JP2000327733A - 複合樹脂エマルジヨン - Google Patents

複合樹脂エマルジヨン

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JP2000327733A
JP2000327733A JP11136330A JP13633099A JP2000327733A JP 2000327733 A JP2000327733 A JP 2000327733A JP 11136330 A JP11136330 A JP 11136330A JP 13633099 A JP13633099 A JP 13633099A JP 2000327733 A JP2000327733 A JP 2000327733A
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emulsion
polyurethane
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unsaturated monomer
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JP11136330A
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Mitsuru Kato
充 加藤
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光安定剤が溶剤によって抽出されたりブリー
ドアウトすることがなく、長期にわたって優れた光安定
化効果を発揮するポリウレタンとエチレン性不飽和モノ
マーの重合体との複合樹脂のエマルジヨンの提供。 【解決手段】 ポリウレタン系エマルジヨン(A)の存
在下にエチレン性不飽和モノマー(B)を乳化重合して
得られた複合樹脂エマルジヨンであって、複合樹脂骨格
中に、光安定化作用を有するヒンダードアミノ基及び/
又は紫外線吸収性基を、複合樹脂100g当たり0.1
mmol以上の割合で共有結合により有している複合樹
脂エマルジヨン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐光性に優れる複合
樹脂のエマルジヨンに関する。より詳細には、本発明
は、複合樹脂骨格中に光安定化作用を有するヒンダード
アミノ基および紫外線吸収性基から選ばれる少なくとも
1種の光安定性付与能のある基が共有結合によって結合
されていて、前記基が溶剤によって抽出されたりブリー
ドアウトすることがなく、長期にわたって優れた光安定
化効果を持続して発揮する複合樹脂のエマルジヨンに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリウレタン系エマルジヨン
の存在下でエチレン性不飽和モノマーを乳化重合するこ
とによって、複合樹脂エマルジヨンを製造することが行
われている(特開昭62−241902号公報、特開平
5−320299号公報、特開平10−30057号公
報)。特にエチレン性不飽和モノマーとして(メタ)ア
クリル酸誘導体を用いた場合には、得られる複合樹脂
が、強度、耐摩耗性、耐溶剤性などに優れるというポリ
ウレタンの長所と耐候性や耐加水分解性に優れ且つ低コ
ストであるというアクリル樹脂の長所を兼ね備えてい
る。しかしながら、その複合樹脂は、耐光黄変性がポリ
ウレタンに比べて優れているものの、アクリル樹脂に比
べると大幅に劣っており、改善が望まれている。また、
複合樹脂を金属錯塩酸性染料などで染色した場合に、ア
クリル樹脂が前記染料に染色されないことから、ポリウ
レタンを染色した場合に比べて淡色になる。その結果、
染料による紫外線吸収能が低くなり、耐光染色堅牢性が
劣ったものになるという欠点がある。これらの問題を解
決するために、複合樹脂にヒンダードアミン系化合物や
紫外線吸収剤などの光安定剤を添加することが行われて
いる。しかしながら、複合樹脂と光安定剤との相溶性が
充分ではなく、光安定剤の添加量に限度があるため、耐
光性が充分に改善されない。また、複合樹脂から光安定
剤が有機溶剤によって抽出されてしまったり、ブリード
アウトするため、光安定剤の効果が長続きせずに短期間
に失われるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光安
定剤の溶剤による抽出やブリードアウトが生じず、長期
にわたって高い光安定化効果を持続して発揮する、ポリ
ウレタンとエチレン性不飽和モノマーの重合体との複合
樹脂のエマルジヨンを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者は鋭意検討を重ねてきた。その結果、ポリウレ
タンとエチレン性不飽和モノマーの重合体との複合樹脂
のエマルジヨンにおいて、複合樹脂骨格中に、光安定化
作用を有するヒンダードアミノ基および紫外線吸収性基
から選ばれる少なくとも1種の基を共有結合によって結
合させると、光安定剤の溶剤による抽出やブリードアウ
トが生じず、長期にわたって優れた光安定化効果を発揮
する複合樹脂のエマルジヨンが得られることを見出し
て、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、 (1) ポリウレタン系エマルジヨン(A)の存在下に
エチレン性不飽和モノマー(B)を乳化重合して得られ
た複合樹脂エマルジヨンであって、複合樹脂骨格に、光
安定化作用を有するヒンダードアミノ基および紫外線吸
収性基から選ばれる少なくとも1種の基が、複合樹脂1
00g当たり0.1mmol以上の割合で、共有結合し
ていることを特徴とする複合樹脂エマルジヨンである。
【0006】そして、本発明は、 (2) 複合樹脂100g当たり光安定化作用を有する
ヒンダードアミノ基および紫外線吸収性基から選ばれる
少なくとも1種の基を0.1〜50mmolの割合で有
し、且つ複合樹脂におけるポリウレタンとエチレン性不
飽和モノマー(B)に由来する重合体の重量比が90:
10〜10:90である上記した(1)の複合樹脂エマ
ルジヨン; (3) 光安定化作用を有するヒンダードアミノ基が、
下記の化学式(I);
【0007】
【化4】 で表される構造を有する上記した(1)または(2)の
複合樹脂エマルジヨン; (4) 紫外線吸収性基が、下記の化学式(II);
【0008】
【化5】 または、下記の化学式(III);
【0009】
【化6】 で表される構造を有する上記した(1)〜(3)のいず
れかの複合樹脂エマルジヨン;を好ましい態様として包
含する。
【0010】そして、本発明は、 (5) エチレン性不飽和モノマー(B)として、光安
定化作用のあるヒンダードアミノ基および紫外線吸収性
基から選ばれる少なくとも1種の基を有するエチレン性
不飽和モノマー(b)の割合が0.1〜30重量%であ
るエチレン性不飽和モノマーを用いてなる上記した
(1)〜(4)のいずれかの複合樹脂エマルジヨン; (6) ポリウレタン系エマルジヨン(A)として、ポ
リウレタン骨格中に、水酸基を有し光安定化作用を有す
るヒンダードアミン化合物に由来する構造単位を0.1
〜20重量%の割合で有するポリウレタンのエマルジヨ
ンを用いてなる上記した(1)〜(5)のいずれかの複
合樹脂エマルジヨン; (7) ポリウレタン系エマルジヨン(A)として、水
性液中で界面活性剤の存在下にイソシアネート末端ウレ
タンプレポリマーに鎖伸長剤を反応させて得られたポリ
ウレタン系エマルジヨンであって、ポリウレタン骨格中
にポリウレタン100g当たり中和されたカルボキシル
基および/またはスルホン酸基を3〜30mmolの割
合で有し、且つポリウレタン100g当たり界面活性剤
を0.5〜10gの割合で含有するポリウレタン系エマ
ルジヨンを用いてなる上記した(1)〜(6)のいずれ
かの複合樹脂エマルジヨン;を包含する。
【0011】さらに、本発明は、 (8) エチレン性不飽和モノマー(B)として、(メ
タ)アクリル酸誘導体および/または芳香族ビニル化合
物を主成分とするエチレン性不飽和モノマーを用いてな
る上記した(1)〜(7)のいずれかの複合樹脂エマル
ジヨン; (9) 複合樹脂エマルジヨンが、ポリウレタン系エマ
ルジヨン(A)の存在下に、アクリル酸誘導体を主成分
とするエチレン性不飽和モノマー(B1)を乳化重合し
た後、メタクリル酸誘導体および/または芳香族ビニル
化合物を主成分とするエチレン性不飽和モノマー(B
2)を乳化重合したものであって、その際のエチレン性
不飽和モノマー(B1):エチレン性不飽和モノマー
(B2)の重量比が50:50〜99:1である上記し
