JP2001210393A - 速結端子装置及びこれを備えた分電盤 - Google Patents

速結端子装置及びこれを備えた分電盤

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JP2001210393A JP2000017591A JP2000017591A JP2001210393A JP 2001210393 A JP2001210393 A JP 2001210393A JP 2000017591 A JP2000017591 A JP 2000017591A JP 2000017591 A JP2000017591 A JP 2000017591A JP 2001210393 A JP2001210393 A JP 2001210393A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】部品点数の削減を図り、電線を接続し易くす
る。 【解決手段】電線挿通孔2から挿通された導体50aの
先端部が、端子片25と鎖錠片40a及び接触片40b
との挟持位置を越えて、対向片23の切欠23bを通し
て表示部材30の被押圧部33を押圧すると、表示部材
30は鎖錠片40aによる規制が無くなって内方収納部
3内を後方へ移動し、電線50の接続完了状態を表示す
る。表示部材30の突部34を弾性片35のばね力に抗
して押圧し表示部材30を下方へ移動させると、解錠部
32が段差32aの部分において鎖錠ばね40の鎖錠片
40aを押圧し、鎖錠片40aが導体50aから離れ
て、電線50を容易に引き抜くことができる。そして、
電線50が引き抜かれた後に、表示部材30は鎖錠片4
0aのばね力によって内方収納部3内を前方に移動する
とともに弾性片35のばね付勢力によって上方へ移動
し、復帰位置に復帰する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線器具や開閉器
あるいは分電盤に用いられる速結端子装置及びこれを備
えた分電盤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、配線器具や開閉器(ブレー
カ)あるいは分電盤等への電線の結線作業を容易にした
り、結線状態の均一化を図って結線の信頼性を確保した
りする等の目的で、ねじによらずに結線が可能な所謂速
結端子装置が用いられている。このような速結端子装置
としては、例えば器体に形成された電線挿通孔から電線
を挿通し、器体内に配設された端子板と板ばねよりなる
鎖錠ばねとの間で電線を挟持して、電線を端子板に電気
的に接続するようにしたものがある。
【0003】例えば、特開平5−82182号公報に記
載されている速結端子装置は、鎖錠ばねに表示用ばねを
隣設した鎖錠部と、前記鎖錠ばねに電線挿入隙間を介し
て対向配置した端子板を有するとともに前記端子板に係
止部を設けた端子部と、前記表示用ばねを押圧する方向
に移動自在に配置されて前記表示用ばねを押圧する押圧
部を有するとともに前記表示用ばねを押した状態で前記
係止部に引っ掛かる引掛受け部を持った弾性のラッチ板
を有して前記鎖錠ばねと前記端子板との間に進入させた
電線の先端部に押圧されて前記引掛受け部の引掛けが外
される表示片とを備えている(第1の従来例)。
【0004】また、特開平10−177869号公報に
記載されている速結端子装置は、電線挿通孔とこれに連
通する収納部を有する器体と、収納部内に配設されて電
線挿通孔から挿通された電線導体の周面の一部が接触す
る電線導体接触板と、電線挿通孔から挿通された電線導
体を電線導体接触板に押し付ける状態に鎖錠する鎖錠ば
ねと、この鎖錠ばねを撓める解錠位置および鎖錠ばねを
復帰する復帰位置の間で鎖錠ばねの側面に沿って電線導
体の挿通方向で移動自在に器体に収納された解錠部材と
を備えている(第2の従来例)。
【0005】さらに、特開平10−74543号公報に
記載されている速結端子装置は、器体に設けられた挿通
孔から器体内に差し込まれる電線を端子板の接触片との
間で挟持固定する鎖錠ばねと、器体に回動自在に取り付
けられ、器体外に突出する操作片、鎖錠ばねの鎖錠片を
押圧するための駆動片、電線の先端によって押される駆
動片を具備した解除レバーとを備え、挿通孔に挿通され
る電線導体の先端によって駆動片が押されて解除レバー
が回動して電線導体が端子板の接触片と鎖錠ばねとの間
で挟持されるとともに、一体に形成されたばね部によっ
て復帰位置に付勢されている解除レバーを回転操作する
ことで鎖錠ばねを解錠させるものである(第3の従来
例)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、第1の従来
例においては、鎖錠部を撓めた状態で表示片を保持し、
この状態で電線導体を電線挿通孔に挿通することによ
り、表示片が移動して表示片によって撓められた鎖錠部
を戻して電線導体を接続しているので、予め表示片によ
って鎖錠部を撓めておかなければ電線導体の接続完了表
示ができなかった。従って、予め表示片で鎖錠部を撓め
る作業が煩わしく作業性が劣るという問題を有してい
る。
【0007】また、第2の従来例においては、電線挿通
孔に電線導体を挿通すると、電線導体の先端によって解
