JP2016215154A - グラニュールの形成方法及びグラニュールの形成装置 - Google Patents

グラニュールの形成方法及びグラニュールの形成装置 Download PDF

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【課題】半回分式反応槽を用いてグラニュールを形成する方法において、有機物含有排水のBOD濃度が変動しても、良好なグラニュールを形成することが可能なグラニュールの形成方法、グラニュールの形成装置を提供する。【解決手段】有機物含有排水を流入させる流入工程と、前記有機物含有排水中の処理対象物質を微生物汚泥により生物学的に処理する生物処理工程と、前記微生物汚泥を沈降させる沈降工程と、前記生物学的に処理した生物処理水を排出させる排出工程とを繰り返して行ってグラニュールを形成する半回分式反応槽10を用いたグラニュールの形成方法であって、前記生物処理工程では、制御装置20により、前記半回分子反応槽内のpHをモニタリングし、該モニタリングしたpHに関する情報に基づいて、前記生物処理工程の時間を調整するグラニュールの形成方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、グラニュールを安定的に形成するためのグラニュールの形成方法、およびグラニュールの形成装置の技術に関する。
従来、有機物等を含む有機物含有排水の生物学的排水処理には、フロックと呼ばれる微生物の集合体(好気性生物汚泥)を活用した活性汚泥法が用いられている。しかし、活性汚泥法では、沈殿池でフロック(好気性生物汚泥)と処理水とを分離する際、フロックの沈降速度が遅いために沈殿池の表面積を非常に大きくしなければならない場合がある。また、活性汚泥法の処理速度は、生物処理槽内の汚泥濃度に依存しており、汚泥濃度を高めることで処理速度を増加させることができるが、汚泥濃度を1500〜5000mg/Lの範囲またはそれ以上に増加させると、沈殿池でのバルキング等により固液分離が困難となり、処理を維持することができなくなる場合がある。
一方、嫌気性生物処理では、グラニュールと呼ばれる微生物が緻密に集合し粒状となった集合体(嫌気性生物汚泥)を活用することが一般的である。グラニュールは非常に沈降速度が速く、微生物が緻密に集合しているため、生物処理槽内の汚泥濃度を高くすることができ、排水の高速処理を実現することが可能である。しかし、嫌気性生物処理は、好気性処理(活性汚泥法)に比べて処理対象の排水種が限られていることや、処理水温を30〜35℃程度に維持する必要がある等の問題点を有する場合がある。また、嫌気性生物処理単独では、処理水の水質が悪く、河川等へ放流する場合には、活性汚泥法等の好気性処理を別途実施することが必要となる場合もある。
近年、排水を間欠的に反応槽に流入させる半回分式処理装置を用いて処理を行い、さらに生物汚泥の沈降時間を短縮することで、嫌気性生物汚泥に限られず、好気性生物汚泥でも沈降性の良いグラニュール化した生物汚泥を形成できることが明らかとなってきた(例えば、特許文献1〜4参照)。好気性生物汚泥をグラニュール化させることで、平均粒径が0.2mm以上となり、沈降速度が5m/h以上とすることが可能となる。なお、半回分式処理装置では、1つの生物処理槽で(1)排水の流入、(2)処理対象物質の生物処理、(3)生物汚泥の沈降、(4)処理水の排出といった4つの工程により処理が行われる。上記のような沈降性の良いグラニュール化した好気性生物汚泥を形成することで、槽内汚泥濃度を高濃度に維持することが可能となり、高速処理が可能となる。
国際公開第2004/024638号 特開2008−212878号公報 特許第4975541号公報 特許第4804888号公報
しかし、半回分式反応槽を利用したグラニュール形成方法において、半回分式反応槽に投入される排水のBOD濃度が時間変動、日間変動する場合には、沈降性の高いグラニュール汚泥を安定して形成することが困難となる場合がある。
本発明の目的は、半回分式反応槽を用いたグラニュール形成方法において、有機物含有排水のBOD濃度が変動しても、良好なグラニュールを形成することが可能なグラニュールの形成方法、及びグラニュールの形成装置を提供することにある。
