JPH0740500A - 包装材料の製造方法 - Google Patents

包装材料の製造方法

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JPH0740500A
JPH0740500A JP25162993A JP25162993A JPH0740500A JP H0740500 A JPH0740500 A JP H0740500A JP 25162993 A JP25162993 A JP 25162993A JP 25162993 A JP25162993 A JP 25162993A JP H0740500 A JPH0740500 A JP H0740500A
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JP
Japan
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group
water
parts
packaging material
plastic film
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JP25162993A
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English (en)
Inventor
Reiji Takehara
怜治 竹原
Toshinori Ishibashi
歳徳 石橋
Yoko Nunokawa
陽子 布川
Toyomi Hashizume
豊美 橋詰
Hitoshi Takayanagi
均 高柳
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 プラスチックフィルムに架橋ポリウレタン樹
脂粒子の水性分散体を含有した水性印刷インキで印刷し
た後、プラスチックフィルム又は金属箔を貼り合わせて
包装材料を製造する。 【効果】 耐レトルト性、耐ボイル性に優れた包装材料
を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は包装材料の製造方法に関
し、さらに詳しく云えば、本発明はボイルやレトルトが
可能な食品包装に適した包装材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフィルムに水性印刷インキ
で印刷を施し、ドライラミネーション、溶融押し出しラ
ミネーション等によってプラスチックフィルム又は金属
箔を貼り合わせて包装材料を製造することが行われてい
るが、従来の水性印刷インキは、皮膜中に親水基を多量
に残し、低分子量成分も残留するため、各種のプラスチ
ックフィルムに対する接着性は十分でなく、特に熱水に
浸漬後の接着力の低下が著しく、高度のラミネート強度
とボイル耐性やレトルト耐性を必要とする食品包装に好
適に使用し得る包装材料を製造することは困難であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来困難で
あった、食品包装用として必要な、高度のラミネート強
度とボイル、レトルト耐性を有する包装材料の製造方法
について研究を進めた結果、本発明に到達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、プラスチック
フィルムに架橋ポリウレタン樹脂粒子の水性分散体を含
有した水性印刷インキで印刷した後に、プラスチックフ
ィルム又は金属箔を貼り合わせることを特徴とする包装
材料の製造方法に関する。
【0005】本発明で使用する架橋ポリウレタン樹脂粒
子の水性分散体は、水性媒体中に安定に微分散されたウ
レタン系ポリマーの個々の粒子内が架橋された状態のも
のであり、しかも、それ自体または他のバインダー成分
と混合したものを塗布することによって皮膜を形成する
性質を有するものである。得られる皮膜はウレタン樹脂
特有の柔軟性と優れた接着性を有し、特に耐熱性が優れ
ているために、これを水性の印刷インキに配合すること
によって上記課題を解決することが可能となった。
【0006】本発明で使用できる架橋ポリウレタン樹脂
粒子の水性分散体は種々の製造方法によって得られるも
のが含まれうるが、下記の三つの架橋機構を利用する方
法によって得られるものはいずれも好適である。
【0007】(1)イソシアネート基を末端基とする水
分散されたウレタン系ポリマーをポリアミンと反応させ
て架橋するもの。
【0008】(2)イソシアネート基を末端基とする自
己水分散性ウレタン系ポリマーと、該イソシアネート基
と反応し得る官能基および加水分解性シリル基を併せ有
するシランカップリング剤とを付加反応せしめ、次いで
水性媒体中に分散させて重縮合せしめることによって架
橋するもの。
【0009】(3)ラジカル重合性不飽和基を有する自
己水分散性ウレタン系樹脂を水性媒体中に分散させた
後、該ラジカル重合性不飽和基を重合させることによっ
て架橋するもの。
【0010】(1)イソシアネート基を末端基とする水
分散されたウレタン系ポリマーをポリアミンと反応さ
せ、架橋ポリウレタン樹脂粒子の水性分散体を製造する
方法としては、次の方法を挙げることができる。
【0011】イソシアネート基を末端基とする自己水分
散性ウレタン系ポリマーに必要に応じて疎水性ポリイソ
シアネートプレポリマーをブレンドせしめ、次いで該自
己水分散性ウレタン系ポリマー若しくはブレンド物(ま
たは水)を、攪拌されている水(または自己水分散性ウ
レタン系ポリマー若しくはブレンド物)中に、徐々に投
入せしめ、続いて、ポリアミンを投入せしめ、最後に、
先の混合工程で混入して来る溶剤を、減圧蒸留除去せし
める。
【0012】以上の工程で、架橋ポリウレタン樹脂粒子
の安定な水分散体を得ることができる。ここにおいて、
上記した自己水分散性ウレタン系ポリマーとは、分子内
に親水性基を有することにより、乳化剤を使用すること
なく、それ自身で、安定なる水分散体を形成する性質を
有するものを指称する。
【0013】当該自己水分散性ウレタン系ポリマーのお
およその分子量(数平均分子量)としては、2,000
〜100,000なる、好ましくは、3,000〜3
0,000なる範囲内のものが適切であり、しかも、当
該自己分散性ウレタン系ポリマーは、有機溶剤で溶解さ
れ、希釈された溶液の形で用いられる。
【0014】こうした性質を有する自己水分散性ウレタ
ン系ポリマーは、特別に新規なものではなく、デイスパ
ージョン型樹脂の呼称で、種々、生産されており、イン
キ、塗料、繊維加工剤または接着剤などの用途に使用さ
れているようなものであればよい。
【0015】たとえば、有機ジイソシアネートとポリオ
ール成分とをイソシアネート基が過剰の状態で反応せし
め、得られる末端にイソシアネート基を有するウレタン
プレポリマーを、必要に応じて2個以上の活性水素原子
を有する低分子量化合物よりなる鎖伸長剤で鎖伸長する
通常のポリウレタンの製造方法が適用できる。ここで自
己水分散性を付与するために、ポリオール成分および/
または鎖伸長剤の少なくとも一部として、親水性基を有
し末端にイソシアネートとの反応性のある官能基を2個
有する化合物を使用する。
【0016】これらの化合物としては、親水性基とし
て、ポリエーテル基、燐酸エステル基、スルホン酸基、
三級アミノ基、カルボキシル基、或いはそれらの中和塩
基等のいずれかを有するジオール類、およびジアミン類
が適する。具体例として代表的なもののみを挙げると、
ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンジ
アミノプロピルエーテル、トリメチロールプロパンモノ
リン酸エステル、トリメチロルプロパンモノ硫酸エステ
ル、二塩基酸成分の少なくとも一部がナトリウムスルホ
琥珀酸、あるいはナトリウムスルホイソフタル酸である
ポリエステルジオール、N−メチルジエタノールアミ
ン、ジアミノカルボン酸類例えばリシン、シスチンおよ
び3,5ージアミノカルボン酸、2,6−ジヒドロキシ
安息香酸並びに特にジヒドロキシアルカン酸例えば2,
2−ジヒドロキシプロピオン酸および2,2−ジヒドロ
キシプロピオン酸とεーカプロラクトンとの反応で得ら
れるカルボキシル基含有ポリカプロラクトンジオール等
がある。
【0017】上記の有機ジイソシアネートの具体例とし
ては、特に代表的な例のみにとどめれば、エチレンジイ
ソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネート、リジンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、水添化4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、メチルシク
ロヘキシレンジイソシアネート、イソプロピリデンジシ
クロヘキシル−4,4’−ジイソシアネートの如き脂環
式ジイソシアネートまたは4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テト
ラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソ
シアネートの如き芳香族ジイソシアネート等を挙げるこ
とができる。
【0018】上記のポリオール成分は一般にポリウレタ
ンの製造に使用されるかまたは使用が可能とされるもの
がここでも適用できる。特に代表的なもののみを例とし
て挙げれば、ポリエステルポリオール、例えばジカルボ
ン酸(アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク
酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸など)とグリコール(エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、1,8−オクタメチレンジオール、ネオペン
チルグリコール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサ
ン、ビスヒドロキシエチルベンゼン、アルキルジアルカ
ノールアミンなど)とを重縮合させて得られたもの、例
えばポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペー
ト、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレン/プ