錠部材の当接部が押圧されて解錠部材が回転して電線導
体が鎖錠ばねによって電線導体接触板に接続されるので
あるが、この解錠部材を復帰位置へ移動させるために復
帰ばねが必要である。また、解錠作業は解錠部材を押圧
操作することで行われるのであるが、復帰ばねによって
常時解錠部材を復帰位置の方向へ付勢しているため、電
線導体を挿通するときにも復帰ばねによる力が働いて電
線導体が挿通しにくく、このために電線導体が接続しに
くいという問題がある。
【0008】さらに、第3の従来例においては、第2の
従来例のような復帰ばねが不要であり、部品点数が少な
くて済むという利点があるものの、解除レバーに一体に
形成されているばね部により常時解除レバーが復帰位置
に付勢されているため、第1の従来例と同様に電線導体
を挿通孔に挿通する際にもばね部の力が働き、電線導体
が挿通しにくく、このために電線導体が接続しにくいと
いう問題がある。
【0009】本発明は上記問題点の解決を目的とするも
のであり、部品点数の削減が図れるとともに電線が接続
し易い速結端子装置及びこれを備えた分電盤を提供しよ
うとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、電線を内部に挿通させる電線挿
通孔、該電線挿通孔に連通する内方収納部並びに前記電
線挿通孔に対する電線の挿通方向と略直交する方向から
前記内方収納部に連通する操作孔を有する器体と、前記
内方収納部内に納装されて前記電線挿通孔から挿通され
る電線の導体と接触導通する端子板と、前記導体を前記
端子板方向に押圧して前記導体を前記端子板との間で挟
持する鎖錠ばねと、前記導体の先端部によって押圧され
る被押圧部を有して前記電線挿通孔に対する電線挿通方
向に沿って移動自在に前記内方収納部内に配設され、電
線の非接続時には電線の接続未完了状態を表示する復帰
位置に在り、前記電線挿通孔から電線の導体が挿通され
て前記導体の先端部が前記端子板と前記接触ばねとの間
で挟持される挟持位置を越えて前記被押圧部が前記導体
の先端部に押圧されると導体の接続完了状態を表示する
接続完了位置まで前記内方収納部内を電線の挿通向きに
移動する表示部材とを備え、前記表示部材を前記操作孔
の連通方向に沿って移動自在に内方収納部内に配設し、
前記操作孔から挿通される治具により押圧操作して前記
接続完了位置に在る前記表示部材を前記治具の挿通向き
に移動させたときに前記鎖錠ばねの導体を押圧する部位
を撓ませて鎖錠ばねと導体とを開離させる解錠部を、少
なくとも前記復帰位置において鎖錠ばねを撓ませないよ
うに前記表示部材に設けたことを特徴とし、表示部材の
位置によって電線の接続状態を容易に判別することがで
きるとともに、表示部材を操作孔を通して押圧操作すれ
ば、表示部材に設けた解錠部によって鎖錠ばねを解錠し
て電線を簡単に抜くことができる。また、電線を抜くと
導体によって撓められていた鎖錠ばねが元の状態に復帰
し、その際に解錠部が鎖錠ばねに押圧されることで表示
部材が接続完了位置から復帰位置まで移動するので、従
来のように復帰ばねのような部品を使わずに鎖錠ばねに
よって表示部材を復帰位置に戻すことができ、部品手数
の削減が図れる。しかも、表示部材が復帰位置に在ると
きには解錠部が鎖錠ばねを撓ませることがないから、電
線が接続し易いだけでなく、従来例のように鎖錠ばねの
ばね力が経時的に低下する虞が少なくなる。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記復帰位置に在る表示部材を視認不可能とし且つ
接続完了位置に在る表示部材の少なくとも一部を外部か
ら視認可能とする表示孔を前記器体に設けたことを特徴
とし、表示孔を通して表示部材の少なくとも一部が視認
可能か否かによって電線の接続未完了状態と接続完了状
態との判別が容易に行える。
【0012】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明
において、前記表示部材を操作孔に近付く向きに付勢す
る付勢手段を備えたことを特徴とし、電線の接続完了状
態において鎖錠ばねが撓んでも付勢手段によって付勢さ
れているために表示部材が内方収納部内を鎖錠ばねの方
に移動することがなく、見栄えを良くすることができ
る。
【0013】請求項4の発明は、請求項1又は2又は3
の発明において、前記器体の外側に開口して電線の被覆
を含む外径よりも大きい径を有する大径部と、前記内方
収納部側に開口して前記被覆を含む外径よりも小さく且
つ前記導体の外径よりも大きい径を有する小径部とで前
記電線挿通孔を構成し、電線の挿通方向に略直交する方
向から前記大径部に連通する確認孔を前記器体に設けた
ことを特徴とし、電線の被覆を剥いて露出した導体を電
線挿通孔に挿通したとき、表示部材が接続完了位置に移
動した状態で確認孔を通して電線の被覆が視認できれば
被覆の剥き量が適切であると判断でき、反対に確認孔を
通して電線の被覆が視認できなければ被覆の剥き量が多
過ぎると判断できるから、被覆の剥き量を適切な量とし
電線挿通孔の外に電線の導体が露出することを防いで絶
縁性を向上させることができる。
【0014】請求項5の発明は、請求項1〜4の何れか
の発明において、前記電線挿通孔の周縁から電線の挿通
