JP4090186B2 - 研磨方法及び研磨装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、研磨用固定砥粒(砥石)を用いた研磨方法及び研磨装置に係り、特に半導体ウエハ等のポリッシング対象物を平坦且つ鏡面状に研磨する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスの高集積化が進むにつれて、回路の配線が微細化し、集積されるデバイスの寸法もより微細化されつつある。そこで、半導体ウエハの表面に形成された被膜を研磨により除去して、表面を平坦化する工程が必要となる場合があるが、この平坦化法の手段として、化学機械研磨(CMP)装置により研磨することが行われている。この種の化学機械研磨(CMP)装置は、研磨布(パッド)を貼ったターンテーブルとトップリングとを有し、ターンテーブルとトップリングとの間にポリッシング対象物を介在させて、トップリングが一定の圧力をターンテーブルに与えつつ両者が回転し、研磨布に砥液(スラリ)を供給しつつポリッシング対象物の表面を平坦且つ鏡面状に研磨している。
【0003】
このような砥液(スラリ)を用いた化学機械研磨(CMP)においては、比較的柔らかな研磨布に研磨砥粒を多量に含む砥液(スラリ)を供給しつつ研磨するので、パターン依存性に問題がある。パターン依存性とは研磨前に存在する半導体ウエハ上の凹凸パターンにより、研磨後にもその凹凸に起因した緩やかな凹凸が形成され、完全な平坦度が得られにくいことである。即ち、細かなピッチの凹凸の部分は研磨速度が早く、大きなピッチの凹凸の部分は研磨速度が遅くなり、これにより研磨速度の早い部分と研磨速度の遅い部分とで緩やかな凹凸が形成されるという問題である。又、研磨布(パッド)によるポリッシングでは、凹凸の凸部のみならず凹部も共に研磨されるため、凸部のみが研磨されて完全に平坦となった状態で研磨が停止するいわゆるセルフストップ機能は実現することが困難であった。
【0004】
一方で、酸化セリウム(CeO)等の砥粒を、例えばフェノール樹脂等のバインダを用いて固定した、いわゆる固定砥粒(砥石)を用いた半導体ウエハの研磨が研究されている。このような砥石による研磨では、研磨材が従来の化学機械研磨と異なり硬質であるため、凹凸の凸部を優先的に研磨し、凹部は研磨され難いため、絶対的な平坦性が得やすいという利点がある。又、砥石の組成によっては、凸部の研磨が終了し平坦面となると研磨速度が著しく低下し、研磨が事実上進行しなくなるいわゆるセルフストップ機能が現れる。又、砥石を用いた研磨では砥粒を多量に含む研濁液(スラリ)を使用しないため、環境問題の負荷が低減するという利点もある。
【0005】
しかしながら、砥石を用いた研磨では、以下に述べる問題点がある。まず、砥石の組成が、砥粒を結合するバインダ剤の結合力が高い場合には、研磨中に砥粒が自生し難く、ドレッシング直後は比較的高い研磨速度が得られても、研磨が進行するにつれて研磨速度が低下し、十分な研磨速度が得られなくなる。又、砥粒を結合するバインダの結合力が弱い砥石では、全体として脆くなり、砥粒は自生しやすく、比較的高い研磨速度が得られるが、凹凸の凸部のみならず凹部も研磨され、研磨後に完全な平坦面が得られ難く、いわゆる段差特性に問題がある。又、このような砥石においては凸部のみの研磨が終了した後に、研磨の進行が自動的に停止するいわゆるセルフストップ機能も発現し難い。
【0006】
従って、いわゆるセルフストップ機能が働く砥石は、バインダ、砥粒、気孔の組成のバランスの取れた比較的狭い範囲にあり、このような砥石が研磨対象物に対して所望の研磨速度安定性、段差特性が得られるとは必ずしも限らない。一方で、研磨対象は、シリコン基板、ポリシリコン膜、酸化膜、窒化膜、アルミ又は銅材からなる配線層等と多岐にわたる。このため、これらの各種の研磨対象に応じて、研磨速度の安定性、良好な段差特性及びセルフストップ機能を有する砥石を製作することは、事実上困難であった。
【0007】
又、砥石にはスクラッチ低減や反応促進のために第3の物質を封入することが望ましい場合があるが、このような物質を封入することにより、組成条件が変化して同様にセルフストップ機能が発現しなくなるという問題がある。
【0008】
又、砥石を用いた半導体ウエハの研磨の場合は、研磨速度はドレッシング直後においては速いが、次第に低下してくるため、研磨速度が安定しない。安定させるためには、研磨前に毎回ドレッシングを行う必要があるが、ドレッシングを毎回の研磨前に行うと、ドレッシングに一定の時間を必要とすることから、実用上スループットが低下し、生産性を低下させるという問題もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した事情に鑑みて為されたもので、砥石の組成に限定されず又研磨対象の基板の種類に限定されず、セルフストップ機能を常に発現することができる基板の研磨方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、固定砥粒を用いて表面に凹凸が形成されたウエハを研磨する方法において、界面活性剤を前記固定砥粒の研磨面に供給せずに、前記固定砥粒の研磨面をドレッシングしながら前記ウエハを研磨する第1の研磨工程と、前記第1の研磨工程の後、前記固定砥粒の研磨面をドレッシングせずに、界面活性剤を前記研磨面に供給しながら前記ウエハを研磨する第2の研磨工程により研磨するウエハの研磨方法である。
【0011】
