【発明の詳細な説明】
粘着付与剤及び粘着付与剤を得る方法発明の分野
本発明は、粘着付与剤樹脂として有用な合成樹脂、これらの樹脂を製造する方
法、これらの樹脂を含む接着剤組成物、及びそのような接着剤組成物を使用する
製品に関する。発明の背景
粘着付与剤樹脂は典型的には相溶性のための低い数平均分子量(Mn)と強度
のための高いガラス転移温度(Tg)を有する。粘着付与剤樹脂を高分子量のエ
ラストマー又はベースポリマーとブレンドすると、一般に、接着剤及びシーラン
トの用途において特に望ましいブレンドが得られる。種々のベースポリマーの粘
着(tack)及び接着(adhesive)特性は、ベースポリマーを粘着付与剤樹脂と組み合
わせてブレンドされていないベースポリマーよりも低い数平均分子量とより高い
ガラス転移温度(Tg)を有するブレンドを製造することによってかなり改善す
ることができる。粘着付与剤は、石油樹脂及びポリテルペン類のように炭素と水
素のみを含むように合成することができ、或いはクマロン−インデン類のように
酸素も含むことができ、或いはロジンエステルのように天然産の物質から回収す
ることができる。
粘着付与剤は、種々の供給原料、典型的には、オレフィン、ジオレフィン、脂
肪族、芳香族、又はそれらの混合物の重合によって製造された典型的には低分子
量の炭化水素樹脂である。典型的な重合系はカルボカチオン及び熱重合である。
粘着付与剤樹脂のカルボカチオン重合は、米国特許第3,966,690号に
開示されているように、典型的にはフリ−デルークラフツ触媒を使用して脂肪族
及び/又は芳香族モノマーを重合する。典型的脂肪族モノマーはC5〜C6パラフ
ィン、オレフィン、及びジオレフィンである。典型的芳香族モノマーはアルキル
化ベンゼン又は少なくとも1つのビニル不飽和を含むより高級な芳香族である。
しかしながら、フリーデル−クラフツ法に起因する高い触媒のモノマーに対する
比率と組み合わされた低い触媒活性水準のために、この方法は樹脂を精製するた
め
の追加の処理工程を必要とする。これらの追加の処理工程はアルミナ廃水(alumi
nous waste water)及び塩素化有機副生成物をもたらし、これらは全体的な製造
コストにおいて高い割合を占める。さらに、フリ−デルークラフツ法によって製
造された樹脂は典型的には2より大きい比較的高いガードナ−色度値をもたらす
。より薄い色が多くの商業的用途において望ましい。従って、樹脂の色を減少さ
せるために、使用の前に水素添加のようなコストのかかる処理がさらに必要とさ
れる。
粘着付与剤の熱重合は、典型的には、シクロペンタジエン及び/又はジシクロ
ペンタジエン誘導体、及び所望によりC4〜C5非環状共役ジエン及び/又は少な
くとも1つの重合可能な基を含むアルキル芳香族モノマーのディールス−アルダ
ー反応である。熱重合は触媒なしで起こり、従って、アルミナ水及び塩素化副生
成物に付随するコストを省く。しかしながら、熱重合によって製造された粘着付
与剤樹脂は高度の不飽和を有し、これは典型的には5より大きいガードナー色度
をもたらす。従って、多くの商業的要件を満足するためには、樹脂の色を減少さ
せるための追加のコストのかかる処理工程が必要である。粘着付与剤として有用
な従来的炭化水素樹脂についてのさらなる背景については、Kirk-0thmerEncyclo
pedia of Chemical Technology,4thed.,1995,vol.13,pp.717-743を参照の
こと。
これまで、有用な粘着付与剤は一般に配位触媒を使用しては製造されていなか
った。従来的チーグラー−ナッタ重合触媒のような配位触媒は、一般に粘着付与
剤の用途において必要とされる低いMnと高いTgの両方を有するポリマーを製
造するためには使用されていなかった。有機アルミニウム助触媒を使用するチタ
ニウムに基づく触媒系はエチレンと環状オレフィンを共重合させることが知られ
ている。しかしながら、これらのチタニウムに基づく方法は、コモノマーの組み
込みが非効率的であることと、広い分子量分布を有するコポリマーをもたらす環
状オレフィンの開環重合のような副反応が存在するという欠点を有している。有
機アルミニウム助触媒を使用するバナジウムに基づく触媒系はチタニウムと比較
して改善されたコモノマーの組み込みを提供するが、重合活性が一般的に非常に
低いために、これらのタイプの触媒は典型的には商業的に使用されない。
米国特許第5,059,487号には、ビニル芳香族化合物/共役ジエンコポ
リマー、脂環式炭化水素樹脂粘着付与剤、及びエチレンと環状オレフィンのラン
ダム環状コポリマーを含むホットメルト接着剤が開示されている。環状コポリマ
ーは高温性能を改善するために添加され、接着剤の粘度を増加させるので限られ
た量でしか接着剤に添加できないので、環状コポリマーは粘着付与剤ではない。
米国特許第5,003,019号には、環状オレフィンとアルファ−オレフィ
ンのコポリマーを製造するためにアルモキサン活性剤を使用するメタロセン触媒
系の使用が開示されているが、高いMnの熱可塑性プラスチックしか示されてい
ない。欧州特許公開公報第0504418号には、非常に高いか又は非常に低い
Tgを有する環状オレフィンのホモポリマー及びコポリマーを製造するためのメ
タロセン配位触媒系が開示されているが、典型的な粘着付与剤の用途にはほとん
ど価値のないホモポリマーか又は高いMnのコポリマーしか示されていない。
従って、望ましい低いMnと高いTgを有し、さらに良好な色を有するという
長所を提供する新規な粘着付与剤に対する要望が存在する。さらに、追加のコス
トのかかる処理工程を必要とせずに色の薄い粘着付与剤樹脂を製造することに対
する要望が存在する。アルミナ廃水及び塩素化有機副生成物を最小化する製造方
法も望ましい。発明の概要
本発明は、粘着付与剤として有用な新規な炭化水素樹脂、これらの樹脂の製造
方法、これらの樹脂を含む接着剤組成物、及びそのような接着剤を含む製品に関
する。本発明の好ましい新規な粘着付与剤樹脂は、少なくとも1種のアルファ−
オレフィン、少なくとも1種の環状オレフィン、及び少なくとも1種の芳香族基
含有モノマーのポリマーである。これらの改善された粘着付与剤を製造するため
の好ましい方法は、アルファ−オレフィンモノマー、環状モノマー、及び芳香族
基含有モノマーを、アルモキサン又は非配位性アニオン活性剤のような活性剤と
組み合わされたシクロペンタジエニル遷移金属化合物又はその誘導体のような配
位触媒系の存在下に重合させることを含む。重合後、環状オレフィンモノマー
の環状構造と芳香族基含有モノマーの芳香族構造は実質的にそっくりそのまま残
る。発明の詳細な説明 粘着付与剤の製造方法
本発明の炭化水素樹脂は、配位−挿入(coordination-insertion)触媒を使用
して少なくとも1種のアルファ−オレフィン、少なくとも1種の環状オレフィン
、及び少なくとも1種の芳香族基含有モノマーを重合して製造される。製造され
る粘着付与剤は、少なくとも1種のアルファ−オレフィン、少なくとも1種の環
状オレフィン、及び少なくとも1種の芳香族基含有モノマーの重合反応生成物で
ある炭化水素樹脂であって、環状オレフィンモノマーの環状構造と芳香族基含有
モノマーの芳香族構造が残っているものである。モノマー
本発明の方法によって粘着付与剤を製造するために重合できる好ましいアルフ
ァ−オレフィンには、エチレン及び線状又は枝分かれC3〜C20アルファ−オレ
フィンの1種以上、好ましくはエチレン又はC3〜C8アルファ−オレフィン、よ
り好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテ
ン、3−メチル−1−ペンテン、3,5,5−トリメチル−1−ヘキセン、及び
1−オクテン、さらに好ましくはプロピレン又は1−ブテンが含まれる。本明細
書及び添付の請求の範囲中において、「アルファ−オレフィン」の定義には、炭
素原子の範囲が特に特定されていない限りは、エチレンも含まれる。1つの態様
において、アルファ−オレフィンは、アルファ−オレフィンモノマーがオレフィ
ン性不飽和又は芳香族構造を有する環状部分を含まないように十分に飽和された
環状構造を含むことができる。好ましいアルファ−オレフィンはモノ−オレフィ
ンである。
本発明の方法によって粘着付与剤を製造するために重合できる好ましい環状オ
レフインは30個までの炭素原子を含み、環状構造中において少なくとも1つの
オレフィン性不飽和を有する少なくとも1つの環状構造を含み、そして芳香族構
造を含まない。一般に、全ての環状オレフィンは本発明の方法においてアルファ
−オレフィン及び芳香族基含有モノマーと共に重合することができる。好ましい
環状オレフィンには、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン、ノルボルネ
ン、エチリデンノルボルネン、エチレンノルボルネン、ビニルノルボルネン、メ
チルノルボルネン、エチルノルボルネン、メチルシクロペンタジエン、テトラシ
クロデセン、メチルテトラシクロデセンなど、又はそれらの置換誘導体が含まれ
るが、これらに限定されるものではない。水素原子の置換のための典型的部分は
、線状又は枝分かれアルキル基を含むC1〜C10ヒドロカルビル基である。好ま
しい環状オレフィンはモノ−オレフィン又は非共役ジエンである。共役ジエンを
含む環状オレフィンは粘着付与剤中において1重量%未満の量で存在するのが好
ましい。好ましい実施態様において、本発明において使用すべき環状オレフィン
モノマーは、環状オレフィンの二量体又は三量体であって、二量体又は三量体が
少なくとも1つの重合可能なオレフィン性不飽和を含むものである。もう1つの
好ましい実施態様において、環状オレフィンは2種類の異なるモノマーの共二量
体(co-dimer)であって、共二量体が少なくとも1つの重合可能なオレフィン性不
飽和を含むものである。好ましい共二量体の1つのタイプは、シクロペンタジエ
ン及び脂環式オレフィン又はピペリレン又はイソプレンのようなジオレフィンか
ら調製される。好ましい環状オレフィンは、フーリエ変換赤外分光分析(FTI
R)、核磁気共鳴(NMR)、又は類似の方法によって測定して検出可能な開環
を生じることなく、実質的に挿入重合(insertion polymerization)によってメタ
ロセン触媒の存在下に重合する環化されたエチレン性不飽和を含む。例えば、ポ
リノルボルネンに対するプロトン化学シフト割り合て(chemicalshift assignme
nts)は公知である。本発明のノルボルネン含有粘着付与剤のプロトン核磁気共
鳴スペクトルにおける5.3及び5.5ppm付近及び2.4〜3.0ppmの範囲内
における十分に定義された共振ピークの顕著な不存在は、開環生成物が全く又は
ほとんど形成しなかったことを示す。従って、不飽和が存在する環の構造はポリ
マー主鎖にそのまま組み入れられるか又は追加される。
1つの実施態様において、環状オレフィンは、以下の式1〜3に示されている
ように1つの重合可能な二重結合を含む:式中、RaからRsまでの各々は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、
又はハロヒドロカルビルであり、好ましくは水素又はヒドロカルビルであり;a
c及びdcは2以上の整数であり、そしてbc及びccは独立して0以上の整数
であり、好ましくは0、1、又は2である。好ましいヒドロカルビル及びハロヒ
ドロカルビルは、線状、環状、又は枝分かれでよく、好ましくは線状又は枝分
かれであり、そして1乃至30個の炭素原子、より好ましくは1乃至4個の炭素
原子を含む。好ましい線状又は枝分かれヒドロカルビル、又はアルキル、はオレ
フィン性不飽和を含まない。
式1に従う好ましいモノ環状オレフィンは4乃至12個の炭素原子、より好ま
しくは5乃至10個の炭素原子を有する。式1に従う特定の代表的環状オレフィ
ンは以下の通りである:シクロブテン、シクロペンテン、3−メチルシクロペン
テン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3,5−
ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、シクロヘキセン、3−メ
チルシクロヘキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロヘキ
セン、3−クロロシクロヘキセン、シクロヘプテン、及びシクロドデセン。
式2に従う特定の代表的環状オレフィンは以下の通りである:
ノルボルネン、
5−メチル−2−ノルボルネン、
5,6−ジメチル−2−ノルボルネン、
1−メチル−2−ノルボルネン、
5−エチル−2−ノルボルネン、
5−n−ブチル−2−ノルボルネン、
5−イソブチル−2−ノルボルネン、
7−メチル−2−ノルボルネン、
テトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン、
2−メチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン、
2−エチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン、
2−プロピルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン、
2−ヘキシルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン、
2−ステアリルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン、
2,3−ジメチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン
、
2−メチル−3−エチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ド
デセン、
