JP2001057352A - 基板の研磨方法 - Google Patents

基板の研磨方法

Info

Publication number
JP2001057352A
JP2001057352A JP11231412A JP23141299A JP2001057352A JP 2001057352 A JP2001057352 A JP 2001057352A JP 11231412 A JP11231412 A JP 11231412A JP 23141299 A JP23141299 A JP 23141299A JP 2001057352 A JP2001057352 A JP 2001057352A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
film
substrate
polished
abrasive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11231412A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Kurata
靖 倉田
Hiroto Otsuki
裕人 大槻
Toranosuke Ashizawa
寅之助 芦沢
Keizo Hirai
圭三 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP11231412A priority Critical patent/JP2001057352A/ja
Publication of JP2001057352A publication Critical patent/JP2001057352A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャロー・トレンチ分離形成、金属埋め込み
配線形成等のリセスCMP技術において酸化珪素膜、金
属等の埋め込み膜の余分な成膜層の除去及び平坦化を効
率的、高レベルに行い、かつ研磨キズの少ない表面を得
ることができる基板の研磨方法を提供する。 【解決手段】 砥粒および添加剤を含む研磨剤を使用し
て、窒化珪素膜をストッパーとして形成した構造の基板
を研磨する研磨法であって、所定の添加剤濃度の研磨剤
で基板のパターン凸部を凹部に対し選択的に研磨する第
1工程と、第1工程の添加剤重量濃度1に対し、添加剤
重量濃度0〜0.8の研磨剤で研磨する第2工程で順に
研磨する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子製造技
術に使用される研磨方法に関し、基板表面の研磨工程、
特にシャロー・トレンチ素子分離、キャパシタ、金属配
線等の溝への埋め込み層の形成工程、層間絶縁膜の平坦
化工程等において使用される基板の研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在のULSI半導体素子製造工程で
は、高密度・微細化のための加工技術が研究開発されて
いる。その一つであるCMP(ケミカルメカニカルポリ
ッシング)技術は、必須の技術となってきている。半導
体素子の製造工程におけるCMP技術には、素子分離形
成、メモリのキャパシタ形成、プラグ及び埋め込み金属
配線形成等において溝に埋め込んだ成膜層の余分な成膜
部分を除去するためのリセスCMP技術、及び層間絶縁
膜成膜後の平坦化CMP技術がある。集積回路内の素子
分離形成技術において、デザインルール0.5μm以上
の世代ではLOCOS(シリコン局所酸化)が用いられ
てきたが、加工寸法の更なる微細化に伴い、素子分離幅
のより小さいシャロー・トレンチ分離技術が採用されつ
つある。シャロー・トレンチ分離では、基板上に埋め込
んだ余分な酸化珪素膜を除くためにCMPが必須な技術
となる。金属配線形成技術においても、デザインルール
0.25μm以上の世代では、層間絶縁膜上のAl配線
やプラグにはW等が用いられていたが、加工寸法の微細
化に伴い要求される電気特性を満たすためにCuやCu
・Al合金が採用されつつある。CuやCu・Al合金
の配線技術に対しては、ダマシンやディアルダマシン等
の埋め込み配線技術が検討されており、基板上に埋め込
んだ余分な金属膜を除くためにCMPが必須な技術とな
る。メモリ素子のキャパシタ形成においても、トレンチ
構造や複雑なスタック型構造を実現するためには、酸化
窒化シリコンやタンタル酸化膜及びその他の強誘電体の
リセスCMP技術が必須な技術となる。
【0003】従来、半導体素子の製造工程において、プ
ラズマ−CVD、低圧−CVD、スパッタ、電解メッキ
等の方法で形成される酸化珪素等絶縁膜、キャパシタ強
誘電体膜、配線用金属や金属合金等の平坦化及び埋め込
み層を形成するための化学機械研磨剤としてフュームド
シリカ、アルミナ系の研磨剤を使用して1回の工程で研
磨する方法が一般的に検討されている。しかしながら、
このような研磨法では、パターンの平坦性が悪く、埋め
込み膜の厚みばらつきやディッシングにより特性がばら
つくという技術課題がある。
【0004】従来の平坦化及び埋め込み層を形成するた
めのCMP技術では、パターン密度差或いはサイズ差の
大小により凸部の研磨速度が大きく異なり、また凹部の
研磨も進行してしまうため、ウエハ面内全体での高いレ
ベルの平坦化を実現することができないという技術課題
がある。そこで、埋め込み層成膜後に凹部となる埋め込
み部分の研磨速度と埋め込み層成膜後に成膜層を除去す
る必要がある凸部の研磨速度の差を小さくして平坦性を
向上するために、あらかじめ凸部の被研磨膜を部分的に
エッチングにより除去するエッチバック工程を付加する
技術が広く採用されている。しかしながら、工程数が増
加するために製造コスト面で問題となっている。
【0005】また、埋め込み層を形成するためのCMP
技術及び層間膜を平坦化するCMP技術では、研磨装置
による理想的な終点検出が困難であるために、研磨量の
制御を研磨時間で行うプロセス管理方法が一般的に行わ
れている。しかし、パターン段差形状の変化だけでな
く、研磨布の状態等でも、研磨速度が顕著に変化してし
まうため、プロセス管理が難しいという問題があった。
【0006】シャロー・トレンチ分離では、素子分離の
酸化珪素膜埋め込み部分以外にはマスク及びストッパー
として主に窒化珪素膜が形成され、安定な素子分離特性
を実現するためには、ウエハ内の窒化珪素の残膜厚ばら
つきをできるだけ小さくする必要がある。そのために
は、窒化珪素膜が露出した後は、研磨速度が低下するよ
うな特性が必要であり、酸化珪素膜と窒化珪素膜との研
磨速度比(酸化珪素膜の研磨速度/窒化珪素膜の研磨速
度)が大きいことが望ましい。しかし、従来のシリカ系
等の研磨剤を使用した1回の工程による研磨法では、研
磨速度比が2〜3程度しかなく、プロセスマージンが充
