JP2019123099A - 透光板 - Google Patents

透光板 Download PDF

Info

Publication number
JP2019123099A
JP2019123099A JP2018003533A JP2018003533A JP2019123099A JP 2019123099 A JP2019123099 A JP 2019123099A JP 2018003533 A JP2018003533 A JP 2018003533A JP 2018003533 A JP2018003533 A JP 2018003533A JP 2019123099 A JP2019123099 A JP 2019123099A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
base material
primer layer
fine particles
hard coat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018003533A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7049117B2 (ja
Inventor
章人 西
Akihito Nishi
章人 西
祐樹 水向
Yuki Mimukai
祐樹 水向
拓弥 伊西
Takuya Inishi
拓弥 伊西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP2018003533A priority Critical patent/JP7049117B2/ja
Priority to PCT/JP2019/000435 priority patent/WO2019139059A1/ja
Publication of JP2019123099A publication Critical patent/JP2019123099A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7049117B2 publication Critical patent/JP7049117B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/18Layered products comprising a layer of synthetic resin characterised by the use of special additives
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/30Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising vinyl (co)polymers; comprising acrylic (co)polymers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/36Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising polyesters
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/40Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising polyurethanes

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】 耐候性および耐衝撃性に優れたプライマー層及びハードコート層を備えた透光板を提供する。【解決手段】 樹脂製の基材と、前記基材の上に設けられたプライマー層と、前記プライマー層の上に設けられたハードコート層と、からなる透光板であって、前記プライマー層は、母材と該母材中に含まれる微粒子とからなり、前記微粒子を構成する第2の樹脂の分子量は、前記母材を構成する第1の樹脂の分子量より小さいことを特徴とする透光板。【選択図】 図1