界面活性剤を供給しながら研磨を行うと、ブランケットウエハ(凹凸のない平坦面のウエハ)がほとんど研磨が進行しなくなることが知られている。即ち、界面活性剤を供給することで、いわゆるセルフストップ機能を発現することが可能となる。又、固定砥粒のドレッシングを行いながら研磨することで、常に多量の遊離砥粒が存在する状態で研磨が可能となり、研磨速度の安定化が可能となる
【0012】
記デバイスウエハの研磨が進行して凸部が平坦化する前に、界面活性剤の供給を開始しつつ研磨を継続することが好ましい。デバイスウエハの研磨が進行して凸部が平坦化する前に、例えば平坦化迄の所要時間をTとすると、2T/3が経過したころに界面活性剤の供給を開始することで、セルフストップ機能の発現を効率的に行わせることができる。即ち、研磨の初期及び中期の段階においては界面活性剤の供給を行わないので、その分の界面活性剤の使用量を節減でき、研磨のコストを低減することができる。
【0013】
なお、デバイスウエハを固定砥粒のドレッシングを行いながら研磨を行い、前記デバイスウエハの研磨が進行して、凸部が平坦化する前に、ドレッシングを停止して、研磨のみを継続することとしてもよい。これにより、デバイスウエハの凸部が平坦化する前に、例えば平坦化までの所要時間をTとすると2T/3が経過した頃にドレッシングを停止することで、遊離砥粒の自生量を低減することができる。従って、研磨速度が低下し、同様にセルフストップ機能を発現することができる。このため、特に界面活性剤等の薬材を用いることなく、固定砥粒による研磨でセルフストップ機能の発現する範囲を拡大することができる。
【0020】
磨対象であるウエハ(半径:Rw)と固定砥粒面(半径:Rf)の大きさが、
2Rw>Rf>Rw/2
の関係にあり、前記固定砥粒面の半径Rfが前記ウエハの中心と前記固定砥粒面の中心との間の距離よりも大きく、前記ウエハと固定砥粒面とはそれぞれ自転することが好ましい
【0021】
これにより、研磨対象の基板の被研磨面内に固定砥粒の研磨面に対して多少の相対速度のばらつきがでるが、上述したセルフストップ機能の発現により、凸部が平坦化されると研磨の進行が停止する。そして、研磨対象の基板の被研磨面が固定砥粒の研磨面からはみ出すような場合であっても、ウエハ重心が常にテーブル固定砥粒上に存在するので、トップリングの傾きを抑制し、結果として一様な平坦面を得ることができる。従って、ウエハ径に対するテーブル固定砥粒の径を従来よりも小さくするでき、これにより研磨性能を低下させることなく、装置及び固定砥粒の小型化・経済化を図ることができる。
【0022】
求項に記載の発明は、前記第1の研磨工程において、緩衝を添加しながら研磨することを特徴とする請求項に記載のウエハの研磨方法である。
請求項に記載の発明は、前記第2の研磨工程の後に、研磨布により仕上げ研磨を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のウエハの研磨方法である。
請求項に記載の発明は、前記仕上げ研磨は、前記研磨布にスラリを供給しながらウエハを研磨布に押圧して行うことを特徴とする請求項3に記載のウエハの研磨方法である。
請求項5に記載の発明は、前記界面活性剤は、前記凹凸の段差が解消される前から供給されることを特徴とする請求項1に記載のウエハの研磨方法である。
請求項6に記載の発明は、前記凹凸の段差が解消されるまでの所要時間をT秒とすると、研磨開始から2T/3秒〜4T/5秒相当の時間経過後に前記界面活性剤の供給を開始することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のウエハの研磨方法である。
請求項7に記載の発明は、研磨中にウエハの表面に形成されている凸部の厚さをモニタで測定し、前記凸部が平坦化される直前を検出してから前記界面活性剤の供給を開始することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のウエハの研磨方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。尚、以下では、砥石を用いて研磨を行なう例について説明する。この砥石は固定砥粒の一種であり、砥粒をバインダ中に固定し円板状に形成したものである。本発明はこのような砥石以外の固定砥粒についても適用できるものであり、砥石以外の固定砥粒としては、例えば、弾性を有する研磨パッドの上に薄い固定砥粒層を貼り付けた固定砥粒がある。
【0024】
図1(a)及び(b)は、本発明の実施の形態の研磨装置を示す。ターンテーブル11には、研磨用の砥石12がクランプ18により固定されている。ここで砥石は上述したように、各種半導体回路パターンが形成されたデバイスウエハを研磨するのに好適な、砥粒とバインダと気孔とからなる組成により構成されたものである。トップリング13は、研磨対象基板である半導体ウエハ14を真空吸着保持し、半導体ウエハ14の被研磨面を砥石12の研磨面に回転しつつ押圧することで、ウエハ14の被研磨面を研磨する。
【0025】
又、この装置には研磨中にドレッシングを行うドレッサ17を備えている。このドレッサ17は、例えばダイヤモンド砥粒を平板に固着したもので、トップリングと同様に回転しつつ砥石の研磨面に押圧することで、砥石の研磨面をドレッシング(目立て)する。ドレッサホルダ16は、ドレッサ17を保持して回転しつつ押圧するもので、トップリング13と同様の機能を有するものである。
【0026】