分に得られないという問題があった。金属の埋め込み配
線やキャパシタの形成においても、埋め込み溝を形成し
た成膜下地層が露出した時点で研磨を終了する必要があ
り、下地層露出後の研磨速度が低下するように、埋め込
み被研磨膜と下地膜との研磨速度比が大きい研磨剤が使
用される。しかし、一方で研磨速度比が大きい研磨剤を
使用した場合、埋め込み層のディッシングが大きくなる
という問題があった。
【0007】シリカ系研磨剤に比べ、酸化珪素膜の高い
研磨速度が得られる酸化セリウム等を含む研磨剤も使用
されている。しかし、研磨速度が高すぎるためにプロセ
ス管理が難しい、研磨速度の基板上被研磨膜のパターン
依存性が大きい等の問題があった。その他に、一般に比
較的低い粒子濃度で使用されるために基板上の被研磨膜
パターンが微細化するほど凸部が削れにくく、その周辺
部の研磨だけが進行してしまうという問題もあった。ま
た、酸化セリウムを含む研磨剤は、シリカ系研磨剤の約
2倍の酸化珪素膜と窒化珪素膜の研磨速度比が得られる
が、それでも実用上充分とはいえない。
【0008】シャロー・トレンチ分離のCMPでは、層
間絶縁膜のCMPよりも微細な構造で2種類の膜が露出
した表面を研磨するため、一般に研磨キズが発生しやす
い。しかし、一方では素子の特性上、CMPに要求され
るキズのレベルも厳しい。シャロー・トレンチ部の微小
な凹部が、研磨キズ発生の起点になる可能性が高いと考
えられるので、初期のトレンチ部の段差を残した状態で
窒化珪素が露出するまで研磨してしまうと、研磨終了時
のキズ数が多くなってしまう。従来の研磨方法では、窒
化珪素が露出する前に完全に平坦化することが困難であ
るため、研磨キズが発生しやすいという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、シャロー・
トレンチ分離形成、金属埋め込み配線形成等のリセスC
MP技術において、酸化珪素膜、金属等の埋め込み膜の
余分な成膜層の除去及び平坦化を効率的、高レベルに行
うことができ、かつ研磨キズの少ない表面を得ることが
できる基板の研磨方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の基板の研磨方法
は、砥粒および添加剤を含む研磨剤を使用して、窒化珪
素膜をストッパーとして形成した構造の基板を研磨する
研磨法であって、所定の添加剤濃度の研磨剤で基板のパ
ターン凸部を凹部に対し選択的に研磨する第1工程と、
第1工程の添加剤重量濃度1に対し、添加剤重量濃度0
〜0.8の研磨剤で研磨する第2工程を順に備える基板
の研磨方法である。その結果、第1工程においてシャロ
ー・トレンチ素子分離形成等の埋め込み膜の平坦化を効
率的、高レベルに行った後、第2工程において、平坦化
された埋め込み被研磨膜を効率的に研磨し、下地層との
研磨速度比が大きくなる特性により下地層露出後の研磨
速度が小さくなることによって、パターン依存性の少な
い埋め込み構造を研磨時間によるプロセス管理も容易に
形成することが可能である。また、第1工程で平坦化さ
れた表面を第2工程で研磨することによって、キズの少
ない研磨を実現することができる。上記の第1工程と第
2工程の添加剤種或いは研磨剤に異なるものを使用する
こともできる。第2工程の研磨剤としては、添加剤を含
まない研磨剤を使用することもできる。第2工程の研磨
剤として、砥粒及び添加剤を含まない研磨剤を使用する
こともできる。溝を形成した被研磨膜下地層に被研磨膜
を成膜して溝を埋め込んだ構造において、埋め込み部分
以外の成膜層を除去する研磨法としては、溝の深さに対
する被研磨膜成膜量を調整することによっては、上記の
第1工程のみで研磨することもできる。砥粒は、酸化セ
リウム、酸化シリコン、酸化アルミニウム等の無機酸化
物粒子が好ましく使用される。添加剤は、有機高分子の
陰イオン性界面活性剤の他に、ノニオン性界面活性剤等
が好ましく使用される。特に陰イオン性界面活性剤とし
ては、共重合成分としてアクリル酸アンモニウム塩を含
むものが好ましく使用される。砥粒及び添加剤を含まな
い研磨剤としては、硝酸第2アンモニウムセリウム水溶
液やポリエチレンイミド水溶液等が好ましく使用され
る。研磨定盤の研磨布上に研磨剤を供給しながら、被研
磨膜を有する基板を研磨布に押圧した状態で研磨定盤と
基板を相対的に動かすことによって被研磨膜を研磨する
工程において、被研磨膜を有する基板の研磨布への押し
つけ圧力が100〜1000gf/cm2であることが
好ましく、200〜500gf/cm2であることがよ
り好ましい。本発明の基板の研磨方法で、例えば少なく
とも酸化珪素膜及び窒化珪素膜が形成された半導体チッ
プ等の所定の基板を研磨することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】砥粒および添加剤を含む研磨剤を
使用して、窒化珪素膜をストッパーとして形成した構造
の基板を研磨する研磨法であって、所定の添加剤濃度の
研磨剤で基板のパターン凸部を凹部に対し選択的に研磨
する第1工程では、研磨速度に変曲点のある研磨圧力依
存性が得られる研磨剤を用いる。通常の研磨剤を用いた
研磨では、研磨速度は研磨圧力に比例した特性を示すの
が一般的である。研磨速度に変曲点のある研磨圧力依存
性とは、界面活性剤を加えない場合の研磨圧力にほぼ比
例した研磨速度変化に比べ、パターンのない基板の研磨
速度が変曲点となる圧力まで充分小さく、変曲点となる
圧力より大きい研磨圧力では変曲点以下の研磨圧力の研
磨速度よりも充分大きい研磨速度が得られる特性を意味
し、界面活性剤の濃度により、変曲点が現れる研磨圧力
が変化する特性を示す。その場合、パターンの形成され
た基板の凹部の実効研磨圧力をP1、凸部の実効研磨圧
力をP2とすると、パターンのない基板の研磨速度に変
曲点が現れる圧力P'がP2>P'>P>P1となるように
設定研磨荷重P及び添加剤の濃度を調整することによ
り、被研磨膜のパターン形状に応じて変曲点の圧力より
も高い研磨圧力がかかる凸部を選択的に研磨する特性を
実現することができる。また、平坦化された後の研磨速
度は、変曲点が現れる圧力よりも小さい設定研磨圧力の
研磨速度になるために、平坦化後の研磨がほとんど進行
しなくなるので研磨時間によるプロセス管理が容易にな
る。この添加剤による研磨速度の研磨圧力依存性につい
ては、文献(IEDM96(International Electronic Device
Meeting) Proceedings(1996) p.349−352等)で報告
されている。その結果、高効率、高レベルに、パターン
密度、サイズ依存性の少ない平坦化を実現することがで
きる。シャロー・トレンチ分離のCMPの場合、この第
1工程によって、窒化珪素膜が露出する前に平坦化する
ことができるので、キズの起点となる微小パターン部の