Description

本発明は、透光板に関する。
ポリカーボネート樹脂は、優れた透明性、耐衝撃性、及び高い熱変形温度を有し、寸法安定性、及び、加工性に優れることから、従来ガラスが使用されていた各種窓、光学用レンズ、ミラー、眼鏡、ゴーグル、遮音壁、信号機灯のレンズ、カーブミラー、風防、銘板等に使用されている。しかし、ポリカーボネート樹脂は耐候性が十分ではないため、従来から、ポリカーボネート樹脂層をラミネートやコーティング、共押出法等により紫外線吸収剤を含有したアクリル樹脂で被覆する方法が知られている。
特許文献1には、耐擦傷性、紫外線遮蔽性、屋外耐久性、及び曲げ加工性に優れたポリカーボネート樹脂積層体として、ポリカーボネート樹脂層(A層)の片面又は両面に紫外線吸収性性能を有する熱可塑性樹脂層(B層)を成形積層した積層基材に、コバルト、スズ、マンガンからなる群の1以上の原子を固溶した正方晶系酸化チタン微粒子を核とし、該核の外側に酸化ケイ素もしくは酸化アルミニウムの殻を有するコアシェル型正方晶系酸化チタン固溶体を、水、アルコール、エーテル、エステル、ケトンからなる群の1以上の分散媒中に分散したコアシェル型正方晶系酸化チタン固溶体分散液であって、レーザー光を用いた動的光散乱法で測定した上記核微粒子の体積基準の50%累積分布径(D50)が50nm以下で、上記コアシェル固溶体の体積基準の50%累積分布径(D50)が100nm以下であり、前記コバルト、スズ、マンガンからなる群の全固溶量(M)が、チタンとのモル比(Ti/M)で10〜1,000の固溶体分散液を含むシリコーンハードコート組成物を塗布硬化してなるシリコーンハードコート層(C層)を形成したポリカーボネート樹脂積層体が開示されている。
また、紫外線吸収性性能を有する熱可塑性樹脂層(B層)が、複数の不飽和結合を有する多官能性単量体単位を含有する(メタ)アクリル系ゴム成分を含むと、耐衝撃性、曲げ加工性を付与することができることが記載されている。
国際公開第2014/157149号パンフレット
特許文献1に記載された発明は、不飽和結合の弾力性によってB層(プライマー層)の弾力性を得るものであるが、不飽和結合は不安定であるので、耐候性に劣るという問題点がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、耐候性および耐衝撃性に優れたプライマー層及びハードコート層を備えた透光板を提供することを目的とする。
本発明の透光板は、樹脂製の基材と、上記基材の上に設けられたプライマー層と、上記プライマー層の上に設けられたハードコート層と、からなる透光板であって、
上記プライマー層は、母材と該母材中に含まれる微粒子とからなり、上記微粒子を構成する第2の樹脂の分子量は、上記母材を構成する第1の樹脂の分子量より小さいことを特徴とする。
本発明の透光板において、上記プライマー層は、母材と該母材中に含まれる微粒子とからなるので、母材の性質を微粒子が調節することができる。微粒子は、母材よりも軟らかいものを使用するので、母材の第1の樹脂が動きやすくなる。
また、プライマー層では、上記微粒子を構成する第2の樹脂の分子量は、上記母材を構成する第1の樹脂の分子量より小さく、弾力性を有するので、プライマー層全体も弾力性を有することとなる。従って、プライマー層は、上の層であるハードコート層の動きに追随しやすく、ハードコート層とプライマー層との間に剥離が発生しにくく、耐衝撃性に優れる。
また、プライマー層に含まれる微粒子は、光を散乱させにくく、プライマー層の透明性を維持することができる。
本発明の透光板では、上記微粒子を構成する第2の樹脂の数平均分子量は200〜2000であることが好ましい。
本発明の透光板において、上記微粒子の数平均分子量が200〜2000であると、微粒子の大きさが大きすぎず、小さすぎないので、プライマー層がより弾力性を有することとなる。また、光を散乱させにくく、プライマー層の透明性を維持することができる。
本発明の透光板において、上記微粒子を構成する第2の樹脂の数平均分子量が200未満あると、第2の樹脂が固形物として存在しにくく、流出したり、揮発してしまう。一方、第2の樹脂の数平均分子量が2000を超えると、微粒子の分散性が低下し、プライマー層の物理的性質に偏りが生じ、ハードコート層が剥離し易くなる。また、可視光線を散乱し易くなり、透明性が低下してしまう。
本発明の透光板では、上記微粒子の平均粒子径は10〜500nmであることが好ましい。
本発明の透光板において、上記微粒子の平均粒子径が10〜500nmであると、微粒子の大きさが大きすぎず、小さすぎないので、プライマー層がより弾力性を有し、かつ、透光性を維持することができる。光を散乱させにくく、プライマー層の透明性を維持することができる。
本発明の透光板において、平均粒子径が10nm未満であると、実質的に母材の第1の樹脂と混合した状態になり、微粒子が存在する特徴が出せず、微粒子を含まない層と物理的特性が余り変わらなくなってしまう。一方、上記微粒子の平均粒子径が500nmを超えると、微粒子の分散性が低下し、プライマー層の物理的性質に偏りが生じ、ハードコート層が剥離し易くなる。また、可視光線を散乱し易くなり、透明性が低下してしまう。
本発明の透光板では、上記微粒子を構成する第2の樹脂は、ウレタン結合又はウレア結合を有することが望ましい。
本発明の透光板において、上記微粒子を構成する第2の樹脂は、ウレタン結合又はウレア結合を有する分子量の小さい微粒子であると、微粒子が比較的柔らかく、周囲の母材である第1の樹脂との結合力も比較的弱く、互いに交じり合わず相分離した状態を形成し、プライマー層自体が弾力性を有し易い。
本発明の透光板では、上記母材を構成する第1の樹脂が、ポリメチルメタクリレートまたはポリメチルメタクリレート誘導体であることが望ましい。
本発明の透光板において、上記母材を構成する第1の樹脂が、ポリメチルメタクリレートまたはポリメチルメタクリレート誘導体であると、透明性が高く、炭素−炭素不飽和結合を有さないので、耐候性に優れる。ただし、上記炭素−炭素不飽和結合は、芳香族化合物が有する炭素−炭素不飽和結合を除く。
