JP2010029767A - 有機性排水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄塩の添加により、生物処理槽内の活性汚泥混合液中の汚泥の沈降性、濃縮性、濾過性を効果的に改善し、良好な水質の処理水を効率的に得る。
【解決手段】有機性排水に鉄塩を添加して生物処理するにあたり、有機性排水に鉄塩を添加して混合し、混合水を活性汚泥と混合して生物処理する。水酸化第二鉄の最適pH付近で有機性排水と鉄塩とを予め混合することにより、酸化鉄、炭酸鉄の生成に起因する処理水の濁りが防止される。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機性排水を活性汚泥法により生物処理する有機性排水の処理方法及び処理装置に関し、特に、有機性排水を活性汚泥法で生物処理する際の汚泥の沈降性、濃縮性、濾過性を改善し、良好な水質の処理水を効率的に得る方法及び装置に関する。
有機性排水の処理方法として、生物処理が知られている。生物処理法の中でも、活性汚泥と呼ばれる微生物群集を利用する活性汚泥法は、様々な性状の有機物含有水に適用でき、良好な水質の処理水が得られるため、広く用いられている。
活性汚泥法による処理を行う生物処理槽内には、処理槽に導入された有機性排水と槽内に保持された活性汚泥(微生物)とが混合された液(活性汚泥混合液)が保持される。このため、生物処理槽で処理された清澄な処理水を得るには、この活性汚泥混合液を固液分離する必要がある。
活性汚泥混合液の固液分離手段としては、沈殿池、膜分離装置、浮上分離装置等があるが、このうち、膜分離装置は他の固液分離装置に比べて固形分の分離能が高く、膜分離装置を用いれば清澄な処理水を得ることができる。
このように、生物処理水を固液分離する場合、得られる処理水の水質や処理効率を改善するべく、従来、次のような工夫がなされている。
(1) 生物処理水を沈殿池で固液分離する場合、処理水の透視度を向上させるために、更に濾過器を設ける。或いは、生物処理槽のMLSS濃度を最適化する。或いは、沈殿池を大きくする。
(2) 汚泥の沈降性、濃縮性改善のために、二段活性汚泥法を採用する。或いは、高比重の凝集剤等(鉄塩、カルシウム等)を添加する。或いは高分子凝集剤を添加する。
(3) 生物処理槽からの活性汚泥混合液を膜分離する膜分離活性汚泥法において、膜の目詰まり防止、フラックス(透過流束)の向上のために、膜の薬品洗浄、処理水の間欠引き抜き、膜の逆洗浄、生物処理槽のMLSS濃度の最適化、生物処理槽の汚泥滞留時間(SRT)の最適化等を行う。
例えば、特許文献1では、膜浸漬型生物処理槽に凝集剤を添加してリンを凝集させて生物処理水へのリンの溶出を防止すると共に、後段の逆浸透膜分離装置でのスライムの付着を防止する方法が提案されている。
また、本出願人は先に、有機性排水を生物処理槽で生物処理し、活性汚泥混合液を膜分離する膜分離活性汚泥法において、分離膜の目詰まりを防止するために、生物処理槽に鉄塩を添加すると共に生物処理槽のpHを5〜6.5に調整する方法を提案した(特許文献2)。
特開2008−86849号公報 特願2007−41636
特許文献2に記載されるように、生物処理槽に鉄塩を添加すると共に、生物処理槽のpHを5〜6.5に調整することにより、極めて強固で大きなフロックを形成することができ、汚泥の沈降性、濃縮性、濾過性が改善され、処理水の透視度も高いものとなる。特に、膜分離活性汚泥法に、この方法を適用すると、膜フラックスを高く維持することができるという優れた効果が奏される。
しかし、生物処理槽に直接鉄塩を添加すると、場合によっては処理水が茶褐色に濁る現象が見られた。本発明者らによる検討の結果、この現象は、生物処理槽に添加された鉄塩が生物処理槽中で酸化鉄や炭酸鉄となり、フロックの形成に使用されずに、微粒子として処理水中にリークしたためであることが判明した。
本発明は、この問題を解決し、鉄塩の添加により、生物処理槽内の活性汚泥混合液中の汚泥の沈降性、濃縮性、濾過性を結果的に改善し、良好な水質の処理水を効率的に得る有機性排水の処理方法及び処理装置を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、生物処理に先立ち、水酸化第二鉄の最適pH付近で有機性排水と鉄塩とを予め混合することにより、酸化鉄、炭酸鉄の生成に起因する処理水の濁りが防止されることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 有機性排水に鉄塩を添加して生物処理する方法において、有機性排水に鉄塩を添加して混合する混合工程と、混合工程からの混合水を活性汚泥と混合して生物処理する生物処理工程とを含むことを特徴とする有機性排水の処理方法。