本発明は、有機物含有排水を流入させる流入工程と、前記有機物含有排水中の処理対象物質を微生物汚泥により生物学的に処理する生物処理工程と、前記微生物汚泥を沈降させる沈降工程と、前記生物学的に処理した生物処理水を排出させる排出工程とを繰り返し行ってグラニュールを形成する半回分式反応槽を用いたグラニュールの形成方法であって、前記生物処理工程では、前記半回分子反応槽内のpHをモニタリングし、該モニタリングしたpHに関する情報に基づいて、前記生物処理工程の時間を調整するグラニュールの形成方法である。
前記グラニュールの形成方法において、前記生物処理工程では、前記生物学的処理の際の有機物含有排水のpHをモニタリングし、生物処理工程の開始から、pHが低下した後上昇する変曲点までの時間に基づいて、前記生物処理工程の時間を調整することが好ましい。
前記グラニュールの形成方法において、前記生物処理工程の時間は、生物処理工程の開始から、pHの低下した後上昇する変曲点までの時間に対して1.5〜2.5倍の範囲であることが好ましい。
前記グラニュールの形成方法において、前記生物処理工程では、前記生物学的処理の際の有機物含有排水のpHをモニタリングし、生物処理工程の開始から、pHが上昇した後低下する変曲点までの時間に基づいて、前記生物処理工程の時間を調整することが好ましい。
本発明は、有機物含有排水を流入させる流入工程と、前記有機物含有排水中の処理対象物質を微生物汚泥により生物学的に処理する生物処理工程と、前記微生物汚泥を沈降させる沈降工程と、前記生物学的に処理した生物処理水を排出させる排出工程とを繰り返し行ってグラニュールを形成する半回分式反応槽と、前記半回分式反応槽内のpHをモニタリングし、該モニタリングしたpHに関する情報に基づいて、前記生物処理工程の時間を調整する制御部と、を備えるグラニュールの形成装置である。
本発明によれば、半回分式反応槽を用いたグラニュール形成方法において、有機物含有排水のBOD濃度が変動しても、良好なグラニュールを形成することが可能なグラニュールの形成方法、及びグラニュールの形成装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係るグラニュールの形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係るグラニュールの形成装置の他の例を示す概略構成図である。 生物処理工程中の半回分式反応槽内のpHの推移の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るグラニュールの形成装置の他の例を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<グラニュールの形成方法および形成装置>
本発明の実施形態に係るグラニュールの形成装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。グラニュール形成装置1は、半回分式反応槽10を備える。グラニュール形成装置1において、排水供給配管22が排水流入ポンプ12を介して半回分式反応槽10の排水流入口に接続されている。半回分式反応槽10の生物処理水排出口16に生物処理水配管24が生物処理水排出バルブ18を介して接続されている。半回分式反応槽10の内部の下部には、曝気用ポンプ14に接続された曝気装置26が設置されている。半回分式反応槽10にはpH計40が設置されている。pH計40は、制御装置20と電気的接続されており、制御装置20はpH計40により測定された半回分式反応槽10内のpH値を所定時間毎にモニタリングする。また、排水流入ポンプ12、生物処理水排出バルブ18、曝気用ポンプ14は、それぞれ制御装置20と電気的接続されており、制御装置20はポンプの作動・停止、バルブの開閉等を制御する。
グラニュール形成装置1は、例えば、次のようなサイクルで運転される。
<(1)流入工程>
排水流入ポンプ12が作動し、有機物含有排水が排水供給配管22を通して半回分式反応槽10に所定量流入される。
<(2)生物処理工程>