又、この装置には液体供給ノズル15A,15B,15Cを備えている。ここでノズル15Aは純水を砥石12の研磨面上に供給するものであり、一般に砥石を用いた研磨には不可欠のものである。砥石と半導体ウエハの研磨面に供給される純水は、研磨面の潤滑と冷却の役割を果たしている。ノズル15Bは、界面活性剤を供給するものであり、上述したように砥石と研磨対象のウエハの研磨面に界面活性剤を供給することで、基板の研磨が進行し平坦化すると研磨が自動的に進行しなくなるいわゆるセルフストップ機能を発現させることができる。ここで界面活性剤の一例としては、分子中に親水性の原子団と、疎水性の原子団を同時に持つ物質である。界面活性剤としては、例えば特殊カルボン酸形高分子界面活性剤や、そのナトリウム塩をアンモニウム塩に置換したメタルフリータイプ等が利用可能である。
【0027】
ノズル15Cは、緩衝液(buffer)等の他の薬液を供給するものである。緩衝液は、ウエハと砥石の研磨面に供給することで、デバイスウエハの研磨速度を高めることができる。例えば、アンモニア水(NHOH)、酢酸(CHCOOH)、炭酸カリウム(KCO)、等である。この装置においては、これらのノズル15A,15B,15Cから純水、界面活性剤、その他の薬液を、図示しない制御装置によりそれぞれ単独で又はこれらの組合せで砥石とウエハの研磨面に任意に供給することができる。
【0028】
砥石を用いた研磨では、この研磨面に界面活性剤を供給すると、ウエハの被研磨面と砥石の研磨面との間に界面活性剤の被膜が形成される。ウエハの被研磨面の凸部表面に形成される被膜は、使用する砥粒径よりも薄く、砥粒がウエハに押圧され易いため、ある程度の研磨速度が得られる。即ち、ウエハの被研磨面の凸部がある程度高い研磨初期及び中期の段階では、界面活性剤が存在しても研磨速度を特に低下させることはない。一方で被研磨面の凹凸の凹部表面に形成される被膜は、使用する砥粒径よりも厚く砥粒がウエハに押圧されにくいため、研磨速度が低下する。この作用を利用することで、凸部が優先的に研磨され、凹部が研磨されにくいため、上述したように凸部が平坦化されると研磨速度が極端に低下するいわゆるセルフストップ機能が発現する。
【0029】
一方で、ドレッサを用いて砥石の研磨面をドレッシングすると、多量の遊離砥粒が生成し、研磨速度を安定化できることが知られている。図1に示す装置のように、回転するターンテーブルの一部で砥石によるウエハの研磨を行いながら、一方でドレッサを用いて砥石の研磨面をドレッシングするいわゆるIn Situドレッシングを行うことができる。これにより、研磨中に常に一定量の遊離砥粒が存在するので、研磨速度が安定化する。しかしながらこの方法では、常に砥粒が自生し、段差解消後も研磨が進行するため、いわゆるセルフストップ機能が発現しなくなる。
【0030】
次に、図2及び図3を参照して界面活性剤の効果について説明する。図2はデバイスウエハを図1に示す装置でドレッシングを行いながら研磨する場合で、純水のみを供給した場合を示す。図中白印は凸部を示し、黒印は凹部を示す。図中の○印は500μmを示し、△印は2000μmを示し、□印は4000μmを示す。この図は、凸部が時間の経過と共に急速に研磨されるが、凹部も緩やかに研磨され、段差解消後も研磨が進行することを示している。即ち、この研磨データから、ドレッシングを行いつつ純水のみを供給した研磨では、セルフストップ機能が発現していないことが判る。
【0031】
次に、界面活性剤を一定量添加した純水を供給しながら、ドレッシングを行いつつ研磨した結果を図3に示す。
【0032】
図3(a)は、例えば50g/cm以下の低い面圧でドレッシングを行った場合の、界面活性剤6wt%を添加した純水による研磨の結果を示す。図示するように、凸部(白印)が急速に研磨され、凹部(黒印)が緩やかに研磨され、300秒程度で両者の膜厚が一致し、その後研磨が進行しなくなることが示されている。図3(b)は、ブランケットウエハ(ベタ膜)の研磨速度に対する界面活性剤の濃度依存性を示す図であり、横軸に界面活性剤濃度を取り、縦軸に研磨速度を取った図である。界面活性剤濃度が6%の場合には、ベタ膜の研磨速度はほとんどゼロとなることが示されている。従って、この条件でデバイスウエハを研磨すると、段差解消後に研磨がほぼ停止する傾向を示している。即ち、セルフストップ機能が発現していると認められる。図3(c)に示すように、この時のデバイスウエハの凹凸部が存在する場合の研磨速度は約3000Åであるが、ベタ膜の研磨速度は正確には約40Åと極めて低い。従って、段差が解消され平坦化すると、ベタ膜状態となり、研磨速度が極端に低下するため、いわゆるセルフストップ機能が発現したものと考えられる。
【0033】
尚、ドレッシングの面圧が例えば400g/cm程度と高い場合には、砥石の組成条件によっては遊離砥粒が供給過多となり、界面活性剤によるセルフストップ機能が発現されず、平坦化後も更に研磨が進行する場合がある。このような場合には遊離砥粒量を調節するため、ドレッシングの面圧を低くすることが好ましい。
【0034】
砥石の組成条件(砥粒、バインダ、気孔の割合)によって、砥石は大きく3種類に区分できる。即ち、
▲1▼研磨速度の速い砥石(研磨前及び研磨中のドレッシングなしでもデバイスウエハの研磨が可能)。
▲2▼研磨速度が中程度の砥石(研磨前のドレッシングを行えばデバイスウエハの研磨が可能)、このような砥石では一般にセルフストップ機能が発現する。
▲3▼研磨速度が低い砥石(研磨中のドレッシングを行えばデバイスウエハの研磨が可能)。
【0035】
