JP2000344810A - 複合樹脂エマルジヨンの製造方法 - Google Patents

複合樹脂エマルジヨンの製造方法

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JP2000344810A JP2000074129A JP2000074129A JP2000344810A JP 2000344810 A JP2000344810 A JP 2000344810A JP 2000074129 A JP2000074129 A JP 2000074129A JP 2000074129 A JP2000074129 A JP 2000074129A JP 2000344810 A JP2000344810 A JP 2000344810A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散安定性に優れ、透明性、柔軟性、力学的
特性、耐摩耗性、耐候性、耐屈曲性、耐溶剤性、耐加水
分解性等に優れる皮膜等を形成するポリウレタンとエチ
レン性不飽和モノマー重合体との複合樹脂エマルジヨン
及びその製法、並びに感熱ゲル化剤を添加した前記複合
樹脂エマルジヨンの提供。 【解決手段】 要件(水性液中で界面活性剤の存在下
にイソシアネート末端ウレタンプレポリマーに鎖伸長剤
を反応させて調製した)、要件(ポリウレタン骨格中
にポリウレタン100g当たり中和したカルボキシル基
及び/又はスルホン酸基を3〜30mmol有する)及
び要件(ポリウレタン100g当たり界面活性剤を
0.5〜10g含有する)という要件〜を満たすポ
リウレタン系エマルジヨンの存在下にエチレン性不飽和
モノマー乳化重合して複合樹脂エマルジヨンを製造する
方法、並びに感熱ゲル化剤を含有するか又は含有しない
前記複合樹脂エマルジヨン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタンとエ
チレン性不飽和モノマー重合体との複合樹脂エマルジヨ
ンの製造方法、それにより得られる複合樹脂エマルジヨ
ンおよび該複合樹脂エマルジヨン中に感熱ゲル化剤を添
加してなる感熱ゲル化性の複合樹脂エマルジヨンに関す
る。より詳細には、本発明は、分散安定性に優れ、ポリ
ウレタンとエチレン性不飽和モノマー重合体とが良好な
複合形態をなして粒状で水性分散媒中に乳化分散してお
り、しかも乾燥すると、透明性、柔軟性、力学的特性、
耐摩耗性、耐候性、耐屈曲性、耐溶剤性、耐加水分解性
などの特性に優れる皮膜等を形成し得る複合樹脂エマル
ジヨンを良好な重合安定性で製造する方法、およびそれ
により得られる複合樹脂エマルジヨン、並びに該複合樹
脂エマルジヨン中に感熱ゲル化剤を添加してなる感熱ゲ
ル化特性に優れる複合樹脂エマルジヨンに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンが有する強度、耐摩耗性、
耐溶剤性などの特性と、エチレン性不飽和モノマーから
なる重合体、特に(メタ)アクリル酸誘導体系重合体が
有する耐候性、耐加水分解性、低コストなどの特性を併
せ持つ複合樹脂を得る目的で、ポリウレタン系エマルジ
ヨンの存在下にエチレン性不飽和モノマーを乳化重合し
て複合樹脂エマルジヨンを製造することが提案されてい
る(特開昭62−241902号公報、特開平5−32
0299号公報、特開平10−30057号公報)。こ
れらの従来技術では、ポリウレタン系エマルジヨンとし
て、ポリウレタン形成反応を界面活性剤を使用しないで
行った、ポリウレタン自身が乳化特性を有する、いわゆ
るアイオノマー型の“自己乳化性ポリウレタン”のエマ
ルジヨンが用いられており、自己乳化性のポリウレタン
系エマルジヨンの代替として有用である。
【0003】一方、界面活性剤によって分散安定化した
強制乳化型のポリウレタン系エマルジヨンの代替として
は、強制乳化型ポリウレタン系エマルジヨンの存在下で
エチレン性不飽和モノマーを乳化重合した強制乳化型の
複合エマルジヨンが好ましい。例えば、織編物等にエマ
ルジヨンを含浸して風合加工などを行う場合、樹脂が織
編物等に均一に付着するようにエマルジヨンに感熱ゲル
化性を付与することがある。しかしながら、自己乳化型
エマルジヨンでは感熱ゲル化性の付与が困難であり、乾
燥工程で樹脂が織編物等の表面に移動するいわゆるマイ
グレーションという現象が起こり、風合の劣ったものし
か得られないという問題がある。これらのことから強制
乳化型の複合樹脂エマルジヨンの製造が望まれている
が、強制乳化型ポリウレタン系エマルジヨンの存在下で
エチレン性不飽和モノマーの乳化重合を行うと、重合中
にゲル化が起こったり、あるいはエチレン性不飽和モノ
マーからの重合体のみからなる粒子が大量に生成して、
得られる複合樹脂の物性が低下するなどの問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、分散
安定性に優れ、しかもポリウレタンとエチレン性不飽和
モノマー重合体とが良好な複合形態の粒子状でエマルジ
ヨン中に乳化分散していてエチレン性不飽和モノマー重
合体のみからなる粒子がエマルジヨン中に殆ど存在せ
ず、乾燥したときに透明性、柔軟性、力学的特性、耐摩
耗性、耐候性、耐屈曲性、耐溶剤性、耐加水分解性など
の特性に優れる皮膜などを形成することのできるポリウ
レタンとエチレン性不飽和モノマー重合体との複合樹脂
エマルジヨン、および前記複合樹脂エマルジヨンを良好
な重合安定性で円滑に製造し得る方法を提供することで
ある。さらに、本発明の目的は、感熱ゲル化剤を添加し
たときに、そのままでは直ちに凝固が生じず流動状態を
保ち、加熱したときにはゲル化物を円滑に形成し、取り
扱い性および感熱ゲル化性に優れ、しかも感熱ゲル化特
性の調整が容易で、布帛などの基材の風合付与などに有
効に用い得る、感熱ゲル化剤を添加した前記複合樹脂エ
マルジヨンを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者は鋭意検討を重ねてきた。その結果、ポリウレ
タンとエチレン性不飽和モノマー重合体との複合樹脂の
エマルジヨンを製造するに当たって、ポリウレタン系エ
マルジヨンとして、上記した従来の自己乳化性ポリウレ
タンのエマルジヨンを用いる代わりに、特定量の界面活
性剤の存在下にイソシアネート末端ウレタンプレポリマ
ーに鎖伸長剤を反応させて得られるポリウレタン骨格中
に特定量の中和されたカルボキシル基および/またはス
ルホン酸基を有する強制乳化型のポリウレタンエマルジ
ヨンを用いると、ポリウレタンとエチレン性不飽和モノ
マー重合体とが良好な複合形態の粒子状でエマルジヨン
中に安定に分散し、しかも乾燥したときに透明性、柔軟
性、力学的特性、耐摩耗性、耐候性、耐屈曲性、耐溶剤
性、耐加水分解性などの特性に優れる皮膜などを形成し
得る複合樹脂エマルジヨンが得られることを見出した。
さらに、本発明者は、前記で得られる複合樹脂エマルジ
ヨンに感熱ゲル化剤を添加したものは、感熱ゲル化剤を
添加しただけでは凝固などが生じず流動性を保ち、取り
扱い性に優れ、一方加熱により速やかにゲル化すること
を見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、 (1) ポリウレタン系エマルジヨン(A)の存在下に
エチレン性不飽和モノマー(B)を乳化重合して複合樹
脂エマルジヨンを製造する方法であって、ポリウレタン
系エマルジヨン(A)として、下記の要件〜要件; 水性液中で界面活性剤の存在下にイソシアネート末
端ウレタンプレポリマーに鎖伸長剤を反応させて調製し
たポリウレタン系エマルジヨンである; ポリウレタン骨格中に、ポリウレタン100g当た
り、中和されたカルボキシル基および/またはスルホン
酸基を3〜30mmolの割合で有するポリウレタンの
エマルジヨンである;および ポリウレタン100g当たり界面活性剤を0.5〜
10gの割合で含有するポリウレタン系エマルジヨンで
ある;を満足するポリウレタン系エマルジヨンを用いる
ことを特徴とする複合樹脂エマルジヨンの製造方法であ
る。
【0007】そして、本発明は、 (2) ポリウレタン系エマルジヨン(A)が、ポリウ
レタン100g当たり界面活性剤を0.5〜6gの割合
で含有する前記(1)の複合樹脂エマルジヨンの製造方
法; (3) ポリウレタン系エマルジヨン(A)中のポリウ
レタン100重量部に対してエチレン性不飽和モノマー
(B)を10〜900重量部の割合で用いて乳化重合を
行うことからなる前記(1)または(2)の複合樹脂エ
マルジヨンの製造方法; (4) エチレン性不飽和モノマー(B)が(メタ)ア
クリル酸誘導体を主成分とするエチレン性不飽和モノマ
ーである前記(1)〜(3)のいずれかの複合樹脂エマ
ルジヨンの製造方法; (5) ポリウレタン系エマルジヨン(A)に含まれる
界面活性剤の少なくとも一部がアニオン性界面活性剤で
ある前記(1)〜(4)のいずれかの複合樹脂エマルジ
ヨンの製造方法; (6) ポリウレタン系エマルジヨン(A)中の粒子の
平均粒径が500nm以下である前記(1)〜(5)の
いずれかの複合樹脂エマルジヨンの製造方法;および、 (7) 乳化重合を油溶性重合開始剤を用いて行う前記
(1)〜(6)のいずれかの複合樹脂エマルジヨンの製
造方法;を好ましい態様として包含する。
【0008】さらに、本発明は、 (8) 前記(1)〜(7)のいずれかの製造方法で得
られる複合樹脂エマルジヨンである。そして、本発明
は、 (9) 前記(1)〜(7)のいずれかの製造方法で得
られる複合樹脂エマルジヨンに感熱ゲル化剤を添加して
なる感熱ゲル化性の複合樹脂エマルジヨンである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明では、ポリウレタン系エマルジヨン(A)
として、上記した要件(水性液中で界面活性剤の存在
下にイソシアネート末端ウレタンプレポリマーに鎖伸長
剤を反応させて調製したポリウレタン系エマルジヨンで
ある点)、要件(ポリウレタン骨格中にポリウレタン
100g当たり中和されたカルボキシル基および/また