排水流入ポンプ12が停止するとともに、曝気用ポンプ14から空気等の酸素含有気体が半回分式反応槽10に供給され、半回分式反応槽10内で有機物含有排水中の処理対象物質が微生物汚泥により生物学的に処理される。生物反応は好気反応には限らず、空気等の供給は行わず、撹拌を行うことで無酸素反応を行うことも可能であるし、好気反応および無酸素反応を組み合わせてもよい。無酸素状態とは、溶存酸素は存在しないが、亜硝酸や硝酸由来の酸素等は存在している状態をいう。例えば、図2に示すように、モータ28、撹拌翼30、モータ28と撹拌翼30を接続するシャフト等により構成される撹拌装置を半回分式反応槽10に設置して、曝気用ポンプ14を停止して撹拌装置により撹拌を行えばよい。なお、撹拌装置は上記構成に制限されるものではない。
生物処理工程では、pH計40により半回分式反応槽10内のpHが測定される。また、制御装置20により、pH計40により測定される半回分式反応槽10内のpH値が所定時間毎にモニタリングされ、後述するように生物処理工程の時間が調整される。調整された生物処理工程時間に達した時点で、例えば制御装置20により曝気用ポンプ14が停止される(図2のグラニュール形成槽1では撹拌装置も停止される)。
<(3)沈降工程>
曝気用ポンプ14の停止後、所定の時間、静置状態にすることで半回分式反応槽10内の汚泥を沈降させる。
<(4)排出工程>
生物処理水排出バルブ18を開けることで、沈降工程で得られた上澄み水を生物処理水として生物処理水排出口16から生物処理水配管24を通して排出する。この場合、生物処理水排出バルブではなく、ポンプを用いて生物処理水を排出してもよい。
以上の(1)〜(4)のサイクルを繰り返すことにより、微生物が緻密に集合し粒状となった集合体であるグラニュールが形成される。なお、排水流入ポンプ12、曝気用ポンプ14、撹拌装置のモータ28の作動および停止、生物処理水排出バルブ18の開閉は、制御装置20により制御してもよいし、作業者等が行ってもよい。
半回分式反応槽10で形成されるグラニュールとは、自己造粒が進んだ汚泥のことであり、例えば汚泥の平均粒径が0.2mm以上、もしくは沈降性指標であるSVI5が80mL/g以下の生物汚泥である。また、本実施形態では、グラニュールが形成されたか否かは、例えば汚泥の沈降性指標であるSVIを測定することにより判断される。具体的には、定期的に半回分式反応槽10内の汚泥の沈降性試験によりSVI値を測定し、5分沈降後の体積割合から算出されるSVI5の値が所定値以下(例えば80mL/g以下)となった段階で、グラニュールが形成されたと判断することが可能である。もしくは、半回分式反応槽10内の汚泥の粒径分布を測定し、その平均粒径が所定値以上(例えば0.2mm以上)となった段階で、グラニュールが形成されたと判断することが可能である(なお、SVI値が低いほど、平均粒径が大きいほど良好なグラニュールであると判断可能である)。
<生物処理工程の時間調整>
半回分式反応槽におけるグラニュール汚泥の形成は、1サイクルにおける反応槽内の有機物濃度勾配を繰り返すことが重要であり、反応槽内でのBOD濃度が高い時間(飽食時間)と、BOD濃度がほとんど0となっている時間(飢餓時間)が必要であると考えられている。そのため、生物処理工程の時間は、飽食時間と飢餓時間がそれぞれ適切に確保されるように設定されることが望ましい。しかし、一般的に、生物処理工程の時間は最初に設定した時間で固定されるため、有機物含有排水のBOD濃度等が変動し、例えば飽食時間が長くなると、十分な飢餓時間を確保することができなくなり、また例えば飽食時間が短くなると、飢餓時間が非常に長くなったりして、良好なグラニュールの形成が困難になる場合がある。良好なグラニュールを形成する観点から、反応槽に投入される有機物含有排水のBOD濃度をモニタリングして、生物処理工程の時間調整を行うことが考えられるが、BOD濃度の測定には時間が掛かるため、生物処理工程の時間調整にBOD濃度を用いることは現実的ではない。本実施形態では、半回分式反応槽内のpHをモニタリングして、生物処理工程の時間調整を行うことで、有機物含有排水のBOD濃度が変動しても、飽食時間と飢餓時間をそれぞれ適切に確保し、良好なグラニュールを形成することを可能とする。