方向に略沿って前記器体の外側に突出して電線を電線挿
通孔に案内するガイド部を設けたことを特徴とし、ガイ
ド部によって器体の操作孔の側からでも電線挿通孔の位
置を容易に知ることができ、電線の挿通作業が容易にな
る。
【0015】請求項6の発明は、請求項5の発明におい
て、前記ガイド部の器体からの突出量を、導体の前記接
続完了状態における当該導体の鎖錠ばねとの接触位置か
ら前記被押圧部に当接する先端までの距離よりも大きく
したことを特徴とし、ガイド部が所謂ストリップゲージ
の役割を果たし、ガイド部の長さに合わせて電線の被覆
を剥けば導体を適切な量だけ露出させることができるか
ら、電線の導体を確実に端子板と接続させることができ
る。
【0016】請求項7の発明は、前面が開口し底面に外
部からの電線を引き込む電線引込孔を有して内部に開閉
器などの内器が配設される箱体と、該箱体の前面開口を
塞ぐ蓋体と、前記箱体内に収納されて前記電線引込孔か
ら引き込まれた電線が接続される請求項1〜6の何れか
に記載の速結端子装置とを備え、前記電線引込孔の電線
引込方向と直交する方向に前記電線挿通孔の電線挿通方
向を略一致させるとともに該電線挿通孔を前記電線引込
孔側に配置し、且つ前記操作孔を箱体の開口側に向けて
前記速結端子装置を箱体内に配設したことを特徴とし、
電線引込孔から箱体の内部に引き込んだ電線を略直角に
折り曲げて速結端子装置の電線挿通孔に挿通して接続す
ることができ、分電盤における結線作業が容易になる。
また、速結端子装置の操作孔を箱体の開口側に向けてい
るから、電線の解錠作業が容易に行える。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0018】図1に本実施形態の速結端子装置Aの分解
斜視図を示し、図2に外観斜視図を示す。この速結端子
装置Aは、電線50を内部に挿通させる複数の電線挿通
孔2、各電線挿通孔2に連通する内方収納部3並びに各
電線挿通孔2に対する電線50の挿通方向と略直交する
方向から内方収納部3に連通する複数の操作孔4を有す
る器体1と、内方収納部3内に納装されて電線挿通孔2
から挿通される電線50の導体50aと接触導通する端
子板20と、導体50aを端子板20方向に押圧して導
体50aを端子板20との間で挟持する鎖錠ばね40
と、導体50aの先端部によって押圧される被押圧部3
3を有して電線挿通孔2に対する電線挿通方向に沿って
移動自在に内方収納部3内に配設され、電線50の非接
続時には電線50の接続未完了状態を表示する復帰位置
に在り、電線挿通孔2から電線50の導体50aが挿通
されて導体50aの先端部が端子板20と接触ばね40
との間で挟持される挟持位置を越えて被押圧部33が導
体50aの先端部に押圧されると導体50aの接続完了
状態を表示する接続完了位置まで内方収納部3内を電線
50の挿通向きに移動する表示部材30とを備えてい
る。
【0019】器体1は、絶縁性を有する合成樹脂により
下面が開口する略箱形に形成されたボディ1aと、同じ
く絶縁性を有する合成樹脂により帯板状に形成されたベ
ース1bとで構成される。ボディ1aの前面には4つの
電線挿通孔2が長手方向に沿って列設され、ボディ1a
の上面略中央にはボディ1aとベース1bを組み立てる
ための組立ねじ60を挿通する組立ねじ挿通孔5が設け
られ、この組立ねじ挿通孔5を挟んでボディ1aの長手
方向に沿う直線上に夫々操作孔4が2つずつ列設されて
おり、さらにボディ1a上面における背面側端部には内
方収納部3に連通する4つの表示孔6が各々操作孔4に
対してボディ1aの長手方向と直交する方向(以下、
「短幅方向」という)に隣接して設けられている。ま
た、ボディ1aの前面と上面との間には傾斜面が形成さ
れており、この傾斜面には後述する確認孔7が長手方向
に沿って4つ列設されている。さらに、ボディ1a前面
における各電線挿通孔2の下側周縁には略半環状のガイ
ド部8が突設されている。
【0020】ベース1bの上面略中央には組立ねじ60
が挿通される挿通孔9aを有したボス9が立設されてお
り、ベース1bの上面側にボディ1aを結合した状態
で、ボディ1aの組立ねじ挿通孔5並びにボス9の挿通
孔9aに挿通された組立ねじ60にベース1bの下面側
でナット61を締め付けることにより、ボディ1aとベ
ース1bが固定されて器体1が組み立てられる。ここ
で、ベース1b上面の前面側端部にはボディ1a開口側
の角部に嵌合してベース1bに対するボディ1aの位置
決めを行う位置決め突起10が突設されている。また、
ベース1bの長手方向両端部には端子ねじ26を螺着す
る矩形のナット62が嵌入される凹所11が夫々設けて
あり、各凹所11の底面にはナット62のねじ孔と連通
する孔11aが設けてある。
【0021】端子板20は、細長の矩形状であって略中
央にベース1bのボス9が挿通されるボス挿通孔21a
が穿孔されるとともに長手方向に沿った両端部に端子ね
じ26が挿通される挿通孔21bが穿孔された主片21
と、主片21の長手方向に沿った一端縁より略直角に曲
げ起こされた側片22と、側片22先端縁の長手方向略
中央から主片21と対向するように略L字形に突出され
た対向片23とが、金属板のような導電部材によって一
体に形成されている。
【0022】対向片23の長手方向略中央にはベース1