[2] [1]において、前記混合工程のpHが4.5〜6.5であり、前記生物処理工程のpHが5〜6.5であることを特徴とする有機性排水の処理方法。
[3] [1]又は[2]において、前記混合工程において、鉄塩を、前記生物処理工程における前記活性汚泥中の鉄含有量が、10〜45重量%となるように添加することを特徴とする有機性排水の処理方法。
[4] [1]ないし[3]のいずれかにおいて、前記生物処理工程の活性汚泥混合液を膜分離処理する膜分離工程を有することを特徴とする有機性排水の処理方法。
[5] 有機性排水に鉄塩を添加して生物処理する装置において、有機性排水に鉄塩を添加して混合する混合槽と、混合槽からの混合水を活性汚泥と混合して生物処理する生物処理槽とを含むことを特徴とする有機性排水の処理装置。
[6] [5]において、前記混合槽のpHが4.5〜6.5であり、前記生物処理槽のpHが5〜6.5であることを特徴とする有機性排水の処理装置。
[7] [5]又は[6]において、前記混合槽において、鉄塩を、前記生物処理槽における前記活性汚泥中の鉄含有量が、10〜45重量%となるように添加することを特徴とする有機性排水の処理装置。
[8] [5]ないし[7]のいずれかにおいて、前記生物処理槽の活性汚泥混合液を膜分離処理する膜分離手段を有することを特徴とする有機性排水の処理装置。
本発明によれば、生物処理に先立ち、水酸化第二鉄の最適pH付近で有機性排水と鉄塩とを予め混合することにより、添加した鉄塩を水酸化第二鉄として有効に作用させることが可能となる。これにより、生物処理槽内で極めて強固で大きなフロックを形成することができ、汚泥の沈降性、濃縮性、濾過性が効果的に改善され、処理水への鉄分の流出を低減すると共に、
(1) 活性汚泥混合液を沈殿池で固液分離する沈殿型の生物処理では、処理水のSSを低下させ、透視度を向上させることができる。
(2) 活性汚泥混合液を膜分離する膜分離活性汚泥法では、膜の目詰まりを防止して、膜フラックスを高め、膜フラックスを長期に亘り安定に維持することができる。
といった優れた効果が奏される。
以下、図面を参照して本発明の有機性排水の処理方法及び処理装置の実施の形態を詳細に説明する。
図1,2は本発明の有機性排水の処理装置の実施の形態を示す系統図である。図1,2において、同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。
本発明では、有機性排水よりなる原水を生物処理槽2に導入し、活性汚泥によって生物処理するに際し、鉄塩混合槽1にて、原水に鉄塩を添加して混合し、得られた混合水を生物処理槽2で生物処理する。
本発明で処理対象とする有機性排水としては、地下水、河川水、湖沼(ダム湖含む)水等の自然水、水道水、又は排水を処理して得られた回収水が挙げられ、本発明は、これらの水を原水として処理し、得られた処理水を純水製造に用いる場合に好適に用いることができる。
これらの水は、元来、BOD濃度が0.1〜100mg/L程度と低く、これらの水を純水製造の用水とする場合、シュードモナス属等の貧栄養細菌と呼ばれる微生物が主体となって生物処理された後、限外濾過(UF)膜や、孔径が0.2μM以下程度の膜で固液分離される。純水製造用水の処理に用いられる膜は、孔径が小さいため、目詰まりを生じ易い。特に、自然水には、膜を詰まらせやすいフミン質や尿素が含まれ、不溶性懸濁物(SS)濃度も高い場合がある。本発明によれば、高いファウリング防止効果が得られるため、原水に1mg/Lを超える高濃度のフミン質や尿素の一方または両方が含まれていてもよく、また、SSも0.1〜30mg/L程度の範囲で含まれていてもよい。
生物処理槽におけるMLSS濃度は、2,000〜50,000mg/L、特に5,000〜20,000mg/Lと高濃度とすることにより、生物処理効率を高くすることができる。
