JP2001028810A - 分電盤 - Google Patents

分電盤

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JP2001028810A
JP2001028810A JP11198189A JP19818999A JP2001028810A JP 2001028810 A JP2001028810 A JP 2001028810A JP 11198189 A JP11198189 A JP 11198189A JP 19818999 A JP19818999 A JP 19818999A JP 2001028810 A JP2001028810 A JP 2001028810A
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剛 矢野
Wataru Nagano
亘 永野
Yoshizo Kanehira
芳三 金平
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Abstract

(57)【要約】 【課題】組立作業性を向上させた分電盤を提供する。 【解決手段】函体10は前面が開口した略箱状に形成さ
れている。函体10の前面には開口を塞ぐ蓋体20が取
り付けられ、蓋体20には函体10内に収納された回路
遮断器60,60′の操作面を露出させる窓孔22が形
成されている。函体10には、複数の回路遮断器60,
60′を保持する保持部材30が取り付けられている。
保持部材30は断面略コ字状であって、両側片32,3
2の先端部から外側に向かって、函体10の側板12,
12に夫々取り付けられる固定片33,33が突設され
ている。また、保持部材30の中央片31には、複数の
回路遮断器60,60′が並設されるDINレール40
が取り付けられ、複数の回路遮断器60,60′の内、
2個の回路遮断器60,60′の凹溝65と係止し、並
設方向において位置決めする位置決め片36が突設され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分電盤に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の分電盤の内部配置図を図14に示
す。この分電盤は前面が開口した函体10を備えてお
り、函体10の内部には複数の回路遮断器60が配設さ
れている。函体10の底面にはDIN規格で規格化され
たDINレール40が配設されている。DINレール4
0は断面略コ字状であって、両側片の先端部から外側に
向かって係止片41が突設されている。一方、回路遮断
器60の器体61は略直方体状であって、DINレール
40と対向する器体61の面には、DINレール40の
係止片41と係止する係止溝(図示せず)が設けられて
おり、複数の回路遮断器60は短幅方向に並べてDIN
レール40に取り付けられている。また、器体61にお
ける函体10の開口に臨む面には内部に収納された接点
装置(図示せず)の開閉操作を行う操作ハンドル63が
設けられている(例えば、特開平8−138517号公
報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の分電盤に
は、函体10の開口を塞ぐ蓋体(図示せず)が取り付け
られており、蓋体には、操作ハンドル63が設けられた
各回路遮断器60の部位を露出させる窓孔が形成されて
いる。ここで、複数の回路遮断器60は短幅方向に並べ
てDINレール40に取り付けられているので、回路遮
断器60の並設方向において各回路遮断器60の取付位
置がずれる場合があり、そのため回路遮断器60の取付
位置を確認しながら、操作ハンドル63が設けられた回
路遮断器60の部位と蓋体に設けた窓孔との位置合わせ
を行う必要があり、蓋体を函体10に取り付ける取付作
業の作業性が悪いという問題があった。
【0004】本発明は上記問題点に鑑みて為されたもの
であり、その目的とするところは、組立作業の作業性を
向上させた分電盤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明では、四角形状の底板及び該底板の
四周から立設された側板とで構成される一面開口した函
体と、該函体の対向する一対の側板に両端部が夫々取り
付けられ、中央部が底板側に凹設されると共に、前記一
対の側板とは別の一対の側板と対向する中央部の両側縁
に沿って回路遮断器を取り付けるための係止部が設けら
れた保持部材と、略直方体状であって保持部材の中央部
と対向する面に前記係止部と係止する被係止部が形成さ
れると共に函体の開口に臨む面に内部に収めた接点装置
の開閉操作を行うための操作ハンドルが設けられ、短幅
方向に並べて保持部材に取り付けられた1乃至複数の回
路遮断器と、函体の開口を塞ぐように函体に取り付けら
れ、各回路遮断器の操作ハンドルが設けられた部位を少
なくとも露出させる窓孔が形成された蓋体とを備え、回
路遮断器の並設方向における窓孔の寸法は、並設された
1乃至複数の回路遮断器の幅寸法と略等しい寸法に形成
されており、1乃至複数の回路遮断器の内、少なくとも
1個の回路遮断器を並設方向において位置決めする位置
決め手段を保持部材の中央部に設けたことを特徴とし、
位置決め手段により少なくとも1個の回路遮断器が並設
方向において位置決めされるから、位置決めされた回路
遮断器と並べて他の回路遮断器を並設することにより、
各回路遮断器の並設方向における取付位置を位置決めす
ることができ、且つ、回路遮断器が取り付けられた保持
部材は、蓋体が取り付けられた函体に固定されているの
で、回路遮断器が並設方向において蓋体に設けた窓孔の
位置からずれることはなく、回路遮断器の操作ハンドル
が設けられた部位と蓋体に設けた窓孔の位置との位置合
わせを容易に行うことができ、組立作業性が向上する。