ロピレンアジペート;ラクトンの開環重合によるポリラ
クトンジオール、例えばポリカプロラクトンジオール、
ポリバレロラクトンジオールなど並びにポリエーテルポ
リオール、例えば低分子グリコール(エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールな
ど)のアルキレンオキシド(炭素数2〜4のアルキレン
オキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシ
ドおよびブチレンオキシドなど)付加物及び前記アルキ
レンオキシドの開環重合物、具体的にはポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチ
レンエーテルグリコールおよびこれらの2種以上の混合
物等である。
【0019】また、鎖伸長剤として用いられる前記した
活性水素原子含有低分子化合物として特に代表的なもの
のみを例示するに留れば、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオールの如き低分子グリコール及びエチレンジ
アミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキ
サメチエンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメ
チレンジアミンの如き脂肪族ジアミン及びイソホロンジ
アミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミ
ン、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジ
アミン、1,4−ジアミノシクロヘキサンの如き脂環式
ジアミンなどである。
【0020】また、たとえば、米国特許第4,066,
591号明細書に開示されているようなウレタン系ポリ
マーを使用することができる。
【0021】そして、これらの親水性基が分子中に1個
以上という必要量が導入されることにより、微少な粒子
として水に分散するのであるが、その必要量は、親水性
基の種類やその組み合わせなどで決まる。
【0022】かかる親水性基としてカルボキシル基を導
入するのが、種々の面でバランスが取り易く、操作し易
い。
【0023】この場合には、固形分の酸価は、15〜1
00なる、好ましくは、20〜60なる範囲内である。
【0024】次いで、疎水性ポリイソシアネートプレポ
リマーとは、水に対して、単独では溶解ないしは分散さ
せることができない、分子内に2個以上のイソシアネー
ト基を有する、比較的分子量の低いものを指称する。
【0025】そうしたもののうち特に代表的なものを例
示すれば、湿気硬化型ウレタン樹脂の名で、一般的に呼
称されているような、各種のポリイソシアネートプレポ
リマーなどであり、これらは、トリメチロールプロパン
やエチレングリイコールなどのポリオール類とか、ポリ
エーテルポリオールまたはポリエステルポリオールの如
きポリオールプレポリマー類とか、トルエンジイソシア
ネート、1,6−ヘキサンジイソシアネートまたはイソ
ホロンジイソシアネートの如きジイソシアネート類を基
本原料とし、−OHeq/−NCOeq<1なる条件の
下で、ウレタン化反応をさせることによって得られられ
るものであり、通常は、数平均分子量としては、おおよ
そ、2,000〜6,000なる範囲内が適切であり、
また、平均官能基数としては、おおよそ、2〜4なる範
囲内が適切である。
【0026】これらとは別に、2液型ウレタン塗料用硬
化剤の名で、一般的に呼称されているような、各種のポ
リイソシアネートプレポリマーも挙げられ、これには、
トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシ
アネートもしくはイソホロンジイソシアネートの如きジ
イソシアネート類の重合体;またはトリメチロールプロ
パンやエチレングリイコールなどのポリオール類とのア
ダクト;あるいは、水分子を反応に介在させたアロハネ
ート変性体などが該当し、数平均分子量としては、おお
よそ、600〜1,000なる範囲内が適切であるし、
また、平均官能基数としては、おおよそ、4〜6なる範
囲内が適切である。
【0027】自己水分散性ウレタン系ポリマーと疎水性
ポリイソシアネートプレポリマーの混合比率としては、
両者の合計重量に対する疎水性ポリイソシアネートプレ
ポリマーの重量%が、0≦重量%≦60、好ましくは、
0≦重量%≦40なる範囲内が適切である。
【0028】60重量%を超えるとカプセル化が困難と
なるし、粒子径も1ミクロン(μm)を超えて大きくな
って、水分散安定性に支障が出てくるので、好ましくな
い。
【0029】本発明の実施に当たっては、イソシアネー
ト基を有する自己水分散性ウレタン系ポリマー(3,0
00〜5,000なる数平均分子量で、かつ、平均官能
基数が2以上のものが好ましい。)を用いる一方で、疎
水性ポリイソシアネートプレポリマーとしては、平均官
能数が大きくて、数平均分子量の小さい樹脂を準備し使
用することにより、そして両者の混合比率を変えること
によって、生成する架橋ポリウレタン樹脂粒子内の架橋
間平均分子量を幅広く、かつ、いとも簡便に変化させる
ことが可能であることは、言うまでもない。ポリアミン
の官能数の違いによっても、さらに、変化させることが
できる。
【0030】架橋粒子化工程で使用するポリアミンとし
て特に代表的なものを例示すれば、ヒドラジン、エチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミンまたはテトラエチレンペンタミンなどである。
【0031】基本的には、水溶性を有し、かつ、イソシ
アネートとの反応において2官能性以上のポリアミンで
あればよい。
【0032】イソシアネート基を有するウレタン系ポリ
マーの水分散系にポリアミンを加えるにあたっては、イ
ソシアネート基と水との反応を避けるために速やかに行
う必要がある。通常はイソシアネート基と水との反応は
ゆっくりであり、これに比べてイソシアネート基とポリ
アミンとの反応は極めて速く、殆ど瞬間的に起こるので
支障なく目的の架橋反応を達成する事ができる。
【0033】(2)イソシアネート基を末端基とする自
己水分散性ウレタン系ポリマーと、該イソシアネート基
と反応し得る官能基および加水分解性シリル基を併せ有
するシランカップリング剤とを付加反応せしめ、次いで
水性媒体中に分散させて重縮合せしめることにより、架
橋ポリウレタン樹脂粒子の水性分散体を製造する方法と
しては、次の方法を挙げることができる。
【0034】イソシアネート基を有する自己水分散性ウ
レタン系ポリマーと、必要に応じてイソシアネート基を
有する疎水性樹脂に、シランカップリン剤を付加反応せ
しめ、次いで、水性媒体中で、必要に応じてマイクロ・
カプセル化せしめ、しかるのち、重縮合せしめる。
【0035】以下、この製造方法を、詳細に述べること
にする。シランカップリング剤が有する、イソシアネー
ト基と反応しうる官能基としては、メルカプト基、1級
または2級アミノ基あるいは水酸基が適切である。
【0036】また、加水分解性シリル基としては、アル
コキシシリル基であることが望ましく、さらには、モノ
−、ジ−またはトリメトキシシリル、あるいはモノ−、
ジ−またはトリエトキシシリル基などが、代表的なもの
として挙げられる。
【0037】かかるシランカップリング剤として特に代
表的なものを例示すれば、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピリメチルジエトキシシラ
ン、β−(3,4−グリシドキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−ジブチルアミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ンまたはN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメ
チルジメトキシシランなどである。
【0038】これらのうち、一分子中に2個のアミノ基
を有するシランカップリング剤を使用する場合には、イ
ソシアネート基を有する自己水分散性ウレタン系ポリマ
ー中の、あるいはイソシアネート基を有する疎水性樹脂
中の該イソシアネート基の数としては、一分子中に、平
均1〜2個であることが望ましい。2個を大きく超える
場合には、どうしても、付加反応時にゲル化する虞があ
る。
【0039】イソシアネート基を有する自己水分散性ウ
レタン系ポリマーあるいは疎水性樹脂に対して使用する
シランカップリング剤の量としては、イソシアネート基
を有する自己水分散性ウレタン系ポリマーあるいは疎水
性樹脂の一分子に対して、少なくとも一分子のシランカ
ップリング剤が付加するような量以上のものであって、
しかも、イソシアネート基の1個に対して、一分子以下
となるような割合のシランカップリング剤を使用するの
が望ましい。
【0040】このような使用範囲よりも少ない量では、
シランカップリング剤が反応しない、イソシアネート基
を有するウレタン系ポリマー若しくは疎水性樹脂が未反
応で残るようになるし、一方、このような使用範囲より
も多い量では、イソシアネート基を有するウレタン系ポ
リマー若しくは疎水性樹脂に反応しない、シランカップ
リング剤が未反応で残るようになるので、いずれの場合
も好ましくは無い。
【0041】イソシアネート基を有する自己水分散性ウ
レタン系ポリマーは、親水性基として、カルボキシル
基、スルホン酸塩基もしくは4級アミノ基または酸で以
て中和された3級アミノ基、あるいはポリエチレングリ
コールに基ずくエーテル基などを有するものである。就
中、ウレタン系ポリマーの製造のし易さとか、あるいは
耐水性や耐薬品性などに優れるフィルムを得やすいとい
う面などからすれば、スルホン酸塩基とカルボキシル基
とが好ましく、さらには、カルボキシル基が、より好ま
しいと言える。
【0042】ここで、自己水分散性樹脂とは、それ自体
が、分子内に親水性基を有するという処から、乳化剤や
分散安定剤などを、一切、使用することなく、それ自身
で、安定なる水分散体を形成するという性質を有する樹
脂を指称するものである。
【0043】また、マイクロ・カプセル化とは、自己水
分散性を有しない樹脂を、自己水分散性を有する樹脂と
混合することによって、水中に共分散せしめるというよ
うな方法を指称するものである。
【0044】ウレタン系ポリマー中にカルボキシル基を
