JP6184541B2 - 汚水処理装置及びこれを用いた汚水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固液分離装置、植物性腐食土を主成分とする生物増殖媒体を格納する汚泥改質機及び膜処理装置を備える汚水処理装置において、該膜処理装置が、該固液分離装置と該汚泥改質機の下流側に設置されていることを特徴とする、汚水処理装置、ならびに該汚水処理装置を利用した汚水処理方法に関する。
従来、下水や工場排水などの汚水の浄化には、汚水中の有機物を中心とした汚濁物質を、生物反応タンク(ばっ気タンク)などで大量に繁殖させた微生物(すなわち、活性汚泥)に接触させることにより除去させるか、あるいは吸着させたまま汚泥として排出させる活性汚泥法が用いられていた。活性汚泥法においては、活性汚泥を沈殿池において自然沈降させることにより、処理水と活性汚泥とが分離されるが、バルキングなどの原因により、処理水と活性汚泥が分離しきれないといった問題を有していた。
このため、近年では、従来の沈殿池における自然沈降の代わりに、精密ろ過(MF)膜や限外ろ過(UF)膜などの分離膜を通過させることにより処理水と活性汚泥が分離される、膜分離活性汚泥法(MBR)が普及しつつある。しかしながら、膜分離活性汚泥法においては、汚泥と処理水を分離するために分離膜が用いられているが、目詰まり(ファウリング)を防ぐために、分離膜を次亜塩素酸やアルカリなどの薬品により定期的に薬液洗浄する必要があり、また分離膜は高濃度の汚泥と恒常的に接触することから、膜の劣化は回避することはできなかった。一方では、生物学的により高度な処理が必要な場合は、汚水の浄化に有用な微生物群(例えば、バチルス菌やEM菌(光合成菌、放線菌、乳酸菌など))を一定の間隔で生物反応タンクに投入する必要があるため、施設管理者にとって作業と経済の両面で負担になっている。かかる課題を解決するものとして、中国特許出願公開第101913711号には、成形した生物増殖媒体に被改質液を連続的に接触させ、有用菌の定期的な投入の必要がない汚泥改質機及びこれを併設した水処理施設が開示されている。
中国特許出願公開第101913711号公報
本発明は、かかる従来の問題に鑑み、汚水処理における処理水質の高度処理化、処理汚泥の減量及び臭気の低減を図るとともに、分離膜の劣化やファウリングを極力防止し、分離膜の長寿命化を図ることを目的とする。
従来の膜分離活性汚泥法(MBR)においては、膜分離装置には万能的な固液分離機能があるため、膜分離工程の上流にはことさら固液分離装置を設置しないことが一般的であった。しかしながら、本発明者らは、この度、従来のMBR法を改変し、汚水を膜分離工程にかける前に、有用な微生物処理及び固液分離処理を予め行うことにより、処理水質の高度処理化、処理汚泥の減量及び臭気の低減がさらに促進されると共に、汚水処理の用いる膜の劣化やファウリングを有意に防止できるという驚くべき知見を得た。具体的には、本発明の汚水処理装置において、汚泥を含む汚水原水は固液分離装置により高濃度の汚泥と低濃度水に分離され、これにより分離された高濃度の汚泥は次に汚泥改質機に供給され、ここで該汚泥改質機内において、有用土壌菌を効率よく増殖する生物増殖媒体(例えば、植物性腐食土)と連続的に接触し、さらに生物反応タンクを循環することにより、有用微生物が増殖し、全窒素(T−N)及び全リン(T−P)の除去率を向上させる。また、分離された低濃度水は、膜処理装置によりさらに処理水と少量の汚濁物質に分画されるので、膜に対する汚泥の流入負荷は劇的に減少するため、膜のファウリングと劣化を有意に防止することが可能となる。
本願は、以下の発明を包含する:
(1) 固液分離装置、植物性腐食土を主成分とする生物増殖媒体を格納する汚泥改質機及び膜処理装置を備える汚水処理装置において、該膜処理装置が、該固液分離装置と該汚泥改質機の下流側に設置されていることを特徴とする、汚水処理装置。