上述の砥石の種類のうち、▲3▼の砥石については研磨速度を上げ且つ安定させるためには上述のドレッシングを行いながら研磨を行うことが必要であり、又セルフストップ機能を発現させるために、界面活性剤の供給も好ましいがドレッシングの停止でも行うことが可能である。又、▲1▼の砥石に対しては、ある程度の研磨速度が得られるので、研磨前及び研磨中のドレッシングは不要で、セルフストップ機能を発現させるためには界面活性剤の供給が不可欠である。但し研磨速度を安定化させるために、研磨中のドレッシングを行うようにしても良い。一方で▲2▼の砥石に対しては、研磨前にドレッシングを行えば、デバイスウエハはある程度の研磨速度で研磨でき、且つそのままセルフストップ機能も発現するので、ドレッシングをしながら研磨することも界面活性剤も不要である。但し研磨速度を安定化させるために、研磨しながらドレッシングを行うこと、及びセルフストップ機能を明確に発現させるために界面活性剤の供給を行うようにしても良い。
【0036】
次に、界面活性剤の消費量の削減について検討する。上述したように砥石によるデバイスウエハの研磨で界面活性剤を使う場合には、段差解消後にセルフストップ機能を発現させるためである。従って、段差解消までは砥石の場合は優れた段差特性を有するので、界面活性剤は基本的に不要である。従って、研磨開始後暫くは界面活性剤を供給する必要はなく、理論的には段差解消直前から供給すれば十分である。研磨中のデバイスウエハの凸部の膜厚をモニタ等で測定することができるのであれば、段差解消の直前を検出して界面活性剤供給を開始すればよい。しかしながら、実際に研磨面をモニタリングで微細な凹凸の研磨状況を確認することは必ずしも容易でない。又、敢えてこのようなモニタを設ければ余分なコスト及びスペースを必要とするので、このようなモニタを配置することは好ましいことではない。ここで、ドレッシングを行いながら研磨を行えば、デバイスウエハの研磨速度はほぼ安定しているので、時間管理でも十分に対応可能と考えられる。即ち、段差が解消され平坦化に至るまでの所要時間はおよそ一定と考えられる。平坦化までの所要時間をT秒とすると、例えば研磨開始から2T/3秒〜4T/5秒相当の時間経過後に界面活性剤の供給を開始するようにすれば、研磨開始時から供給をはじめるのに比べて、消費量を例えば半分以下程度に大幅に削減できる。
【0037】
又、界面活性剤の使用はウエハ一枚当たりの研磨コストを引き上げることになる。できれば、界面活性剤を使用することなくセルフストップ機能を発現させることが好ましい。その手法として、ドレッシングしながら研磨する途中で、ドレッシングを停止して研磨のみ進行させる方法が考えられる。上述したように、砥石の研磨特性は大きく▲1▼▲2▼▲3▼の3種類に区分できる。このうち▲3▼として示した砥石は、ドレッシングしながら研磨を行わなければ、デバイスウエハを研磨することが殆どできない。言い換えれば、ドレッシングを行いながら研磨を行うことで、必要な遊離砥粒が自生しデバイスウエハの研磨ができるが、ドレッシングを停止すると残留砥粒が存在する間は多少研磨が進行するが、これが研磨面から流出してしまうとそれ以上の研磨が進むことなく、実質的に研磨の進行が停止してしまう。この効果はセルフストップ機能に相当する。図4は、ドレッシングしながら研磨する(In Situドレッシング)途中で、ドレッシングを停止して研磨のみ進行させ(Noドレッシング)、実際にデバイスウエハ研磨を行った結果を示す。即ち、研磨開始時から所定時間ドレッシングを行いながらウエハを研磨し(In Situドレッシング)、その後はドレッシングせずにウエハ研磨(Noドレッシング)を行った。図4から、デバイスウエハの凹部については、In Situドレッシングでは研磨速度が速いが、Noドレッシングにすると研磨速度が次第に低下し、セルフストップ機能が見られるようになる。即ち、In Situドレッシングでは砥粒が自生するため遊離砥粒が多く研磨速度は早いが、ドレッシングが停止して残留砥粒が研磨面から外部に流出するに従い、研磨速度が次第に低下し、セルフストップ機能が発現する。尚、図4に示す例では、In Situドレッシングの際のドレッシング面圧を約50g/cmとしたが、このようなセルフストップ機能を明確に発現させるために、研磨を行いながらドレッシングを行う際の、ドレッシング面圧を大きくすることで、デバイスウエハの研磨速度を早くしても良い。又、Noドレッシング研磨の工程で界面活性剤を供給しながら研磨しても良い。
【0038】
尚、この場合には、砥石によるウエハの研磨(砥石研磨)の終了後に、ウエハを純水洗浄し、通常の化学機械研磨法(CMP)による仕上げ研磨(touch up)を行っている。これは、ウエハの表面に付着した研磨粒子などの除去及びウエハ面のキズ(スクラッチ)の除去を目的として行われるものである。ここで用いる通常のCMPとは、研磨布(研磨砥粒を含まない樹脂製パッド)にウエハを所定圧力で押圧し、スラリ(研磨剤入り溶液)を供給しながら研磨を行う方式を指している。このスラリとしては、例えば、フュームドシリカスラリ、コロイダルシリカスラリ、セリアスラリ、アルミナスラリなどを用い、砥粒の平均粒子径が200nm以下、好ましくは100nm以下のものを用いる。尚、スラリは、その粒径分布がシャープであり大きな砥粒を含まないこと、少なくとも粒径500nm以上の砥粒を含まないことが好ましい。又、研磨布としては、例えば市販のIC1000パッド(ポリウレタン樹脂系の独立発泡タイプ、ロデール社製)やSUBA400パッド(不織布タイプ、ロデール社製)のような弾性パッドを用いる。図4に示す例では、砥石研磨後のデバイスウエハを通常のCMPにて膜厚換算で約500Åの追加研磨を行った。このような仕上げ研磨(touch up)によりウエハ表面の付着物やキズをほぼ除去できる。
【0039】
