JP2001035820A - Cmp研磨液 - Google Patents

Cmp研磨液

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圭三 平井
Satohiko Akahori
聡彦 赤堀
Toranosuke Ashizawa
寅之助 芦沢
Yoshio Kurihara
美穂 栗原
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 pHの変動が少なく、酸化珪素と窒化珪素の研
磨速度比を高めることが可能で、被研磨面の平坦性を高
めることが可能(酸化珪素絶縁膜の被研磨面の凸部を選
択的に研磨できる)で、研磨速度の変動が少ないCMP
研磨液を提供する。 【解決手段】 25℃でのpH変動が0.2以下であるC
MP研磨液。例示すると、砥粒酸化セリウム、付着剤ア
クリル酸−アクリル酸メチル共重合体アンモニウム塩及
び水からなるスラリー(pH7.45)にpH緩衝剤と
123−モルホリノプロパンスルホン酸及びテトラメチ
ルアンモニウムハイドロキサイドを加え、pH7.35
に調整した、25℃、2ケ月静置後のpHが7.33で
あるCMP研磨液

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子製造工
程のうち、層間絶縁膜の平坦化工程またはシャロー・ト
レンチ分離の形成工程等に好適に使用されるCMP(Ch
emical Mechanical Polishing)研磨液に関する。
【0002】
【従来の技術】超大規模集積回路では、実装密度を高め
るために種々の微細加工技術が研究、開発されており、
既に、デザインルールは、サブハーフミクロンのオーダ
ーになっている。このような厳しい微細化要求を満足す
るための技術の一つにCMP技術がある。この技術は、
半導体装置の製造工程において、露光を施す層を完全に
平坦化し、露光技術の負担を軽減し、歩留まりを安定さ
せることができるため、例えば、層間絶縁膜の平坦化に
必須となる技術である。
【0003】従来、半導体装置の製造工程において、プ
ラズマ−CVD(Chemical Vapor Deposition、化学的
蒸着法)、低圧−CVD等の方法で形成される酸化珪素
絶縁膜等を平坦化するためのCMP研磨液として、コロ
イダルシリカを研磨粒子とするpH(ペーハー)10以上
の研磨液が多用されてきた。しかしながら、この研磨液
は、研磨粒子濃度が10%以上でも酸化珪素膜の研磨速
度が十分ではない、ウエハ全面が均一に削れない(すな
わち平坦性が低い)、あるいはスクラッチと呼ばれる研
磨傷が多い等の問題がある。
【0004】CMP研磨液は、上記した絶縁膜の平坦化
以外に、シャロー・トレンチ分離の形成工程においても
使用されている。デザインルール0.5μm以上の世代
では、集積回路内の素子分離にLOCOS(シリコン局
所酸化)法が用いられてきたが、素子分離幅をより狭く
するため、シャロー・トレンチ分離法が用いられてい
る。シャロー・トレンチ分離法では、基板上に成膜した
余分の酸化珪素膜を除くためにCMPが使用され、研磨
を停止させるために、酸化珪素膜の下に窒化珪素膜がス
トッパとして形成されるのが一般的である。したがっ
て、酸化珪素膜研磨速度は窒化珪素膜研磨速度よりでき
るだけ大きいことが望ましい。しかし、従来のコロイダ
ルシリカを用いた研磨剤は、酸化珪素膜と窒化珪素膜の
研磨速度比が高々3程度と小さく、シャロー・トレンチ
分離用としては実用的ではない。
【0005】一方、フォトマスクやレンズ等のガラス表
面研磨用として、酸化セリウムを用いた研磨液が多用さ
れている。この酸化セリウム研磨液を半導体用研磨液と
して適用する検討が近年行われているが、高平坦化、酸
化珪素と窒化珪素の研磨速度比、耐沈降性の点で未だ十
分とはいえない。
【0006】最近、特定の有機化合物を酸化セリウム研
磨液に添加して研磨することにより高平坦化及び研磨速
度比等の特性向上と酸化セリウム粒子の沈殿防止を達成
しようという試みがなされているが、この方法には、研
磨速度が安定しない、すなわち、有機化合物の混合方
法、混合量、混合後実際に研磨するまでの経過時間、研
磨装置の研磨液供給配管長さ等が若干変わるだけで、研
磨速度が大きく変動するという新たな問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】請求項1〜5記載の発
明は、pHの変動が少なく、酸化珪素と窒化珪素の研磨速
度比を高めることが可能で、被研磨面の平坦性を高める
ことが可能(酸化珪素絶縁膜の被研磨面の凸部を選択的
に研磨できる)で、研磨速度の変動が少ないCMP研磨
