JP3815127B2 - 分電盤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分電盤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の分電盤の内部配置図を図14に示す。この分電盤は前面が開口した函体10を備えており、函体10の内部には複数の回路遮断器60が配設されている。函体10の底面にはDIN規格で規格化されたDINレール40が配設されている。DINレール40は断面略コ字状であって、両側片の先端部から外側に向かって係止片41が突設されている。一方、回路遮断器60の器体61は略直方体状であって、DINレール40と対向する器体61の面には、DINレール40の係止片41と係止する係止溝(図示せず)が設けられており、複数の回路遮断器60は短幅方向に並べてDINレール40に取り付けられている。また、器体61における函体10の開口に臨む面には内部に収納された接点装置(図示せず)の開閉操作を行う操作ハンドル63が設けられている(例えば、特開平8−138517号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の分電盤には、函体10の開口を塞ぐ蓋体(図示せず)が取り付けられており、蓋体には、操作ハンドル63が設けられた各回路遮断器60の部位を露出させる窓孔が形成されている。ここで、複数の回路遮断器60は短幅方向に並べてDINレール40に取り付けられているので、回路遮断器60の並設方向において各回路遮断器60の取付位置がずれる場合があり、そのため回路遮断器60の取付位置を確認しながら、操作ハンドル63が設けられた回路遮断器60の部位と蓋体に設けた窓孔との位置合わせを行う必要があり、蓋体を函体10に取り付ける取付作業の作業性が悪いという問題があった。
【0004】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、組立作業の作業性を向上させた分電盤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明では、四角形状の底板及び該底板の四周から立設された側板とで構成される一面開口した函体と、該函体の対向する一対の側板に両端部が夫々取り付けられ、中央部が底板側に凹設されると共に、前記一対の側板とは別の一対の側板と対向する中央部の両側縁に沿って回路遮断器を取り付けるための係止部が設けられた保持部材と、略直方体状であって保持部材の中央部と対向する面に前記係止部と係止する被係止部が形成されると共に函体の開口に臨む面に内部に収めた接点装置の開閉操作を行うための操作ハンドルが設けられ、短幅方向に並べて保持部材に取り付けられた1乃至複数の回路遮断器と、函体の開口を塞ぐように函体に取り付けられ、各回路遮断器の操作ハンドルが設けられた部位を少なくとも露出させる窓孔が形成された蓋体とを備え、回路遮断器の並設方向における窓孔の寸法は、並設された1乃至複数の回路遮断器の幅寸法と略等しい寸法に形成されており、1乃至複数の回路遮断器の内、少なくとも1個の回路遮断器を並設方向において位置決めする位置決め手段を保持部材の中央部に設けるとともに、外部から函体内に導入される電線を接続するための端子部材を設け、該端子部材を函体にねじ止めするための固定ねじを挿通する第1の挿通孔を函体の側板に形成し、当該第1の挿通孔が設けられた側板の開口縁に内側に突出する鍔片を設けてあり、前記端子部材が、基部に前記固定ねじと螺合する第1のねじ孔が形成され先端部を前記鍔片と対向させた状態で側板にねじ止めされる挟持片及び挟持片の基部から立設された保持片を有する取付金具と、取付金具の挟持片及び保持片とそれぞれ当接する側片を有する絶縁性材料から形成された端子台と、端子台の両側片によって囲まれる空間に配設され複数の電線が端子ねじでねじ止めされる導電材料から形成された電線接続部とを備え、前記挟持片と対向する端子台の側片先端部から、挟持片と鍔片との間の間隔よりも長い舌片を、側片との間で挟持片を挟むようにして取付金具の基部側に突設したことを特徴とする。このような構成を採用したことによって、位置決め手段により少なくとも1個の回路遮断器が並設方向において位置決めされるから、位置決めされた回路遮断器と並べて他の回路遮断器を並設することにより、各回路遮断器の並設方向における取付位置を位置決めすることができ、且つ、回路遮断器が取り付けられた保持部材は、蓋体が取り付けられた函体に固定されているので、回路遮断器が並設方向において蓋体に設けた窓孔の位置からずれることはなく、回路遮断器の操作ハンドルが設けられた部位と蓋体に設けた窓孔の位置との位置合わせを容易に行うことができ、組立作業性が向上する。しかも、固定ねじを用いて函体の側板に取り付けられた端子部材を用いて電線の接続を容易に行うことができ、且つ、端子台の側片と舌片との間に挟持片を差し込んだ状態で取付金具を函体の側板にねじ止めすると、函体の鍔片と挟持片との間に舌片が挟持され、舌片の長さは鍔片と挟持片との間の隙間よりも長くなっているので、端子台が取付金具から外れることはなく、端子台を例えばねじなどで固定する必要がなくなるから、端子台の取付作業を容易に行うことができる。
