JP5391516B2 - 複合材料膜用研磨材および研磨方法 - Google Patents

複合材料膜用研磨材および研磨方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5391516B2
JP5391516B2 JP2006299189A JP2006299189A JP5391516B2 JP 5391516 B2 JP5391516 B2 JP 5391516B2 JP 2006299189 A JP2006299189 A JP 2006299189A JP 2006299189 A JP2006299189 A JP 2006299189A JP 5391516 B2 JP5391516 B2 JP 5391516B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
film
abrasive
material film
alumina
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006299189A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007146158A (ja
Inventor
康雄 上方
裕 小野
雅也 西山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd, Showa Denko Materials Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2006299189A priority Critical patent/JP5391516B2/ja
Publication of JP2007146158A publication Critical patent/JP2007146158A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5391516B2 publication Critical patent/JP5391516B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

本発明は、複合材料膜用の研磨材および研磨方法に関し、さらに詳しくはハード・ディスク・ドライブ(HDD)用の薄膜磁気ヘッドの製造に適した化学機械研磨(CMP)工程で使用する複合材料膜用研磨材およびそれを用いた研磨方法に関する。
HDDの記録容量は年々増加している。この記録容量の増加は記録する磁気メディアの記録領域の微小化により達成されている。磁気メディアの記録領域を微小化するためには、記録・再生を行う磁気ヘッドの記録素子部、再生素子部のサイズの小型化が必要になっている。また、記録領域の微小化に伴う再生出力感度の低下を改善するため、磁気ヘッドの構造は電磁誘導を利用した記録、再生を兼ねたインダクティブヘッドから、磁気抵抗効果を利用した再生ヘッドと電磁誘導を利用した記録ヘッドからなる複合型薄膜磁気ヘッド(MRヘッド)へ移行している。
MRヘッドはアルチック(AlTiC)等のセラミックス基板上に再生ヘッド、その上に記録ヘッドを順次形成し製造されている。再生ヘッドはパーマロイ等の磁性金属からなる下部シールド膜、金属の積層膜からなる磁気抵抗効果素子、パーマロイ等の磁性金属からなる上部シールド膜からなっており薄膜プロセスで形成される。MRヘッドの製造に当たっては下地材料の表面粗さを解消する目的や、加工プロセスで生じる段差を解消する目的からCMPが適用されている。CMPの適用については、例えば特許文献1、特許文献2に開示されている。
下部シールド層の形成方法は基板上に絶縁材料膜を形成し、その上に磁気シールド層となる磁性金属膜を所定の形状に形成し、次いでアルミナ等の金属酸化物からなる絶縁材料膜を成膜し、その後磁性金属膜が露出するように、絶縁材料膜と磁性金属膜をCMP処理により研磨を行っている。下部シールド層の形成方法については、例えば特許文献3に開示されている。
しかしながら、これら従来のCMP処理において、実用的な研磨速度を保ちつつ、磁性金属膜にスクラッチ等の欠陥を生じることなく、さらに磁性金属膜と絶縁材料膜間に段差を生じることなく平滑に研磨することは困難であった。スクラッチ等の欠陥はその上部に形成する磁気抵抗効果素子の感度特性に影響を及ぼし、また、磁性金属膜と絶縁材料膜間の段差は上部の素子形成時に短絡の原因になるため、製品の歩留まりが低下してしまうといった問題があった。
このためCMP処理を、高速研磨を行う1段目の粗削り研磨工程と、研磨表面に欠陥を生じさせない低速研磨を行う2段目の仕上げ研磨工程の2段階に分け、高速研磨と研磨表面の欠陥低減の両立を図る方法が有効になっている。
特開平5−81613号公報 特開平7−272211号公報 特開2000−109816号公報
本発明は、複合材料膜の研磨表面にスクラッチや腐食等の欠陥を生じさせず、磁性金属膜と絶縁材料膜間の段差が小さい平滑な研磨が可能である複合材料膜用研磨材及び研磨方法を提供するものであり、特に、製品の歩留まり向上を可能とする仕上げ研磨工程で有用な複合材料膜用研磨材及び研磨方法を提供するものである。
本発明は、(1)水、砥粒、1価の有機酸および防食剤を含有し、pHが1.5以上4以下であることを特徴とする複合材料膜用研磨材に関する。
また、本発明は、(2)前記砥粒が、10nm以上1000nm以下のアルミナであることを特徴とする前記(1)記載の複合材料膜用研磨材に関する。
また、本発明は、(3)前記1価の有機酸が、ヒドロキシモノカルボン酸であることを特徴とする前記(1)の複合材料膜用研磨材に関する。
また、本発明は、(4)前記ヒドロキシモノカルボン酸が、グリコール酸または乳酸から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする前記(3)記載の複合材料膜用研磨材に関する。