(2) 前記固液分離装置が、重力型沈降装置、傾斜型濃縮スクリーン、ローラープレス、ベルトスクリーン、振動スクリーン、多重板波動フィルター、真空脱水機、加圧脱水機、ロータリードラムスクリーン、ベルトプレス、スクリュープレス、遠心濃縮脱水機、及び多重円板脱水機から成る群から選択される、(1)に記載の汚水処理装置。
(3) 前記汚泥改質機が、流入口と流出口、及び該改質機の外部に底部と頂部を連結する複数のエアリフト管を備えており、これにより、該改質機の中央部に設置された容器中に格納された生物増殖媒体の上部から汚泥を含む被改質液が下降流で通過する構造を有することを特徴とする、(1)又は(2)に記載の汚水処理装置。
(4) 前記膜処理装置が、精密ろ過(MF)膜、限外ろ過(UF)膜、ナノろ過(NF)膜、及び逆浸透(RO)から選択される1又は複数の分離膜を備えることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の汚水処理装置。
(5) 汚水を固液分離装置により汚泥と水に分離する工程、固液分離装置により分離された汚泥を汚泥改質機に供給し、該改質機内において植物性腐食土を主成分とする生物増殖媒体と連続的に接触させることにより生物処理した後、再び固液分離装置に循環させる工程、及び固液分離装置により分離された低濃度水を膜処理装置にかける工程を含む、汚水処理方法。
(6) 前記固液分離装置が、重力型沈降装置、傾斜型濃縮スクリーン、ローラープレス、ベルトスクリーン、振動スクリーン、多重板波動フィルター、真空脱水機、加圧脱水機、ロータリードラムスクリーン、ベルトプレス、スクリュープレス、遠心濃縮脱水機、及び多重円板脱水機から成る群から選択される、(5)に記載の方法。
(7) 前記汚泥改質機が、流入口と流出口、及び該改質機の外部に底部と頂部を連結する複数のエアリフト管を備えており、これにより、該改質機の中央部に設置された容器中に格納された生物増殖媒体の上部から汚泥を含む被改質液が下降流で通過する構造を有することを特徴とする、(5)又は(6)に記載の方法。
(8) 前記膜処理装置が、精密ろ過(MF)膜、限外ろ過(UF)膜、ナノろ過(NF)膜、及び逆浸透(RO)から選択される1又は複数の分離膜を備えることを特徴とする、(5)〜(7)のいずれかに記載の方法。
本発明により、膜処理装置が設置されている全ての有機性汚水処理施設において、汚泥改質機内で有用微生物を培養増加させることにより処理水質の高度処理化、処理汚泥の減量、臭気の低減を達成し、同時に、膜処理装置に流入する汚濁の流入負荷が劇的に低下することにより、分離膜の劣化とファウリングを有意に防止することが可能となる。
MBRに汚泥改質機と固液分離装置を設置したフローシートである。
本発明の汚水処理装置において、下水や工場排水などの汚水に存在する大きな浮遊物が汚水処理装置に混入するとパイプの詰まりなどを起こすため、浮遊物を除くためにバースクリーンを設置してもよい。スクリーンの種類は特に限定されないが、例えば10mm〜50mm、好ましくは20mm〜30mmの間隔を有するバースクリーンなどを用いることができる。
浮遊物などが除去された汚水は、汚泥改質機により生物処理された汚泥(活性汚泥)を含む液と一緒に流量調整槽へ送られ混合される。流量調整槽内は汚水の腐敗防止と変動する流入基質濃度を混合して均質にするために、通性嫌気性菌が繁殖できる程度にばっ気・撹拌され、その後、流量を調整されて生物反応タンクに送られる。