【0006】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、回路遮断器の並設方向における窓孔の寸法は、所定個数分の回路遮断器の幅寸法と略等しい寸法に形成されており、窓孔に臨む個々の回路遮断器の部位と略同じ寸法にそれぞれ形成され、切り取り可能な状態で蓋体に取り付けられた複数枚の蓋板により前記窓孔が閉塞されたことを特徴とし、配設する回路遮断器の個数に応じた枚数の蓋板を切り取って窓孔を形成することにより、配設する回路遮断器の個数が異なる場合にも容易に対応することができる。
【0007】
請求項3の発明では、請求項1の発明において、各回路遮断器毎に、対応する回路遮断器の使用場所をそれぞれ示す表示部を蓋体に設けたことを特徴とし、表示部により回路遮断器の使用場所を容易に把握することができる。
【0009】
請求項の発明では、請求項の発明において、前記第1の挿通孔は、保持部材が取り付けられる一対の側板とは別の一対の側板にそれぞれ設けられたことを特徴とし、1乃至複数の回路遮断器の並設方向と交差する方向の両側板にそれぞれ第1の挿通孔を設けているので、保持部材に取り付けられた1乃至複数の回路遮断器に対して何れの側にも端子部材を取り付けることができる。
【0011】
請求項の発明では、請求項1の発明において、前記第1の挿通孔が形成される側板の部位に内側に突出する凹部を設け、該凹部の深さ寸法を固定ねじの頭の高さ寸法よりも深くしたことを特徴とし、固定ねじを第1の挿通孔に挿通して取付金具に設けられた第1のねじ孔に螺入すると、固定ねじの頭が凹部内に入り込み、側板の表面から突出しないので外観の見栄えを良くでき、且つ、凹部を設けることによって取付金具の挟持片と函体の側板との間に隙間ができるから、この隙間に端子台の舌片を配置することができる。
【0012】
請求項の発明では、請求項1又は5の発明において、前記函体は導電材料から形成され、取付金具の保持片に第2のねじ孔を設け、該第2のねじ孔に対応する端子台の側片の部位に、前記電線接続部に挿通された電線接続部固定ねじを挿通する第2の挿通孔を形成し、端子台の側片における前記保持片と対向する部位以外の部位に、前記電線接続部に挿通された電線接続部固定ねじを挿通する第3の挿通孔を形成し、該第3の挿通孔に挿通された電線接続部固定ねじと螺合するナットを設けたことを特徴とし、電線接続部に挿通された電線接続部固定ねじを端子台に設けられた第2の挿通孔に挿通して、取付金具に設けられた第2のねじ孔に螺入すれば、取付金具を介して電線接続部を函体に接地することができ、電線接続部に挿通された電線接続部固定ねじを端子台に設けられた第3の挿通孔に挿通して、ナットに螺入すれば、電線接続部と函体とを非導通状態とすることができる。
【0013】
請求項の発明では、請求項1乃至6の何れかの発明において、前記窓孔は、前記蓋体の前面に設けられた凹所の底面に形成されており、前記凹所を開閉自在に覆うカバーを備え、カバー又は蓋体の内の一方に軸部を設けると共に、他方に前記軸部を回動自在に軸支する軸受け部を設け、カバー又は蓋体の内の一方に他方に向かって突出する略円弧状の第1の弧状突起を軸部及び軸受け部を中心として突設し、他方にカバーが全閉状態から全開状態に移行するまでの間第1の弧状突起の前面と当接すると共に全開状態において第1の弧状突起の端面と当接する第1の突起部を設けたことを特徴とし、カバーを全開状態まで開けると、第1の突起部は第1の弧状突起の端面と当接し、第1の突起部と第1の弧状突起の端面とが係止状態となるため、カバーを全開状態に保持できる。しかも、第1の突起部及び第1の弧状突起はそれぞれカバー又は蓋体の何れかに設けられているので、別部材を用いることなくカバーを全開状態に保持できる。
【0014】
請求項の発明では、請求項の発明において、カバー又は蓋体の内、第1の弧状突起が形成された一方に、他方に向かって突出する略円弧状の第2の弧状突起を軸部及び軸受け部を中心として突設し、他方にカバーが全開状態から全閉状態に移行するまでの間第2の弧状突起の前面と当接すると共に全閉状態において第2の弧状突起の端面と当接する第2の突起部を設けたことを特徴とし、カバーを全閉状態まで閉じると、第2の突起部は第2の弧状突起の端面と当接し、第2の突起部が第2の弧状突起の端面と係止状態となるため、カバーを全閉状態に保持できる。しかも、第2の突起部及び第2の弧状突起はそれぞれカバー又は蓋体の何れかに設けられているので、別部材を用いることなく、カバーを全閉状態に保持できる。
【0015】
請求項の発明では、請求項7又は8の発明において、全開状態又は全閉状態の内前記突起部と前記弧状突起の前面が当接する状態から、前記突起部と前記弧状突起の端面が当接する状態へカバーが移行するにつれて、前記突起部と当接する前記弧状突起の部位の突出量を徐々に増加させたことを特徴とし、突起部が弧状突起の端面と当接する状態から、弧状突起の前面と当接する状態へ移行する際に、突起部が乗り越える弧状突起の端面の高さが高くなるので、カバーを全閉状態又は全開状態に強固に保持できる。しかも、弧状突起の突出量が一定の場合に比べて、突起部と弧状突起の前面とが当接している状態では弧状突起の突出量が小さくなるから、突起部と弧状突起とが当接することにより発生する力が小さくなり、カバーを容易に開閉させることができる。
【0016】