2−クロロテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン、
2−ブロモテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン、
2,3−ジクロロテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン
、
2−シクロヘキシルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセ
ン、
2−n−ブチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン、
2−イソブチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン、
5,10−ジメチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセ
ン、
2,10−ジメチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセ
ン、
11,12−ジメチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデ
セン、
2,7,9−トリメチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ド
デセン、
9−エチル−2,7−ジメチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−
3−ドデセン、
9−イソブチル−2,7−ジメチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10
)−3−ドデセン、
9,11,12−トリメチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3
−ドデセン、
9−エチル−11,12−ジメチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10
)−3−ドデセン、
9−イソブチル−11,12−ジメチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17 ,10
)−3−ドデセン、
5,8,9,10−テトラメチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)
−3−ドデセン、
8−メチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン、
8−エチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン、
8−プロピルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン、
8−ヘキシルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン、
8−ステアリルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン、
8,9−ジメチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン
、
8−メチル−9−エチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ド
デセン、
8−クロロテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン、
8−ブロモテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン、
8−フルオロテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン、
8,9−ジクロロテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン
、
8−シクロヘキシルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセ
ン、
8−イソブチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン、
8−ブチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン、
8−エチリデンテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン、
8−エチリデン−9−メチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3
−ドデセン、
8−エチリデン−9−エチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3
−ドデセン、
8−エチリデン−9−イソプロピルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10
)−3−ドデセン、
8−エチリデン−9−ブチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3
−ドデセン、
8−n−プロピリデンテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデ
セン、
8−n−プロピリデン−9−メチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10
)−3−ドデセン、
8−n−プロピリデン−9−エチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10
)−3−ドデセン、
8−n−プロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ(4.4.0.12.5
17,10)−3−ドデセン、
8−n−プロピリデン−9−ブチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10
)−3−ドデセン、
8−イソプロピリデンテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデ
セン、
8−イソプロピリデン−9−メチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10
)−3−ドデセン、
8−イソプロピリデン−9−エチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10
)−3−ドデセン、
8−イソプロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ(4.4.0.117,10
)−3−ドデセン、
8−イソプロピリデン−9−ブチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10
)−3−ドデセン、
ヘキサシクロ(6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14)−4−ヘプタデ
セン、
12−メチルヘキサシクロ(6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14)−4
−ヘプタデセン、
12−エチルヘキサシクロ(6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14)−4
−ヘプタデセン、
12−イソブチルヘキサシクロ(6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14
)−4−ヘプタデセン、
1,6,10−トリメチル−12−イソブチルヘキサシクロ(6.6.1.13, 6
.110,13.02,7.09,14)−4−ヘプタデセン、
オクタシクロ(8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012.17
)−5−ドコセン、
15−メチルオクタシクロ(8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03.8
.012.17)−5−ドコセン、及び
15−エチルオクタシクロ(8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03.8
.012.17)−5−ドコセン。
式3に従う特定の代表的環状オレフィンは以下の通りである:
トリシクロ(4.3.0.12,5)−3−デセン、
2−メチルトリシクロ(4.3.0.12,5)−3−デセン、
5−メチルトリシクロ(4.3.0.12,5)−3−デセン、
トリシクロ(4.4.0.12,5)−3−ウンデセン、
10−メチルトリシクロ(4.4.0.12,5)−3−ウンデセン、
ペンタシクロ(6.5.1.13,6.02,7.09,13)−4−ペンタデセン、
ペンタシクロ(4.7.0.12’5.08,13.19,12)−3−ペンタデセン、
メチル置換ペンタシクロ(4.7.0.12,5.08,13.19,12)−3−ペンタ
デセン、
1,3−ジメチルペンタシクロ(6.5.1.13,6.02,7.09,13)−4−ペ
ンタデセン、
1,6−ジメチルペンタシクロ(6.5.1.13,6.02,7.09,13)−4−ペ
ンタデセン、
14,15−ジメチルペンタシクロ(6.5.1.13,6.02,7.09,13)−4
−ペンタデセン、
ペンタシクロ(6.6.1.13,6.02,7.09,14)−4−ヘキサデセン、
1,3−ジメチルペンタシクロ(6.6.1.13,6.02,7.091,4)−4−ヘ
キサデセン、
1,6−ジメチルペンタシクロ(6.6.1.13,6.02,7.09,14)−4−ヘ
キサデセン、
15,16−ジメチルペンタシクロ(6.6.1.13,6.02,7.09,14)−4
−ヘキサデセン、
ヘプタシクロ(8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16)−5−
エイコセン、
ヘプタシクロ(7.8.0.13,6.02.7.110,17.011,16.112,13)−4
−エイコセン、
ヘプタシクロ(8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17)−5−
ヘネイコセン、及び
ノナシクロ(9.10.1.14.7.03.8.02.1.012.21.113.20014,19.
015,18)−5−ペンタコセン。
もう1つの実施態様において、適する環状オレフィンは、重合可能な環化され
た炭素−炭素二重結合を有する環式又は多環式の非共役ジエン及びトリエンを含
む。環状オレフィンが環状のジエン又はトリエンである場合、得られるコポリマ
ーは側鎖状の環化された二重結合を含むことができ、これは官能化、水素添加、
又はその他の反応に対して可能性のある部位である。そのようなシクロポリエン
の特定の代表的な例は以下の通りである:エチレンノルボルネン、5−ビニル−
2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン
、トリシクロペンタジエン、4−メチルシクロ−1,4−オクタジエン、4−メ
チル−5−プロピルシクロ−1,4−オクタジエン、5−メチルシクロペンタジ
エン、4−メチル−5−エチルジシクロペンタジエン、5−イソプロピルジシク
ロペンタジエン、1,5,9−シクロドデカトリエン、2−メチル−2,5−ノ
ルボルナジエン、5−メチル−2,5−ノルボルナジエン、2−プロピル−2,
5−ノルボルナジエン、3−ヘプチル−2,5−ノルボルナジエン、2−エチル
−3−プロピル−2,5−ノルボルナジエン、2−(1′,5′−ジメチルヘキ
セン−4−イル)−2,5−ノルボルナジエン、2−エチルビシクロ(2.2.
2)−2,5−オクタジエン、2−メチル−3−エチルビシクロ(2.2.2)
−2,5−オクタジエン、2−ヘキシルビシクロ(2.2.2)−2,5−オク
タジエン、2−(1′,5′−ジメチルヘキセニル−4)ビシクロ(2.2.2
)−2,5−オクタジエン、1−イソプロピリデンビシクロ(4.4.0)−2
,6−デカジエン、3−エチレンビシクロ(3.2.0)−2,6−ヘプタジエ
ン、3−メチルビシクロ(3.3.0)−2,6−オクタジエン、ぺンタシクロ
(6.5.1.13,6.02,7.09,13)−4,10−ぺンタドカジエン、3−メ
チル−4,7,8,9−テトラヒドロインデン、6−メチル−4,7,8,9−
テトラヒドロインデン、及び2−プロピル−4,7,8,9−テトラヒドロイン
デン。
2以上の構造異性体を有するジシクロペンタジエン又は類似の環状オレフィン
又はシクロポリエンは、エンド−形態(endo-form)、エキソ−形態(exo-form)、
又はそれらの混合物から重合することができる。もう1つの好ましい実施態様に
おいては、エキソ−異性体は優先的にそしてより容易に組み込まれるので、エキ
ソ−異性体のコモノマーはエンド−異性体よりも好ましい。従って、より容易な
組み込みは広範囲な組成を可能にし、これによって広範囲の調整可能な特性を有
する粘着付与剤樹脂が得られる。この融通性は、様々な接着剤の組成又は用途に
合わせて粘着付与剤を設計できるようになる点で望ましい。
芳香族基含有モノマー供給物は、適する芳香族基含有モノマーの1つ又は混合
物でよい。本発明の方法によって粘着付与剤を製造するために重合できる好まし
い芳香族基含有モノマーは30個までの炭素原子を含む。適する芳香族基含有モ
ノマーは少なくとも1つの芳香族構造を有し、好ましくは1乃至3個の芳香族構
造を有し、より好ましくはフェニル、インデニル、フルオレニル、又はナフチル
部分を含む。芳香族基含有モノマーは、重合後に芳香族構造が主鎖から側鎖状に