本発明の透光板では、上記基材は、ポリカーボネートであることが望ましい。
本発明の透光板において、上記基材がポリカーボネートであると、ポリカーボネートは、溶媒に対する耐久性に優れているので、プライマー層の形成に起因して基材が変質しにくく、透光性に優れ、プライマー層との密着性に優れた基材となる。
本発明の透光板では、上記ハードコート層は、ポリシロキサンであることが好ましい。
本発明の透光板において、上記ハードコート層が、ポリシロキサンであると、ハードコート層として充分な硬さを有するとともに、耐候性、透光性にも優れ、ハードコート層として最適である。
図1は、本発明の透光板の一例を模式的に示す断面図である。 図2は、実施例1のサンプルの断面を示すTEM画像である。
(発明の詳細な説明)
図1は、本発明の透光板の一例を模式的に示す断面図である。なお、図1に示す各層の厚さは、図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際の厚さの関係を表してはいない。
図1に示す本発明の透光板10は、樹脂製の基材11と、基材11の上に設けられたプライマー層12と、プライマー層12の上に設けられたハードコート層13と、からなり、プライマー層12は、母材12aと母材12a中に含まれる微粒子12bとからなり、微粒子12bを構成する第2の樹脂の分子量は、母材12aを構成する第1の樹脂の分子量より小さいことを特徴とする。
以下、本発明の透光板について説明する。
本発明の透光板は、樹脂製の基材と、上記基材の上に設けられたプライマー層と、上記プライマー層の上に設けられたハードコート層とからなる。
本発明の透光板において、樹脂製の基材を構成する樹脂材料としては、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)等が挙げられる。これらの中では、ポリカーボネート又はポリメチルメタクリレートが好ましく、ポリカーボネートがより好ましい。ポリカーボネート又はポリメチルメタクリレートは、強度が高く、また、透明度が高いので、樹脂製の基材として好適に使用することができる。
本発明の透光板において、基材の形状は、特に限定されるものではなく、平板、曲板、半円筒、円筒状の他、その断面の外縁の形状は、楕円形、多角形等の任意の形状であってもよい。
例えば、本発明の透光板を自動車用等のガラスとして使用する場合、基材は、曲面状に湾曲していることが好ましい。
本発明の透光板において、基材は、無色である必要はなく、有色であってもよい。
本発明の透光板においては、サンドブラスト処理や化学薬品等によって基材の表面が粗化されていてもよい。基材の表面が粗化されていても、プライマー層及びハードコート層によって平滑化され、光が散乱されにくくすることができる。
本発明の透光板において、基材の厚さは、1〜10mmであることが好ましい。
基材の厚さが上記範囲であると、例えば自動車用等のガラスとして使用する場合の機械的強度を確保することができ、さらに、透光板の全体に歪み等が発生しにくくなる。
本発明の透光板においては、基材の上にプライマー層が設けられている。
本発明の透光板においては、基材とハードコート層との間にプライマー層が設けられているので、基材及びハードコート層の双方に対する接着力を強くすることができ、また、ハードコート層自体が弾力性を有するので、透光板の耐衝撃性、耐久性を改善することができる。
本発明の透光板において、プライマー層は、母材と該母材中に含まれる微粒子とからなり、上記微粒子を構成する第2の樹脂の分子量は、前記母材を構成する第1の樹脂の分子量より小さい。
母材を構成する第1の樹脂としては、特に限定されるものではないが、アクリル樹脂が好ましい。アクリル樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ2−エチルヘキシルメタクリレート、ポリヘキシルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリオクチルメタクリレート、ポリフェニルメタクリレート、ポリベンジルメタクリレート、ポリトリフルオロエチルメタクリレート、ポリペンタフルオロプロピルメタクリレート等が挙げられる。これらのなかでも、ポリメチルメタクリレートまたはポリメチルメタクリレート誘導体が好ましい。
母材を構成する第1の樹脂の数平均分子量は、2000を超え、100000以下が好ましい。
母材中に含まれる微粒子を構成する第2の樹脂は、特に限定されるものではないが、上記したアクリル樹脂と結合を形成し易い官能基を含まないものが望ましく、上記第2の樹脂の数平均分子量は、200〜2000で、母材を構成する樹脂の数平均分子量より小さい。上記微粒子を構成する第2の樹脂の数平均分子量が2000を超えると、微粒子の分散性が低下し、プライマー層の物理的性質に偏りが生じ、ハードコート層が剥離し易くなる。また、可視光線を散乱し易くなり、透明性が低下してしまう。
上記微粒子の平均粒子径は10〜500nmであることが望ましい。本発明の透光板において、平均粒子径が10nm未満であると、実質的に母材の第1の樹脂と混合した状態になり、微粒子が存在する特徴が出せず、微粒子を含まない層と物理的特性が余り変わらなくなってしまう。一方、上記微粒子の平均粒子径が500nmを超えると、微粒子の分散性が低下し、プライマー層の物理的性質に偏りが生じ、ハードコート層が剥離し易くなる。また、可視光線を散乱し易くなり、透明性が低下してしまう。
上記微粒子を構成する第2の樹脂の種類は、特に限定されるものではないが、分子量の小さいオリゴマーが好ましい。また、微粒子が母材に良好に分散したプライマー層を得るためには、母材となる第1の樹脂と微粒子となる分子量の小さな第2の樹脂とが良好に分散した塗布液を用いてプライマー層となる塗布層を形成してもよいが、塗布液中に均一に溶解した第2の樹脂となる成分を有する塗布液を基材表面に塗布した後、加熱や光照射等により塗布膜中で重合反応を進行させ、微粒子を形成する方法が望ましい。微粒子を母材中により均一に分散させることができるからである。