請求項10の発明では、請求項7乃至9の何れかの発明において、前記突起部は弾性を有していることを特徴とし、突起部は弾性を有しているので、突起部が弧状突起の端面と当接する状態から、弧状突起の前面と当接する状態へ移行する際に、弧状突起によって突起部が後方に撓められるから、突起部が摩耗するのを低減することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本実施形態の分電盤を図1乃至図13を参照して説明する。この分電盤は、前面が開口し、壁面などの造営面に開口を室内側に向けて埋設される函体10と、函体10の開口を塞ぐようにして函体10に取り付けられる蓋体20とを備えており、函体10には複数の回路遮断器60,60′を保持する保持部材30が取り付けられている。
【0018】
函体10は導電材料から形成され、略矩形板状の底板11と、底板11の四周側辺から立設された側板12とで、前面が開口した略箱状に形成されており、各側板12の開口縁からは内側に向かって鍔片13が夫々突設されている。
【0019】
保持部材30は断面略コ字状であって、両側片32,32の先端部から外側に向かって固定片33,33が連続一体に突設されており、函体10の長手方向において対向する一対の側板12に設けられた鍔片13上に各固定片33を載置した状態で函体10に取り付けられる。各固定片33にはだるま孔34が夫々穿設され、各だるま孔34に対応する鍔片13の部位にはねじ孔14が形成されている。そして、だるま孔34に挿通した取付ねじ90をねじ孔14に螺入することによって、保持部材30が函体10にねじ止めされる。また、保持部材30の中央片31には、断面略コ字状であって両側片の先端部から外側に向かって係止部たる係止片41が突設されたDINレール40が、函体10の長手方向に沿って取り付けられている。すなわち、DINレール40の係止片41は、保持部材30の両端部が夫々取り付けられる一対の側板12とは別の一対の側板12と対向する中央片31の両側縁に沿って配置されている。
【0020】
回路遮断器60,60′の器体61は略直方体状であって、主幹ブレーカである漏電検知機能付きの回路遮断器60′の大きさは、分岐ブレーカである回路遮断器60を短幅方向に2個並べた大きさと略等しい大きさに形成されている。器体61の前面には後述する蓋体20の窓孔22から露出する突台部62が突設されている。突台部62は前面が略矩形状に形成されており、内部に収納された接点装置(図示せず)の開閉操作を行う操作ハンドル63が前面に設けられている。また、器体61背面の略中央には、DINレール40の係止片41と係止する被係止部たる係止溝64が形成されており、器体61背面の長手方向両端部にはそれぞれ凹溝65が形成されている。
【0021】
ところで、保持部材30の中央片31には、DINレール40に取り付けられる複数の回路遮断器60,60′の内、少なくとも1個(本実施形態では2個)の回路遮断器60の凹溝65と係止して、回路遮断器60,60′を並設方向において位置決めする位置決め片(位置決め手段)36が中央片31の一部を切り起こすことにより形成されている。したがって、複数の回路遮断器60,60′が取り付けられたDINレール40を保持部材30の中央片31に取り付けると、中央片31に設けた位置決め片36と2個の回路遮断器60,60′の凹溝65とが係止するため、回路遮断器60,60′を並設方向において位置決めすることができる。また、位置決めされた回路遮断器60,60′を基準にして、他の回路遮断器60をDINレール40に取り付けることにより、位置決め片36と係止していない回路遮断器60も並設方向において位置決めされる。
【0022】
また蓋体20は、函体10の前面を覆う略矩形状の主部20aと、主部20aの周縁から背面側に垂下された鍔部20bとで構成される。主部20aの略中央には凹所21が形成されており、蓋体20には凹所21を開閉自在に覆うカバー50が取り付けられている。ここで、保持部材30の各固定片33略中央に形成されたねじ孔35に対応する凹所21の部位にはねじ挿通孔24が2個穿設されており、各ねじ挿通孔24に挿通した取付ねじ91をねじ孔35に螺入することによって、蓋体20は保持部材30にねじ止めされる。尚、各ねじ孔35に対応する鍔片13の部位には、取付ねじ91との干渉を避けるために切欠き13aが形成されている。
【0023】
蓋体20の凹所21略中央には、回路遮断器60,60′の操作ハンドル63が設けられた部位(操作面)を露出させる窓孔22が形成されており、回路遮断器60,60′の並設方向における窓孔22の寸法は、所定個数分の回路遮断器60,60′の幅寸法と略等しい寸法に形成されている。ここで、窓孔22は、周縁部が複数の連結部23aを介して蓋体20に連結され、切り取り可能な状態で蓋体20に取り付けられた短冊状の蓋板(ノックアウト部)23によって閉塞されている。各蓋板23の寸法は回路遮断器60の突台部62と略等しい寸法に形成されているので、函体10内に配設する回路遮断器60の個数に応じた枚数の蓋板23を切り取ることにより、各回路遮断器60の突台部62を露出させる窓孔22が形成される。而して、窓孔22の大きさは、切り取る蓋板23の枚数によって変えられるので、函体10内に配設する回路遮断器60の個数が異なる場合にも容易に対応できる。また図3に示すように、凹所21には、各回路遮断器60,60′毎に、対応する回路遮断器60,60′の使用場所を示す表示部(例えば銘板やシールなど)25が複数設けられており、この表示部25により対応する回路遮断器60の使用場所を容易に判別することができる。