【0006】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、回路遮断器の並設方向における窓孔の寸法は、所
定個数分の回路遮断器の幅寸法と略等しい寸法に形成さ
れており、窓孔に臨む個々の回路遮断器の部位と略同じ
寸法にそれぞれ形成され、切り取り可能な状態で蓋体に
取り付けられた複数枚の蓋板により前記窓孔が閉塞され
たことを特徴とし、配設する回路遮断器の個数に応じた
枚数の蓋板を切り取って窓孔を形成することにより、配
設する回路遮断器の個数が異なる場合にも容易に対応す
ることができる。
【0007】請求項3の発明では、請求項1の発明にお
いて、各回路遮断器毎に、対応する回路遮断器の使用場
所をそれぞれ示す表示部を蓋体に設けたことを特徴と
し、表示部により回路遮断器の使用場所を容易に把握す
ることができる。
【0008】請求項4の発明では、請求項1乃至3の発
明において、外部から函体内に導入される電線を接続す
るための端子部材を有し、該端子部材を函体にねじ止め
するための固定ねじを挿通する第1の挿通孔を函体の側
板に設けたことを特徴とし、固定ねじを用いて函体の側
板に取り付けられた端子部材を用いて電線の接続を容易
に行うことができる。
【0009】請求項5の発明では、請求項4の発明にお
いて、前記第1の挿通孔は、保持部材が取り付けられる
一対の側板とは別の一対の側板にそれぞれ設けられたこ
とを特徴とし、1乃至複数の回路遮断器の並設方向と交
差する方向の両側板にそれぞれ第1の挿通孔を設けてい
るので、保持部材に取り付けられた1乃至複数の回路遮
断器に対して何れの側にも端子部材を取り付けることが
できる。
【0010】請求項6の発明では、請求項4又は5の発
明において、前記第1の挿通孔が設けられた側板の開口
縁に内側に突出する鍔片を設け、前記端子部材は、基部
に前記固定ねじと螺合する第1のねじ孔が形成され先端
部を前記鍔片と対向させた状態で側板にねじ止めされる
挟持片及び挟持片の基部から立設された保持片を有する
取付金具と、取付金具の挟持片及び保持片とそれぞれ当
接する側片を有する絶縁性材料から形成された端子台
と、端子台の両側片によって囲まれる空間に配設され複
数の電線が端子ねじでねじ止めされる導電材料から形成
された電線接続部とを備え、前記挟持片と対向する端子
台の側片先端部から、挟持片と鍔片との間の間隔よりも
長い舌片を、側片との間で挟持片を挟むようにして取付
金具の基部側に突設したことを特徴とし、端子台の側片
と舌片との間に挟持片を差し込んだ状態で取付金具を函
体の側板にねじ止めすると、函体の鍔片と挟持片との間
に舌片が挟持され、舌片の長さは鍔片と挟持片との間の
隙間よりも長くなっているので、端子台が取付金具から
外れることはなく、端子台を例えばねじなどで固定する
必要がなくなるから、端子台の取付作業を容易に行うこ
とができる。
【0011】請求項7の発明では、請求項1の発明にお
いて、前記第1の挿通孔が形成される側板の部位に内側
に突出する凹部を設け、該凹部の深さ寸法を固定ねじの
頭の高さ寸法よりも深くしたことを特徴とし、固定ねじ
を第1の挿通孔に挿通して取付金具に設けられた第1の
ねじ孔に螺入すると、固定ねじの頭が凹部内に入り込
み、側板の表面から突出しないので外観の見栄えを良く
でき、且つ、凹部を設けることによって取付金具の挟持
片と函体の側板との間に隙間ができるから、この隙間に
端子台の舌片を配置することができる。
【0012】請求項8の発明では、請求項6又は7の発
明において、前記函体は導電材料から形成され、取付金
具の保持片に第2のねじ孔を設け、該第2のねじ孔に対
応する端子台の側片の部位に、前記電線接続部に挿通さ
れた電線接続部固定ねじを挿通する第2の挿通孔を形成
し、端子台の側片における前記保持片と対向する部位以
外の部位に、前記電線接続部に挿通された電線接続部固
定ねじを挿通する第3の挿通孔を形成し、該第3の挿通
孔に挿通された電線接続部固定ねじと螺合するナットを
設けたことを特徴とし、電線接続部に挿通された電線接
続部固定ねじを端子台に設けられた第2の挿通孔に挿通
して、取付金具に設けられた第2のねじ孔に螺入すれ
ば、取付金具を介して電線接続部を函体に接地すること
ができ、電線接続部に挿通された電線接続部固定ねじを
端子台に設けられた第3の挿通孔に挿通して、ナットに
螺入すれば、電線接続部と函体とを非導通状態とするこ
とができる。
【0013】請求項9の発明では、請求項1乃至8の発
明において、前記窓孔は、前記蓋体の前面に設けられた
凹所の底面に形成されており、前記凹所を開閉自在に覆
うカバーを備え、カバー又は蓋体の内の一方に軸部を設
けると共に、他方に前記軸部を回動自在に軸支する軸受
け部を設け、カバー又は蓋体の内の一方に他方に向かっ
て突出する略円弧状の第1の弧状突起を軸部及び軸受け
部を中心として突設し、他方にカバーが全閉状態から全
開状態に移行するまでの間第1の弧状突起の前面と当接
すると共に全開状態において第1の弧状突起の端面と当
接する第1の突起部を設けたことを特徴とし、カバーを
全開状態まで開けると、第1の突起部は第1の弧状突起
の端面と当接し、第1の突起部と第1の弧状突起の端面
とが係止状態となるため、カバーを全開状態に保持でき
る。しかも、第1の突起部及び第1の弧状突起はそれぞ
れカバー又は蓋体の何れかに設けられているので、別部
材を用いることなくカバーを全開状態に保持できる。
【0014】請求項10の発明では、請求項9の発明に
おいて、カバー又は蓋体の内、第1の弧状突起が形成さ
れた一方に、他方に向かって突出する略円弧状の第2の
弧状突起を軸部及び軸受け部を中心として突設し、他方
にカバーが全開状態から全閉状態に移行するまでの間第
2の弧状突起の前面と当接すると共に全閉状態において
第2の弧状突起の端面と当接する第2の突起部を設けた