ここで、MLSS中の有機物量の割合、具体的には活性汚泥有機性浮遊物質MLVSS(Mixed Liquor Volatile Suspended Solids)/MLSS比は0.1〜0.8程度、特に0.2〜0.6の範囲となるようにするとよい。生物処理槽に導入される有機物含有水の有機物濃度が極端に低い場合(例えば生物分解可能な有機物であるAssimirable organic carbon、以下「AOC」濃度が100ng/L程度未満)、生物処理槽内における活性汚泥の増殖が少なくなり、MLVSS/MLSS比が上記範囲を外れる場合もある。このような場合は、生物処理槽に微量の有機物を添加するか、有機物濃度の高い他の有機物含有水を混合するようにすればよい。
なお、生物処理槽内には、担体を浮遊させてもよい。このような浮遊性の担体としてはスポンジ、ゲルなどが例示される。生物処理槽のBOD負荷は通常の活性汚泥法と同等で良く、例えば、0.5〜5.0kg−BOD/日、特に0.5〜2.0kg−BOD/日程度が好ましいが、より低い負荷であっても、鉄塩の効果で汚泥が分散することなく、十分な強度の大きなフロックを生成して良好な処理を行える。
本発明では、このような生物処理槽で原水を生物処理するに先立ち、原水をまず鉄塩混合槽1に送給し、pH計1Bに連動するpH調整剤添加手段1Cより必要に応じてpH調整剤を添加してpH4.5〜6.5に調整し、このpH条件下で鉄塩を添加し、攪拌混合する。
鉄塩としては、特に制限はなく、塩化第二鉄、塩化第一鉄、ポリ硫酸鉄、硫酸第二鉄などの鉄塩を用いることができる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
鉄塩の添加量は、生物処理槽2内の活性汚泥MLSS中の鉄の含有量(Fe含有量)が10〜45重量%、特に10〜35重量%となるような量とすることが好ましい。鉄塩の添加量が少な過ぎると、十分な添加効果を得ることができず、多過ぎると活性汚泥量が増大すると共にフロック強度が低下する。
なお、鉄塩添加量の制御は、活性汚泥MLSS中のFe含有量を分析して行うことが好ましいが、簡易には、原水のBODによって制御すればよく、例えば、原水BOD1mg/L当たりの鉄塩のFe換算添加量を、約0.03〜0.3mg/L程度とすることが好ましい。この添加量範囲で鉄塩を添加しながら、汚泥のMLSSのFe含有量を分析して鉄塩添加量の微調整を行うことが好ましい。
原水の脱炭酸処理水に鉄塩を添加する鉄塩混合槽1のpHが4.5未満では水酸化鉄の極めて微細な粒子が生成して汚泥の沈降性が悪化し、6.5を超えると再び空気中の炭酸ガスが溶解して炭酸鉄が生成すると共にフミン酸等の凝集が悪くなる。従って、鉄塩混合槽1におけるpHは4.5〜6.5、特に4.5〜5.5とすることが好ましい。
従来の活性汚泥法において、生物処理槽への鉄塩の添加は、バルキング防止、リン除去等を目的として、一般的に行われている。しかし、この場合、鉄塩の添加量は、リン除去のためごく微量添加したり、バルキング防止できる程度の添加にとどまっている。さらに、pH制御は行わないか、pH制御を行う場合も、リン除去や硝化のためにpH6.5以上とするのが通例である。
本発明では、後述の如く、生物処理槽のpHを好ましくは5〜6.5、より好ましくは5.5〜6.0とし、さらに、この条件を満足した上で、原水に、別途設けた混合槽1で、鉄塩を添加し、この槽のpHを好ましくは4.5〜6.5とする。
このような操作によって、生物処理水のSSは常に5mg/L以下、通常2mg/L以下となり、透視度は3m以上に達する。また、生物処理水を膜分離する膜分離活性汚泥法に適用した場合、膜フラックスは通常の0.5m/日から1m/日程度に向上させることが可能となる。
この鉄塩混合槽1では、原水を鉄塩と十分に混合するために、3〜20分程度の滞留時間で攪拌混合することが好ましい。
鉄塩混合槽1で鉄塩が添加混合された水は、次いで生物処理槽2に送給されて生物処理される。
この生物処理槽2では、pH計2Bに連動するpH調整剤添加手段2Cにより、必要に応じてpH調整剤が添加され、好ましくはpH5〜6.5、より好ましくはpH5.5〜6.0で、散気管2Aによる曝気下、生物処理が行われる。
なお、鉄塩混合槽1及び生物処理槽2において、必要に応じて添加されるpH調整剤としては塩酸等の酸またはアルカリが用いられ、アルカリとしては、スケール生成を防止するために、消石灰よりも苛性ソーダ等のソーダ系アルカリを用いるのが好ましい。