【0024】
ところで、上述のように複数の回路遮断器60,60′は、少なくとも1個の回路遮断器60,60′の凹溝65と中央片31に設けた位置決め片36とを係止させることにより、回路遮断器60,60′の並設方向において位置決めされているから、回路遮断器60の位置が並設方向においてずれることはなく、蓋体20を函体10に取り付ける際に、蓋体20に設けた窓孔22の位置と、回路遮断器60の位置とを容易に位置合わせすることができ、蓋体20の取付作業を容易に行うことができる。
【0025】
またカバー50は、凹所21を塞ぐ略矩形状の主部51と、主部51の周縁から背面側に垂下された鍔部52とで構成される。函体10の長手方向において対向する鍔部52の一側には、外側に向かって突出する軸部53がそれぞれ突設され、凹所21の端面における軸部53に対応する部位には、軸部53を回動自在に軸支する軸受け部26が穿設されており、軸部53と軸受け部26とを枢着することによって、カバー50は蓋体20に開閉自在に取り付けられる。尚、本実施形態では、カバー50側に軸部53を設けると共に、蓋体20側に軸受け部26を設けているが、カバー50側に軸受け部を設けると共に、蓋体20側に軸受け部を設けても良い。
【0026】
ここで、軸部53が突設された鍔部52の部位には、軸部53を中心とする略円弧状の第1及び第2の弧状突起54,55が突設されている。一方、凹所21の端面には、図10及び図12に示すようにカバー50が完全に閉じた状態(以下、全閉状態と言う)から、図11及び図13に示すように全閉状態から90度以上開いた状態(以下全開状態と言う)に移行するまでの間、第1の弧状突起(以下、弧状突起と言う)54の前面に当接すると共に、全開状態で弧状突起54の端面に当接する第1の突起部(以下、突起部と言う)27と、カバー50が全開状態から全閉状態へ移行するまでの間、第2の弧状突起(以下、弧状突起と言う)55の前面に当接すると共に、全閉状態で弧状突起55の端面に当接する第2の突起部(以下、突起部と言う)28とが突設されている。
【0027】
したがって、カバー50を全開状態から全閉状態へ回動させると、全閉状態において突起部28が弧状突起55を乗り越え、突起部28と弧状突起55の端面とが係止するので、カバー50を全閉状態に仮保持することができ、カバー50がばたつくのを防止できる。一方、カバー50を全閉状態から全開状態へ回動させると、全開状態において突起部27が弧状突起54を乗り越え、突起部27と弧状突起54の端面とが係止するので、カバー50を全開状態に仮保持することができ、カバー50を開いて作業を行っている際にカバー50が閉じてくるのを防止できる。
【0028】
突起部27,27は図13及び図14に示すように略棒状であって、外周に沿って溝が形成され、一端部で蓋体20に結合されている。したがって、突起部27,28の先端は撓みやすくなっており、カバー50を全閉状態又は全開状態から開閉する際に、弧状突起55,54によって突起部28,27が容易に撓められる。このように、突起部27,28は弾性を有しているので、突起部28と弧状突起55、突起部27と弧状突起54との係止状態が容易に外れ、突起部27,28が弧状突起54,55の端面を乗り越える際に、突起部27,28や弧状突起54,55の端縁が摩擦で削れるのを防止できる。また、突起部27,28が弧状突起54,55を乗り越える際にクリック感が発生するので、カバー50が全閉状態又は全開状態となったことを容易に確認でき、開閉操作の操作性が向上する。
【0029】
さらに弧状突起54の前面は、カバー50が全閉状態から全開状態へ移行するにつれて、突起部27と当接する部位の突出量が増加するように傾斜しているので、全開状態から全閉状態に移行する際に、突起部27が乗り越える弧状突起54の端面の高さが高くなり、カバー50を全開状態に強固に保持できる。また、全閉状態における弧状突起54の突出量は全開状態に比べて少なくなるから、突出量が一定の場合に比べて、全閉状態では突起部27から弧状突起54に加えられるばね力が小さくなり、カバー50を全閉状態から全開状態に回動させ易くなる。
【0030】
同様に、弧状突起55の前面は、カバー50が全開状態から全閉状態へ移行するにつれて、突起部28と当接する部位の突出量が増加するように傾斜しているので、カバー50が全閉状態から全開状態へ移行する際に、突起部28が乗り越える弧状突起55の端面の高さが高くなり、カバーを全閉状態に強固に保持できる。また、全開状態における弧状突起55の突出量は全閉状態に比べて少なくなるから、突出量が一定の場合に比べて、全開状態では突起部28から弧状突起55に加えられるばね力が小さくなり、カバー50を全開状態から全閉状態に回動させ易くなる。
【0031】
