置では、第3のステップにおける静置時間を標準の回分式活性汚泥処理に比較して極めて短い時間にし、沈降速度の速い活性汚泥のみを沈降させ、その他の微細な懸濁物質(「SS」ともいう)は排出して好気性グラニュールの生成環境を整えていた。
国際公開98/37027号パンフレット
特表2005−517532号公報
特表2005−538825号公報
しかしながら、上記の廃水処理装置では、好気性グラニュールを生成させる環境を優先すると、懸濁物質の流出量が多くなってしまう。逆に、懸濁物質の流出量を抑えると好気性グラニュールの生成に適した環境が崩れ易く、懸濁物質の流出量を低下させながら、好気性グラニュールの生成環境を整えることは難しかった。
本発明は、以上の課題を解決することを目的としており、懸濁物質の流出量を抑えながら、好気性グラニュールの生成環境を容易に整えることができる廃水処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、好気性グラニュールを利用した廃水処理装置において、有機廃水が導入されると共に、好気性グラニュールを生成する処理槽と、処理槽から処理水を排出する複数の排出部と、を備え、複数の排出部のうち、一部の排出部に濾過手段を設けたことを特徴とする。
本発明に係る廃水処理装置では、濾過手段が設けられていない排出部からの処理水の排出量を多くするほど、処理槽内の好気性グラニュールの生成環境には好適であり、濾過手段が設けられている排出部からの処理水の排出量を多くするほど、縣濁物質の流出を抑えることができる。この廃水処理装置によれば、両方の排出部それぞれから流出する処理水の流量を適宜に決定することで、懸濁物質の流出量を抑えながら、好気性グラニュールの生成環境を容易に整えることができる。
さらに、上記一部の排出部から排出される処理水の流量を調節する調整手段を更に備えると好適である。処理槽内に導入される廃水の負荷変動により、処理槽内の好気性グラニュールの生成環境は変化し、微細な懸濁物質の発生量も変化する。調整手段によって、濾過手段が設けられた排出部から排出される処理水の流量を調節できるので、廃水の負荷変動にも柔軟に対応でき、懸濁物質の流出量を抑えながら、好気性グラニュールの生成環境を整えることができる。
さらに、濾過手段は、分離膜であると好適である。分離膜は固液分離性能が高く、懸濁物質の流出を効果的に抑制できる。さらに、処理槽内に生成される好気性グラニュールは沈降速度が速く、粒径も大きいために目詰まりし難く、膜の洗浄や交換に伴うメンテナンス負担は軽い。
本発明に係る廃水処理装置によれば、懸濁物質の流出量を抑えながら、好気性グラニュールの生成環境を容易に整えることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る廃水処理装置の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る廃水処理装置1を示すブロック図である。廃水処理装置1は、グラニュール状(「顆粒状」ともいう)の汚泥(好気性グラニュール)を利用した回分式活性汚泥処理に用いられる。廃水処理装置1は、好気性グラニュールを生成し、且つ保持する活性汚泥槽(処理槽)3を備える。活性汚泥槽3には、有機廃水を導入するための原水ライン5と、空気または空気よりも酸素濃度の高い気体からなる散気ガスA(図3参照)を導入するための散気ライン7とが接続されている。原水ライン5上には、原水ポンプ5aが設けられており、散気ライン7上には、散気ポンプ7aが設けられている。
活性汚泥槽3内の下部には、原水ライン5に接続された散水機9(Distributor)が設置されている。原水ポンプ5aの駆動によって原水ライン5から導入された有機廃水は、散水機9によって活性汚泥槽3内に放出される。
散水機9の下方には、散気ライン7に接続された散気装置11が設置されている。散気ポンプ7aの駆動によって散気ライン7から導入された散気ガスA(図3参照)は、散気装置11から有機廃水内に放出される。なお、散水機9と散気装置11とは、活性汚泥槽3のできるだけ下部に配置するのが好ましく、更に、散水機9と散気装置11との上下が逆になってもよい。