生物処理水を分離膜により固液分離する場合、分離膜としては、MF(精密濾過)膜、UF(限外濾過)膜、NF(ナノ濾過)膜などのいずれでもよい。膜の形態は、平膜、管状膜、中空糸などのいずれであってもよい。膜の材質としては、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)等が例示されるが、これに限定されない。分離膜は、図1に示すように生物処理槽2内に浸漬配置されてもよく、図2に示すように生物処理槽2とは別個の加圧型膜分離装置として設置されてもよい。ただし、浸漬膜の方が、フロックが破壊されにくく、好適である。
図1の生物処理槽では、鉄塩混合槽1からの混合水が生物処理槽2に導入され、活性汚泥と混合されると共に、生物処理槽2内の底部に設けられた散気管2Aによる曝気下、生物処理が行われる。
この生物処理槽2は、pH計2Bで検出されるpHが所定範囲となるように、酸又はアルカリなどのpH調整剤がその添加手段2Cから添加される。生物処理された水は、分離膜3を透過して処理水として取り出される。なお、図1ではポンプ4で透過水を取り出しているが、重力によって透過水を取り出してもよい。
生物処理槽2内の余剰汚泥は、取出管2Dによって取り出される。なお、取り出した汚泥の一部をオゾン等によって可溶化処理した後、生物処理槽2に戻してもよい。
図1では生物処理槽2内に分離膜3を浸漬配置しているが、図2のように、生物処理槽2内の生物処理水をポンプ5によって加圧型膜分離装置6に供給し、透過水を処理水として取り出し、濃縮水の一部(又は全部)を生物処理槽2に返送するようにしてもよい。
膜分離装置6に用いる膜の種類としては、MF膜やUF膜等が例示され、膜モジュール形式は、中空糸膜、平膜以外にスパイラル膜等が例示されるが、これらに限定されない。
図2の場合も、膜分離装置6の濃縮水の一部を汚泥可溶化槽に導き、オゾン等によって可溶化してから生物処理槽2へ返送するようにしてもよい。
なお、前述の如く、フロックが破壊されにくいところから、図2のような加圧型膜分離装置6よりも図1に示す浸漬型分離膜3を用いる方が好ましい。
本発明によれば、図1,2のように、生物処理水を直接膜分離により固液分離する有機性排水の生物処理方法において、特に生物処理槽内に浸漬させた浸漬膜モジュールにより生物処理水を膜分離する有機性排水の生物処理方法において、膜の目詰まりを防止して、膜フラックスの低下を有効に防止した上で良好な水質の処理水を得ることができる。
ただし、本発明において、生物処理水の固液分離は分離膜を用いる他、沈殿槽、サイクロン等を用いても良く、沈殿槽を用いる場合には、沈殿槽における汚泥の沈降性、濃縮水を改善すると共に、分離水(処理水)のSSを低減し、透視度を向上させることができる。
いずれの固液分離手段を用いた場合においても、液分と分離された固形分(分離汚泥)は、必要に応じて一部を返送汚泥として生物処理槽に返送し、生物処理槽における汚泥の滞留時間が2〜50日程度、特に5〜20日程度とするように汚泥を引き抜くことが好ましい。或いは、浸漬型分離膜を用いた場合には、このような汚泥滞留時間となるように汚泥を引き抜くことが好ましい。引き抜いた汚泥は余剰汚泥として排出してもよく、オゾン反応槽や消化槽等の減容化手段で減容化してもよい。
以下、実施例及び比較例について説明する。
説明の便宜上、まず比較例を挙げる。
[比較例1]
図1に示す装置で原水の処理を行った。ただし、鉄塩混合槽は用いず、原水は直接生物処理槽に導入した。生物処理槽の容量は、0.2mで、内部に浸漬膜を浸漬させた。浸漬膜としては、4mの大きさの中空糸タイプ、孔径0.1μmのMF膜(三菱レーヨン株式会社製)を用いた。
BOD濃度4.2mg/L、SS濃度3mg/Lの河川水にリン酸1カリウムを添加してリン濃度を0.3mg/Lとした有機性排水を3m/日の流量で生物処理槽に供給した。浸漬膜に接続した処理水管の途中に設けた真空ポンプにより減圧することで、処理水管から処理水(膜透過水)を取出した。
この比較例1では、実験開始から1日で膜が目詰まりして処理水の引抜ができなくなった。この時点での処理水のTOC濃度は1.2mg/Lであり、槽内の活性汚泥混合液の性状は以下の通りであった。
<生物処理槽内の活性汚泥混合液>
鉄含有割合 ;MLSSの4.7重量%(鉄として)
MLSS濃度 ;500mg/L
MLVSS濃度 ;220mg/L
pH ;7.1
[比較例2]