なるように、少なくとも1つの重合可能な二重結合をさらに含む。好ましい芳香
族基含有モノマーは、重合可能なオレフィン性部分に結合した少なくとも1つの
芳香族構造を含む。重合可能なオレフィン性部分は、線状、枝分かれ、環含有構
造、又はこれらの構造の混合でよい。重合可能なオレフィン性部分が環状構造を
含む場合、その環状構造と芳香族構造は0、1、又は2個の炭素を分け合うこと
ができる。重合可能なオレフィン性部分及び/又は芳香族基は、水素原子の1つ
から全てが、1乃至4個の炭素原子を含む線状又は枝分かれアルキル基で置換さ
れてもよい。
1つの実施態様において、芳香族基含有コモノマーは以下の式4及び5から選
択される:
式中、RaからRjの各々は独立して水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、又はハロ
ヒドロカルビルであり、好ましくは水素又はヒドロカルビルであり;Ra (又
はRb)はRhに直接的に結合してもよく;ecは0乃至30の整数であり、fc
及びgcは独立して0、1、又は2の整数である。好ましいヒドロカルビル及び
ハロヒドロカルビルは線状、環状、又は枝分かれでよく、1乃至30個の炭素原
子、好ましくは1乃至10個の炭素原子、より好ましくは1乃至4個の炭素原子
を含む。
式4に従う適する芳香族コモノマーは、スチレン、アルファ−メチルスチレン
、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、アリルベンゼン、及びインデンを含む。
好ましい芳香族コモノマーはスチレン及びアリルベンゼンである。
式5に従う適する芳香族コモノマーは、シクロペンタジエン又は置換シクロぺ
ンタジエンと式4によって与えられる芳香族コモノマーの少なくとも1つとのデ
ィールス−アルダー反応によって製造することができ、5−フェニル−2−ノル
ボルネン、5−メチル−5−フェニル−2−ノルボルネン、5−ベンジル−2−
ノルボルネン、5−トルイル−2−ノルボルネン、5−ナフチル−2−ノルボル
ネン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、及び5
−アントラシル−2−ノルボルネンを含む。
上述の芳香族基含有モノマーはエンド−形態、エキソ−形態、又はそれらの混
合物でよかった。式5に従う好ましい芳香族コモノマーは、5−フェニル−2−
ノルボルネン、5−メチル−5−フェニル−2−ノルボルネン、5−トルイル−
2−ノルボルネン、及び1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフ
ルオレンである。フェニルテトラシクロドデセンのようなその他の芳香族コモノ
マーは、上述の芳香族モノマーと追加モル当量のシクロペンタジエンモノマーと
のディールス−アルダー反応によって調製することができる。触媒系
本発明の好ましい触媒系は、例えば、典型的には式:
{[(LP)mM(Aq)n]+k}h[B′-j]i
に由来する嵩高な配位子の遷移金属錯体であり、式中、LはMに結合した嵩高な
配位子であり、pはLのアニオン性電荷であり、mはL配位子の数であり、そし
てmは1、2、又は3であり;AはMに結合した配位子であり、M−A結合の間
にオレフィンを挿入できるものであり、qはAのアニオン性電荷であり、nはA
配位子の数であり、そしてnは1、2、3、又は4であり、Mは金属、好ましく
は遷移金属であり、そして(pxm)+(qxn)+kは金属中心の形式酸化状
態に相当し;ここでkはカチオン上の電荷であり、kは1、2、3、又は4であ
り、B′は、好ましくは4オングストローム以上の分子直径を有する、化学的に
安定で非求核性のアニオン性錯体であり、jはB′上のアニオン性電荷であり、
hは電荷kのカチオンの数であり、そしてiはhXk=jXiとなるような電荷
jのアニオンの数である。
任意の2つのL及び/又はA配位子はお互いに架橋してもよい。触媒化合物は
2つ以上の配位子Lを有する完全にサンドウィッチ型の化合物でよく、配位子L
はシクロペンタジエニル配位子又は置換されたシクロペンタジエニル配位子でよ
い。或いは、触媒化合物は1つの配位子Lを有する半サンドウィッチ型の化合物
でよく、配位子Lはシクロペンタジエニル配位子又はヘテロ原子置換されたシク
ロペンタジエニル配位子又はヒドロカルビル置換されたシクロペンタジエニル配
位子、例えば、インデニル配位子、べンゾインデニル配位子、又はフルオレニル
配位子など、又は遷移金属原子にη5結合することができるその他の配位子で
よい。そのようなシクロペンタジエニル配位子は典型的には5員環を含み、各々
の構成要素が炭素であるが、第14族又は第15族の任意の元素が環の炭素原子
の1つ以上を置換してもよい。これらの嵩高な配位子の1つ以上が遷移金属原子
にπ−結合する。各々のLは同じか又は異なっていてもよい置換基の組み合わせ
によって置換されていてもよい。置換基の例には、水素又は1乃至30個の炭素
原子を有する線状、枝分かれ、又は環状のアルキル、アルケニル、又はアリール
基、或いはそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。置換基も
、水素又は1乃至30個の炭素原子を有する線状、枝分かれ、又は環状のアルキ
ル、アルケニル、又はアリール基で置換されていてもよい。Lは、また、嵩高な
アミド、ホスフィド、アルコキシド、アリールオキシド、イミド、カルボリド(c
arbolides)、ボロリド(borollides)、ポルフィリン(porphyrins)、フタロシアニ
ン、コリン、及びその他のポリアゾマクロ環式化合物を含むその他のタイプの嵩
高な配位子(但し、これらに限定されない)でもよい。金属原子は第4、5、又
は6族遷移金属、又はランタニド及びアクチニド系列からの金属でよく、第4族
の遷移金属が好ましい。アミン、ホスフィン、エーテルなどのような(但し、こ
れらに限定されない)弱い塩基のような脱離基(leaving group)などのその他の
配位子も遷移金属に結合できる。遷移金属に加えて、これらの配位子は所望によ
りA又はLにも結合することができる。触媒成分及び触媒系の例は例えば、米国
特許第4,530,914号、第4,871,705号、第4,937,299号、第5,124,418号、第5,017,
714号、第5,120,867号、第5,278,264号、第5,278,119号、第5,304,614号、第5,3
24,800号、第5,347,025号、第5,350,723号、第5,198,401号、第5,384,299号、第
5,391,790号、及び第5,391,789号(但し、これらに限定されない)に記載されて
いる。これらは全て引用によって本明細書中に組み入れられている。また、欧州
特許公開公報第0 591 756号、第0 520 732号、第0 420 436号、PCT国際公開W
0 91/04257、WO 92/00333、WO 93/08221、WO 93/08199、及びWO94/01471も引用
によって完全に本明細書中に組み入れられている。
1つの実施態様において、本発明の活性化された触媒は、一般式:
(Lp)mM(Aq)n(Er)o
によって表される触媒化合物[式中、L、M、A、及びp、m、q、及びnは上
で定義した通りであり、Eはヒドロカルビル、水素、ハリド、シリル、又はその
他のアニオン性配位子のような(但し、これらに限定されない)アニオン性脱離
基であり;rはEのアニオン性電荷であり、oはE配位子の数であり、そしてo
は(p×m)+(q×n)+(r×o)が金属中心の形式酸化状態に等しくなる
ような1、2、3、又は4の数である]、及びアルキルアルミニウム、アルモキ
サン、改質されたアルモキサン、又はその他の酸素含有有機金属化合物、又は非
配位性イオン性活性剤(non-coordinating ionic activators)、又はそれらの組
み合わせから形成される。
もう1つの実施態様において、本発明の触媒成分は、モノシクロペンタジエニ
ルヘテロ原子含有化合物を含む。このヘテロ原子は、アルモキサン、改質された
アルモキサン、非配位性イオン性活性剤、ルイス酸、又はそれらの組み合わせの
いずれかによって活性化され、活性な重合触媒系を形成する。これらの種類の触
媒系は、例えば、PCT国際公開WO 92/00333、WO 94/07928、WO 91/04257、WO9
4/03506、米国特許第5,057,475号、第5,096,867号、第5,055,438号、第5,227,44
0号、及び第5,264,405号、及び欧州特許公開公報第0 420 436号に記載されてお
り、これらは引用によって完全に本明細書中に組み入れられている。さらに、メ
タロセン触媒及び触媒系が米国特許第5,064,802号、第5,145,819号、第5,149,81
9号、第5,243,001号、第5,239,022号、第5,276,208号、第5,296,434号、第5,321
,106号、第5,329,031号、第5,304,614号、PCT国際公開WO93/08221、WO93/081
99、WO95/07140、及び欧州特許公開公報第0 578 838号、第0 638595号に記載さ
れているメタロセン触媒及び触媒系であるのも本発明の範囲内である。これらは
引用によって本明細書中に組み入れられている。
本発明の触媒の好ましい遷移金属成分は、第4族のものであり、特に、チタニ
ウム、ジルコニウム、及びハフニウムである。遷移金属は任意の形式酸化状態で
よく、好ましくは+2、+3、又は+4或いはそれらの混合であり、+4が好ま
しい。
もう1つの実施態様において、触媒成分は式(I):
(C5H5-d-f R″d)eR′′′fMQg-e
の1つによって表され、式中、Mは第4、5、6族遷移金属であり、少なくとも
1つの(C5H5-d-fR″d)はMに結合した未置換又は置換されたシクロペンタ
ジエニル配位子であり、各R″は、同じでも異なっていてもよく、水素又は1乃
至30個の炭素原子を有する置換又は未置換のヒドロカルビル、又はそれらの組
み合わせであり、或いは2つ以上の炭素原子が一緒になって4乃至30個の炭素
原子を有する置換又は未置換の環又は環系の一部を形成し、R′′′は、2つの
(C5H5-d-fR″d)環を架橋するか又は1つの(C5H5-d-fR″d)環とMを架
橋する、炭素、ゲルマニウム、珪素、燐、又は窒素原子の1つ以上又はそれらの
組み合わせを含む基であり;各Qは、同じでも異なっていてもよく、ヒドリド、
1乃至30個の炭素原子を有する置換又は未置換のヒドロカルビル、ハロゲン、
アルコキシド、アリールオキシド、アミド、ホスフィド、又はその他の1価のア
ニオン性配位子、又はそれらの組み合わせであり;2つのQはアルキリデン配位
子又はシクロ金属化ヒドロカルビル配位子又は1乃至30個の炭素原子を有する
その他の2価のアニオン性キレート化配位子でもよく、ここでgはMの形式酸化
状態に相当する整数であり、dは0、1、2、3、4、又は5であり、fはO又
は1であり、そしてeは1、2、又は3である。
本発明の好ましい実施態様において触媒成分は式(II):
によって表され、式中、MはTi、Zr、又はHfであり;(C5H5-y-xRx)
は、0乃至5個の置換基Rで置換されたシクロペンタジエニル環であり、xは置
換の程度を意味する0,1、2、3、4、又は5の数であり、各置換基Rは、独
立して、C1−C20のヒドロカルビル基、置換されたC1−C20のヒドロカルビル
基であって、1つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されているもの、メタロ
イドが元素周期表の第14族から選ばれるC1−C20ヒドロカルビル置換メタロイ
ド基、及びハロゲン基から成る群から選択される基であり;或いは
(C5H5-y-xRx)は、2つの隣接したR基が一緒になってC4〜C20環を形成し
、インデニル、テトラヒドロインデニル、フルオレニル、又はオクタヒドロフル
オレニルのような飽和又は不飽和の多環式シクロペンタジエニル配位子を与える
シクロペンタジエニル環であり;
(JR′z-1-y)はヘテロ原子配位子であって、Jは元素の周期表の第15族か
らの3の配位数を有する元素又は第16族からの2の配位数を有する元素、好まし
くは、窒素、燐、酸素又は硫黄であり、好ましくは窒素であり、各R′は独立し
て、C1−C20のヒドロカルビル基であって、1つ以上の水素原子がハロゲン原
子によって置換されているものから成る群から選ばれる基であり、yは0又は1
であり、そしてzは元素Jの配位数であり;
各Qは、独立して、ハロゲン、ヒドリド、又は置換又は未置換のC1−C30の
ヒドロカルビル、アルコキシド、アリールオキシド、アミド、又はホスフィドの
ような1価のアニオン性配位子でよいが、ただし、2つQはアルキリデン、環状
金属化ヒドロカルビル又はその他の2価のアニオン性キレート配位子でもよく;
Aは第15族又は第14族の元素を含有する共有結合の架橋基であって、ジアルキ
ル、アルキルアリール又はジアリール珪素又はゲルマニウム基、アルキル又はア
リールホスフィン又はアミン基、又はメチレン、エチレン等のヒドロカルビル基
のようなものであるが、それらに限定されず;
L′はジエチルエーテル、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラヒドロ
フラン、ジメチルアニリン、アニリン、トリメチルホスフィン、n-ブチルアミ
ン等のようなルイス塩基であり;wは0乃至3の数である。L′は、また、R、
R′、又はQのいずれかに結合してもよい。
本明細書及び添付の請求の範囲中において、上述の遷移金属化合物又は触媒成
分の全ては一般に「メタロセン」と呼ばれる。「メタロセン触媒系」は、少なく
とも1種のシクロペンタジエニル遷移金属化合物と少なくとも1種の活性剤との
組み合わせを意味する。
好ましいメタロセン触媒系は第4族及び第5族遷移金属化合物に基づくもので
あり、好ましくはチタニウム、ジルコニウム、又はハフニウム化合物に基づくも