段差がないため、平坦化以降キズの発生が少ない状態で
研磨を進行、終了することが可能となる。第1工程に続
いて、第1工程の添加剤重量濃度1に対し、添加剤重量
濃度0〜0.8の研磨剤で研磨する第2工程では、同じ
研磨圧力Pで、研磨速度に変曲点が現れる圧力P"がP"
<Pとなる添加量の研磨剤で研磨することにより、第1
工程で平坦化された被研磨膜の研磨速度を大きくして、
目的とする研磨位置である下地層まで研磨することがで
きる。ここで、この添加剤が下地のストッパー層の研磨
速度にも圧力依存性を与える添加剤であり、下地膜の研
磨速度に変曲点が現れる圧力PP'がPP'>Pとなるよ
うな添加量で研磨することができれば、下地層との研磨
速度比が大きくなる特性により下地層露出後の研磨速度
が小さくなることによって、研磨時間によるプロセス管
理が容易になる。また、第2工程に使用する研磨剤が、
新たなキズをほとんど発生させない特性の研磨剤であれ
ば、第1工程で発生したキズを低減しながら第2工程の
研磨が進行するため、研磨キズが非常に少ない状態で研
磨を終了することができる。
【0012】研磨速度に研磨圧力依存性の変曲点が得ら
れる研磨剤であり、研磨キズの発生が少ない研磨剤であ
れば、上記の第1工程と第2工程の添加剤種或いは研磨
剤に異なるものを使用しても、同様の作用により同様の
効果を得ることができる。
【0013】添加剤を入れなくても下地層との研磨速度
比が得られる膜構造と研磨剤の組み合わせの場合、及び
研磨速度が比較的小さいために下地層との研磨速度比が
小さくても研磨時間によるプロセス管理が容易である場
合、或いは研磨速度比が大きいと被研磨膜の埋め込み部
分のディッシングが大きくなり特性に悪影響を与える場
合等には、第2工程の研磨剤として、添加剤を含まない
研磨剤を使用することもある。
【0014】同様に、砥粒及び添加剤がなくても下地層
との研磨速度比が得られる膜構造と研磨剤の組み合わせ
の場合、及び研磨速度が比較的小さいために下地層との
研磨速度比が小さくても研磨時間によるプロセス管理が
容易である場合、或いは研磨速度比が大きく被研磨膜の
埋め込み部分のディッシングが大きくなり特性に悪影響
を与える場合等には、第2工程の研磨剤として、砥粒及
び添加剤を含まない研磨剤を使用することができる。
【0015】第1工程に続いて、第1工程の添加剤重量
濃度1に対し、添加剤重量濃度0〜0.8の研磨剤で研
磨する第2工程を行う目的としては、第1工程で平坦化
された被研磨膜の研磨速度を大きくして、下地層まで研
磨するためである。一方、第1工程において、平坦化さ
れ研磨がほとんど進行しなくなるまでのパターン凹部の
研磨量、すなわちパターン凹部のディッシング量は、添
加剤量及び研磨圧力等によって調整することができる。
そこで、溝の深さに対する被研磨膜成膜量及び添加剤量
等により、平坦化されるまでに研磨される被研磨膜厚と
成膜量を調整することによって、第1工程の平坦化のみ
で目的のレベルまで研磨することも可能である。
【0016】研磨定盤の研磨布上に研磨剤を供給しなが
ら、被研磨膜を有する基板を研磨布に押圧した状態で研
磨定盤と基板を相対的に動かすことによって被研磨膜を
研磨する研磨方法において、被研磨膜を有する基板の研
磨布への押しつけ圧力は、主に添加剤量によって決まる
研磨速度の圧力依存特性に応じて、第1工程ではパター
ン凹部に対し凸部が選択的に研磨される範囲に、第2工
程では平坦化された膜が適切な速度で研磨されるような
範囲に設定される必要がある。研磨布への押しつけ圧力
は、100〜1000gf/cm2であることが好まし
く、200〜500gf/cm2であることがより好ま
しい。研磨速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦
性を満足するためには、200〜500gf/cm2
あることがより好ましい。研磨布への押しつけ圧力は、
1000gf/cm2より大きいと研磨キズが発生しや
すくなり、100gf/cm2未満では充分な研磨速度
が得られない。
【0017】本発明の基板の研磨方法に使用される砥粒
は、酸化セリウム、酸化シリコン、酸化アルミニウム等
の無機酸化物粒子であり、酸化セリウム粒子が好ましく
使用される。ここで、砥粒の濃度に制限は無いが、懸濁
液の取り扱い易さから0.5〜15重量%の範囲が好ま
しい。
【0018】本発明において使用される添加剤は、金属
イオン類を含まないものとして、アクリル酸重合体及び
そのアンモニウム塩、メタクリル酸重合体及びそのアン
モニウム塩、ポリビニルアルコール等の水溶性有機高分
子類、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテル硫酸アンモニウム等の水溶性陰イオン
性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、
ポリエチレングリコールモノステアレート等の水溶性非
イオン性界面活性剤、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン等の水溶性アミン類などが挙げられる。その
中でも、陰イオン性界面活性剤等が好ましく使用され、
特に共重合成分としてアンモニウム塩を含む高分子分散
剤等の水溶性陰イオン性界面活性剤から選ばれた少なく
とも1種類以上の界面活性剤を使用する。また、その他
に水溶性非イオン性界面活性剤、水溶性陰イオン性界面
活性剤、水溶性陽イオン性界面活性剤等を併用してもよ
い。これらの界面活性剤添加量は、スラリー100重量
部に対して、0.1重量部〜10重量部の範囲が好まし
い。また、界面活性剤の分子量は、100〜50000
が好ましく、2000〜20000がより好ましい。添
加剤の添加方法としては、研磨直前に砥粒分散液に混合
するのが好ましい。研磨装置のスラリー供給配管内で充
分混合するような構造を施した場合には、砥粒分散液及
び添加剤水溶液の供給速度を個別に調整し、配管内で所
定濃度になるように混合することも可能である。添加剤
混合後に長時間保存した場合、研磨剤の粒度分布が変化
する場合があるが、研磨速度及び研磨傷等の研磨特性に
は顕著な影響が見られないため、界面活性剤の添加方法
は制限するものではない。
【0019】本発明の基板の研磨方法が適用される無機
絶縁膜の作製方法として、定圧CVD法、プラズマCV
D法等が挙げられる。定圧CVD法による酸化珪素絶縁
膜形成は、Si源としてモノシラン:SiH4、酸素源
として酸素:O2を用いる。このSiH4−O2系酸化反
応を400℃程度以下の低温で行わせることにより得ら
れる。高温リフローによる表面平坦化を図るためにリ
ン:Pをドープするときには、SiH4−O2−PH3
反応ガスを用いることが好ましい。プラズマCVD法
は、通常の熱平衡下では高温を必要とする化学反応が低
温でできる利点を有する。プラズマ発生法には、容量結