はスルホン酸基を3〜30mmolの割合で有するポリ
ウレタンのエマルジヨンである点)、および要件(ポ
リウレタン100g当たり界面活性剤を0.5〜10g
の割合で有するポリウレタン系エマルジヨンである点)
を満足するポリウレタン系エマルジヨンを用いることが
必要である。
【0010】すなわち、本発明で用いるポリウレタン系
エマルジヨン(A)は、まず上記の要件を満足してい
ることが必要であり、要件を満たしていない場合(界
面活性剤の不使用下にイソシアネート末端ウレタンプレ
ポリマーに鎖伸長剤を反応させて得られるポリウレタン
系エマルジヨンである場合)は、水性液中での分散安定
性が著しく劣る。
【0011】限定されるものではないが、本発明の複合
樹脂エマルジヨンの製造方法で用いるポリウレタン系エ
マルジヨン(A)の好ましい調製法の例としては、
(i)(a)高分子ポリオール、カルボキシル基および
スルホン酸基の少なくとも一方を含有し且つイソシアネ
ート基と反応性の活性水素原子を1個以上有する化合
物、並びに有機ポリイソシアネートを反応させて、カル
ボキシル基および/またはスルホン酸基を骨格中に含有
するイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを製造す
るか、または(b)分子骨格中にカルボキシル基および
スルホン酸基の少なくとも一方を有する高分子ポリオー
ルと有機ポリイソシアネートを反応させてカルボキシル
基および/またはスルホン酸基を骨格中に有するイソシ
アネート末端ウレタンプレポリマーを製造し;次いで、
(ii)前記(i)で得られたイソシアネート末端ウレタ
ンプレポリマー(以下「ウレタンプレポリマー」という
ことがある)の骨格中のカルボキシル基および/または
スルホン酸基を三級アミン、アルカリ金属水酸化物など
の塩基性物質で中和した後;(iii)所定量の界面活性
剤の存在下に該中和されたウレタンプレポリマーを水性
液中に強制撹拌などにより乳化させた状態でウレタンプ
レポリマーに鎖伸長剤を反応させてポリウレタン系エマ
ルジヨン(A)を調製する方法;を挙げることができ
る。
【0012】ポリウレタン系エマルジヨン(A)を調製
するためのウレタンプレポリマーの製造[上記(i)の
工程]に用いる上記した高分子ポリオールとしては、ポ
リエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、
ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリエーテ
ルポリオールなどを挙げることができ、これらのうちの
1種または2種以上を使用することができる。そのうち
でも、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリ
オールおよびポリエーテルポリオールの1種または2種
以上が好ましく用いられる。
【0013】上記のポリエステルポリオールは、常法に
したがって、例えば、ポリカルボン酸、そのエステル、
無水物などのエステル形成性誘導体などのポリカルボン
酸成分とポリオール成分を直接エステル化反応させるか
またはエステル交換反応することにより、或いはポリオ
ールを開始剤としてラクトンを開環重合することにより
製造することができる。
【0014】ウレタンプレポリマー製造用のポリエステ
ルポリオールの製造に用い得るポリカルボン酸成分とし
ては、ポリエステルポリオールの製造において一般的に
使用されているポリカルボン酸成分を使用でき、例え
ば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二
酸、2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−
メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8
−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸な
どの脂肪族ジカルボン酸;イソフタル酸、テレフタル
酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジ
カルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸など
の脂環式ジカルボン酸;トリメリット酸、トリメシン酸
などのトリカルボン酸;それらのエステル形成性誘導体
などを挙げることができ、これらの1種または2種以上
を用いることができる。そのうちでも、ポリエステルポ
リオールは、ポリカルボン酸成分として、脂肪族ジカル
ボン酸またはそのエステル形成性誘導体から主としてな
り、場合により少量の3官能以上のポリカルボン酸また
はそのエステル形成性誘導体を含むものを用いて製造さ
れたものであることが好ましい。
【0015】ウレタンプレポリマー製造用のポリエステ
ルポリオールの製造に用い得るポリオール成分として
は、ポリエステルポリオールの製造において一般的に使
用されているものを用いることができ、例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペン
チルグリコール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−
オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチ
ル−1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオ
ールなどの脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノー
ル、シクロヘキサンジオールなどの脂環式ジオール;グ
リセリン、トリメチロールプロパン、ブタントリオー
ル、ヘキサントリオール、トリメチロールブタン、トリ
メチロールペンタン、ペンタエリスリトールなどの3官
能以上のポリオール挙げることができ、これらのうちの
1種または2種以上を用いることができる。そのうちで
も、ポリエステルポリオールは、ポリオール成分とし
て、脂肪族ジオールからなり、場合により少量の3官能
以上のポリオールを含むポリオール成分を用いて製造さ
れたものであることが好ましい。
【0016】ウレタンプレポリマー製造用のポリエステ
ルポリオールの製造に用い得る前記のラクトンとして
は、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラク
トンなどを挙げることができる。
【0017】ウレタンプレポリマーの製造に用い得るポ
リカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリオー
ルとジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネー
ト、ジアリールカーボネートなどのカーボネート化合物
との反応により得られるものを挙げることができる。ポ
リカーボネートポリオールを構成するポリオールとして
は、ポリエステルポリオールの構成成分として先に例示
したポリオールを用いることができる。また、ジアルキ
ルカーボネートとしてはジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネートなどを、アルキレンカーボネートとして
はエチレンカーボネートなどを、ジアリールカーボネー
トとしてはジフェニルカーボネートなどを挙げることが
できる。
【0018】ウレタンプレポリマーの製造に用い得るポ
リエステルポリカーボネートポリオールとしては、例え
ば、ポリオール、ポリカルボン酸およびカーボネート化
合物を同時に反応させて得られたもの、予め製造してお
いたポリエステルポリオールおよびカーボネート化合物
を反応させて得られたもの、予め製造しておいたポリカ
ーボネートポリオールとポリオールおよびポリカルボン
酸を反応させて得られたもの、予め製造しておいたポリ
エステルポリオールおよびポリカーボネートポリオール
を反応させて得られたものなどを挙げることができる。
【0019】ウレタンプレポリマーの製造に用い得るポ
リエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコールなどを挙げることができ、これらの1
種または2種以上を用いることができる。
【0020】ウレタンプレポリマーの製造に用いる高分
子ポリオールは、製造の容易性などの点から、その数平
均分子量が500〜10,000であることが好まし
く、700〜5,000であることがより好ましく、7
50〜4,000であることがさらに好ましい。また、
ウレタンプレポリマーの製造に用いる高分子ポリオール
は、1分子当たりの水酸基数fが、1.0≦f≦4.0
の範囲であることが好ましく、2.0≦f≦3.0の範
囲であることがより好ましい。
【0021】本発明で用いるポリウレタン系エマルジヨ
ン(A)は、上記の要件、すなわちポリウレタン骨格
中にポリウレタン100g当たり中和されたカルボキシ
ル基および/またはスルホン酸基を3〜30mmolの
割合で有するポリウレタンのエマルジヨンである点を満
足することが必要である。この要件を満足するポリウ
レタン系エマルジヨン(A)を得るためには、ウレタン
プレポリマーの製造時に、上記したように、高分子ポリ
オールと共にカルボキシル基および/またはスルホン酸
基を有し且つイソシアネート基と反応性の活性水素原子
を1個以上有する化合物を用いるか[上記(i)の工程
(a)]、或いは高分子ポリオールとして分子骨格中に
カルボキシル基および/またはスルホン酸基を有するも
のを用いる[上記(i)の工程(b)]のがよく、その
うちでも、上記(i)の工程(a)を経るのが好まし
い。
【0022】上記(i)の工程(a)のウレタンプレポ
リマー製造工程に用いられる、カルボキシル基および/
またはスルホン酸基を有し且つイソシアネート基と反応
性の活性水素原子を1個以上有する化合物[以下「カル
ボキシル基および/またはスルホン酸基含有イソシアネ