bのボス9が挿通されるボス挿通孔23aが穿孔される
とともに先端側に開口する矩形のスリット241〜244
がボス挿通孔23aの長手方向に沿った左右両側に各々
4つずつ形成されている。また、対向片23の折曲部位
には4つの切欠23bが長手方向に列設してある。
【0023】表示部材30は絶縁性を有する合成樹脂に
より2個が一体に形成されており、個々の表示部材30
は、矩形平板状の主部31と、主部31の長手方向に沿
った一端側の両端縁から下方に垂設されるとともに互い
に対向する内側面下部に外向きの段差32aを有した矩
形板状の一対の解錠部32と、主部31の長手方向に沿
った他端側中央から下方に垂設されて上記切欠23bと
対向する被押圧部33と、主部31上面の前方端部から
長手方向に沿って突設され主部31よりも長手方向の寸
法が短い突部34と、主部31の前面側端部から長手方
向に沿った一方の側面に沿って下方へ垂設された略S字
形の弾性片35とを備え、主部31の前面側端部から長
手方向に沿った他方の側面より側方へ突設された連結片
36によって2つの表示部材30が一体に連結されてい
る。
【0024】上述のように構成される表示部材30は、
図3(a)及び図4(a)に示すように端子板20の対
向片23に形成されている各スリット241〜244にそ
れぞれ解錠部32を上方から挿通するとともに被押圧部
33を各切欠23bに挿通するようにして対向片23の
上面側に載置される。ここで、解錠部32の前後方向に
おける幅寸法はスリット241〜244の長さ寸法よりも
短くしてあるから、表示部材30はスリット241〜2
4に沿って前後方向に摺動自在となっている。また、
各表示部材30の弾性片35の下端部が対向片23の上
面に当接しており、弾性片35の撓みによって表示部材
30が上下方向に移動自在となっている。ここで、2つ
のスリット241と242及び243と244間にあって各
表示部材30の解錠部32,32に挟まれる部位は、後
述するように電線50の導体50aと端子板20とを接
触導通させる部位となるから、以後のこの部位を端子片
25と呼ぶ。
【0025】そして、図3(a)及び図4(a)に示す
ように表示部材30の解錠部32,32並びに端子板2
0の主片21と端子片25とに囲まれた空間にそれぞれ
鎖錠ばね40が配置される。鎖錠ばね40は、弾性を有
する導電材料の帯板の両端部を曲成して中央片40cの
両端部に鎖錠片40a及び接触片40bが形成されてい
る。鎖錠片40aは電線挿通孔2側に位置する中央片4
0cとの連結部位から先端縁に向かって(すなわち、電
線の挿通向きに)、端子板20の端子片25に近づく向
きに傾斜し、接触片40bは略S字形に曲成されてい
る。また、中央片40cは略平板状に形成されていて端
子片25と対向する端子板20の主片21に当接する。
【0026】次に本実施形態の速結端子装置Aの組立手
順を簡単に説明する。まず、ボス9を主片21の挿通孔
21a及び対向片23のボス挿通孔23aに挿通して端
子板20をベース1bの上面に載置し、主片21の両端
部に設けた挿通孔21b,21bに挿通した端子ねじ2
6,26をナット62,62に螺合し締め付けることで
端子板20をベース1bに固定する。それから、対向片
23の各スリット24 1〜244にそれぞれ解錠部32を
上方から挿通するとともに被押圧部33を各切欠23b
に挿通するようにして対向片23の上面側に表示部材3
0を載置する。そして、表示部材30の解錠部32,3
2並びに端子板20の主片21と端子片25とに囲まれ
た空間に、それぞれ接触片40bの方から鎖錠ばね40
を挿入して配置する。最後に端子板20、表示部材30
並びに鎖錠ばね40を内方収納部3内に収めるようにベ
ース1bの上面にボディ1aを被せ、ボディ1aの組立
ねじ挿通孔5並びにボス9の挿通孔9aに挿通された組
立ねじ60にベース1bの下面側でナット61を締め付
けてボディ1aとベース1bを固定することで速結端子
装置Aが組み立てられる。なお、ボディ1aの長手方向
に対向する両側面の下端部には端子板20の主片21並
びに側片22と嵌合する嵌合溝12が形成されており、
ボディ1aとベース1bを結合して器体1を組み立てれ
ば、図2に示すように嵌合溝12が端子板20の主片2
1及び側片22に嵌合し、端子ねじ26が設けられた端
子板20の両端部がボディ1aの外に露出することにな
る。
【0027】ここで、電線50の非接続時には、図3
(a)に示すように鎖錠ばね40の鎖錠片40aが解錠
部32の段差32aと対向しており、鎖錠片40aによ
って表示部材30が内方収納部3内の前側の位置から後
方(図3における右方)への移動を規制されており、表
示部材30の被押圧部33が対向片23の切欠23b内
に収まっているために、器体1の上面に設けた表示孔6
からは表示部材30を視認することができず、表示部材
30は電線50の接続未完了状態を表示している。した
がって、表示部材30が表示孔6を通して外部から視認
不可能なことから、作業者は電線50の非接続状態を容
易に判別することができる。なお、このように表示部材
30が電線50の接続未完了状態を表示する位置を復帰
位置と呼ぶ。
【0028】次に、電線50を接続する場合には、図3
(a)〜(c)並びに図4(a)〜(c)に示すよう