合型と誘導結合型の2つが挙げられる。反応ガスとして
は、Si源としてSiH4、酸素源としてN2Oを用いた
SiH4−N2O系ガスとテトラエトキシシラン(TEO
S)をSi源に用いたTEOS−O2系ガス(TEOS
−プラズマCVD法)が挙げられる。基板温度は250
℃〜400℃、反応圧力は67〜400Paの範囲が好
ましい。このように、本発明で使用する基板の酸化珪素
絶縁膜にはリン、ホウ素等の元素がド−プされていても
良い。同様に、低圧CVD法による窒化珪素膜形成は、
Si源としてジクロルシラン:SiH2Cl2、窒素源と
してアンモニア:NH3を用いる。このSiH2Cl2
NH3系酸化反応を900℃の高温で行わせることによ
り得られる。プラズマCVD法は、Si源としてSiH
4、窒素源としてNH3を用いたSiH4−NH3系ガスが
挙げられる。基板温度は300〜400℃が好ましい。
【0020】所定の基板として、半導体基板すなわち回
路素子と配線パターンが形成された段階の半導体基板、
回路素子が形成された段階の半導体基板等の半導体基板
上に酸化珪素膜及び窒化珪素膜が形成された基板が使用
できる。このような半導体基板上に形成された酸化珪素
膜層を上記研磨方法の第1工程で研磨することによっ
て、酸化珪素膜層表面の凹凸を解消し、半導体基板全面
に渡って平滑な面とする。層間絶縁膜の平坦化工程に適
用する場合には、第1工程で終了となるが、シャロー・
トレンチ分離の場合には、上記研磨方法の第2工程で平
坦化された酸化珪素膜を下地層の窒化珪素層まで研磨す
ることによって、素子分離部に埋め込んだ酸化珪素膜の
みを残す。この際、ストッパーとなる窒化珪素との研磨
速度比が大きければ、窒化膜露出後の研磨速度が小さく
なり、研磨のプロセスマージンが大きくなる。また、シ
ャロー・トレンチ分離に使用するためには、研磨時に傷
発生が少ないことも必要である。ここで、研磨する装置
としては、半導体基板を保持するホルダーと研磨布(パ
ッド)を貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取
り付けてある)定盤を有する一般的な研磨装置が使用で
きる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレ
タン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がな
い。また、研磨布には研磨剤が溜まるような溝加工を施
すことが好ましい。研磨条件には制限はないが、定盤の
回転速度は半導体が飛び出さないように100rpm以
下の低回転が好ましい。被研磨膜を有する半導体基板の
研磨布への押しつけ圧力は、100〜1000gf/c
2であることが好ましく、研磨速度のウエハ面内均一
性及びパターンの平坦性を満足するためには、200〜
500gf/cm2であることがより好ましい。研磨し
ている間、研磨布には研磨剤をポンプ等で連続的に供給
する。この供給量に制限はないが、研磨布の表面が常に
研磨剤で覆われていることが好ましい。
【0021】研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く
洗浄後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着
した水滴を払い落としてから乾燥させることが好まし
い。このようにして、Si基板上にシャロー・トレンチ
分離を形成したあと、酸化珪素絶縁膜層及びその上にア
ルミニウム配線を形成し、その上に形成した酸化珪素膜
を上記の第1工程により平坦化する。平坦化された酸化
珪素膜層の上に、第2層目のアルミニウム配線を形成
し、その配線間および配線上に再度上記方法により酸化
珪素膜を形成後、本発明の第1工程により研磨すること
によって、絶縁膜表面の凹凸を解消し、半導体基板全面
に渡って平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すこ
とにより、所望の層数の半導体を製造する。または、S
i基板上にシャロー・トレンチ分離を形成したあと、層
間絶縁膜層及びその表面に埋め込み配線の溝を形成し、
スパッタ法でTiNやTaN等のバリアメタル層及び配
線金属用シード層を形成し、電解メッキ法等によりCu
又はCu・Al合金を成膜する。この成膜層に、本発明
の基板の研磨方法を適用することにより、配線溝部にの
み金属を埋め込むことができる。この工程を所定数繰り
返すことにより、所望の層数の半導体を製造する。
【0022】その他に、メモリ素子のキャパシタの形成
工程において、トレンチ型セル構造では、ポリシリコン
や酸化窒化シリコン等の埋め込み構造を形成する際に、
スタック型セル構造でも、複雑な構造を形成するために
埋め込み工程が採用される可能性があり、酸化珪素シリ
コンやタンタル酸化膜の他にSTOやBST等の強誘電
体材料にも本発明の基板の研磨方法が適用される。
【0023】本発明の基板の研磨方法は、半導体基板に
形成された酸化珪素膜や窒化珪素膜、Cu、Cu・Al
合金等の金属膜、及び強誘電体膜だけでなく、所定の配
線を有する配線板に形成された酸化珪素膜、ガラス、窒
化珪素等の無機絶縁膜、金属膜、フォトマスク・レンズ
・プリズムなどの光学ガラス、ITO等の無機導電膜、
ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイ
ッチング素子・光導波路、光ファイバ−の端面、シンチ
レ−タ等の光学用単結晶、固体レ−ザ単結晶、青色レ−
ザ用LEDサファイア基板、SiC、GaP、GaAs
等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘ
ッド等の研磨法としても使用される。
【0024】
【実施例】(実施例1) (スラリーの作製)炭酸セリウム水和物を800℃で2
時間空気中で焼成し、ジェットミルを用いて乾式粉砕し
て酸化セリウム粒子を作製した。酸化セリウム粒子1K
gと分散剤としてポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液
(40重量%)23gと脱イオン水8977gを混合
し、攪拌しながら超音波分散を10分間施した。得られ
たスラリーを1ミクロンフィルターでろ過をし、さらに
脱イオン水を加えることにより5重量%スラリーを得
た。スラリーpHは8.3であった。上記の酸化セリウ
ムスラリー(固形分:5重量%)600gと添加剤とし
てpH6.5で分子量5000のポリアクリル酸(10
0%)アンモニウム塩水溶液(40重量%)180gと
脱イオン水2220gを混合して、界面活性剤を添加し
た酸化セリウム研磨剤A(酸化セリウム固形分:1重量
%)を作製した。同様に、上記の酸化セリウムスラリー
(固形分:5重量%)600gと添加剤としてpH6.