生物反応タンクでは、有用微生物による各種の汚濁物質除去を促進するために、生物反応タンクに空気が送られて好気性処理が行われる。生物反応タンクの容量や形状は、特に制限されることはなく、曝気方式に基づき適宜選択することができる。生物反応タンクに酸素を供給するための方式としては、散気方式、表面曝気方式、水中攪拌機方式などが挙げられる。なお、好気性処理では富栄養化の原因となる窒素を除去することが困難であるため、好気性処理の前に嫌気性処理を行うこと好ましい。この場合、嫌気性処理行うためのタンクを別途設け、該タンク内においては、積極的に空気中の酸素を取り込まないように機械撹拌を行うことが好ましい。
固液分離装置では、高濃度の汚泥と低濃度水に分離される。固液分離装置は、流入汚水中の固形物と水とを分離するための装置であり、分離対象の種類・比重・濃度・サイズ等の様々な条件に応じて適宜選択することができる。固液分離装置には、一般に、直接汚水中の夾雑物をスクリーンにより分離するものと、凝集剤を添加して濃縮・脱水を行うものとが存在する。前者の固液分離装置としては、例えばスクリュープレス、ロータリードラムスクリーン、ローラープレス、ベルトスクリーン、振動スクリーン、多重板波動フィルターなどが挙げられ、また、後者の固液分離装置としては、例えば真空脱水機、加圧脱水機、ベルトプレス、スクリュープレス、遠心濃縮脱水機、多重円板脱水機などが挙げられる。本発明に好適な固液分離装置は、スクリーンフィルターを備える装置であり、特に振動スクリーンが好ましい。スクリーンフィルターの目幅は、典型的には50〜500メッシュであり、好適には100〜200メッシュであり、特に好適には150メッシュである。
固液分離装置により分離された高濃度の汚泥(分離濃縮液)は、汚泥改質機に移され、改質機内に格納されている成形された有用土壌菌を効率良く増殖する生物増殖媒体(例えば、植物性腐食土)と連続的に接触することにより、生物増殖媒体に誘発されて有用微生物が被改質液に取り込まれる。このような有用微生物は、汚水中の汚濁有機物質の消化を行うことができる微生物であれば特に制限されないが、例えば、バチルス菌、乳酸菌、酵母、光合成細菌などが挙げられる。本発明において使用される汚泥改質機は、定期的に有用微生物を投入することなく、処理すべき汚濁物質を、汚泥改質機内に格納されている成形された生物増殖媒体と連続的に接触させ、汚泥中に有用微生物を取り込ませることにより、汚水中の汚濁有機物質の低減を促進することができる。成形した生物増殖媒体に被改質液を連続的に接触させるに当たり、該汚泥改質機は、生物増殖媒体を摩耗、破壊させないように、極力静かに優しく接触させることができる構造を有することが好ましい。これは、例えば、汚泥改質機において循環させる被改質液を該改質機の下部から取り出し、上部から投入することにより達成できる。このような構造としては、上部からの被改質液の落ち口に受け皿を設けて、分散させ、更に反応槽の中間部に設けた篭に生物増殖媒体を充填し、その上に金網を設けてこれを通過した被改質液が生物増殖媒体に接触するような構造が考えられる。上部から落ちた被改質液が直接金網に当たらないよう、反応槽内の水面は常時金網より高く保たれており、また前記の下部から上部への取り出し管には中間に空気の取り入れ口を設け、管内の比重差で水を押し上げる機構とする。これにより、被改質液を下から上へ移動する手段にすると同時に、槽内を好気性に保つ機能も持たせることが出来る。前記の受け皿での分散、水面に散ったときの波浪などからも液中への酸素の取り込みが図られる。汚泥改質機により生物処理された汚泥はその後、流量調整槽に送られ、再び循環し、生物反応タンクに供給される。この循環により汚濁物質の消化・分解が促進され、水処理系内の悪臭成分の除去と水質浄化を有意に達成できる。生物増殖媒体は、処理の進行により一部消耗するが、数年に1回程度の補充により機能維持が可能である。
一方、固液分離装置により分離した低濃度水(分離脱離液)は、膜処理装置にかけられ、さらに小さな粒子が分離・除去される。膜処理装置の分離膜は、特に制限されることなく、分離対象成分(懸濁物質、コロイド、溶解性物質など)も基づき適宜選択することができる。このような分離膜は、好ましくは精密ろ過(MF)膜、限外ろ過(UF)膜、ナノろ過(NF)膜、逆浸透(RO)膜、又はこれらの組み合わせから選択される。