ート反応性化合物」ということがある]としては、例え
ば、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、2,2−ビス
(ヒドロキシメチル)吉草酸などのカルボキシル基含有
化合物およびこれらの誘導体;1,3−フェニレンジア
ミン−4,6−ジスルホン酸、2,4−ジアミノトルエ
ン−5−スルホン酸などのスルホン酸基含有化合物など
を挙げることができ、これらの1種または2種以上を用
いることができる。
【0023】また、上記(i)の工程(b)のウレタン
プレポリマー製造工程に用いる分子骨格中にカルボキシ
ル基および/またはスルホン酸基を有する高分子ポリオ
ールとしては、例えば、上記したポリエステルポリオー
ルの製造時にポリカルボン酸成分と反応させるポリオー
ル成分の一部として、2,2−ビス(ヒドロキシメチ
ル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)
酪酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)吉草酸などの
カルボキシル基含有化合物またはその誘導体を用いて製
造したポリエステルポリオールなどを挙げることができ
る。
【0024】上記(i)の工程(a)または工程(b)
のいずれの場合にも、上記の(iii)の工程後に、そこ
で得られるポリウレタン系エマルジヨン(A)におい
て、ポリウレタン骨格中に中和されたカルボキシル基お
よび/またはスルホン酸基がポリウレタン100g当た
り3〜30mmolの範囲になるようにして、カルボキ
シル基および/またはスルホン酸基含有イソシアネート
反応性化合物を使用するか、或いは分子骨格中にカルボ
キシル基および/またはスルホン酸基を有する高分子ポ
リオールを使用することが必要である。
【0025】ポリウレタン系エマルジヨン(A)におい
て、ポリウレタン100g当たりの中和されたカルボキ
シル基および/またはスルホン酸基の含有量(中和され
たカルボキシル基とスルホン酸基の両方を有する場合は
両者の合計量)が3mmol未満であると、ポリウレタ
ン系エマルジヨンの分散安定性が低下し、ポリウレタン
系エマルジヨンの存在下にエチレン性不飽和モノマー
(B)を乳化重合する際に系がゲル化し易くなる。一
方、ポリウレタン100g当たりの中和されたカルボキ
シル基および/またはスルホン酸基の含有量が30mm
olよりも多いと、ポリウレタン系エマルジヨンの存在
下にエチレン性不飽和モノマー(B)を乳化重合する際
にやはり分散安定性が低下し、しかも得られる複合樹脂
エマルジヨンの感熱ゲル化特性が失われたり低下したり
して、感熱ゲル化剤を添加すると加熱をする前に直ちに
ゲル化するなどのトラブルを生じ易くなる。ポリウレタ
ン系エマルジヨン(A)中のポリウレタンは、乳化重合
時の安定性、得られる複合樹脂エマルジヨンの安定性、
感熱ゲル化特性などの点から、ポリウレタン100g当
たり、中和されたカルボキシル基および/またはスルホ
ン酸基を5〜25mmolの割合で有していることが好
ましく、7〜22mmolの割合で有していることがよ
り好ましい。また、ポリウレタン系エマルジヨン(A)
中のポリウレタンは中和されていないカルボキシル基お
よび/またはスルホン酸基を有していてもよい。
【0026】ウレタンプレポリマー[すなわちポリウレ
タン系エマルジヨン(A)調製用のウレタンプレポリマ
ー]の製造に用いる有機ポリイソシアネートとしては、
ポリウレタン系エマルジヨンの製造に従来から用いられ
ている有機ポリイソシアネートのいずれもが使用できる
が、分子量500以下の脂環式ジイソシアネート、脂肪
族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートのうちの
1種または2種以上が好ましく使用される。そのような
有機ジイソシアネートの例としては、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,
4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,
4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネー
トなどを挙げることができ、これらのうちの1種または
2種以上を用いることができる。
【0027】分子骨格中にカルボキシル基および/また
はスルホン酸基を含有するウレタンプレポリマーを製造
するに当たっては、各成分の使用割合は、生成するプレ
ポリマーの分子末端がイソシアネート基で封鎖されるよ
うな割合であることが必要であり、一般的には、[イソ
シアネート基と反応性の活性水素原子の総量]:[イソ
シアネート基]のモル比が、1:1.1〜5の割合にな
るようにして反応を行うことが好ましい。ウレタンプレ
ポリマー製造時の温度は特に制限されないが、通常、2
0〜150℃の温度が好ましく採用される。
【0028】上記により得られるウレタンプレポリマー
を、例えば、トリエチルアミン、トリメチルアミンなど
の三級アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
のアルカリ金属水酸化物などのような塩基性化合物で処
理することによって、ウレタンプレポリマー分子中のカ
ルボキシル基および/またはスルホン酸基を中和するこ
とができる。カルボキシル基および/またはスルホン酸
基の中和処理は、ウレタンプレポリマーの製造終了後ま
たは乳化時に、塩基性化合物を系に添加することによっ
て簡単に実施することができる。塩基性化合物の添加量
は、ウレタンプレポリマーが有するカルボキシル基およ
び/またはスルホン酸基の量に応じて調節するのがよ
い。
【0029】次いで、上記で得られる中和されたカルボ
キシル基および/またはスルホン酸基を有するウレタン
プレポリマーに、水性液中で、界面活性剤の存在下に、
鎖伸長剤を反応させて、本発明で用いるポリウレタン系
エマルジヨン(A)を調製する(要件)。
【0030】鎖伸長剤としては、ポリウレタン系エマル
ジヨンの調製に従来から使用されている鎖伸長剤のいず
れもが使用できるが、イソシアネート基と反応性の活性
水素原子を分子中に2個以上有する分子量300以下の
低分子化合物が好ましく用いられる。好ましく用いられ
る鎖伸長剤の具体例としては、ヒドラジン、エチレンジ
アミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ノナメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソ
ホロンジアミン、ピペラジン及びその誘導体、フェニレ
ンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、ア
ジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなど
のジアミン類;ジエチレントリアミンなどのトリアミン
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4
−シクロヘキサンジオール、ビス(β−ヒドロキシエチ
ル)テレフタレート、キシリレングリコールなどのジオ
ール類;トリメチロールプロパンなどのトリオール類;
ペンタエリスリトールなどのペンタオール類;アミノエ
チルアルコール、アミノプロピルアルコールなどのアミ
ノアルコール類等を挙げることができ、これらのうちの
1種または2種以上を用いることができる。
【0031】鎖伸長剤の使用量は、[プレポリマー中の
イソシアネート基]:[鎖伸長剤中のイソシアネート基
と反応性の活性水素原子]のモル比が、1:0.5〜2
の範囲内となる量であることが好ましく、1:0.7〜
1.5の範囲内となる量であることがより好ましい。ま
た、ウレタンプレポリマーに鎖伸長剤を反応させるに当
たっては、鎖伸長剤をそのまま単独でウレタンプレポリ
マーの水性エマルジヨン中に添加してもよいが、鎖伸長
剤を水に溶解するか、または水と親水性有機溶媒との混
合溶媒中に溶解してウレタンプレポリマーの水性エマル
ジヨンに添加するのが好ましく、それによりウレタンプ
レポリマーと鎖伸長剤との反応が良好に進行してポリウ
レタン系エマルジヨン(A)を円滑に調製することがで
きる。さらに、鎖伸長剤は、その一部をウレタンプレポ
リマーの乳化前に反応させておいてもよい。
【0032】ポリウレタン系エマルジヨン(A)の調製
に当たっては、ウレタンプレポリマーと鎖伸長剤の反応
により生成するポリウレタン100g当たり、界面活性
剤が0.5〜10gの範囲内になる量で界面活性剤を使
用して鎖伸長反応を行うことが必要であり、0.5〜6
gの範囲内になる量で界面活性剤を使用して鎖伸長反応
を行うことが好ましく、1〜5gの範囲内になる量で界
面活性剤を使用して鎖伸長反応を行うことがより好まし
い。ポリウレタン系エマルジヨン中のポリウレタン10
0g当たり、界面活性剤の量が0.5gよりも少ない
と、ポリウレタン系エマルジヨンの分散安定性が低下し
て、エチレン性不飽和モノマー(B)を乳化重合する際
に重合安定性の低下、ゲル化が生じ易くなる。一方、ポ
リウレタン系エマルジヨン中のポリウレタン100g当
たり界面活性剤の量が10gよりも多いと、エチレン性
不飽和モノマー(B)を乳化重合する際の重合安定性が
低下し、しかもエチレン性不飽和モノマー(B)のみか
らなる重合体粒子が生成して複合樹脂粒子が生成しにく
くなり、目的とする複合樹脂のエマルジヨンが得られな
くなり、複合樹脂エマルジヨンを乾燥して得られるフィ
ルム等が白濁して透明性が損なわれる。特に、ポリウレ
タン系エマルジヨン中での界面活性剤の含有量を、ポリ
ウレタン系エマルジヨン中のポリウレタン100g当た
り0.5〜6gにすると、複合樹脂エマルジヨンに感熱
ゲル化剤を添加して感熱ゲル化性の複合樹脂エマルジヨ
ンにしたときに、複合樹脂エマルジヨンの分散安定性が
一層良好になり、しかも感熱ゲル化温度が高くなり過ぎ
ず取り扱い性に優れるので望ましい。ウレタンプレポリ