液を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、25℃でのpH
変動が0.2以下であるCMP研磨液に関する。また本
発明は、砥粒、付着剤、水及びpH緩衝剤を含有してな
る前記のCMP研磨液に関する。また本発明は、pH緩衝
剤が、(1)有機酸、(2)有機アミン又はアンモニア
を含む有機塩基及び(3)有機酸と有機アミン又はアン
モニアとの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を
含有する前記のCMP研磨液に関する。また本発明は、
pHが5.5〜8.5である前記のCMP研磨液に関す
る。また本発明は、砥粒が酸化セリウム粒子である前記
のCMP研磨液に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のCMP研磨液は、25℃
でのpH変動が0.2以下であり、0.1以下であること
が好ましく、0.05以下であることが特に好ましい。
この変動が0.2を超えると研磨速度の変動が大きくな
る。pH変動は、市販のpHメーターを使用し被測定CMP
研磨液を25℃で測定し求めることができる。
【0010】CMP研磨液を調整した時点から少なくと
も7日間25℃でのpH変動が0.2以下であることが好
ましく、少なくとも30日間25℃でのpH変動が0.2
以下であることが特に好ましく、少なくとも60日間2
5℃でのpH変動が0.2以下であることが特に好まし
い。25℃でのpH変動が0.2以下であるCMP研磨液
としては、25℃でのpH変動が0.2以下であれば、特
に制限はないが、例えば、砥粒、付着剤及びpH緩衝剤を
含有してなる研磨液が挙げられる。
【0011】上記砥粒としては、例えば、酸化セリウ
ム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、
二酸化ケイ素、シリコーンカーバイド、二酸化チタン、
チタニウムカーバイド等が挙げられる。高平坦性の点か
ら酸化セリウムが好ましい。砥粒の使用量は、水に対し
て0.5〜15重量%とすることが好ましい。0.5重
量%未満では、研磨速度が著しく低下する傾向がある。
また、10重量%を超えると研磨速度はほぼ飽和する傾
向がある。
【0012】上記付着剤とは、砥粒に付着する化合物
(以下、分散剤と呼ぶことがある)又は被研磨面に付着
する化合物(以下、添加剤と呼ぶことがある)であり、
このような付着剤としては、アクリル酸系ポリマーやそ
のアンモニウム塩、ポリビニルアルコール等の水溶性有
機高分子類、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエ
チレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム等の水溶性陰
イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエー
テル、ポリエチレングリコールモノステアレート等の水
溶性非イオン性界面活性剤、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン等の水溶性アミン類等が挙げられる。
【0013】なお、アクリル酸系ポリマーやそのアンモ
ニウム塩としては、例えば、アクリル酸重合体及びその
アンモニウム塩、メタアクリル酸重合体及びそのアンモ
ニウム塩、アクリル酸アンモニウムとアクリル酸アルキ
ル(メチル、エチル又はプロピル)との共重合体及びそ
のアンモニウム塩等が挙げられる。また、アクリル酸系
ポリマーやそのアンモニウム塩は、砥粒の分散性、沈降
防止等の点から、重量平均分子量(ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィで測定し標準ポリスチレン換算した
価)が1,000〜20,000であることが好まし
い。付着剤の使用量は、砥粒の分散性、沈降防止、酸化
珪素と窒化珪素の研磨速度比を高める等の点から、砥粒
100重量部に対して0.01〜5重量部(複数の化合
物を使用する場合はその総量が0.01〜5重量部)と
することが好ましい。
【0014】本発明における水は、純水、イオン交換水
を使用することが好ましい。水は、CMP研磨液中の最
も大きな重量、体積をしめる成分であるが、その使用量
は、砥粒が水に対してが0.5〜15重量%となるよう
な量とされることが好ましい。
【0015】本発明におけるpH緩衝剤は、(1)有機
酸、(2)有機アミン又はアンモニアを含む有機塩基及
び(3)有機酸と有機アミン又はアンモニアとの塩から
なる群より選ばれる少なくとも1種を含有する。