この仕上げ研磨(touch up)の一例として、図5に、ブランケットウエハを砥石研磨した後、仕上げ研磨(touch up)を行った場合のウエハの表面の付着物やキズの量の変化を示す。ここで、図5に示すdefect量とは、ウエハの表面の付着物やキズの総量を表すものである。図5から、砥石研磨の直後においては、defect量が多いが、仕上げ研磨(touch up)を膜厚換算で500Å以上行うとdefect量は通常のCMPレベルまで低減できることが判る。もちろん付着物やキズの量によっては、仕上げ研磨(touch up)の研磨量を500Å以下としてもよい。尚、In Situドレッシング研磨後にNoドレッシング研磨を行った場合における仕上げ研磨(touch up)について例示したが、このような仕上げ研磨(touch up)は、In Situドレッシング研磨後にNoドレッシング研磨を行う場合に限らず、砥石研磨後であれば広く適用可能であることはいうまでもない。
【0040】
次に、緩衝液の添加について検討する。上述したようにセルフストップ機能が発現するには、ベタ膜の研磨速度がデバイスウエハの研磨速度に比べて極端に低い必要がある。換言すれば、デバイスウエハの研磨速度をベタ膜に比べて相対的に早くすることにより、セルフストップ機能を明確に発現させることができる。例えば層間絶縁膜であるシリコン酸化膜の研磨の場合には、純水に一定量の緩衝剤を添加すると、ベタ膜の研磨速度が大幅に向上することが知られている。即ち、図6に示すように、水のみで研磨した場合に比較して、緩衝剤を添加すると研磨速度が約3倍に向上する。尚、これに界面活性剤を添加した場合は、研磨速度が多少低くなるものの水のみの場合と比較して2倍以上に向上する。この場合の界面活性剤の量は1.2wt%である。この結果から、デバイスウエハの研磨において、この緩衝溶液を添加することで、デバイスウエハの凸部の研磨速度が大幅に向上する。そして、段差が解消され平坦化した場合の研磨速度との差が広がるため、セルフストップ機能を発現させることができる。尚、緩衝剤は、シリコン酸化膜の研磨促進に有効であるが、例えばメタル膜の研磨に対しては、酸化剤又はエッチング剤などが有効である。
【0041】
次に、図7は、上述したセルフストップ機能が発現する砥石の研磨方法に好適な装置を示す。この装置は、図1に示す装置と比較して、ターンテーブルに固定された砥石の寸法が大幅に小型化されている。即ち、研磨対象であるウエハの半径をRwとし、ターンテーブルに固定された砥石の半径をRfとすると、これらの大きさの関係が、
2Rw>Rf>Rw/2
の関係にある。
【0042】
一般に従来の研磨砥液(スラリ)を研磨布に供給してデバイスウエハの研磨を行う化学機械研磨法(CMP)では、ウエハ面内の相対速度を均一にすることが必要条件といわれており、この考え方に基づいてターンテーブルの砥石の半径が研磨対象のウエハの直径よりも大きくなるようにターンテーブルの大きさが設定されてきた。しかしながら、セルフストップ機能を利用してデバイスウエハを研磨する場合には、凸部が研磨で除去され段差が解消するとそれ以上研磨は進行しない。このことは換言すれば、ウエハ面内の研磨速度にバラツキがあっても、段差が解消された後には研磨が進行しないことから、できあがった研磨面はウエハ面内の研磨速度のバラツキに関係がなくなるということである。従って、係るセルフストップ機能を利用した研磨方法が可能である場合には、ウエハ面内の研磨速度のバラツキは許容されることになる。従って、(a)に示すようにウエハの直径(2Rw)が砥石の半径(Rf)以上であっても良く、(b)に示すように砥石の直径(2Rf)がウエハの半径(Rw)以上であれば良い。尚、この(b)に示す条件は、砥石の直径(2Rf)よりもウエハの半径(Rw)が大であると、ウエハ重心が砥石面からはみ出して安定性が損なわれるため、上述したように設定されている。これにより特にターンテーブルのサイズを従来よりも格段に小さくすることができ、同様に砥石のサイズを格段に小さくすることができる。このため、装置の設計自由度が著しく増大し、装置の小型コンパクト化に著しく寄与することができる。
【0043】
図8は、このような図7に示す装置におけるウエハの中心Owと砥石の中心Ofとの位置関係を示す図であり、図8(a)はウエハの直径(2Rw)が砥石の半径(Rf)よりも大きい場合、図8(b)は砥石の直径(2Rf)がウエハの半径(Rw)よりも大きい場合を示している。ウエハの被研磨面が砥石の研磨面から外部にはみ出すような場合には、図8に示すように、砥石の半径(Rf)をウエハの中心Owと砥石の中心Ofとの間の距離(L)よりも大きくして、この状態で、ウエハと砥石との相対的な位置関係を固定して研磨を行う、あるいは、例えば揺動やスキャニングなどによって両者の相対的な位置関係を変化させながら研磨を行う。このように、砥石の半径(Rf)をウエハの中心Owと砥石の中心Ofとの間の距離(L)よりも大きくすることにより、ウエハの中心(重心)Owが常に砥石上に存在することとなり、ウエハ重心が砥石面からはみ出しトップリングが傾くことが確実に防止され、安定性を高めることができる。
【0044】
ここで、研磨中は、ウエハと砥石との接触部分に摩擦力が発生し、この摩擦力によって、ウエハ14を保持するトップリング13に回転モーメントが働きトップリングが傾くことが考えられる。特に、上述のようにウエハの被研磨面が砥石の研磨面から外部にはみ出すような場合には、砥石との接触部分がウエハの一部分のみとなり、この部分のみで摩擦力が発生するので、よりこの傾向が強くなると考えられる。従って、本実施形態に係る研磨装置は、ウエハの被研磨面に発生する摩擦力による回転モーメントを、ウエハと砥石との接触面積を考慮しつつ打ち消すべく、図9及び図10に示すように、シリンダ20とピストン21を具備するアクチュエータAX1,AX2,AY1,AY2と、摩擦力センサFX及び摩擦力センサFYと、位置センサSと、演算制御装置22とを設けている。
