JP2006297501A - 磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材および研磨方法 - Google Patents

磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材および研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高いCMPによる研磨速度を維持し、絶縁材料と磁性金属膜の段差が小さく、さらに磁性金属膜上にスクラッチ等の欠陥を生じることなくCMP処理が可能な磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材を提供する。
【解決手段】水、砥粒、1価の有機酸および酸化剤を含み、pHが1.5以上4以下、水酸化カリウムによる中和滴定等量が0.05mol/kg以上であることを特徴とする磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材。
【選択図】なし

Description

本発明は、磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用の研磨材および研磨方法に係り、特にハード・ディスク・ドライブ(HDD)用の薄膜磁気ヘッド製造に適したケミカル・メカニカル・プラナリゼーション(CMP)で使用する研磨材およびそれを用いた研磨方法に関する。
HDDの記録容量は年々増加している。この記録容量の増加は記録する磁気メディアの記録領域の微小化により達成されている。磁気メディアの記録領域を微小化するためには、記録・再生を行う磁気ヘッドの記録素子部、再生素子部のサイズの小型化が必要になっている。また、記録領域の微小化に伴う再生出力感度の低下を改善するため、磁気ヘッドの構造は電磁誘導を利用した記録、再生を兼ねたインダクティブヘッドから、磁気抵抗効果を利用した再生ヘッドと電磁誘導を利用した記録ヘッドからなる複合型薄膜磁気ヘッド(MRヘッド)へ移行している。
MRヘッドはアルチック(AlTiC)等のセラミックス基板上に再生ヘッド、その上に記録ヘッドを順次形成し製造されている。再生ヘッドはパーマロイ等の磁性金属からなる下部シールド膜、金属の積層膜からなる磁気抵抗効果素子、パーマロイ等の磁性金属からなる上部シールド膜からなっており薄膜プロセスで形成される。MRヘッドの製造に当たっては下地材料の表面粗さを解消する目的や、加工プロセス生じる段差を解消する目的からCMPが適用されている。CMPの適用については、例えば特許文献1、特許文献2に開示されている。
下部シールド層の形成方法は基板上に絶縁材料膜を形成し、その上に磁気シールド層となる磁性金属膜を所定の形状に形成し、次いでアルミナ等の金属酸化物からなる絶縁材料膜を成膜し、その後磁性金属膜が露出するように、絶縁材料膜と磁性金属膜をCMPにより研磨し、絶縁材料膜と磁性金属膜に段差がないよう平坦でかつ表面粗さの小さい表面を形成している。下部シールドの形成方法については、例えば特許文献3に開示されている。
特開平5−81613号公報 特開平7−272211公報 特開2000−109816公報
しかしながら、このCMP処理において、実用的な研磨速度を保ちつつ、磁性金属膜にスクラッチ等の欠陥を生じることなく、さらに磁性金属膜と絶縁材料膜との間に段差を生じることなく研磨することは困難であった。スクラッチ等の欠陥があると上部に形成する磁気抵抗効果素子の感度特性に影響し、磁性金属膜と絶縁材料膜の間に段差があると上部の素子形成時に短絡などの原因になるなどの問題があった。
本発明は、高いCMPによる研磨速度を維持し、絶縁材料膜と磁性金属膜との段差が小さく、さらに磁性金属膜上にスクラッチ等の欠陥を生じることなくCMP処理が可能で、製品歩留まりの向上を可能とする磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材および研磨方法を提供するものである。
本発明の研磨材は水、砥粒、1価の有機酸および酸化剤を含み、pHが1.5以上4以下、水酸化カリウムによる中和滴定等量が0.05mol/kg以上であることを特徴とする磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材である。
1価の有機酸はグリコール酸または乳酸であることが好ましく、砥粒はα-アルミナ、またはα-アルミナと他の砥粒の混合砥粒であることが好ましい。