【0016】上記(1)有機酸としては、特に制限はな
いが、りん及びほう素は半導体に好ましくないこと、好
適なpH緩衝作用を持つこと等から、スルホン酸またはカ
ルボン酸が好ましい。上記スルホン酸としては、アルキ
ルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼン
スルホン酸、オレフィンスルホン酸、モルホリノスルホ
ン酸、3−モルホリノプロパンスルホン酸等のアルキル
モルホリノスルホン酸、エーテルスルホン酸等が挙げら
れる。また、上記カルボン酸としては、酢酸等のアルキ
ルカルボン酸、フタル酸等のアリールカルボン酸、アル
キルベンゼンカルボン酸、オレフィンカルボン酸、エー
テルカルボン酸等が挙げられる。緩衝作用が高いことか
ら、アルキルモルホリノスルホン酸が好ましい。
【0017】上記(2)有機アミン又はアンモニアを含
む有機塩基としては、アルキルアミン、アルキルアルコ
ールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイ
ド等のアルキルアンモニウムハイドロキサイドなど挙げ
られるが、これらの中では、緩衝作用が高いことから、
アルキルアンモニウムハイドロキサイドが好ましい。上
記(3)有機酸と有機アミン又はアンモニアとの塩とし
ては、上記(1)有機酸のアミン塩又は上記(1)有機
酸のアンモニウム塩が挙げられる。
【0018】pH緩衝剤は、CMP研磨液1Kgに対して総
量で0.1〜10モル含有させることが好ましく、0.
1〜5モル含有させることがより好ましく、0.1〜3
モル含有させることが特に好ましく、0.1〜2モル含
有させることが極めて好ましい。
【0019】本発明のCMP研磨液は、pH(25℃)
が、5.5〜8.5であることが好ましい。5.5未満
では研磨速度が著しく低下する傾向があり、8.5を超
えると窒化珪素膜が削れて研磨速度比が低下するととも
に、被研磨面の凹部が削れて(いわゆるディッシング)
平坦性が低下する傾向がある。
【0020】なお、本発明のCMP研磨液は、半導体基
板に形成された酸化珪素膜だけでなく、所定の配線を有
する配線板に形成された酸化珪素膜、ガラス、窒化珪素
等の無機絶縁膜、フォトマスク・レンズ・プリズムなど
の光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶
質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・
光導波路、光ファイバーの端面、シンチレータ等の光学
用単結晶、固体レーザ単結晶、青色レーザLED用サフ
ァイヤ基板、SiC、GaP、GaAS等の半導体単結
晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等を研磨す
ることができる。
【0021】
【実施例】次に、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。
【0022】比較例1 炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、750℃
で2時間空気中で焼成することにより酸化セリウム粉末
を得た。酸化セリウム粉末がイオン交換水に対して10
重量%、分散剤としてのポリアクリル酸/ポリアクリル
酸メチル共重合体のアンモニウム塩(重量平均分子量1
0,000)が酸化セリウム粉末に対して1重量%にな
るようにして、酸化セリウム粉末、前記アンモニウム塩
及びイオン交換水を混合し、横型湿式超微粒分散粉砕機
を用いて1400rpmで120分間粉砕処理をしスラリ
ーZを得た。このスラリーZに、酸化セリウム粉末がイ
オン交換水に対して2重量%となるように、添加剤とし
てのポリアクリル酸とポリアクリル酸メチルの共重合体
のアンモニウム塩(重量平均分子量10,000)がイ
オン交換水に対して2重量%となるように、前記アンモ
ニウム塩及びイオン交換水を混合し、スラリーAを得
た。スラリーAの25℃でのpH(以下、全て25℃)
は、7.45であった。
【0023】比較例2 添加剤としてのポリアクリル酸とポリアクリル酸メチル
の共重合体のアンモニウム塩(重量平均分子量1000
0)がイオン交換水に対して3重量%となるようにした
こと以外は、比較例1と同様にしてスラリーBを得た。
スラリーBのpHは、8.15であった。
【0024】実施例1 比較例1で得たスラリーAに、pH緩衝剤としての3−モ
ルホリノプロパンスルホン酸を1モル、テトラメチルア
ンモニウムハイドロキサイトを0.5モル混合し全体が
1Kgとなるように調整したスラリーCを得た。スラリー