MF膜はメンブレンフィルトレーションとも称され、圧力差を駆動力として、100nm〜10μm程度の粒子を分離除去することができる。MF膜の膜材料は、有機系の高分子膜をアルミナなどの無機系のセラミック膜があり、有機高分子膜としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスルフォン、ポリフッ化ビニリデンなどが用いられる。MF膜の構造は、膜の厚み方向に構造が一様な対称構造と、膜の厚み方向に構造が異なる非対称構造がある。また、流体の流れ方により、全ろ過(垂直流ろ過)とクロスフローろ過(平行流ろ過)があり、平行流ろ過では、原水中の濁質成分が膜表面に蓄積されにくいので相対的にろ過継続時間が長いとされる。
UF膜の細孔は、MF膜とRO膜の中間にあり、精密ろ過よりは細かい粒子を除去できる。精密ろ過との細孔系の境界は明確に定義されていないが、一般に0.01μm以下であり、UF膜の分画分子量は、1,000〜300,000程度である。UF膜の膜材料は、高分子材料を用いる有機膜とセラミック膜などの無機膜に分けられる。高分子膜としては、酢酸セルロール系、ポリアクリロニトリル系、ポリスルフォン系などが挙げられる。UF膜の膜モジュール構造は、中空糸円筒型、シート型、スパイラル型、チューブラー型、回転平膜型などが挙げられるが、中空糸円筒型モジュールは膜モジュールの容積当たりの膜面積を高くできるため、水処理分野において多く用いられている。中空糸型モジュールには、原水を中空糸の外側から流す外圧型がある。一般的には、懸濁物質濃度の低い原水では内圧型が、懸濁物質濃度の高い原水では外圧型が好ましい。
NF膜は、RO膜とUF膜の中間の分離性能を示す膜である。NF膜の構造は、一般にRO膜と同様に、膜支持体の上に多孔性支持膜と分離機能を有する薄いスキン層(機能層)からなる。機能層の素材は、架橋全芳香族ポリアミド、スルホン化ポリスルホン、酢酸セルロースなどがある。NF膜の除去対象は、1nmサイズの分子であり、低分子量の有機物にはあまり高い阻止率を示さないが、分子量数百程度以上の有機物は優れた分離能を示す。膜モジュールの形状はスパイラル型が一般的であり、モジュールの収納方法はケーシング型、ろ過方式はクロスフローが一般的である。NF膜は、主に、脱塩・硬度処理や浄水の高度処理に用いられている。除去対象物質としては、トリハロメタン前駆物質、臭気物質、シマジン、アトラジンといった農薬、合成洗剤等が挙げられる。
RO膜においては、溶質を含む希薄溶液と濃厚溶液を溶媒のみを透過させ溶質を透過させない半透膜で仕切り、濃厚溶液側に浸透圧差以上の圧力を加えることにより濃厚溶液側から希薄溶液側へ溶媒の透過が起こるが、この原理を利用して溶液中の溶質と溶媒を分離する。RO膜の膜素材は、架橋芳香族ポリアミド系、ポリピペラジンアミド系、酢酸セルロース系が挙げられる。膜の形状は複合膜と非対称膜に分類される。膜モジュールの形状は、スパイラル型や中空糸円筒型が一般的である。
膜処理装置により処理された水は、その後、消毒槽にて次亜塩素酸ナトリウムなどに化学処理により消毒された後、排水される。
かかる一連の汚水処理において、処理水質の高度処理化、処理汚泥の減量、臭気の低減が達成されると共に、汚水処理において用いられる膜の劣化とファウリングを有意に防止することが可能となる。
以下、図1のフローシートに沿って本発明を具体的に説明するが、これは本発明を限定するものではない。
(スクリーン装置)
本発明における汚水処理システムは、下水や廃棄物及び工場排水等の有機物が多く含まれる有機性排水を対象としているので、主たる処理工程には、微生物を活用する生物処理装置が設置される。そのため、微生物による処理が困難となる雑物が混入すると、処理システムの機能を阻害する可能性が高まるので、汚水が流入する最初の段階で汚水処理システムの系外に排除出来るように、スクリーン装置を流入水路等に設置する。