また、本発明は、(5)前記防食剤が、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする前記(1)記載の複合材料膜用研磨材に関する。
また、本発明は、(6)前記複合材料膜が、磁性金属膜及び絶縁材料膜を含むことを特徴とする前記(1)記載の複合材料膜用研磨材に関する。
また、本発明は、(7)非イオン性の水溶性高分子を含有することを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の複合材料膜用研磨材に関する。
また、本発明は、(8)前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の複合材料膜用研磨材を使用して、磁性金属膜及び絶縁材料膜を含む複合材料膜を研磨する工程により、磁性金属膜および絶縁材料膜の少なくとも一部を除去することを特徴とする研磨方法に関する。
本発明の複合材料膜用研磨材及び研磨方法は、複合材料膜の研磨表面に腐食やスクラッチ等の欠陥を生じさせず、磁性金属膜及び絶縁材料膜間の段差の小さい平滑な研磨が可能であるため、特に仕上げ研磨工程で有効であり製品の歩留まりを向上させることができる。
本発明の複合材料膜用研磨材は、水、砥粒、1価の有機酸および防食剤を含有し、pHが1.5以上4以下である。
本発明における砥粒は、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、チタニア、炭化珪素等の無機物砥粒のいずれでもよいが、これらのなかでも、アルミナが好ましく、微細粒子の製造技術が確立しており、微細粒子の入手が容易なα−アルミナまたはγ−アルミナがより好ましい。α−アルミナまたはγ−アルミナの製造方法は水酸化アルミニウムの焼成による方法や、アルミニウムアルコキシドの加水分解により精製したベーマイトの焼成による方法が知られている。これら砥粒は単一で使用しても、複数種を組み合わせて使用してもよく、例えば、α−アルミナまたはγ−アルミナにベーマイトなどの含水アルミナ、シリカ、ジルコニアなどの砥粒を混合しても良い。研磨表面のスクラッチ等を低減しやすいという点で、砥粒の平均粒径は好ましくは10nm以上1000nm以下、より好ましくは30nm以上300nm以下であり、砥粒の形状は好ましくは球状である。
本発明における砥粒の配合量は、研磨材全重量に対して0.3質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。砥粒の配合量が0.3質量%未満である場合は、物理的な研削作用が小さいため研磨速度が小さくなる傾向にあり、10質量%を超える場合は、研磨速度は飽和し、それ以上加えても研磨速度の上昇は認められない傾向にある。
本発明における1価の有機酸は、分子内にカルボキシル基を1つ有する有機化合物であり、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、グリコール酸、乳酸、オキシ酪酸、グリセリン酸等の有機酸が挙げられ、これらのなかでも、CMPによる研磨速度が大きく、砥粒の凝集・沈降を抑制できスクラッチ等の研磨面の欠陥を低減し易いという点でヒドロキシモノカルボン酸が好ましく、グリコール酸または乳酸がより好ましい。かかる一価の有機酸は単一で使用しても、複数種を組み合わせて使用してもよく、例えばグリコール酸および乳酸の混合物、グリコール酸または乳酸と他の1価の有機酸との混合物であってもよい。本発明では、1価の有機酸を用いることが特徴であり、2価以上の有機酸を用いた場合に比べ、砥粒の分散安定性に優れ、砥粒の凝集・沈降が生じにくくなり、スクラッチ等の研磨表面の欠陥を低減できる。これは一般に砥粒はpH4以下の酸性側では正に帯電しているため、多価のアニオンが存在すると電荷が中和され凝集・沈降する、塩析という現象が起き易いやすいのに対し、1価のアニオンではこの現象が格段に起こりにくいためであると考えられる。
本発明における有機酸の配合量は、研磨材全重量に対して0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上3.0質量%以下であることがより好ましい。
本発明における防食剤は、例えば、ベンゾトリアゾール(BTA)、BTA誘導体、例えばBTAのベンゼン環の一つの水素原子をメチル基で置換したもの(トリルトリアゾール)もしくはカルボキシル基等で置換したもの(ベンゾトリアゾール−4−カルボン酸およびベンゾトリアゾール−4−カルボン酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル及びオクチルエステル)、トリアゾール、キナルジン酸、アントニル酸、サリチルアルドキシム等が挙げられる。これらの中でもBTAもしくはその誘導体もしくはそれらの混合物であることが好ましい。かかる防食剤は単一で使用しても、複数種を組み合わせて使用してもよい。本発明では防食剤を用いることが特徴であり、それによって腐食などの欠陥がなく、磁性金属膜及び絶縁材料膜間の段差が小さい平滑な研磨表面を得ることができる。
本発明における防食剤の配合量は、研磨材全重量に対して0.05質量%以上1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下であることがより好ましい。防食剤の配合量が0.05質量%未満である場合は、研磨表面の表面粗さが大きくなる傾向にあり、1質量%を超える場合は、研磨速度が遅くなる傾向にある。
本発明の研磨材は、砥粒が水中にスラリー状に分散したものである。水の配合量は、水以外の各種成分の合計量に対する残分となる。
本発明の複合材料膜用研磨剤のpHは1.5以上4以下、好ましくは2以上3以下である。pHを前記範囲に設定することにより研磨表面の表面粗さを低減でき、一定の研磨速度を確保することができる。pHが1.5未満では研磨表面の表面粗さが大きくなり、pHが4を超えるとCMPによる研磨速度が遅くなり、効率的な研磨を行えない。研磨材のpHを前記範囲に調整する方法としては、前記1価の有機酸の添加量により調整する方法、アンモニア、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ成分を併用する方法などが挙げられる。