5で分子量5000のポリアクリル酸(100%)アン
モニウム塩水溶液(40重量%)75gと脱イオン水2
325gを混合して、界面活性剤を添加した酸化セリウ
ム研磨剤B(酸化セリウム固形分:1重量%)を作製し
た(酸化セリウム研磨剤B中の添加剤であるポリアクリ
ル酸アンモニウム塩の添加剤濃度は酸化セリウム研磨剤
A中の添加剤濃度1に対して0.4である)。
【0025】(ブランケットウエハの研磨1)直径20
0mmSi基板上に1000nmの酸化珪素膜を成膜し
たブランケットウエハを作製した。保持する基板取り付
け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターン
ウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッド
を貼り付けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下に
してホルダーを載せ、さらに加工圧力を100gf/c
2に設定して、定盤上に上記の酸化セリウム研磨剤A
(固形分:1重量%)を200cc/minの速度で滴
下しながら、定盤及びウエハを50rpmで1分間回転
させ、酸化珪素膜を研磨した。同様に加工圧力を200
〜800gf/cm2の範囲で100gf/cm2おきに
設定して別のウエハを研磨した。上記の酸化セリウム研
磨剤B(固形分:1重量%)についても、同様の条件で
加工圧力を100〜800gf/cm2の範囲で100
gf/cm2おきに設定して研磨を行った。研磨後のウ
エハを洗浄して乾燥し、干渉膜厚計によって膜厚を測定
し、研磨前後の膜厚変化を算出した。その結果、酸化セ
リウム研磨剤Aでは、圧力100gf/cm2の研磨速
度は24nm/min、圧力200gf/cm2の研磨
速度は41nm/min、圧力300gf/cm2の研
磨速度は65nm/min、圧力400gf/cm2
研磨速度は85nm/min、圧力500gf/cm2
の研磨速度は105nm/min、圧力600gf/c
2の研磨速度は123nm/min、圧力700gf
/cm2の研磨速度は146nm/min、圧800g
f/cm2の研磨速度は302nm/minであり、加
工圧力700gf/cm2で研磨速度の変曲点が得られ
た。酸化セリウム研磨剤Bでは、圧力100gf/cm
2の研磨速度は92nm/min、圧力200gf/c
2の研磨速度は141nm/min、圧力300gf
/cm2の研磨速度は380nm/min、圧力400
gf/cm2の研磨速度は582nm/min、圧力5
00gf/cm2の研磨速度は742nm/min、圧
力600gf/cm2の研磨速度は904nm/mi
n、圧力700gf/cm2の研磨速度は1051nm
/min、圧800gf/cm2の研磨速度は1191
nm/minであり、加工圧力200gf/cm2で研
磨速度の変曲点が得られた。
【0026】(ブランケットウエハの研磨2)直径20
0mmSi基板上に1000nmの酸化珪素膜を成膜し
たブランケットウエハ及び100nmの窒化珪素膜を成
膜したブランケットウエハをそれぞれ作製した。保持す
る基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに
上記パターンウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製
の研磨パッドを貼り付けた直径600mmの定盤上に絶
縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工圧力を3
00gf/cm2に設定して、定盤上に上記の酸化セリ
ウム研磨剤A(固形分:1重量%)を200cc/mi
nの速度で滴下しながら、定盤及びウエハを50rpm
で1分間回転させ、酸化珪素膜を研磨した。同様に加工
圧力を300gf/cm2に設定して窒化珪素膜を研磨
した。上記の酸化セリウム研磨剤B(固形分:1重量
%)についても、同様の条件で酸化珪素膜及び窒化珪素
膜を研磨した。研磨後のウエハを洗浄して乾燥し、干渉
膜厚計によって膜厚を測定し、研磨前後の膜厚変化を算
出した。その結果、酸化セリウム研磨剤Aでは、酸化珪
素膜の研磨速度が65nm/min、窒化珪素膜の研磨
速度が6nm/minであり、研磨速度比(酸化珪素膜
研磨速度/窒化珪素膜研磨速度)は11であった。酸化
セリウム研磨剤Bでは、酸化珪素膜の研磨速度が380
nm/min、窒化珪素膜の研磨速度が7nm/min
であり、研磨速度比(酸化珪素膜研磨速度/窒化珪素膜
研磨速度)は54であった。
【0027】(パターンウエハの研磨)直径200mm
Si基板上に100nmの窒化珪素膜を成膜後、フォト
レジストを塗布し100×100μm2の窒化珪素膜の
ドットを158μmピッチでマスク材として残し、エッ
チングによりSi基板に400nmのトレンチを形成し
た。続いて、薄い熱酸化膜を形成後、低圧CVD法によ
り酸化珪素膜を680nm成膜し、窒化珪素膜厚を含め
ると500nmのトレンチに酸化珪素膜を埋め込んだパ
ターンウエハを作製した。保持する基板取り付け用の吸
着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターンウエハを
セットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付
けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下にしてホル
ダーを載せ、さらに加工圧力を300gf/cm2に設
定した。定盤上に上記の酸化セリウム研磨剤A(固形
分:1重量%)を200cc/minの速度で滴下しな
がら、定盤及びウエハを50rpmで3分間回転させ、
酸化珪素膜を研磨した。同様の条件で、研磨時間を4分
及び5分にして研磨を行った。ウエハを洗浄、乾燥した
後に、干渉膜厚計により窒化珪素膜上及びトレンチ部の
酸化珪素膜の膜厚を測定し、触針式段差計により境界部
の段差を測定した。3分間研磨後のウエハの測定結果
は、窒化珪素膜上の酸化珪素膜の膜厚が158nmであ
り、トレンチ部の酸化珪素膜の膜厚は650nmであ
り、残段差が少なくとも<10nm以下になり平坦化が
終了していることがわかった。4分間研磨後のウエハの
測定結果は、窒化珪素膜上の酸化珪素膜の膜厚が102
nm、トレンチ部の酸化珪素膜の膜厚は597nmであ
り、5分間研磨後のウエハの測定結果は、窒化珪素膜上
の酸化珪素膜の膜厚が48nm、トレンチ部の酸化珪素
膜の膜厚は545nmであり、3分以降研磨がほとんど
進行していないことがわかった。続いて、上記の酸化セ
リウム研磨剤B(固形分:1重量%)を200cc/m
inの速度で滴下しながら、定盤及びウエハを50rp
mで1分間回転させ、上記で3分間研磨したパターンウ
エハの第2工程研磨を行った。ウエハを洗浄、乾燥した
後に、干渉膜厚計により窒化珪素膜上及びトレンチ部の