上記微粒子としては、イソシアネート化合物とアルコール又はアミンとの反応により生成するウレタン結合又はウレア結合を有するオリゴマーが好ましい。
上記アルコールとしては、モノオールであってもよく、ポリオールであってもよい。上記アルコールの具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ジアセトンプロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン・プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール等が挙げられる。
上記アミンとしては、モノアミンであってもよく、ポリアミンであってもよい。上記アミンの具体例としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、アニリン、トルイジン、ベンジジン、N,N−ジメチル−2−プロパンアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、ブロックイソシアネートが挙げられる。ブロックイソシアネートとしては、イソシアネート基を含む部分が、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等からなるものが挙げられる。これらのブロックイソシアネートを用いると、加熱してイソシアネート基からブロック剤を解離させることにより、上記したアルコール又はアミンとの縮合反応を進行させることができる。
ブロックイソシアネートも、1官能であっても、2官能以上であってもよいが、ある程度の分子量とするためには、2官能以上であることが望ましい。
塗布液中のイソシアネート基の総数がアルコール又はアミンの総数に比べて少ないものを用いることにより、高分子にならないうちに縮合反応が終了し、分子量が小さな微粒子を得ることができる。
また、アルコール又はアミン中にモノオール又はモノアミンを含ませることにより、モノオール又はモノアミンが縮合のストッパーとなり、分子量の小さなウレタン結合又はウレア結合を有するオリゴマーを得ることができる。
プライマー層中にウレタン結合又はウレア結合を有する微粒子が存在することは、例えば、赤外吸収スペクトルにより確認することができ、その大きさは、透過型電子顕微鏡の写真を撮影することにより確認することができる。
本発明の透光板において、プライマー層の厚さは特に限定されないが、基材及びハードコート層との接着性の観点から、1〜10μmが好ましく、2〜5μmがより好ましい。
本発明の透光板においては、プライマー層の上にハードコート層が設けられている。
本発明の透光板において、ハードコート層の材料は、特に限定されないが、ポリシロキサンやシリコーン樹脂が望ましい。
本明細書において、ポリシロキサンとは、主鎖が主にシロキサン結合で構成された樹脂をいい、側鎖、官能基などは特に限定されない。さらに、ハードコート層には、ポリシロキサンの他に添加物が加えられていてもよい。添加物としては、例えば、シリカハイブリッドコンポジット、シリカゾル等が挙げられる。これらの添加物は、1種又は2種以上使用することができる。
本発明の透光板において、ハードコート層の厚さは特に限定されないが、高い表面硬度を得る観点から、1〜10μmが好ましく、2〜5μmがより好ましい。
上述したプライマー層の厚さ、及び、ハードコート層の厚さは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて透光板の断面を観察したTEM画像から測定することができる。
本発明の透光板において、プライマー層及びハードコート層は、基材の片面に設けられていてもよく、両面に設けられていてもよい。また、ハードコート層の上には、セラミック層が設けられていてもよい。
上記した本発明の透光板の製造方法は、特に限定されないが、樹脂製の基材表面に、母材となる第1の樹脂と微粒子となる第2の樹脂を形成するための原料となる化合物とを含む塗布液を塗布する工程と、形成された塗布層を加熱することにより、溶剤を蒸発させるとともに第2の樹脂を形成し、母材である第1の樹脂中に第2の樹脂からなる微粒子を含むプライマー層を形成する工程と、上記プライマー層の上に、ハードコート層を形成する工程と、からなることが望ましい。
上記の方法により、樹脂製の基材と、上記基材の上に設けられたプライマー層と、上記プライマー層の上に設けられたハードコート層と、からなり、上記プライマー層は、母材と該母材中に含まれる微粒子とからなり、上記微粒子を構成する第2の樹脂の分子量は、上記母材を構成する第1の樹脂の分子量より小さい透光板を製造することができる。
上記プライマー層は、例えば、アクリル樹脂等の樹脂材料、ブロックイソシアネート、及び、アルコール又はアミンを含む溶媒等を含有する塗布液を基材の上に塗布した後、加熱、乾燥、硬化させることによって得ることができる。塗布の方法は特に限定されず、例えば、スプレーコート、ディップコート等が挙げられる。また、高沸点の溶媒を含む複数の溶媒を用い、ブロックイソシアネートの解離温度以上に加熱しても、高沸点溶媒が完全に乾燥しないよう残留させることにより、プライマー層中に良好に分散した微粒子を好適に形成することができる。アクリル樹脂とウレタン結合を有する縮合体は、互いに相溶性のない物質であるので、加熱により生成した樹脂が母材に吸収されることはなく、母材中に微粒子を有するプライマー層を形成することができる。
高沸点溶媒としては、水、アルキレングリコールアルキルエーテル、アルコール類などが挙げられる。アルキレングリコールアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM、1−メトキシ−2−プロパノールともいう、沸点121℃)等が挙げられる。アルコール類としては、n−ブタノール(沸点117℃)、ジアセトンアルコール(沸点166℃)などが挙げられる。アルコールの代わりにアミンを含有させてもよく、アルコールとアミンとを共存させてもよい。