本発明の研磨材は、非イオン性の水溶性高分子を含有することが好ましい。非イオン性の水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のビニル基を持つモノマーを基本構成単位とするポリマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース類、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド共重合体等が挙げられる。かかる非イオン性の水溶性高分子の重量平均分子量は2000以上100000以下であることが好ましい。本発明では非イオン性の水溶性高分子を添加することにより、研磨表面の表面粗さを低減できると共に研磨後の洗浄性を向上させることができる。
本発明における非イオン性の水溶性高分子の配合量は、研磨材全重量に対して、0.01質量%以上2.0質量%以下とすることが好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下とすることがより好ましい。非イオン性の水溶性高分子の配合量が0.01質量%未満である場合は、研磨表面の表面粗さを低減する作用や研磨後の洗浄性を向上する作用が認められにくい傾向にあり、2.0質量%を超える場合は、CMPによる研磨速度が低下する傾向にある。
かくして得られる本発明の研磨材は磁性金属膜及び絶縁材料膜を含む複合材料膜用研磨材として有用であり、特に、複合型磁気ヘッドの素子形成工程での研磨に使用されるのに適している。被研磨材料は磁性金属膜及び絶縁材料膜を含む複合材料膜であり、これらそれぞれの膜は単層でも積層でも構わない。磁性金属膜としては、例えば、Fe−Ni系合金(パーマロイ)、Co−Fe−Ni系合金、Fe−Al系合金、Fe−Al−Si系合金、Fe−Si−Co系合金、Fe−Al−Ge系合金、Fe−Ga−Ge系合金、Fe−Si−Ge系合金、Fe−Co−Si−Al系合金等の強磁性金属材料、或いはFe−Ga−Si系合金、さらには上記Fe−Ga−Si系合金の耐蝕性や耐摩耗性の一層の向上を図るために、Fe,Ga,Co,(Feの一部をCoで置換したものを含む。),Siを基本組成とする合金に、Ti,Cr,Mn,Zr,Nb,Mo,Ta,W,Ru,Os,Rh,Ir,Re,Ni,Pb,Pt,Hf,Vの少なくとも一種を添加したものなどが挙げられる。これらの中でも、Fe−Ni系合金が賞用される。絶縁材料膜としては、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア等の金属酸化物があげられ、これらの中でも、アルミナが賞用される。本発明の複合材料膜用研磨材は、磁性金属膜に対する研磨速度と絶縁材料膜に対する研磨速度とが同じ若しくは近い値であるため、研磨表面の磁性金属膜と絶縁材料膜との間の段差が小さく、平滑な研磨表面を得ることができる。
本発明の研磨方法は、上記本発明の複合材料膜用研磨材を使用して、磁性金属膜及び絶縁材料膜を含む複合材料膜を研磨する工程により、磁性金属膜および絶縁材料膜の一部を除去することを特徴とする。かかる本発明の研磨方法は、MRヘッドにおける再生ヘッドの下部シールド層の平坦化に適用できる。下部シールド層は、例えば、磁気回路を形成するNiFe(磁性金属膜)とアルミナ(絶縁材料膜)からなる複合材料膜を用い、表面を絶縁材料膜で覆われている磁性金属膜が露出するように、複合材料膜の絶縁材料膜と磁性金属膜をCMPにより研磨を行う。本発明の研磨材を用いて研磨を行うことにより、露出する絶縁材料膜と磁性金属膜と間の段差が小さく、平坦で表面粗さの小さい研磨表面を得ることができる。
具体的な研磨方法は、被研磨面を有する基板を研磨定盤の研磨布(パッド)上に押圧した状態で研磨材を供給しながら研磨定盤と基板とを相対的に動かすことによって被研磨面を研磨する方法が挙げられる。他に、金属製または樹脂製のブラシを接触させる方法、研磨材を所定の圧力で吹きつける方法が挙げられる。
研磨する装置としては、例えば研磨布により研磨する場合、研磨される基板を保持できるホルダと、回転数が変更可能なモータ等に接続し、研磨布を貼り付けられる定盤とを有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。また、研磨布には研磨材がたまるような溝加工を施すことが好ましい。
研磨条件には制限はないが、定盤の回転速度は基板が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましい。被研磨面を有する基板の研磨布への押し付け圧力(研磨圧力)が1〜100kPaであることが好ましく、CMP速度の被研磨面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、5〜50kPaであることがより好ましい。
基板の被研磨膜を研磨布に押圧した状態で研磨布と被研磨膜とを相対的に動かすには、具体的には基板と研磨定盤との少なくとも一方を動かせば良い。研磨定盤を回転させる他に、ホルダーを回転や揺動させて研磨しても良い。また、研磨定盤を遊星回転させる研磨方法、ベルト状の研磨布を長尺方向の一方向に直線状に動かす研磨方法等が挙げられる。なお、ホルダーは固定、回転、揺動のいずれの状態でも良い。これらの研磨方法は、研磨布と被研磨膜とを相対的に動かすのであれば、被研磨面や研磨装置により適宜選択できる。
研磨している間、研磨布には研磨材をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨布の表面が常に研磨材で覆われていることが好ましい。