に、器体1前面に設けられた電線挿通孔2から電線50
を挿通すると、鎖錠ばね40の鎖錠片40a及び接触片
40bと、端子板20の端子片25との間に、電線50
の被覆50bが剥かれた導体50aが挟持され、鎖錠片
40aの先端縁が導体50aに食い込むことによって、
電線50の脱落が防止されるようになっている。したが
って、電線挿通孔2に電線50を挿入するだけで、電線
50が保持されるとともに、端子板20への電気的接続
がなされるのである。なお、電線挿通孔2の周縁にガイ
ド部8が設けてあるから、ガイド部8によって器体1の
操作孔4が開口する側(上面側)からでも電線挿通孔2
の位置を容易に知ることができ、電線50の接続作業が
容易になるものである。
【0029】ここで、図3(b)及び図4(b)に示す
ように電線挿通孔2から挿通された導体50aの先端部
が、端子片25と鎖錠片40a及び接触片40bとの挟
持位置を越えて、対向片23の切欠23bを通して表示
部材30の被押圧部33を押圧すると、表示部材30は
鎖錠片40aによる規制が無くなって内方収納部3内を
後方(図4における左方)へ移動する。この時、表示部
材30の被押圧部33の上部が器体1の表示孔6の位置
まで移動するので、表示孔6を通して外部から表示部材
30が視認可能となって電線50の接続完了状態を表示
する。したがって、作業者は表示部材30が視認可能な
ことから、電線50が接続されたことを容易に確認する
ことができる。而して、表示孔6を通して表示部材30
が視認可能か否か、すなわち「0」か「1」かのデジタ
ル的な表示によって電線50の接続完了状態と接続未完
了状態との識別が容易に行える。なお、表示部材30は
付勢手段たる弾性片35によって上方(操作孔4に近付
く向き)に付勢されているから、電線50の接続完了状
態において鎖錠ばね40が撓んでも内方収納部3内を下
方(鎖錠ばね40に近付く向き)に移動することがな
く、操作孔4と表示部材30との位置関係が変化しない
ことから外観上の見栄えを良くすることができる。
【0030】次に、接続されている電線50を外す場合
は、図3(c)及び図4(c)に示すように、作業者が
ドライバなどの工具70を器体1上面の操作孔4から挿
通し、表示部材30の突部34を弾性片35のばね力に
抗して押圧し表示部材30を下方へ移動させると、表示
部材30の解錠部32が段差32aの部分において鎖錠
ばね40の鎖錠片40aを押圧し、鎖錠片40aを電線
50の導体50aから引き離す向きに撓ませるので、鎖
錠片40aが導体50aから離れて、電線50を容易に
引き抜くことができる。そして、電線50が引き抜かれ
た後に、作業者が操作孔4から工具70を抜くと、表示
部材30は鎖錠片40aのばね力によって内方収納部3
内を前方に移動するとともに弾性片35のばね付勢力に
よって上方へ移動し、図3(a)及び図4(a)に示す
ように復帰位置に復帰し、表示孔6を通して表示部材3
0が視認不可能となって電線50の接続未完了状態を表
示する。
【0031】而して、本実施形態では鎖錠ばね40によ
って表示部材30を復帰位置に戻すことができるから、
従来のように復帰ばねのような部品が不要となって部品
手数の削減が図れる。しかも、表示部材30が復帰位置
に在るときには解錠部32が鎖錠ばね40を撓ませるこ
とがないから、電線50が接続し易いだけでなく、従来
例のように鎖錠ばね40のばね力が経時的に低下する虞
が少なくなるという利点がある。
【0032】ところで、本実施形態においては、器体1
の外側に開口して電線50の被覆50bを含む外径より
も大きい径を有する大径部2aと、内方収納部3側に開
口して被覆50bを含む外径よりも小さく且つ導体50
aの外径よりも大きい径を有する小径部2bとで電線挿
通孔2を構成するとともに、電線50の挿通方向に略直
交する方向から大径部2aに連通する確認孔7を器体1
(ボディ1a)に設けてある。すなわち、電線50の被
覆50bを剥いて露出した導体50aを電線挿通孔2に
挿通したとき、図3(b)に示すように表示部材30が
接続完了位置に移動した状態で確認孔7を通して電線5
0の被覆50bが視認できれば被覆50bの剥き量が適
切であると判断でき、反対に確認孔7を通して電線50
の被覆50bが視認できなければ被覆50bの剥き量が
多過ぎると判断できる。したがって、電線50の被覆5
0bを徐々に剥いて繰り返し接続することにより、被覆
50bの剥き量を適切な量とし電線挿通孔2の外に電線
50の導体50aが露出することを防いで絶縁性を向上
させることができる。
【0033】また、図5に示すように電線挿通孔2の周
縁に形成したガイド部8の器体1(ボディ1a)からの
突出量を、導体50aの接続完了状態における導体50
aの鎖錠ばね40との接触位置から被押圧部33に当接
する先端までの距離xよりも大きくすれば、ガイド部8
が所謂ストリップゲージの役割を果たし、ガイド部8の
長さに合わせて電線50の被覆50bを剥けば導体50
aを適切な量だけ露出させることができ、電線50の導
体50aを確実に端子板20と接続させることができ
る。
【0034】ところで、本発明の技術思想は開閉器(ブ
レーカ)や配線器具あるいは分電盤などに適用可能であ
るが、以下では本実施形態の速結端子装置Aを備えた分
電盤について説明する。