導入するに際しては、何ら、特別なる方法を必要とする
ものではなく、専ら、公知慣用の方法に従えば良い。た
とえば、ウレタン化反応時に、ジメチロールプロピオン
酸を使用する方法がある。
【0045】カルボキシル基は、中和させることによっ
て親水性が付与される。カルボキシル基を中和せしめる
塩基としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、
ジメチルエタノールアミンなどの、いわゆる揮発性の3
級アミン類の使用が望ましいが、その他の塩基性物質な
いしはアルカリ類も、場合によっては、使用することが
出来る。カルボキシル基の量としては、樹脂固形分での
酸価が10〜100なる範囲内が、好ましくは、20〜
80なる範囲内が適切である。また、中和するべきカル
ボキシル基の割合としては、20〜120%なる範囲内
が、好ましくは、30〜100%なる範囲内が適切であ
る。
【0046】ウレタン系ポリマーの酸価およびその中和
の割合としては、粒子径、分散性あるいはフィルム性能
などの面から、適宜、決定されるものである。
【0047】ポリエチレングリコールに基づくエーテル
基を導入するには、ウレタン系ポリマーの合成に際し
て、ポリエチレングリコールやその片末端メトキシ化体
などを使用すればよい。
【0048】イソシアネート基を有する自己水分散性ウ
レタン系ポリマーの製造法としては、イソシアネート基
と反応しない有機溶剤中で、親水性基を有するジオール
樹脂(高分子ジオール類)と、ジイソシアネート化合物
とを、あるいは、ジオール樹脂(高分子ジオール類)
と、カルボキシル基を有するジオール化合物と、ジイソ
シアネート化合物とを、水酸基に対して、イソシアネー
ト基の方が多い割合で以て反応せしめるという方法が、
操作し易くて簡便である。
【0049】その際には、必要に応じて、低分子ジオー
ル化合物も使用できるし、あるいはゲル化したり、著し
く、樹脂の粘度が高くならない範囲内の量であるなら
ば、水酸基やイソシアネート基が、2官能以上の多官能
性の化合物も使用できる。
【0050】ここにおいて、上記したイソシアネート基
含有自己水分散性樹脂の調製に際して使用される諸原料
の代表的なものを例示することにする。
【0051】(a)ジオール樹脂(高分子ジオール
類):ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリエステルジ
オール、ポリエーテルジオール、ポリカプロラクトンジ
オール、ポリカーボネートジオール、シリコーンジオー
ル、ポリブタジエンジオール、ポリイソプレンジオー
ル、ポリオレフィン樹脂ジオール類(高分子ジオール
類)あるいは脂肪酸のモノグリセライドなど。
【0052】かかるジオール樹脂(高分子ジオール類)
の数平均分子量としては、500〜4,000なる範囲
内が適切である。
【0053】(b)低分子ジオール化合物:エチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル
−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、
1,4−ブテンジオール、ヒドロキシピバレン酸とネオ
ペンチルグリコールのモノエステル、水添ビスフェノー
ルA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加
体、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加
体など。
【0054】(c)カルボキシル基を有するジオール化
合物:ジメチロールプロピオン酸、3価のポリオールに
無水酸を付加したものなど。
【0055】(d)親水性基を有するジオール樹脂:ポ
リエステルジオールの原料に5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸を使用したもの;ジオール樹脂類(高分子ジオ
ール類)および/または低分子ジオール化合と、テトラ
カルボン酸二無水物とを反応せしめた形のもの;ジオー
ル樹脂(高分子ジオール類)および/または低分子ジオ
ール化合物と、カルボキシル基を有するジオール化合物
と、ジイソシアネート化合物とを、イソシアネート基に
対して、水酸基が多い割合となるようにして反応せしめ
た形のものなど。また、500〜4,000なる範囲内
の数平均分子量を有するようなものの使用が望ましい。
【0056】(e)ジイソシアネート化合物:トルエン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメ
チル)ベンゼン、1,3−ビス(イソシアネートメチ
ル)シクロヘキサン、ジフェニルメタンジイソシアネー
トあるいはジシクロヘキシルメタンジイソシアネートな
ど。
【0057】次に、イソシアネート基を有するが、自己
水分散性の無い疎水性樹脂に付いて述べることにする。
【0058】かかる樹脂として、一分子中に、平均2個
以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート樹
脂が挙げられる。
【0059】ポリイソシアネート樹脂とは、たとえば、
湿気硬化型ウレタン樹脂、あるいは、2液硬化型ウレタ
ン樹脂の硬化剤の名で以て、一般的に呼称されているよ
うな、各種のポリイソシアネート・プレ・ポリマーなど
を指称するものである。
【0060】こうしたポリイソシアネート樹脂として特
に代表的なものを例示すれば、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールエタン、グリセリン、トリスヒドロ
キシエチルイソシアヌレートまたはペンタエリスリトー
ルの如き、各種のポリオール類;あるいは、前述した低
分子ジオール類やジオール樹脂類(高分子ジオール類)
と、前述したジイソシアネート化合物類とを基本原料と
して、イソシアネート基の方が、水酸基よりも多い割合
となるようにして、ウレタン化反応せしめて得られる、
イソシアネート基の平均官能基数が、およそ、2〜6な
る範囲内のものなどである。
【0061】さらには、ジイソシアネート化合物の重合
体や、水分子を反応に介在させたアロハネート変性体な
どもある。
【0062】さらにまた、本発明においては、アルコキ
シシリル基の加水分解により生成するシラノール基同士
の重縮合反応に加えて、シラノール基と、水酸基との間
での重縮合反応を利用することも出来る。このために
は、イソシアネート基を有する自己水分散性樹脂および
/またはイソシアネート基を有する疎水性樹脂中に、水
酸基を導入せしめるという方法であるとか、水酸基を有
する自己水分散性樹脂を併用するという方法であると
か、あるいは、水酸基を有する疎水性樹脂を併用し、マ
イクロ・カプセル化によって、水に分散せしめるという
方法、などのような種々の方法が利用できる。
【0063】ここまでの処は、本発明を構成する原料に
付いて述べて来たものではあるが、次には、その製造工
程に付いて述べることにする。かかる製造工程は、主
に、次のような3工程からなるものである。
【0064】自己水分散性ウレタン系ポリマーと必要
に応じて使用されるイソシアネート基を有する疎水性樹
脂のイソシアネート基に、シランカップリング剤を付加
反応せしめる工程、 水媒体中に、分散ないしはマイクロ・カプセル化せし
める工程、 加水分解性シリル基を重縮合反応せしめる工程。
【0065】まず、イソシアネート基を有するウレタン
系ポリマーと必要に応じて使用される疎水性樹脂に、シ
ランカップリング剤を付加反応せしめる工程は、有機溶
剤中で、室温下に、あるいは、必要に応じて、加熱して
行うという方法が簡便なので、特に推奨できる。この際
には、ウレタン化触媒を使用することも望ましい。使用
する有機溶剤は、イソシアネート化合物を使用する場合
においては、アルコール系溶剤の使用は注意を要する
が、それ以外の場合は、特別に、制限はない。
【0066】勿論、イソシアネート基とシランカップリ
ング剤とを付加反応せしめたのちに、アルコール系溶剤
を使用することは、何ら、差し支えは無い。
【0067】かかる有機溶剤としては、最終工程の濃縮
を考慮すると、水よりも沸点の低い、たとえば、メタノ
ール、エタノノール、イソプロパノール、n−プロパノ
ール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルまた
はn−ヘキキサンなどの使用が好ましい。そして、水よ
りも沸点の低い有機溶剤を使用すると、濃縮によって、
媒体が、実質的に、水のみの分散体が得られる。
【0068】勿論、水よりも沸点の高い有機溶剤を使用
することも、分散安定性を損なわない限り、何ら、問題
はない。
【0069】第二の水媒体中に分散ないしはマイクロ・
カプセル化せしめる工程は、シランカプリング剤を付加
反応せしめた形の自己水分散性ウレタン系ポリマーある
いはシランカップリング剤を付加反応せしめた形の自己
水分散性ウレタン系ポリマーと、シランカップリング剤
を付加反応せしめた形の疎水性樹脂との混合樹脂の中
に、徐々に、水を加えて行くという方法、あるいは、そ
の逆に、水媒体中に樹脂を加えて行くという方法などが
ある。
【0070】親水性基がカルボキシル基の場合には、水
分散ないしはマイクロ・カプセル化せしめる前に、塩基
で以て中和する必要がある。
【0071】マイクロカプセル化による方法の場合に
は、自己水分散性ウレタン系ポリマーの100重量部に
対する疎水性樹脂の量としては、100重量部以下が適
切であるし、より好ましくは、70重量部以下が適切で
ある。疎水性樹脂の量が100重量部よりも余りに多い
と、分散粒子の粒子径が大きくなって仕舞い、分散安定
性やフィルムの平滑性などの面から、好ましくない。
【0072】第3の重縮合工程は、水に分散ないしはマ
イクロ・カプセル化せしめた分散体を、60〜80℃程
度に加熱すればよく、同温度において、濃縮と並行させ
て行うことも出来る。
【0073】また、アルコキシシリル基の加水分解触媒
や、シラノール基の重縮合触媒を使用することも好まし
い。かかる触媒を使用する場合には、水に分散する前に
添加する方が、より高い触媒効果が得られる。
【0074】(3)ラジカル重合性不飽和基を有する自
己水分散性ウレタン系ポリマーを水性媒体中に分散させ
た後、該ラジカル重合性不飽和基を重合させることによ
り、架橋ポリウレタン樹脂粒子の水性分散体を製造する
方法としては、次の方法を挙げることができる。
【0075】本発明で使用されるラジカル重合性不飽和