図3は、生物処理工程中の半回分式反応槽内のpHの推移の一例を示す図である。図3に示すように、生物処理工程の初期の段階では、半回分式反応槽内のpHは上昇する。このpH上昇は、主に有機物含有排水中の有機物の分解に起因するものであると考えられる。半回分式反応槽内のpHは上昇した後、変曲点A(極大値)を経て低下する。このpHの低下は、主に有機物含有排水中の有機態窒素等の窒素化合物がアンモニア態窒素に還元され、また、アンモニア態窒素が硝酸、亜硝酸に酸化される際に消費されるアルカリ度に起因するものであると考えられる。そして、半回分式反応槽内のpHは低下した後、変曲点B(極小値)を経て上昇する。この再度のpH上昇は、主に曝気装置により供給される空気等の酸素含有気体に起因するものであると考えられる。そして、生物処理工程の開始から変曲点Bまでの時間は、反応槽内でのBOD濃度が高い時間(飽食時間)に相当し、変曲点B以降の時間は、BOD濃度がほとんど0となっている時間(飢餓時間)に相当する。
本実施形態では、例えば制御装置20によって、pH計40により測定される半回分式反応槽10内のpH値を所定時間毎にモニタリングし、変曲点A,B、生物処理工程の開始から変曲点A,Bまでの時間のpHに関する情報を得る。そして、このpHに関する情報に基づいて、生物処理工程の時間が調整される。
上記pHに関する情報のうちでは、生物処理工程の開始から変曲点Bまでの時間に基づいて、生物処理工程の時間を調整することが好ましい。例えば、制御装置20に予め生物処理工程の開始から変曲点Bまでの時間(飽食時間)/生物処理工程時間の割合を記憶させる。そして、pH計40により測定されるpHを所定時間毎にモニタリングして、生物処理工程の開始から変曲点Bに達するまでの時間を計測し、上記割合から、生物処理工程時間を設定する。生物処理工程開始から上記設定した時間まで、曝気装置26を作動させ、生物処理工程を行うことにより、半回分式反応槽10に投入される有機物含有排水のBOD濃度が変動し、飽食時間が増減しても、適切な飢餓時間を確保することができるため、良好なグラニュールを形成することが可能となる。良好なグラニュール形成の観点から、生物処理工程の時間は、生物処理工程の開始から変曲点Bまでの時間に対して1.5〜2.5倍の範囲とすることが好ましい。
また、生物処理工程の開始から変曲点Aまでの時間を基に、おおよその飽食時間が推定されるため、生物処理工程の開始から変曲点Aまでの時間に基づいて、生物処理工程の時間を調整してもよい。例えば、制御装置20に予め生物処理工程の開始から変曲点Aまでの時間/生物処理工程時間の割合を記憶させる。そして、pH計40により測定されるpHを所定時間毎にモニタリングして、生物処理工程の開始から変曲点Aに達するまでの時間を計測し、上記割合から、生物処理工程時間を設定してもよい。良好なグラニュール形成の観点から、生物処理工程の時間は、生物処理工程の開始から変曲点Aまでの時間に対して5〜25倍の範囲とすることが好ましい。
半回分式反応槽10の容積負荷は、0.15kgBOD/m/日〜1.00kgBOD/m/日の範囲であることが好ましく、0.30kgBOD/m/日〜0.60kgBOD/m/日の範囲がより好ましい。半回分式反応槽10の容積負荷を上記範囲とすることにより、より良好なグラニュールを形成することが可能となる。
半回分式反応槽10の汚泥負荷は、0.05kgBOD/kgMLSS/日〜0.30kgBOD/kgMLSS/日の範囲であることが好ましく、0.10kgBOD/kgMLSS/日〜0.20kgBOD/kgMLSS/日の範囲がより好ましい。半回分式反応槽10の汚泥負荷を上記範囲とすることにより、より良好なグラニュールを形成することが可能となる。
半回分式反応槽10内の溶存酸素(DO)は、好気条件では、0.5mg/L以上、特に1mg/L以上とすることが好ましい。
生物汚泥のグラニュール化を促進させる点で、半回分式反応槽10内の有機物含有排水または半回分式反応槽10に導入される前の有機物含有排水に、Fe2+、Fe3+、Ca2+、Mg2+等を含む、水酸化物が形成されるようなイオンを添加することが好ましい。通常の有機物含有排水には、グラニュールの核となるような微粒子が含まれているが、上記イオンの添加により、グラニュールの核形成をより促進させることが可能となる。
本実施形態に係るグラニュール形成方法の処理対象となる有機物含有排水は、食品加工工場排水、化学工場排水、半導体工場排水、機械工場排水、下水、し尿等の生物分解性有機物を含有する有機性排水である。また、生物難分解性の有機物が含有されている場合、予めオゾン処理やフェントン処理等の物理化学的処理を施し、生物分解性の成分に変換することで処理対象とすることができる。また、本実施形態に係るグラニュール形成方法はさまざまなBOD成分を対象としているが、油脂分に関しては、汚泥やグラニュールに付着して悪影響を及ぼす場合があるため、半回分式反応槽10へと導入される前に、予め浮上分離、凝集加圧浮上、吸着等の既存の手法にて例えば150mg/L以下程度にまで除去しておくことが好ましい。