【0045】
図10に示すように、トップリング13の上部には軸受23、24を介在させて押圧板25が設けられ、上記アクチュエータAX1,AX2,AY1,AY2は、この押圧板25の上面外周部のX方向及びY方向の4点とトップリングアーム26との間に配置される。押圧板25は、各アクチュエータAX1,AX2,AY1,AY2の作用により下方に押圧されることとなる。また、図9に示すように、摩擦力センサFX及び摩擦力センサFYは、押圧板25のX方向及びY方向の側面外周部に配置されており、ウエハ14に加わるウエハ14と砥石12の間の摩擦力を検出する。摩擦力センサFX及び摩擦力センサFYは、それぞれ上述した摩擦力のX方向成分fx、Y方向成分fyを検出する。摩擦力センサFX及び摩擦力センサFYからの出力fx,fyは演算制御装置22に入力される。位置センサSはトップリング13のシャフトに設けられており、ウェハ14の中心と砥石12の中心との距離Lを検出する。この位置センサSの出力sも演算制御装置22に入力される。
【0046】
図11は演算制御装置22の機能ブロック構成を示す図であり、図示するように、演算制御装置22の演算部221は位置センサSからの出力sに基づいてウエハと砥石との接触面積Swを算出する。一方、演算制御装置22の演算部222は摩擦力センサFX及び摩擦力センサFYの出力(摩擦力)fx及び出力(摩擦力)fyに基づいて摩擦力の方向θと回転モーメントMを算出し、更に上述の位置センサSからの出力s及び接触面積Swに基づいて摩擦力の方向θと回転モーメントMの補正を行う。続いて演算部223で該摩擦力の方向θと回転モーメントMを基に圧力勾配(Δp/D:Δpは圧力差、Dはウエハの直径)を算出する。更に演算部224で該圧力勾配に基づいて各アクチュエータAX1,AX2,AY1,AY2が押圧板17に与える荷重FX1,FX2,FY1,FY2を算出し、更に位置センサSからの出力sに基づいて荷重FX1,FX2,FY1,FY2を補正する。この補正された荷重FX1,FX2,FY1,FY2は、各アクチュエータAX1,AX2,AY1,AY2に出力され、摩擦力fによる回転モーメントMを打ち消すような荷重FX1,FX2,FY1,FY2が、各アクチュエータAX1,AX2,AY1,AY2によりシリンダ20を介してピストン21に与えられる。これにより、ウエハ14の被研磨面に発生する摩擦力fによる回転モーメントMを、ウエハと砥石との接触面積Swを考慮しつつ打ち消すことができ、トップリング13の傾き防止とウエハのはみ出し方向への倒れが有効に防止される。
【0047】
次に、本発明に係る研磨装置の第1の実施例の構成について説明する。第1の実施例に係る研磨装置全体の構成としては、例えば図12に示すようなものとなる。図12は、ポリッシング装置の内部の全体構成を示す概略平断面図である。同図に示すように、ポリッシング装置はポリッシング部130と洗浄部150とから構成されている。ポリッシング部130は、その中央にターンテーブル133を配置し、その両側にトップリング135を取り付けたポリッシングユニット137と、ドレッシングツール139を取り付けたドレッシングユニット141を配置し、更にポリッシングユニット137の横にワーク受渡装置143を設置して構成されている。ターンテーブル133の上面には、砥粒とバインダで形成された砥石が装着され、その上面が研磨面134を構成している。
【0048】
一方洗浄部150は、その中央に矢印G方向に移動可能な2台の搬送ロボット1,1を設置し、その一方側に1次・2次洗浄機155,157とスピン乾燥機(又は洗浄機能付き乾燥機)159を並列に配設し、他方側に2つのワーク反転機161,163を並列に配設して構成されている。そして研磨前の半導体ウエハを収納したカセット165が、図12に示す位置にセットされると、図の右側の搬送ロボット1が該カセット165から半導体ウエハを1枚ずつ取り出してワーク反転機163に受け渡して反転する。更に該半導体ウエハは、反転機163から図の左側の搬送ロボット1に受け渡されてポリッシング部130のワーク受渡装置143に搬送される。
【0049】
ワーク受渡装置143上の半導体ウエハは、一点鎖線の矢印で示すように回動するポリッシングユニット137のトップリング135下面に保持されてターンテーブル133上に移動され、回転するターンテーブル133の研磨面134上で研磨される。研磨後の半導体ウエハは、再びワーク受渡装置143に戻され、図の左側の搬送ロボット1によってワーク反転機161に受け渡されて純水で洗浄されながら反転された後、1次・2次洗浄機155,157で洗浄液や純水で洗浄され、その後、スピン乾燥機(又は洗浄機能付き乾燥機)159でスピン乾燥され、図の右側の搬送ロボット1によって元のカセット165に戻される。尚、ドレッシングユニット141は、トップリング135による半導体ウエハの研磨終了後、一点鎖線の矢印で示すようにターンテーブル133上に移動し、回転するドレッシングツール139を回転するターンテーブル133の研磨面134に押し付け、研磨面134のドレッシング(目立て・再生)を行う。
【0050】
次に、本発明に係る研磨装置の第2の実施例の構成について説明する。第2の実施例に係る研磨装置全体の構成としては、例えば図13に示すようなものとなる。本実施例においては、ウエハの砥石研磨後に通常のCMPにより仕上げ研磨(touch up)を行う場合を例として説明するが、これに限られるものではない。尚、図13においては、各要素又は部材が模式的に示されている。又、特に説明しない部分については、上述の第1の実施例と同様である。
【0051】