酸化剤は過酸化水素、過ヨウ素塩、過塩素酸塩または過硫酸塩であることが好ましい。
また、研磨材中に非イオン性の水溶性高分子を含有することが好ましい。
本発明の研磨方法は上記の磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材を使用して磁性金属膜と絶縁材料膜とを含む複合膜を研磨する工程により、磁性金属膜および絶縁材料膜の一部を除去する研磨方法である。
本発明の磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材は、緩衝溶液であるため被研磨物である絶縁材料膜や磁性金属膜が研磨材中に溶解してもpH変動が起こりにくく、これにより高い研磨速度と高い研磨速度の基板面内均一性を保つことができる。
また1価の酸を選択することにより、2価以上の酸を加えた場合に比べ砥粒の分散安定性に優れ、砥粒の凝集・沈降を生じにくくすることができる。このため、スクラッチ等の磁性金属膜上の欠陥も少なく、表面粗さを向上させることが可能である。これは一般に砥粒はpH1.5以上4以下の酸性側では正に帯電しているため、多価のアニオンが存在すると電荷が中和され凝集・沈降する、塩析という現象が起き易いやすいのに対し、1価のアニオンではこの作用が格段に小さいためである。
これにより、本発明の研磨材は、高いCMPによる研磨速度を維持し、絶縁材料と磁性金属膜の段差が小さく、さらに磁性金属膜上にスクラッチ等の欠陥を生じることなくCMP処理ができるので、製品歩留まりを向上させることができる。
本発明における研磨材は、複合型磁気ヘッドの素子形成工程での研磨に使用されるのに適する。被研磨材料としては、絶縁材料として使用されるアルミナ等の金属酸化物と、磁性金属として使用されるパーマロイやコバルト・鉄・ニッケル系の合金との膜が混在する複合材料が挙げられ、これらの材料をそれぞれ同じ研磨速度で研磨することにより、磁性金属膜と絶縁材料膜(金属酸化物膜)との間に段差を生じることなく研磨が可能になる。本発明の磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材は、水、砥粒、1価の有機酸および酸化剤を含み、必要に応じて水溶性高分子を添加し、pH1.5以上4以下、水酸化カリウムによる中和滴定等量が0.05mol/kg以上に調整されている。
本発明における1価の有機酸としては蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、グリコール酸、乳酸、オキシ酪酸、グリセリン酸等が挙げられるが、この中でグリコール酸または乳酸が、CMPによる研磨速度が大きく、砥粒の凝集・沈降を抑制できるという点で好ましい。なお、これらは単一で使用しても、複数種を組み合わせて使用してもよく、例えばグリコール酸および乳酸の混合物、グリコール酸または乳酸と他の1価有機酸との混合物であってもよい。
本発明における砥粒はシリカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、チタニア、炭化珪素等の無機物砥粒のいずれでもよいが、硬度が大きく高い研磨速度が得られ、かつ微細粒子の製造技術が確立しており、微細粒子の入手が容易なα-アルミナが好ましい。α-アルミナの製造方法は水酸化アルミニウムの焼成による方法や、アルミニウムアルコキシドの加水分解により精製したベーマイトの焼成による方法が知られている。このα-アルミナ粒子に他の砥粒を混合してもよい。前記、他の砥粒としては、同じアルミナであるが低温相であるγ-アルミナやベーマイトなどの含水アルミナ、シリカ、ジルコニアなどが挙げられる。砥粒の平均粒径は0.05μm〜1.0μm、好ましくは0.1μm〜0.3μmであり、球状の形状のものが磁性金属膜上のスクラッチ等を少なくできるという点で好ましい。
本発明における酸化剤としては、過酸化水素、過ヨウ素塩、過塩素酸塩または過硫酸塩が好ましい。その中でも基板を汚染する材料を含まないため後工程の洗浄が容易である過酸化水素が特に好ましい。
本発明における研磨材には水溶性高分子を含むことが好ましく、非イオン性の水溶性高分子がさらに好ましい。非イオン性の水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のビニル基を持つモノマーを基本構成単位とするポリマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース類、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド-ポリプロピレンオキサイド共重合体等が挙げられる。これらの水溶性高分子を添加することにより、磁性金属膜の表面粗さを低減すると同時に研磨後の洗浄性を向上させることができる。