ところで、函体10の内部には回路遮断器60,60′や外部からの電線が接続される端子台70が取付金具80を介して取り付けられている。端子台70は絶縁性を有する合成樹脂から形成されており、断面略L字状であって、一方の側片70aには2個の電線接続部71a,71bが長手方向に並べて配設されている。ここで、両側片70a,70bの両端部及び中央部には略三角形状のリブ70eがそれぞれ突設され、側片70aにおける端部及び中央部に設けたリブ70eの間の部位には、長手方向に沿って走る2条のリブ70fが突設されており、2個の電線接続部71a,71bは2条のリブ70fの間に取り付けられている。また、他方の側片70bにおける側片70aと反対側の面には、側片70bに対して略直交する方向に突出する突片70cが突設され、突片70cの端縁略中央には側片70a側に突出する舌片70dが突設されている。
【0032】
電線接続部71a,71bは導電材料から略直方体状に形成されており、電線接続部71a,71bにおける側片70aとの対向面と反対側の面には、電線接続部71a,71bを固定するための電線接続部固定ねじ(以下、固定ねじと言う)93を挿通する挿通孔72が穿設されており、挿通孔72が穿設された部位以外の部位には、複数のねじ穴73が1列に設けられている。また、電線接続部71における側片70bとの対向面と反対側の面には、各ねじ穴73と連通する電線挿通孔74がそれぞれ穿設されている。而して、電線挿通孔74内に回路遮断器60や外部からの電線96を挿通して、対応するねじ穴73の端子ねじ95をねじ込むことにより、電線接続部71に電線が接続される。ここに、端子台70、電線接続部71a,71b及び取付金具80から端子部材が構成されており、函体10内に端子部材を設けることにより、回路遮断器60,60′や外部からの電線を容易に接続することができる。
【0033】
また取付金具80は導電材料から形成されており、側板12にねじ止めされる長尺状の固定片81と、固定片81の短幅方向における一側縁から固定片81と略平行な方向に突出し先端部が鍔片13と対向する2個の挟持片83と、固定片81の一側片における挟持片83が突出する部位以外の部位から固定片81と略直交する方向に突出する3個の保持片82とが連続一体に形成されて、断面略T字状に形成されている。
【0034】
ここで、端子台70の側片70aには、電線接続部71a,71bの挿通孔72,72に夫々連通する連通孔75,75が穿設されている。すなわち、一方の連通孔(第2の挿通孔)75は、取付金具80の保持片82に対応する側片70aの部位に形成されており、この連通孔75に対応する保持片82の部位にはねじ孔(第2のねじ孔)85が設けられている。また、他方の連通孔(第3の挿通孔)75は、側片70aにおける他の保持片82,82に対応する部位以外の部位に形成されている。
【0035】
而して、一方の電線接続部71aは、挿通孔72に挿通した固定ねじ93を端子台70の連通孔75に通し、取付金具80の保持片82に設けたねじ孔85に螺入することにより、端子台70と共に取付金具80に取り付けられ、取付金具80を介して函体10に接地される。この時、取付金具80の挟持片83は、端子台70の側片70bと舌片70dとの間に挿入される。また、他方の電線接続部71bは、挿通孔72に挿通した固定ねじ93を端子台70の連通孔75に挿通して、ナット76に螺入することにより、端子台70に固定される。この時、他方の電線接続部71bは函体10と絶縁されている。ここに、主幹ブレーカである回路遮断器60′の電源側端子66cには函体10内に外部から導入された電源線(図示せず)が接続され、一方の負荷側端子66aは、電線96を介して函体10と絶縁された電線接続部71bに接続される。また、回路遮断器60′の他方の負荷側端子66bは電線97を介して導電バー98に接続されており、導電バー98は分岐ブレーカである各回路遮断器60の電源側端子67aに接続されている。そして、各回路遮断器60の負荷側端子67bと、電線接続部71bの各端子との間に負荷が接続される。また、負荷からのアース線は函体10に接地された電線接続部71aに接続される。なお、函体10の側板12には外部からの電線を函体10内に導入するための電線導入口16がノックアウトにより形成される。
【0036】
ところで、取付金具80の固定片81には各挟持片83の付け根付近にねじ孔(第1のねじ孔)84が2個設けられている。一方、函体10の短幅方向において対向する一対の側板12には、取付金具80のねじ孔84,84に対応する部位にそれぞれ固定ねじ92を挿通するための挿通孔(第1の挿通孔)15,15が一対づつ穿設されている。而して、端子台70及び電線接続部71a,71bを取付金具80に取り付けた後に、函体10の側板12に穿設された挿通孔15,15に固定ねじ92,92を挿入し、取付金具80のねじ孔84,84に螺入することにより、函体10に端子台70、電線接続部71,71及び取付金具80が取り付けられる。尚、本実施形態では、挿通孔15,15を函体10の短幅方向において対向する側板12,12にそれぞれ穿設しているので、図6及び図7に示すように、回路遮断器60,60′の取付位置に対して上下何れの側にも取り付けることができる。
【0037】
この時、図4に示すように、取付金具80の挟持片83は端子台70の側片70bと舌片70dとの間に挿入されており、舌片70dの長さ寸法は、鍔片13と挟持片83の先端との間の間隔よりも長い寸法に形成されているので、舌片70dが鍔片13と挟持片83との間から抜けなくなり、端子台70が外れなくなる。したがって、本実施形態では端子台70を取付金具80にねじ止めしているが、端子台70を取付金具80にねじ止めする必要がなくなり、端子台70の取付作業の手間を少なくできる。
