JP2006223921A - 水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜分離活性汚泥法において、処理水の着色成分、臭気成分やリン成分の削減が可能であり、着色成分、臭気成分やりん成分の削減といった水質の改善を図れるとともに、膜面の目詰まりを防止し薬液洗浄等の頻度を減らす水処理方法を提供する。
【解決手段】 被処理液を処理槽内で活性汚泥と混合し、活性汚泥処理を行った後、該処理槽内または該処理槽とは別の槽内に浸漬設置された膜分離装置によって前記活性汚泥混合液を固液分離する水処理方法であって、前記被処理液もしくは前記活性汚泥混合液の少なくとも一方に活性炭を添加し、かつ、前記被処理液もしくは前記活性汚泥混合液の少なくとも一方に凝集剤を添加して、しかる後に、前記活性炭および前記凝集剤の添加された活性汚泥混合液を膜分離し、膜透過液を処理水として系外へ取り出すことを特徴とする水処理方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、都市下水等の廃水を活性汚泥処理した後に、膜分離装置によって固液分離を行う膜分離活性汚泥法を用いて処理する水処理方法に関する。
古くから、下水等の汚水は活性汚泥法を中心とした微生物による処理が行われている。また環境保全上の観点から、処理水について高い水質が要求される場合は、生物処理のみでは処理できない成分を除去するため、生物処理後に凝集沈殿、砂濾過、オゾン処理等のいわゆる高度処理が行われている。
また近年では、通常の活性汚泥法における最終沈殿池の代わりに精密膜あるいは限外濾過膜を使用する、膜分離活性汚泥法が開発され普及しつつある。膜分離活性汚泥法は、通常の活性汚泥法の最終沈殿池の代わりに膜分離を用いる処理方法で、(1)生物反応槽の生物量(一般にMLSS)を高く保ち設置面積を小さくすることができる。(2)処理水にSSが流出することがなく清澄な処理水を得ることができるなどの利点がある
しかしながら、膜分離活性汚泥法は、活性汚泥混合液を精密膜あるいは限外濾過膜によりろ過する処理であるため、i)生物処理とii)精密膜あるいは限外濾過膜、の2つの処理では処理できない成分は処理水に残存してしまうという問題がある。通常、膜分離活性汚泥法により除去できない成分としては、着色、臭気成分などの原因となる有機成分やりん成分などが挙げられる。とくに処理水を修景用水として再利用する場合などはできるだけ色度成分が低いほうが好ましく、窒素、りんなどの栄養塩をできるかぎり除去することが望ましい。
また、膜分離活性汚泥法は、膜下方からの空気曝気により膜面を常時洗浄することが普通であるが、長時間運転を続けると膜透過流束が低下してしまう。ここで、膜透過流束を低下させる原因となる物質を次亜塩素酸ナトリウムやクエン酸等により定期的に薬品洗浄する必要がある。膜の薬品洗浄頻度は、被処理水質、活性汚泥性状、運転膜透過流束や膜の種類により異なるが、使用する薬品量削減、維持管理の煩雑性からもできるだけ削減できることが望ましい。
ところで、膜分離活性汚泥法において、該分離膜の表面への活性汚泥の付着と分離膜内部の汚染および膜エレメント、例えば中空糸膜の束の間等への汚泥の固着を防止し、膜を槽外に取りだして洗浄する作業を不要にできる膜分離生物処理方法として、汚水を生物処理する曝気槽に膜分離モジュールを浸漬して膜ろ過する方法において、生物固定化担体および微細な活性炭を曝気槽内に共存させ流動させることを特徴とする膜分離生物処理方法が知られている(特許文献1参照)。
また、膜利用の廃水処理装置として、着色成分、臭気成分をも除去し、さらに膜の閉塞を抑えることが可能な、廃水処理装置を提供するものとして、活性汚泥槽と、活性汚泥槽内に配置された膜分離装置と、膜分離装置に連通する処理液の吸引機構と、膜分離装置の下方に配置された散気器からなる廃水処理装置において、活性汚泥槽を活性炭を含む槽とするものが知られている(特許文献2参照)。
その他、膜分離活性汚泥法においてリン除去を行う場合は、活性汚泥槽にPAC(ポリ塩化アルミニウム)などの凝集剤を添加し、リン成分を凝集剤により凝集除去する方法が広く知られている(非特許文献1参照)。