本実施例におけるポリッシング装置は、全体が長方形をなす床上のスペースの一端側に一対のポリッシング部130a,130bが対向して配置され、他端側にそれぞれ半導体ウエハを収納するカセット165a,165bを載置する一対のロード・アンロードユニットが配置されている。
【0052】
2つのポリッシング部130a,130bは、基本的に同一の仕様の装置が搬送ラインに対して対称に(図13において上下対象に)配置されており、それぞれ、上面に研磨布を貼付したターンテーブル133と、半導体ウエハを真空吸着により保持してターンテーブル面に押し付け研磨するポリッシングユニット137と、砥石又は研磨布の目立てを行うドレッシングユニット141とを備えている。また、ポリッシング部130a,130bは、それぞれの搬送ライン側に、半導体ウエハをポリッシングユニット137との間で授受するワーク受渡装置143を備えている。又、搬送ラインの両側には、それぞれ1台の反転機161,163とこれの両隣の2台の洗浄機155a,155b,156a,156bが配置されている。
【0053】
図12に示すポリッシング装置においては、搬送ロボットはレール上に配置され、左右に移動可能とされたが、本実施例における搬送ロボット1,1は据えつけ型で構成されている。距離的に長い搬送が必要でない場合には、レールの無い方が装置の構成が簡単になる。この搬送ロボット1,1は、水平面内で屈折自在に関節アームが設けられているもので、それぞれ上下に2つの把持部を、ドライフィンガーとウエットフィンガーとして使い分ける形式となっている。本実施例では、基本的に、図13の右側の搬送ロボット1は、ワーク反転機161,163よりカセット165a,165b側の領域を、図13の左側の搬送ロボット1は、ワーク反転機161,163よりポリッシング部130a,130b側の領域を受け持つ。
【0054】
洗浄機の形式は任意であるが、例えば、ポリッシング部側がスポンジ付きのローラで半導体ウエハ表裏両面を拭う形式の洗浄機155a,155bであり、カセット側が半導体ウエハのエッジを把持して水平面内で回転させながら洗浄液を供給する形式の洗浄機156a,156bである。後者は、遠心脱水して乾燥させる乾燥機としての機能をも持つ。洗浄機155a,155bにおいて、半導体ウエハの1次洗浄を行うことができ、洗浄機156a,156bにおいて1次洗浄後の半導体ウエハの2次洗浄を行うことができるようになっている。
【0055】
このような構成のポリッシング装置においては、シリーズ処理とパラレル処理の双方を行うことができるが、まず、シリーズ処理(2段階研磨)により砥石研磨後に仕上げ研磨(touch up)を行う場合について説明する。シリーズ処理により砥石研磨後に仕上げ研磨(touch up)を行う場合には、各ポリッシング部130a,130bにターンテーブルを1つずつ配置し、例えば、ポリッシング部130aに砥石研磨(第1次研磨)用のターンテーブルを配置し、ポリッシング部130bに仕上げ研磨(第2次研磨)用のターンテーブルを配置する。
【0056】
このシリーズ処理においては、例えば、半導体ウエハの流れは、カセット165a→反転機161→ポリッシング部130a→洗浄機155a→ポリッシング部130b→洗浄機155b→反転機163→洗浄機156b→カセット165bとなる。搬送ロボット1,1は、それぞれ、ドライな半導体ウエハを扱う時はドライフィンガーを用い、濡れた半導体ウエハを扱う時はウエットフィンガーを用いる。ワーク受渡装置143は、ロボット1から半導体ウエハを受け、トップリングが上方に来た時に上昇して半導体ウエハを渡す。研磨後の半導体ウエハは、ワーク受渡装置143の位置に設けられたリンス液供給装置によってリンス洗浄する。
【0057】
このようなポリッシング装置では、ワーク受渡装置143及び洗浄機155aで半導体ウエハがトップリングと切り離された状態で洗浄されるので、半導体ウエハの研磨面だけでなく裏面や側面に付着する第1次研磨(砥石研磨)で生じた研磨粒子等を完全に除去することができる。第2次研磨(仕上げ研磨)を受けた後は、洗浄機155b及び洗浄機156bで洗浄され、スピン乾燥されてカセット165aへ戻される。
【0058】
次に、パラレル処理(並列処理)により砥石研磨後に仕上げ研磨(touch up)を行う場合について説明する。パラレル処理により砥石研磨後に仕上げ研磨(touch up)を行う場合には、各ポリシング部130a,130bの中で、砥石研磨と仕上げ研磨の双方を行えるようにする。即ち、1つのポリッシング部の中に砥石研磨用のターンテーブルと仕上げ研磨用のターンテーブルを配置する。このように1つのポリッシング部の中で、砥石研磨と仕上げ研磨の双方を行うことができるポリッシング部の例を図14及び図15に示す。
【0059】
図14では、1つのポリッシング部130内に、砥石171を用いた砥石研磨装置181と、研磨布172を用いた仕上研磨装置182とが並置されている。砥石研磨装置181においては、ノズル15Cから水又は薬液が供給され、砥石171による研磨が行われる。仕上研磨装置182においては、ノズル15Dから研磨砥粒を含むスラリが研磨布172上に供給され、化学・機械的研磨が行われる。研磨対象の半導体ウエハ14は、ポリッシング部130内のワーク受渡装置143に置かれ、次に砥石研磨装置181の砥石171を用いて、表面の段差が解消し所定の膜厚まで削られた後に、仕上研磨装置182の化学・機械的研磨による仕上げ研磨が行われ、表面のスクラッチ等が除去される。尚、図14に示す例では、砥石研磨装置181及び仕上研磨装置182の研磨テーブルとして、各々の研磨テーブルの中心に対して自転するターンテーブル型研磨テーブルを用いているが、砥石研磨装置181と仕上研磨装置182のいずれか、又は両方にスクロール型研磨テーブルを用いてもよい。スクロール型研磨テーブルとは、所定の公転半径で自転を伴わない軌道運動(循環並進運動)を行うもので、研磨テーブル上の各点で相対速度が一定になり、テーブル設置面積が少なくなる、等のメリットがある。