【0038】
尚、固定ねじ92が挿通される挿通孔15は、側板12の表面に設けた凹所12aの底に形成されており、凹所12aの深さ寸法は固定ねじ92の頭の高さ寸法よりも高くなっているので、取付金具80を固定ねじ92によりねじ止めすると、固定ねじ92の頭が凹所12a内に隠れ、側板12の表面から突出しないため、外観の見栄えを良くできる。また、凹所12aを設けることにより、取付金具80の挟持片83と側板12内面との間に隙間ができ、この隙間に端子台70の舌片70dを挿入することができる。
【0039】
【発明の効果】
上述のように、請求項1の発明は、四角形状の底板及び該底板の四周から立設された側板とで構成される一面開口した函体と、該函体の対向する一対の側板に両端部が夫々取り付けられ、中央部が底板側に凹設されると共に、前記一対の側板とは別の一対の側板と対向する中央部の両側縁に沿って回路遮断器を取り付けるための係止部が設けられた保持部材と、略直方体状であって保持部材の中央部と対向する面に前記係止部と係止する被係止部が形成されると共に函体の開口に臨む面に内部に収めた接点装置の開閉操作を行うための操作ハンドルが設けられ、短幅方向に並べて保持部材に取り付けられた1乃至複数の回路遮断器と、函体の開口を塞ぐように函体に取り付けられ、各回路遮断器の操作ハンドルが設けられた部位を少なくとも露出させる窓孔が形成された蓋体とを備え、回路遮断器の並設方向における窓孔の寸法は、並設された1乃至複数の回路遮断器の幅寸法と略等しい寸法に形成されており、1乃至複数の回路遮断器の内、少なくとも1個の回路遮断器を並設方向において位置決めする位置決め手段を保持部材の中央部に設けるとともに、外部から函体内に導入される電線を接続するための端子部材を設け、該端子部材を函体にねじ止めするための固定ねじを挿通する第1の挿通孔を函体の側板に形成し、当該第1の挿通孔が設けられた側板の開口縁に内側に突出する鍔片を設けてあり、前記端子部材が、基部に前記固定ねじと螺合する第1のねじ孔が形成され先端部を前記鍔片と対向させた状態で側板にねじ止めされる挟持片及び挟持片の基部から立設された保持片を有する取付金具と、取付金具の挟持片及び保持片とそれぞれ当接する側片を有する絶縁性材料から形成された端子台と、端子台の両側片によって囲まれる空間に配設され複数の電線が端子ねじでねじ止めされる導電材料から形成された電線接続部とを備え、前記挟持片と対向する端子台の側片先端部から、挟持片と鍔片との間の間隔よりも長い舌片を、側片との間で挟持片を挟むようにして取付金具の基部側に突設したことを特徴とする。このような構成を採用したことによって、位置決め手段により少なくとも1個の回路遮断器が並設方向において位置決めされるから、位置決めされた回路遮断器と並べて他の回路遮断器を並設することにより、各回路遮断器の並設方向における取付位置を位置決めすることができ、且つ、回路遮断器が取り付けられた保持部材は、蓋体が取り付けられた函体に固定されているので、回路遮断器が並設方向において蓋体に設けた窓孔の位置からずれることはなく、回路遮断器の操作ハンドルが設けられた部位と蓋体に設けた窓孔の位置との位置合わせを容易に行うことができ、組立作業性が向上するという効果がある。しかも、固定ねじを用いて函体の側板に取り付けられた端子部材を用いて電線の接続を容易に行うことができ、且つ、端子台の側片と舌片との間に挟持片を差し込んだ状態で取付金具を函体の側板にねじ止めすると、函体の鍔片と挟持片との間に舌片が挟持され、舌片の長さは鍔片と挟持片との間の隙間よりも長くなっているので、端子台が取付金具から外れることはなく、端子台を例えばねじなどで固定する必要がなくなるから、端子台の取付作業を容易に行えるという効果がある。
【0040】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、回路遮断器の並設方向における窓孔の寸法は、所定個数分の回路遮断器の幅寸法と略等しい寸法に形成されており、窓孔に臨む個々の回路遮断器の部位と略同じ寸法にそれぞれ形成され、切り取り可能な状態で蓋体に取り付けられた複数枚の蓋板により前記窓孔が閉塞されたことを特徴とし、配設する回路遮断器の個数に応じた枚数の蓋板を切り取って窓孔を形成することにより、配設する回路遮断器の個数が異なる場合にも容易に対応できるという効果がある。
【0041】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、各回路遮断器毎に、対応する回路遮断器の使用場所をそれぞれ示す表示部を蓋体に設けたことを特徴とし、表示部により回路遮断器の使用場所を容易に把握できるという効果がある。
【0043】
請求項の発明は、請求項の発明において、前記第1の挿通孔は、保持部材が取り付けられる一対の側板とは別の一対の側板にそれぞれ設けられたことを特徴とし、1乃至複数の回路遮断器の並設方向と交差する方向の両側板にそれぞれ第1の挿通孔を設けているので、保持部材に取り付けられた1乃至複数の回路遮断器に対して何れの側にも端子部材を取り付けることができるという効果がある。
【0045】