ポリシロキサンからなるハードコート層は、例えば、ポリシロキサン、及び、溶媒等を含有する塗布液をプライマー層の上に塗布した後、乾燥・硬化させることによって得ることができる。また、シリカゾル、シリカ粒子などの添加物をシリコーン樹脂に添加してもよい。塗布の方法は特に限定されず、例えば、スプレーコート、ディップコート等が挙げられる。
ハードコート層を形成するための塗布液に含まれる溶媒は、水、アルキレングリコールアルキルエーテル、及び、揮発性の水溶性有機溶媒を含むことが好ましい。アルキレングリコールアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM、1−メトキシ−2−プロパノールともいう)等が挙げられる。揮発性の水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、イソプロピルアルコール(IPA、2−プロパノールともいう)等が挙げられる。
本発明の透光板は、自動車用のガラスとして使用されることが好ましく、具体的には、自動車用の窓、ランプカバー又はランプレンズに使用されることが好ましい。
自動車用の窓としては、前後左右の窓、ルーフ等が挙げられる。中でも、リアウインドウに使用されることが好ましい。
ランプカバーとしては、ヘッドランプカバー、スモールランプカバー、ウィンカーカバー、フォグランプカバー、テールランプカバー、ブレーキランプカバー、バックランプカバー、車内灯カバー等が挙げられる。
ランプレンズとしては、ヘッドランプレンズ、スモールランプレンズ、ウィンカーレンズ、フォグランプレンズ、テールランプレンズ、ブレーキランプレンズ、バックランプレンズ、車内灯レンズ等が挙げられ、ランプカバーと一体化したものであってもよい。
本発明の透光板は、自動車用のガラス以外の用途として、列車、航空機、船舶、二輪車、自転車等の自動車以外の輸送用機器用のガラス(窓、ランプカバー、各種ランプレンズ等);家屋、オフィスビル等の建築物用のガラス(窓等);室内照明(LED照明、蛍光灯)、信号機、道路灯、歩道灯、防犯灯、公園灯等の各種照明のカバー等に使用することができる。
(実施例)
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
<サンプルの作製>
[実施例1]
以下のように、樹脂製の基材の表面にプライマー層を形成した後、ハードコート層を形成することにより、実施例1のサンプルを作製した。
基材としては、100mm×100mm×5mmのポリカーボネート(旭硝子株式会社製カーボグラス(登録商標))を準備した。
アクリル系プライマー(モメンティブ社製 470 FT 2050:固形分9wt%、PGM76wt%、ジアセトンプロパノール15wt%)100重量部、及び、ブロックイソシアネート(旭化成社製 デュラネートMF−B60B:固形分量60wt%)0.95重量部を含有する塗布液を満たした槽に基材をディップしたのち引き上げ、135℃で40分間乾燥させた。なお、デュラネートMF−B60Bは、ヘキサメチレンジイソシアネートをブロックしたものであり、硬化条件は120℃、30分である。
微粒子を構成する第2の樹脂は、ヘキサメチレンジイソシアネート(分子量168)にPGM(分子量90)またはジアセトンプロパノール(分子量60)が2つ結合したウレタン結合を2つ有する構造となったと考えられ、分子量は288〜348であると考えられる。
また、母材である第1の樹脂は、ポリメチルメタクリレートであり、分子量は10000程度であると考えられる。
プライマー層が形成された基材を、シリコーン樹脂(モメンティブ社製 AS4700F)を含有する塗布液に酢酸を添加して、塗布液のpHを4.7に調整した後にディップしたのち引き上げ、140℃で60分間乾燥させた。
シリコーン樹脂には、シロキサンのオリゴマーが含まれており乾燥によって縮合し、ポリシロキサンが形成されたと考えられる。シリコーン樹脂を含有する塗布液には、高沸点溶媒としてPGM1.9wt%、水13.1wt%、n−ブタノール14.2wt%が含まれている。
[比較例1]
プライマー層となる塗布液にブロックイソシアネートを添加しなかったことを除いて、実施例1と同様に、プライマー層及びハードコート層を形成した。以上により、比較例1のサンプルを得た。
<TEM観察>
透過型電子顕微鏡(日本電子社製 JEM2010)を用いて、実施例1のサンプルの断面を観察した。加速電圧は200kVであった。
図2は、実施例1のサンプルの断面を示すTEM画像である。
図2に示すように、実施例1のサンプルでは、プライマー層12を構成する母材12a中に第2の樹脂からなる直径が約100nmの微粒子12bが散在していることが観察できる。
一方、比較例1では、アクリル系樹脂が単に薄い被膜を形成したのみであり母材中に微粒子の存在は確認されなかった。
<耐久性の評価>
以下に示す煮沸試験を行い、ハードコート層とプライマー層との密着性を評価することにより、各サンプルの耐久性を評価した。
各サンプルのハードコート層に碁盤目のクロスカット(1mmのマス目を100個)を施した後、常圧下において、100℃のイオン交換水に2時間浸漬させた。その後、JIS Z 1522適合品のセロハン粘着テープ(ニチバン社製)をハードコート層の上に貼り付け、指で強く押し付けた後、90°方向に剥離し、ハードコート層が剥離した個数により評価を行った。
実施例1のサンプルの剥離個数は0個、比較例1のサンプルの剥離個数は14個であった。実施例1と比較例1との比較から、実施例1に係る透光板は、ハードコート層とプライマー層との密着性に優れていることが確認された。
10 透光板
11 基材
12 プライマー層
12a 母材
12b 微粒子
13 ハードコート層