た(1)〜(8)のいずれかの複合樹脂エマルジヨン; (10) 複合樹脂骨格中に、光安定化作用を有するヒ
ンダードアミノ基以外の3級アミノ基を、複合樹脂10
0g当たり0.1〜50mmolの割合で有する上記し
た(1)〜(9)のいずれかの複合樹脂エマルジヨン;
である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明の複合樹脂エマルジヨンでは、光安定化作
用を有するヒンダードアミノ基および紫外線吸収性基か
ら選ばれる少なくとも1種の基(以下「光安定化基」と
いうことがある)は、複合樹脂中に共有結合している限
りはその結合箇所は制限されず、複合樹脂を構成するポ
リウレタン部分に結合していても、エチレン性不飽和モ
ノマー(B)から形成された重合体部分に結合していて
も、またはポリウレタン部分とエチレン性不飽和モノマ
ー(B)から形成された重合体部分の両方に結合してい
てもよい。
【0013】本発明の複合樹脂エマルジヨンでは、複合
樹脂にヒンダードアミノ基のみが結合していても、紫外
線吸収性基のみが結合していても、またはヒンダードア
ミノ基と紫外線吸収性基の両方が結合していてもよい。
また、複合樹脂に結合しているヒンダードアミノ基は1
種類であってもまたは2種類以上であってもよく、複合
樹脂に結合している紫外線吸収性基は1種類であっても
または2種類以上であってもよい。
【0014】複合樹脂における光安定化基の結合量(複
数種の光安定化基が結合している場合はそれらの合計結
合量)は、複合樹脂100g当たり0.1mmolであ
ることが必要である。光安定化基の結合量が複合樹脂1
00g当たり0.1mmolよりも少ないと、複合樹脂
の耐光性が不充分となる。光安定化基の結合量の上限値
は特に制限されないが、光安定化基の結合量が多すぎる
とコストが高くなり、しかもあまり多くても耐光性の改
善効果も頭打ちになるため、光安定化基の結合量を複合
樹脂100g当たり50mmol以下とすることが好ま
しい。かかる点から、本発明の複合樹脂エマルジヨンで
は、光安定化基の結合量が、複合樹脂100g当たり、
1〜50mmolであることが好ましく、0.5〜40
mmolであることがより好ましく、1〜30mmol
であることが更に好ましい。
【0015】光安定化基として複合樹脂に結合させるヒ
ンダードアミノ基の種類は特に制限されず、光安定化作
用を有するヒンダードアミノ基であればいずれでもよ
い。そのうちでも、下記の化学式(I)で表される構造
を有するヒンダードアミノ基が、優れた光安定化作用を
示すことから好ましく採用される。
【0016】
【化7】
【0017】光安定化基として複合樹脂に結合させる紫
外線吸収性基の種類は特に制限されず、紫外線吸収作用
を示す基であればいずれでもよく、例えば、下記の化学
式(II)で表されるベンゾトリアゾール系の基、化学式
(III)で表されるベンゾフェノン系の基、化学式(I
V)で表されるサリチル酸フェニル系の基、化学式
(V)で表されるシアノアクリレート系の基などを挙げ
ることができる。
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】
【化10】
【0021】
【化11】 (式中、Rは1価の炭化水素基を示す。)
【0022】そのうちでも、上記の化学式(II)で表さ
れるベンゾトリアゾール系の基および/または化学式
(III)で表されるベンゾフェノン系の基が、紫外線吸
収性に優れていて良好な光安定化作用を示すことから好
ましく採用される。
【0023】複合樹脂骨格中に光安定化基を導入する方
法としては、例えば、(1)エチレン性不飽和モノマー
(B)の一部として光安定化作用を有するヒンダードア
ミノ基および紫外線吸収性基から選ばれる少なくとも1
種の光安定化基を有するエチレン性不飽和モノマー
(b)を用いる方法、(2)ポリウレタン系エマルジヨ
ン(A)中のポリウレタンの製造原料としてヒンダード
アミノ基および紫外線吸収性基から選ばれる少なくとも
1種の光安定化基を有し且つイソシアネート反応性の基
を有する化合物(c)を使用する方法、(3)前記
(1)と(2)の方法を併用する方法などを挙げること
ができる。前記(1)の方法による場合は、複合樹脂に
おけるエチレン性不飽和モノマー(B)から形成された
重合体部分に光安定化基が共有結合した複合樹脂が得ら
れる。前記(2)の方法による場合は、複合樹脂におけ
るポリウレタン部分に光安定化基が共有結合した複合樹
脂が得られる。また、前記(3)の方法による場合は、
複合樹脂におけるエチレン性不飽和モノマー(B)から
形成された部分とポリウレタン部分の両方に光安定化基
を有する複合樹脂が得られる。
【0024】上記した(1)または(3)の方法で用い
る光安定化基を有するエチレン性不飽和モノマー(b)
の種類は特に制限されず、光安定化作用を有するヒンダ
ードアミノ基および/または紫外線吸収性基を有し且つ
ポリウレタンエマルジヨンの存在下に乳化重合によって
複合樹脂を形成し得るエチレン性不飽和モノマーであれ
ばいずれも使用できる。限定されるものではないが、エ
チレン性不飽和モノマー(b)の具体例としては、4−
(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−
1,2,2,6,6−ペンタメチルペピリジン、4−
(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−
1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンなどのヒ
ンダードアミン化合物;2−[2’−ヒドロキシ−5’
−(メタ)アクロイルオキシエチルフェニル]−2H−
ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合
物;2−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリロイルオキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルベンゾフェノンなどベンゾフェノン
系化合物などを挙げることができ、これらの1種または
2種以上を用いることができる。
【0025】上記した(2)または(3)の方法で用い
る光安定化基を有し且つイソシアネート反応性の基を有
する化合物(c)の種類は特に制限されず、光安定化作
用を有するヒンダードアミノ基および/または紫外線吸
収性基を有し且つイソシアネート反応性を有し、イソシ
アネートとの反応によってその光安定化作用が失われな
い化合物であればいずれも使用できる。そのうちでも、
前記化合物(c)としては、水酸基を有し光安定化作用
を有するヒンダードアミン化合物が特に効果が優れてい
ることから好ましく用いられる。その具体例としては、
4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン、4−ヒドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメ
チルピペリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−4−
ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとコハク酸の
重縮合物、1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロ
キシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとアジ
ピン酸の重縮合物などを挙げることができ、これらの1
種または2種以上を用いることができる。
【0026】上記した(1)の方法によって複合樹脂骨
格中に光安定化基を導入する場合は、エチレン性不飽和
モノマー(B)の全重量に対する光安定化基を有するエ
チレン性不飽和モノマー(b)の使用割合が0.1〜3
0重量%であるのが、複合樹脂エマルジヨンの耐光性、
製造の容易性、コストなどの点から好ましく、0.2〜
25重量%であるのがより好ましい。上記した(2)の
方法によって複合樹脂骨格中に光安定化基を導入する場
合は、生成するポリウレタンの重量に対する光安定化基
を有し且つイソシアネート反応性基を有する化合物
(c)、好ましくは水酸基を有するヒンダードアミン化
合物の使用割合が0.1〜20重量%であるのが、複合
樹脂エマルジヨンの耐光性、製造の容易性、コストなど
の点から好ましく、0.2〜15重量%であるのがより
好ましい。また、上記した(3)の方法によって複合樹