請求項の発明は、請求項1の発明において、前記第1の挿通孔が形成される側板の部位に内側に突出する凹部を設け、該凹部の深さ寸法を固定ねじの頭の高さ寸法よりも深くしたことを特徴とし、固定ねじを第1の挿通孔に挿通して取付金具に設けられた第1のねじ孔に螺入すると、固定ねじの頭が凹部内に入り込み、側板の表面から突出しないので外観の見栄えを良くでき、且つ、凹部を設けることによって取付金具の挟持片と函体の側板との間に隙間ができるから、この隙間に端子台の舌片を配置できるという効果がある。
【0046】
請求項の発明は、請求項1又は5の発明において、前記函体は導電材料から形成され、取付金具の保持片に第2のねじ孔を設け、該第2のねじ孔に対応する端子台の側片の部位に、前記電線接続部に挿通された電線接続部固定ねじを挿通する第2の挿通孔を形成し、端子台の側片における前記保持片と対向する部位以外の部位に、前記電線接続部に挿通された電線接続部固定ねじを挿通する第3の挿通孔を形成し、該第3の挿通孔に挿通された電線接続部固定ねじと螺合するナットを設けたことを特徴とし、電線接続部に挿通された電線接続部固定ねじを端子台に設けられた第2の挿通孔に挿通して、取付金具に設けられた第2のねじ孔に螺入すれば、取付金具を介して電線接続部を函体に接地することができ、電線接続部に挿通された電線接続部固定ねじを端子台に設けられた第3の挿通孔に挿通して、ナットに螺入すれば、電線接続部と函体とを非導通状態とすることができるという効果がある。
【0047】
請求項の発明は、請求項1乃至6の何れかの発明において、前記窓孔は、前記蓋体の前面に設けられた凹所の底面に形成されており、前記凹所を開閉自在に覆うカバーを備え、カバー又は蓋体の内の一方に軸部を設けると共に、他方に前記軸部を回動自在に軸支する軸受け部を設け、カバー又は蓋体の内の一方に他方に向かって突出する略円弧状の第1の弧状突起を軸部及び軸受け部を中心として突設し、他方にカバーが全閉状態から全開状態に移行するまでの間第1の弧状突起の前面と当接すると共に全開状態において第1の弧状突起の端面と当接する第1の突起部を設けたことを特徴とし、カバーを全開状態まで開けると、第1の突起部は第1の弧状突起の端面と当接し、第1の突起部と第1の弧状突起の端面とが係止状態となるため、カバーを全開状態に保持できる。しかも、第1の突起部及び第1の弧状突起はそれぞれカバー又は蓋体の何れかに設けられているので、別部材を用いることなくカバーを全開状態に保持できるという効果がある。
【0048】
請求項の発明は、請求項の発明において、カバー又は蓋体の内、第1の弧状突起が形成された一方に、他方に向かって突出する略円弧状の第2の弧状突起を軸部及び軸受け部を中心として突設し、他方にカバーが全開状態から全閉状態に移行するまでの間第2の弧状突起の前面と当接すると共に全閉状態において第2の弧状突起の端面と当接する第2の突起部を設けたことを特徴とし、カバーを全閉状態まで閉じると、第2の突起部は第2の弧状突起の端面と当接し、第2の突起部が第2の弧状突起の端面と係止状態となるため、カバーを全閉状態に保持できる。しかも、第2の突起部及び第2の弧状突起はそれぞれカバー又は蓋体の何れかに設けられているので、別部材を用いることなく、カバーを全閉状態に保持できるという効果がある。
【0049】
請求項の発明は、請求項7又は8の発明において、全開状態又は全閉状態の内前記突起部と前記弧状突起の前面が当接する状態から、前記突起部と前記弧状突起の端面が当接する状態へカバーが移行するにつれて、前記突起部と当接する前記弧状突起の部位の突出量を徐々に増加させたことを特徴とし、突起部が弧状突起の端面と当接する状態から、弧状突起の前面と当接する状態へ移行する際に、突起部が乗り越える弧状突起の端面の高さが高くなるので、カバーを全閉状態又は全開状態に強固に保持できる。しかも、弧状突起の突出量が一定の場合に比べて、突起部と弧状突起の前面とが当接している状態では弧状突起の突出量が小さくなるから、突起部と弧状突起とが当接することにより発生する摩擦力が小さくなり、カバーを容易に開閉させることができるという効果がある。
【0050】
請求項10の発明は、請求項7乃至9の何れかの発明において、前記突起部は弾性を有していることを特徴とし、突起部は弾性を有しているので、突起部が弧状突起の端面と当接する状態から、弧状突起の前面と当接する状態へ移行する際に、弧状突起によって突起部が後方に撓められるから、突起部が摩耗するのを低減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の分電盤を下方から見た断面図である。
【図2】同上の分解斜視図である。
【図3】同上を正面から見た図である。
【図4】同上を側方から見た断面図である。
【図5】同上の外観斜視図である。
【図6】同上の蓋体を外した状態を前面側から見た図である。
【図7】同上の蓋体を外した状態を前面側から見た図である。
【図8】同上に用いる端子台の分解斜視図である。
【図9】同上の蓋体の取付部を示す要部分解斜視図である。
【図10】同上の蓋体が開けられた状態を側方から見た要部断面図である。
【図11】同上の蓋体が閉じられた状態を側方から見た要部断面図である。
【図12】同上の蓋体が開けられた状態を下方から見た要部断面図である。
【図13】同上の蓋体が閉じられた状態を下方から見た要部断面図である。
【図14】従来の分電盤の内部配置を示す図である。
【符号の説明】
10 函体
11 底板