のである。チタニウムは、1つの置換又は未置換のシクロペンタジエニル配位子
を含むメタロセン用に特に好ましい。ジルコニウムは、1つより多くの置換又は
未置換のシクロペンタジエニル配位子を含むメタロセン用に特に好ましい。メタ
ロセン触媒系において好ましい配位子の構造は、シクロペンタジエニル、インデ
ニル、テトラヒドロインデニル、フルオレニル、及びアミド配位子を含む。特に
好ましいメタロセン触媒は以下の配位子構造の組み合わせを有する:未架橋のビ
スシクロペンタジエニル;ケイ素架橋ビスインデニル;ケイ素架橋シクロペンタ
ジエニルアミド;炭素架橋シクロペンタジエニルフルオレニル;炭素架橋ビスシ
クロペンタジエニル;及び炭素架橋シクロペンタジエニルインデニル。これらの
群の触媒の各々の非限定的な例を以下に示す:
ジメチルビス(1−メチル−3−n−ブチルーシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウム;
ジメチルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム;
rac−ジメチルジメチルシラニルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウ
ム;
ジメチルジメチルシラニルビス(インデニル)ハフニウム;
ジメチルジメチルシラニルビス[(テトラメチルシクロペンタジエニル)(ドデ
シル−アミノ)]チタニウム;
ジメチル[(メチル)(フェニル)メチレン(1−シクロペンタジエニル)(9
−フルオレニル)]ジルコニウム;
ジメチルイソプロピリデン[(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル
)]ジルコニウム;
ジメチルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム;
ジメチルイソプロピリデンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム;ジメチ
ルメチレンビス(シクロペンタジエニルインデニル)ジルコニウム;及び
ジメチルジフェニルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム。
いかなる特定の理論によっても縛られることは望まないが、触媒活性と嵩高な
コモノマーを組み込む能力が、メタロセンの配位開口(coordinate aperature)又
はシクロペンタジエニル配位子間のくさび型の形状を広くして、活性な金属中心
への接近をより容易にすることによって改善されると一般的に考えられる。メタ
ロセン触媒及び嵩高なモノマーをポリマーに組み込むのに好ましい触媒の調製に
ついてのさらなる情報については、例えば、Kaminsky,et al.,ATailor-MadeMe tallocene for the Copolymerization of Ethene with Bulky Cycloa1kenes
,Ag
new.Chem.Int.Ed.Engl.,p.2273-2275 1995,34,No.20; Brintzinger
, et al., Stereospecific Olefin Polymerization with ChiralMetallocen e Catalysts
,Agnew.Chem.Int.Ed.Engl.,p.1143-1170,1995,34 ; Kami
nsky,et al.,Copolymerization of Norbornene and Ethene withHomogeneous Zirconocenes/Methylalumoxane Catalysts
,31Polymer Bulletin175-183(1993)
;及びWilloughby,et al.,Preparation and X-ray structureof a Novel Chir al Methylene Bridged Titanocene Complex
,497 Journal of0rganometallic Ch
emistry,11-15(1995)を参照のこと。これらは全て引用によって本明細書中に組
み入れられている。上述のくさび型の形状の空間を広くことが知られている方法
は、シクロペンタジエニル配位子を架橋すること及びシクロペンタジエニル配位
子上の立体的嵩を減少させることを含む。ジメチルメチレン及びジフェニルメチ
レンのような比較的に短い架橋はシラニル架橋よりも好ましく、シラニル架橋は
未架橋よりも好ましく、未架橋は比較的長いエチレン架橋よりも好ましい。金属
中心においてπ−結合したシクロペンタジエニル部分の中心の間で形成される角
度はメタロセンの幾何学的又は立体的関係を記述するために部分的にしばしば使
用される。この角度の減少はより広い配位空間をもたらし、これは典型的にはよ
り高い触媒活性及び/又はアルファ−オレフィンに対する環状化合物のより高い
組み込み割合をもたらす。しかしながら、立体電子的(stereoeletronic)又は純
粋に電子的な効果も幾つかの例において活性及び嵩高なコモノマーを組み込む能
力の決定において重要な或いはさらに主要な役割を果たす可能性があることは注
意されなければならない。
もう1つの実施態様において、遷移金属に結合したメチル基は塩素のようなハ
ロゲン原子によって置換され、得られる二塩化触媒はメチルアルモキサンのよう
なアルモキサンで活性化される。
本明細書及び添付の請求の範囲中において、「助触媒」及び「活性剤」という
用語は互換的に使用され、上で定義されたメタロセン化合物を活性化できる化合
物又は成分として定義される。例えば、ルイス酸、非配位性イオン性活性剤、イ
オン化活性剤、又はメタロセン触媒成分を触媒的に活性なメタロセンカチオンに
転化できるその他の化合物は活性剤又は助触媒である。アルモキサンの1種以上
のメタロセン用の活性剤としての使用、及び/又は中性のメタロセン化合物をイ
オン化する、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼素又はトリスペルフルオロフェニル硼素メタロイド先駆体のような中性
又はイオン性のイオン化活性剤の使用も本発明の範囲内である。
アルモキサンと改質されたアルモキサンの様々な製造方法が存在し、それらの
例は、米国特許第4,665,208号、第4,952,540号、第5,091,352号、第5,206,199号
、第5,204,419号、第4,874,734号、第4,924,018号、第4,908,463号、第4,968,82
7号、第5,308,815号、第5,329,032号、第5,248,801号、第5,235,081号、第5,157
,137号、第5,103,031号、第5,391,793号、第5,391,529号、及び欧州特許公開公
報第0 561 476号、欧州特許第0 279 586号、欧州特許公開公報第0 594218号、及
びW0 94/10180に記載されているがこれらに限定されるものではない。
これらは全て引用によって本明細書中に組み入れられている。
イオン化化合物は、活性プロトン、又はイオン化化合物の残りのイオンに会合
しているが配位していないか又は緩やかにのみ配位しているその他のある種のカ
チオンを含む。そのような化合物は、欧州特許公開公報第0 570 982号、第0520
732号、第0 495 375号、第0 426 637号、第0 500 944号、第0 277 003号、第0 2
77 004号、米国特許第5,153,157号、第5,198,401号、第5,066,741号、第5,206,1
97号、第5,241,025号、第5,387,568号、及び第5,384,299号に記載されており、
これらは全て引用によって本明細書中に組み入れられている。
溶液重合用に、例えばアルキルアルミニウム又はアルモキサンのような触媒毒
掃去剤化合物を使用する方法、及び金属酸化物担持体中又は上に保持された極性
基を除去するか又は中和する方法が開発された。トリアルキル有機アルミニウム
又は硼素化合物のようなルイス酸が有効であり、それらの加水分解誘導体も同様
に有効であり、例えば、トリエチルアルミニウム、トリ(n−オクチル)アルミ
ニウム、トリイソブチルアルミニウムなどである。例えば、第IIIA族金属掃
去剤化合物及び担持触媒プロセスを含む方法を記載している米国特許第5,153,15
7号
及び第5,241,025号、及び同様な化合物を利用する担持技術を記載しているW0-A-
91/09882、W0-A-94/00500、W0-A-94/03506、及びW0-A-94/07928を参照のこと。
米国特許第5,427,991号、同等のW0-A-93/11172、及び1995年6月7日に出願
された継続中の米国特許出願番号08/474,948は、化学的に結合した担持されたポ
リアニオン性活性剤を調製するために、アニオン性活性剤をポリマー性及び酸化
金属担持体に化学的に結合させることを記載している。
本発明の1つの実施態様においては、上述の2種以上のメタロセンを組み合わ
せて本発明において有用な触媒系を形成できる。例えば、米国特許第5,281,679
号及び第5,466,649号に記載されている混合触媒であり、これらの特許はいずれ
も引用によって本明細書中に組み入れられている。本発明の触媒系のもう1つの
実施態様においては、一般式(I)及び/又は(II)の触媒成分の1種以上の組み合
わせが含まれる。1つの実施態様においては、メタロセン触媒成分を組み合わせ
て、1990年4月5日に公開されたPCT国際公開W0 90/03414(これは引用によ
って本明細書中に組み入れられている)に記載されているようなブレンド組成物
を形成することができる。さらに別の実施態様においては、米国特許第4,937,29
9号及び第4,935,474号(これらは引用によって完全に本明細書中に組み入れられ
ている)に記載されているような混合メタロセンを使用して、広い分子量分布及
び/又はマルチモーダル(multimodal)な分子量分布を有するポリマーを製造する
ことができる。
さらに別の実施態様においては、少なくとも1種のメタロセン触媒を非メタロ
セン又は従来的チーグラー−ナッタ触媒又は触媒系と組み合わせることができ、
それらの例は米国特許第4,701,432号、第5,124,418号、第5,077,255号、第5,183
,867号、第5,391,660号、及び第5,395,810号に記載されているがこれらに限定さ
れない。これらは全て引用によって完全に本明細書中に組み入れられている。
本明細書中において、「キャリヤー」又は「担持体」という用語は互換的に使
用され、どのような担持体物質でもよく、好ましくは多孔質担持体であり、例え
ば、タルク、無機酸化物、塩化マグネシウムのような無機塩化物、及びポリスチ
レン又はポリスチレンジビニルベンゼンポリオレフィン又はポリマー性化合物の
ような樹脂性担持体物質、又はその他の有機又は無機担持体物質など、又はそれ
らの混合物である。
好ましい担持体物質は無機酸化物物質であり、第2、3、4、5、13、又は14
族金属酸化物のものが含まれる。好ましい実施態様において、触媒担持体物質に
は、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、及びそれらの混合物が含まれる。単
独で又はシリカ、アルミナ、又はシリカ−アルミナと組み合わせて使用できるそ
の他の無機酸化物は、マグネシア、チタニア、ジルコニアなどである。
本発明の触媒系は上述したような様々な異なった方法で製造することができる
。1つの実施態様において触媒は未担持であり、米国特許第5,317,036号及び欧
州特許公開公報第0 593 083号を参照のこと。これらは引用によって本明細書中
に組み入れられている。好ましい実施態様においては、本発明の触媒系は担持さ
れている。本発明において使用される触媒系の担持の例は、米国特許第4,937,21
7号、第4,912,075号、第4,935,397号、第4,937,3旧号、第4,914,253号、第5,008
,228号、第5,086,025号、第5,147,949号、第4,808,561号、第4,897,455号、第4,
701,432号、第5,238,892号、第5,240,894号、第5,332,706号、第5,346,925号、
及び第5,466,649号、及び1995年5月3日に出願された米国特許出願第08/433,76
8号、1995年3月14日に出願された米国特許出願第08/403,544号、1995年4月5
日に出願された米国特許出願第08/417,484号、1995年3月29日に出願された米国
特許出願第08/412,810号、1995年3月29日に出願された米国特許出願第08/413,1
40号、1994年7月7日に出願された米国特許出願第08/271,598号、1995年6月27
日に出願された米国特許出願第08/495,770号、及びW0 91/09882及び1995年6月
7日に出願された継続中の米国特許出願第08/474,948号に記載されており、これ
らは全て引用によって完全に本明細書中に組み入れられている。
本発明の方法の1つの実施態様において、主な重合の前に、本発明の触媒又は
触媒系の存在下にオレフィンを予備重合させる。予備重合は、高圧でもよい気相
、溶液相、又はスラリー相において回分式又は連続式で行うことができる。予備
重合はアルファ−オレフィンモノマー又はそれらの組み合わせを使用して及び/
又は水素のような分子量調節剤の存在下に起こり得る。予備重合の詳細について
は、米国特許第4,923,833号、第5,283,278号、及び第4,921,825号、及び欧州特
許第
0 279 863号を参照のこと。これらは全て引用によって完全に本明細書中に組み
入れられている。
本発明のもう1つの実施態様においては、本発明の担持触媒系は、米国特許第
5,283,278号及び1994年10月13日に出願された米国特許出願第08/322,675号(こ