ことを特徴とし、カバーを全閉状態まで閉じると、第2
の突起部は第2の弧状突起の端面と当接し、第2の突起
部が第2の弧状突起の端面と係止状態となるため、カバ
ーを全閉状態に保持できる。しかも、第2の突起部及び
第2の弧状突起はそれぞれカバー又は蓋体の何れかに設
けられているので、別部材を用いることなく、カバーを
全閉状態に保持できる。
【0015】請求項11の発明では、請求項9又は10
の発明において、全開状態又は全閉状態の内前記突起部
と前記弧状突起の前面が当接する状態から、前記突起部
と前記弧状突起の端面が当接する状態へカバーが移行す
るにつれて、前記突起部と当接する前記弧状突起の部位
の突出量を徐々に増加させたことを特徴とし、突起部が
弧状突起の端面と当接する状態から、弧状突起の前面と
当接する状態へ移行する際に、突起部が乗り越える弧状
突起の端面の高さが高くなるので、カバーを全閉状態又
は全開状態に強固に保持できる。しかも、弧状突起の突
出量が一定の場合に比べて、突起部と弧状突起の前面と
が当接している状態では弧状突起の突出量が小さくなる
から、突起部と弧状突起とが当接することにより発生す
る力が小さくなり、カバーを容易に開閉させることがで
きる。
【0016】請求項12の発明では、請求項9乃至11
の発明において、前記突起部は弾性を有していることを
特徴とし、突起部は弾性を有しているので、突起部が弧
状突起の端面と当接する状態から、弧状突起の前面と当
接する状態へ移行する際に、弧状突起によって突起部が
後方に撓められるから、突起部が摩耗するのを低減する
ことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本実施形態の分電盤を図1乃至図
13を参照して説明する。この分電盤は、前面が開口
し、壁面などの造営面に開口を室内側に向けて埋設され
る函体10と、函体10の開口を塞ぐようにして函体1
0に取り付けられる蓋体20とを備えており、函体10
には複数の回路遮断器60,60′を保持する保持部材
30が取り付けられている。
【0018】函体10は導電材料から形成され、略矩形
板状の底板11と、底板11の四周側辺から立設された
側板12とで、前面が開口した略箱状に形成されてお
り、各側板12の開口縁からは内側に向かって鍔片13
が夫々突設されている。
【0019】保持部材30は断面略コ字状であって、両
側片32,32の先端部から外側に向かって固定片3
3,33が連続一体に突設されており、函体10の長手
方向において対向する一対の側板12に設けられた鍔片
13上に各固定片33を載置した状態で函体10に取り
付けられる。各固定片33にはだるま孔34が夫々穿設
され、各だるま孔34に対応する鍔片13の部位にはね
じ孔14が形成されている。そして、だるま孔34に挿
通した取付ねじ90をねじ孔14に螺入することによっ
て、保持部材30が函体10にねじ止めされる。また、
保持部材30の中央片31には、断面略コ字状であって
両側片の先端部から外側に向かって係止部たる係止片4
1が突設されたDINレール40が、函体10の長手方
向に沿って取り付けられている。すなわち、DINレー
ル40の係止片41は、保持部材30の両端部が夫々取
り付けられる一対の側板12とは別の一対の側板12と
対向する中央片31の両側縁に沿って配置されている。
【0020】回路遮断器60,60′の器体61は略直
方体状であって、主幹ブレーカである漏電検知機能付き
の回路遮断器60′の大きさは、分岐ブレーカである回
路遮断器60を短幅方向に2個並べた大きさと略等しい
大きさに形成されている。器体61の前面には後述する
蓋体20の窓孔22から露出する突台部62が突設され
ている。突台部62は前面が略矩形状に形成されてお
り、内部に収納された接点装置(図示せず)の開閉操作
を行う操作ハンドル63が前面に設けられている。ま
た、器体61背面の略中央には、DINレール40の係
止片41と係止する被係止部たる係止溝64が形成され
ており、器体61背面の長手方向両端部にはそれぞれ凹
溝65が形成されている。
【0021】ところで、保持部材30の中央片31に
は、DINレール40に取り付けられる複数の回路遮断
器60,60′の内、少なくとも1個(本実施形態では
2個)の回路遮断器60の凹溝65と係止して、回路遮
断器60,60′を並設方向において位置決めする位置
決め片(位置決め手段)36が中央片31の一部を切り
起こすことにより形成されている。したがって、複数の
回路遮断器60,60′が取り付けられたDINレール
40を保持部材30の中央片31に取り付けると、中央
片31に設けた位置決め片36と2個の回路遮断器6
0,60′の凹溝65とが係止するため、回路遮断器6
0,60′を並設方向において位置決めすることができ
る。また、位置決めされた回路遮断器60,60′を基
準にして、他の回路遮断器60をDINレール40に取
り付けることにより、位置決め片36と係止していない
回路遮断器60も並設方向において位置決めされる。
【0022】また蓋体20は、函体10の前面を覆う略
矩形状の主部20aと、主部20aの周縁から背面側に
垂下された鍔部20bとで構成される。主部20aの略
中央には凹所21が形成されており、蓋体20には凹所
21を開閉自在に覆うカバー50が取り付けられてい
る。ここで、保持部材30の各固定片33略中央に形成
されたねじ孔35に対応する凹所21の部位にはねじ挿
通孔24が2個穿設されており、各ねじ挿通孔24に挿
通した取付ねじ91をねじ孔35に螺入することによっ
て、蓋体20は保持部材30にねじ止めされる。尚、各
ねじ孔35に対応する鍔片13の部位には、取付ねじ9
1との干渉を避けるために切欠き13aが形成されてい
る。
【0023】蓋体20の凹所21略中央には、回路遮断
器60,60′の操作ハンドル63が設けられた部位