20 蓋体
22 窓孔
30 保持部材
31 中央片
32 側片
33 固定片
36 位置決め片
40 DINレール
60,60′ 回路遮断器
65 凹溝

Claims (10)

  1. 四角形状の底板及び該底板の四周から立設された側板とで構成される一面開口した函体と、該函体の対向する一対の側板に両端部が夫々取り付けられ、中央部が底板側に凹設されると共に、前記一対の側板とは別の一対の側板と対向する中央部の両側縁に沿って回路遮断器を取り付けるための係止部が設けられた保持部材と、略直方体状であって保持部材の中央部と対向する面に前記係止部と係止する被係止部が形成されると共に函体の開口に臨む面に内部に収めた接点装置の開閉操作を行うための操作ハンドルが設けられ、短幅方向に並べて保持部材に取り付けられた1乃至複数の回路遮断器と、函体の開口を塞ぐように函体に取り付けられ、各回路遮断器の操作ハンドルが設けられた部位を少なくとも露出させる窓孔が形成された蓋体とを備え、回路遮断器の並設方向における窓孔の寸法は、並設された1乃至複数の回路遮断器の幅寸法と略等しい寸法に形成されており、1乃至複数の回路遮断器の内、少なくとも1個の回路遮断器を並設方向において位置決めする位置決め手段を保持部材の中央部に設けるとともに、外部から函体内に導入される電線を接続するための端子部材を設け、該端子部材を函体にねじ止めするための固定ねじを挿通する第1の挿通孔を函体の側板に形成し、当該第1の挿通孔が設けられた側板の開口縁に内側に突出する鍔片を設けてあり、前記端子部材が、基部に前記固定ねじと螺合する第1のねじ孔が形成され先端部を前記鍔片と対向させた状態で側板にねじ止めされる挟持片及び挟持片の基部から立設された保持片を有する取付金具と、取付金具の挟持片及び保持片とそれぞれ当接する側片を有する絶縁性材料から形成された端子台と、端子台の両側片によって囲まれる空間に配設され複数の電線が端子ねじでねじ止めされる導電材料から形成された電線接続部とを備え、前記挟持片と対向する端子台の側片先端部から、挟持片と鍔片との間の間隔よりも長い舌片を、側片との間で挟持片を挟むようにして取付金具の基部側に突設したことを特徴とする分電盤。
  2. 回路遮断器の並設方向における窓孔の寸法は、所定個数分の回路遮断器の幅寸法と略等しい寸法に形成されており、窓孔に臨む個々の回路遮断器の部位と略同じ寸法にそれぞれ形成され、切り取り可能な状態で蓋体に取り付けられた複数枚の蓋板により前記窓孔が閉塞されたことを特徴とする請求項1記載の分電盤。
  3. 各回路遮断器毎に、対応する回路遮断器の使用場所をそれぞれ示す表示部を蓋体に設けたことを特徴とする請求項1記載の分電盤。
  4. 前記第1の挿通孔は、保持部材が取り付けられる一対の側板とは別の一対の側板にそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項1記載の分電盤。
  5. 前記第1の挿通孔が形成される側板の部位に内側に突出する凹部を設け、該凹部の深さ寸法を固定ねじの頭の高さ寸法よりも深くしたことを特徴とする請求項1記載の分電盤。
  6. 前記函体は導電材料から形成され、取付金具の保持片に第2のねじ孔を設け、該第2のねじ孔に対応する端子台の側片の部位に、前記電線接続部に挿通された電線接続部固定ねじを挿通する第2の挿通孔を形成し、端子台の側片における前記保持片と対向する部位以外の部位に、前記電線接続部に挿通された電線接続部固定ねじを挿通する第3の挿通孔を形成し、該第3の挿通孔に挿通された電線接続部固定ねじと螺合するナットを設けたことを特徴とする請求項1又は5記載の分電盤。
  7. 前記窓孔は、前記蓋体の前面に設けられた凹所の底面に形成されており、前記凹所を開閉自在に覆うカバーを備え、カバー又は蓋体の内の一方に軸部を設けると共に、他方に前記軸部を回動自在に軸支する軸受け部を設け、カバー又は蓋体の内の一方に他方に向かって突出する略円弧状の第1の弧状突起を軸部及び軸受け部を中心として突設し、他方にカバーが全閉状態から全開状態に移行するまでの間第1の弧状突起の前面と当接すると共に全開状態において第1の弧状突起の端面と当接する第1の突起部を設けたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の分電盤。
  8. カバー又は蓋体の内、第1の弧状突起が形成された一方に、他方に向かって突出する略円弧状の第2の弧状突起を軸部及び軸受け部を中心として突設し、他方にカバーが全開状態から全閉状態に移行するまでの間第2の弧状突起の前面と当接すると共 に全閉状態において第2の弧状突起の端面と当接する第2の突起部を設けたことを特徴とする請求項7記載の分電盤。
  9. 全開状態又は全閉状態の内前記突起部と前記弧状突起の前面が当接する状態から、前記突起部と前記弧状突起の端面が当接する状態へカバーが移行するにつれて、前記突起部と当接する前記弧状突起の部位の突出量を徐々に増加させたことを特徴とする請求項7又は8記載の分電盤。
  10. 前記突起部は弾性を有していることを特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載の分電盤。
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