脂骨格中に光安定化基を導入する場合は、生成する複合
樹脂の骨格中に、複合樹脂100g当たり光安定化基が
好ましくは0.1〜50mmolの割合で共有結合する
ように、複合樹脂エマルジヨンの製造に用いるポリウレ
タン系エマルジヨン(A)とエチレン性不飽和モノマー
(B)の使用割合などを考慮しながら、上記した(1)
および(2)の場合を参考にしながら決めればよい。
【0027】本発明で用いるポリウレタン系エマルジヨ
ン(A)は、水性液体中にポリウレタン系重合体が安定
に乳化分散しているポリウレタン系エマルジヨンであれ
ばいずれでもよく、エマルジヨン中のポリウレタンの種
類やその製造法、エマルジヨンの製造法などは特に制限
されない。ポリウレタン系エマルジヨン(A)は、例え
ば、ポリウレタン骨格中に乳化促進用の親水性基を多く
有する自己乳化性ポリウレタンのエマルジヨンであって
も、または乳化性の低いポリウレタンを界面活性剤など
の乳化剤を用いて水性液体中に強制乳化したポリウレタ
ン系エマルジヨンであってもよい。
【0028】そのうちでも、本発明では、ポリウレタン
系エマルジヨン(A)として、高分子ポリオールを主体
とするポリオール系化合物(ポリオール系混合物)に有
機ポリイソシアネートを反応させて得られるイソシアネ
ート末端ウレタンプレポリマー(以下単に「ウレタンプ
レポリマー」ということがある)に鎖伸長剤を反応させ
て得られるポリウレタンが、水性液体中に乳化分散して
いるものが好ましく用いられる。ウレタンプレポリマー
の製造に用いる前記ポリオール系化合物は、高分子ポリ
オールのみからなっていても、または高分子ポリオール
とイソシアネート反応性基を2個以上有する低分子化合
物との混合物(ポリオール混合物)であってもよい。
【0029】ウレタンプレポリマーの製造時に、ポリオ
ール系化合物として、高分子ポリオールと共にイソシア
ネート反応性基と光安定化基を有する化合物(例えば2
個の水酸基を有し且つ光安定化作用を示すヒンダードア
ミン化合物など)を含むものを用いる場合は、光安定化
基が共有結合したウレタンプレポリマーが製造され、こ
のウレタンプレポリマーを鎖伸長することによって、ポ
リウレタン骨格中に光安定化基が共有結合したポリウレ
タンが得られる。また、イソシアネート反応性基および
光安定性付与を有する化合物(例えば2個の水酸基を有
し且つ光安定化作用を示すヒンダードアミン化合物な
ど)を鎖伸長剤の少なくとも一部として用いてウレタン
プレポリマーの鎖伸長を行った場合にも、ポリウレタン
骨格に光安定化基が共有結合したポリウレタンを得るこ
とができる。
【0030】ポリウレタン系エマルジヨン(A)の製造
に当たっては、界面活性剤の存在下または不存在下に、
ウレタンプレポリマーを水性液体中に乳化分散させると
同時にまたは乳化分散させた後に鎖伸長剤と反応させる
ことができる。その際に、ウレタンプレポリマーを水性
液体に乳化分散し易くするために、ウレタンプレポリマ
ーをアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エ
チル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなど
の有機溶媒で希釈し、それを水性液体中に乳化分散させ
てもよい。ウレタンプレポリマーの希釈に用いた有機溶
媒は、エチレン性不飽和モノマー(B)の乳化重合の前
または後に反応系から除去することができる。また、場
合によっては、鎖伸長剤の一部または全部をウレタンプ
レポリマーに反応させてポリウレタンを製造してから、
そのポリウレタンを水性液中に乳化分散させてもよい。
【0031】ポリウレタン系エマルジヨン(A)を製造
するためのウレタンプレポリマーの製造に用いる上記し
た高分子ポリオールとしては、ポリエステルポリオー
ル、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリカ
ーボネートポリオール、ポリエーテルポリオールなどを
挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上
を使用することができる。そのうちでも、ポリエステル
ポリオール、ポリカーボネートポリオールおよびポリエ
ーテルポリオールの1種または2種以上が好ましく用い
られる。
【0032】上記のポリエステルポリオールは、例え
ば、常法にしたがって、ポリカルボン酸、そのエステ
ル、無水物などのエステル形成性誘導体などのポリカル
ボン酸成分とポリオール成分を直接エステル化反応させ
るかまたはエステル交換反応することにより、或いはポ
リオールを開始剤としてラクトンを開環重合することに
より製造することができる。
【0033】ウレタンプレポリマー製造用のポリエステ
ルポリオールの製造に用い得るポリカルボン酸成分とし
ては、ポリエステルポリオールの製造において一般的に
使用されているポリカルボン酸成分を使用でき、例え
ば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二
酸、2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−
メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8
−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸な
どの脂肪族ジカルボン酸;イソフタル酸、テレフタル
酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジ
カルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸など
の脂環式ジカルボン酸;トリメリット酸、トリメシン酸
などのトリカルボン酸;それらのエステル形成性誘導体
などを挙げることができ、これらの1種または2種以上
を用いることができる。そのうちでも、ポリエステルポ
リオールは、ポリカルボン酸成分として、脂肪族ジカル
ボン酸またはそのエステル形成性誘導体から主としてな
り、場合により少量の3官能以上のポリカルボン酸また
はそのエステル形成性誘導体を含むものを用いて製造さ
れたものであることが好ましい。
【0034】ウレタンプレポリマー製造用のポリエステ
ルポリオールの製造に用い得るポリオール成分として
は、ポリエステルポリオールの製造において一般的に使
用されているものを用いることができ、例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペン
チルグリコール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−
オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチ
ル−1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオ
ールなどの脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノー
ル、シクロヘキサンジオールなどの脂環式ジオール;グ
リセリン、トリメチロールプロパン、ブタントリオー
ル、ヘキサントリオール、トリメチロールブタン、トリ
メチロールペンタン、ペンタエリスリトールなどの3官
能以上のポリオールを挙げることができ、これらのうち
の1種または2種以上を用いることができる。そのうち
でも、ポリエステルポリオールは、ポリオール成分とし
て、脂肪族ジオールからなり、場合により少量の3官能
以上のポリオールを含むポリオール成分を用いて製造さ
れたものであることが好ましい。
【0035】ウレタンプレポリマー製造用のポリエステ
ルポリオールの製造に用い得る前記のラクトンとして
は、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラク
トンなどを挙げることができる。
【0036】ウレタンプレポリマーの製造に用い得るポ
リカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリオー
ルとジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネー
ト、ジアリールカーボネートなどのカーボネート化合物
との反応により得られるものを挙げることができる。ポ
リカーボネートポリオールを構成するポリオールとして
は、ポリエステルポリオールの構成成分として先に例示
したポリオールを用いることができる。また、ジアルキ
ルカーボネートとしてはジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネートなどを、アルキレンカーボネートとして
はエチレンカーボネートなどを、ジアリールカーボネー
トとしてはジフェニルカーボネートなどを挙げることが
できる。
【0037】ウレタンプレポリマーの製造に用い得るポ
リエステルポリカーボネートポリオールとしては、例え
ば、ポリオール、ポリカルボン酸およびカーボネート化
合物を同時に反応させて得られたもの、予め製造してお
いたポリエステルポリオールおよびカーボネート化合物
を反応させて得られたもの、予め製造しておいたポリカ
ーボネートポリオールとポリオールおよびポリカルボン
酸とを反応させて得られたもの、予め製造しておいたポ
リエステルポリオールおよびポリカーボネートポリオー
ルを反応させて得られたものなどを挙げることができ
る。
【0038】ウレタンプレポリマーの製造に用い得るポ
リエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコールなどを挙げることができ、これらの1
種または2種以上を用いることができる。
【0039】ウレタンプレポリマーの製造に用いる高分
子ポリオールは、製造の容易性などの点から、その数平
均分子量が500〜10,000であることが好まし
く、700〜5,000であることがより好ましく、7
50〜4,000であることがさらに好ましい。さら
に、ウレタンプレポリマーの製造に用いる高分子ポリオ
ールは、1分子当たりの水酸基数fが、1.0≦f≦
4.0の範囲内であることが好ましく、2.0≦f≦
3.0の範囲内であることがより好ましい。
【0040】ウレタンプレポリマーの製造に用いる有機
ポリイソシアネートとしては、ポリウレタン系エマルジ
ヨンの製造に従来から用いられている有機ポリイソシア
ネートのいずれもが使用できるが、分子量500以下の
脂環式ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、芳
香族ジイソシアネートのうちの1種または2種以上が好
ましく使用される。これらの有機ジイソシアネートの例
としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−
ナフチレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシア
ネートなどを挙げることができ、これらのうちの1種ま
たは2種以上を用いることができる。
【0041】ウレタンプレポリマーに反応させる鎖伸長
剤としては、ポリウレタン系エマルジヨンの製造に従来
から使用されている鎖伸長剤のいずれもが使用できる
が、イソシアネート基と反応性の活性水素原子を分子中
に2個以上有する分子量300以下の低分子化合物が好
ましく用いられる。好ましく用いられる鎖伸長剤の具体
例としては、ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジ
アミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ピ
ペラジンおよびその誘導体、フェニレンジアミン、トリ
レンジアミン、キシレンジアミン、アジピン酸ジヒドラ
ジド、イソフタル酸ジヒドラジド、N−メチル−3,
3’−イミノビス(プロピルアミン)などのジアミン
類;ジエチレントリアミンなどのトリアミン類;エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス
(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレ
フタレート、キシリレングリコール、N−メチルジエタ
ノールアミンなどのジオール類;トリメチロールプロパ
ンなどのトリオール類;ペンタエリスリトールなどのペ
ンタオール類;アミノエチルアルコール、アミノプロピ
ルアルコールなどのアミノアルコール類などを挙げるこ
とができ、これらのうちの1種または2種以上を用いる
ことができる。上述のように、鎖伸長剤の少なくとも一
部として、複数のイソシアネート反応性基と共に光安定
化基を有する化合物(例えば2個の水酸基を有し且つ光
安定化作用を示すヒンダードアミン化合物など)を用い
てもよく、その場合には、ポリウレタン骨格中に光安定
化基が共有結合したポリウレタンが製造される。
【0042】鎖伸長剤の使用量は、[プレポリマー中の
イソシアネート基]:[鎖伸長剤中のイソシアネート基
と反応性の活性水素原子]のモル比が、1:0.5〜2
の範囲となる量であることが好ましく、1:0.7〜
1.5の範囲となる量であることがより好ましい。ま
た、ウレタンプレポリマーに鎖伸長剤を反応させるに当
たっては、鎖伸長剤をそのまま単独でウレタンプレポリ
マーの水性エマルジヨンに添加してもよいし、鎖伸長剤
を水または水と親水性有機溶媒との混合溶媒中に溶解し
てウレタンプレポリマーの水性エマルジヨンに添加して
もよい。さらに、鎖伸長剤の一部をウレタンプレポリマ
ーの乳化前にウレタンプレポリマーと反応させておいて
もよい。
【0043】本発明では、ポリウレタン系エマルジヨン
(A)として、ポリウレタン骨格中にポリウレタン10
0g当たり中和されたカルボキシル基および/または中
和されたスルホン酸基を3〜30mmolの割合で有す
るポリウレタンのエマルジヨンが、エチレン性不飽和モ
ノマー(B)を乳化重合する際の安定性に優れることか
ら好ましく用いられる。中和されたカルボキシル基およ
び/またはスルホン酸基をポリウレタン骨格中に前記し
た割合で有するポリウレタン系エマルジヨンは、例え
ば、(1)(i)高分子ポリオールを主体とし、カルボ
キシル基および/またはスルホン酸基を有し且つイソシ
アネート反応性基を1個以上有する化合物を含有するポ
リオール混合物に有機ポリイソシアネートを反応させて
骨格中にカルボキシル基および/またはスルホン酸基を
有するウレタンプレポリマーを製造するか、或いは(i
i)分子骨格中にカルボキシル基および/またはスルホ
ン酸基を有する高分子ポリオールに有機ポリイソシアネ
ートを反応させて骨格中にカルボキシル基および/また
はスルホン酸基を有するウレタンプレポリマーを製造し
た後、(2)必要に応じて、それにより得られたウレタ
ンプレポリマー中のカルボキシル基および/またはスル
ホン酸基を、例えばトリエチルアミン、トリメチルアミ
ンなどの三級アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなどのアルカリ金属水酸化物などの塩基性化合物で中
和処理し、次いで(3)該中和されたウレタンプレポリ
マーを水性液中に乳化後、鎖伸長剤を反応させることに
より製造することができる。
【0044】前記の工程(1)の(i)で用いる骨格中
にカルボキシル基および/またはスルホン酸基を有し且
つイソシアネート反応性基を1個以上有する化合物とし
ては、例えば、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロ
ピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)吉草酸などのカルボ
キシル基含有化合物およびこれらの誘導体;1,3−フ
ェニレンジアミン−4,6−ジスルホン酸、2,4−ジ
アミノトルエン−5−スルホン酸などのスルホン酸基含
有化合物およびこれらの誘導体などを挙げることがで
き、これらの1種または2種以上を用いることができ
る。また、上記工程(1)の(ii)で用いる分子骨格中
にカルボキシル基および/またはスルホン酸基を有する
高分子ポリオールとしては、例えば、該高分子ポリオー
ルの製造時にポリオール成分の一部として、2,2−ビ
ス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス
(ヒドロキシメチル)酪酸、2,2−ビス(ヒドロキシ
メチル)吉草酸などのカルボキシル基含有ポリオールま
たはその誘導体を用いて製造した高分子ポリオールなど
を挙げることができる。
【0045】また、本発明で用いるポリウレタン系エマ
ルジヨン(A)は、前記した特性(すなわちポリウレタ
ン骨格中にポリウレタン100g当たり中和されたカル
ボキシル基および/またはスルホン酸基を3〜30mm
olの割合で有する点)と共に、エマルジヨン中のポリ
ウレタン100g当たり、界面活性剤を0.5〜10g
の割合で含有していることが好ましい。その場合には、
ポリウレタン系エマルジヨン(A)の存在下でエチレン
性不飽和モノマー(B)を安定に乳化重合することがで