本発明における磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨剤のpHは、磁性金属膜および絶縁材料膜のCMPによる研磨速度が大きく、磁性金属膜に腐食を生じさせないという点でpH1.5以上4以下であり、pH2以上3以下の範囲が好ましい。pH1.5未満では磁性金属膜の表面粗さが大きくなり、また、pH4を超えるとCMPによる研磨速度が遅く、実用的な研磨材とはなり得ない。pHは1価の有機酸の添加量により調整することができる。またアンモニア、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ成分の添加によっても調整可能である。
本発明における磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材は、水酸化カリウムによる中和滴定等量が0.05mol/kg以上の、有機酸成分を含むpH緩衝溶液である。ここでいう中和滴定等量は研磨材1kgを中和するのに必要な水酸化カリウムのモル数である。水酸化カリウムによる中和滴定等量が0.05mol/kg以上になるためには1価の有機酸を合わせて0.05mol/kg以上含有させることが必要になる。有機酸は弱酸であり、濃厚溶液にはpH緩衝作用がある。CMP研磨中には被研磨物の絶縁膜材料や磁性金属材料が研磨され研磨材中に陽イオンとして溶解する。ここで有機酸の添加量が少ないと、被研磨膜の溶解により水素イオンが消費され研磨材のpHが上昇してしまう。このため研磨速度の低下、とくに被研磨物を溶解した研磨材が供給されると考えられる基板中央部の研磨速度が低下しやすい。これは3価と価数が大きいアルミニウムイオンを生成するアルミナ膜を研磨する場合においては特に顕著である。一方、十分な量の有機酸を含有し、pH緩衝作用のある研磨材を使用した場合は、アルミニウムイオン等の金属イオンが溶解しても、pHの上昇は抑制され、安定した研磨が可能になる。そのために必要な研磨材中の有機酸の量は、研磨速度、研磨材流量にもよるが4インチ〜8インチ(約10.2cm〜約20.3cm)径の円盤状の基板を研磨する場合には水酸化カリウムによる中和滴定等量で0.05mol/kg以上に相当する量である。
本発明における砥粒の配合量は研磨材全重量に対して0.3質量%〜10質量%であることが好ましく、0.3質量%〜5質量%であることがより好ましい。砥粒の添加量が0.3質量%未満の場合は物理的な研削作用が小さいため研磨速度が小さくなる傾向があり、10質量%を超えると研磨速度は飽和し、それ以上加えても研磨速度の増加は認められない。
本発明における酸化剤の配合量は全重量に対して、0.01mol/kg〜1mol/kgとすることが好ましく、0.05mol/kg〜0.5mol/kgとすることがより好ましい。配合量が0.01mol/kg未満では研磨速度が低くなる傾向があり、1mol/kgを超えると磁性金属膜の研磨面に荒れが生じる傾向がある。
本発明における非イオン性の水溶性高分子の配合量は、全重量に対して、0.01質量%〜2.0質量%とすることが好ましく、0.05質量%〜0.5質量%とすることがより好ましい。配合量が0.01質量%未満では、磁性金属膜の表面粗さを低減する作用や研磨後の洗浄性の向上作用は認められにくい。また配合量が2.0質量%を超えると、CMPによる研磨速度を低下させる傾向がある。
このような本発明の研磨材を、MRヘッドの素子形成工程での研磨、例えば再生ヘッドの下部シールド膜の平坦化に適用できる。すなわち、本発明の研磨方法は、上記磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材を使用して磁性金属膜および絶縁材料膜を含む複合膜を研磨する工程により、磁性金属膜および絶縁材料膜の一部を除去することを特徴とする。
例えば、下部シールド膜用の磁性金属としては、磁気回路を形成するNiFe、コバルト・鉄・ニッケル系の合金、磁気回路に電気を流すCu配線などが、絶縁材料としては、絶縁材料であるアルミナなどの金属酸化物が挙げられる。複合膜はこれら材料の膜が混在している。表面を絶縁材料膜で覆われている磁性金属膜が露出するように、複合膜の絶縁材料膜と磁性金属膜をCMPにより研磨して、露出する絶縁材料膜と磁性金属膜とに段差がない、平坦で表面粗さの小さい表面を得られる。