活性汚泥槽3の底には、汚泥排出ライン13が接続されている。汚泥排出ライン13上には、活性汚泥槽3内に沈降堆積する汚泥の一部を余剰汚泥として引き抜くための汚泥移送ポンプ13aが設けられている。汚泥排出ライン13は、図示しない汚泥処理装置に接続されている。
活性汚泥槽3には、活性汚泥槽3内で浄化された処理水Wsを排出する処理水排出ライン15が接続されている。処理水排出ライン15上には、処理水Wsを活性汚泥槽3内から引き抜くための定量ポンプ15aが設けられている。
処理水排出ライン15の上流側の端部は分岐しており、第1排出部17と第2排出部19とが形成されている。第1排出部17と第2排出部19とは、それぞれ活性汚泥槽3の上下方向の中央部に接続されている。第1排出部17は、活性汚泥槽3の内部と連通する単管からなる。
第2排出部19は活性汚泥槽3内に突き出した管19aと、管19aの端部に固定された膜ユニット19bとからなる。膜ユニット19bは、上端が管19aに連通し、下端側が漸次広がっている円錐状のケース19cと、ケース19cの下端の開口を塞ぐようにして配置された平膜(分離膜)19dとからなる。平膜19dは、活性汚泥槽3の底面に平行な水平方向に延在するが、水平方向に対して傾斜していてもよい。平膜19dとしては、限外ろ過膜(「UF膜」ともいう)や精密ろ過膜(「MF膜」ともいう)などを用いることができる。膜ユニット19bは、平膜19dの乾燥を防ぐために、回分式活性汚泥処理において一部の処理水Wsが引き抜かれても水没状態を保てる位置に設置されている。膜ユニット19bは、円錐状のケース19cを平膜19dの上に被せることで、平膜19dの上に活性汚泥が堆積してしまうことを防止している。なお、膜ユニット19bは、複数の平膜を縦に配置したものであってもよい。
第1排出部17側の分岐ライン上には、第1制御弁15cが設けられ、第2排出部19側の分岐ライン上には、第2制御弁15dが設けられている。また、定量ポンプ15aよりも下流側の処理水排出ライン15上には、活性汚泥槽3から流出する懸濁物質(「SS」ともいう)の濃度を測定するための濁度計15fが設けられている。第1制御弁15c、第2制御弁15d及び定量ポンプ15aは、制御手段(調整手段)21に無線または有線によって信号送受信可能に接続されている。制御手段21は、さらに、無線または有線によって濁度計15fに接続されており、濁度計15fでの測定値を監視している。
処理水排出ライン15には、泥排出ライン13に接続されたSS処理ライン23が接続されている。SS処理ライン23上には、手動または自動で開閉可能な調節弁23aが設けられている。調節弁23aの開放により、処理水排出ライン15を流下する処理水Wsは、汚泥処理装置に送られる。
次に、廃水処理装置1を用いた回分式活性汚泥処理について説明する。この回分式活性汚泥処理は、活性汚泥によって有機廃水中の有機物を除去すると共に、好気性グラニュールGrが生成される環境を整え、好気性グラニュールGrを利用して脱窒処理及び脱リン処理を行う処理である。廃水処理装置1では、以下に説明する流入工程、処理工程、静置工程、排出工程を繰り返し実行する。
流入工程では、図2に示すように、原水ポンプ5aを駆動して活性汚泥槽3内に有機廃水を導入する。活性汚泥槽3内の水位が高水位レベルHまで達すると原水ポンプ5aの駆動を停止する。高水位レベルHは、曝気時の散気ガスAの放出によって生じる水位誤差、すなわち、ボイドボリューム誤差等を考慮して決定されている。流入工程では、活性汚泥槽3の下部に沈降堆積している活性汚泥に直接有機廃水を流入せしめており、汚泥中の微生物は、標準的な連続式活性汚泥処理と比べて高濃度の有機廃水と接することになる。有機廃水は、活性汚泥を構成する微生物にとっては栄養素(基質)を含んでいるので、結果として、活性汚泥は、より高濃度の基質に接することが可能になる。これにより、グラニュール状になって粒径が大きくなった活性汚泥の内部にも栄養素を確実に浸透させることができると仮定でき、その結果として、活性汚泥は細胞外ポリマーを形成し易くなって粒状化が促進され、好気性グラニュールGrの生成が促進されると推察される。