【0035】図6は分電盤の側面断面図を示しており、
前面が開口し底面に外部からの電線を引き込む電線引込
孔83を有して内部に主幹開閉器(図示せず)並びに複
数の分岐開閉器82などの内器が配設される箱体80
と、箱体80の前面開口を開閉自在に塞ぐ蓋体81と、
箱体80内に収納されて電線引込孔から引き込まれた電
線が接続される速結端子装置Aとを備えている。
【0036】ここに、分岐開閉器82は箱体80内にお
いて上下2列に配設され、各列には複数台が並設され
る。これらの上下2列間には3つの導電バー84,8
5,86が分岐開閉器82の並設方向に延長するように
配置される。なお、上列の分岐開閉器82は上側に出力
端子が位置し、下列の分岐開閉器82は下側に出力端子
が位置する。
【0037】ところで、主幹開閉器及び複数の分岐開閉
器82が配設される取付部材は、箱体80に取り付けら
れる。この取付部材は、両側縁が上方向に折り曲げられ
た鉄板からなり箱体80内で上下に間隔をあけて横方向
に並行配設される2つの基台87,87と、これら基台
87,87間に橋絡するように配設される鉄板製の取付
ベース(図示せず)と、基台87,87間の間隙に対応
するように凹ませた取付ベースの中央凹部内に配設され
る樹脂製の導電バー用取付ベース(図示せず)と、この
導電バー用取付ベースの上と基台87上に被るように夫
々配置された取付ベースの側片とに亙るように配設され
る分岐開閉器固定用の樹脂製の固定ベース88と、基台
87,87の一端部に側端部が固定されて側方に配置さ
れる鉄板製の主幹開閉器用固定ベースとから成る。
【0038】また、各導電バー用取付ベースの一端側に
は夫々中性極Nの導電バー84を支持するための支持ポ
ストを一体突設してある。導電バー84は、両端部に形
成した取付片に穿設した挿通孔を介して固定ねじを支持
ポストの上端部の凹部に収納固定されるナット(図示せ
ず)に締結することで支持ポスト間に橋絡配置される。
また支持ポスト間を結ぶ中央部の両側の平面部がL1,
L2の電圧極の導電バー85,86を配置する配置部位
となり、これらの配置部位の側方の上面には固定ベース
88を支持するピンを所定間隔で両端方向に一体立設し
てある。
【0039】また支持ポスト間には導電バー85,86
から一体に延長形成された一対の脚片95,96ごとに
分離する分離壁と、脚片95,96の基部を沿わせるリ
ブとを突設してある。導電バー85,86は固定ベース
88が配設される前に、導電バー用取付ベース上の夫々
の配置部位に配置固定される。
【0040】導電バー85,86は同一形状に形成され
ており、対称配置されるようになっているもので、両端
には固定ねじを挿通する挿通孔が設けられ、固定ねじを
挿通孔を介して、導電バー用取付ベースの凹部内に配置
されるナット(図示せず)に締結することで固持される
ようになっている。固定ベース88は導電バー85,8
6を導電バー用取付ベースに配設した後に導電バー用取
付ベースと取付ベースの側片上に亙るよう配設される。
この際固定ベース88の裏面より突出形成している係止
爪を側片に形成している係止孔に挿入係止して固定ベー
ス88は固定される。
【0041】分岐開閉器82は以上のように構成される
第1取付部材が箱体80に取り付けられた状態において
固定ベース88上に固定配設されるのである。
【0042】また、箱体80の底板80aの中央部には
四角形状(矩形状)に開口した電線引込孔83が形成さ
れている。また、底板80aには左右2個ずつの取付部
たる支持台89,89が前方に突設されている。上側に
位置する各支持台89の周囲にはそれぞれ断面L字状で
あって矩形領域の角部をなすように配列されたガイド壁
85が形成され、下側に位置する各支持台89の周囲に
はそれぞれ断面L字状であって矩形領域の角部をなすよ
うに配列されたガイド壁(図示せず)が形成されてい
る。上側の支持台89には下方に隣接して底板80aか
らの突出寸法が支持台89よりもやや大きい抜け止めボ
ス90が形成されている。また、下側の支持台89の周
囲に設けたガイド壁の前端側には下半分程度の受け片が
連続一体に形成されている。ここに、底板80aから受
け片までの距離は底板80aから支持台89の先端面ま
での距離よりもやや大きく設定されている。
【0043】また、底板80aにおける電線引込孔83
の周縁には全周にわたって前方に突出するリブ91が形
成されており、このリブ91によって電線引込孔83の
周部が補強されている。
【0044】箱体80に形成した一方の支持台89に
は、各基台87,87の一端部が載置されるとともに、
支持台89,89に螺入される取付ねじを用いて箱体8
0に固定される。
【0045】ところで、速結端子装置Aは、電線引込孔
83近傍のリブ91の外側に設けた取付部92に対し
て、電線引込孔83の電線引込方向(箱体80の底板8
0aに直交する方向)と直交する方向に電線挿通孔2の
電線挿通方向を略一致させるとともに電線挿通孔2を電
線引込孔83側に配置し、且つ操作孔4を箱体80の開
口側に向けて取り付けられている。そして、速結端子装
置Aの端子板20と各分岐開閉器82の出力端子とが導
電部材によって電気的に接続される。
【0046】そして、電線引込孔83から箱体80の内
部に引き込んだ電線を略直角に折り曲げて速結端子装置