(操作面)を露出させる窓孔22が形成されており、回
路遮断器60,60′の並設方向における窓孔22の寸
法は、所定個数分の回路遮断器60,60′の幅寸法と
略等しい寸法に形成されている。ここで、窓孔22は、
周縁部が複数の連結部23aを介して蓋体20に連結さ
れ、切り取り可能な状態で蓋体20に取り付けられた短
冊状の蓋板(ノックアウト部)23によって閉塞されて
いる。各蓋板23の寸法は回路遮断器60の突台部62
と略等しい寸法に形成されているので、函体10内に配
設する回路遮断器60の個数に応じた枚数の蓋板23を
切り取ることにより、各回路遮断器60の突台部62を
露出させる窓孔22が形成される。而して、窓孔22の
大きさは、切り取る蓋板23の枚数によって変えられる
ので、函体10内に配設する回路遮断器60の個数が異
なる場合にも容易に対応できる。また図3に示すよう
に、凹所21には、各回路遮断器60,60′毎に、対
応する回路遮断器60,60′の使用場所を示す表示部
(例えば銘板やシールなど)25が複数設けられてお
り、この表示部25により対応する回路遮断器60の使
用場所を容易に判別することができる。
【0024】ところで、上述のように複数の回路遮断器
60,60′は、少なくとも1個の回路遮断器60,6
0′の凹溝65と中央片31に設けた位置決め片36と
を係止させることにより、回路遮断器60,60′の並
設方向において位置決めされているから、回路遮断器6
0の位置が並設方向においてずれることはなく、蓋体2
0を函体10に取り付ける際に、蓋体20に設けた窓孔
22の位置と、回路遮断器60の位置とを容易に位置合
わせすることができ、蓋体20の取付作業を容易に行う
ことができる。
【0025】またカバー50は、凹所21を塞ぐ略矩形
状の主部51と、主部51の周縁から背面側に垂下され
た鍔部52とで構成される。函体10の長手方向におい
て対向する鍔部52の一側には、外側に向かって突出す
る軸部53がそれぞれ突設され、凹所21の端面におけ
る軸部53に対応する部位には、軸部53を回動自在に
軸支する軸受け部26が穿設されており、軸部53と軸
受け部26とを枢着することによって、カバー50は蓋
体20に開閉自在に取り付けられる。尚、本実施形態で
は、カバー50側に軸部53を設けると共に、蓋体20
側に軸受け部26を設けているが、カバー50側に軸受
け部を設けると共に、蓋体20側に軸受け部を設けても
良い。
【0026】ここで、軸部53が突設された鍔部52の
部位には、軸部53を中心とする略円弧状の第1及び第
2の弧状突起54,55が突設されている。一方、凹所
21の端面には、図10及び図12に示すようにカバー
50が完全に閉じた状態(以下、全閉状態と言う)か
ら、図11及び図13に示すように全閉状態から90度
以上開いた状態(以下全開状態と言う)に移行するまで
の間、第1の弧状突起(以下、弧状突起と言う)54の
前面に当接すると共に、全開状態で弧状突起54の端面
に当接する第1の突起部(以下、突起部と言う)27
と、カバー50が全開状態から全閉状態へ移行するまで
の間、第2の弧状突起(以下、弧状突起と言う)55の
前面に当接すると共に、全閉状態で弧状突起55の端面
に当接する第2の突起部(以下、突起部と言う)28と
が突設されている。
【0027】したがって、カバー50を全開状態から全
閉状態へ回動させると、全閉状態において突起部28が
弧状突起55を乗り越え、突起部28と弧状突起55の
端面とが係止するので、カバー50を全閉状態に仮保持
することができ、カバー50がばたつくのを防止でき
る。一方、カバー50を全閉状態から全開状態へ回動さ
せると、全開状態において突起部27が弧状突起54を
乗り越え、突起部27と弧状突起54の端面とが係止す
るので、カバー50を全開状態に仮保持することがで
き、カバー50を開いて作業を行っている際にカバー5
0が閉じてくるのを防止できる。
【0028】突起部27,27は図13及び図14に示
すように略棒状であって、外周に沿って溝が形成され、
一端部で蓋体20に結合されている。したがって、突起
部27,28の先端は撓みやすくなっており、カバー5
0を全閉状態又は全開状態から開閉する際に、弧状突起
55,54によって突起部28,27が容易に撓められ
る。このように、突起部27,28は弾性を有している
ので、突起部28と弧状突起55、突起部27と弧状突
起54との係止状態が容易に外れ、突起部27,28が
弧状突起54,55の端面を乗り越える際に、突起部2
7,28や弧状突起54,55の端縁が摩擦で削れるの
を防止できる。また、突起部27,28が弧状突起5
4,55を乗り越える際にクリック感が発生するので、
カバー50が全閉状態又は全開状態となったことを容易
に確認でき、開閉操作の操作性が向上する。
【0029】さらに弧状突起54の前面は、カバー50
が全閉状態から全開状態へ移行するにつれて、突起部2
7と当接する部位の突出量が増加するように傾斜してい
るので、全開状態から全閉状態に移行する際に、突起部
27が乗り越える弧状突起54の端面の高さが高くな
り、カバー50を全開状態に強固に保持できる。また、
全閉状態における弧状突起54の突出量は全開状態に比
べて少なくなるから、突出量が一定の場合に比べて、全
閉状態では突起部27から弧状突起54に加えられるば
ね力が小さくなり、カバー50を全閉状態から全開状態
に回動させ易くなる。
【0030】同様に、弧状突起55の前面は、カバー5
0が全開状態から全閉状態へ移行するにつれて、突起部
28と当接する部位の突出量が増加するように傾斜して
いるので、カバー50が全閉状態から全開状態へ移行す
る際に、突起部28が乗り越える弧状突起55の端面の
高さが高くなり、カバーを全閉状態に強固に保持でき
る。また、全開状態における弧状突起55の突出量は全
閉状態に比べて少なくなるから、突出量が一定の場合に