研磨終了後の基板は、流水中でよく洗浄後、スピンドライヤ等を用いて基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。研磨布の表面状態を常に同一にしてCMPを行うために、研磨の前に研磨布のコンディショニング工程を入れるのが好ましい。例えば、ダイヤモンド粒子のついたドレッサを用いて少なくとも水を含む液で研磨布のコンディショニングを行う。続いて本発明によるCMP研磨工程を実施し、さらに、基板洗浄工程を加えるのが好ましい。
磁性金属膜のパターンが露出した時点で研磨を終了するが、研磨終了時のより優れた平坦性を確保するために、さらに、オーバー研磨(例えば、所望のパターンを得られるまでの時間が100秒の場合、この100秒の研磨に加えて50秒追加して研磨することをオーバー研磨50%という。)して磁性金属膜の一部を含む深さまで研磨しても良い。本発明の研磨材を用いた研磨方法により得られる複合材料膜の研磨表面は、絶縁材料膜と磁性金属膜間の段差が小さく、好ましい段差は100nm以下である。また、研磨表面の表面粗さも小さく、好ましい表面粗さはRa(算術平均粗さ)で0.3nm以下である。
本発明の複合材料膜用研磨材は、上記のようなMRヘッドの複合材料膜の研磨だけでなく、半導体デバイスにおける金属配線層の形成工程等の複合材料膜を研磨するためにも使用することができる。
以下、実施例により本発明を説明する。本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
実施例1
(磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材の作製方法)
純度99.9重量%のγ−アルミナ粉末を純水中に懸濁し、超音波分散を行った。次いで、分級により粗大粒子を取り除き、平均粒径0.15μm、濃度10重量%のα−アルミナ懸濁液を作製した。このα−アルミナ懸濁液10質量部、グリコール酸1質量部、ベンゾトリアゾール0.2質量部および水88.8質量部を加えて溶解し研磨材(A)を作製した。研磨材(A)のpHは2.4であった。
上記研磨材(A)を定盤に貼り付けたパッドに滴下しながら、下記に示す評価基板および研磨条件でCMP処理を行い、下記に示す評価を行った。
(評価基板)
基板1:アルチック基板上に厚さ3μmのアルミナ膜を形成したブランケット基板。
基板2:アルチック基板上に厚さ2μmのパーマロイ(80%Ni−20Fe)を形成したブランケット基板。
基板3:100μm×100μm、厚さ2μmのパーマロイ膜パターン上に厚さ3μmのアルミナ膜を形成した基板を、平均粒径0.5μmのα−アルミナ2質量部、硝酸アルミニウム9水和物1質量部、水89質量部からなる粗削り用の研磨材で10分間研磨し、パーマロイ膜の厚さが1μm、アルミナ膜の厚さが1.05μmまで研磨したパターン基板。この基板3のパーマロイ膜とアルミナ膜との間の段差は50nm、表面粗さRa(算術平均粗さ)は1nmである。
(研磨条件)
研磨装置:定盤寸法380mmφ、ロータリータイプ
研磨パッド:独立気泡を持つ発泡ポリウレタン樹脂
研磨圧力:20kPa
基板と研磨定盤との相対速度:36m/min
研磨材流量:50ml/min
研磨時間:3分
(評価項目および評価方法)
CMPによるアルミナ膜研磨速度:基板1のCMP処理前後の膜厚差を光学式膜厚測定装置で求め、研磨時間とから算出した。
CMPによるパーマロイ膜研磨速度:基板2のCMP処理前後の膜厚差をシート抵抗変化から換算して求め、研磨時間とから算出した。
アルミナ膜/パーマロイ膜間段差量:基板3のCMP処理後のアルミナ膜とパーマロイ膜との境界段差を触針式の段差計で評価した。
表面粗さRa(算術平均粗さ):基板3の研磨後のパーマロイ膜の表面粗さをAFM(原子間力顕微鏡)で測定した。
評価の結果、アルミナ膜の研磨速度は30nm/min、パーマロイ膜の研磨速度は30nm/min、アルミナ膜/パーマロイ膜間段差量は50nm、表面粗さはRaで0.18nmであった。
実施例2
グリコール酸1質量部を乳酸1質量部に変更したこと以外は実施例1と同様に操作して研磨材(B)を作製した。研磨材(B)のpHは2.5であった。上記研磨材(B)を使用して実施例1と同様にCMP処理を行い、評価を行った。評価の結果、アルミナ膜の研磨速度は30nm/min、パーマロイ膜の研磨速度は25nm/min、アルミナ膜/パーマロイ膜間段差量は30nm、表面粗さはRaで0.15nmであり、パーマロイ膜の研磨速度は若干低下したが実施例1と同様の結果が得られた。
実施例3
さらに重量平均分子量3万のポリビニルピロリドン0.1質量部を加えたこと以外は実施例1と同様に操作して、研磨材(C)を作製した。研磨材(C)のpHは2.4であった。上記研磨材(C)を使用して実施例1と同様にCMP処理を行い、評価を行った。評価の結果、アルミナ膜の研磨速度は25nm/min、パーマロイ膜の研磨速度は25nm/min、アルミナ膜/パーマロイ膜間段差量は50nm、表面粗さはRaで0.11nmであり、ポリビニルピロリドンを添加することにより表面粗さが向上した。
比較例1
グリコール酸を加えないこと以外は実施例1と同様に操作して研磨材(D)を作製した。研磨材(D)のpHは6.2であった。上記研磨材(D)を使用して実施例1と同様にCMP処理を行い、評価を行った。評価の結果、アルミナ膜の研磨速度は10nm/min、パーマロイ膜の研磨速度は10nm/min、アルミナ膜/パーマロイ膜間段差量は50nm、表面粗さはRaで0.85nmであり、実施例1に比べてアルミナ膜の研磨速度及びパーマロイ膜の研磨速度が低下し、表面粗さが悪化した。
比較例2
ベンゾトリアゾールを加えないこと以外は実施例1と同様に操作して研磨材(E)を作製した。研磨材(E)のpHは2.4であった。上記研磨材(E)を使用して実施例1と同様にCMP処理を行い、評価を行った。評価の結果、アルミナ膜の研磨速度は30nm/min、パーマロイ膜の研磨速度は90nm/min、アルミナ膜/パーマロイ膜間段差量は150nm、表面粗さはRaで0.45nmであり、実施例1に比べてパーマロイ膜の研磨速度が大幅に低下し、アルミナ膜/パーマロイ膜間段差量が増加し、表面粗さも悪化した。