れらは全て引用によって本明細書中に組み入れられている)に記載されているも
ののような静電防止剤又は表面改質剤を含む。静電防止剤及び表面改質剤の非限
定的な例には、アルコール、チオール、シラノール、ジオール、エステル、ケト
ン、アルデヒド、酸、アミン、及びエーテル化合物が含まれる。第三アミン、エ
トキシル化アミン、及びポリエーテル化合物が好ましい。静電防止剤は本発明の
担持触媒系の形成のどの段階においても添加できるが、本発明の担持触媒系がス
ラリーか又は乾燥状態で形成された後に添加するのが好ましい。
もう1つの実施態様において、本発明の樹脂は、“New Pd(II)- and Ni(II)-B
ased Catalysts for Polymerization of Ethylene and α-0lefins,”Johnson
,Killian,and Brookhart,J.Am.Chem.Soc.1995,117,pp.6414−6415に
開始されているようなパラジウム又はニッケル触媒を使用して製造することがで
きる。
活性剤成分の金属のメタロセン成分の遷移金属に対するモル比は、0.3:1
乃至1000:1の範囲内であり、好ましくは20:1乃至800:1の範囲内
であり、最も好ましくは50:1乃至500:1の範囲内である。活性剤が上述
のアニオンのテトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼素に基づくもののような
アルミニウムを含まないイオン化活性剤である場合、活性剤成分の金属の遷移金
属成分に対するモル比は0.3:1乃至3:1の範囲内であるのが好ましい。
もう1つの実施態様において、グラム(g)単位の担持体物質の重量に対する
ミリモル(mmole)単位のメタロセンの触媒充填量は、担持体物質1g当たり約0
.001乃至約2.0mmoleのメタロセンの範囲内であり、好ましくは約0.0
05乃至約1.0mmoleのメタロセンの範囲内であり、より好ましくは約0.0
05乃至約0.5mmoleのメタロセンの範囲内であり、そして最も好ましくは約
0.01乃至約0.15mmoleのメタロセンの範囲内である。
周期表に対する全ての引用は、Hawley'sCondensed Chemical Dictionary,
11th ed.Sax & Lewis,1987において発表された表に対するものである。プロセス条件
本発明の粘着付与剤樹脂は、気相、スラリー、溶液、塊状、又は高圧法、好ま
しくは溶液法における重合又は共重合方法においてメタロセン触媒系を使用して
製造される。
溶液法においては、触媒成分及びモノマーは一般に溶液中に懸濁されるか又は
溶解され、攪拌されている反応容器に導入される。反応温度は−100乃至25
0℃の範囲内でよい。好ましい温度は0乃至250℃の範囲内であり、好ましく
は20乃至220℃、好ましくは55乃至175℃、さらにより好ましくは60
乃至120℃、最も好ましくは75乃至110℃である。重合方法に好ましい圧
力は3,000バール(300MPa)以下であり、より好ましくは2,000バ
ール(20OMPa)以下であり、そしてさらに好ましくはおよそ大気圧から約2
75バール(28MPa)までの範囲内である。本発明の方法は典型的には当業者
に公知の溶液法に従って行われる。好ましい炭化水素溶媒には脂肪族、パラフィ
ン系、脂環式、芳香族などが含まれるが、これらに限定されるものではない。有
用な溶媒の例には、ヘキサン、2−メチル−ぺンタン、イソペンタン、Isop
ar(登録商標)(エクソン・ケミカル・カンパニー(Exxon ChamicalCompany)
から入手可能な炭化水素溶媒)、ベンゼン、トルエンなどが含まれる。
さらに、重合は、本技術分野において公知の標準的技術を使用する塊状重合のよ
うに、溶媒なしに行うことができる。
上述の重合触媒系及び条件から粘着付与剤を得るためには、低分子量で好まし
くは高いコモノマーの組み込みを生じる条件を選択する。その他のプロセスの変
動要素を実質的に一定に維持しながら低い分子量をもたらす条件には、反応温度
を上げて連鎖移動又は連鎖停止反応の発生率を増加させること;水素又はその他
の公知の配位重合連鎖停止剤のような連鎖停止剤を導入すること;供給物中の環
状コモノマーの量を増加させるか、触媒濃度を増加させるか、又はベータヒドリ
ド又はベータアルキル脱離反応を容易に行うことができるモノマー(例えば、プ
ロピレン又はより高級なアルファ−オレフィン)を使用することが含まれる。触
媒及び活性剤化合物の選択も利用することができ、例えば、所望により60℃よ
り高い温度で連鎖移動剤を伴うか又は伴わずに使用される、ジルコニウムのビス
(シクロペンタジエニル)誘導体と米国特許第5,278,119号の複数の硼素を含む
活性剤は効果的に使用することができる。混合又は異なる複数の溶媒の使用も著
しい分子量効果を有するかもしれない。第1表及び第2表における実施例1と実
施例12の比較及び実施例3と実施例15の比較によって示されるように、ジメ
チルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムを触媒として使用する場合、ヘ
キサン中での共重合の実施はトルエン中での実施よりも低い分子量の樹脂を与え
る傾向がある。
本発明の実施において、当業者は、反応器へのコモノマーの供給の増加を含む
(但し、これに限定されるものではない)高いコモノマーの組み込みを促進する
ことが知られている条件を使用することもできる。例えば、コモノマーの不存在
下において、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼素
のような非配位性アニオンの等モル量で活性化されたとき、ジメチルジメチルシ
ラニルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムは、はっきりとした溶融転
移を有する、比較的高い分子量の立体規則性のポリプロピレンを製造する。これ
に対して、ポリプロピレンと環状コモノマーの混合物(第1表及び第2表におけ
る実施例13、16、17、22、25〜27、34〜39、及びQのようにモ
ル基準で約2:1〜2.6:1)が80〜90℃の重合反応器に導入された場合
、生成物は、はっきりとした融点のないガラス転移温度を示す30乃至40モル
%のコモノマーを含む低分子量の非晶質樹脂である。これに対して、非晶質ポリ
マーを生成し高水準のコモノマーを組み込みことが知られている触媒が選択され
た場合、供給物中の環状コモノマーの量を減少させることができ、当業者は、所
望の低いMnと高いTgのポリマーを製造するために、所望により水素と組み合
わせて、反応温度を上げるというような方法を使用するだろう。触媒及び重合条
件に応じて推測できるように、低いMnと高いTgを有する様々なポリマーを製
造することができる。
重合用のモノマー供給物は、環状コモノマー1モル当たり0.1乃至10モル
のアルファ−オレフィン、及び環状コモノマー1モル当たり0.1乃至10モル
の芳香族基含有モノマーを含むのが好ましい。粘着付与剤樹脂
本明細書に記載の粘着付与剤樹脂は、ベースポリマーとブレンドされたとき、
ブレンドされていないベースポリマーよりも低いMn、より高いTg、及びより
低い粘度を有する接着剤ブレンドを製造する効果を有する炭化水素コポリマーで
ある。複数の相を有し、そのため複数のTgを有するブロックコポリマーに対し
ては、粘着付与剤は少なくとも1つの相と会合し、少なくとも1つの相のTgを
上昇させる。粘着付与剤樹脂は、ベースポリマーの接着剤性能よりも接着剤性能
の1つ以上を改善する効果を有し、特に、接着力(例えば、180゜剥離)、凝
集力(例えば、SAFT)、及び色(例えば、セイボルト)のような特性のバラ
ンスを改善する効果を有する。ベースポリマーは単独のポリマー又は2種以上の
ポリマーのブレンドでよいが、ベースポリマーブレンドの各々の成分は10,0
00より大きいMn、好ましくは30,000より大きいMn、より好ましくは
50,000より大きいMn、さらに好ましくは80,000より大きいMnを
有するのが好ましい。
好ましい実施態様において、接着剤組成物中において粘着付与剤として使用す
るためには、樹脂は非晶質である。「非晶質」という用語は、実質的に非結晶質
であり、はっきりとした融点又は溶融転移を有していないものとして定義される
。「実質的に非結晶質」という用語は、DSC、X線回折、又は当業者に公知の
その他の方法によって測定して約10%以下の結晶度を有するものとして定義さ
れる。本明細書中において、DSCは、異なる方法が異なる結晶度値を与える場
合においては、決定的な技術である。もう1つの好ましい実施態様において、粘
着付与剤樹脂は、粘着性を付与されるベースポリマーと相溶性である。本明細書
中において使用される相溶性という用語は、粘着付与剤が粘着性を付与されるベ
ースポリマーの少なくとも1つの相と会合するか相互拡散して、粘着性を付与さ
れた相が粘着性の付与の前よりも高い1つのTgを示すようになることを意味す
る。
本発明の樹脂は、粘稠な液体から脆い固体までの範囲を取り得るが、接着剤組
成物中において粘着付与剤として使用するためには、約2,000未満の数平均
分子量(Mn)を有するのが好ましく、好ましくは約1,600未満、より好ま
しくは約1,200未満、さらに好ましくは約1,000未満、さらに好ましく
は
約200乃至約800の範囲内、最も好ましくは約300乃至約600の範囲内
のMnを有するのが好ましい。
アルファ−オレフィン、環状オレフィン、及び芳香族基含有モノマーのメタロ
センで製造されたポリマーは低いMnのオリゴマーから100,000以上のM
nまでの範囲内であり得るが、接着剤組成物中において粘着付与剤として使用す
るためには、約0℃以上乃至約100℃未満のTgを有するのが好ましく、より
好ましくは約20℃以上乃至約85℃未満、さらに好ましくは約30℃乃至約8
0℃、さらに好ましくは30℃乃至約65℃のTgを有するのが好ましい。
粘着付与剤として使用するためには、本発明において製造された樹脂が約0.
5モル%以上のアルファ−オレフィンの組み込み率を有するのが好ましく、より
好ましくは約1乃至約90モル%の範囲内、さらに好ましくは約5乃至約85モ
ル%の範囲内、さらに好ましくは約10乃至約80モル%の範囲内、最も好まし
くは約15乃至約75モル%の範囲内のアルファ−オレフィンの組み込み率を有
するのが好ましい。エチレンがアルファ−オレフィンとして存在する場合、少な
くとも1種のC3又はより高級なアルファ−オレフィンモノマーが、C3又はより
高級なアルファ−オレフィンの総モル量がエチレンのモル量以上になるような量
で存在するのが好ましい。
粘着付与剤として使用するためには、本発明において製造された樹脂が約5モ
ル%以上の環状オレフィンの組み込み率を有するのが好ましく、より好ましくは
約10乃至約90モル%の範囲内、さらに好ましくは約5乃至約85モル%の範
囲内、さらに好ましくは約10乃至約80モル%の範囲内、さらに好ましくは約
15乃至約75モル%の範囲内、最も好ましくは約20乃至約75モル%の範囲
内の環状オレフィンの組み込み率を有するのが好ましい。
ポリマー鎖中に組み入れられた環状オレフィンの90%より多くがそれらの元
の環状構造を保持しているのが好ましく、より好ましくは95%より多く、さら
に好ましくは100%がそれらの元の環状構造を保持しているのが好ましい。ポ
リマー主鎖中に組み入れられた環状構造の中で、好ましくは少なくとも95%、
より好ましくは少なくとも99%、さらに好ましくは100%が1,2シン(syn)
付加によって組み入れられる、即ち、重合されたオレフィン性不飽和のわずか
2個の炭素原子のみがポリマー主鎖の一部となる。本発明のような、ノルボルネ
ン及びジシクロペンタジエンのような二環式化合物のメタロセン触媒による重合
においては、環状モノマーは、2,3−位におけるエキソ面を越えて1,2シン
付加によってポリマー鎖中に組み入れられる(例えば、Kaminsky,et al.,NewP
olymers by Homogeneous Zirconocene/Aluminoxane Catalysts,Makromol.Chem.
,Macromol.Symp.,p.83-93,1991,47;Benedikt,et al.,Polymerization of
Multicyclic Monomers Using Zirconocene Catalysts,NewJ.Chem.,p.105-114
,1994,18を参照のこと。これらは引用によって本明細書中に完全に組み入れら
れている)。これに対して、BF3エーテレート(etherate)のようなフリ−デル
ークラフツ型触媒を使用するノルボルネン又はジシクロペンタジエンの重合は遊
離のカルボカチオンを使用し、これは結合の転位と主に環状構造の2,7−型の
鎖への組み込みをもたらす(例えば、Mehler,AdditionPolymerization of Norb
ornene Catalyzed by Palladium (2+) Compounds,Macromolecules,p.4226-42
28,1992,25及びGaylord,et al.,Poly-2,3−and 2,7-Bicyclo[2.2.1]hept-2-
enes: Preparation and Structures ofPolynorbornenes,J.Macromol.Sci.,C
hem.p.1053,1977,A11を参照のこと。これらは引用によって本明細書中に完
全に組み入れられている)。さらにジシクロペンタジエンの場合、5員のシクロ
ペンテン環もこの反応に参加する。本発明のポリマーについての 1H NMRデ
ータは、元の環状構造の転位が起こらなかったこと、及びジシクロペンタジエン
の5員環がそのまま残ることの証拠を提供する。
粘着付与剤として使用するためには、本発明において製造された樹脂が約0.