マーを鎖伸長剤と反応させる際の分散安定性を確保でき
る限りは、場合によっては、界面活性剤の少量(好まし
くは界面活性剤の20%以下)をウレタンプレポリマー
と鎖伸長剤との反応後に、ポリウレタン系エマルジヨン
に添加してもよい。但し、その場合にも、ポリウレタン
系エマルジヨン(A)中のポリウレタン100g当たり
界面活性剤の量が最終的に0.5〜10gの範囲内にな
るように調整することが必要である。
【0033】ポリウレタン系エマルジヨン(A)の調製
時(すなわちウレタンプレポリマーの鎖伸長反応時)に
用いる界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナト
リウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレ
ントリデシルエーテル酢酸ナトリウム、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテル
ジスルホン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)ス
ルホコハク酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤;
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリル
エーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン
ブロック共重合体などのノニオン性界面活性剤などを挙
げることができ、これらの1種または2種以上を用いる
ことができる。そのうちでも、界面活性剤の少なくとも
一部がアニオン性界面活性剤からなることがエチレン性
不飽和モノマー(B)を乳化重合する際の重合安定性の
点から好ましく、界面活性剤の全部がアニオン性界面活
性剤であることが好ましい。特に、ラウリル硫酸ナトリ
ウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレン
トリデシルエーテル酢酸ナトリウムの1種または2種以
上がより好ましく用いられる。
【0034】ウレタンプレポリマーは、乳化分散をし易
くするために有機溶媒で希釈してもよく、その際の有機
溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、
トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジメチル
ホルムアミドなどを挙げることができる。ウレタンプレ
ポリマーの希釈に用いた有機溶媒は、エチレン性不飽和
モノマー(B)の乳化重合前または乳化重合後にエマル
ジヨンから除去することができる。
【0035】ウレタンプレポリマーを界面活性剤の存在
下で水性液体に分散させる方法は特に制限されず、ウレ
タンプレポリマーを水性液体中に均一に乳化分散させ得
る方法であればいずれの方法を採用してもよく、そのう
ちでも強撹拌などの強い剪断力をかけながらウレタンプ
レポリマーを水性液体中に乳化分散させる方法などが好
ましく採用される。
【0036】ポリウレタン系エマルジヨン(A)では、
該エマルジヨン中に含まれる粒子の平均粒径が、動的光
散乱法により測定し且つキュムラント法で解析して求め
たときに、500nm以下であることが複合樹脂エマル
ジヨンの製造安定性などの点から好ましく、400nm
以下であることがより好ましく、300nm以下である
ことが更に好ましい。ポリウレタン系エマルジヨン
(A)中の粒子の平均粒径が500nmを超えると、ポ
リウレタン系エマルジヨン(A)の存在下でエチレン性
不飽和モノマー(B)を乳化重合する際に系のゲル化が
生じ易くなる。
【0037】ポリウレタン系エマルジヨン(A)では、
該エマルジヨンの重量に基づいて、ポリウレタン(樹脂
固形分)の含有割合が5〜60重量%であることが、エ
マルジヨンの分散安定性、複合樹脂エマルジヨンの形成
性、生産性などの点から好ましく、10〜50重量%で
あることがより好ましい。
【0038】上記の要件〜要件を備えるポリウレタ
ン系エマルジヨン(A)の存在下にエチレン性不飽和モ
ノマー(B)を乳化重合して、複合樹脂エマルジヨンを
製造する。ここで、本発明における「要件〜要件を
備えるポリウレタン系エマルジヨン(A)の存在下にエ
チレン性不飽和モノマー(B)を乳化重合し」とは、例
えば上記方法または他の方法によって予め製造した、要
件〜要件を備えるポリウレタン系エマルジヨン
(A)に、エチレン性不飽和モノマー(B)を添加して
乳化重合を行うことを意味する。ポリウレタン系エマル
ジヨン(A)の製造の途中にエチレン性不飽和モノマー
(B)を添加したり、該途中で添加したエチレン性不飽
和モノマー(B)をポリウレタン系エマルジヨンの製造
時に重合することは本発明に包含されない。ポリウレタ
ン系エマルジヨン(A)の製造の途中にエチレン性不飽
和モノマー(B)の一部または全部を添加すると、また
該途中で添加したエチレン性不飽和モノマー(B)を一
部であってもポリウレタン系エマルジヨン(A)の製造
の途中に重合させると、エチレン性不飽和モノマー
(B)の単独重合体粒子が生成し、目的とする複合樹脂
エマルジヨンが得られなくなる。ポリウレタン系エマル
ジヨン(A)の存在下にエチレン性不飽和モノマー
(B)を乳化重合するに当たっては、ポリウレタン系エ
マルジヨン(A)中のポリウレタン100重量部に対し
て、エチレン性不飽和モノマー(B)を10〜900重
量部の割合で用いることが、得られる複合樹脂エマルジ
ヨンの分散安定性、複合樹脂の強度、耐摩耗性、耐候
性、耐加水分解性、コストなどの点から好ましく、エチ
レン性不飽和モノマー(B)を25〜400重量部の割
合で用いることがより好ましい。ポリウレタン100重
量部に対して、エチレン性不飽和モノマー(B)の使用
割合が10重量部未満であると得られる複合樹脂の耐候
性および耐加水分解性が低下し易くなり、コストが高く
なり、一方900重量部を超えると得られる複合樹脂の
強度および耐摩耗性が低下し易い。
【0039】複合樹脂エマルジヨンの製造に際して、重
合系へのエチレン性不飽和モノマー(B)の供給は、最
初の段階でエチレン性不飽和モノマー(B)の全量を供
給する方式、重合の進行とともに分割または連続して添
加する方式、モノマー組成を重合の段階ごとに変化させ
る多段供給(多段重合)方式、連続的に変化させるパワ
ーフィード方式などで行うことができる。また、重合系
へのポリウレタン系エマルジヨン(A)の仕込み量およ
びエチレン性不飽和モノマー(B)の供給量は、乳化重
合により得られる複合樹脂エマルジヨン中での固形分
(複合樹脂)の含有量が、複合樹脂エマルジヨンの重量
に基づいて、10〜60重量%、特に20〜50重量%
の範囲内になるような量とすることが、重合安定性、得
られる複合樹脂の分散安定性、複合樹脂エマルジヨンの
取り扱い性、複合樹脂の物性などの点から好ましい。
【0040】複合樹脂エマルジヨンの製造に用いるエチ
レン性不飽和モノマー(B)としては、(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メ
タ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ベン
ジル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシ
ジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メ
タ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸またはその
誘導体;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルス
チレンなどの芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリルア
ミド、ダイアセトンアクリルアミドなどの不飽和カルボ
ン酸のアミド類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸ま
たはこれらの誘導体;ビニルピロリドンなどの複素環式
ビニル化合物;塩化ビニル、アクリロニトリル、ビニル
エーテル、ビニルケトン、ビニルアミドなどのビニル化
合物;エチレン、プロピレンなどのα−オレフィンなど
を挙げることができ、これらのうちの1種または2種以
上を用いることができる。そのうちでも、エチレン性不
飽和モノマー(B)としては、(メタ)アクリル酸誘導
体を主成分とするエチレン性不飽和モノマー、すなわち
(メタ)アクリル酸誘導体の割合が50重量%以上であ
るエチレン性不飽和モノマーが、得られる複合樹脂の耐
候性などの点から好ましく用いられ、(メタ)アクリル
酸誘導体の割合が60重量%以上、さらには70重量%
以上であるエチレン性不飽和モノマーがより好ましく用
いられる。
【0041】複合樹脂エマルジヨンの製造に当たって
は、必要に応じて、2官能以上の多官能性エチレン性不
飽和モノマーを併用することができ、多官能性エチレン
性不飽和モノマーの具体例としては、エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレー
ト、グリセリンジ(メタ)アクリレートなどのジ(メ
タ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレートなどのトリ(メタ)アクリレート類;ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどのテ
トラ(メタ)アクリレート類;ジビニルベンゼン、トリ
ビニルベンゼンなどの多官能性芳香族ビニル化合物;ア
リル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレー
トなどの2個以上の異なるエチレン性不飽和結合含有化
合物;2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリ
レートとヘキサメチレンジイソシアネートの2:1付加
反応物、グリセリンジメタクリレートとトリレンジイソ
シアネートの2:1付加反応物などの分子量が1500
以下のウレタンアクリレートなどを挙げることができ、
これらのうちの1種または2種以上を用いることができ
る。多官能性エチレン性不飽和モノマーを使用する場合
は、エチレン性不飽和モノマー(B)の全重量に対して
20重量%以下であることが好ましく、15重量%以下
であることがより好ましく、10重量%以下であること
がさらに好ましい。
【0042】ポリウレタン系エマルジヨン(A)の存在
下でのエチレン性不飽和モノマー(B)の乳化重合は、
重合開始剤を用いて行う。重合開始剤の重合系への添加
は、一括添加、分割添加または連続添加のいずれの方法
で行ってもよい。本発明で用い得る重合開始剤の具体例
としては、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオ
キシド、ジクミルパーオキシド、ジt−ブチルパーオキ
シド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロパ
ーオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシ
ドなどの油溶性過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチ
ロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチル
バレロニトリル)などの油溶性アゾ化合物;過酸化水
素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモ
ニウムなどの水溶性過酸化物;アゾビスシアノ吉草酸、
2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸
塩などの水溶性アゾ化合物などを挙げることができる、
これらのうちの1種または2種以上を用いることができ
る。また、前記した重合開始剤とともに、還元剤、およ
び必要に応じてキレート化剤を併用したレドックス開始
剤系を用いてもよい。還元剤としては、例えば、ロンガ
リット(ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレー
ト)などのアルカリ金属ホルムアルデヒドスルホキシレ
ート類;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムなど
の亜硫酸塩;ピロ亜硫酸ナトリウムなどのピロ亜硫酸
塩;チオ硫酸ナトリウムなどのチオ硫酸塩;亜リン酸、
亜リン酸ナトリウムなどの亜リン酸またはその塩類;ピ
ロ亜リン酸ナトリウムなどのピロ亜リン酸塩;メルカプ
タン類;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウムな
どのアスコルビン酸またはその塩類;エリソルビン酸、
エリソルビン酸ナトリウムなどのエリソルビン酸または
その塩類;グルコース、デキストロースなどの糖類;硫
酸第一鉄、硫酸銅などの金属塩などを挙げることができ
る。キレート化剤としては、例えば、ピロリン酸ナトリ
ウム、エチレンジアミン四酢酸塩などを挙げることがで
きる。
【0043】本発明では、上記重合開始剤のうちでも、
重合安定性に優れ、しかもエチレン性不飽和モノマー
(B)単位のみからなる重合体粒子を殆ど生成すること
なくポリウレタンとエチレン性不飽和モノマー(B)よ
りなる複合樹脂が円滑に得られることから、油溶性重合
開始剤が好ましく用いられ、そのうちでもクメンヒドロ
パーオキシドなどの油溶性の重合開始剤がより好ましく
用いられる。特に、油溶性重合開始剤に還元剤および/
またはキレート化剤を組み合わせたレドックス開始剤系
が好ましく用いられる。
【0044】重合開始剤の使用量は、エチレン性不飽和
モノマー(B)の種類、ポリウレタン系エマルジヨン
(A)中のポリウレタンに対するエチレン性不飽和モノ
マー(B)の使用割合などに応じて調節し得るが、一般
的には、エチレン性不飽和モノマー(B)の重量に基づ
いて、0.01〜1重量%の割合であることが、目的と
する複合樹脂エマルジヨンが円滑に得られる点から好ま
しい。重合開始剤に還元剤および/またはキレート化剤
を組み合わせたレドックス開始剤を用いる場合は、還元
剤およびキレート化剤の使用量は各々の状況に応じて調
節し得るが、一般的には、重合開始剤の重量に基づい
て、還元剤を0.1〜1000重量%の割合で、またキ
レート化剤を0〜1000重量%の割合で用いるのが好
ましい。重合系への重合開始剤の供給方法は特に制限さ
れず、従来既知のエチレン性不飽和モノマーの乳化重合
におけるのと同様にして行うことができ、そのうちでも
重合開始剤を水性液中に溶解または分散させた状態で重
合系に添加する方法が好ましく採用される。
【0045】複合樹脂エマルジヨンを製造する際の重合
条件は特に制限されず、従来既知のエチレン性不飽和モ
ノマーの乳化重合と同様にして行うことができるが、一
般に0〜90℃の温度で、不活性ガス雰囲気下に乳化重
合を行うことが、重合安定性、得られる複合樹脂の物性
などの点から好ましい。また、本発明の目的の妨げにな
らない範囲で、複合樹脂エマルジヨンの製造時に必要に
応じて界面活性剤をさらに添加してもよい。
【0046】ポリウレタン系エマルジヨン(A)の存在
下にエチレン性不飽和モノマー(B)を乳化重合して得
られる本発明の複合樹脂エマルジヨンは、分散安定性に
優れており、しかも該複合樹脂エマルジヨンを乾燥した
ときに生成する皮膜等は、透明性、柔軟性、力学的特
性、耐候性、耐屈曲性などの特性に優れているので、そ
れらの特性を活かして、皮膜形成材、塗料、被覆剤、繊
維処理剤、インク用添加剤、接着剤、ガラス繊維収束
剤、他の樹脂エマルジヨンの改質剤などとして有効に用
いることができる。
【0047】さらに、上記で得られる本発明の複合樹脂
エマルジヨンに感熱ゲル化剤を添加したものは、加熱を
行わない限りは流動性を保ち、取り扱い性に優れる。そ
して感熱ゲル化剤を添加してなる本発明の複合樹脂エマ
ルジヨンは、加熱することによって容易にゲル化する。
そのために、感熱ゲル化剤を添加してなる本発明の複合
樹脂エマルジヨンは、皮膜形成材、塗料、被覆剤、繊維
処理剤、接着剤、ガラス繊維収束剤などとして有効に使
用することができる。
【0048】本発明の複合樹脂エマルジヨンに添加する
感熱ゲル化剤としては、例えば、無機塩類、ポリエチレ
ングリコール型ノニオン性界面活性剤、ポリビニルメチ
ルエーテル、ポリプロピレングリコール、シリコーンポ
リエーテル共重合体、ポリシロキサンなどを挙げること
ができ、これらのうちの1種または2種以上を用いるこ
とができる。そのうちでも、無機塩類とポリエチレング
リコール型ノニオン性界面活性剤を組み合わせてなる感
熱ゲル化剤は、加熱したときのゲル化速度が速く、貯蔵
安定性が良好であり、且つ安価であることから好ましく
用いられる。その場合の無機塩類としては、例えば、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カ
ルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシ
ウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化マグネシウ
ム、硝酸ナトリウム、硝酸鉛などを挙げることができ、
これらの1種または2種以上を用いることができる。ま
た、ポリエチレングリコール型ノニオン性界面活性剤と
しては、例えば、高級アルコールのエチレンオキサイド
付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加
物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、多価アルコー
ルの脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、高級
アルキルアミンのエチレンオキサイド付加物、ポリプロ
ピレングリコールのエチレンオキサイド付加物などを挙
げることができ、これらの1種または2種以上を用いる
ことができる。感熱ゲル化剤の添加量は、複合樹脂エマ
ルジヨン100重量部に対して0.1〜30重量部であ
ることが好ましく、0.2〜20重量部であることがよ
り好ましい。
【0049】本発明の複合樹脂エマルジヨン、およびそ
れに感熱ゲル化剤を添加してなる感熱ゲル化性の本発明
の複合樹脂エマルジヨンは、必要に応じて、さらに他の
添加物、例えば、耐光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、浸透剤、レベリング剤、増粘剤、防黴剤、ポリビニ
ルアルコールやカルボキシメチルセルロースなどの水溶
性高分子化合物、染料、顔料、充填剤、凝固調節剤など
の1種または2種以上を含有していてもよい。
【0050】
【実施例】以下に実施例などにより本発明を具体的に説
明するが、本発明は以下の実施例により何ら制限されな
い。なお、以下の例において、ポリウレタン系エマルジ
ヨン中の粒子の平均粒径、エチレン性不飽和モノマーを
乳化重合した際の重合安定性、複合樹脂エマルジヨンを
乾燥して得られるフィルムの25℃における弾性率、α
分散、透明性および粘着性、並びに複合樹脂エマルジヨ
ンの感熱ゲル化温度は以下のようにして測定または評価
した。
【0051】(1)ポリウレタン系エマルジヨン中の粒
子の平均粒径:大塚電子株式会社製「ELS−800」
を使用して、動的光散乱法により測定し、キュムラント
法(東京化学同人社発行「コロイド科学 第IV巻 コロイ
ド科学実験法」第103頁に記載)により解析して、ポ
リウレタン系エマルジヨン中の粒子の平均粒径を求め
た。
【0052】(2)乳化重合した際の重合安定性:ポリ
ウレタン系エマルジヨンの存在下にエチレン性不飽和モ