比べて、全開状態では突起部28から弧状突起55に加
えられるばね力が小さくなり、カバー50を全開状態か
ら全閉状態に回動させ易くなる。
【0031】ところで、函体10の内部には回路遮断器
60,60′や外部からの電線が接続される端子台70
が取付金具80を介して取り付けられている。端子台7
0は絶縁性を有する合成樹脂から形成されており、断面
略L字状であって、一方の側片70aには2個の電線接
続部71a,71bが長手方向に並べて配設されてい
る。ここで、両側片70a,70bの両端部及び中央部
には略三角形状のリブ70eがそれぞれ突設され、側片
70aにおける端部及び中央部に設けたリブ70eの間
の部位には、長手方向に沿って走る2条のリブ70fが
突設されており、2個の電線接続部71a,71bは2
条のリブ70fの間に取り付けられている。また、他方
の側片70bにおける側片70aと反対側の面には、側
片70bに対して略直交する方向に突出する突片70c
が突設され、突片70cの端縁略中央には側片70a側
に突出する舌片70dが突設されている。
【0032】電線接続部71a,71bは導電材料から
略直方体状に形成されており、電線接続部71a,71
bにおける側片70aとの対向面と反対側の面には、電
線接続部71a,71bを固定するための電線接続部固
定ねじ(以下、固定ねじと言う)93を挿通する挿通孔
72が穿設されており、挿通孔72が穿設された部位以
外の部位には、複数のねじ穴73が1列に設けられてい
る。また、電線接続部71における側片70bとの対向
面と反対側の面には、各ねじ穴73と連通する電線挿通
孔74がそれぞれ穿設されている。而して、電線挿通孔
74内に回路遮断器60や外部からの電線96を挿通し
て、対応するねじ穴73の端子ねじ95をねじ込むこと
により、電線接続部71に電線が接続される。ここに、
端子台70、電線接続部71a,71b及び取付金具8
0から端子部材が構成されており、函体10内に端子部
材を設けることにより、回路遮断器60,60′や外部
からの電線を容易に接続することができる。
【0033】また取付金具80は導電材料から形成され
ており、側板12にねじ止めされる長尺状の固定片81
と、固定片81の短幅方向における一側縁から固定片8
1と略平行な方向に突出し先端部が鍔片13と対向する
2個の挟持片83と、固定片81の一側片における挟持
片83が突出する部位以外の部位から固定片81と略直
交する方向に突出する3個の保持片82とが連続一体に
形成されて、断面略T字状に形成されている。
【0034】ここで、端子台70の側片70aには、電
線接続部71a,71bの挿通孔72,72に夫々連通
する連通孔75,75が穿設されている。すなわち、一
方の連通孔(第2の挿通孔)75は、取付金具80の保
持片82に対応する側片70aの部位に形成されてお
り、この連通孔75に対応する保持片82の部位にはね
じ孔(第2のねじ孔)85が設けられている。また、他
方の連通孔(第3の挿通孔)75は、側片70aにおけ
る他の保持片82,82に対応する部位以外の部位に形
成されている。
【0035】而して、一方の電線接続部71aは、挿通
孔72に挿通した固定ねじ93を端子台70の連通孔7
5に通し、取付金具80の保持片82に設けたねじ孔8
5に螺入することにより、端子台70と共に取付金具8
0に取り付けられ、取付金具80を介して函体10に接
地される。この時、取付金具80の挟持片83は、端子
台70の側片70bと舌片70dとの間に挿入される。
また、他方の電線接続部71bは、挿通孔72に挿通し
た固定ねじ93を端子台70の連通孔75に挿通して、
ナット76に螺入することにより、端子台70に固定さ
れる。この時、他方の電線接続部71bは函体10と絶
縁されている。ここに、主幹ブレーカである回路遮断器
60′の電源側端子66cには函体10内に外部から導
入された電源線(図示せず)が接続され、一方の負荷側
端子66aは、電線96を介して函体10と絶縁された
電線接続部71bに接続される。また、回路遮断器6
0′の他方の負荷側端子66bは電線97を介して導電
バー98に接続されており、導電バー98は分岐ブレー
カである各回路遮断器60の電源側端子67aに接続さ
れている。そして、各回路遮断器60の負荷側端子67
bと、電線接続部71bの各端子との間に負荷が接続さ
れる。また、負荷からのアース線は函体10に接地され
た電線接続部71aに接続される。なお、函体10の側
板12には外部からの電線を函体10内に導入するため
の電線導入口16がノックアウトにより形成される。
【0036】ところで、取付金具80の固定片81には
各挟持片83の付け根付近にねじ孔(第1のねじ孔)8
4が2個設けられている。一方、函体10の短幅方向に
おいて対向する一対の側板12には、取付金具80のね
じ孔84,84に対応する部位にそれぞれ固定ねじ92
を挿通するための挿通孔(第1の挿通孔)15,15が
一対づつ穿設されている。而して、端子台70及び電線
接続部71a,71bを取付金具80に取り付けた後
に、函体10の側板12に穿設された挿通孔15,15
に固定ねじ92,92を挿入し、取付金具80のねじ孔
84,84に螺入することにより、函体10に端子台7
0、電線接続部71,71及び取付金具80が取り付け
られる。尚、本実施形態では、挿通孔15,15を函体
10の短幅方向において対向する側板12,12にそれ
ぞれ穿設しているので、図6及び図7に示すように、回
路遮断器60,60′の取付位置に対して上下何れの側
にも取り付けることができる。
【0037】この時、図4に示すように、取付金具80
の挟持片83は端子台70の側片70bと舌片70dと
の間に挿入されており、舌片70dの長さ寸法は、鍔片
13と挟持片83の先端との間の間隔よりも長い寸法に
形成されているので、舌片70dが鍔片13と挟持片8