スクリーン装置は、排水の種類及び雑物の形状に合わせて、数ミリから数十ミリの範囲の中から適正な目幅を選定して設置され、自動的に掻き揚げる連続運転としている。
(流量調整タンク)
雑物をスクリーン装置で排除された汚水は、流量調整タンクに流入する。流量調整タンクは、汚水の排水時間と各時間当たりの排水量を求めてから、後段の生物処理装置に移送する汚水量を控除してもタンクから汚水が溢れることが無いような必要最小限の容量が考慮されている。
流量調整タンクには、汚水移送ポンプP1が設置されていて、汚水を次槽に移送できる機能があり、タンク内は汚水の腐敗防止と変動する流入基質濃度を混合して均質にするために、通性嫌気性菌が繁殖できる程度のばっ気・撹拌装置を設置する。
(計量タンク)
次槽の生物反応タンクには、できる限り終日に渡って汚水を均等に移送する必要があることから、汚水移送ポンプの配管の途中に計量タンクを設置する。
計量タンクは、汚水移送ポンプのサクション揚程の変化によりポンプの吐出量も変化することを防止するために、タンク内に固定ノッチと可動ノッチを一緒に設けて、可動ノッチの高さを調整することにより、定流量が固定ノッチから生物反応タンクに移流出来るように設定し、可動ノッチからは流量調整タンクに戻るようにする装置である。
(嫌気タンク)
生物処理工程は、汚水の流れの順に(嫌気タンク)(固液分離装置)(好気タンク)となっている。
嫌気タンクでは、定流量化された汚水と後段の好気タンクから返送される汚泥の循環液が流入して嫌気性処理が行われる。タンク内で嫌気性処理が行われるためにタンク内の撹拌は、積極的に空気中の酸素を取り込まないように機械撹拌を行う。嫌気性処理は好気性処理に比較して有機性汚濁物質の処理のスピードは遅いが、好気性処理で硝化された窒素を嫌気タンクに循環することにより、好気性処理では困難な脱窒素処理の主役となる脱窒素菌の培養に適した環境を提供できるので、富栄養化の原因となる窒素を除去する機能を持つ。
(固液分離装置)
固液分離装置は、嫌気性タンクと好気性タンクの中間に設置することにより、生物処理中の高濃度な懸濁液から余剰な汚泥を分離する。分離された汚泥は、電動弁1を開にすれば汚泥改質機に流入するし、電動弁2を開にすれば汚泥濃縮タンクに流入する。
固液分離装置を設置することにより、後段に設置する好気タンクのMLSS(懸濁液)濃度は、固液分離装置を設置しない場合に比較して50〜95%の範囲で低下する。
(好気タンク)
好気タンクに流入する固液分離液は、液中のBODの酸化と窒素の硝化のために必要な酸素が供給されると同時にタンク内も撹拌される。好気タンクには、タンクの液中または、タンクの出口以降に処理水質に応じた膜処理装置が設置してあり、連続的に汚水を処理する。
膜処理装置は、膜のファウリングの程度に応じて薬品洗浄を行い、元の状態に復旧することを定期的に実施する必要があるし、経年的には、膜の被処理液の濃度や薬品からの物理・化学的作用により膜が劣化して交換する必要が出てくる。
好気タンクには水中ポンプP2が設置されていて、酸化及び硝化された懸濁液を膜処理される前に返送汚泥として嫌気性タンクに戻す役目がある。膜処理水は、ポンプP3により消毒・放流タンクに移送する。
(消毒・放流タンク)
消毒・放流タンクでは、流入してくる膜処理水に次亜塩素酸ナトリウムを注入して、所定以下に大腸菌群数を滅菌して放流する。
(汚泥改質機)
固液分離装置により分離された余剰な汚泥は、電動弁1を開にすることにより汚泥改質機に流入する。電動弁を開にするスケジュールは、予めシーケンサー等に入力しておいて、自動的に作動させると共に、適時、スケジュールの変更も可能となるように設定する。通常、電動弁を開にするスケジュールは、1時間の内10分間程度を目安として開とするが、基本的には、汚水の種類により流入するBOD・SS濃度から求められる余剰汚泥量より、電動弁1と電動弁2の切り替え時間を設定する。