き、しかも得られる複合樹脂の性能が向上する。
【0046】ポリウレタン系エマルジヨン(A)に用い
ることができる界面活性剤としては、例えば、ラウリル
硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキ
シエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニル
エーテルジスルホン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキ
シル)スルホコハク酸ナトリウムなどのアニオン性界面
活性剤;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオ
キシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンス
テアリルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプ
ロピレンブロック共重合体などのノニオン性界面活性剤
などを挙げることができ、これらの1種または2種以上
を用いることができる。そのうちでも、界面活性剤の少
なくとも一部がアニオン性界面活性剤からなることが、
エチレン性不飽和モノマー(B)を乳化重合する際の重
合安定性の点から好ましく、界面活性剤の全部がアニオ
ン性界面活性剤であることがより好ましい。
【0047】ポリウレタン系エマルジヨン(A)では、
複合樹脂エマルジヨンの製造安定性の面から、動的光散
乱法により測定し、キュムラント法で解析して求めた平
均粒子径が500nm以下であることが好ましく、40
0nm以下であることがより好ましく、300nm以下
であることがさらに好ましい。ポリウレタン系エマルジ
ヨン(A)の平均粒子径が500nmを超えると、エチ
レン性不飽和モノマー(B)を乳化重合する際に系がゲ
ル化し易い。
【0048】本発明の複合樹脂エマルジヨンは、ポリウ
レタン系エマルジヨン(A)の存在下で、エチレン性不
飽和モノマー(B)を乳化重合することによって製造さ
れる。その際のポリウレタンとエチレン性不飽和モノマ
ー(B)の重量比は90:10〜10:90であること
が好ましく、85:15〜15:85であることがより
好ましく、80:20〜20:80であることがさらに
好ましい。エチレン性不飽和モノマー(B)の割合が9
0重量%を超える(ポリウレタンの割合が10重量%未
満である)と、得られる複合樹脂の強度、耐摩耗性が低
下したものになり易く、一方エチレン性不飽和モノマー
(B)の割合が10重量%未満である(ポリウレタンの
割合が90重量%を超える)と、得られる複合樹脂の耐
候性、耐加水分解性が劣ったものになり易く、しかもコ
スト的にも高くなる。
【0049】複合樹脂エマルジヨンの製造に用いるエチ
レン性不飽和モノマー(B)としては、(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)
アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラ
ウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アク
リル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニ
ル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸
グリシジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸
誘導体または(メタ)アクリル酸;スチレン、α−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化
合物;(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアクリル
アミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メ
タ)アクリルアミドなどの不飽和カルボン酸のアミド
類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸またはこれらの
誘導体;ビニルピロリドンなどの複素環式ビニル化合
物;塩化ビニル、アクリロニトリル、ビニルエーテル、
ビニルケトン、ビニルアミドなどのビニル化合物;エチ
レン、プロピレンなどのα−オレフィンなどを挙げるこ
とができ、これらのうちの1種または2種以上を用いる
ことができる。
【0050】そのうちでも、エチレン性不飽和モノマー
(B)としては、得られる複合樹脂の耐候性、耐加水分
解性などが優れることから、(メタ)アクリル酸誘導体
および/または芳香族ビニル化合物から主としてなるエ
チレン性不飽和モノマーが好ましく用いられる。エチレ
ン性不飽和モノマー(B)における(メタ)アクリル酸
誘導体および/または芳香族ビニル化合物の割合は、6
0重量%以上であることが好ましく、70重量%以上で
あることがより好ましい。
【0051】上記したように、エチレン性不飽和モノマ
ー(B)の一部として、上述したような、光安定化作用
を有するヒンダードアミノ基および紫外線吸収性基から
選ばれる少なくとも1種の光安定化基を有するエチレン
性不飽和モノマー(b)を用いることによって、複合樹
脂におけるエチレン性不飽和モノマー(B)から形成さ
れた重合体部分に光安定化基が共有結合した複合樹脂の
エマルジヨンが選られる。
【0052】複合樹脂エマルジヨンの製造に当たって
は、必要に応じて、2官能以上の多官能性エチレン性不
飽和モノマーを併用することができ、このような多官能
性エチレン性不飽和モノマーの具体例としては、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)
アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アク
リレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)ア
クリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートなどの
ジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレートなどのトリ(メタ)アクリレート
類;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート
などのテトラ(メタ)アクリレート類;ジビニルベンゼ
ン、トリビニルベンゼンなどの多官能性芳香族ビニル化
合物;アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)ア
クリレートなどの2個以上の異なるエチレン性不飽和結
合含有化合物;2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピ
ルアクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートの
2:1付加反応物、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ートとヘキサメチレンジイソシアネートの2:1付加反
応物、グリセリンジメタクリレートとトリレンジイソシ
アネートの2:1付加反応物などの分子量が1500以
下のウレタンアクリレートなどを挙げることができ、こ
れらのうちの1種または2種以上を用いることができ
る。多官能性エチレン性不飽和モノマーを使用する場合
は、エチレン性不飽和モノマー(B)の全重量に対して
20重量%以下であるのが好ましく、15重量%以下で
あるのがより好ましく、10重量%以下であるのがさら
に好ましい。
【0053】複合樹脂エマルジヨンのに際しては、重合
系へのエチレン性不飽和モノマー(B)の供給は公知の
方法で行うことができ、例えば、(ア)最初の段階で全
量を一括供給する方法、(イ)重合の進行とともに分割
または連続して添加する方法、(ウ)モノマー組成を重
合の段階ごとに変化させる多段供給(多段重合)方法、
(エ)モノマー組成を連続的に変化させるパワーフィー
ド方法などを挙げることができる。そのうちでも、モノ
マー組成を重合の段階によって変化させる2段重合方
法、すなわち、1段目でアクリル酸誘導体を主成分とす
るエチレン性不飽和モノマー(B1)(一般にアクリル
酸誘導体の割合が60重量%以上、好ましくは70重量
%以上であるエチレン性不飽和モノマー)を乳化重合