5モル%以上の芳香族基含有モノマーの組み込み率を有するのが好ましく、より
好ましくは約0.75乃至約90モル%の範囲内、さらに好ましくは約1乃至約
50モル%の範囲内、さらに好ましくは約1乃至約20モル%の範囲内、さらに
好ましくは約1乃至約15モル%の範囲内、さらに好ましくは約1乃至約10モ
ル%の範囲内、最も好ましくは約1乃至約5モル%の範囲内の芳香族基含有モノ
マーの組み込み率を有するのが好ましい。好ましい実施態様において、芳香族基
含有モノマーのモル%は環状モノマーのモル%含有率よりも少ない。
もう1つの実施態様において、芳香族基含有モノマーはポリマー鎖に沿ってラ
ンダムに分配される。さらに別の実施態様において、芳香族基含有モノマーは連
鎖末端において優先的に組み入れられる。スチレン及びアリルベンゼンのような
芳香族モノマーの組み入れに関する情報は、芳香族プロトンについての積分を6
.1ppm及び6.3ppmで共鳴するオレフィン性プロトンと比較することによって
プロトン核磁気共鳴のデータから得られる。これらは芳香族モノマーの二次挿入
及びその後のベータ−ヒドリド脱離反応に由来する連鎖末端構造に割り当てられ
ている。5:2(芳香族:オレフィン)の比率は組み入れられたスチレン又はア
リルベンゼンの全てが連鎖末端で組み入れられることを示している。より高い比
率は、芳香族モノマーが連鎖に沿って並びに連鎖に沿って組み入れられることを
示す。芳香族末端基に起因するオレフィン性シグナルの不存在は、芳香族モノマ
ーが連鎖に沿ってランダムに分布していることを示している。ジメチルビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムを使用して製造された樹脂は、ジメチル[ジ
メチルシラニルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムを触媒として使用
して製造された樹脂と比較して、より高い比率を与える傾向がある。
接着剤組成物中で粘着付与剤として使用するためには、本発明において製造さ
れる樹脂は3以下のMw/Mnを有するのが好ましく、より好ましくは2.5以
下であり、さらに好ましくは2.5乃至1の範囲内である。
さらに、好ましい実施態様においては、これらの樹脂は、従来的粘着付与剤の
色を測定するために一般に使用されているガードナースケール上では正確に測定
できない低い色度を有する。本発明に従って製造された粘着付与剤は約15以上
のセイボルト色度を有するのが好ましく、好ましくは約18以上、より好ましく
は約20以上、さらに好ましくは約25以上、最も好ましくは約28以上のセイ
ボルト色度を有するのが好ましい。接着剤組成物
低いMnと高いTgを有する本発明の樹脂をベースポリマーと組み合わせて接
着剤組成物を製造することができる。ベースポリマーは、プラスチック、熱可塑
性プラスチック、エラストマー、プラストマー、又はそれらの組み合わせでよい
。
好ましいベースポリマーには、ランダムコポリマー、ホモポリマー、ブロックコ
ポリマー、及びそれらの組み合わせが含まれる。本発明の樹脂を含む好ましい接
着剤組成物は、ホットメルト接着剤、感圧接着剤、ホットメルト感圧接着剤、触
圧接着剤などを含む。ベースポリマーと粘着付与剤に加えて、その他の添加剤が
接着剤組成物中に存在してもよい。一般的な接着剤は、染料、顔料、充填剤、ワ
ックス、可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、その他の粘着付与剤などを
含む。
1つの実施態様において、ベースポリマーは少なくとも1種のランダムコポリ
マーである。好ましいランダムコポリマーには、エチレン、アルファ−オレフィ
ン、アクリル酸、アクリレート、アセテートなどのようなオレフィンのコポリマ
ー、ターポリマー、又はテトラポリマーが含まれる。好ましいアルファ−オレフ
ィンは2乃至20個の炭素原子を含み、より好ましくは2乃至8個、さらに好ま
しくは2乃至6個の炭素原子を含む。有用なエチレン/アルファ−オレフィンコ
ポリマーの例には、エチレン/ヘキセン−1、エチレン/ブテン−1、エチレン
/4−メチル−ペンテン−1、エチレン/オクテン−1コポリマーなどが含まれ
る。好ましいエチレン−アルファ−オレフィン又はプロピレン−アルファ−オレ
フィンベースポリマーはメタロセン触媒系を使用して製造される。アルファ−オ
レフィン、特にエチレン、と重合するのに好ましい極性コモノマーには、ビニル
酸、ビニルエステル、ビニルアルコール、例えば、エタクリル酸、クロトン酸、
ビニル酢酸、アンゲリカ酸、マレイン酸、フマル酸、ケトン、一酸化炭素、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどが含
まれる。好ましい例には、アルキルメタクリレート、アルキルアクリレート、ア
ルキルメタクリル酸、及びアルキルアクリル酸が含まれる。適するモノマーのさ
らに好ましい例には、ビニルアセテート、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリ
レート、エチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、
及びメチルアクリレートが含まれる。本発明に従って製造された粘着付与剤と組
み合わせることができるその他のタイプのランダムコポリマーには、エチレン−
プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンターモノマーゴム、シリコーン
、ブチルゴム、イソブチレンのコポリマー、及びイソオレフィン−パラアルキル
ス
チレンコポリマー、特に、イソブチレン−パラメチルスチレンコポリマーが含ま
れるが、これらに限定されるものではない。好ましいコポリマーは、DSCによ
って測定して、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも15重量%、より好
ましくは20重量%の結晶度を有する。
もう1つの実施態様においては、ベースポリマは少なくとも1種のホモポリマ
である。本発明の新規な粘着付与剤樹脂と組み合わされる好ましいホモポリマー
には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルクロリド、天然ゴム、ポリイ
ソプレン、ニトリルゴム、ポリクロロプレンゴム、ポリイソブチレンエラストマ
ー、ポリウレタン、ポリブタジエン、及びポリスチレンが含まれるが、これらに
限定されるものではない。好ましいホモポリマーは、DSCによって測定して、
少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも15重量%、より好ましくは20重
量%の結晶度を有する。
もう1つの実施態様において、ベースポリマーは少なくとも1種のブロックコ
ポリマーである。本発明の新規な粘着付与剤樹脂と組み合わされる好ましいブロ
ックコポリマーの1つの群は、スチレン、特に、ブロック、ジブロック、マルチ
ブロック(multi-block)、マルチアーム(multi-arm)、及び星状ブロック(star−
block)コポリマーに基づくものである。好ましいポリマーは、スチレンブロック
とジエンブロックを、A−(B−A)n−B−A、A−(B−A)n−B)又は(
A)nB配列で含むものであり、ここでn=0、1、2、3、又は4である。A
はポリ(スチレン)又はポリ(置換スチレン)ブロックであるのが好ましい。A
モノマーは、ブロックコポリマーの約10乃至約55重量%を構成するのが好ま
しく、より好ましくは約15乃至約50重量%であり、さらに好ましくは約18
乃至約45重量%である。BはC3〜C30ジエン、好ましくはイソプレン及び/
又はブタジエンのポリマーであるのが好ましい。そのようなポリマーは、KRA
TON 1107TM 、KRATON 1101TM 、VECTOR4111TM
、VECTOR 4411TM、及びVECTOR 4461TMの商品名で市販さ
れている。KRATONTMとVECTORTM ポリマーのその他のグレードも本
発明において製造された粘着付与剤とブレンドするのに有用である。(KRAT
ONTM及びVECTORTMポリマーは、それぞれ、テキサス州ヒュー
ストンのシェル・ケミカル(Shell Chemical)と、テキサス州ヒューストンのDE
XCOポリマーズ(DEXC0 Polymers)から入手可能である。)
もう1つの実施態様においては、ブロックコポリマーをベースポリマーとして
使用し、好ましくは感圧接着剤(pressure sensitive adhesive)(PSA)を製
造する。ブロックコポリマーは、接着剤組成物の総重量に基づいて、約10乃至
約90重量%の範囲内の量で存在するのが好ましく、より好ましくは約20乃至
約80重量%、最も好ましくは約30乃至約70重量%の範囲内である。粘着付
与剤は、接着剤組成物の総重量に基づいて、約10乃至約90重量%の範囲内の
量で存在するのが好ましく、より好ましくは約20乃至約80重量%、さらに好
ましくは約30乃至約70重量%、最も好ましくは約40乃至約60重量%の範
囲内である。ベースポリマーと粘着付与剤に加えて、PSAは一般にその他の添
加剤を含む。接着剤用の典型的添加剤には、染料、顔料、充填剤、ワックス、可
塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、その他の粘着付与剤などが含まれる。
全ての添加剤の総量は、接着剤組成物の総重量に基づいて、好ましくは0乃至約
50重量%、より好ましくは約0.5乃至約40重量%、さらに好ましくは約1
乃至約30重量%、最も好ましくは約5乃至約15重量%の範囲内である。この
実施態様に対して好ましい樹脂はターポリマーであり、より好ましくはプロピレ
ンをアルファ−オレフィンとして、ジシクロペンタジエン又はノルボルネンを環
状オレフィンとして、そしてスチレン又はアリルベンゼンを芳香族基含有モノマ
ーとして含む。
感圧接着剤組成物の成分は、溶融ブレンド、押出しブレンド、又は溶液中での
ブレンドのような本技術分野において公知の通常の方法によってブレンドするこ
とができる。
もう1つの実施態様においては、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、
又はホモポリマーの内の少なくとも1つをベースポリマーとして使用し、好まし
くはホットメルト接着剤を形成する。これらのベースポリマーはメタロセンを含
む様々な触媒系によって製造することができる。粘着付与剤は、約10乃至約9
50重量部の範囲内の量で存在するのが好ましく、より好ましくは20重量部よ
り大から500重量部未満の範囲内であり、ここで、重量部はベースポリマー
100重量部当たりの重量部である。全ての添加剤の総量は、好ましくは0乃至
500重量部、より好ましくは0.5乃至400重量部、さらに好ましくは1乃
至300重量部、最も好ましくは5乃至150重量部の範囲内である。この実施
態様に対して好ましい樹脂はターポリマーであり、より好ましくはプロピレンを
アルファ−オレフィンとして、ジシクロペンタジエン又はノルボルネンを環状オ
レフィンとして、そしてスチレン又はアリルベンゼンを芳香族基含有モノマーと
して含む。好ましいホットメルト接着剤ブレンドは、350゜Fにおいて300乃
至300,000センチポワズ(177℃で0.3〜200Pa・s)の粘度を
有するのが好ましく、350゜Fにおいて500乃至200,000センチポワズ
(177℃で0.5〜100Pa・s)の粘度を有するのがより好ましい。
ホットメルト接着剤組成物の成分は、エチレンポリマー、粘着付与剤などのブ
レンド用として本技術分野において公知の通常の方法によってブレンドすること
ができる。例えば、エチレンービニルアセテートコポリマーを受け器(receptacl
e)に入れ、加熱し、そして撹拌することができる。粘着付与剤を受け器に、均一
な分散体が得られるように、添加することができる。成分の融点より高い温度、
例えば、130〜180℃において、適当な混合装置を使用して、均一な混合物
が得られるのに十分な期間(混合装置の種類にもよるが通常は1乃至120分間
)成分を混合することによってブレンドを製造することができる。有用な用途
本発明のブレンドは、その後、アスファルト、セメント、金属、マイラー(Myl
ar)(登録商標)(二軸延伸されたポリエチレンテレフタレート)、ポリマー(
ゴム、プラスチック、熱可塑性プラスチック、及びそれらを延伸したもののよう
なポリオレフィンを含む)、ガラス、セラミック、木、紙、岩、鉱物及び塗料、
ボール紙などのような支持体上の接着剤として使用できる。好ましい例には、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、及びマイラー(登録商標)が含まれる。本明細書