CのpHは、7.35であった。
【0025】実施例2 比較例2で得たスラリーBに、pH緩衝剤として3−モル
ホリノプロパンスルホン酸を1モル、テトラメチルアン
モニウムハイドロキサイトを0.5モル混合し全体が1
Kgとなるように調整したスラリーDを得た。スラリーD
のpHは、7.39であった。
【0026】スラリーC及びDを使用し、それぞれ実際
に8インチウエハ上の酸化珪素膜と窒化珪素膜を荏原
(株)製のCMP研磨装置で研磨した(研磨荷重30kP
a、定盤回転数50rpm、研磨剤供給量毎分200ml)結
果、スラリーCの酸化珪素膜及び窒化珪素膜の研磨速度
は、各々毎分3200Å及び30Åであった。また、ス
ラリーDの酸化珪素膜及び窒化珪素膜の研磨速度は各々
毎分3300Å及び30Åであった。次に、スラリーC
及びDを作製後25℃で2か月間静置(以下、全て25
℃)してから研磨した結果、スラリーCの酸化珪素膜及
び窒化珪素膜の研磨速度は各々毎分3100Å及び29
Å、スラリーDの酸化珪素膜及び窒化珪素膜の研磨速度
は各々毎分3200Å及び28Åとなり、2か月経過し
ても研磨速度はほぼ同一であった。なお、2か月間静置
後のpHは、スラリーC及びDで各々7.33及び7.3
8とほとんど変化しなかった。
【0027】スラリーA(pH7.45)及びB(pH8.
15)を上記と同様の方法で研磨した結果、スラリーA
の酸化珪素膜及び窒化珪素膜の研磨速度は、各々毎分3
400Å及び50Åであり、スラリーBは各々毎分27
00Å及び150Åとなった(研磨速度の変化が大きく
なり、窒化珪素膜の研磨速度が高くなって選択研磨性は
悪化した)。次に、スラリーA及びBを作製後2週間間
静置してから研磨した結果、スラリーAの酸化珪素膜及
び窒化珪素膜の研磨速度は各々毎分2700Å及び80
Å、スラリーBの酸化珪素膜及び窒化珪素膜の研磨速度
は各々毎分2200Å及び80Åとなり、2週間経過し
ただけで研磨速度は大きく変わり、信頼性に欠けるため
使用できないことが分かった。なお、2週間静置後のpH
は、スラリーA及びBで各々7.22及び7.78と変
化した。
【0028】実施例3 スラリーA(pH7.45)に、pH緩衝剤としての酢酸
0.01モル及びN,N−ジメチルエタノールアミンを
1モル混合して全体が1Kgとなるように調整しスラリー
E(pH7.35)を得た。スラリーEを使用して上記と
同様の研磨を行った。その結果、スラリーEの酸化珪素
膜及び窒化珪素膜の研磨速度は、各々毎分3100Å及
び28Åであり、2か月間静置後の研磨速度は、各々毎
分3100Å及び27Åとほとんど変化がなかった。な
お、スラリーEの2か月後のpHは、7.44とほとんど
変化しなかった。
【0029】
【発明の効果】請求項1〜5記載のCMP研磨液は、pH
の変動が少なく、酸化珪素と窒化珪素の研磨速度比を高
めることが可能で、被研磨面の平坦性を高めることが可
能(酸化珪素絶縁膜の被研磨面の凸部を選択的に研磨で
きる)で、研磨速度の変動が少ないものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 13/00 C09K 13/00 H01L 21/306 H01L 21/306 M (72)発明者 芦沢 寅之助 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎事業所内 (72)発明者 栗原 美穂 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎事業所内 Fターム(参考) 3C058 AA07 CB10 DA02 DA12 DA17 5F043 BB30 DD16 DD30 FF07 GG10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 25℃でのpH変動が0.2以下であるC
    MP研磨液。
  2. 【請求項2】 砥粒、付着剤、水及びpH緩衝剤を含有し
    てなる請求項1記載のCMP研磨液。
  3. 【請求項3】 pH緩衝剤が、(1)有機酸、(2)有機
    アミン又はアンモニアを含む有機塩基及び(3)有機酸
    と有機アミン又はアンモニアとの塩からなる群より選ば
    れる少なくとも1種を含有する請求項1又は2記載のC
    MP研磨液。
  4. 【請求項4】 pHが5.5〜8.5である請求項1、2
    又は3記載のCMP研磨液。
  5. 【請求項5】 砥粒が酸化セリウム粒子である請求項
    1、2、3又は4記載のCMP研磨液。
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