後続の処理工程では、図3に示すように、散気ポンプ7aを駆動し、活性汚泥槽3内を曝気すると共に、散気ガスAによって活性汚泥槽3内の有機廃水を攪拌する。この攪拌により、活性汚泥を構成する微生物による有機廃水の分解処理が行われる。微生物による有機廃水の分解処理に関する反応について幾つかの推測がなされているが、例えば、好気性グラニュールGrの無酸素部位の内部では、脱窒性リン蓄積性細菌の作用により、有機物、窒素(N)及びリン(P)の処理が行われるという考えがある。また、好気性グラニュールGrの有酸素部位では、BOD細菌や硝化細菌の作用により、有機物や窒素の処理が行われる。その結果として、有機廃水は、標準的な連続式活性汚泥処理に比べて緩やかに汚泥へと変換し、強固な好気性グラニュールGrになる。なお、処理工程では、有機廃水の分解処理に十分な所定時間の曝気を行う。
後続の静置工程では、図4に示すように、散気ポンプ7aの駆動を停止し、散気ガスAによる攪拌を停止する。これにより、処理水Ws中に浮遊する好気性グラニュールGrは沈降し、処理水Wsと好気性グラニュールGrとは固液分離される。ここで、好気性グラニュールGrは、標準的な連続式活性汚泥処理において生成されるフロック状汚泥に比べて、はるかに高速で沈降分離する。例えば、フロック状汚泥のSVI(Sludge Volume index:汚泥容積指標)は100(ml/g)であるのに対して、好気性グラニュールGrのSVIは50(ml/g)であり、フロック状汚泥の半分程度になっている。このように好気性グラニュールGrは、活性汚泥槽3内に速やかに沈降する。
活性汚泥槽3内には、好気性グラニュールGrの他に、好気性グラニュールGrの一部が剥離した微細なグラニュール汚泥や凝集汚泥などの懸濁物質が混在する。微細なグラニュール汚泥や凝集汚泥は粒径が0.2(mm)程度の活性汚泥である。これらの微細な活性汚泥の沈降速度は、上記のフロック状汚泥よりは速いが、0.2(mm)よりも径の大きな好気性グラニュールGrよりも遅い傾向にある。静置時間が長いほど、これらの微細な活性汚泥まで沈降して固液分離性は向上する。しかしながら、微細な活性汚泥が活性汚泥槽3内に多く残留するほど、好気性グラニュールGrの生成環境が崩れ易くなってしまう。そのため、この回分式活性汚泥処理では、標準の回分式活性汚泥処理の静置時間に比べて極めて短い時間の静置の後、次工程に移行する。
図1に示すように、排出工程では、活性汚泥槽3内で分解処理された処理水Wsを処理水排出ライン15から排出する。制御手段21は、処理水排出ライン15上の第1制御弁15c及び第2制御弁15dを開放し、定量ポンプ15aを駆動させる。制御手段21は、活性汚泥槽3内の水位が最低水位レベルL、すなわち、膜ユニット19bの水没状態を維持できる限界水位まで上澄み液(処理水)Wsとして引き抜く。引き抜かれた処理水Wsは処理水排出ライン15を流下して放流される。
排出工程において制御手段21は、濁度計15fを監視しており、活性汚泥槽3内における好気性グラニュールGrの生成環境を整え、且つ、懸濁物質の流出濃度が基準値未満になるように自動制御している。
具体的には、制御手段21は、濁度計15fでの測定値が基準値以下の上限目標値を超えると、第1制御弁15cを絞り、第2排出部19からの排出量を増やす制御を行う。第2排出部19には、平膜19dが設けられているため、第2排出部19での排出量が増えるほど、懸濁物質の流出濃度は低下する。一方で、制御手段21は、濁度計15fでの測定値が下限目標値を下回ると第1制御弁15cの開度を大きくし、必要に応じて第2制御弁15dを絞る。その結果として、好気性グラニュールGrの生成を阻害する微細な懸濁物質の残留を抑制でき、好気性グラニュールGrの生成環境を容易に整えることができる。
特に、活性汚泥槽3内に導入される有機廃水の負荷変動により、活性汚泥槽3内の好気性グラニュールGrの生成環境は変化し、微細な懸濁物質の発生量も変化する。しかしながら、制御手段21によって、第2排出部19の流出量を調整することにより、有機廃水の負荷変動にも柔軟に対応でき、懸濁物質の流出量を抑えながら、好気性グラニュールGrの生成環境を容易に整えることができる。
以上の流入工程、処理工程、静置工程、排出工程からなる基本周期を繰り返すことで、処理工程で曝気された際に、活性汚泥が自己造粒して粒径の大きな好気性グラニュールGrが生成される。