酸化珪素膜の膜厚を測定した。その結果、窒化膜上の酸
化珪素膜はなくなり、窒化珪素膜の膜厚が77nmにな
っており、トレンチ部の酸化珪素膜の膜厚は432nm
であった。このように、第2工程により短時間で目標と
する窒化珪素膜の途中まで研磨することができ、残段差
は少なくとも<50nmと良好な結果であった。
【0028】(実施例2) (スラリーの作製)炭酸セリウム水和物を800℃で2
時間空気中で焼成し、ジェットミルを用いて乾式粉砕し
て酸化セリウム粒子を作製した。酸化セリウム粒子1K
gと分散剤としてポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液
(40重量%)23gと脱イオン水8977gを混合
し、攪拌しながら超音波分散を10分間施した。得られ
たスラリーを1ミクロンフィルターでろ過をし、さらに
脱イオン水を加えることにより5重量%スラリーを得
た。スラリーpHは8.3であった。上記の酸化セリウ
ムスラリー(固形分:5重量%)600gと添加剤とし
てpH6.5で分子量5000のポリアクリル酸(10
0%)アンモニウム塩水溶液(40重量%)135gと
脱イオン水2265gを混合して、界面活性剤を添加し
た酸化セリウム研磨剤A(酸化セリウム固形分:1重量
%)を作製した。
【0029】(ブランケットウエハの研磨1)直径20
0mmSi基板上に1000nmの酸化珪素膜を成膜し
たブランケットウエハを作製した。保持する基板取り付
け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターン
ウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッド
を貼り付けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下に
してホルダーを載せ、さらに加工圧力を100gf/c
2に設定して、定盤上に上記の酸化セリウム研磨剤A
(固形分:1重量%)を200cc/minの速度で滴
下しながら、定盤及びウエハを50rpmで1分間回転
させ、酸化珪素膜を研磨した。同様に加工圧力を200
〜800gf/cm2の範囲で100gf/cm2おきに
設定して別のウエハを研磨した。研磨後のウエハを洗浄
して乾燥し、干渉膜厚計によって膜厚を測定し、研磨前
後の膜厚変化を算出した。その結果、圧力100gf/
cm2の研磨速度は35nm/min、圧力200gf
/cm2の研磨速度は76nm/min、圧力300g
f/cm2の研磨速度は105nm/min、圧力40
0gf/cm2の研磨速度は128nm/min、圧力
500gf/cm2の研磨速度は155nm/min、
圧力600gf/cm2の研磨速度は286nm/mi
n、圧力700gf/cm2の研磨速度は401nm/
min、圧800gf/cm2の研磨速度は520nm
/minであり、加工圧力500gf/cm2で研磨速
度の変曲点が得られた。
【0030】(ブランケットウエハの研磨2)直径20
0mmSi基板上に1000nmの酸化珪素膜を成膜し
たブランケットウエハ及び100nmの窒化珪素膜を成
膜したブランケットウエハをそれぞれ作製した。保持す
る基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに
上記パターンウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製
の研磨パッドを貼り付けた直径600mmの定盤上に絶
縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工圧力を3
00gf/cm2に設定して、定盤上に上記の酸化セリ
ウム研磨剤A(固形分:1重量%)を200cc/mi
nの速度で滴下しながら、定盤及びウエハを50rpm
で1分間回転させ、酸化珪素膜を研磨した。同様に加工
圧力を300gf/cm2に設定して窒化珪素膜を研磨
した。研磨後のウエハを洗浄して乾燥し、干渉膜厚計に
よって膜厚を測定し、研磨前後の膜厚変化を算出した。
その結果、酸化珪素膜の研磨速度が106nm/mi
n、窒化珪素膜の研磨速度が7nm/minであり、研
磨速度比(酸化珪素膜研磨速度/窒化珪素膜研磨速度)
は15であった。
【0031】(パターンウエハの研磨)直径200mm
Si基板上に100nmの窒化珪素膜を成膜後、フォト
レジストを塗布し100×100μm2の窒化珪素膜の
ドットを158μmピッチでマスク材として残し、エッ
チングによりSi基板に400nmのトレンチを形成し
た。続いて、薄い熱酸化膜を形成後、低圧CVD法によ
り酸化珪素膜を580nm成膜し、窒化珪素膜厚を含め
ると500nmのトレンチに酸化珪素膜を埋め込んだパ
ターンウエハを作製した。保持する基板取り付け用の吸
着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターンウエハを
セットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付
けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下にしてホル
ダーを載せ、さらに加工圧力を300gf/cm2に設
定した。定盤上に上記の酸化セリウム研磨剤A(固形
分:1重量%)を200cc/minの速度で滴下しな
がら、定盤及びウエハを50rpmで3分間回転させ、
酸化珪素膜を研磨した。同様に、研磨時間4分及び5分
でも研磨を行った。ウエハを洗浄、乾燥した後に、干渉
膜厚計により窒化珪素膜上及びトレンチ部の酸化珪素膜
の膜厚を測定し、触針式段差計により境界部の段差を測
定した。3分間研磨後のウエハの測定結果は、窒化珪素
膜上の酸化珪素膜はなくなっており、窒化珪素膜の膜厚
が87nmであり、トレンチ部の酸化珪素膜の膜厚は4
80nmであった。段差が少なくとも<10nm以下に
なり平坦化が終了していることがわかった。4分間研磨
後のウエハの測定結果は、窒化珪素膜の膜厚が80n
m、トレンチ部の酸化珪素膜の膜厚は465nmであ
り、5分間研磨後のウエハの測定結果は、窒化珪素膜の
膜厚が73nm、トレンチ部の酸化珪素膜の膜厚は44
8nmであった。3分以降は、研磨がほとんど進行して
おらず、残段差も少なくとも<30nmと非常に良好な
結果であることがわかる。このように、埋め込み溝(ト
レンチ)深さに対する埋め込み膜の成膜量と添加剤量の
調整により、本発明の第1工程の研磨だけで目標とする
効果を得ることが可能である。
【0032】(比較例1) (ブランケットウエハの研磨2)直径200mmSi基
板上に1000nmの酸化珪素膜を成膜したブランケッ
トウエハ及び100nmの窒化珪素膜を成膜したブラン
ケットウエハをそれぞれ作製した。保持する基板取り付
け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターン
ウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッド
を貼り付けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下に
してホルダーを載せ、さらに加工圧力を300gf/c
2に設定して、定盤上に市販シリカスラリーを用いて
(固形分:12.5重量%)を200cc/minの速
度で滴下しながら、定盤及びウエハを50rpmで1分
間回転させ、酸化珪素膜を研磨した。同様に加工圧力を
300gf/cm2に設定して窒化珪素膜を研磨した。
研磨後のウエハを洗浄して乾燥し、干渉膜厚計によって
膜厚を測定し、研磨前後の膜厚変化を算出した。その結
果、酸化珪素膜の研磨速度が175nm/min、窒化
珪素膜の研磨速度が70nm/minであり、研磨速度
比(酸化珪素膜研磨速度/窒化珪素膜研磨速度)は2.
5であった。
【0033】(パターンウエハの研磨)直径200mm
Si基板上に100nmの窒化珪素膜を成膜後、フォト
レジストを塗布し100×100μm2の窒化珪素膜の
ドットを158μmピッチでマスク材として残し、エッ
チングによりSi基板に400nmのトレンチを形成し
た。続いて、薄い熱酸化膜を形成後、低圧CVD法によ
り酸化珪素膜を680nm成膜し、窒化珪素膜厚を含め
ると500nmのトレンチに酸化珪素膜を埋め込んだパ
ターンウエハを作製する。保持する基板取り付け用の吸
着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターンウエハを
セットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付
けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下にしてホル
ダーを載せ、さらに加工圧力を300gf/cm2に設
定した。定盤上に市販のシリカスラリー(固形分:1
2.5重量%)を200cc/minの速度で滴下しな
がら、定盤及びウエハを50rpmで2分間回転させ、
酸化珪素膜を研磨した。同様に、研磨時間3分及び4分
でも研磨を行った。ウエハを洗浄、乾燥した後に、干渉
膜厚計により窒化珪素膜上及びトレンチ部の酸化珪素膜
の膜厚を測定し、触針式段差計により境界部の段差を測
定した。2分間研磨後のウエハの測定結果は、窒化珪素
膜上の酸化珪素膜の膜厚が112nmであり、トレンチ
部の酸化珪素膜の膜厚は524nmであり、残段差は9
0nm程度であった。3分間研磨後のウエハの測定結果
は、窒化珪素膜上の酸化珪素膜はなくなっており、窒化
珪素膜の膜厚が62nm、トレンチ部の酸化珪素膜の膜
厚は329nmであり、残段差は130nm程度であっ
た。4分間研磨後のウエハの測定結果は、窒化珪素膜が
なくなってしまいSi基板が露出してしまった。研磨時
間3分で窒化珪素膜の目標位置まで研磨することができ
たが、残段差も>100nmと大きく、窒化珪素膜が露
出してからの研磨速度もあまり低下しないために、1回
の研磨では、研磨時間の設定が難しい。
【0034】
【発明の効果】本発明の基板の研磨方法により、シャロ
ー・トレンチ分離形成、金属埋め込み配線形成等のリセ
スCMP技術において、酸化珪素膜、金属等の埋め込み
膜の余分な成膜層の除去及び平坦化を効率的、高レベル
に行い、かつキズの少ない表面状態を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芦沢 寅之助 茨城県日立市東町4−13−1 日立化成工 業株式会社山崎事業所内 (72)発明者 平井 圭三 茨城県日立市東町4−13−1 日立化成工 業株式会社山崎事業所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥粒および添加剤を含む研磨剤を使用し
    て、窒化珪素膜をストッパーとして形成した構造の基板
    を研磨する研磨法であって、所定の添加剤濃度の研磨剤
    で基板のパターン凸部を凹部に対し選択的に研磨する第
    1工程と、第1工程の添加剤重量濃度1に対し、添加剤
    重量濃度0〜0.8の研磨剤で研磨する第2工程を順に
    備えることを特徴とする基板の研磨方法。
  2. 【請求項2】 上記の第1工程と第2工程の添加剤種或
    いは研磨剤が異なることを特徴とする請求項1に記載の
    基板の研磨方法。
  3. 【請求項3】 上記の第2工程の研磨剤として、添加剤
    を含まない研磨剤を使用することを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の基板の研磨方法。
  4. 【請求項4】 上記の第2工程の研磨剤として、砥粒及
    び添加剤を含まない研磨剤を使用することを特徴とする
    請求項1に記載の基板の研磨方法。
  5. 【請求項5】 溝を形成した被研磨膜下地層に被研磨膜
    を成膜して溝を埋め込んだ構造において、埋め込み部分
    以外の成膜層を除去する研磨法であり、溝の深さに対す
    る被研磨膜成膜量及び陰イオン性界面活性剤濃度を調整
    することによって、上記の第1工程のみで研磨すること
    を特徴とする基板の研磨方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載の研磨方法で、少なくとも酸化珪素膜及び窒化珪素膜
    が形成された半導体チップを研磨する基板の研磨方法。
  7. 【請求項7】 研磨定盤の研磨布上に研磨剤を供給しな
    がら、被研磨膜を有する基板を研磨布に押圧した状態で
    研磨定盤と基板を相対的に動かすことによって被研磨膜
    を研磨する工程において、被研磨膜を有する基板の研磨
    布への押しつけ圧力が100〜1000gf/cm2
    ある請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の基板の
    研磨方法。
JP11231412A 1999-08-18 1999-08-18 基板の研磨方法 Pending JP2001057352A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11231412A JP2001057352A (ja) 1999-08-18 1999-08-18 基板の研磨方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11231412A JP2001057352A (ja) 1999-08-18 1999-08-18 基板の研磨方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001057352A true JP2001057352A (ja) 2001-02-27

Family

ID=16923201