比較例1で処理水が引き抜けなくなった生物処理槽を空にして、生物処理槽に活性汚泥をMLSS濃度100mg/Lとなるように添加し、この混合液に鉄塩として塩化第二鉄を鉄換算添加量で1,000mg/Lの割合で添加した。また、生物処理槽内のpH計に連動して水酸化ナトリウムを添加してpH調整を行い、pH5.8に維持した。そして、比較例1で処理対象とした原水に塩化第二鉄を5.0重量%の水溶液として、鉄換算添加量で5mg/Lで添加して、1.2m/日の流量で生物処理槽に供給したところ、通水開始から3日後から浸漬膜の差圧上昇が小さくなった。
この時点での処理水のTOC濃度は145ng/Lであり、生物処理槽内の活性汚泥混合液の性状は以下の通りであった。
<生物処理槽内の活性汚泥混合液>
鉄含有割合 ;MLSSの35重量%(鉄として)
MLSS濃度 ;1870mg/L
MLVSS濃度 ;140mg/L
pH ;5.8
しかし、運転を継続すると、浸漬膜の差圧が上昇し、2週間で薬品洗浄が必要となった。混合液を取り出し、沈降性を確認したところ、30分静置後の上澄みは茶褐色ににごっており、SSを測定したところ、22mg/Lであった。
[実施例1]
比較例2において、原水を生物処理槽ではなく、生物処理槽の前段の鉄塩混合槽(容量10L)に導入すると共に、この鉄塩混合槽に塩化第二鉄水溶液を添加し、有機性排水と塩化第二鉄とを5分攪拌して混合した後、生物処理槽に供給したこと以外、同様の条件で処理を行った。この鉄塩混合槽のpHは6.5であった。
その結果、浸漬型分離膜の差圧上昇はほぼなくなり、2ヶ月間安定運転ができた。2ヵ月後の差圧上昇は30kPaであった。
次いで、鉄塩混合槽のpHが5.0になるよう、鉄の添加量を自動調整した。その結果、続く2ヶ月の間浸漬膜の差圧上昇は全くなくなった。
この時点での処理水のTOC濃度は120ng/Lであり、生物処理槽内の活性汚泥混合液の性状は以下の通りであった。
<生物処理槽内の活性汚泥混合液>
鉄含有割合 ;MLSSの31重量%(鉄として)
MLSS濃度 ;3,900mg/L
MLVSS濃度 ;1,570mg/L
pH ;5.8
そこで、生物反応槽より浸漬膜を取り外し、代わりに直径30cm、高さ50cmの円形沈殿池を設置し、生物処理槽からの生物処理液をこの沈殿池に導入して固液分離して、分離水を処理水として取り出した。また、返送汚泥ラインを設け、分離汚泥を生物処理槽に返送した。汚泥返送率は100%とした。
その結果、処理水SSは2ヶ月の運転期間中、常に5mg/L以下と清澄であった。
本発明の有機性排水の処理装置の実施の形態を示す系統図である。 本発明の有機性排水の処理装置の他の実施の形態を示す系統図である。
符号の説明
1 鉄塩混合槽
2 生物処理槽
3 浸漬型分離膜
6 膜分離装置

Claims (8)

  1. 有機性排水に鉄塩を添加して生物処理する方法において、
    有機性排水に鉄塩を添加して混合する混合工程と、
    混合工程からの混合水を活性汚泥と混合して生物処理する生物処理工程とを含むことを特徴とする有機性排水の処理方法。
  2. 請求項1において、前記混合工程のpHが4.5〜6.5であり、前記生物処理工程のpHが5〜6.5であることを特徴とする有機性排水の処理方法。
  3. 請求項1又は2において、前記混合工程において、鉄塩を、前記生物処理工程における前記活性汚泥中の鉄含有量が、10〜45重量%となるように添加することを特徴とする有機性排水の処理方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記生物処理工程の活性汚泥混合液を膜分離処理する膜分離工程を有することを特徴とする有機性排水の処理方法。
  5. 有機性排水に鉄塩を添加して生物処理する装置において、
    有機性排水に鉄塩を添加して混合する混合槽と、混合槽からの混合水を活性汚泥と混合して生物処理する生物処理槽とを含むことを特徴とする有機性排水の処理装置。
  6. 請求項5において、前記混合槽のpHが4.5〜6.5であり、前記生物処理槽のpHが5〜6.5であることを特徴とする有機性排水の処理装置。
  7. 請求項5又は6において、前記混合槽において、鉄塩を、前記生物処理槽における前記活性汚泥中の鉄含有量が、10〜45重量%となるように添加することを特徴とする有機性排水の処理装置。
  8. 請求項5ないし7のいずれか1項において、前記生物処理槽の活性汚泥混合液を膜分離処理する膜分離手段を有することを特徴とする有機性排水の処理装置。
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