回分式活性汚泥処理では、活性汚泥槽3に有機廃水がパルス的に投入されることから、活性汚泥には、有機廃水に含有されている栄養素としての基質(有機物)が付与される状態(飽食状態)と付与されていない状態(飢餓状態)とが繰り返し与えられることになる。このように、飢餓状態を得た後に飽食状態となることで、活性汚泥がより多くの栄養素を摂取するので、細胞外ポリマーが形成され易く、活性汚泥が自己造粒し易くなって、好気性グラニュールGrの生成を促進する。好気性グラニュールGrの生成により、有機廃水中の有機物は除去され、BODは低下し、さらに、好気性グラニュールGrの硝化、脱窒作用によって有機廃水中の窒素が除去される。
また、好気性グラニュールGrを効果的に利用することで汚泥日令を長くとることが可能になり、余剰汚泥の削減が可能になる。しかしながら、活性汚泥の生物活性維持の必要性や、設定値以上に活性汚泥が増殖した場合には、静置工程において、汚泥移送ポンプ13aを駆動し、活性汚泥槽3から余剰汚泥を引き抜く。引き抜いた余剰汚泥は、汚泥排出ライン13を介して図示しない汚泥処理装置に送られる。余剰汚泥を引き抜いて汚泥処理装置に送り込むことにより、有機廃水中のリン除去を行うことができる。なお、汚泥処理装置は、好気性グラニュールGrの利用によって余剰汚泥が削減されているので、従来機器よりも小型の装置を適用できる。汚泥処理装置では、余剰汚泥の濃縮、脱水処理が行われる。
また、好気性グラニュールGrの生成環境を整えるために、活性汚泥槽3から処理水Wsと一緒に、微細な懸濁物質を主体的に引き抜き、一時的に微細な懸濁物質を大量処理する方法も有効である。すなわち、排出工程において、第1制御弁15cを開き、第1排出部17から主体的に処理水Wsを引き抜く。引き抜いた処理水Wsは、SS濃度が高いため、調節弁23aを開き、SS処理ライン23及び汚泥排出ライン13を介して汚泥処理装置に送り込み、余剰汚泥として処理する。この場合に引き抜いた処理水Ws中の活性汚泥は、凝集化、微細グラニュール化しており、標準的な回分式活性汚泥処理装置で生成されるフロック状汚泥に比べて濃縮、脱水処理を容易に行うことができる。
以上の廃水処理装置1を用いて好気性グラニュールGrを利用した回分式活性汚泥処理を行う場合、膜ユニット19bが設けられていない第1排出部17からの処理水Wsの排出量を多くするほど、活性汚泥槽3内の好気性グラニュールGrの生成環境には好適であり、膜ユニット19bが設けられている第2排出部19からの処理水Wsの排出量を多くするほど、縣濁物質の流出を抑えることができる。廃水処理装置1によれば、両方の排出部17,19それぞれから流出する処理水Wsの流量を適宜に決定することで、懸濁物質の流出量を抑えながら、好気性グラニュールGrの生成環境を容易に整えることができる。特に、懸濁物質の流出を効果的に抑えることができるため、活性汚泥槽3の下流側に別の沈澱槽を設ける必要性は少なく、設備コストを低減できる。
さらに、好気性グラニュールGrは沈降速度が速く、粒径も大きいため、好気性グラニュールGrを主体的に生成することにより、平膜19dでの目詰まりは発生し難く、平膜19dの洗浄や交換に伴うメンテナンス負担は低い。さらに、平膜19dを洗浄する人工的な浮遊性固体を投入しなくても、生成された好気性グラニュールGrが平膜19dに当接して同様の効果を奏する。その結果として、好気性グラニュールGrの生成環境を整えることで、平膜19dを利用した懸濁物質の流出阻止を長期間に亘って実行できる。さらに、浮遊性固体を投入することなく、好気性グラニュールGrによって平膜19dの洗浄が可能になるため、膜の損傷を少なくできる。なお、好気性グラニュールGrは、平膜19dに干渉することで平膜19dから微細なグラニュール汚泥を剥離させるが、この微細なグラニュール汚泥の一部は、新たなグラニュールの種として再生される。
次に、本発明に係る廃水処理装置を利用して回分式活性汚泥処理を行った場合の実施例及び比較例を参照して具体的に説明する。なお、実施例では、好気性グラニュールGrの生成環境を整えるために静置時間の短い回分運転を実施した。
実施例に係る廃水処理装置では、有機廃水として食品廃水を用いた。活性汚泥槽は、5(m3)の有効容積の槽を用いた。この活性汚泥槽には、有効膜面積が0.4(m2)の浸漬平膜型の分離膜を60枚設置した膜ユニットを設けた。MLSS濃度は10000(mg/l)とした。容積負荷は4(kg−BOD/m3/日)とした。曝気は、DO濃度を2(mg/l)程度で保持しながら攪拌を行った。