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11231412A Pending JP2001057352A (ja) 1999-08-18 1999-08-18 基板の研磨方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001057352A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003017445A (ja) * 2001-06-28 2003-01-17 Hitachi Chem Co Ltd Cmp研磨剤及び基板の研磨方法
WO2003071592A1 (fr) * 2002-02-20 2003-08-28 Ebara Corporation Procede et dispositif de polissage
US7101801B2 (en) 2002-11-12 2006-09-05 Kabushiki Kaisha Toshiba Method of manufacturing semiconductor device using chemical mechanical polishing
JP2012069976A (ja) * 2011-11-07 2012-04-05 Hitachi Chem Co Ltd Cmp研磨剤及び基板の研磨方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0969501A (ja) * 1995-09-01 1997-03-11 Fujitsu Ltd 研磨方法および半導体装置の製造方法
JPH11135617A (ja) * 1997-10-31 1999-05-21 Nippon Steel Corp 素子分離領域の形成方法
JPH11181403A (ja) * 1997-12-18 1999-07-06 Hitachi Chem Co Ltd 酸化セリウム研磨剤及び基板の研磨法
JPH11188614A (ja) * 1997-12-24 1999-07-13 Kao Corp 被加工物の研磨方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0969501A (ja) * 1995-09-01 1997-03-11 Fujitsu Ltd 研磨方法および半導体装置の製造方法
JPH11135617A (ja) * 1997-10-31 1999-05-21 Nippon Steel Corp 素子分離領域の形成方法
JPH11181403A (ja) * 1997-12-18 1999-07-06 Hitachi Chem Co Ltd 酸化セリウム研磨剤及び基板の研磨法
JPH11188614A (ja) * 1997-12-24 1999-07-13 Kao Corp 被加工物の研磨方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003017445A (ja) * 2001-06-28 2003-01-17 Hitachi Chem Co Ltd Cmp研磨剤及び基板の研磨方法
WO2003071592A1 (fr) * 2002-02-20 2003-08-28 Ebara Corporation Procede et dispositif de polissage
US7108579B2 (en) 2002-02-20 2006-09-19 Ebara Corporation Method and device for polishing
US7101801B2 (en) 2002-11-12 2006-09-05 Kabushiki Kaisha Toshiba Method of manufacturing semiconductor device using chemical mechanical polishing
JP2012069976A (ja) * 2011-11-07 2012-04-05 Hitachi Chem Co Ltd Cmp研磨剤及び基板の研磨方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100704690B1 (ko) 연마액 및 연마방법
EP3470487B1 (en) Mixed abrasive polishing compositions
US5891205A (en) Chemical mechanical polishing composition
TWI435381B (zh) Chemical mechanical grinding of water dispersions and semiconductor devices of chemical mechanical grinding method
KR100698396B1 (ko) 연마제 및 연마 방법
JP2004031905A (ja) 化学機械的ポリシングスラリー及びこれを用いた化学機械的研磨方法
TWI294456B (ja)
US20080182413A1 (en) Selective chemistry for fixed abrasive cmp
JP5516594B2 (ja) Cmp研磨液、並びに、これを用いた研磨方法及び半導体基板の製造方法
JP2000243733A (ja) 素子分離形成方法
JP2001057352A (ja) 基板の研磨方法
JP3496585B2 (ja) 基板の研磨方法
JPH10106987A (ja) 酸化セリウム研磨剤及び基板の研磨法
JP3496586B2 (ja) 研磨剤及び基板の研磨方法
JP3496551B2 (ja) 基板の研磨法
JP2009266882A (ja) 研磨剤、これを用いた基体の研磨方法及び電子部品の製造方法
JP2003037092A (ja) 基板の研磨方法
JP2000160137A (ja) 研磨剤及び基板の研磨法
JP2001055560A (ja) 研磨剤及びそれを用いた基板の研磨方法
JP2000160136A (ja) 研磨剤及び基板の研磨法
JP2008200771A (ja) 基体研磨方法、半導体装置及びその製造方法
JP2004134751A (ja) 研磨剤及び基板の研磨方法
KR100577348B1 (ko) 얕은 트렌치 소자 분리용 화학적 기계적 연마 슬러리
JP2003045829A (ja) 研磨剤及び基板の研磨方法
JP2004134751A6 (ja) 研磨剤及び基板の研磨方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060801

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100121

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100527