3との間から抜けなくなり、端子台70が外れなくな
る。したがって、本実施形態では端子台70を取付金具
80にねじ止めしているが、端子台70を取付金具80
にねじ止めする必要がなくなり、端子台70の取付作業
の手間を少なくできる。
【0038】尚、固定ねじ92が挿通される挿通孔15
は、側板12の表面に設けた凹所12aの底に形成され
ており、凹所12aの深さ寸法は固定ねじ92の頭の高
さ寸法よりも高くなっているので、取付金具80を固定
ねじ92によりねじ止めすると、固定ねじ92の頭が凹
所12a内に隠れ、側板12の表面から突出しないた
め、外観の見栄えを良くできる。また、凹所12aを設
けることにより、取付金具80の挟持片83と側板12
内面との間に隙間ができ、この隙間に端子台70の舌片
70dを挿入することができる。
【0039】
【発明の効果】上述のように、請求項1の発明は、四角
形状の底板及び該底板の四周から立設された側板とで構
成される一面開口した函体と、該函体の対向する一対の
側板に両端部が夫々取り付けられ、中央部が底板側に凹
設されると共に、前記一対の側板とは別の一対の側板と
対向する中央部の両側縁に沿って回路遮断器を取り付け
るための係止部が設けられた保持部材と、略直方体状で
あって保持部材の中央部と対向する面に前記係止部と係
止する被係止部が形成されると共に函体の開口に臨む面
に内部に収めた接点装置の開閉操作を行うための操作ハ
ンドルが設けられ、短幅方向に並べて保持部材に取り付
けられた1乃至複数の回路遮断器と、函体の開口を塞ぐ
ように函体に取り付けられ、各回路遮断器の操作ハンド
ルが設けられた部位を少なくとも露出させる窓孔が形成
された蓋体とを備え、回路遮断器の並設方向における窓
孔の寸法は、並設された1乃至複数の回路遮断器の幅寸
法と略等しい寸法に形成されており、1乃至複数の回路
遮断器の内、少なくとも1個の回路遮断器を並設方向に
おいて位置決めする位置決め手段を保持部材の中央部に
設けたことを特徴とし、位置決め手段により少なくとも
1個の回路遮断器が並設方向において位置決めされるか
ら、位置決めされた回路遮断器と並べて他の回路遮断器
を並設することにより、各回路遮断器の並設方向におけ
る取付位置を位置決めすることができ、且つ、回路遮断
器が取り付けられた保持部材は、蓋体が取り付けられた
函体に固定されているので、回路遮断器が並設方向にお
いて蓋体に設けた窓孔の位置からずれることはなく、回
路遮断器の操作ハンドルが設けられた部位と蓋体に設け
た窓孔の位置との位置合わせを容易に行うことができ、
組立作業性が向上するという効果がある。
【0040】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、回路遮断器の並設方向における窓孔の寸法は、所定
個数分の回路遮断器の幅寸法と略等しい寸法に形成され
ており、窓孔に臨む個々の回路遮断器の部位と略同じ寸
法にそれぞれ形成され、切り取り可能な状態で蓋体に取
り付けられた複数枚の蓋板により前記窓孔が閉塞された
ことを特徴とし、配設する回路遮断器の個数に応じた枚
数の蓋板を切り取って窓孔を形成することにより、配設
する回路遮断器の個数が異なる場合にも容易に対応でき
るという効果がある。
【0041】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、各回路遮断器毎に、対応する回路遮断器の使用場所
をそれぞれ示す表示部を蓋体に設けたことを特徴とし、
表示部により回路遮断器の使用場所を容易に把握できる
という効果がある。
【0042】請求項4の発明は、請求項1乃至3の発明
において、外部から函体内に導入される電線を接続する
ための端子部材を有し、該端子部材を函体にねじ止めす
るための固定ねじを挿通する第1の挿通孔を函体の側板
に設けたことを特徴とし、固定ねじを用いて函体の側板
に取り付けられた端子部材を用いて電線の接続を容易に
行えるという効果がある。
【0043】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、前記第1の挿通孔は、保持部材が取り付けられる一
対の側板とは別の一対の側板にそれぞれ設けられたこと
を特徴とし、1乃至複数の回路遮断器の並設方向と交差
する方向の両側板にそれぞれ第1の挿通孔を設けている
ので、保持部材に取り付けられた1乃至複数の回路遮断
器に対して何れの側にも端子部材を取り付けることがで
きるという効果がある。
【0044】請求項6の発明は、請求項4又は5の発明
において、前記第1の挿通孔が設けられた側板の開口縁
に内側に突出する鍔片を設け、前記端子部材は、基部に
前記固定ねじと螺合する第1のねじ孔が形成され先端部
を前記鍔片と対向させた状態で側板にねじ止めされる挟
持片及び挟持片の基部から立設された保持片を有する取
付金具と、取付金具の挟持片及び保持片とそれぞれ当接
する側片を有する絶縁性材料から形成された端子台と、
端子台の両側片によって囲まれる空間に配設され複数の
電線が端子ねじでねじ止めされる導電材料から形成され
た電線接続部とを備え、前記挟持片と対向する端子台の
側片先端部から、挟持片と鍔片との間の間隔よりも長い
舌片を、側片との間で挟持片を挟むようにして取付金具
の基部側に突設したことを特徴とし、端子台の側片と舌
片との間に挟持片を差し込んだ状態で取付金具を函体の
側板にねじ止めすると、函体の鍔片と挟持片との間に舌
片が挟持され、舌片の長さは鍔片と挟持片との間の隙間
よりも長くなっているので、端子台が取付金具から外れ
ることはなく、端子台を例えばねじなどで固定する必要
がなくなるから、端子台の取付作業を容易に行えるとい
う効果がある。
【0045】請求項7の発明は、請求項1の発明におい
て、前記第1の挿通孔が形成される側板の部位に内側に
突出する凹部を設け、該凹部の深さ寸法を固定ねじの頭