に記載の新規な炭化水素樹脂を含むことができ、それによって改良されるその他
の用途の例には、シーラント、触圧接着剤、感圧接着剤、ホットメルト接着剤、
ホットメルト感圧接着剤、包装、積層、コーティング材料、製本、構造接着剤、
家具用接着剤、木材用接着剤、自動車用接着剤、セメント接着剤、アスファルト
接着剤(例えば、反射板をアスファルトに固定するための接着剤)、又は建設用
接着剤などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
上述のようにして製造された接着剤は、紙、段ボール紙、ポリオレフィン、ポ
リオレフィンフィルム、ポリエステル、ポリエステルフイルム、金属、ガラス、
熱可塑性プラスチック、プラスチック、エラストマー、熱可塑性エラストマー(
TPE)、木材及びパルプのような天然物質、布、溶融ブローン(melt brown)又
は不織のプラスチックなどのような裏打ち材料の上にコーティング又はフィルム
として塗布されてもよい。
特定の用途に関して、好ましい実施態様は、最終使用性能に必要な特性の好ま
しいバランスによって変化するかもしれない。例えば、本発明の新規な群の粘着
付与剤樹脂を使用してラベル用感圧接着剤を製造するのに好ましい粘着付与剤の
濃度は約55乃至約70%が好ましいであろうが、高性能テープ用には、粘着付
与剤の濃度は約30乃至約55%が好ましい。しかしながら、この新規な群の樹
脂の粘着付与の原理は不変の要素のままである。これらの粘着付与剤樹脂は種々
のベースポリマー、特に、ABAスチレンブロックコポリマーの軟質中間ブロッ
ク、のTgを上げ、かつブレンドされた接着剤組成物の全体的分子量を下げるこ
とが予想外にも発見された。接着剤、特に、感圧接着剤の技術分野における当業
者は、目標とする最終用途に適する有用な性能特性を得るために、分子量とTg
のバランスを取るさらに別の実施態様を作るだろう。従って、様々な新規な接着
剤を得るために、粘着付与剤、ゴム、及び添加剤のこれらの材料についての上向
き及び下向きの調節が可能である。これらの接着剤の間の相違は、定着力、粘着
力、剥離強度、SAFT、及び特定の用途において必要とされるその他の特性の
バランスにおいて明らかである。実施例
以下の実施例は本発明を説明するものであり、決して本発明を限定するための
ものではない。実施例1〜41を第1〜4表に示す。重合から樹脂の特性評価及
びそれらの樹脂を含む接着剤ブレンドの性能試験を通して各々の樹脂を識別する
ために、同じサンプル番号を異なる表において使用した。第1表は、芳香族基含
有モノマーを含むか又は含まないアルファ−オレフィン、及び環状をオレフィン
のポリマーを製造する方法を示す。番号の付けられたサンプルは新規な樹脂であ
り、一方、文字で識別されたサンプルは比較例である。第2表は、実施例1〜1
7及びA−Iの樹脂の特性評価とこれらの樹脂の感圧接着剤ブレンド中における
性能を示す。第3表は、実施例18〜19及びJ−Kの粘着付与剤樹脂の特性評
価とこれらの樹脂のホットメルト接着剤ブレンド中における性能を示す。第4表
は、実施例20〜41の樹脂の特性評価を示す。粘着付与剤樹脂の製造 実施例1
実施例1においては、1リットルのステンレス鋼製ジッパークレーブ(Zipperc
lave)(登録商標)重合反応器を窒素でパージして、溶媒として800mlのヘキ
サン、環状コモノマーとして0.482モルのノルボルネン、芳香族基含有モノ
マーとして0.062モルのスチレン、そしてアルキルアルミニウム化合物掃去
剤としてトルエン中のトリイソブチルアルミニウム(TIBA)の25重量%溶
液0.5mlを入れた。アルファ−オレフィンモノマーとして、1.24モルの液
体プロピレンを反応器に添加し、反応器の内容物が80℃の反応温度になるまで
内容物を撹拌した。遷移金属触媒としての0.08ミリモルのジメチルビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムを等モル量の活性剤(2mlのトルエン中のジ
メチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼素(DMA−pf
p))で前活性化した。活性化された触媒をステンレス鋼製触媒チューブに充填
し、高圧窒素を使用して反応器充填工程で使用したのと同じ種類の溶媒50mlで
洗い流すことによって触媒を反応器に入れた。重合を30分間の試験期間進行さ
せ、その後反応器を排気し、少量のイソプロパノールで重合を停止させた。ロー
タリーバポレーター上でヘキサン溶液を濃縮し、減圧下(0.2〜5torr、15
0〜180℃、窒素散布)に未反応の環状モノマーを除去することによって生成
物を単離した。約50mgの安定剤[ニューヨーク州、アーズレイのチバ−ガイギ
・コーポレーション(Ciba-Geigy Corp.)から入手可能な安定剤であるIrgan
oxTM1010(テトラキス(メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシヒドロシンナメート)))]を減圧蒸留工程中の劣化を防ぐために添
加した。この方法による樹脂の収量は20.1gだった。実施例2〜41
実施例1と基本的に同じ方法を使用して実施例2〜41を調製したが、但し、
出発成分の種類と量並びにプロセスの条件を第1表に示すように変えた。また、
実施例7、10、11、13、23〜31、41、A〜C、G、H、J及びKは
、不溶性の残渣を除去するために、ロータリーエバポレーター工程の前にセライ
トを通して濾過した。比較例A−Q
比較例A−Qは、それらが芳香族基含有モノマーを含まないことを除いて、実
施例1〜41と同様にして調製した。 粘着付与剤樹脂の特性評価及び接着剤ブレンドの性能 試験及び基準
示差走査熱量計(DSC、ASTM E−1356、5℃/分の加熱速度)を
使用してTgを測定した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を使用してMn、MW、
及びZ−平均分子量(Mz)を測定した。GPCデータは、ポリマー・ラボズ・
ミックスト(Polymer Labs Mixed)D(THF中の104Å)500Å、及び50
Åのカラム)を備え、IR(赤外)検出機を備えたウォーターズ(Waters)590
/712 WISP上で得た。報告したGPC値は、以下の式に従ってポリイソ
ブチレン(PIB)値に変換されたポリスチレン当量分子量である:
log(PIB分子量)=1.11×log(ポリスチレン分子量)−0.517
幾つかの粘着付与剤樹脂の軟化点は、環球法(ASTM E−28)によって
測定した。
接着剤ブレンドの性能は、ボール粘着(Ball Tack)(ASTM D−3121
;PSTC−6(PSTC=感圧テープ会議(Pressure Sensitive TapeCouncil)
);180゜剥離(Peel)(PSTC−1);剪断接着破壊温度(ShearAdhesion F
ailure Temperature)(SAFT,ASTM D−4498);ループ粘着(Loo
pTack)(以下で説明する);定着力(holding power)(PSTC−7);セイボ
ルト色度(ASTM D−156−94);ガードナー色度(ASTM D−1
544);ブレンド曇り点(以下で説明する);T形剥離(以下の実施例16及
び17の接着剤の説明において説明する);硬化時間(以下で詳細に説明する)
;及びブレンドの粘度(以下で詳細に説明する)によって測定した。
ループ粘着は、接着テープの表面を固体支持体上に接触させること、及び以下
の技術を使用して接着テープを固体支持体から剥がすのに必要な力を測定するこ
とを含む。試験サンプルを標準フィルムから1インチ×9インチ(2.54cm×
22.9cm)の大きさに切り出す。ループを試験ストリップから接着剤面を外側
にして作り、両端をマスキングテープを使用して接着する。試験は23℃±2℃
及び湿度50%の標準条件で行う。ステンレス鋼製支持体パネル(2インチ×
5インチ×1/16インチ(5.08cm×6.45cm×0.16cm))を
使用し、各々の試験は個別に準備して、直ちに(1分間以内に)試験する。90
゜クイック・スティック(Quick Stick)ジグをインストロン(Instron)の下側のジ
ョーに取り付けることによってインストロンを試験用に準備する。清浄なステン
レス鋼パネルを試験ジグ中に入れる。試験ループの端をインストロンの上側のジ
ョーに接着させ、ループを2インチ/分(5.08cm/分)の速度で試験パネ
ルの上に、約5インチ(12.7cm)の試験サンプルがパネルと接触するまで
、下ろす。接着テープは、テープ自体の重量以外の圧力なしでステンレス鋼支持
体に接触する。試験サンプルをその後2インチ/分の速度で引っ張る。最低3回
の測定の平均のループ値をポンド/インチ(lbs/inch)単位で報告する。
硬化時間は、ホットメルト接着剤と紙支持体の間に結合が形成するのに必要な
最小時間として定義される。段ボール紙の大きな片を1インチ四方の部分に線を
引いて分ける。1インチ×4インチのクラフト紙のストリップをホットメルト接
着剤を使用して空いている隙間に接着した。350゜F(177℃)の接着剤の1
つの小滴を段ボール紙の四角形の上に置き、その後直ちにクラフト紙のストリッ
プを接着剤の小滴の上に載せ、500gの重量で特定時間圧力を加える。その後
、クラフト紙のストリップを急速に引っ張って、紙の繊維を引き裂くのに十分な
強い結合が形成しているかを決定する。必要な最小時間を硬化時間として記録す
る。表中のEVA接着剤の全てが1秒未満の硬化時間を示し、これは段ボール箱
クロージャ−接着剤(closure adhesive)の見込みのある候補になるのに十分な性
能であると考えられる。
第3表に記載されたホットメルト接着剤ブレンド配合物のワックス曇り点(wax
cloud point)は、温度計を使用して連続的に撹拌しながら試験管中で200℃
まで内容物を加熱することによって得られた。試験管をその後45゜の角度に保
持して空気中で冷却する。曇り点は、温度計の球の周りに継続的な曇りの最初の
兆候が形成する温度として定義される。この手順を、2回の連続する読みが1〜
2℃の範囲内で一致するまで繰り返す。報告される曇り点は平均であり、ホット
メルト接着剤組成物中の粘着付与剤とその他の成分の相対的な相溶性を示す。
第3表に記載されているホットメルト接着剤ブレンド配合物の溶融粘度は、ブ
ルックフイールド・デジタル・ビスコメーター(Brookfield Digital Viscometer
)(RVTA型)をASTM D−3236に従って使用して測定した。
定着力は、感圧テープ会議(PSTC)試験法PSTC−7を改良した方法で
ある。テープの1.2cm幅のストリップを2kgのローラーを使用してステンレス
鋼パネルに重なりが1.3cm×1.3cmになるように接着する。テープに2kgの
重りを懸け、プレート組立て体を178゜の角度で結合が破壊されるまで掛ける
。破壊までにかかった時間を記録する。この試験は室温で行う。
プロトン核磁気共鳴(H1 NMR)データは、以下の条件を使用してバリア
ン(Varian)500MHzスペクトロメーター上で得た:パルス角30゜、パルス
遅延5秒、取得(acquisition)3秒、スペクトル幅10,000Hz、過渡(tran
sients)48以上。モルパーセントコモノマー組み込み率は、スペクトル中の全
プロトンの全積分に対して、以下の化学シフト割当て(chemicalshiftassighment
s)(TMSに対する)のピーク面積を比較することによって決定した:
実施例1〜17及び比較例A〜I
第1表に示すようにして製造された粘着付与剤樹脂を、テキサス州ヒュースト
ンのDEXCOポリマーズからVECTOR 4111TMの商品名で入手可能な
スチレン−イソプレン−スチレンのブロックコポリマー(100,000より大
きいポリスチレン当量重量平均分子量、1.1未満のMw/Mn、及び18重量
%のスチレン含有率を有するスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロッ
クコポリマー;DEXCOのコポリマーに関するさらなる情報については、Adhe
sive Age,1994年6月、Jean Tancrede による記事、pp.27-32 を参照のこと、
これは引用によって本明細書中に完全に組み入れられている)とブレンドして、
以下の感圧接着剤組成物にした。
粘着付与剤とブロックコポリマーはトルエンを使用して溶液ブレンドした(4
0重量%固体)。得られるブレンドを1.5ミル(38.1mm)のマイラーTM