Aの電線挿通孔2に挿通して接続することができ、分電
盤における結線作業が容易になるものである。また、速
結端子装置Aの操作孔4を箱体80の開口側に向けてい
るから、電線の解錠作業が容易に行えるという利点があ
る。
【0047】
【発明の効果】請求項1の発明は、電線を内部に挿通さ
せる電線挿通孔、該電線挿通孔に連通する内方収納部並
びに前記電線挿通孔に対する電線の挿通方向と略直交す
る方向から前記内方収納部に連通する操作孔を有する器
体と、前記内方収納部内に納装されて前記電線挿通孔か
ら挿通される電線の導体と接触導通する端子板と、前記
導体を前記端子板方向に押圧して前記導体を前記端子板
との間で挟持する鎖錠ばねと、前記導体の先端部によっ
て押圧される被押圧部を有して前記電線挿通孔に対する
電線挿通方向に沿って移動自在に前記内方収納部内に配
設され、電線の非接続時には電線の接続未完了状態を表
示する復帰位置に在り、前記電線挿通孔から電線の導体
が挿通されて前記導体の先端部が前記端子板と前記接触
ばねとの間で挟持される挟持位置を越えて前記被押圧部
が前記導体の先端部に押圧されると導体の接続完了状態
を表示する接続完了位置まで前記内方収納部内を電線の
挿通向きに移動する表示部材とを備え、前記表示部材を
前記操作孔の連通方向に沿って移動自在に内方収納部内
に配設し、前記操作孔から挿通される治具により押圧操
作して前記接続完了位置に在る前記表示部材を前記治具
の挿通向きに移動させたときに前記鎖錠ばねの導体を押
圧する部位を撓ませて鎖錠ばねと導体とを開離させる解
錠部を、少なくとも前記復帰位置において鎖錠ばねを撓
ませないように前記表示部材に設けたので、表示部材の
位置によって電線の接続状態を容易に判別することがで
きるとともに、表示部材を操作孔を通して押圧操作すれ
ば、表示部材に設けた解錠部によって鎖錠ばねを解錠し
て電線を簡単に抜くことができる。また、電線を抜くと
導体によって撓められていた鎖錠ばねが元の状態に復帰
し、その際に解錠部が鎖錠ばねに押圧されることで表示
部材が接続完了位置から復帰位置まで移動するので、従
来のように復帰ばねのような部品を使わずに鎖錠ばねに
よって表示部材を復帰位置に戻すことができ、部品手数
の削減が図れる。しかも、表示部材が復帰位置に在ると
きには解錠部が鎖錠ばねを撓ませることがないから、電
線が接続し易いだけでなく、従来例のように鎖錠ばねの
ばね力が経時的に低下する虞が少なくなる。
【0048】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記復帰位置に在る表示部材を視認不可能とし且つ
接続完了位置に在る表示部材の少なくとも一部を外部か
ら視認可能とする表示孔を前記器体に設けたので、表示
孔を通して表示部材の少なくとも一部が視認可能か否か
によって電線の接続未完了状態と接続完了状態との判別
が容易に行える。
【0049】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明
において、前記表示部材を操作孔に近付く向きに付勢す
る付勢手段を備えたので、電線の接続完了状態において
鎖錠ばねが撓んでも付勢手段によって付勢されているた
めに表示部材が内方収納部内を鎖錠ばねの方に移動する
ことがなく、見栄えを良くすることができる。
【0050】請求項4の発明は、請求項1又は2又は3
の発明において、前記器体の外側に開口して電線の被覆
を含む外径よりも大きい径を有する大径部と、前記内方
収納部側に開口して前記被覆を含む外径よりも小さく且
つ前記導体の外径よりも大きい径を有する小径部とで前
記電線挿通孔を構成し、電線の挿通方向に略直交する方
向から前記大径部に連通する確認孔を前記器体に設けた
ので、電線の被覆を剥いて露出した導体を電線挿通孔に
挿通したとき、表示部材が接続完了位置に移動した状態
で確認孔を通して電線の被覆が視認できれば被覆の剥き
量が適切であると判断でき、反対に確認孔を通して電線
の被覆が視認できなければ被覆の剥き量が多過ぎると判
断できるから、被覆の剥き量を適切な量とし電線挿通孔
の外に電線の導体が露出することを防いで絶縁性を向上
させることができる。
【0051】請求項5の発明は、請求項1〜4の何れか
の発明において、前記電線挿通孔の周縁から電線の挿通
方向に略沿って前記器体の外側に突出して電線を電線挿
通孔に案内するガイド部を設けたので、ガイド部によっ
て器体の操作孔の側からでも電線挿通孔の位置を容易に
知ることができ、電線の挿通作業が容易になる。
【0052】請求項6の発明は、請求項5の発明におい
て、前記ガイド部の器体からの突出量を、導体の前記接
続完了状態における当該導体の鎖錠ばねとの接触位置か
ら前記被押圧部に当接する先端までの距離よりも大きく
したので、ガイド部が所謂ストリップゲージの役割を果
たし、ガイド部の長さに合わせて電線の被覆を剥けば導
体を適切な量だけ露出させることができるから、電線の
導体を確実に端子板と接続させることができる。
【0053】請求項7の発明は、前面が開口し底面に外
部からの電線を引き込む電線引込孔を有して内部に開閉
器などの内器が配設される箱体と、該箱体の前面開口を
塞ぐ蓋体と、前記箱体内に収納されて前記電線引込孔か
ら引き込まれた電線が接続される請求項1〜6の何れか