特開平7−328624号公報[0004]〜[0013]段落 特開平9−57292号公報[0005]〜[0012]段落 "膜分離活性汚泥法の技術評価に関する報告書CD−ROM版:日本下水道事業団 平成15年11月(別添資料 第5章10頁1〜4段落)
しかしながら、まず水質の観点から、膜分離活性汚泥処理において、活性炭を活性汚泥に添加しただけでは、着色成分、臭気成分の除去にとどまりリン成分の除去は期待できない。また凝集剤のみの添加では、リンと着色成分の一部は処理されるが、臭気成分のようなものは除去できない。
一方、膜の薬品洗浄等にかかる維持管理の面からみてみると、活性炭のみを添加することにより膜表面のプレコート作用により汚泥堆積等を防止することは可能であるが、活性炭が膜面に傷をつけてしまう可能性が懸念される。また、凝集剤を活性汚泥に添加することにより、活性汚泥がフロック化し、ろ過性能が改善されることが期待されるがプレコートといった観点からは、あまり効果が期待されない。
そこで本発明では、膜分離活性汚泥処理において、着色成分、臭気成分等の有機物を削減でき、かつ分離膜の活性汚泥の付着やろ過性能を向上できる、膜分離活性汚泥法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、被処理液を処理槽内で活性汚泥と混合し、活性汚泥処理を行った後、該処理槽内または該処理槽とは別の槽内に浸漬設置された膜分離装置によって前記活性汚泥混合液を固液分離する水処理方法であって、前記被処理液もしくは前記活性汚泥混合液の少なくとも一方に活性炭を添加し、かつ、前記被処理液もしくは前記活性汚泥混合液の少なくとも一方に凝集剤を添加して、しかる後に、前記活性炭および前記凝集剤の添加された活性汚泥混合液を膜分離し、膜透過液を処理水として系外へ取り出すことを特徴とする水処理方法を提供するものである。
本発明の水処理方法によれば、着色成分、臭気成分、リン成分の除去に効果的であるとともに、分離に使用する膜へのプレコート効果や汚泥改質効果により膜の目詰まりを防止し、薬液洗浄の頻度を減らすことができる画期的な膜分離活性汚泥法を提供できるものである。
以下、本発明における実施の形態を図1に基づいて説明する。なお、本発明は以下に例示する実施の形態に限定されるものではない。
本発明の水処理方法に用いられる水処理装置は、被処理水1を活性汚泥処理後、固液分離するための膜分離装置2と、該膜分離装置2を被処理水に浸漬するため、処理槽として膜分離活性汚泥槽3を有し、濾過膜を空気洗浄する空気供給装置5と散気器4、膜分離活性汚泥槽3から処理水を取水する吸引ポンプ6、活性炭混合液を貯留するための活性炭タンク7と活性炭混合液を注入するための活性炭ポンプ8、それから凝集剤を貯留するための凝集剤タンク9と凝集剤を注入するための凝集剤ポンプ10からなる。
ここで、膜分離装置2に積載される膜エレメントは、濾過膜の取り扱い性や物理的耐久性を向上させるために、たとえばフレームの両面に濾過水流路材を挟んで濾過膜を接着した平膜エレメント構造をしていることが好ましい。この構造は特に限定されるものではなく、中空糸膜を用いたエレメントであっても構わないが、平膜エレメント構造は、膜面に平行な流速を与えた場合の剪断力による汚れの除去効果が高いことから、本発明に適している。なお平膜エレメント構造には、回転平膜構造も含まれる。膜分離装置2の膜構造としては、特に限定されるものではないが多孔質膜や、多孔質膜に機能層を複合化した複合膜などが好ましい。これらの膜の具体例としては、ポリアクリロニトリル多孔質膜、ポリイミド多孔質膜、ポリエーテルスルホン多孔質膜、ポリフェニレンスルフィドスルホン多孔質膜、ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜、ポリフッ化ビニリデン多孔質膜、ポリプロピレン多孔質膜、ポリエチレン多孔質膜等の多孔質膜が挙げられるが、ポリフッ化ビニリデン多孔質膜やポリテトラフルオロエチレン多孔質膜が耐薬品性が高いため、特に好ましい。さらに、これら多孔質膜に機能層として架橋型シリコーン、ポリブタジエン、ポリアクリロニトリルブタジエン、エチレンプロピレンラバー、ネオプレンゴム等のゴム状高分子を複合化した複合膜を挙げることができる。