Claims (5)

  1. 磁性金属膜及び絶縁材料膜を含む複合材料膜を研磨するための研磨材であって、
    水、砥粒、1価の有機酸および防食剤を含有し、
    前記砥粒が、平均粒径10nm以上1000nm以下のアルミナであり、
    前記1価の有機酸が、ヒドロキシモノカルボン酸であり、かつ、
    pHが1.5以上4以下であることを特徴とする研磨材(ただし、金属の酸化剤を含む場合を除く。)。
  2. 前記ヒドロキシモノカルボン酸が、グリコール酸及び乳酸からなる群から選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項記載の研磨材。
  3. 前記防食剤が、ベンゾトリアゾール及びその誘導体からなる群から選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の研磨材。
  4. 非イオン性の水溶性高分子を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の研磨材。
  5. 請求請1〜のいずれか一項に記載の研磨材を使用して、磁性金属膜及び絶縁材料膜を含む複合材料膜を研磨する工程により、磁性金属膜および絶縁材料膜の少なくとも一部を除去することを特徴とする研磨方法。
JP2006299189A 2005-11-02 2006-11-02 複合材料膜用研磨材および研磨方法 Active JP5391516B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006299189A JP5391516B2 (ja) 2005-11-02 2006-11-02 複合材料膜用研磨材および研磨方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005319439 2005-11-02
JP2005319439 2005-11-02
JP2006299189A JP5391516B2 (ja) 2005-11-02 2006-11-02 複合材料膜用研磨材および研磨方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007146158A JP2007146158A (ja) 2007-06-14
JP5391516B2 true JP5391516B2 (ja) 2014-01-15