の高さ寸法よりも深くしたことを特徴とし、固定ねじを
第1の挿通孔に挿通して取付金具に設けられた第1のね
じ孔に螺入すると、固定ねじの頭が凹部内に入り込み、
側板の表面から突出しないので外観の見栄えを良くで
き、且つ、凹部を設けることによって取付金具の挟持片
と函体の側板との間に隙間ができるから、この隙間に端
子台の舌片を配置できるという効果がある。
【0046】請求項8の発明は、請求項6又は7の発明
において、前記函体は導電材料から形成され、取付金具
の保持片に第2のねじ孔を設け、該第2のねじ孔に対応
する端子台の側片の部位に、前記電線接続部に挿通され
た電線接続部固定ねじを挿通する第2の挿通孔を形成
し、端子台の側片における前記保持片と対向する部位以
外の部位に、前記電線接続部に挿通された電線接続部固
定ねじを挿通する第3の挿通孔を形成し、該第3の挿通
孔に挿通された電線接続部固定ねじと螺合するナットを
設けたことを特徴とし、電線接続部に挿通された電線接
続部固定ねじを端子台に設けられた第2の挿通孔に挿通
して、取付金具に設けられた第2のねじ孔に螺入すれ
ば、取付金具を介して電線接続部を函体に接地すること
ができ、電線接続部に挿通された電線接続部固定ねじを
端子台に設けられた第3の挿通孔に挿通して、ナットに
螺入すれば、電線接続部と函体とを非導通状態とするこ
とができるという効果がある。
【0047】請求項9の発明は、請求項1乃至8の発明
において、前記窓孔は、前記蓋体の前面に設けられた凹
所の底面に形成されており、前記凹所を開閉自在に覆う
カバーを備え、カバー又は蓋体の内の一方に軸部を設け
ると共に、他方に前記軸部を回動自在に軸支する軸受け
部を設け、カバー又は蓋体の内の一方に他方に向かって
突出する略円弧状の第1の弧状突起を軸部及び軸受け部
を中心として突設し、他方にカバーが全閉状態から全開
状態に移行するまでの間第1の弧状突起の前面と当接す
ると共に全開状態において第1の弧状突起の端面と当接
する第1の突起部を設けたことを特徴とし、カバーを全
開状態まで開けると、第1の突起部は第1の弧状突起の
端面と当接し、第1の突起部と第1の弧状突起の端面と
が係止状態となるため、カバーを全開状態に保持でき
る。しかも、第1の突起部及び第1の弧状突起はそれぞ
れカバー又は蓋体の何れかに設けられているので、別部
材を用いることなくカバーを全開状態に保持できるとい
う効果がある。
【0048】請求項10の発明は、請求項9の発明にお
いて、カバー又は蓋体の内、第1の弧状突起が形成され
た一方に、他方に向かって突出する略円弧状の第2の弧
状突起を軸部及び軸受け部を中心として突設し、他方に
カバーが全開状態から全閉状態に移行するまでの間第2
の弧状突起の前面と当接すると共に全閉状態において第
2の弧状突起の端面と当接する第2の突起部を設けたこ
とを特徴とし、カバーを全閉状態まで閉じると、第2の
突起部は第2の弧状突起の端面と当接し、第2の突起部
が第2の弧状突起の端面と係止状態となるため、カバー
を全閉状態に保持できる。しかも、第2の突起部及び第
2の弧状突起はそれぞれカバー又は蓋体の何れかに設け
られているので、別部材を用いることなく、カバーを全
閉状態に保持できるという効果がある。
【0049】請求項11の発明は、請求項9又は10の
発明において、全開状態又は全閉状態の内前記突起部と
前記弧状突起の前面が当接する状態から、前記突起部と
前記弧状突起の端面が当接する状態へカバーが移行する
につれて、前記突起部と当接する前記弧状突起の部位の
突出量を徐々に増加させたことを特徴とし、突起部が弧
状突起の端面と当接する状態から、弧状突起の前面と当
接する状態へ移行する際に、突起部が乗り越える弧状突
起の端面の高さが高くなるので、カバーを全閉状態又は
全開状態に強固に保持できる。しかも、弧状突起の突出
量が一定の場合に比べて、突起部と弧状突起の前面とが
当接している状態では弧状突起の突出量が小さくなるか
ら、突起部と弧状突起とが当接することにより発生する
摩擦力が小さくなり、カバーを容易に開閉させることが
できるという効果がある。
【0050】請求項12の発明は、請求項9乃至11の
発明において、前記突起部は弾性を有していることを特
徴とし、突起部は弾性を有しているので、突起部が弧状
突起の端面と当接する状態から、弧状突起の前面と当接
する状態へ移行する際に、弧状突起によって突起部が後
方に撓められるから、突起部が摩耗するのを低減できる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の分電盤を下方から見た断面図であ
る。
【図2】同上の分解斜視図である。
【図3】同上を正面から見た図である。
【図4】同上を側方から見た断面図である。
【図5】同上の外観斜視図である。
【図6】同上の蓋体を外した状態を前面側から見た図で
ある。
【図7】同上の蓋体を外した状態を前面側から見た図で
ある。
【図8】同上に用いる端子台の分解斜視図である。
【図9】同上の蓋体の取付部を示す要部分解斜視図であ
る。
【図10】同上の蓋体が開けられた状態を側方から見た
要部断面図である。
【図11】同上の蓋体が閉じられた状態を側方から見た
要部断面図である。
【図12】同上の蓋体が開けられた状態を下方から見た
要部断面図である。
【図13】同上の蓋体が閉じられた状態を下方から見た
要部断面図である。
【図14】従来の分電盤の内部配置を示す図である。
【符号の説明】
10 函体 11 底板 20 蓋体 22 窓孔 30 保持部材 31 中央片 32 側片 33 固定片 36 位置決め片 40 DINレール 60,60′ 回路遮断器 65 凹溝

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】四角形状の底板及び該底板の四周から立設
    された側板とで構成される一面開口した函体と、該函体