ノマーを乳化重合して得られる複合樹脂エマルジヨンを
20メッシュのフィルターで濾過して、フィルター上に
残留する凝集物を集めて乾燥し、その重量(Wb)を測
定して、複合樹脂エマルジヨン中の複合樹脂固形分の重
量(乾燥重量)(Wa)に対する重量%{(Wb/W
a)×100}を求め、その値が1重量%未満の場合を
重合安定性が良好(○)、1重量%以上で5重量%未満
の場合を重合安定性がやや不良(△)、5重量%以上の
場合を重合安定性が不良(×)として評価した。
【0053】(3)フィルムの25℃における弾性率お
よびα分散:複合樹脂エマルジヨンを50℃で乾燥して
得られた厚さ100μmのフィルムを、130℃で10
分間熱処理した後、粘弾性測定装置(株式会社レオロジ
製「FTレオスペクトラーDVE−V4」)を用いて周
波数11Hzで測定を行い、25℃における弾性率とα
分散の温度を求めた。α分散の温度が低いほど耐寒性が
優れていることを示す。
【0054】(4)フィルムの透明性および粘着性:フ
ィルムの透明性は、上記(3)で得られた厚さ100μ
mのフィルムを目視により観察して、透明であるか白濁
しているかを評価した。また、フィルムの粘着性は、上
記(3)で得られた厚さ100μmのフィルムに手で触
れてみて、粘着性の有無を判定した。エチレン性不飽和
モノマー重合体粒子の表面をポリウレタン皮膜が包囲し
た粒子形態を有していて両重合体の複合が良好に行われ
ている複合樹脂のエマルジヨンから透明性に優れ且つ非
粘着性のフィルムが形成される。一方、ポリウレタンと
エチレン性不飽和モノマー重合体との複合が良好に行わ
れておらず、エチレン性不飽和モノマー重合体のみから
なる粒子がエマルジヨン中に多く存在する複合樹脂エマ
ルジヨンから得られるフィルムは白濁しており、且つ強
い粘着性を示す。
【0055】(5)複合樹脂エマルジヨンの感熱ゲル化
温度:試験管に複合樹脂エマルジヨン10gを秤取し、
90℃の恒温熱水浴中で撹拌しながら昇温し、複合樹脂
エマルジヨンが流動性を失いゲル状物となったときの温
度を複合樹脂エマルジヨンの感熱ゲル化温度とした。
【0056】また、以下の例で用いた高分子ジオールの
略号と内容は次のとおりである。 ○PMPA2000:数平均分子量2000のポリエス
テルジオール(3−メチル−1,5−ペンタンジオール
とアジピン酸との反応により製造) ○PTMG1000:数平均分子量1000のポリテト
ラメチレングリコール ○PHC2000:数平均分子量2000のポリヘキサ
メチレンカーボネートジオール ○PCL2000:数平均分子量2000のポリカプロ
ラクトンジオール
【0057】《参考例1》[ポリウレタン系エマルジヨ
ン(PUエマルジヨン)の調製] (1) 三つ口フラスコに、高分子ジオールとしてPM
PA2000の300.0g、2,4−トリレンジイソ
シアネート60.87gおよび2,2−ビス(ヒドロキ
シメチル)プロピオン酸7.85gを秤取し、乾燥窒素
雰囲気下に、90℃で2時間撹拌して系中の水酸基を定
量的に反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポ
リマーを製造した。 (2) 上記(1)で得られたイソシアネート末端ウレ
タンプレポリマーに、2−ブタノン195.4gを加え
て均一に撹拌した後、フラスコ内温度を40℃に下げ、
トリエチルアミン5.92gを加えて10分間撹拌し
た。次いで、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム7.
83gを蒸留水285.0gに溶解した水溶液を、前記
のウレタンプレポリマー溶液に加えてホモミキサーで1
分間撹拌して乳化した後、直ちにジエチレントリアミン
6.91gおよびイソホロンジアミン5.70gを蒸留
水496.4gに溶解した水溶液を加えて、ホモミキサ
ーで1分間撹拌して鎖伸長反応を行った。 (3) 次いで、2−ブタノンをロータリーエバポレー
ターにより除去して、固形分含量35重量%のポリウレ
タン系エマルジヨン(以下「PUエマルジヨン」とい
う)を得た。これにより得られたPUエマルジヨン
は、ポリウレタン骨格中にポリウレタン100g当たり
中和されたカルボキシル基を15.1mmolの割合で
有し、且つポリウレタン100g当たり界面活性剤を
2.0gの割合で含有しており、また粒子の平均粒径は
140nmであった。
【0058】《参考例2》[ポリウレタン系エマルジヨ
ン(PUエマルジヨン)の調製] (1) 三つ口フラスコに、高分子ジオールとしてPC
L2000の300.0g、2,4−トリレンジイソシ
アネート70.53gおよび2,2−ビス(ヒドロキシ
メチル)プロピオン酸10.06gを秤取して、参考例
1の(1)と同様にして反応させて、イソシアネート末
端ウレタンプレポリマーを製造した。 (2) 上記(1)で得られたイソシアネート末端ウレ
タンプレポリマーに、2−ブタノン204.4gを加え
て均一に撹拌した後、フラスコ内温度を40℃に下げ、
トリエチルアミン7.59gを加えて10分間撹拌し
た。次いで、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム1
2.29gを蒸留水296.3gに溶解した水溶液を、
前記のウレタンプレポリマー溶液に加えてホモミキサー
で1分間撹拌して乳化した後、直ちに、ジエチレントリ
アミン8.82gおよびエチレンジアミン2.57gを
蒸留水521.2gに溶解した水溶液を加えて、ホモミ
キサーで1分間撹拌して鎖伸長反応を行った。 (3) 次いで、2−ブタノンをロータリーエバポレー
ターにより除去して、固形分含量35重量%のポリウレ
タン系エマルジヨン(以下「PUエマルジヨン」とい
う)を得た。これにより得られたPUエマルジヨン
は、ポリウレタン骨格中にポリウレタン100g当たり
中和されたカルボキシル基を18.8mmolの割合で
有し、且つポリウレタン100g当たり界面活性剤を
3.0gの割合で含有しており、また粒子の平均粒径は
120nmであった。
【0059】《参考例3》[ポリウレタン系エマルジヨ
ン(PUエマルジヨン)の調製] (1) 三つ口フラスコに、高分子ジオールとしてPM
PA2000の300.0g、イソホロンジイソシアネ
ート78.36gおよび2,2−ビス(ヒドロキシメチ
ル)プロピオン酸6.04gを秤取して、参考例1の
(1)と同様にして反応させて、イソシアネート末端ウ
レタンプレポリマーを製造した。 (2) 上記(1)で得られたイソシアネート末端ウレ
タンプレポリマーに、2−ブタノン203.5gを加え
て均一に撹拌した後、フラスコ内温度を40℃に下げ、
トリエチルアミン4.55gを加えて10分間撹拌し
た。次いで、乳化剤として日本サーファクタント社製
「ECT−3NEX」(アニオン性界面活性剤)8.1
6gを蒸留水296.2gに溶解した水溶液を、前記の
ウレタンプレポリマー溶液に加えてホモミキサーで1分
間撹拌して乳化した後、直ちに、ジエチレントリアミン
5.15gおよびイソホロンジアミン12.74gを蒸
留水517.6gに溶解した水溶液を加えて、ホモミキ
サーで1分間撹拌して鎖伸長反応を行った。 (3) 次いで、2−ブタノンをロータリーエバポレー
ターにより除去して、固形分含量35重量%のポリウレ
タン系エマルジヨン(以下「PUエマルジヨン」とい
う)を得た。これにより得られたPUエマルジヨン
は、ポリウレタン骨格中にポリウレタン100g当たり
中和されたカルボキシル基を11.0mmolの割合で
有し、且つポリウレタン100g当たり界面活性剤を
2.0gの割合で含有しており、また粒子の平均粒径は
200nmであった。
【0060】《参考例4》[ポリウレタン系エマルジヨ
ン(PUエマルジヨン)の調製] (1) 三つ口フラスコに、高分子ジオールとしてPH
C2000の200.0g、PTMG1000の10
0.0g、イソホロンジイソシアネート80.91gお
よび2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸
7.38gを秤取して、参考例1の(1)と同様にして
反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー
を製造した。 (2) 上記(1)で得られたイソシアネート末端ウレ
タンプレポリマーに、2−ブタノン203.1gを加え
て均一に撹拌した後、フラスコ内温度を40℃に下げ、
トリエチルアミン5.57gを加えて10分間撹拌し
た。次いで、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム1
2.21gを蒸留水298.5gに溶解した水溶液を、
前記のウレタンプレポリマー溶液に加えてホモミキサー
で1分間撹拌して乳化した後、直ちに、ジエチレントリ
アミン1.78gおよびイソホロンジアミン13.23
gを蒸留水514.1gに溶解した水溶液を加えて、ホ
モミキサーで1分間撹拌して鎖伸長反応を行った。 (3) 次いで、2−ブタノンをロータリーエバポレー
ターにより除去して、固形分含量35重量%のポリウレ
タン系エマルジヨン(以下「PUエマルジヨン」とい
う)を得た。これにより得られたPUエマルジヨン
は、ポリウレタン骨格中にポリウレタン100g当たり
中和されたカルボキシル基を13.4mmolの割合で
有し、且つポリウレタン100g当たり界面活性剤を
3.0gの割合で含有しており、また粒子の平均粒径は
180nmであった。
【0061】《参考例5》[ポリウレタン系エマルジヨ
ン(PUエマルジヨン)の調製] (1) 三つ口フラスコに、高分子ジオールとしてPM
PA2000の300.0gおよび2,4−トリレンジ
イソシアネート53.55gを秤取して、参考例1の
(1)と同様にして反応させて、イソシアネート末端ウ
レタンプレポリマーを製造した。 (2) 上記(1)で得られたイソシアネート末端ウレ
タンプレポリマーに、2−ブタノン185.8gを加え
て均一に撹拌した後、フラスコ内温度を40℃に下げ
た。次いで、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム7.