膜分離活性汚泥槽3は、被処理水と活性汚泥の混合液である活性汚泥混合液を貯え、膜分離装置2を活性汚泥に浸漬することができれば特に制限されるものではなく、コンクリート槽、ステンレス槽、繊維強化プラスチック槽などが好ましく用いられる。また、膜分離活性汚泥槽3の内部が複数に分割されていても構わないし、複数に分割されている槽のうち一部を膜分離装置2を浸漬する槽として、他方を脱窒槽として利用し、被処理水を互いの分割されている槽間で循環されるようにしていてもよい。
空気供給装置5により送風された空気は、散気器4により膜分離装置2に供給され、散気による洗浄が行われる。散気器4は、空気を膜表面全体を散気する構造のものであればよく、管に孔をあけた構造のものや、セラミック製の散気板などが用いられるが特に限定するものではない。空気供給装置5とは圧縮空気を送風する装置のことで、一般にはブロア、コンプレッサ等が用いられる。なお本発明の水処理方法の使用に当たっては、散気器からの空気の送出、吸引機構の作動を間欠的に行ってもよい。
吸引ポンプ6は、活性汚泥から処理液を膜分離装置2により分離するために使用される。また、濾過方法として吸引ポンプを使用せず、水頭圧力差のみで濾過する方法をとっても構わない。吸引ポンプ6としては、膜分離装置2から処理水を得ることができるポンプであれば特に問題はなく、渦巻ポンプ、ディフューザーポンプ、渦巻斜流ポンプ、斜流ポンプ、ピストンポンプ、プランジャポンプ、ダイアフラムポンプ、歯車ポンプ、スクリューポンプ、ベーンポンプ、カスケードポンプ、ジェットポンプなどが用いられる。
活性炭タンク7には、膜分離活性汚泥槽3に添加する活性炭が貯蔵されており、活性炭は活性炭ポンプ8を介して添加される。通常活性炭は水と混合された後スラリー状で供給されることが多い。活性炭タンク7および活性炭ポンプ8は、活性炭を定量的に供給することができれば特に問題はなく、通常は硬質塩化ビニル製またはポリエチレン製の薬液タンクおよびダイヤフラム式またはプランジャー式の薬液定量注入ポンプとの組み合わせがしばしば用いられるがこれに限ったものではない。活性炭の種類について特に制限するものではないが、粒径は膜の粒径よりも大きく、高い吸着能力を有するという観点から100メッシュ以下の比表面積の大きな粉末活性炭であることが望ましい。具体的には、排水処理用の粉末活性炭で、タケダ製の白鷺炭C(ガス賦活により生成された水蒸気炭)などが使用できる。また、排水処理用の粉末活性炭であり有機物吸着能力を有するものであれば、ヤシ、石炭などの原料は問わない。また、活性炭の添加量は、特に制限するものではないが、少なすぎると膜面へのケーキ層形成効果や生物分解向上効果がなく、活性炭の濃度として5,000〜50,000mg/Lとなることが望ましい。
被処理水もしくは活性汚泥混合液に添加した活性炭は、各種有機物を吸着し、吸着した易分解性の有機物を活性炭の周囲に存在する活性汚泥がその生物分解作用により速やかに炭酸ガスや水等に分解される。一方、活性炭に吸着した着色成分などの難分解性の有機物は引き続き吸着された状態を保つが、粉末活性炭により活性化した酸化作用によって難分解性の有機物を易分解性の有機物へ分解し、易分解性の有機物を活性汚泥が生物分解作用で分解することで一部または大部分が脱離する。この脱離によって空いた吸着座に再び有機物を吸着して、生物分解作用による易分解性有機物の分解、および活性化した酸素による難分解性の有機物の分解を繰り返すことで、活性炭の混合された生物反応槽において原水のBODのみならず、色度やCODなどの難分解性有機物をも除去する。
このように被処理水もしくは活性汚泥混合液へ投入された活性炭は活性汚泥の生物分解作用および活性化した酸素による酸化作用により吸着機能が回復することで、単なる物理吸着として活性炭を用いる場合よりも吸着容量が大きくなり、活性炭の使用量を削減できる。さらに活性炭に粉末活性炭を用いることで、原水に接触する単位面積あたりの比表面積が増加して活性炭の使用量を削減できる。なお、ここでいう粉末活性炭は100メッシュ以下の微細な粒子のものをいう。