基を有する自己水分散性ウレタン系ポリマーとしては、
カルボキシル基を有するウレタン系ポリマーと不飽和
グリシジル化合物との反応生成物、または末端にイソ
シアネート基を有する親水性基含有ウレタンプレポリマ
ーに該イソシアネート基を介して導入が可能なα,βー
エチレン性不飽和結合を有する化合物を加え反応させた
ものが含まれる。導入される重合性不飽和基の量は分子
内に平均して一個以上は必要である。
【0076】これらの重合性不飽和基を有する自己水分
散性ウレタン系ポリマーは、分子内に親水性基を有する
ことにより乳化剤を使用することなくそれ自身で安定な
水分散体を形成する性質を有するものである。数平均分
子量は2,000〜100,000好ましくは3,00
0〜50、000なる範囲のものが適当である。
【0077】前記のカルボキシル基を有するウレタン
系ポリマーと不飽和グリシジル化合物との反応は、一般
的にはグリシジル基に対して過剰のカルボキシル基が存
在する系で行い、分子内に平均して1個以上の不飽和基
が導入され、生成物の酸価として、固形分あたり5〜8
0、好ましくは10〜40が残り、これを塩基で中和す
ることにより、水に分散させることができるように調製
される。反応は無触媒でも可能であるが、触媒を使用す
ればより容易に行うことができる。適当な触媒としては
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、トリ
エチルアミン、ヂメチルベンジルアミン、ジメチルエタ
ノールアミン、ジルコニウムオクトエート、亜鉛ナフテ
ネート等を挙げることが出来る。
【0078】前記のカルボキシル基を有するウレタン系
ポリマーは公知慣用の方法で得ることができる。たとえ
ば、有機ジイソシアネートとポリオール成分とをイソシ
アネート基が過剰の状態で反応せしめ、かくして得られ
る末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマ
ーを、2個以上の活性水素原子を有する低分子量化合物
よりなる鎖伸長剤で鎖伸長するポリウレタンの製造方法
において、ポリオール成分および/または鎖伸長剤の少
なくとも一部として、イソシアネートとの反応性が他の
2個以上の活性水素原子より不活性なカルボキシル基を
含有する化合物を使用すればよい。
【0079】前記の有機ジイソシアネートの具体例とし
ては、特に代表的なものを挙げれば、エチレンジイソシ
アネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、水添化4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキ
シレンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘ
キシル−4,4’−ジイソシアネートの如き脂環式ジイ
ソシアネートまたは4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチ
ルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネ
ートの如き芳香族ジイソシアネート等を挙げることがで
きる。
【0080】前記のポリオール成分は一般にポリウレタ
ンの製造に使用されるかまたは使用が可能とされるもの
がここでも適用できる。特に代表的なものを挙げれば、
ポリエステルポリオール、例えばジカルボン酸(アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル
酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸など)とグリコール(エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,8−オクタメチレンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、ビスヒド
ロキシエチルベンゼン、アルキルジアルカノールアミン
など)とを重縮合させて得られたもの、例えばポリエチ
レンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサ
メチレンアジペート、ポリエチレン/プロピレンアジペ
ート;ラクトンの開環重合によるポリラクトンジオー
ル、例えばポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラ
クトンジオールなど並びにポリエーテルポリオール、例
えば低分子グリコール(エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオールなど)のアルキ
レンオキシド(炭素数2〜4のアルキレンオキシド、例
えばエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチ
レンオキシドなど)付加物及び前記アルキレンオキシド
の開環重合物、具体的にはポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテル
グリコールおよびこれらの2種以上の混合物等である。
【0081】また、鎖伸長剤として用いられる前記した
活性水素原子含有低分子化合物として特に代表的なもの
を例示すれば、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ールの如き低分子グリコール及びエチレンジアミン、プ
ロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチエン
ジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジア
ミンの如き脂肪族ジアミン及びイソホロンジアミン、ジ
シクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、イソプロ
ピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジアミン、1,
4−ジアミノシクロヘキサンの如き脂環式ジアミンなど
である。
【0082】そして、前記のイソシアネートとの反応性
が他の2個以上の活性水素原子より不活性なカルボキシ
ル基を含有する化合物として特に代表的なものを例示す
れば、ジアミノカルボン酸類例えばリシン、シスチンお
よび3,5ージアミノカルボン酸、2,5−ジアミノヘ
キサン酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸並びに特にジ
ヒドロキシアルカン酸例えば2,2−ジヒドロキシプロ
ピオン酸および2,2−ジヒドロキシプロピオン酸とε
ーカプロラクトンとの反応で得られるカルボキシル基含
有ポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。
【0083】前記で用いられる不飽和グリシジル化合
物としては、アリルグリシジルエーテル、グリシジル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0084】前記のカルボキシル基を有するウレタン系
ポリマーの合成およびこれと不飽和グリシジル化合物と
の反応は、無溶剤系で行ってもよいが、通常は溶剤を使
用する。使用される溶剤としては、たとえばエタノー
ル、イソプロパノール、n−ブチルアルコールなどのア
ルコール;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノンなどのケトン;ジオキサン、テトラハイドロフラ
ンなどのエーテル;トルエンなどの芳香族炭化水素;ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミ
ド;クロルベンゼン、トリクレン、パークレンなどのハ
ロゲン化炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエス
テルおよびこれらの二種以上の混合物があげられ、溶解
性および経済性から、好ましくはイソプロパノール,n
−ブチルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、
酢酸エチル、トルエンおよびこれらの二種以上の混合物
である。なお、アルコール類等活性水素を有する溶剤は
鎖停止剤として作用させる場合を除いて、実質的にイソ
シアネートとの反応が起こらない段階で使用する。
【0085】一方、前記の末端にイソシアネート基を
有する親水性基含有ウレタンプレポリマーに、該イソシ
アネート基を介して導入が可能なα,βーエチレン性不
飽和結合を有する化合物を加え反応させたものとは、更
に詳細には次のようなものである。
【0086】すなわち、前記の末端にイソシアネート基
を有する親水性基含有ウレタンプレポリマーは、一般的
には、過剰の有機ジイソシアネートとポリオール成分お
よび、親水性基を有し末端にイソシアネートとの反応性
のある官能基を2個有する化合物との反応によって得る
ことができる。ここで有機ジイソシアネートおよびポリ
オール成分は前記で記載したものと同様のものが使用
できる。
【0087】一方、前記の親水性基を有し末端にイソシ
アネートとの反応性のある官能基を2個有する化合物と
しては、親水性基として、ポリエーテル基、燐酸エステ
ル基、スルホン酸基、三級アミノ基、カルボキシル基、
或いはそれらの中和塩基等のいずれかを有するジオール
類、およびジアミン類が適する。具体例として代表的な
もののみを挙げると、ポリオキシエチレングリコール、
ポリオキシエチレンジアミノプロピルエーテル、トリメ
チロールプロパンモノリン酸エステル、トリメチロルプ
ロパンモノ硫酸エステル、二塩基酸成分の少なくとも一
部がナトリウムスルホ琥珀酸、あるいはナトリウムスル
ホイソフタル酸であるポリエステルジオール、N−メチ
ルジエタノールアミン、ジアミノカルボン酸類例えばリ
シン、シスチンおよび3,5ージアミノカルボン酸、
2,6−ジヒドロキシ安息香酸並びに特にジヒドロキシ
アルカン酸例えば2,2−ジヒドロキシプロピオン酸お
よび2,2−ジヒドロキシプロピオン酸とεーカプロラ
クトンとの反応で得られるカルボキシル基含有ポリカプ
ロラクトンジオール等がある。
【0088】そしてこれらの親水性基がウレタンプレポ
リマー分子中に一個以上の必要量が導入されるのである
が、その必要量は親水性基の種類、組み合わせで決ま
る。上に例示した中でも、親水性基として特に好ましい