に記載の速結端子装置とを備え、前記電線引込孔の電線
引込方向と直交する方向に前記電線挿通孔の電線挿通方
向を略一致させるとともに該電線挿通孔を前記電線引込
孔側に配置し、且つ前記操作孔を箱体の開口側に向けて
前記速結端子装置を箱体内に配設したので、電線引込孔
から箱体の内部に引き込んだ電線を略直角に折り曲げて
速結端子装置の電線挿通孔に挿通して接続することがで
き、分電盤における結線作業が容易になる。また、速結
端子装置の操作孔を箱体の開口側に向けているから、電
線の解錠作業が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の速結端子装置を示す分解斜視図であ
る。
【図2】同上の速結端子装置の外観斜視図である。
【図3】(a)〜(c)は同上の動作説明図である。
【図4】(a)〜(c)は同上の動作説明図である。
【図5】(a)〜(c)は同上の他の構成における動作
説明図である。
【図6】同上の速結端子装置を備えた分電盤を示す側断
面図である。
【符号の説明】
1 器体 2 電線挿通孔 3 内方収納部 4 操作孔 20 端子板 25 端子片 30 表示部材 32 解錠部 33 被押圧部 40 鎖錠ばね 40a 鎖錠片 40b 接触片

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電線を内部に挿通させる電線挿通孔、該
    電線挿通孔に連通する内方収納部並びに前記電線挿通孔
    に対する電線の挿通方向と略直交する方向から前記内方
    収納部に連通する操作孔を有する器体と、前記内方収納
    部内に納装されて前記電線挿通孔から挿通される電線の
    導体と接触導通する端子板と、前記導体を前記端子板方
    向に押圧して前記導体を前記端子板との間で挟持する鎖
    錠ばねと、前記導体の先端部によって押圧される被押圧
    部を有して前記電線挿通孔に対する電線挿通方向に沿っ
    て移動自在に前記内方収納部内に配設され、電線の非接
    続時には電線の接続未完了状態を表示する復帰位置に在
    り、前記電線挿通孔から電線の導体が挿通されて前記導
    体の先端部が前記端子板と前記接触ばねとの間で挟持さ
    れる挟持位置を越えて前記被押圧部が前記導体の先端部
    に押圧されると導体の接続完了状態を表示する接続完了
    位置まで前記内方収納部内を電線の挿通向きに移動する
    表示部材とを備え、前記表示部材を前記操作孔の連通方
    向に沿って移動自在に内方収納部内に配設し、前記操作
    孔から挿通される治具により押圧操作して前記接続完了
    位置に在る前記表示部材を前記治具の挿通向きに移動さ
    せたときに前記鎖錠ばねの導体を押圧する部位を撓ませ
    て鎖錠ばねと導体とを開離させる解錠部を、少なくとも
    前記復帰位置において鎖錠ばねを撓ませないように前記
    表示部材に設けたことを特徴とする速結端子装置。
  2. 【請求項2】 前記復帰位置に在る表示部材を視認不可
    能とし且つ接続完了位置に在る表示部材の少なくとも一
    部を外部から視認可能とする表示孔を前記器体に設けた
    ことを特徴とする請求項1記載の速結端子装置。
  3. 【請求項3】 前記表示部材を操作孔に近付く向きに付
    勢する付勢手段を備えたことを特徴とする請求項1又は
    2記載の速結端子装置。
  4. 【請求項4】 前記器体の外側に開口して電線の被覆を
    含む外径よりも大きい径を有する大径部と、前記内方収
    納部側に開口して前記被覆を含む外径よりも小さく且つ
    前記導体の外径よりも大きい径を有する小径部とで前記
    電線挿通孔を構成し、電線の挿通方向に略直交する方向
    から前記大径部に連通する確認孔を前記器体に設けたこ
    とを特徴とする請求項1又は2又は3記載の速結端子装
    置。
  5. 【請求項5】 前記電線挿通孔の周縁から電線の挿通方
    向に略沿って前記器体の外側に突出して電線を電線挿通
    孔に案内するガイド部を設けたことを特徴とする請求項
    1〜4の何れかに記載の速結端子装置。
  6. 【請求項6】 前記ガイド部の器体からの突出量を、導
    体の前記接続完了状態における当該導体の鎖錠ばねとの
    接触位置から前記被押圧部に当接する先端までの距離よ
    りも大きくしたことを特徴とする請求項5記載の速結端
    子装置。
  7. 【請求項7】 前面が開口し底面に外部からの電線を引
    き込む電線引込孔を有して内部に開閉器などの内器が配
    設される箱体と、該箱体の前面開口を塞ぐ蓋体と、前記
    箱体内に収納されて前記電線引込孔から引き込まれた電
    線が接続される請求項1〜6の何れかに記載の速結端子
    装置とを備え、前記電線引込孔の電線引込方向と直交す
    る方向に前記電線挿通孔の電線挿通方向を略一致させる
    とともに該電線挿通孔を前記電線引込孔側に配置し、且
    つ前記操作孔を箱体の開口側に向けて前記速結端子装置
    を箱体内に配設したことを特徴とする分電盤。
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