し、2段目でメタクリル酸誘導体および/または芳香族
ビニル化合物を主成分とするエチレン性不飽和モノマー
(B2)(一般にメタクリル酸誘導体および/または芳
香族ビニル化合物の割合が60重量%以上、好ましく7
0重量%以上であるエチレン性不飽和モノマー)を乳化
重合させる方法が好ましく採用される。この2段重合方
法においては、エチレン性不飽和モノマー(B1):エ
チレン性不飽和モノマー(B2)の重量比を50:50
〜99:1とすることが、選られる複合樹脂の耐溶剤
性、耐寒性、柔軟性、力学的特性、耐摩耗性などが優れ
ることから好ましい。
【0054】エチレン性不飽和モノマー(B)の乳化重
合は、系に重合開始剤を添加することによって行うこと
ができる。本発明で用い得る重合開始剤としては、例え
ば、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシ
ド、ジクミルパーオキシド、ジt−ブチルパーオキシ
ド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロパー
オキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド
などの油溶性過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)などの油溶性アゾ化合物;過酸化水素、
過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウ
ムなどの水溶性過酸化物;アゾビスシアノ吉草酸、2,
2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩な
どの水溶性アゾ化合物などを挙げることができ、これら
のうちの1種または2種以上を用いることができる。
【0055】また、前記した重合開始剤とともに、還元
剤、および必要に応じてキレート化剤を併用したレドッ
クス開始剤系を用いてもよい。還元剤としては、例え
ば、ロンガリット(ナトリウムホルムアルデヒドスルホ
キシレート)などのアルカリ金属ホルムアルデヒドスル
ホキシレート類;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリ
ウムなどの亜硫酸塩;ピロ亜硫酸ナトリウムなどのピロ
亜硫酸塩;チオ硫酸ナトリウムなどのチオ硫酸塩;亜リ
ン酸、亜リン酸ナトリウムなどの亜リン酸またはその塩
類;ピロ亜リン酸ナトリウムなどのピロ亜リン酸塩;メ
ルカプタン類;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリ
ウムなどのアスコルビン酸またはその塩類;エリソルビ
ン酸、エリソルビン酸ナトリウムなどのエリソルビン酸
またはその塩類;グルコース、デキストロースなどの糖
類;硫酸第一鉄、硫酸銅などの金属塩などを挙げること
ができる。キレート化剤としては、例えば、ピロリン酸
ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩などを挙げるこ
とができる。
【0056】重合開始剤、還元剤、キレート化剤の使用
量は、それぞれの重合開始剤系の組み合わせに応じて適
量を用いる。そのうちでも、エチレン性不飽和モノマー
(B)の乳化重合に当たっては、クメンヒドロパーオキ
シドなどの油溶性の重合開始剤を用いることが、エチレ
ン性不飽和モノマー(B)からの重合体のみからなる新
粒子の生成が抑制されてポリウレタンとエチレン性不飽
和モノマー(B)の重合体との複合樹脂が円滑に生成さ
れ、且つ重合安定性が良好であることから好ましく、油
溶性の重合開始剤に還元剤およびキレート化剤を併用し
たレドックス開始剤系がより好ましい。
【0057】本発明では、複合樹脂の染色性などを向上
させるために、複合樹脂骨格中に、光安定化作用を有す
るヒンダードアミノ基以外の3級アミノ基を導入しても
よい。複合樹脂骨格中にヒンダードアミノ基および紫外
線吸収性基から選ばれる少なくとも1種の光安定化基と
共に、前記3級アミノ基が結合していると、複合樹脂の
染色堅牢性が一層向上する。そのような3級アミノ基と
しては、例えば、下記の一般式(VI)または一般式(VI
I)で表される基を挙げることができる。
【0058】
【化12】 (式中、R1及びR2はアルキル基、好ましくは炭素数1
〜5のアルキル基、R3はアルキレン基、好ましくは炭
素数1〜10のアルキレン基を示す。)
【0059】
【化13】 (式中、R4はアルキル基、好ましくは炭素数1〜5の
アルキル基、R5及びR6はアルキレン基、好ましくは炭
素数1〜10のアルキレン基を示す。)
【0060】上記した3級アミノ基を複合樹脂中に導入
する方法としては、例えば、(1)エチレン性不飽和モ
ノマー(B)の一部として、(メタ)アクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエ
チル、N−[3−(ジメチルアミノプロピル)](メ
タ)アクリル酸アミドなどの3級アミノ基を有するモノ
マーを用いる方法、(2)ポリウレタン系エマルジヨン
中のポリウレタンの製造原料として、N−メチル−3,
3’−イミノビス(プロピルアミン)、3−(ジエチル
アミノ)プロピルアミン、N−メチルエタノールアミ
ン、N,N−ジメチルジエタノールアミン、N,N−ジ
エチルエタノールアミンなどの3級アミノ基とイソシア
ネート反応性の官能基を1個以上有する化合物を用いる
方法、(3)前記した(1)の方法と(2)の方法の併
用などを挙げることができる。3級アミノ基を複合樹脂
中に導入する場合は、複合樹脂100g当たり0.1〜
50mmolとすることが、染色性、耐光染色堅牢性、
コストなどの点から好ましい。
【0061】また、本発明では、複合樹脂エマルジヨン
に感熱ゲル化性を付与することも可能である。感熱ゲル
化性を付与する場合は、複合樹脂エマルジヨンの製造後
に感熱ゲル化剤を添加する方法が好ましく採用される。
感熱ゲル化剤としては、例えば、無機塩類、ポリエチレ
ングリコール型ノニオン性界面活性剤、ポリビニルメチ
ルエーテル、ポリプロピレングリコール、シリコーンポ
リエーテル共重合体、ポリシロキサンなどを挙げること
ができ、これらのうちの1種または2種以上を用いるこ
とができる。そのうちでも、無機塩類とポリエチレング
リコール型ノニオン性界面活性剤の組み合わせが、感熱
ゲル化速度が速く、貯蔵安定性が良好であり、且つ安価
であるので好ましい。その場合の無機塩類としては、例
えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウ
ム、硫酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、
塩化カルシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化マ
グネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸鉛などを挙げること
ができ、これらの1種または2種以上を用いることがで
きる。また、ポリエチレングリコール型ノニオン性界面
活性剤としては、例えば、高級アルコールのエチレンオ
キサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサ
イド付加物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、多価
アルコールの脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加
物、高級アルキルアミンのエチレンオキサイド付加物、
ポリプロピレングリコールのエチレンオキサイド付加物
などを挙げることができ、これらの1種または2種以上
を用いることができる。感熱ゲル化剤を添加する場合
は、複合樹脂エマルジヨン100重量部に対して0.1
〜30重量部であることが好ましい。
【0062】本発明の複合樹脂エマルジヨンは、必要に
応じて、さらに公知の添加物、例えば、耐光安定剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、浸透剤などの界面活性剤、増
粘剤、防黴剤、ポリビニルアルコールやカルボキシメチ
ルセルロースなどの水溶性高分子化合物、染料、顔料、
充填剤、凝固調節剤などの1種または2種以上を含有し
ていてもよい。
【0063】本発明の複合樹脂エマルジヨン中の複合樹
脂は、複合樹脂骨格に結合した光安定化基が溶剤によっ
て抽出されたり、複合樹脂からブリードアウトしたりす