ものは、分子中にカルボキシル基、スルホン酸塩基およ
びポリオキシエチレン鎖から選ばれるいずれか一つ、ま
たは二つないし三つを併せ有するか、またはこれらを有
するものの混合物であり、とりわけカルボキシル基を導
入するのが種々の点でバランスが取り易く操作し易い。
この場合固形分の酸価は10〜80、好ましくは15〜
40である。
【0089】前記のイソシアネート基を介して導入が可
能なα,βーエチレン性不飽和結合を有する化合物とし
て代表的な例を挙げれば、まず活性水素基含有不飽和化
合物が挙げられる。具体例としては、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
ト、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオ
キシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシア
ルキレン(メタ)アクリレート、グリセリンモノおよび
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ
およびジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
ジおよびトリ(メタ)アクリレート、アリルアルコー
ル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、マレイン酸アミド等がある。また、1
個または2個のイソシアネート基を持ったα,βーエチ
レン性不飽和結合を有する化合物も導入が可能であり、
これらの導入には前記のウレタンプレポリマーとの混合
系に、さらに前記したようなジオールまたはジアミン等
の鎖伸長剤を加えて行うことができる。当該イソシアネ
ート基を持ったα,βーエチレン性不飽和結合を有する
化合物としては、上記の活性水素基含有不飽和化合物と
前記の有機ジイソシアネート化合物とのハーフウレタン
化物およびm−イソプロペニルーα,αジメチルベンジ
ルイソシアネート、2ーメチルー2ーイソシアナートプ
ロピルメタクリレートのごときビニルイソシアネート類
を挙げることができる。
【0090】α,βーエチレン性不飽和結合を有する化
合物が導入された上記の親水性基含有ウレタンプレポリ
マーは更に必要に応じ残りのイソシアネート基を利用し
て鎖伸長してもよい。用いられる鎖伸長剤としては、前
記で用いたものと同様のものが挙げられるが、中でも
ジアミン類が好適である。
【0091】本発明では、自己水分散性ウレタン系ポリ
マーの他にそれ自体は必ずしも自己水分散性を有さない
が、前記の自己水分散性ウレタン系ポリマーとブレンド
することによって水分散が可能な、重合性不飽和基を有
するその他の化合物を併用することができる。重合性不
飽和基を有するその他の化合物の混合割合は50%以
下、好ましくは20%以下が適当である。
【0092】そのような化合物としては、ラジカル重合
性不飽和結合を有する通常のモノマー、オリゴマーおよ
びエチレン性不飽和基含有ポリマーが包含され、具体的
には次に例示するものがある。
【0093】該モノマーとしては、まず、アクリル酸ま
たはメタクリル酸と炭素数1〜25個の1価アルコール
とのエステル化物があげられ、例えば(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、
(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリ
ル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)
アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、
(メタ)アクリル酸2ーエチルヘキシル、(メタ)アク
リル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル
などが含まれる。
【0094】また該モノマーとして、スチレン、ビニル
トルエン、メチルスチレン、クロルスチレン、ジビニル
ベンゼンなどのビニル芳香族化合物;酢酸ビニル、塩化
ビニル、ビニルイソブチルエーテル、メチルビニルエー
テル、アクリロニトリル、2ーエチルヘキシルビニルエ
ーテルなどのその他のビニル化合物も使用できる。
【0095】またオリゴマーとしては、例えばジエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
トなどのジー、トリーまたはテトラビニル化合物等が包
含される。
【0096】以上に述べたモノマーおよびオリゴマーは
単独でまたは2種以上混合して使用できる。
【0097】さらに、エチレン性不飽和基含有ポリマー
としては、例えばポリエステルに(メタ)アクリル酸を
縮合させた樹脂、エチレン性不飽和基含有ポリウレタン
樹脂、エチレン性不飽和基含有エポキシ樹脂、エチレン
性不飽和基含有リンエポキシ樹脂、エチレン性不飽和基
含有アクリル樹脂、エチレン性不飽和基含有メラミン樹
脂などがある。
【0098】自己水分散性ウレタン系ポリマーとして前
記のイソシアネート基を介してα,βーエチレン性不
飽和結合を有する化合物を導入したものを用いる場合に
あっては、重合性不飽和基を有するその他の化合物との
ブレンドを得る好ましい態様の一つは、前記の親水性基
含有ウレタンプレポリマーと平均イソシアネート官能価
が2.1以上の疎水性ポリイソシアネートをブレンド
し、ここに該イソシアネート基を介して導入が可能な
α,βーエチレン性不飽和結合を有する化合物を加え反
応させるものである。
【0099】前記の平均イソシアネート官能価が2.1
以上の疎水性ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及
び2,4ートルエンジイソソアネートの3量体、ビュレ
ット変性したヘキサメチレンジイソシアネート、2,4
ートルエンジイソソアネートとトリメチロールプロパン
の付加物、m−またはp−テトラメチルキシレンジイソ
シアネートとトリメチロールプロパンの付加物、並びに
ジフェニルメタンジイソシアネートとポリメチレンポリ
フェニルポリイソシアネート類の混合物が挙げられる。
【0100】本発明で、重合性不飽和基を有する自己水
分散性ウレタン系ポリマー、または、これと重合性不飽
和基を有するその他の化合物との混合物は、通常は有機
溶剤に溶解された状態で用いられるが、これを水性媒体
中に分散させるには公知慣用の方法が適用できる。
【0101】例えば、樹脂中に親水性基としてカルボキ
シル基を含む場合であればこの一部または全部を中和せ
しめるための塩基と共に水中に分散せしめるのである
が、その方法としては塩基を含有する水を攪拌させつつ
徐々にこの樹脂溶液を添加して分散させるという方法に
よってもよいし、逆にこの樹脂溶液に塩基を含有する水
を徐々に添加していって転相乳化させるという方法によ
ってもよい。
【0102】一般には、樹脂溶液をよく攪拌させながら
塩基を含有する水を徐々に滴下していって転相乳化せし
めるという方法によるのが、微細な粒子径を有し、安定
なる樹脂分散液を得易くするので、一層好ましい。
【0103】樹脂中のカルボキシル基を中和してイオン
化させるために適用できる塩基性物質としては水酸化リ
チウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニ
アおよび各種アミン類が挙げられる。アミンの例として
は、第1級、第2級または第3級のアルキルアミン、代
表的なものをあげればメチルアミン、エチルアミン、プ
ロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ジメチル
アミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチル
アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプ
ロピルアミン、モルホリン;第1級、第2級または第3
級のアルカノールアミン、代表的なものを挙げればモノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタ
ノールアミン、ジエチルエタノールアミンなどである。
これらの塩基の中では分散性が良好で、かつ塗膜中に残
存し難い揮発性の高い、アンモニア、ジエチルアミン、
トリエチルアミンおよびジメチルエタノールアミンが好
適である。また上記塩基は単独でまたは2種以上を組み
合わせて使用してもよい。塩基の使用量は一般に樹脂中
のカルボキシル基に対し0.1〜2.0当量、好ましく
は0.3〜1.2当量である。
【0104】かくして得られる、水性分散液は、そのま
ま次の工程である重合性不飽和基の重合に使用すること
も可能であるが、重合をよりスムースに行うために、好
ましくは分散液中に含有される有機溶剤の一部または全
部を除去するのが適当である。有機溶剤の除去は、膜に
よる方法も考えられるが、常圧または減圧での蒸留でも
容易に行うことができ、好ましくは分散系の安定性を損
なわないために、減圧下、60℃以下の低温で行うのが
適当である。
【0105】本発明で、水中に分散した樹脂粒子の粒子
内架橋を行うための重合性不飽和基の重合は、重合開始
剤と共に40〜100℃に加熱し、10分〜5時間攪拌
することによって容易に行うことができる。
【0106】使用できる重合開始剤としては、特に代表
的なものを例示すれば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウ
ロイル、tert−ブチルパーオキシオクトエート、t
ert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチ
ルパーオキシベンゾエートの如き有機過酸化物系、ある
いはアゾビスイソブチロニトリルもしくはアゾビスイソ
バレロニトリルの如きニトリル系などの公知慣用の有機
相ラジカル重合開始剤を用いることができ、これら有機
相開始剤を用いる場合は樹脂溶液を水分散させる前に溶
液中に予め加えておくのがよい。
【0107】一方、重合性不飽和基含有樹脂の水分散体
中に加えて使用できる開始剤の例としては、過硫酸カリ
ウム、過硫酸アンモニウム、またはアゾビスブチロニト
リルもしくはその塩酸塩などがあり、さらには、クメン
ハイドロパーオキサイドまたはtert−ブチルハイド
ロパーオキサイドなどの有機過酸化物も必要に応じて、