実施例では、標準の回分式活性汚泥処理よりも静置時間を短くし、好気性グラニュールGrの生成環境を整える回分運転を行った。すなわち、流入工程は10分、処理工程(曝気時間)は147分、静置時間は8分、排出工程は15分の運転を繰り返し、1日8サイクルの回分運転を行った。この実施例では、処理水のSS濃度は40(mg/l)以下で処理水質を維持できた。また、分離膜の透過速度は30日経過しても初期の90%以上に維持することができた。
(第1比較例)
第1比較例では、実施例と同様に、標準の回分式活性汚泥処理よりも静置時間の短い回分式活性汚泥処理を行ったが、処理水の抜き出しを単管のみで行って分離膜を使用しなかった。この比較例では、流入工程は10分、処理工程(曝気時間)は147分、静置時間は8分、排出工程は15分の運転を繰り返し、1日8サイクルの回分運転を行った。その結果、処理水のSS濃度が40(mg/l)を超える場合があった。
第1比較例では、実施例と同様に、標準の回分式活性汚泥処理よりも静置時間の短い回分式活性汚泥処理を行ったが、処理水の抜き出しを単管のみで行って分離膜を使用しなかった。この比較例では、流入工程は10分、処理工程(曝気時間)は147分、静置時間は8分、排出工程は15分の運転を繰り返し、1日8サイクルの回分運転を行った。その結果、処理水のSS濃度が40(mg/l)を超える場合があった。
(第2比較例)
第2比較例では、実施例と同じ装置を用いたが、標準的な回分式活性汚泥処理に基づいた運転を行った。すなわち、流入工程は10分、処理工程(曝気時間)は100分、静置時間は55分、排出工程は15分の運転を繰り返し、1日8サイクルの回分運転を行った。この比較例においては、処理水のSS濃度は40(mg/l)以下で処理水質を維持できたが、膜の透過流量を90%に維持しようとすると、差圧が上昇し、2日で差圧が20(kPa)となり、運転を継続できなかった。
第2比較例では、実施例と同じ装置を用いたが、標準的な回分式活性汚泥処理に基づいた運転を行った。すなわち、流入工程は10分、処理工程(曝気時間)は100分、静置時間は55分、排出工程は15分の運転を繰り返し、1日8サイクルの回分運転を行った。この比較例においては、処理水のSS濃度は40(mg/l)以下で処理水質を維持できたが、膜の透過流量を90%に維持しようとすると、差圧が上昇し、2日で差圧が20(kPa)となり、運転を継続できなかった。
以上の比較結果から理解されるように、本発明に係る廃水処理装置は、静置時間の短い回分式活性汚泥処理に適している。この廃水処理装置を用いて静置時間の短い回分式活性汚泥処理を行った場合には、膜閉塞を防止しながら処理水のSS濃度を一定値以下に維持できる。膜閉塞の防止は、好気性グラニュールGrの生成環境が好適に整っていることに起因すると考えられる。すなわち、本発明に係る廃水処理装置によれば、懸濁物質の流出量を抑えながら、好気性グラニュールGrの生成環境を容易に整えることができる。
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、処理槽に接続された排出部は二個に限定されず、三個以上であってもよい。さらに、濾過手段を複数の排出部に設けるように構成してもよい。さらに、濾過手段は、分離膜に限定されず、目の小さなスクリーンなど、他の形態であってもよい。
1…廃水処理装置、3…活性汚泥槽(処理槽)、17…第1排出部、19…第2排出部、21…制御手段、19d…分離膜。
Claims (3)
- 好気性グラニュールを利用した廃水処理装置において、
有機廃水が導入されると共に、前記好気性グラニュールを生成する処理槽と、
前記処理槽から処理水を排出する複数の排出部と、を備え、
複数の前記排出部のうち、一部の前記排出部に濾過手段を設けたことを特徴とする廃水処理装置。 - 前記一部の排出部から排出される前記処理水の流量を調節する調整手段を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の廃水処理装置。
- 前記濾過手段は、分離膜であることを特徴とする請求項1または2記載の廃水処理装置。
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