ここで、具体的な研磨方法は、被研磨面(複合膜)を有する基板を研磨定盤の研磨布(パッド)上に押圧した状態で研磨材を供給しながら研磨定盤と基板とを相対的に動かすことによって被研磨面を研磨する方法が挙げられる。他に、金属製または樹脂製のブラシを接触させる方法、研磨材を所定の圧力で吹きつける方法が挙げられる。
研磨する装置としては、例えば研磨布により研磨する場合、研磨される基板を保持できるホルダと、回転数が変更可能なモータ等に接続し、研磨布を貼り付けられる定盤とを有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。研磨条件には制限はないが、定盤の回転速度は基板が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましい。被研磨面を有する基板の研磨布への押し付け圧力(研磨圧力)が1〜100kPaであることが好ましく、CMP速度の被研磨面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、5〜50kPaであることがより好ましい。研磨している間、研磨布には研磨材をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨布の表面が常に研磨材で覆われていることが好ましい。研磨終了後の基板は、流水中でよく洗浄後、スピンドライ等を用いて基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。研磨布の表面状態を常に同一にしてCMPを行うために、研磨の前に研磨布のコンディショニング工程を入れるのが好ましい。例えば、ダイヤモンド粒子のついたドレッサを用いて少なくとも水を含む液で研磨布のコンディショニングを行う。続いて本発明によるCMP研磨工程を実施し、さらに、基板洗浄工程を加えるのが好ましい。
磁性金属膜のパターンが露出した時点で研磨を終了してよいが、研磨終了時のより優れた平坦性を確保するために、さらに、オーバー研磨して磁性金属膜の一部を含む深さまで研磨しても良い。
研磨により得られる複合膜表面の、好ましい絶縁材料膜/磁性金属膜の膜間段差量は、100nm以下である。また、好ましい表面粗さはRaで、3nm以下である。
本発明の研磨材は、上記のようなMRヘッドの複合材料膜の研磨だけでなく、半導体デバイスにおける金属配線層の形成工程等の複合材料膜を研磨するためにも使用することができる。
以下、実施例により本発明を説明する。本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
実施例1
(磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材の作製方法)
純度99.9%のα-アルミナ粉末を純水中に懸濁し超音波分散後、分級により粗大粒子を取り除き平均粒径0.3μm、濃度10wt%のα-アルミナ懸濁液を作製した。このα-アルミナ懸濁液20質量部、グリコール酸1質量部、水78質量部を加えて溶解した後、過酸化水素水(試薬特級、30%水溶液)1質量部加えて得られたものを磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材とした。中和滴定等量の測定値は0.13mol/kg、pHは2.4であった。
上記研磨材を定盤に貼り付けたパッドに滴下しながら、下記に示す評価基板および研磨条件でCMPを行い、下記に示す評価を行った。
(評価基板)
基板1:アルチック基板上に厚さ3μmのアルミナ膜を形成したブランケット基板。
基板2:アルチック基板上に厚さ2μmのパーマロイ(80%Ni-20Fe)を形成したブランケット基板。
基板3:100μm×100μm、厚さ2μmのパーマロイ膜パターン上に厚さ3μmのアルミナ膜を形成したパターン形成基板。
(研磨条件)
研磨装置:定盤寸法600mmφ、ロータリータイプ
研磨パッド:独立気泡を持つ発泡ポリウレタン樹脂
研磨圧力:20kPa
基板と研磨定盤との相対速度:36m/min
研磨材流量:100ml/min
(評価項目および評価方法)
CMPによるアルミナ膜研磨速度:基板1のCMP前後での膜厚差を光学式膜厚測定装置で求めた。
CMPによるパーマロイ膜研磨速度:基板2のCMP前後でのシート抵抗変化から換算して求めた。
アルミナ膜/パーマロイ膜間段差量:基板3のCMP研磨後のアルミナ膜/パーマロイ膜境界段差を触針式の段差計で評価した。
表面粗さ:基板3の研磨後のパーマロイ膜表面粗さをAFMで測定した。