使用することができる。さらにはまた、これらの過硫酸
塩や過酸化物などと、鉄イオンの如き金属イオン、ある
いは、ナトリウムスルホキシレートホルムアルデヒド、
ピロ亜硫酸ナトリウムまたはL−アスコルビン酸などの
還元剤を組み合わせて用いられる、いわゆるレドックス
系開始剤をも用いることができる。
【0108】重合開始剤の使用量は不飽和基1当量あた
り0.5〜50ミリモルの範囲の中から適宜選択すれば
良い。
【0109】不飽和基の重合を確認する方法としては、
臭素価を測定するのが好ましいが、簡単な方法として
は、得られた水分散体をプラスチックフィルム等に塗布
し、重合前と後の粘着性の変化を見ることによっても判
断することができる。
【0110】また、分散粒子の架橋については、テトラ
ヒドロフラン等の溶剤に対して溶解しなくなることで容
易に確認することができる。
【0111】本発明の水性印刷インキに於いて、架橋ポ
リウレタン樹脂粒子の平均粒子径は、20〜250nm
とすることが好ましい。
【0112】本発明の水性印刷インキは、架橋ポリウレ
タン樹脂粒子の水性分散体以外の成分として、着色剤お
よび、必要に応じて、他の水性樹脂、ワックス、消泡
剤、中和剤、有機溶剤その他の添加剤が含有される。
【0113】着色剤としては顔料、染料をそれぞれ単独
あるいは混合したもの、例えば溶性または不溶性アゾ
系、フタロシアニン系、ナフトール系等の有機顔料、酸
化チタン、弁柄、カーボンブラック、炭酸カルシウム、
硫酸バリウム等の無機顔料、金属錯塩の有機染料等の単
独または混合物が挙げられる。着色剤は乾燥粉末のもの
を使用してもよいが水分を含有するプレスケーキを使用
することもできる。
【0114】一方、他の水性樹脂として特に代表的なも
のを例示すれば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、
シェラックまたは変性シェラック、ロジン誘導体、ポリ
ウレタン、アクリル系共重合体等を挙げることができ
る。
【0115】本発明の水性印刷インキ中に加える架橋ポ
リウレタン樹脂粒子の水性分散体の量は、着色剤を除く
固形分あたり2〜90%の範囲が適当であり、好ましく
は10〜70%である。2%以下では殆ど効果が現れ
ず、一方、90%を越える場合には顔料分散および印刷
適性の点で問題が起こる。
【0116】本発明の水性印刷インキは任意の方法で調
製してよいが、例えば次の処方に従って調製することが
できる。即ち、プレスケーキまたは乾燥粉末の着色剤
は、通常、一部の架橋ポリウレタン樹脂粒子の水性分散
体と他の水性樹脂の混合物、または他の水性樹脂単独
と、必要に応じて中和剤、分散助剤あるいは消泡剤とと
もに、ボールミル、サンドミルその他のメディアミル等
通常の練肉機で練肉分散され、着色剤ベースとされる。
当該着色剤ベースは残りの架橋ポリウレタン樹脂粒子の
水性分散体を含むその他の樹脂成分および、必要によ
り、水、溶剤、中和剤、消泡剤、その他の添加剤と混合
されて目的の水性印刷インキとして最終調製される。
【0117】本発明の水性印刷インキで印刷することが
できるプラスチックフィルムとしては、例えばポリエチ
レンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルム、ポリ
エチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム及びセロハ
ン等を挙げることができ、必要に応じてポリ塩化ビニリ
デン等でコートしてあってもよい。
【0118】本発明の水性印刷インキで印刷を施したプ
ラスチックフィルムに貼り合わせることができるプラス
チックフィルム及び金属箔としては、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム、ナイロンフィルム、ポリエチレン
フィルム、ポリプロピレンフィルム及びアルミニュウム
箔を挙げることができる。
【0119】本発明の水性印刷インキで印刷を施したプ
ラスチックフィルムと、プラスチックフィルム若しくは
金属箔とを貼り合わせる方法としては、例えば印刷を施
したプラスチックフィルムにポリイソシアネート−ポリ
オール系接着剤を塗布し、溶剤を蒸発除去した後にプラ
スチックフィルム又は金属箔を貼り合わせるドライラミ
ネーション、印刷を施したプラスチックフィルムにポリ
エチレン、ポリプロピレン等を溶融押し出ししつつプラ
スチックフィルム又は金属箔を貼り合わせる溶融押し出
しラミネーション、印刷を施したプラスチックフィルに
無溶剤型ポリイソシアネート−ポリオール系接着剤を加
熱下で塗布し、プラスチックフィルム又は金属箔を貼り
合わせるNSラミネーション等を挙げることができる。
【0120】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例及び比較例に
より、一層、具体的に説明する。以下において、部及び
%は特に断りのない限り、すべて重量基準であるものと
する。
【0121】参考例1 顔料練肉用アクリル系水性樹脂
(A−1)の調製例 攪拌機、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた
四ツ口フラスコに、イソプロピルアルコール600部を
仕込んで攪拌を開始し、窒素気流中で80℃に昇温し、
予め、アクリル酸36部、メタクリル酸メチル300
部、メタクリル酸ブチル132部、ブチルアクリレート
132部及びアゾビスイソブチロニトリル12部を用い
て調製しておいたモノマー混合液を、3時間に亘って滴
下した。この際の反応温度は80℃±3℃に保持した。
【0122】滴下終了後、同温度範囲に2時間の間保持
した後、アゾビスイソブチロニトリル1.2部を加え、
さらに2時間保持し、攪拌下に反応を継続させた。
【0123】反応終了後、40℃まで冷却してから、ジ
メチルエタノールアミンの46部をを加えた後、イオン
交換水600部を加え、水溶化せしめた。
【0124】次いで、かくして得られた透明な反応生成
物より、減圧下において、60℃で蒸留を行い、イソプ
ロピルアルコールを除去せしめてから、イオン交換水を
加えて濃度を調整せしめた処、半透明な水溶性アクリル
樹脂が得られた。
【0125】このものの性状値は、不揮発分32.1%
で、25℃における粘度(60rpmにおけるブルック・
フィールド粘度 以下同じ)が340cps、pHが
7.3で、且つ、固形分酸価が47であった。
【0126】次いで、攪拌機、温度計、滴下漏斗及び窒
素ガス導入口を備えた四ツ口フラスコに、イオン交換水
8.3部及び上記水溶性アクリル樹脂溶液208.7部
を仕込んで攪拌を開始し、窒素気流中で70℃に昇温
し、0.75%硫酸銅(II)水溶液0.07部を加
え、さらに、予め、スチレン11部、ブチルアクリレー
ト22部及びtert−ドデシルメルカプタン0.03
部を用いて調製しておいた混合液と、5%チオ硫酸ナト
リウム水溶液2.64部及び5%過硫酸カリウム溶液
0.66部を3時間に亘って滴下した。この際の反応温
度は70℃±3℃に保持した。
【0127】滴下終了後も、同温度範囲に1時間の間保
持しつつ、攪拌下に反応を継続させ、次いで、冷却して
5%アンモニア水にてpHを7.5〜8.5に調整し
た。不揮発分39.7%で、粘度が540cpsで、且
つ、pHが8.3なる水性樹脂分散液を得た。これを
(A−1)と略す。
【0128】参考例2 ハードタイプ水性ポリウレタン
(B−1)の調製例 反応容器に、テレフタル酸の294部、イソフタル酸の
294部、エチレングリコールの131部及びジエチレ
ングリコールの223部を仕込み、180〜230℃で
8時間の間、加熱してエステル化反応を行った後、酸価
が1よりも小さくなるまで、230℃で6時間の間、縮
合反応を行った。
【0129】次いで、減圧下において、120℃で脱水
処理を行ってから、90℃まで冷却したのち、メチルエ
チルケトン(以下、MEKと略記する)の263部を加
えて攪拌し、充分に溶解させた処、不揮発分75、0
%、固形分あたりの酸価および水酸基価がそれぞれ0、
7および50なるポリエステルポリオールが得られた。
しかる後、このポリエステルポリオールの固形分換算で
226部とイソホロンジイソシアネート(以下,IPD
Iと略記する)の44部とを、75℃において、充分に
攪拌させたのち、鎖伸長剤として2,2−ジメチロール
プロピオン酸(以下、DMPAと略記する)の13部を
加え、70℃で12時間の間反応せしめた。
【0130】反応終了後、ここにMEKの208部を加
えて希釈し、40℃まで冷却してから、5%アンモニア
水の35部を加え、さらにイオン交換水の1097部を
加えて水溶化せしめた。
【0131】次いで、かくして得られた透明な反応生成
物より、減圧下において、50℃でMEKと水の一部を
蒸留除去せしめた処、半透明な水性ポリウレタンが得ら
れた。このものの性状値は、不揮発分25.5%で、粘
度が320cpsで、pHが7.3、そして固形分酸価
は19であった。以下、これを水性ポリウレタン(Bー
1)と略す。
【0132】参考例3 ソフトタイプ水性ポリウレタン
(B−2)の調製例 反応容器にIPDIの23部および1,4−ブタンジオ
ールアジペート(ヒドロキシル当量1000)の67、
2部を仕込み、これを110℃に加熱して1時間攪拌し
た。その後80℃まで冷却し、ここにDMPAの4、8
部、ジブチル錫ジラウレートの0.1部および酢酸エチ
ルの24部を加え、80℃で2時間反応させた。この時
のNCO基含有量は固形分換算で3、0%であった。こ
こにMEKの124、5部とイソホロンジアミンの4、
5部およびメチルアルコールの2部を加え60℃の温度
で1時間攪拌を続けた。不揮発分40.0%、酸価は固
形分当たり20.0 mgKOH/gであった。
【0133】これを40℃まで冷却してから、5%アン
モニア水の13、3部を加え、さらにイオン交換水の4
87部を加えて水性分散液を得た。
【0134】次いで、かくして得られた水性分散液よ
り、減圧下において、50℃で酢酸エチル、MEKおよ
び水の一部を蒸留除去せしめた処、半透明な水性ポリウ
レタンが得られた。このものの性状値は、不揮発分2
5.2%で、粘度が480cpsで、pHが7.8であ
った。以下、これを水性ポリウレタン(Bー2)と略
す。
【0135】参考例4 架橋ポリウレタン樹脂粒子水性
分散体(C−1)の調製例 反応容器に、PLACCEL 212(ダイセル化学工
業(株)製、ポリカプロラクトンジオール、水酸基価9
0 mgKOH/g)の186.9部およびIPDIの100.