フィルム(デラウェア州、ウィルミングトンのデュポン・デ・ネモアス・イー・
アイ・カンパニー(Dupont de Nemours,E.I.,Company)から入手可能)上にキ
ャストし、溶媒を蒸発させて、配合された接着剤の1.5ミル(38.1mm)
の乾燥した層を得た。FlexonTM766はテキサス州、ヒューストンのエク
ソン・ケミカル・カンパニーから入手可能なナフテン系油である。 色度を測定した17の実施例の内の15の実施例については、未処理樹脂のセ
イボルト色度は15以上であった。15のセイボルト色度は約3のガードナー色
度に等しい。実施例1、3、4、及び7〜15における20以上のセイボルト値
は約1.5のガードナー色度よりも良好である。実施例1、3、4、及び7〜1
4における25以上のセイボルト値は、ガードナー色度スケールの一般的な有効
限界を越えており、「ほぼ無色(near water white)」という商業的に望ましい基
準を満足していると考えられる。実施例2及び5はより濃い色を有する。より濃
い色度は、これらのサンプルに観察される低い収率の結果しての触媒残渣による
ものか、又は高温真空ストリッピングプロセス中において空気にさらされたこと
によって生じたのかもしれない。
第2表中の実施例1〜17は、100部のVector4111、100部の
本発明の粘着付与剤樹脂、20部のFlexon766、及び1部のIrgan
oxTM1010に基づく接着剤組成物を示す。比較用の接着剤の実施例A〜Iは
、ターモノマーとしての芳香族基含有モノマーを含まない類似の環状コポリマー
樹脂を使用することによって配合した。
第2表中に示されているように、実施例1〜11、16、及び17は、全て、
試験された接着剤性能である180゜剥離、ループ粘着、転がりボール粘着、S
AFT、及び定着力の内の1つ以上において測定可能な接着剤性能を示す。
本発明の樹脂は、類似の接着剤ブレンド中のそれらの非芳香族類似物よりも改
善された接着剤特性のバランスを示す。実施例1〜4及び比較例A〜Cは、約3
00〜400のMn値を有し及び似たようなモル含有率のプロピレンと環状モノ
マーを含む。しかしながら、実施例1〜4の180゜剥離が2.3〜3.4lb
/in(10.3〜15.2N/25.4mm)の範囲内であり、転がりボール粘着が2
.7〜4.0cmであるのに対して、比較例A−Cは1.5〜2.5lb/in(6.7
〜11.2N/25.4mm)の180゜剥離と30cmより大きい転がりボール粘着値を
有する。
実施例5〜11及び比較例D〜Iは、約400〜500のMn値を有し及び似
たようなモル含有率のプロピレンと環状モノマーを含む。しかしながら、実施例
5〜11の180゜剥離が2.4〜3.7lb/in(10.7〜16.5N/25.4mm)
の範囲内であり、転がりボール粘着が3.1〜18cmであるのに対して、比較例
D−Iは1.6〜3.0lb/in(7.1〜13.4N/25.4mm)の180゜剥
離と20cmから30cmより大きい転がりボール粘着値を有する。
実施例12〜15の接着剤組成物はそれらの接着剤性能を妨害するある種の汚
染物の影響を受けていると考えられる。実施例12〜15の接着剤ブレンドは、
より低いMnの実施例1〜11及びより高いMnの実施例16及び17の透明な
接着剤混合物(これらは測定可能な粘着性も示す)とは対照的に、明らかに曇っ
ていた。さらに、実施例12〜15の接着剤ブレンドは、その他の実施例とは対
照的に、接着剤性能試験の多くにおいて使用したステンレス鋼プレート支持体の
上に残渣を残した。実施例12〜15の劣った性能の考えられる原因には、粘着
付与剤の重合中にスチレンモノマーの望ましくない現場単独重合がある程度起こ
ったことが含まれる。実施例18〜19及び比較例J〜K
実施例18〜19及び比較例J〜Kにおいては、以下の組成に基づいて一連の
ホットメルト接着剤(HMA)を製造した。
EscoreneTMUL 7720(XW8.36TMとしても知られている)
は、約28重量%のビニルアセテートを含み、ASTM D−1238によって
測定して約150dg/分のメルトインデックス及びASTM D−1505によ
って測定して約0.934g/ccの密度を有するエチレン−ビニルアセテートコ
ポリマー(EVA)であり、テキサス州ヒューストンのエクソン・ケミカル・カ
ンパニーから入手可能である。これらのHMAブレンドにおいて使用された環状
コポリマー粘着付与剤の組成は第3表の実施例18及び19にさらに詳細に示さ
れている。EscorezTM1310LCは約1450のMn、約2.1のMw
/Mn、及び約45℃のDSCによるTgを有する脂肪族炭化水素樹脂であり、
テキサス州ヒューストンのエクソン・ケミカル・カンパニーから入手可能である
。ParaflintTMH−1(コネチカット州、シェルドンのムーア・アンド
・マンガー・マーケッテイング・インク(Moore & Munger Marketing,Inc.)から
入手可能な合成パラフィンFisher−Tropschワックス)はカリフォ
ルニア州、ロサンゼルスのユノカル・コーポレーション(Unocal Corp.)から入手
可能なワックスである。IrganoxTM1076はニューヨーク州アーズレイ
のチバ−ガイギー・コーポレーションから入手可能な酸化禁止剤及び熱安定剤で
ある。組成物は150℃の呼称温度で調製した。成分が静止状態で溶融した後、
手持ち式の撹拌機を使用してそれらを混合した。目で見て均一なブレンドが得ら
れた後10分間撹拌を続けた。
HMA組成物の各々を広げて結合に適する薄いフィルムを形成した。HMAを
オーブン中で150℃まで加熱し、その後、8流路アプリケーター(eight patha
pplicator)を使用してシリコンで被覆された剥離紙の上に広げて、約0.005
インチ(0.127mm)の呼称厚さを有するフィルムを得た。これらのHMA
フィルムを使用してポリエチレンのキャストフィルム(EscoreneTMLD
−117、キャストフィルム、10ミル(0.127mm)の厚さ)を接着した
。シールはテラー・インパルス・ヒート・シーラー(Theller Impulse Heat Seal
er)中300゜F(150℃)で形成し、接着剤は2秒の保圧時間の間約40psi(
276kPa)の圧力を使用してポリエチレンフィルムの間にサンドウィッチした
。T形剥離試験用に、1インチ(2.54cm)の幅のストリップをポリエチレ
ンフィルムとHMAの接着したサンドウィッチから切り出した。接着の強度を評
価する前に、試験片を最低24時間エージングした。T形剥離試験は、23℃及
び50%相対湿度の制御された環境条件中において、チニアス・オルセン(Tiniu
s 0lsen)試験フレーム上2インチ/分(51mm/分)の伸び速度で行った。
接着剤がスリップ/粘着破壊(slip/stick failure)のみを示す場合、T形剥離強
度は力/変形グラフ上のピークの平均として取った。サンプルがスムーズな剥離
の証拠を示した場合、T形剥離強度はスムーズな剥離の領域の平均として取った
。スムーズな剥離とスリップ/粘着剥離の両方が同一サンプルによって示された
場合、スムーズな剥離の平均値を記録した。各々のHMA組成物に対して、3回
の接着を試験し、結果を平均した。剪断接着破壊温度は、1インチ×1インチ(
25.4mm×25.4mm)の四角の接着面積と500gの荷重を使用して、
クラフト紙又はポリプロピレンに対して決定した。 実施例18及び19は、38.5重量%のEscorene TM7720、2
5重量%の本発明の粘着付与剤樹脂、18.7重量%のEscorezTM131
0LC、17.3重量%のParaflintTMH−1、及び0.5重量%のIr
ganoxTM1076に基づく組成物を記載する。比較例J及びKは、本発明の
粘着付与剤樹脂が等しい重量%のターモノマーとしての芳香族基含有モノマーを
含まない類似の環状コポリマー樹脂で置換されたことを除いて、実施例16及び
17と同様にして配合した。実施例18及び19(本発明の粘着付与剤と従来的
粘着付与剤のブレンド)は、それらの非芳香族類似物である比較例J及びKに匹
敵するT形剥離とSAFT性能を示す。しかしながら、実施例18及び19は、
ブレンドの粘度とブレンドの曇り点については、より低い値、即ち、より改善さ
れた性能を示す。このことは、芳香族基を含む本発明の新規な粘着付与剤樹脂が
、芳香族基を含まない類似の環状コポリマー樹脂よりも改善された特性のバラン
スを提供することを示している。
第4表は実施例20〜41についての樹脂の特性評価データを示す。 試験方法及び従来技術の文献を含む上述の全ての引用は、引用によって完全に
本明細書中に組み入れられる。上述の説明から明らかなように、調製された材料
及び方法は本発明の広い範囲の内の特定の好ましい実施態様に関するものである
。例えば、アルファ−オレフィン、環状オレフィン、及び芳香族基含有モノマー
を含むより高分子量の樹脂は低い色度と多くの最終用途用のポリマーとしての一
般的有用性を有するが、このコポリマーのよりMnが低くよりTgの高い種は接
着剤に粘着性を付与するのに特に適している。本発明の接着剤組成物は、本発明
の粘着付与剤樹脂の2種以上のブレンド、又は本発明の粘着付与剤樹脂の1種以
上と従来的粘着付与剤のブレンドの使用を含む。上述の一般的説明及び特定の実
施態様から明らかなように、本発明の種々の形態を説明し記載してきたが、本発
明の精神と範囲から離れることなく様々な変更を行うことができる。従って、本
発明はそれらによって限定されるものではない。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1998年1月2日(1998.1.2)
【補正内容】請求の範囲
1.a)エチレン及び3乃至20個の炭素原子を含む線状又は枝分かれモノオレフ
ィンから成る群から選択される少なくとも1種のアルファ−オレフィン、
b)少なくとも1種の環状オレフィン、及び
c)少なくとも1種の芳香族基含有モノマー の反応生成物である炭化水素粘
着付与剤樹脂であって、環状オレフィンモノマ ーの環状構造が実質的にそのま
ま残り、芳香族基含有モノマーの総含有率が樹 脂の少なくとも0.5モル%で
あり、樹脂が2000以下のMnを有する、炭 化水素粘着付与剤樹脂。
2.芳香族基含有モノマーの総含有率が樹脂の90モル%未満である、請求項1
の樹脂。
3.100℃以下のTgを有する、請求項1の樹脂。
4.200乃至1000の範囲内のMnを有する、請求項1の樹脂。
5.3以下のMw/Mnを有する、請求項1の樹脂。
6.5乃至90モル%の環状オレフィン含有率を有する、請求項1の樹脂。
7.アルファ−オレフィンが3乃至8個の炭素原子を含む線状又は枝分かれモノ
オレフィンであり、環状オレフィンが30個までの炭素原子を含む非共役ジエ
ンであり、そして芳香族基含有モノマーが1つの芳香族基と30までの炭素原
子を含む、請求項1の樹脂。
8.アルファ−オレフィンがエチレン及びC3又はより高級なアルファ−オレフ
ィンを含む、請求項1の樹脂。
9.15以上のセイボルト色度を有する、請求項1の樹脂。
10.炭化水素粘着付与剤樹脂の製造方法であって、メタロセン触媒系の存在下に
少なくとも1種のアルファ−オレフィン、少なくとも1種の環状オレフィン、
及び少なくとも1種の芳香族基含有モノマーを重合させることを含み、モノマ
ー供給物が、環状オレフィン1モル当たり、0.1乃至10モルのアルファ−
オレフィン及び0.1乃至10モルの芳香族基含有モノマーを含む、方法。
11.モノマー供給物が60℃以上の温度で重合される、請求項10の方法。
12.メタロセン触媒系がシクロペンタジエニル遷移金属化合物を含み、シクロペ
ンタジエニル配位子が、未架橋のビスシクロペンタジエニル、ケイ素架橋ビス
インデニル、ケイ素架橋シクロペンタジエニルアミド、炭素架橋シクロペンタ
ジエニルフルオレニル、炭素架橋ビスシクロペンタジエニル、及び炭素架橋シ
クロペンタジエニルインデニルから成る群から選択される、請求項10の方法
。
13.メタロセン触媒系が、アルモキサン又は非配位性アニオンを含む活性剤を含
む、請求項10の方法。
14.アルファ−オレフィンが3乃至8個の炭素原子を含む線状又は枝分かれモノ
オレフィンであり、環状オレフィンが30個までの炭素原子を含む非共役ジエ
ンであり、そして芳香族基含有モノマーが1つの芳香族基と30までの炭素原
子を含む、請求項10の方法。
15.請求項1の樹脂を含む接着剤。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C09J 145/00 C09J 145/00
(72)発明者 シムズ、チャールズ・エル
アメリカ合衆国、ルイジアナ州 70817、
バトン・ルージュ、アンティオシュ・ブー
ルバード 5928