Family

ID=38207931

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006299189A Active JP5391516B2 (ja) 2005-11-02 2006-11-02 複合材料膜用研磨材および研磨方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5391516B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6325441B2 (ja) * 2012-07-17 2018-05-16 株式会社フジミインコーポレーテッド 合金材料研磨用組成物及びそれを用いた合金材料の製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4164941B2 (ja) * 1999-05-27 2008-10-15 日立化成工業株式会社 金属用研磨液及び研磨方法
JP2004311565A (ja) * 2003-04-03 2004-11-04 Hitachi Chem Co Ltd 金属用研磨液及び研磨方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007146158A (ja) 2007-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6261476B1 (en) Hybrid polishing slurry
JPH10204416A (ja) 研磨用組成物
JP5684801B2 (ja) ニッケル−リン記憶ディスク用の研磨組成物
KR100735787B1 (ko) 아미노산 함유 조성물로 메모리 또는 고정 디스크를연마하는 방법
JP2000001665A (ja) 研磨用組成物
JP2003514950A (ja) 表面平坦化組成物及び方法
JP2002294225A (ja) 研磨用組成物およびそれを用いたメモリーハードディスクの製造方法
JP4836441B2 (ja) 研磨液組成物
JPH0781133B2 (ja) メモリーハードディスクの研磨用組成物
JP5391516B2 (ja) 複合材料膜用研磨材および研磨方法
JP2006302968A (ja) 磁性金属膜および絶縁材料膜複合材料用研磨材および研磨方法
US6347978B1 (en) Composition and method for polishing rigid disks
JP4635694B2 (ja) 磁性金属膜と絶縁材料膜とを含む複合膜を研磨するための研磨材および研磨方法
JP5499324B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板及びその製造のための研磨用コロイダルシリカスラリー、並びに情報記録媒体
WO1998023697A1 (en) Composition and method for polishing rigid disks
JP2006061995A (ja) 研磨液組成物
JP4156174B2 (ja) 研磨液組成物
JP4557105B2 (ja) 研磨用組成物
JPH09143455A (ja) ハードディスク基板の研磨用組成物及びこれを用いる研磨方法
US7514016B2 (en) Methodology of chemical mechanical nanogrinding for ultra precision finishing of workpieces
JP4949432B2 (ja) ハードディスク用基板の製造方法
JP2004204116A (ja) 微小うねり低減剤
JP2690847B2 (ja) カーボン基板の鏡面仕上研磨用研磨剤組成物及び研磨方法
JP4114018B2 (ja) アルミニウムディスクの研磨用組成物及びその研磨用組成物を用いる研磨方法
JPH09286975A (ja) 精密研磨用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091001

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100818

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120925

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130521

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130625

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130917

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130930

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5391516

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350