JP2019123099A - 透光板 - Google Patents
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Abstract
Description
上記プライマー層は、母材と該母材中に含まれる微粒子とからなり、上記微粒子を構成する第2の樹脂の分子量は、上記母材を構成する第1の樹脂の分子量より小さいことを特徴とする。
本発明の透光板において、上記微粒子の数平均分子量が200〜2000であると、微粒子の大きさが大きすぎず、小さすぎないので、プライマー層がより弾力性を有することとなる。また、光を散乱させにくく、プライマー層の透明性を維持することができる。
本発明の透光板において、上記微粒子の平均粒子径が10〜500nmであると、微粒子の大きさが大きすぎず、小さすぎないので、プライマー層がより弾力性を有し、かつ、透光性を維持することができる。光を散乱させにくく、プライマー層の透明性を維持することができる。
本発明の透光板において、上記微粒子を構成する第2の樹脂は、ウレタン結合又はウレア結合を有する分子量の小さい微粒子であると、微粒子が比較的柔らかく、周囲の母材である第1の樹脂との結合力も比較的弱く、互いに交じり合わず相分離した状態を形成し、プライマー層自体が弾力性を有し易い。
本発明の透光板において、上記母材を構成する第1の樹脂が、ポリメチルメタクリレートまたはポリメチルメタクリレート誘導体であると、透明性が高く、炭素−炭素不飽和結合を有さないので、耐候性に優れる。ただし、上記炭素−炭素不飽和結合は、芳香族化合物が有する炭素−炭素不飽和結合を除く。
本発明の透光板において、上記基材がポリカーボネートであると、ポリカーボネートは、溶媒に対する耐久性に優れているので、プライマー層の形成に起因して基材が変質しにくく、透光性に優れ、プライマー層との密着性に優れた基材となる。
本発明の透光板において、上記ハードコート層が、ポリシロキサンであると、ハードコート層として充分な硬さを有するとともに、耐候性、透光性にも優れ、ハードコート層として最適である。
図1は、本発明の透光板の一例を模式的に示す断面図である。なお、図1に示す各層の厚さは、図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際の厚さの関係を表してはいない。
本発明の透光板は、樹脂製の基材と、上記基材の上に設けられたプライマー層と、上記プライマー層の上に設けられたハードコート層とからなる。
例えば、本発明の透光板を自動車用等のガラスとして使用する場合、基材は、曲面状に湾曲していることが好ましい。
基材の厚さが上記範囲であると、例えば自動車用等のガラスとして使用する場合の機械的強度を確保することができ、さらに、透光板の全体に歪み等が発生しにくくなる。
本発明の透光板においては、基材とハードコート層との間にプライマー層が設けられているので、基材及びハードコート層の双方に対する接着力を強くすることができ、また、ハードコート層自体が弾力性を有するので、透光板の耐衝撃性、耐久性を改善することができる。
母材を構成する第1の樹脂の数平均分子量は、2000を超え、100000以下が好ましい。
上記アルコールとしては、モノオールであってもよく、ポリオールであってもよい。上記アルコールの具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ジアセトンプロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン・プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール等が挙げられる。
本明細書において、ポリシロキサンとは、主鎖が主にシロキサン結合で構成された樹脂をいい、側鎖、官能基などは特に限定されない。さらに、ハードコート層には、ポリシロキサンの他に添加物が加えられていてもよい。添加物としては、例えば、シリカハイブリッドコンポジット、シリカゾル等が挙げられる。これらの添加物は、1種又は2種以上使用することができる。
ランプカバーとしては、ヘッドランプカバー、スモールランプカバー、ウィンカーカバー、フォグランプカバー、テールランプカバー、ブレーキランプカバー、バックランプカバー、車内灯カバー等が挙げられる。
ランプレンズとしては、ヘッドランプレンズ、スモールランプレンズ、ウィンカーレンズ、フォグランプレンズ、テールランプレンズ、ブレーキランプレンズ、バックランプレンズ、車内灯レンズ等が挙げられ、ランプカバーと一体化したものであってもよい。
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
以下のように、樹脂製の基材の表面にプライマー層を形成した後、ハードコート層を形成することにより、実施例1のサンプルを作製した。
基材としては、100mm×100mm×5mmのポリカーボネート(旭硝子株式会社製カーボグラス(登録商標))を準備した。
アクリル系プライマー(モメンティブ社製 470 FT 2050:固形分9wt%、PGM76wt%、ジアセトンプロパノール15wt%)100重量部、及び、ブロックイソシアネート(旭化成社製 デュラネートMF−B60B:固形分量60wt%)0.95重量部を含有する塗布液を満たした槽に基材をディップしたのち引き上げ、135℃で40分間乾燥させた。なお、デュラネートMF−B60Bは、ヘキサメチレンジイソシアネートをブロックしたものであり、硬化条件は120℃、30分である。
また、母材である第1の樹脂は、ポリメチルメタクリレートであり、分子量は10000程度であると考えられる。
シリコーン樹脂には、シロキサンのオリゴマーが含まれており乾燥によって縮合し、ポリシロキサンが形成されたと考えられる。シリコーン樹脂を含有する塗布液には、高沸点溶媒としてPGM1.9wt%、水13.1wt%、n−ブタノール14.2wt%が含まれている。
プライマー層となる塗布液にブロックイソシアネートを添加しなかったことを除いて、実施例1と同様に、プライマー層及びハードコート層を形成した。以上により、比較例1のサンプルを得た。
透過型電子顕微鏡(日本電子社製 JEM2010)を用いて、実施例1のサンプルの断面を観察した。加速電圧は200kVであった。
一方、比較例1では、アクリル系樹脂が単に薄い被膜を形成したのみであり母材中に微粒子の存在は確認されなかった。
以下に示す煮沸試験を行い、ハードコート層とプライマー層との密着性を評価することにより、各サンプルの耐久性を評価した。
11 基材
12 プライマー層
12a 母材
12b 微粒子
13 ハードコート層
Claims (7)
- 樹脂製の基材と、前記基材の上に設けられたプライマー層と、前記プライマー層の上に設けられたハードコート層と、からなる透光板であって、
前記プライマー層は、母材と該母材中に含まれる微粒子とからなり、
前記微粒子を構成する第2の樹脂の分子量は、前記母材を構成する第1の樹脂の分子量より小さいことを特徴とする透光板。 - 前記微粒子を構成する第2の樹脂の数平均分子量は、200〜2000である請求項1に記載の透光板。
- 前記微粒子の平均粒子径は、10〜500nmである請求項1又は2に記載の透光板。
- 前記微粒子を構成する第2の樹脂は、ウレタン結合又はウレア結合を有する請求項1〜3の何れか1項に記載の透光板。
- 前記母材を構成する第1の樹脂は、ポリメチルメタクリレートまたはポリメチルメタクリレート誘導体である請求項1〜4のいずれか1項に記載の透光板。
- 前記基材は、ポリカーボネートである請求項1〜5のいずれか1項に記載の透光板。
- 前記ハードコート層は、ポリシロキサンである請求項1〜6のいずれか1項に記載の透光板。
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