ることがないため、長期にわたって優れた光安定効果を
発揮し、しかも耐久性、強度、耐摩耗性、耐加水分解
性、耐候性などにも優れ、低コストで製造することがで
きるので、それらの特性を活かして、皮革様シート状物
製造用、塗料、被覆剤、繊維処理剤、インク、接着剤、
ガラス繊維収束剤、他の樹脂エマルジヨンの改質剤など
として有用である。
【0064】
【実施例】以下に実施例などにより本発明を具体的に説
明するが、本発明は以下の実施例により何ら制限されな
い。なお、以下の実施例および比較例において、複合樹
脂の耐光黄変性、溶剤抽出処理後の耐光黄変性、耐光染
色堅牢性は以下の方法により評価した。
【0065】[耐光黄変性]複合樹脂エマルジヨンを5
0℃で乾燥して選られた厚さ300μmのフィルムを、
130℃で10分間熱処理した後、フェードテスター
(スガ試験機株式会社製の紫外線ロングライフフェード
メーター「FAL−5H・B・BR」;紫外線カーボン
アークランプ、63℃)で160時間光照射し、該照射
後のフィルムの変色度をグレースケール(JIS L
0805)を用いて判定した。なお、この値が小さいほ
ど、変色の度合が大きいことを示す。
【0066】[溶剤抽出処理後の耐光黄変性]複合樹脂
エマルジヨンを50℃で乾燥して選られた厚さ300μ
mのフィルムを、130℃で10分間熱処理した後、9
0℃のトルエン中に1時間浸漬した(フィルム1gに対
してトルエン100gの割合)後、50℃で乾燥した。
そのときのフィルムの耐光黄変性を、上記の方法で判定
した。
【0067】[分散染料で染色した際の耐光染色堅牢
性]複合樹脂エマルジヨンを50℃で乾燥して選られた
厚さ300μmのフィルムを、130℃で10分間熱処
理した後、分散染料として「Kayalon PolyesterRed
TL−SF」(日本化薬株式会社製)を2%owfで用
い、浴比1:100にて、90℃で1時間染色を行っ
た。染色後、水酸化ナトリウム6g/リットル、テック
ライト(東海電化工業株式会社製の還元剤)6g/リッ
トルにて、30℃で5分間還元洗浄し、次いで15分間
水洗した後、室温で3日間自然乾燥させた。次に、フェ
ードテスター(スガ試験機株式会社製の紫外線ロングラ
イフフェードメーター「FAL−5H・B・BR」;紫
外線カーボンアークランプ、63℃)で80時間光照射
し、フィルムの退色度をグレースケール(JIS L0
804)を用いて判定した。なお、この値が小さいほ
ど、退色の度合が大きいことを示す。
【0068】[金属錯塩酸性染料で染色した際の耐光染
色堅牢性]複合樹脂エマルジヨンを50℃で乾燥して選
られた厚さ300μmのフィルムを、130℃で10分
間熱処理した後、金属錯塩酸性染料として「Irgalan
Green GL」(チバガイギー株式会社製)を1%ow
fで用い、浴比1:100にて、90℃で30分間染色
を行った。染色後、15分間水洗した後、室温で3日間
自然乾燥させた。次に、フェードテスター(スガ試験機
株式会社製の紫外線ロングライフフェードメーター「F
AL−5H・B・BR」;紫外線カーボンアークラン
プ、63℃)で80時間光照射し、フィルムの退色度を
グレースケール(JIS L 0804)を用いて判定
した。なお、この値が小さいほど、退色の度合が大きい
ことを示す。
【0069】また、以下の例で用いた高分子ジオールの
略号と内容は次のとおりである。 ○PMPA2000:数平均分子量2000のポリエス
テルジオール(3−メチル−1,5−ペンタンジオール
とアジピン酸との反応により製造) ○PCL2000:数平均分子量2000のポリカプロ
ラクトンジオール ○PHC2000:数平均分子量2000のポリヘキサ
メチレンカーボネートジオール ○PTMG2000:数平均分子量2000のポリテト
ラメチレングリコール
【0070】《参考例1》[ポリウレタン系エマルジヨ
ン(PUエマルジヨン)の製造] (1) 三つ口フラスコに、高分子ジオールとしてPM
PA2000の300.0g、2,4−トリレンジイソ
シアネート60.87gおよび2,2−ビス(ヒドロキ
シメチル)プロピオン酸7.85gを秤取し、乾燥窒素
雰囲気下、90℃で2時間撹拌して系中の水酸基を定量
的に反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリ
マーを製造した。 (2) 上記(1)で得られたイソシアネート末端ウレ
タンプレポリマーに、2−ブタノン195.4gを加え
て均一に撹拌した後、フラスコ内温度を40℃に下げ、
トリエチルアミン5.92gを加えて10分間撹拌し
た。次いで、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム7.
83gを蒸留水285.0gに溶解した水溶液を前記の
ウレタンプレポリマー溶液に加えてホモミキサーで1分
間撹拌して乳化した後、直ちにジエチレントリアミン
6.91gおよびイソホロンジアミン5.70gを蒸留
水496.4gに溶解した水溶液を加えてホモミキサー
で1分間撹拌し、鎖伸長反応を行った。 (3) 次いで、2−ブタノンをロータリーエバポレー
ターにより除去して、固形分含量35重量%のポリウレ
タン系エマルジヨン(以下「PUエマルジヨン」とい
う)を得た。これにより得られたPUエマルジヨン
は、ポリウレタン骨格中にポリウレタン100g当たり
中和されたカルボキシル基を15.1mmolの割合で
有し、且つポリウレタン100g当たり界面活性剤を
2.0gの割合で含有しており、また動的散乱法により
測定し(大塚電子株式会社製「ELS−800」を使
用)、キュムラント法により解析して求めた平均粒子径
は140nmであった。
【0071】《参考例2》[ポリウレタン系エマルジヨ
ン(PUエマルジヨン)の調製] (1) 三つ口フラスコに、高分子ジオールとしてPC
L2000の300.0g、2,4−トリレンジイソシ
アネート70.53gおよび2,2−ビス(ヒドロキシ
メチル)プロピオン酸10.06gを秤取し、参考例1
の(1)と同様にして反応させ、イソシアネート末端ウ
レタンプレポリマーを製造した。 (2) 上記(1)で得られたイソシアネート末端ウレ
タンプレポリマーに、2−ブタノン204.4gを加え
て均一に撹拌した後、フラスコ内温度を40℃に下げ、
トリエチルアミン7.59gを加えて10分間撹拌し
た。次いで、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム1
2.29gを蒸留水296.3gに溶解した水溶液を、
前記のウレタンプレポリマー溶液に加えてホモミキサー
で1分間撹拌して乳化した後、直ちにジエチレントリア
ミン8.82gおよびエチレンジアミン2.57gを蒸
留水521.2gに溶解した水溶液を加えてホモミキサ
ーで1分間撹拌し、鎖伸長反応を行った。 (3) 次いで、2−ブタノンをロータリーエバポレー
ターにより除去して、固形分含量35重量%のポリウレ
タン系エマルジヨン(以下「PUエマルジヨン」とい
う)を得た。これにより得られたPUエマルジヨン
は、ポリウレタン骨格中にポリウレタン100g当たり
中和されたカルボキシル基を18.8mmolの割合で
有し、且つポリウレタン100g当たり界面活性剤を
3.0gの割合で含有しており、また動的散乱法により
測定し(大塚電子株式会社製「ELS−800」を使
用)、キュムラント法により解析して求めた平均粒子径
は120nmであった。
【0072】《参考例3》[ポリウレタン系エマルジヨ
ン(PUエマルジヨン)の調製] (1) 三つ口フラスコに、高分子ジオールとしてPH
C2000の150.0gおよびPTMG2000の1
50.0g、1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒド
ロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1
0.0g、2,4−トリレンジイソシアネート76.6
3gおよび2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオ
ン酸12.74gを秤取し、参考例1の(1)と同様に
して反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリ
マーを製造した。 (2) 上記(1)で得られたイソシアネート末端ウレ
タンプレポリマーに、2−ブタノン212.8gを加え
て均一に撹拌した後、フラスコ内温度を40℃に下げ、
トリエチルアミン9.61gを加えて10分間撹拌し
た。次いで、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム3.