評価の結果、アルミナ膜の研磨速度は380nm/min、パーマロイ膜の研磨速度は350nm/minとほぼ等しく、アルミナ膜/パーマロイ膜間段差量は80nm、表面粗さはRaで0.28nmであった。
実施例2
グリコール酸を乳酸に変更した以外は実施例1と同様に磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材を作製した。中和滴定等量の測定値は0.11mol/kg、pHは2.5であった。上記研磨材を使用して実施例1と同様にCMPを行い、評価を行った。
評価の結果、アルミナ膜の研磨速度は350nm/min、パーマロイ膜の研磨速度は330nm/minとほぼ等しく、アルミナ膜/パーマロイ膜間段差量は70nm、表面粗さはRaで0.25nmであり、研磨速度は若干低下したが実施例1と同様の結果が得られた。
実施例3
非イオン性の水溶性高分子として分子量3万のポリビニルポロリドンを0.1質量部加えた以外は実施例1と同様に磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材を作製した。中和滴定等量の測定値は0.13mol/kg、pHは2.4であった。上記研磨材を使用して実施例1と同様にCMPを行い、評価を行った。
評価の結果、アルミナ膜の研磨速度は370nm/min、パーマロイ膜の研磨速度は380nm/minとほぼ等しく、アルミナ膜/パーマロイ膜間段差量は50nm、表面粗さはRaで0.18nmであり、アルミナ膜/パーマロイ膜間段差量と表面粗さが向上した。
比較例1
グリコール酸を0.1質量部に減少し、水を78.9質量部に増加させた以外は実施例1と同様に磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材を作製した。中和滴定等量の測定値は0.013mol/kg、pHは3.5であった。上記研磨材を使用して実施例1と同様にCMPを行い、評価を行った。
評価の結果、アルミナ膜の研磨速度は90nm/min、パーマロイ膜の研磨速度は150nm/min、アルミナ膜/パーマロイ膜間段差量は150nm、表面粗さはRaで0.21nmであり、アルミナ膜、パーマロイ膜の研磨速度が低下した。
比較例2
過酸化水素水を加えないこと以外は実施例1と同様に磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材を作製した。中和滴定等量の測定値は0.13mol/kg、pHは2.4であった。上記研磨材を使用して実施例1と同様にCMPを行い、評価を行った。
評価の結果、アルミナ膜の研磨速度は360nm/min、パーマロイ膜の研磨速度は30nm/min、アルミナ膜/パーマロイ膜間段差量は450nm、表面粗さはRaで0.32nmであり、パーマロイ膜の研磨速度が低下し、ルミナ膜/パーマロイ膜間段差量が増加した。

Claims (6)

  1. 水、砥粒、1価の有機酸および酸化剤を含みpHが1.5以上4以下、水酸化カリウムによる中和滴定等量が0.05mol/kg以上である磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材。
  2. 1価の有機酸がグリコール酸または乳酸である請求項1記載の磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材。
  3. 砥粒がα-アルミナ、またはα-アルミナと他の砥粒の混合砥粒である請求項1または2の磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材。
  4. 酸化剤が過酸化水素、過ヨウ素塩、過塩素酸塩または過硫酸塩である請求項1〜3のいずれか記載の磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材。
  5. さらに、非イオン性の水溶性高分子を含有する請求項1〜4のいずれか記載の磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材。
  6. 請求請1〜5のいずれか記載の磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材を使用して磁性金属膜と絶縁材料膜とを含む複合膜を研磨する工程により、磁性金属膜および絶縁材料膜の一部を除去する研磨方法。

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