45gを蒸留水269.7gに溶解した水溶液を、前記
のウレタンプレポリマー溶液に加えてホモミキサーで1
分間撹拌して乳化した後、直ちに、ジエチレントリアミ
ン7.72gおよびイソホロンジアミン6.37gを蒸
留水473.4gに溶解した水溶液を加えて、ホモミキ
サーで1分間撹拌して鎖伸長反応を行った。 (3) 次いで、2−ブタノンをロータリーエバポレー
ターにより除去して、固形分含量35重量%のポリウレ
タン系エマルジヨン(以下「PUエマルジヨン」とい
う)を得た。これにより得られたPUエマルジヨン
は、ポリウレタン骨格中に中和されたカルボキシル基を
有しておらず、またポリウレタン100g当たり界面活
性剤を2.0gの割合で含有しており、また粒子の平均
粒径は720nmであった。
【0062】《参考例6》[ポリウレタン系エマルジヨ
ン(PUエマルジヨン)の調製] (1) 三つ口フラスコに、高分子ジオールとしてPM
PA2000の300.0g、2,4−トリレンジイソ
シアネート78.37gおよび2,2−ビス(ヒドロキ
シメチル)プロピオン酸20.12gを秤取して、参考
例1の(1)と同様にして反応させて、イソシアネート
末端ウレタンプレポリマーを製造した。 (2) 上記(1)で得られたイソシアネート末端ウレ
タンプレポリマーに、2−ブタノン215.4gを加え
て均一に撹拌した後、フラスコ内温度を40℃に下げ、
トリエチルアミン15.18gを加えて10分間撹拌し
た。次いで、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム8.
63gを蒸留水314.5gに溶解した水溶液を、前記
のウレタンプレポリマー溶液に加えてホモミキサーで1
分間撹拌して乳化した後、直ちに、ジエチレントリアミ
ン7.35gおよびイソホロンジアミン6.07gを蒸
留水547.0gに溶解した水溶液を加えて、ホモミキ
サーで1分間撹拌して鎖伸長反応を行った。 (3) 次いで、2−ブタノンをロータリーエバポレー
ターにより除去して、固形分含量35重量%のポリウレ
タン系エマルジヨン(以下「PUエマルジヨン」とい
う)を得た。これにより得られたPUエマルジヨン
は、ポリウレタン骨格中にポリウレタン100g当たり
中和されたカルボキシル基を35.1mmolの割合で
有し、且つポリウレタン100g当たり界面活性剤を
2.0gの割合で含有しており、また粒子の平均粒径は
100nmであった。
【0063】《参考例7》[ポリウレタン系エマルジヨ
ン(PUエマルジヨン)の調製] 参考例1の(2)においてラウリル硫酸ナトリウムを4
7.0g用いた以外は参考例1の(1)〜(3)と同様
に行って、固形分含量35重量%のポリウレタン系エマ
ルジヨン(以下「PUエマルジヨン」という)を得
た。これにより得られたPUエマルジヨンは、ポリウ
レタン骨格中にポリウレタン100g当たり中和された
カルボキシル基を15.1mmolの割合で有し、且つ
ポリウレタン100g当たり界面活性剤を12.0gの
割合で含有しており、また粒子の平均粒径は110nm
であった。
【0064】《参考例8》[ポリウレタン系エマルジヨ
ン(PUエマルジヨン)の調製] 参考例1の(2)においてラウリル硫酸ナトリウムを用
いなかった以外は参考例1の(1)〜(3)と同様に行
って、固形分含量35重量%のポリウレタン系エマルジ
ヨン(以下「PUエマルジヨン」という)を得た。こ
れにより得られたPUエマルジヨンは、ポリウレタン
骨格中にポリウレタン100g当たり中和されたカルボ
キシル基を15.1mmolの割合で有し、界面活性剤
を含有せず、また粒子の平均粒径は1200nmであっ
た。
【0065】上記の参考例1〜8で得られたPUエマル
ジヨン〜の内容をまとめると、以下の表1に示すと
おりである。
【0066】
【表1】
【0067】《実施例1》[複合樹脂エマルジヨンの製
造] (1)初期仕込み:冷却管付きフラスコに、参考例1で
得られたPUエマルジヨンの240g、蒸留水244
g、硫酸第一鉄・7水和物(FeSO4・7H2O)0.
020g、ピロリン酸カリウム0.294g、ロンガリ
ット(ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラートの
2水塩)0.451gおよびエチレンジアミン四酢酸・
二ナトリウム塩(EDTA・2Na)0.020gを秤
取し、40℃に昇温した後、系内を十分に窒素置換し
た。 (2)乳化重合:次いで、アクリル酸ブチル192.1
g、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート3.92
gおよび参考例3で使用したのと同じアニオン性界面活
性剤(「ECT−3NEX」)1.96gの混合物(エ
チレン性不飽和モノマー含有混合物)と、クメンヒドロ
パーオキシド0.392g、アニオン性界面活性剤
(「ECT−3NEX」)0.392gおよび蒸留水2
0.0gからなる乳化液(重合開始剤含有乳化液)を、
別々の滴下ロートからフラスコ内に5時間かけて滴下
し、滴下終了後、50℃に60分間保持して重合を完了
させて、固形分含有量40重量%の複合樹脂エマルジヨ
ンを得た。
【0068】(3) 上記(2)で得られた複合樹脂エ
マルジヨンの重合安定性、複合樹脂エマルジヨンを乾燥
して得られるフィルムの25℃における弾性率、α分
散、透明性および粘着性の有無を上記した方法で測定ま
たは評価したところ、下記の表2に示すとおりであっ
た。また、上記(2)で得られた複合樹脂エマルジヨン
は、それ自体では(感熱ゲル化剤を添加しない場合は)
90℃に加熱してもゲル化しなかった。
【0069】《実施例2〜7》[複合樹脂エマルジヨン
の製造] (1) 参考例1〜4で得られたPUエマルジヨン〜
のいずれかと、下記の表2に示す各成分を表2に示す
量で用いて、実施例1の(1)および(2)におけるの
と同様にして初期仕込みおよび乳化重合を行って、実施
例2〜7の複合樹脂エマルジヨンをそれぞれ製造した。 (2) 上記(1)で得られた実施例2〜7のそれぞれ
の複合樹脂エマルジヨンの重合安定性、複合樹脂エマル
ジヨンを乾燥して得られるフィルムの25℃における弾
性率、α分散、透明性および粘着性の有無を上記した方
法で測定または評価したところ、下記の表2に示すとお
りであった。また、実施例2〜7の複合樹脂エマルジヨ
ンは、いずれも、それ自体では(感熱ゲル化剤を添加し
ない場合は)90℃に加熱してもゲル化しなかった。
【0070】《比較例1〜3》[複合樹脂エマルジヨン
の製造] (1) 参考例5〜7で得られたPUエマルジヨン〜
のいずれかと、下記の表3に示す各成分を表3に示す
量で用いて、実施例1の(1)および(2)におけるの
と同様にして初期仕込みおよび乳化重合を行って、比較
例1〜3の複合樹脂エマルジヨンをそれぞれ製造した。 (2) 上記(1)で得られた比較例1〜3のそれぞれ
の複合樹脂エマルジヨンの重合安定性、複合樹脂エマル
ジヨンを乾燥して得られるフィルムの25℃における弾
性率、α分散、透明性および粘着性の有無を上記した方
法で測定または評価したところ、下記の表3に示すとお
りであった。また、実施例1〜3の複合樹脂エマルジヨ
ンは、いずれも、それ自体では(感熱ゲル化剤を添加し
ない場合は)90℃に加熱してもゲル化しなかった。
【0071】《比較例4》参考例8で得られたPUエマ
ルジヨンと、下記の表3に示す各成分を表3に示す量
で用いて、実施例1の(1)および(2)におけるのと
同様にして初期仕込みおよび乳化重合を行ったところ、
乳化重合中に系全体のゲル化(凝固)が生じて複合樹脂
エマルジヨンが製造できなかった。
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】上記の表2および表3の結果から、上記の
要件〜要件のすべてを満足するPUエマルジヨン
〜のいずれかの存在下でエチレン性不飽和モノマーの
乳化重合を行った実施例1〜7による場合は、乳化重合
時の重合安定性に優れ、しかも複合樹脂エマルジヨンを
乾燥して得られるフィルムは弾性率およびα分散の値が
適当な値にあって柔軟性、耐寒性に優れ、且つ透明性に
優れ、非粘着性であることがわかる。それに対して、上
記の要件〜要件のいずれかを欠いているPUエマル
ジヨン〜の存在下にエチレン性不飽和モノマーの乳
化重合を行った比較例1〜4の場合は、乳化重合時の重
合安定性に劣るか(比較例1〜3)またはゲル化が生じ
て乳化重合ができず(比較例4)、また複合樹脂エマル
ジヨンを乾燥して得られるフィルムは白濁しており透明
性に劣り且つ粘着性である(比較例1と3)、ことがわ
かる。
【0075】《実施例8》[感熱ゲル化性の複合樹脂エ