Claims (7)

  1. 樹脂製の基材と、前記基材の上に設けられたプライマー層と、前記プライマー層の上に設けられたハードコート層と、からなる透光板であって、
    前記プライマー層は、母材と該母材中に含まれる微粒子とからなり、
    前記微粒子を構成する第2の樹脂の分子量は、前記母材を構成する第1の樹脂の分子量より小さいことを特徴とする透光板。
  2. 前記微粒子を構成する第2の樹脂の数平均分子量は、200〜2000である請求項1に記載の透光板。
  3. 前記微粒子の平均粒子径は、10〜500nmである請求項1又は2に記載の透光板。
  4. 前記微粒子を構成する第2の樹脂は、ウレタン結合又はウレア結合を有する請求項1〜3の何れか1項に記載の透光板。
  5. 前記母材を構成する第1の樹脂は、ポリメチルメタクリレートまたはポリメチルメタクリレート誘導体である請求項1〜4のいずれか1項に記載の透光板。
  6. 前記基材は、ポリカーボネートである請求項1〜5のいずれか1項に記載の透光板。
  7. 前記ハードコート層は、ポリシロキサンである請求項1〜6のいずれか1項に記載の透光板。

JP2018003533A 2018-01-12 2018-01-12 透光板 Active JP7049117B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018003533A JP7049117B2 (ja) 2018-01-12 2018-01-12 透光板
PCT/JP2019/000435 WO2019139059A1 (ja) 2018-01-12 2019-01-10 透光板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018003533A JP7049117B2 (ja) 2018-01-12 2018-01-12 透光板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019123099A true JP2019123099A (ja) 2019-07-25
JP7049117B2 JP7049117B2 (ja) 2022-04-06

Family

ID=67218679

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018003533A Active JP7049117B2 (ja) 2018-01-12 2018-01-12 透光板