汚泥改質機は、被改質液の流入口と改質液の流出口を有しており、該改質機の外部に底部と頂部を連結するエアリフト管が1組4本で等間隔に設置されており、そして被改質液の流入口とエアリフト管の流出口の下部にそれぞれ受け皿が設けられている。
流入汚泥は、汚泥改質機内部の上部に担持されている腐食ペレット層を下降流で通過して汚泥改質機内に貯留される。その後、上記エアリフト管により、底部の汚泥を頂部に持ち上げて、腐食ペレット層を下降流で通過させるような循環流を所定の時間だけ繰り返す。
腐食ペレットと接触した汚泥は、腐食ペレットに含まれるフミン酸やフルボ酸により、流入汚泥に含まれないような有用微生物群を発生及び誘発させて、汚水の高度処理化、汚泥の減量化、無臭化に寄与する。所定時間内に改質された汚泥は、流量調整タンクに移流する。
(汚泥濃縮タンク)
固液分離装置により分離された余剰な汚泥は、電動弁2を開にすることにより汚泥濃縮タンクに流入する。
汚泥濃縮タンクでは、流入する汚泥を濃縮出来るように、上部に浮上するスカムと底部に沈降する濃縮汚泥を引き抜かないように水位の中間部に吸い込み口があるT字管により非濃縮水が好気タンクに戻される。

Claims (4)

  1. 固液分離装置、植物性腐食土を主成分とする生物増殖媒体を格納する汚泥改質機、固液分離装置により分離された汚泥を汚泥改質機に供給する手段、及び膜処理装置を備える汚水処理装置において、該膜処理装置が、該固液分離装置と該汚泥改質機の下流側に設置されており、前記固液分離装置が、傾斜型濃縮スクリーン、ローラープレス、ベルトスクリーン、振動スクリーン、真空脱水機、加圧脱水機、ロータリードラムスクリーン、ベルトプレス、スクリュープレス、遠心濃縮脱水機、及び多重円板脱水機から成る群から選択され、そして前記汚泥改質機が、流入口と流出口、及び該改質機の外部に底部と頂部を連結する複数のエアリフト管を備えており、これにより、該改質機の中央部に設置された容器中に格納された生物増殖媒体の上部から汚泥を含む被改質液が下降流で通過する構造を有することを特徴とする、汚水処理装置。
  2. 前記膜処理装置が、精密ろ過(MF)膜、限外ろ過(UF)膜、ナノろ過(NF)膜、及び逆浸透(RO)から選択される1又は複数の分離膜を備えることを特徴とする、請求項1に記載の汚水処理装置。
  3. 汚水を固液分離装置により汚泥と水に分離する工程、固液分離装置により分離された汚泥を汚泥改質機に供給し、該改質機内において植物性腐食土を主成分とする生物増殖媒体と連続的に接触させることにより生物処理した後、再び固液分離装置に循環させる工程、及び固液分離装置により分離された水を膜処理装置にかける工程を含む、汚水処理方法であって、前記固液分離装置が、傾斜型濃縮スクリーン、ローラープレス、ベルトスクリーン、振動スクリーン、真空脱水機、加圧脱水機、ロータリードラムスクリーン、ベルトプレス、スクリュープレス、遠心濃縮脱水機、及び多重円板脱水機から成る群から選択され、そして前記汚泥改質機が、流入口と流出口、及び該改質機の外部に底部と頂部を連結する複数のエアリフト管を備えており、これにより、該改質機の中央部に設置された容器中に格納された生物増殖媒体の上部から汚泥を含む被改質液が下降流で通過する構造を有することを特徴とする、方法。
  4. 前記膜処理装置が、精密ろ過(MF)膜、限外ろ過(UF)膜、ナノろ過(NF)膜、及び逆浸透(RO)から選択される1又は複数の分離膜を備えることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
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