また活性炭を被処理水もしくは活性汚泥混合液に添加することにより、活性炭が膜面にプレコートされて活性炭ケーキ層が形成される、さらに活性炭を含んだ汚泥を膜面に循環することにより膜面に堆積した汚泥を剪断力によりかきとることができ、結果として膜閉塞防止効果を発揮する。
凝集剤タンク9には、膜分離活性汚泥槽3に添加する凝集剤が貯蔵されており、凝集剤は凝集剤ポンプ8を
して添加される。凝集剤添加装置9は凝集剤に対して耐久性があり、凝集剤を定量的に供給することができれば特に問題はなく、通常は硬質塩化ビニル製またはポリエチレン製の薬液タンクおよびダイヤフラム式またはプランジャー式の薬液定量注入ポンプとの組み合わせがしばしば用いられるがこれに限ったものではない。被処理水もしくは活性汚泥に凝集剤を添加することにより、活性炭添加のみでは除去ができないりん成分を凝集さらに膜分離することにより除去が可能となる。また、凝集剤を添加することにより、活性汚泥自体の凝集性が改善されフロック化しやすくなり、結果としてろ過性能が向上する。また活性炭と凝集剤を併用することにより、活性炭が凝集剤により保護され、活性炭や原水中に含まれる無機成分により膜面が傷つくのを緩和し、結果として、膜の高寿命化に資する。
なお凝集剤としては特に限定するものではないが、無機系凝集剤、有機系凝集剤などがあげられる。無機系凝集剤としては塩化第二鉄、硫酸バンド、PAC(ポリ塩化アルミニウム)等があげられ、有機系凝集剤としてはアニオン系、カチオン系、ノニオン系などの凝集剤が挙げられる。凝集剤の濃度として、被処理水に対して1mg/L〜1000mg/L程度であり、最適な注入量は、原水中のリン濃度や、活性汚泥の汚泥性状により決定するのがよいが、特に制限するものではない。ここでは、膜分離活性汚泥法における生物反応槽に凝集剤を添加することから、例えば、鉄系(塩化第二鉄など)の凝集剤のように微生物に対して阻害を示さないものが望ましい。凝集剤の注入率は、被処理水の溶解性全りん濃度、凝集剤添加モル比および設計水量から算出する。具体例としては、原水中に含まれる全りんのモル数に対して、モル比いくつで鉄成分を添加する方法により算出する。なお、原水中に含まれる全リンのモル数は、“日本下水道協会編 下水試験方法(1984)“163〜166頁に記載の、酸性ペルオキソ二硫酸カリウムにより分解後、モリブデン青吸光光度法により定量することができる。
活性炭および凝集剤の注入方法については、
i)活性炭および凝集剤とも直接活性汚泥混合液に注入する方法
ii)活性炭および凝集剤とも被処理水に注入する方法
iii)活性炭を被処理水に注入後凝集剤を活性汚泥混合液に注入する方法
iv)凝集剤を被処理水に注入後活性炭を活性汚泥混合液に注入する方法
などが考えられるが、実際の施設の状況に応じて最適な方法を選択すべきである。
また、活性炭および凝集剤の添加について、連続的に添加する方法もあるが、膜の目詰まりが発生した時点において活性炭および凝集剤を添加し、膜目詰まりの抑制を図る、といった方法も考えられる。ここで膜の目詰まりとは、定圧で濾過している場合は、膜の透過流束が低下することにより、定流量で濾過している場合は膜の差圧が上昇することにより判断できる。たとえば透過流束が初期の性能と比較して20%低下した時点において、本発明を実施するといった考え方が好ましく採用される。
運転条件は、被処理水の水質等により異なるが、一般的な都市下水を被処理水とした場合には、活性汚泥と混合されてから膜分離されるまでの水理学的滞留時間(HRT)として、3時間〜24時間ぐらいの間で処理される。活性汚泥の濃度としてはMLSS:2,000〜20,000mg/Lぐらいの濃度で運転される。また好気性の処理を行う場合は、溶存酸素(DO濃度)濃度を0.2〜5mg/L程度になるように散気を行うことが望ましい。
以下、代表的な実施例を図2に基づいて説明する。しかし、本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。なお、本実施例は、循環式硝化脱窒法に本発明の膜分離活性汚泥法を適用したものである。本実施例に関する詳細な運転条件を表1に示し、以下では処理の流れを中心に説明する。