本実施形態に係るグラニュールの形成装置の他の例を図4に示す。図4のグラニュール形成装置1において、排水供給配管22が排水流入ポンプ12、排水流入バルブ32を介して半回分式反応槽10の下部の排水流入口34に接続されている。排水流入口34には、排水排出部36が接続されて、半回分式反応槽10の内部の下部に設置されている。半回分式反応槽10の生物処理水排出口16は排水流入口34よりも上方に設けられ、生物処理水排出口16に生物処理水配管24が生物処理水排出バルブ18を介して接続されている。生物処理水排出口16は排水流入口34よりも上方に設けられているが、流入する有機物含有排水の短絡を防ぎ、より効率的にグラニュールを形成させるためには排水流入口34からできるだけ離れて設置されていることが好ましく、沈降工程における水面位に設けられることがより好ましい。排水流入ポンプ12、排水流入バルブ32、生物処理水排出バルブ18、曝気用ポンプ14、撹拌装置のモータ28、pH計40は、それぞれ制御装置20と電気的接続されている。その他は、図2のグラニュール形成装置1と同様の構成である。
図4のグラニュール形成装置1では、(4)排出工程において、排水流入バルブ32を開けて排水流入ポンプ12を作動し、有機物含有排水を排水流入口34から排水供給配管22を通して排水排出部36から半回分式反応槽10に流入させることにより、生物処理水を生物処理水排出口16から生物処理水配管24を通して排出する。なお、排水流入ポンプ12、曝気用ポンプ14、撹拌装置のモータ28の作動および停止、排水流入バルブ32、生物処理水排出バルブ18の開閉は、制御装置20により制御してもよいし、作業者等が行ってもよい。
このように、図4のグラニュール形成装置1では、(1)流入工程/排出工程、(2)生物処理工程、(3)沈降工程という3つのサイクルを繰り返すことにより、グラニュールが形成される。そして、(2)生物処理工程の時間は、前述したように、pH計40により測定される半回分式反応槽10内のpH値を所定時間毎にモニタリングし、そのpHに関する情報に基づいて、調整される。
図4のグラニュール形成装置1では、有機物含有排水を半回分式反応槽10に流入させることにより生物処理水を生物処理水排出口16から排出させているため、粒径が比較的小さいグラニュールが生物処理水とともに排出され、粒径が比較的大きいグラニュールについて(1)〜(3)のサイクルが繰り返される。その結果、より効率的にグラニュールを形成することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
反応槽有効容積4L(縦140mm×横70mm×高さ410mm)の半回分式反応槽を用いて下記の試験を行った。半回分式反応槽において生物処理水排出口を沈降工程における水面位置に設置した。
通水試験には下水を使用した。下水のBOD濃度は70〜180mg/Lであった。排水のBOD濃度はJIS K 0102 21に準拠して測定した。
[実施例]
半回分式反応槽の運転サイクルは下記のように行った。なお、運転前に、下水処理場から採取した活性汚泥を種汚泥として半回分式反応槽に投入した。
(1)流入/排出工程:排水を15分かけて半回分式反応槽に流入させるとともに、生物処理水排出口(排水の流入開始と同時に開となる電動弁を設置)より生物処理水を排出させた(図4参照)。
(2)生物処理工程:排水の流入を停止させると同時に生物処理水排出バルブを閉とし、反応槽下部に設置した曝気装置より空気を供給した。反応槽のpHを1分おきにモニタリングし、pHが2回連続で低下した後2回連続で上昇した時点より2分前の時点を変曲点の時刻(図3に示す変曲点Bの時刻)とした。そして、生物処理工程の開始(空気供給開始時点)から変曲点までの時間に対して2倍の時間を生物処理工程の時間として運転を行い、当該時間経過後、以下の沈降工程へ移行した。
(3)沈降工程:曝気装置からの空気の供給を停止させて15分間静置させ、反応槽内の汚泥を沈降させた。
以上(1)〜(3)の操作を繰り返しながら、30日間の連続運転を行った。