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7049117B2 (ja)
WO (1) WO2019139059A1 (ja)

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0740500A (ja) * 1993-05-28 1995-02-10 Dainippon Ink & Chem Inc 包装材料の製造方法
JP2006198938A (ja) * 2005-01-21 2006-08-03 Unitika Ltd 積層体
JP2009067845A (ja) * 2007-09-11 2009-04-02 Hoya Corp プライマー形成用組成物、この組成物を用いたプライマー層を有するプラスチックレンズ、およびその製造方法
JP2011099074A (ja) * 2009-11-09 2011-05-19 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd プライマー層膜形成用塗料組成物およびプラスチックレンズ
JP2017144613A (ja) * 2016-02-16 2017-08-24 イビデン株式会社 透光板及びその製造方法
JP2017165273A (ja) * 2016-03-16 2017-09-21 イビデン株式会社 リアウインドウ
JP2018089779A (ja) * 2016-11-30 2018-06-14 イビデン株式会社 透光板
JP2019014114A (ja) * 2017-07-05 2019-01-31 イビデン株式会社 透光板
JP2019124751A (ja) * 2018-01-12 2019-07-25 イビデン株式会社 粒子分散体、粒子分散体の製造方法及び該粒子分散体の製造方法に用いる混合溶液

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0740500A (ja) * 1993-05-28 1995-02-10 Dainippon Ink & Chem Inc 包装材料の製造方法
JP2006198938A (ja) * 2005-01-21 2006-08-03 Unitika Ltd 積層体
JP2009067845A (ja) * 2007-09-11 2009-04-02 Hoya Corp プライマー形成用組成物、この組成物を用いたプライマー層を有するプラスチックレンズ、およびその製造方法
JP2011099074A (ja) * 2009-11-09 2011-05-19 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd プライマー層膜形成用塗料組成物およびプラスチックレンズ
JP2017144613A (ja) * 2016-02-16 2017-08-24 イビデン株式会社 透光板及びその製造方法
JP2017165273A (ja) * 2016-03-16 2017-09-21 イビデン株式会社 リアウインドウ
JP2018089779A (ja) * 2016-11-30 2018-06-14 イビデン株式会社 透光板
JP2019014114A (ja) * 2017-07-05 2019-01-31 イビデン株式会社 透光板
JP2019124751A (ja) * 2018-01-12 2019-07-25 イビデン株式会社 粒子分散体、粒子分散体の製造方法及び該粒子分散体の製造方法に用いる混合溶液

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019139059A1 (ja) 2019-07-18
JP7049117B2 (ja) 2022-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2714389B2 (ja) 逆行反射性シート
JP5745036B2 (ja) シリコーン系材料
TWI457424B (zh) 奈米工程級複合型除霧塗料
JP6483822B2 (ja) 塗膜
EP2436736B1 (en) Organosiloxane resin composition and laminate comprising same
CN105431498B (zh) 无方向依赖性冲击韧性的3d模制件
KR101727906B1 (ko) 자동차용 글레이징 시트
CN111491953B (zh) Pvc组合物、薄膜、层合件和相关方法
TWI542626B (zh) Composition and film formed by it
CN1931942A (zh) 改良制品
CN104769023B (zh) 用于阻碍露珠形成的纳米二氧化硅涂层
WO2013154695A2 (en) Surface treated film and/or laminate
WO2019139059A1 (ja) 透光板
WO2012141994A2 (en) Surface treated film and/or laminate
WO2019139058A1 (ja) 粒子分散体、粒子分散体の製造方法及び該粒子分散体の製造方法に用いる混合溶液
JP6759407B2 (ja) ポリマープラスチックフロントパネルとその製法
CN110531447B (zh) 一种防眩光保护膜及其制备方法
KR100738461B1 (ko) 자동차용 글레이징
JP2020157684A (ja) 転写型ハードコートフィルム、及び当該フィルムを利用したハードコート体の製造方法
JP6995513B2 (ja) 透光板及び透光板の製造方法
WO2021107038A1 (ja) 光学性層、カバー部材および移動体
JP7403768B2 (ja) 積層体およびその製造方法
JP7057679B2 (ja) ハードコート液及びハードコート層の製造方法
JP6450177B2 (ja) 防曇被塗物
JP6915914B2 (ja) 表面硬度及び耐擦傷性に優れた被覆ポリカーボネート基板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210511

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220325

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7049117

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150