被処理水1には、凝集剤タンク9に貯蔵された凝集剤が注入されつつ脱窒槽11に流入される。脱窒槽11では該槽内の汚泥が底部に堆積しないよう攪拌機12により攪拌が行われ、無酸素状態を作り出す。ここで凝集剤の注入率は、被処理水の水量およびリン濃度などにより決定される。凝集剤によるリン除去の機構は、3価の金属イオンが下水中のリン酸イオン(PO 3−−P)と反応して、難水溶性のリン酸塩を生成する反応に基づいている。
3+ + PO 3− →MPO
本発明において、被処理水としては都市下水であり、凝集剤は被処理水に添加され、凝集剤の混和とフロキュレーションを生物反応槽内で進行させる。生物フロックと一緒になって生成されたリン酸塩フロックは濾過膜2によって分離される。また凝集剤の添加で、活性汚泥が良好にフロック化され、膜濾過が良好に行われる。また、凝集剤としては、12重量%のアルミニウムを含んだ水処理用PAC(ポリ塩化アルミニウム)を使用し、注入率は被処理水の平均リン濃度8mg/Lで、前記水処理用PACをアルミニウム換算で6.9mg/L、すなわち、リンとアルミニウムのモル比が1となるようにした。
窒素除去の原理は、循環式硝化脱窒法のそれと同様であり、硝化工程と脱窒工程からなる。後段の膜分離活性汚泥槽(好気槽)でアンモニア性窒素(NH−N)の硝化を進め、膜分離活性汚泥槽から前段の脱窒槽へ硝化液を循環し、ここで脱窒して窒素を除去するものである。
1)硝化工程
膜分離活性汚泥槽3では、好気状態で独立栄養細菌である亜硝酸生成細菌および硝酸生成細菌の働きにより、NH4−Nが硝酸性窒素にまで酸化される。これを硝化反応と呼び、また、亜硝酸生成細菌や硝酸生成細菌を総称して硝化細菌と呼ぶ。硝化細菌による反応は、総括的に次のように表すことができる。
NH + 2O→ NO + HO +2H
この反応によって、硝化細菌の増殖のためのエネルギーが得られる。
2)脱窒工程
次に、以上の硝化反応により生成したNO −NおよびNO −Nを含む硝化液を脱窒素槽11へ汚泥循環ポンプ13により循環すると、溶存酸素(DO)の存在しない状態で、通性嫌気性細菌である脱窒細菌による硝酸呼吸あるいは亜硝酸呼吸による酸化態窒素の還元が起こり、NO −NやNO −Nは窒素ガス(N)にまで還元される。すなわち脱窒反応が起こる。循環量としては、被処理水量12m/dayの2倍から3倍程度であり、本実施例では3倍量となる36m/dayを循環した。
脱窒反応は、総括的に次のように表すことができる。
2NO + 5(H) → N + 2OH + 4H
この反応における(H)は、水素供与体(有機物)から与えられる。一般に脱窒反応に関与するのは有機物を水素供与体とする従属栄養細菌である。
脱窒槽から越流した汚泥混合液は、膜分離活性汚泥槽3に流入される。膜分離活性汚泥槽3では、空気供給装置5により送風された空気が散気器4を介して曝気される。この曝気により、活性汚泥が好気状態に維持され硝化反応やBOD酸化が行われる。さらに、空気曝気により膜分離装置2への汚泥の付着・堆積が防止できる。膜分離活性汚泥槽3へは、活性炭タンク7に貯蔵した活性炭が活性炭ポンプ8を介して注入される。この活性炭注入により、膜濾過水の着色成分、臭気成分の低減が期待できるとともに、膜への汚泥の固着を防止することができ、結果として薬品洗浄頻度を大幅に削減することが可能となる。
また、活性炭添加とともに凝集剤を添加することにより、活性炭のみの使用で懸念される膜面への傷付きが、活性炭への凝集作用により緩和され、結果として膜の高寿命化に資する。その後、濾過膜2で吸引ポンプ6により濾過分離された水は処理水として取り出され、河川等への水環境に放流される他、再生水等として再利用される。
活性炭としては、一般に排水処理に利用されるタケダ白鷺炭Cを5000mg/Lになるように添加した。また水の滞留時間としては、本実施例で用いる処理槽のうち膜分離活性汚泥槽において硝化工程を3時間、脱窒槽において脱窒工程を3時間、運転を行った。
本実施例では、
i)凝集剤、活性炭を添加しない、硝化脱窒型の膜分離活性汚泥法