[比較例]
半回分式反応槽の運転サイクルは下記のように行った。なお、運転前に、下水処理場から採取した活性汚泥を種汚泥として半回分式反応槽に投入した。
(1)流入/排出工程:排水を15分かけて半回分式反応槽に流入させるとともに、生物処理水排出口(排水の流入開始と同時に開となる電動弁を設置)より生物処理水を排出させた(図4参照)。
(2)生物処理工程:排水の流入を停止させると同時に生物処理水排出バルブを閉とし、反応槽下部に設置した曝気装置より空気を供給した。排水のBOD濃度の変動(70〜180mg/L)に関わらず、生物処理工程の時間を240分に固定して運転を行い、240分後、以下の沈降工程へ移行した。
(3)沈降工程:曝気装置からの空気の供給を停止させて15分間静置させ、反応槽内の汚泥を沈降させた。
以上(1)〜(3)の操作を繰り返しながら、30日間の連続運転を行った。
実施例及び比較例ともに、半回分式反応槽内の生物汚泥のSVI30測定によりグラニュールの形成を評価した。なお、SVI30とは、生物汚泥の沈降性指標であり、以下の方法により求められる。まず、1Lのメスシリンダに1Lの汚泥を投入し、汚泥濃度ができるだけ均一となるように緩やかに撹拌した後、30分間静置したときの汚泥界面を測定する。そして、メスシリンダにおける汚泥の占める体積率(%)を計算する。次に、汚泥のMLSS(mg/L)を測定する。これらを下記式に当てはめて、SVI30を算出する。SVI30の値が小さいほど、沈降性が高い汚泥であることを示している。
SVI30(mL/g)=汚泥の占める体積率×10,000/MLSS
表1に、実施例及び比較例のSVI30の結果をまとめた。
実施例、比較例ともに、SVI30の低下が見られたが、実施例の方がより低い値となった。すなわち、実施例の方が、汚泥の沈降性が向上し、より良好なグラニュールが形成された。
1 グラニュール形成装置、10 半回分式反応槽、12 排水流入ポンプ、14 曝気用ポンプ、16 生物処理水排出口、18 生物処理水排出バルブ、20 制御装置、22 排水供給配管、24 生物処理水配管、26 曝気装置、28 モータ、30 撹拌翼、32 排水流入バルブ、34 排水流入口、36 排水排出部、40 pH計。

Claims (5)

  1. 有機物含有排水を流入させる流入工程と、前記有機物含有排水中の処理対象物質を微生物汚泥により生物学的に処理する生物処理工程と、前記微生物汚泥を沈降させる沈降工程と、前記生物学的に処理した生物処理水を排出させる排出工程とを繰り返して行ってグラニュールを形成する半回分式反応槽を用いたグラニュールの形成方法であって、
    前記生物処理工程では、前記半回分子反応槽内のpHをモニタリングし、該モニタリングしたpHに関する情報に基づいて、前記生物処理工程の時間を調整することを特徴とするグラニュールの形成方法。
  2. 前記生物処理工程では、前記生物学的処理の際の有機物含有排水のpHをモニタリングし、生物処理工程の開始から、pHが低下した後上昇する変曲点までの時間に基づいて、前記生物処理工程の時間を調整することを特徴とする請求項1に記載のグラニュールの形成方法。
  3. 前記生物処理工程の時間は、生物処理工程の開始から、pHの低下した後上昇する変曲点までの時間に対して1.5〜2.5倍の範囲であることを特徴とする請求項2に記載のグラニュールの形成方法。
  4. 前記生物処理工程では、前記生物学的処理の際の有機物含有排水のpHをモニタリングし、生物処理工程の開始から、pHが上昇した後低下する変曲点までの時間に基づいて、前記生物処理工程の時間を調整することを特徴とする請求項1に記載のグラニュールの形成方法。
  5. 有機物含有排水を流入させる流入工程と、前記有機物含有排水中の処理対象物質を微生物汚泥により生物学的に処理する生物処理工程と、前記微生物汚泥を沈降させる沈降工程と、前記生物学的に処理した生物処理水を排出させる排出工程とを繰り返して行ってグラニュールを形成する半回分式反応槽と、
    前記半回分式反応槽内のpHをモニタリングし、該モニタリングしたpHに関する情報に基づいて、前記生物処理工程の時間を調整する制御部と、を備えることを特徴とするグラニュールの形成装置。
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