    の対向する一対の側板に両端部が夫々取り付けられ、中
    央部が底板側に凹設されると共に、前記一対の側板とは
    別の一対の側板と対向する中央部の両側縁に沿って回路
    遮断器を取り付けるための係止部が設けられた保持部材
    と、略直方体状であって保持部材の中央部と対向する面
    に前記係止部と係止する被係止部が形成されると共に函
    体の開口に臨む面に内部に収めた接点装置の開閉操作を
    行うための操作ハンドルが設けられ、短幅方向に並べて
    保持部材に取り付けられた1乃至複数の回路遮断器と、
    函体の開口を塞ぐように函体に取り付けられ、各回路遮
    断器の操作ハンドルが設けられた部位を少なくとも露出
    させる窓孔が形成された蓋体とを備え、回路遮断器の並
    設方向における窓孔の寸法は、並設された1乃至複数の
    回路遮断器の幅寸法と略等しい寸法に形成されており、
    1乃至複数の回路遮断器の内、少なくとも1個の回路遮
    断器を並設方向において位置決めする位置決め手段を保
    持部材の中央部に設けたことを特徴とする分電盤。
  2. 【請求項2】回路遮断器の並設方向における窓孔の寸法
    は、所定個数分の回路遮断器の幅寸法と略等しい寸法に
    形成されており、窓孔に臨む個々の回路遮断器の部位と
    略同じ寸法にそれぞれ形成され、切り取り可能な状態で
    蓋体に取り付けられた複数枚の蓋板により前記窓孔が閉
    塞されたことを特徴とする請求項1記載の分電盤。
  3. 【請求項3】各回路遮断器毎に、対応する回路遮断器の
    使用場所をそれぞれ示す表示部を蓋体に設けたことを特
    徴とする請求項1記載の分電盤。
  4. 【請求項4】外部から函体内に導入される電線を接続す
    るための端子部材を有し、該端子部材を函体にねじ止め
    するための固定ねじを挿通する第1の挿通孔を函体の側
    板に設けたことを特徴とする請求項1乃至3記載の分電
    盤。
  5. 【請求項5】前記第1の挿通孔は、保持部材が取り付け
    られる一対の側板とは別の一対の側板にそれぞれ設けら
    れたことを特徴とする請求項4記載の分電盤。
  6. 【請求項6】前記第1の挿通孔が設けられた側板の開口
    縁に内側に突出する鍔片を設け、前記端子部材は、基部
    に前記固定ねじと螺合する第1のねじ孔が形成され先端
    部を前記鍔片と対向させた状態で側板にねじ止めされる
    挟持片及び挟持片の基部から立設された保持片を有する
    取付金具と、取付金具の挟持片及び保持片とそれぞれ当
    接する側片を有する絶縁性材料から形成された端子台
    と、端子台の両側片によって囲まれる空間に配設され複
    数の電線が端子ねじでねじ止めされる導電材料から形成
    された電線接続部とを備え、前記挟持片と対向する端子
    台の側片先端部から、挟持片と鍔片との間の間隔よりも
    長い舌片を、側片との間で挟持片を挟むようにして取付
    金具の基部側に突設したことを特徴とする請求項4又は
    5記載の分電盤。
  7. 【請求項7】前記第1の挿通孔が形成される側板の部位
    に内側に突出する凹部を設け、該凹部の深さ寸法を固定
    ねじの頭の高さ寸法よりも深くしたことを特徴とする請
    求項6記載の分電盤。
  8. 【請求項8】前記函体は導電材料から形成され、取付金
    具の保持片に第2のねじ孔を設け、該第2のねじ孔に対
    応する端子台の側片の部位に、前記電線接続部に挿通さ
    れた電線接続部固定ねじを挿通する第2の挿通孔を形成
    し、端子台の側片における前記保持片と対向する部位以
    外の部位に、前記電線接続部に挿通された電線接続部固
    定ねじを挿通する第3の挿通孔を形成し、該第3の挿通
    孔に挿通された電線接続部固定ねじと螺合するナットを
    設けたことを特徴とする請求項6又は7記載の分電盤。
  9. 【請求項9】前記窓孔は、前記蓋体の前面に設けられた
    凹所の底面に形成されており、前記凹所を開閉自在に覆
    うカバーを備え、カバー又は蓋体の内の一方に軸部を設
    けると共に、他方に前記軸部を回動自在に軸支する軸受
    け部を設け、カバー又は蓋体の内の一方に他方に向かっ
    て突出する略円弧状の第1の弧状突起を軸部及び軸受け
    部を中心として突設し、他方にカバーが全閉状態から全
    開状態に移行するまでの間第1の弧状突起の前面と当接
    すると共に全開状態において第1の弧状突起の端面と当
    接する第1の突起部を設けたことを特徴とする請求項1
    乃至8記載の分電盤。
  10. 【請求項10】カバー又は蓋体の内、第1の弧状突起が
    形成された一方に、他方に向かって突出する略円弧状の
    第2の弧状突起を軸部及び軸受け部を中心として突設
    し、他方にカバーが全開状態から全閉状態に移行するま
    での間第2の弧状突起の前面と当接すると共に全閉状態
    において第2の弧状突起の端面と当接する第2の突起部
    を設けたことを特徴とする請求項9記載の分電盤。
  11. 【請求項11】全開状態又は全閉状態の内前記突起部と
    前記弧状突起の前面が当接する状態から、前記突起部と
    前記弧状突起の端面が当接する状態へカバーが移行する
    につれて、前記突起部と当接する前記弧状突起の部位の
    突出量を徐々に増加させたことを特徴とする請求項9又
    は10記載の分電盤。
  12. 【請求項12】前記突起部は弾性を有していることを特
    徴とする請求項9乃至11記載の分電盤。
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