【0060】
図15では、1つのターンテーブル133に研磨布172と、砥石171の両方を同心円状に設けている。このような構成のポリッシング部においては、砥石171による研磨の終了後に、半導体ウエハを保持するトップリング135を、研磨布172上に移動して図示しないノズルより研磨スラリを供給することにより、仕上げ研磨を行うことができる。図15に示すように、砥石テーブルと研磨布テーブルを同一のターンテーブル133上で同心円状の中心部分と外周部分になるように構成することにより、砥石研磨後に仕上げ研磨(touch up)を行う場合においても、ターンテーブルを2つ設ける必要がなく、省スペースで、またターンテーブルを回転駆動させるための回転駆動源(モータ)も1つで済む。尚、図15に示すように、砥石研磨面と研磨布研磨面には両者の研磨で用いられる液体(水又は薬液又はスラリ)が混ざらないように排出用溝191が設けられている。
【0061】
尚、以上の実施の形態は、本発明の具体例を示したに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱することなく種々の変形実施例が可能なことは勿論である。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、広範囲な組成の固定砥粒を使用してもセルフストップ機能を発現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の研磨装置を示す(a)平面図、(b)断面図である。
【図2】ドレッシングを行いながら研磨する場合で、純水のみを研磨面に供給した場合の膜厚の変化を示す図である。
【図3】ドレッシングをしながら研磨を行う場合で、ドレッシング面圧が小の場合の(a)は研磨時間と膜厚の関係を示す図であり、(b)は界面活性剤濃度と研磨速度との関係を示す図であり、(c)はパターン研磨時、段差解消後、ベタ膜研磨時のそれぞれの研磨速度を示す図である。
【図4】ドレッシングしながら研磨する途中で、ドレッシングを停止して研磨のみ進行させた場合の研磨時間と膜厚の関係を示す図である。
【図5】砥石により研磨した後、仕上げ研磨を行った場合の追加研磨量とdefect量との関係を示す図である。
【図6】緩衝液を添加した場合と水のみの場合の研磨速度を比較した図である。
【図7】(a)(b)は、セルフストップ機能が発現する研磨方法に好適な研磨装置例を示す図である。
【図8】(a)(b)は、図7に示す装置におけるウエハと砥石との位置関係を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態の研磨装置の概略構成を示す図である。
【図10】図9のX−X線断面図である。
【図11】図8の演算制御装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図12】第1の実施例に係る研磨装置の全体構成の説明に付する図である。
【図13】第2の実施例に係る研磨装置を模式的に示す平面図である。
【図14】ポリッシング部の一例を示す平面図である。
【図15】ポリッシング部の他の例を示す平面図である。
【符号の説明】
11 ターンテーブル
12 砥石
13 トップリング
14 半導体ウエハ(研磨対象基板)
15A ノズル
15B 界面活性剤供給用ノズル
15C 薬液供給用ノズル
16 ドレッサホルダ
17 ドレッサ
18 クランプ

Claims (7)

  1. 固定砥粒を用いて表面に凹凸が形成されたウエハを研磨する方法において、
    界面活性剤を前記固定砥粒の研磨面に供給せずに、前記固定砥粒の研磨面をドレッシングしながら前記ウエハを研磨する第1の研磨工程と、
    前記第1の研磨工程の後、前記固定砥粒の研磨面をドレッシングせずに、界面活性剤を前記研磨面に供給しながら前記ウエハを研磨する第2の研磨工程により研磨するウエハの研磨方法。
  2. 前記第1の研磨工程において、緩衝を添加しながら研磨することを特徴とする請求項に記載のウエハの研磨方法。
  3. 前記第2の研磨工程の後に、研磨布により仕上げ研磨を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のウエハの研磨方法。
  4. 前記仕上げ研磨は、前記研磨布にスラリを供給しながらウエハを研磨布に押圧して行うことを特徴とする請求項3に記載のウエハの研磨方法。
  5. 前記界面活性剤は、前記凹凸の段差が解消される前から供給されることを特徴とする請求項1に記載のウエハの研磨方法。
  6. 前記凹凸の段差が解消されるまでの所要時間をT秒とすると、研磨開始から2T/3秒〜4T/5秒相当の時間経過後に前記界面活性剤の供給を開始することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のウエハの研磨方法。
  7. 研磨中にウエハの表面に形成されている凸部の厚さをモニタで測定し、前記凸部が平坦化される直前を検出してから前記界面活性剤の供給を開始することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のウエハの研磨方法。
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