0部を仕込んだ。これを攪拌しながら、110℃に加熱
した。1時間後、80℃まで冷却し、DMPAの20.
1部、ジブチル錫ジラウレートの0.3部および酢酸エ
チルの76.8部を加え、80℃で2時間反応させた。
ここに、バーノック DN−950S(大日本インキ化
学工業(株)製、HDIをビュレット化したポリイソシ
アネート、NCO含量20%)の16、2部とMEKの
408部を加えた。この時のNCO基含有量は固形分換
算で4、9%であった。
【0136】これを30℃以下まで冷却し、トリエチル
アミンの15、2部を加え、次いでイオン交換水の12
93部を加えてO/W型のエマルジョンを得た。続いて
ジエチレントリアミン5%水溶液の234部を徐々に加
え、加え終わった後60℃に昇温して30分攪拌を続け
た。
【0137】次いで、減圧下において、蒸留を行い、溶
剤と水の一部を除去せしめた。このものはやや乳白色を
呈する半透明液体であり、少量を試験管に取ってテトラ
ヒドロフラン(以下THFと略記)を加えると濁りを呈
し、架橋して不溶解になっていることを示した。また、
大塚電子(株)製レーザーパーティクルアナライザーP
ARIIIで測定したところ樹脂粒子の平均粒子径は4
0nmであり、不揮発分が35.6%で、粘度が340
cpsで、pHが7.7であった。以下、これを架橋ポ
リウレタン樹脂粒子水性分散体(Cー1)と略す。
【0138】参考例5 架橋ポリウレタン樹脂粒子水性
分散体(C−2)の調製例 反応容器にIPDIの23部、1,4−ブタンジオール
アジペート(ヒドロキシル当量1000)の43、8部
およびPLACCEL 205A(ダイセル化学工業
(株)製、カルボキシル基含有ポリカプロラクトンジオ
ール、水酸基価220 mgKOH/g、酸価110 mgKOH/g)
の20、0部を仕込み、これを80℃に加熱して30分
攪拌した。ここに、ジブチル錫ジラウレートの0.1部
および酢酸エチルの21、7部を加え、80℃で2時間
反応させた。この時のNCO基含有量は固形分換算で
4、0%であった。ここにMEKの113、3部とイソ
ホロンジアミンの3、2部を加え60℃の温度で1時間
攪拌を続けた。続いて、さらにここにMEKの15部と
信越シリコーンKBE903(信越化学(株)製、3ー
アミノプロピルトリエトキシシラン)の10、0部を加
え、同温度でさらに1時間攪拌を続けた。
【0139】これを40℃まで冷却してから、5%アン
モニア水の14、7部を加え、さらにイオン交換水の2
85部を加えて水性分散液を得た。
【0140】次いで、かくして得られた水性分散液よ
り、減圧下において、50℃で酢酸エチル、MEKおよ
び水の一部を蒸留除去せしめた。
【0141】このものはやや乳白色を呈する半透明液体
であり、少量を試験管に取ってTHFを加えると濁りを
呈し、架橋して不溶解になっていることを示した。ま
た、大塚電子(株)製レーザーパーティクルアナライザ
ーPARIIIで測定したところ樹脂粒子の平均粒子径
は50nmであり、不揮発分が32、4%で、粘度が4
20cpsで、pHが8、2であった。以下、これを架
橋ポリウレタン樹脂粒子水性分散体(Cー2)と略す。
【0142】参考例6 架橋ポリウレタン樹脂粒子水性
分散体(C−3)の調製例 反応容器に、PLACCEL 205A(ダイセル化学
工業(株)製、カルボキシル基含有ポリカプロラクトン
ジオール、水酸基価220 mgKOH/g、酸価110 mgKOH
/g)の162.5部、PLACCEL 220AH(同
社製、ポリカプロラクトンジオール、水酸基価220 m
gKOH/g)の119.5部、IPDIの150.0部およ
びMEKの108.0部を仕込んだ。この混合物系を攪
拌し、80℃に加熱した。5時間後、NCO基の減少が
認められなくなった段階で、MEKの180部を加えて
希釈し温度を60℃に調整した。次いでイソホロンジア
ミン(IPDA)の44.5部とイソプロピルアルコー
ル(IPA)の195.5部を加え、60℃で2時間攪
拌を継続し、カルボキシル基を有するウレタン系ポリマ
ーの溶液を得た。不揮発分49.8%、酸価は固形分当
たり36.5 mgKOH/gであった。
【0143】ここにグリシジルメタクリレートの20.
0部を加え混合した後、28%アンモニア水の5.4部
を加え、リフラックス温度(78〜80℃)まで加熱
し、そのまま5時間攪拌を続けた。不揮発分50.5
%、酸価は固形分当たり20.5mgKOH/gであった。
【0144】続いて、ここに過酸化ベンゾイルの1.0
部およびMEKの270部を混合し、ここにイオン交換
水の1390部および28%アンモニア水の6.5部を
攪拌下に徐々に加え半透明な乳化液を得た。
【0145】次に、この乳化液を50℃以下の温度で減
圧蒸留し、溶剤を除去した。この時点で少量を試験管に
取ってTHFを加えると完全に透明な溶液となった。ま
た、このサンプルをポリエステルフィルムにドローダウ
ンロッド#7で塗布し室温で乾燥した皮膜は粘着性を示
した。
【0146】続いて、上記の溶剤を除去した乳化液を攪
拌下、80℃で1時間攪拌した後再びサンプリングし
た。上記と同様にしてTHF中に加えたところ溶解する
こと無く、液は濁りを示した。また、上記と同様にして
ポリエステルフィルムに塗布した皮膜は粘着性がなく、
セロハンテープによる接着性の試験で全く剥離が認めら
れず、強固に接着していることを示した。
【0147】80℃でさらに1時間攪拌を継続した後、
再び減圧蒸留し、樹脂粒子の平均粒子径が60nmであ
り、不揮発分が32.4%、粘度が380cpsで、p
Hが8、0の架橋ポリウレタン樹脂粒子水性分散体を得
た。以下、これを架橋ポリウレタン樹脂粒子水性分散体
(Cー3)と略す。
【0148】参考例7 架橋ポリウレタン樹脂粒子水性
分散体(C−4)の調製例 反応容器に、PLACCEL 212(ダイセル化学工
業(株)製、ポリカプロラクトンジオール、水酸基価9
0 mgKOH/g)の156.3部、IPDIの83.9部を
仕込んだ。この混合物系を攪拌し、110℃に加熱し
た。1時間後80℃まで冷却し、DMPAの16.9
部、ジブチル錫ジラウレートの0.2部および酢酸エチ
ルの64.3部を加え、80℃で2時間反応させた後、
ブレンマーGMR(日本油脂(株)製、グリセロールジ
メタクリレートの商品名)の34.4部および酢酸エチ
ルの8.6部を加え、80℃で6時間反応させた後、温
度を60℃まで冷却した。この時のNCO基含有量は固
形分換算で1.6%であった。ここにMEKの373.