マルジヨンの製造] 実施例1で得られた複合樹脂エマルジヨン100重量部
に、感熱ゲル化剤として、ノニオン性界面活性剤(花王
株式会社製「エマルゲン109P」)4重量部および塩
化カルシウム1重量部を添加して、感熱ゲル化性の複合
樹脂エマルジヨンを製造した。これにより得られた感熱
ゲル化性の複合樹脂エマルジヨンは、そのままでは(常
温では)ゲル化せずに流動性を示し、取り扱い性に優れ
ていた。得られた感熱ゲル化性の複合樹脂エマルジヨン
の感熱ゲル化温度を上記した方法で測定したところ、5
2℃であった。
【0076】《実施例9》[感熱ゲル化性の複合樹脂エ
マルジヨンの製造] 実施例3で得られた複合樹脂エマルジヨンを用いた以外
は実施例8と同様にして感熱ゲル化性の複合樹脂エマル
ジヨンを製造した。これにより得られた感熱ゲル化性の
複合樹脂エマルジヨンは、そのままでは(常温では)ゲ
ル化せずに流動性を示し、取り扱い性に優れていた。得
られた感熱ゲル化性の複合樹脂エマルジヨンの感熱ゲル
化温度を上記した方法で測定したところ、48℃であっ
た。
【0077】《実施例10》[感熱ゲル化性の複合樹脂
エマルジヨンの製造] 実施例5で得られた複合樹脂エマルジヨンを用いた以外
は実施例8と同様にして感熱ゲル化性の複合樹脂エマル
ジヨンを製造した。これにより得られた感熱ゲル化性の
複合樹脂エマルジヨンは、そのままでは(常温では)ゲ
ル化せずに流動性を示し、取り扱い性に優れていた。得
られた感熱ゲル化性の複合樹脂エマルジヨンの感熱ゲル
化温度を上記した方法で測定したところ、50℃であっ
た。
【0078】《比較例6》比較例2で得られた複合樹脂
エマルジヨンを用いた以外は実施例8と同様にして感熱
ゲル化性の複合樹脂エマルジヨンを製造しようとした
が、感熱ゲル化剤(ノニオン性界面活性剤および塩化カ
ルシウム)の添加直後に系全体のゲル化を生じ、感熱ゲ
ル化性の複合樹脂エマルジヨンを得ることができなかっ
た。
【0079】
【発明の効果】本発明による場合は、分散安定性に優
れ、ポリウレタンとエチレン性不飽和モノマー重合体と
が良好に複合した粒子形態でエマルジヨン中に分散して
おり、乾燥したときに透明性、柔軟性、力学的特性、耐
摩耗性、耐候性、耐屈曲性、耐溶剤性、耐加水分解性な
どの特性に優れ、非粘着性の皮膜等を形成し得るポリウ
レタンとエチレン性不飽和モノマー重合体との複合樹脂
エマルジヨンを、乳化重合時にゲル化等を生ずることな
く、良好な重合安定性で円滑に製造することができる。
本発明の方法により得られる複合樹脂エマルジヨンに感
熱ゲル化剤を添加した複合樹脂エマルジヨンは、加熱ゲ
ル化前は流動性を保ち、取り扱い性に優れている。そし
て、感熱ゲル化剤を添加してなる本発明の複合樹脂エマ
ルジヨンは加熱により容易にゲル化する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 75/04 C08L 75/04 101/00 101/00 // C09D 5/02 C09D 5/02 175/04 175/04 Fターム(参考) 4J002 CH022 CH052 CH053 CK021 DD058 DD068 DD078 DE037 DE228 DG047 DG048 EK027 EK037 EK047 EQ017 EV186 EV236 EV256 FD147 FD203 FD312 FD316 4J011 KA02 KA10 KB08 KB22 KB29 PA29 PA45 PA95 PB40 4J026 AB02 BA02 BA03 BA05 BA06 BA10 BA12 BA15 BA27 BA29 BA30 BA31 BA32 BA33 BA40 DA04 DA07 DB04 DB10 4J034 DF01 DF02 DF03 DF12 DF14 DF16 DF20 DF21 DF33 DG03 DG04 DG06 DG27 HA01 HA06 HA07 HC01 HC02 HC03 HC11 HC12 HC13 HC17 HC22 HC46 HC52 HC54 HC61 HC63 HC64 HC66 HC67 HC71 HC73 JA41 JA42 MA01 MA15 MA24 QA07 QC05 4J038 CB031 CB032 CB091 CB092 CC021 CC022 CC081 CC082 CD041 CD042 CE051 CE052 CG061 CG062 CG071 CG072 CG141 CG142 CG161 CG162 CG171 CG172 CH031 CH032 CH041 CH042 CH071 CH072 CH081 CH082 CH121 CH122 CH171 CH172 CH201 CH202 CJ281 CJ282 CK031 CK032 DG111 DG112 DG121 DG122 DG131 DG132 DG271 DG272 DG281 DG282 GA06 GA13 KA03 KA09 LA02 MA08 MA10 MA14 NA03 NA04 NA11 NA12 NA25

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタン系エマルジヨン(A)の存
    在下にエチレン性不飽和モノマー(B)を乳化重合して
    複合樹脂エマルジヨンを製造する方法であって、ポリウ
    レタン系エマルジヨン(A)として、下記の要件〜要
    件; 水性液中で界面活性剤の存在下にイソシアネート末
    端ウレタンプレポリマーに鎖伸長剤を反応させて調製し
    たポリウレタン系エマルジヨンである; ポリウレタン骨格中に、ポリウレタン100g当た
    り、中和されたカルボキシル基および/またはスルホン
    酸基を3〜30mmolの割合で有するポリウレタンの
    エマルジヨンである;および ポリウレタン100g当たり界面活性剤を0.5〜
    10gの割合で含有するポリウレタン系エマルジヨンで
    ある;を満足するポリウレタン系エマルジヨンを用いる
    ことを特徴とする複合樹脂エマルジヨンの製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリウレタン系エマルジヨン(A)が、
    ポリウレタン100g当たり界面活性剤を0.5〜6g
    の割合で含有する請求項1に記載の複合樹脂エマルジヨ
    ンの製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリウレタン系エマルジヨン(A)中の
    ポリウレタン100重量部に対してエチレン性不飽和モ
    ノマー(B)を10〜900重量部の割合で用いて乳化
    重合を行うことからなる請求項1または2に記載の複合
    樹脂エマルジヨンの製造方法。
  4. 【請求項4】 エチレン性不飽和モノマー(B)が(メ
    タ)アクリル酸誘導体を主成分とするエチレン性不飽和
    モノマーである請求項1〜3のいずれか1項に記載の複
    合樹脂エマルジヨンの製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリウレタン系エマルジヨン(A)に含
    まれる界面活性剤の少なくとも一部がアニオン性界面活
    性剤である請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合樹
    脂エマルジヨンの製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリウレタン系エマルジヨン(A)中の
    粒子の平均粒径が500nm以下である請求項1〜5の
    いずれか1項に記載の複合樹脂エマルジヨンの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 乳化重合を油溶性重合開始剤を用いて行
    う請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合樹脂エマル
    ジヨンの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の製
    造方法で得られる複合樹脂エマルジヨン。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の製
    造方法で得られる複合樹脂エマルジヨンに感熱ゲル化剤
    を添加してなる感熱ゲル化性の複合樹脂エマルジヨン。
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