ii)膜分離活性汚泥槽に活性炭のみ連続的に添加した、硝化脱窒型の膜分離活性汚泥法
iii)被処理水に凝集剤のみ連続的に添加した、硝化脱窒型の膜分離活性汚泥法
iv)被処理水に凝集剤を、膜分離槽に活性炭を連続的に添加した、硝化脱窒型の膜分離活性汚泥法(本発明の実施例)
を比較、検討をする。
本検討では、一般的な都市下水を使用し、i)〜iv)まで活性汚泥濃度、滞留時間などは表1に示したものと同条件で検討を行った。表2に被処理水とi)〜iv)の処理水の平均水質を示す。検討の結果、本発明で示した条件が有機物、色度に関して最も良好であった。また、窒素の除去能については、いずれの場合も同様の値であり、活性炭、凝集剤添加による硝化細菌等への阻害はみられず、処理能力低下はみられなかった。
次に当該条件における膜透過流束の変化を図3に示す。膜透過流速の変化は、膜透過流速/初期膜透過流速の形で示し、横軸は運転経過日数を示している。本検討は、ポンプの吸引圧は一定で、膜の透過流束の変化を示したものであり、膜が目詰まりするにつれて膜の透過流束が減少することとなる。本検討の結果、膜透過流束の減少が少ないのは iv)、ii)、iii)i)の順で、水質と同様、活性炭と凝集剤を併用することにより、膜透過流速の減少を抑制できた。
次に、膜寿命に関する比較を示す。上記実施例中の比較i)、ii)、iii)、iv)について、表1と同様の条件により36ヶ月間連続処理を行った。図4に処理水濁度の経時変化を示す。この結果によれば、ii)について、当初12ヶ月程度では他の条件と比較して処理水濁度に大きな違いはなかったが、12ヶ月を経過してからii)の条件の処理水濁度が徐々に悪化してきた。これは活性炭単独では、活性炭が膜分離活性汚泥槽内で循環している際に膜面を傷つけてしまい、濁度が悪化してきているものと推測される。一方、iv)の条件によれば活性炭と凝集剤を両方使用することにより、活性炭の凝集作用などにより膜面が活性炭によってほとんど傷つけられず、その結果、3年経過後も濁度は悪化せず、安定した処理水がえられているものと推測される。したがって、本発明の特徴である、活性炭と凝集剤を併用することにより、膜の高寿命化に資することを示唆するものである。
Figure 2006223921
Figure 2006223921
被処理液を処理槽内で活性汚泥と混合され、活性汚泥処理された後、該処理槽内または該処理槽とは別の槽内に浸漬設置された膜分離装置によって前記活性汚泥混合液を固液分離する水処理方法であって、前記被処理液もしくは前記活性汚泥混合液の少なくとも一方に活性炭を添加し、かつ、前記被処理液もしくは前記活性汚泥混合液の少なくとも一方に凝集剤を添加して、しかる後に、前記活性炭および前記凝集剤が添加された後の活性汚泥混合液を膜分離して得られた膜透過液を処理水として本発明の水処理方法に用いられる水処理装置の系外へ取り出すことにより、着色成分、臭気成分やりん成分の削減といった水質の改善を図れるとともに、膜面の目詰まりを防止し、薬液洗浄の頻度を減らすことが可能となる。
本発明の構成例を示す図である。 実施例の構成を示す図である。 実施例の検討結果を示す図である。 実施例の検討結果を示す図である。
符号の説明
1:被処理水
2:膜分離装置
3:膜分離活性汚泥槽
4:散気器
5:空気供給装置
6:吸引ポンプ
7:活性炭タンク
8:活性炭ポンプ
9:凝集剤タンク
10:凝集剤ポンプ
11:脱窒槽
12:攪拌機
13:汚泥循環ポンプ

Claims (1)

  1. 被処理液を処理槽内で活性汚泥と混合し、活性汚泥処理を行った後、該処理槽内または該処理槽とは別の槽内に浸漬設置された膜分離装置によって前記活性汚泥混合液を固液分離する水処理方法であって、前記被処理液もしくは前記活性汚泥混合液の少なくとも一方に活性炭を添加し、かつ、前記被処理液もしくは前記活性汚泥混合液の少なくとも一方に凝集剤を添加して、しかる後に、前記活性炭および前記凝集剤の添加された活性汚泥混合液を膜分離し、膜透過液を処理水として系外へ取り出すことを特徴とする水処理方法。
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