1部およびヘキサメチレンジアミンの5.8部を加え同
温度で1時間攪拌を続けた。この段階で、不揮発分4
0.0%、酸価は固形分当たり23.8 mgKOH/gであっ
た。
【0149】続いて、ここに過酸化ベンゾイルの1.7
部を加えて溶解し、ここにイオン交換水の900部およ
び28%アンモニア水の7.8部を攪拌下に徐々に加え
半透明な乳化液を得た。
【0150】次に、この乳化液を50℃以下の温度で減
圧蒸留し、溶剤を除去した。
【0151】この時点で少量を試験管に取ってTHFを
加えると完全に透明な溶液となった。また、このサンプ
ルをポリエステルフィルムにドローダウンロッド#7で
塗布し室温で乾燥した皮膜は粘着性を示した。
【0152】続いて、上記の溶剤を除去した乳化液を攪
拌下、80℃で1時間攪拌した後、再びサンプリングし
た。上記と同様にしてTHF中に加えたところ溶解する
こと無く、液は濁りを示した。また、上記と同様にして
ポリエステルフィルムに塗布した皮膜は粘着性がなく、
セロハンテープによる接着性の試験で全く剥離が認めら
れず、強固に接着していることを示した。
【0153】80℃でさらに1時間攪拌を継続した後、
再び減圧蒸留し、樹脂粒子の平均粒子径が60nmであ
り、不揮発分が33.4%、粘度が480cpsで、p
Hが7、3の架橋ポリウレタン樹脂粒子水性分散体を得
た。以下、これを架橋ポリウレタン樹脂粒子水性分散体
(Cー4)と略す。
【0154】参考例8 印刷インキベースの調製 プラスチック容器に、参考例1に示した顔料練肉用アク
リル系水性樹脂(A−1)の 28部、酸化チタンの3
0部、工業用エタノールの6部、イオン交換水の4部及
びセラミックビーズの136部を加え、ペイントコンデ
ィショナーにて30分間練肉し、印刷インキベースとし
た。
【0155】参考例9〜14 印刷インキの調製 参考例8の印刷インキベースにイオン交換水及び参考例
4〜7の架橋ポリウレタン樹脂粒子水性分散体(C−
1)〜(Cー4)を加えて表1に示す参考例9〜12の
印刷インキを得た。また、同様にして参考例2〜3で得
た水性ポリウレタン(B−1)〜(B−2)を加えて同
じく表1に示す参考例13〜14の印刷インキを作成し
た。
【0156】
【表1】
【0157】実施例1〜4、比較例1〜2 接着剤として、ディックドライLx−901(大日本イ
ンキ化学工業(株)製の主剤)9部、ディックドライK
W75(同硬化剤)1部及び酢酸エチル7.5部の溶液
を用意し、ドローダウンロッド#12を用いて、15μ
アルミニウム箔の未処理面に塗布し、溶剤を揮散させた
後、線状低密度ポリエチレンフィルム(厚さ60μ、以
下LLDPEと略記)と重ね、80kg/cm2圧の加
圧ロールを用いてラミネートを行った。
【0158】12μ表面処理ポリエステルフィルム(以
下PETと略記)に、参考例9〜12の各印刷インキ
を、ドローダウンロッド#7を用いて塗布し、ドライヤ
ーで30秒間乾燥させた。ここに上記の接着剤を同様に
ドローダウンロッド#12を用いて塗布し、溶剤を揮散
させた後、上記のアルミニウム/LLDPEラミネート
物のアルミニウム面を重ねて加圧ロールにてラミネート
を行った。次いで、50℃の恒温槽で72時間エージン
グを行い、表2に示す実施例1〜4のラミネート物を得
た。また、同様に参考例13〜14のインキを用いて表
2に示す比較例1〜2のラミネート物を作成した。
【0159】得られた各ラミネート物について、下記の
方法によりラミネート強度の測定とボイルおよびレトル
ト試験を行った。その結果は、表2にそれぞれ、示すと
おりであった。
【0160】ラミネート強度の測定とボイルおよびレト
ルト試験:得られた実施例1〜4および比較例1〜2の
ラミネート物を、それぞれ15mm巾のテープ状に切断
し、(株)オリエンテック製テンシロン RTM−25
を用いて、300mm/分の速度におけるインキ層のT
型剥離の剥離強度(単位:g/15mm巾)を測定した
(常態の剥離強度)。また、ラミネート物から12cm
×12cmの袋を作成し、水を充填したものを、沸騰水
中に30分間浸漬させるボイル処理と、135℃の加圧
水蒸気によるレトルト釜に40分間入れるレトルト処理
を行い、その後、すぐにラミネートフィルムの状態変化
(白化、ブリスターおよびデラミネーション)を観察す
ると共に、上記と同様にしてラミネート物の剥離強度を
測定した(ボイル後およびレトルト後の剥離強度)。こ
れらの剥離強度の測定結果を表2に示した。
【0161】なお、ボイルおよびレトルト処理後の状態
変化の評価基準は次のようにした。 A・・・変化がない B・・・やや変化している C・・・変化している
【0162】
【表2】
【0163】実施例5〜9、比較例3〜4 先に述べた実施例1〜4、比較例1〜2と同様にして、
ナイロンフィルム構成のラミネート物を作成した。
【0164】接着剤として、ディックドライLx−90
1(大日本インキ化学工業(株)製の主剤)9部、ディ
ックドライKW75(同硬化剤)1部及び酢酸エチル
7.5部の溶液を用意し、ドローダウンロッド#12を
用いて、15μアルミニウム箔の未処理面に塗布し、溶
剤を揮散させた後、線状低密度ポリエチレンフィルム
(厚さ60μ、以下LLDPEと略記)と重ね、80k
g/cm2圧の加圧ロールを用いてラミネートを行っ
た。
【0165】15μ表面処理ナイロンフィルム(以下O
Nと略記)に、参考例9〜12の各印刷インキを、ドロ
ーダウンロッド#7を用いて塗布し、ドライヤーで30
秒間乾燥させた。ここに上記の接着剤を同様にドローダ
ウンロッド#12を用いて塗布し、溶剤を揮散させた
後、上記のアルミニウム/LLDPEラミネート物のア
ルミニウム面を重ねて加圧ロールにてラミネートを行っ
た。次いで、50℃の恒温槽で72時間エージングを行
い、表3に示す実施例5〜9のラミネート物を得た。ま
た、同様に参考例13〜14のインキを用いて表3に示
す比較例3〜4のラミネート物を作成した。
【0166】得られた各ラミネート物について、下記の
方法によりラミネート強度の測定とボイルおよびレトル
ト試験を行った。その結果は、表3にそれぞれ、示すと
おりであった。なお、測定または試験および評価は、実
施例1〜4、比較例1〜2と同様に行った。
【0167】
【表3】
【0168】表2及び表3から明らかなように、本発明
によれば耐レトルト性、耐ボイル性に優れた包装材料を
製造することができる。
【0169】
【発明の効果】本発明によれば、食品包装に好適に使用
することができる耐レトルト性、耐ボイル性に優れた包
装材料を製造することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムに架橋ポリウレタ
    ン樹脂粒子の水性分散体を含有した水性印刷インキで印
    刷した後に、プラスチックフィルム又は金属箔を貼り合
    わせることを特徴とする包装材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 架橋ポリウレタン樹脂粒子の水性分散体
    が、イソシアネート基を末端基とする水分散されたウレ
    タン系ポリマーをポリアミンと反応させて架橋したもの
    である請求項1記載の包装材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 架橋ポリウレタン樹脂粒子の水性分散体
    が、イソシアネート基を末端基とする自己水分散性ウレ
    タン系ポリマーと、該イソシアネート基と反応し得る官
    能基および加水分解性シリル基を併せ有するシランカッ
    プリング剤とを付加反応せしめ、次いで水性媒体中に分
    散させて重縮合せしめることによって架橋したものであ
    る請求項1記載の包装材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 架橋ポリウレタン樹脂粒子の水性分散体
    が、ラジカル重合性不飽和基を有する自己水分散性ウレ
    タン系樹脂を水性媒体中に分散させた後、該ラジカル重
    合性不飽和基を重合させることによって架橋したもので
    ある請求項1記載の包装材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 ドライラミネーションによりプラスチッ
    クフィルム又は金属箔を貼り合わせる請求項1記載の包
    装材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 溶融押し出しラミネーションによりプラ
    スチックフィルム又は金属箔を貼り合わせる請求項1記
    載の包装材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 NSラミネーションによりプラスチック
    フィルム又は金属箔を貼り合わせる請求項1記載の包装
    材料の製造方法。
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