20gおよびECT−3NEX(日本サーファクタント
工業株式会社製アニオン性乳化剤)3.20gを蒸留水
310.9gに溶解した水溶液を、前記のウレタンプレ
ポリマー溶液に加えてホモミキサーで1分間撹拌して乳
化した後、直ちにジエチレントリアミン4.74gおよ
びイソホロンジアミン11.73gを蒸留水540.1
gに溶解した水溶液を加えて、ホモミキサーで1分間撹
拌して鎖伸長反応を行った。 (3) 次いで、2−ブタノンをロータリーエバポレー
ターにより除去して、固形分含量35重量%のポリウレ
タン系エマルジヨン(以下「PUエマルジヨン」とい
う)を得た。これにより得られたPUエマルジヨン
は、ポリウレタン骨格中にポリウレタン100g当たり
中和されたカルボキシル基を22.4mmolの割合で
有し、且つポリウレタン100g当たり界面活性剤を
1.5gの割合で含有しており、また動的散乱法により
測定し(大塚電子株式会社製「ELS−800」を使
用)、キュムラント法により解析して求めた平均粒子径
は90nmであった。
【0073】《参考例4》[ポリウレタン系エマルジヨ
ン(PUエマルジヨン)の調製] 参考例1の(2)においてイソホロンジアミンの代わり
に、N−メチル−3,3’−イミノビス(プロピルアミ
ン)4.86gを用いること以外は参考例1の(1)〜
(3)と同様に行って、固形分含量35重量%のポリウ
レタン系エマルジヨン(以下「PUエマルジヨン」と
いう)を得た。これにより得られたPUエマルジヨン
は、ポリウレタン骨格中にポリウレタン100g当たり
中和されたカルボキシル基を15.1mmolの割合で
有し、且つポリウレタン100g当たり界面活性剤を
2.0gの割合で含有しており、また動的散乱法により
測定し(大塚電子株式会社製「ELS−800」を使
用)、キュムラント法により解析して求めた平均粒子径
は140nmであった。
【0074】《実施例1》[複合樹脂エマルジヨンの製
造] (1)初期仕込み:冷却管付きフラスコに、参考例1で
得られたPUエマルジヨンの480g、硫酸第一鉄・
7水和物(FeSO4・7H2O)0.011g、ピロリ
ン酸カリウム0.168g、ロンガリット(ナトリウム
ホルムアルデヒドスルホキシレートの2水塩)0.2
58g、エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム塩(E
DTA・2Na)0.011gおよび蒸留水98gを秤
取し、40℃に昇温した後、系内を十分に窒素置換し
た。 (2)乳化重合:次いで、アクリル酸ブチル106.4
g、4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−
ペンタメチルピリジン3.36g、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート2.24gおよび参考例3で使用
したのと同じアニオン性界面活性剤(「ECT−3NE
X」)1.12gの混合物(モノマー混合物)と、クメ
ンヒドロパーオキシド0.168g、ECT−3NEX
の0.168gおよび蒸留水10.0gからなる乳化液
(重合開始剤含有乳化液)を、別々の滴下ロートからフ
ラスコ内に5時間かけて滴下し、滴下終了後、50℃に
60分間保持して重合を完了させて、固形分含量40重
量%の複合樹脂エマルジヨンを製造した。また、複合樹
脂における光安定化基の結合量は以下の表2に示すとお
りであった。 (3) 上記(2)で選られた複合樹脂エマルジヨンを
乾燥して得られたフィルムの耐光黄変性、溶剤抽出処理
後の耐光黄変性および耐光染色堅牢性を上記した方法で
評価したところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0075】《実施例2》[複合樹脂エマルジヨンの製
造] (1)初期仕込み:冷却管付きフラスコに、参考例1で
得られたPUエマルジヨンの240g、硫酸第一鉄・
7水和物(FeSO4・7H2O)0.020g、ピロリ
ン酸カリウム0.294g、ロンガリット(ナトリウム
ホルムアルデヒドスルホキシレートの2水塩)0.4
51g、エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム塩(E
DTA・2Na)0.020gおよび蒸留水246gを
秤取し、40℃に昇温した後、系内を十分に窒素置換し
た。 (2)1段目の乳化重合:次いで、アクリル酸ブチル1
44.3g、2−[2’−ヒドロキシ−5’−メタクリ
ロイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾ
ール7.84g、1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート3.14g、アリルメタクリレート1.57gおよ
びECT−3NEXの1.57gの混合物(モノマー混
合物)と、クメンヒドロパーオキシド0.314g、E
CT−3NEXの0.314gおよび蒸留水15.0g
からなる乳化液(重合開始剤含有乳化液)を、別々の滴
下ロートからフラスコ内に4時間かけて滴下し、滴下終
了後、40℃に30分間保持して重合を行った。 (3)2段目の乳化重合:その後、メタクリル酸メチル
36.5g、2−[2’−ヒドロキシ−5’−メタクリ
ロイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾ
ール1.96g、1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート0.78gおよびECT−3NEXの0.392g
の混合物(モノマー混合物)と、クメンヒドロパーオキ
シド0.078g、ECT−3NEXの0.078gお
よび蒸留水3.0gからなる乳化液(重合開始剤含有乳
化液)を、別々の滴下ロートからフラスコ内に1時間3
0分かけて滴下し、滴下終了後、50℃に60分間保持
して重合を完了させて、固形分含量40重量%の複合樹
脂エマルジヨンを製造した。また、複合樹脂における光
安定化基の結合量は以下の表3に示すとおりであった。 (4) 上記(3)で選られた複合樹脂エマルジヨンを
乾燥して得られたフィルムの耐光黄変性、溶剤抽出処理
後の耐光黄変性および耐光染色堅牢性を上記した方法で
評価したところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0076】《実施例3〜6》[複合樹脂エマルジヨン
の製造] (1) 参考例2〜4で得られたPUエマルジヨン〜
のいずれかと、下記の表1に示す各成分を表1に示す
量で用いて、実施例2の(1)〜(3)におけるのと同
様にして、初期仕込み、1段目の乳化重合および2段目
の乳化重合を行って、固形分含量が40重量%の実施例
3〜6の複合樹脂エマルジヨンをそれぞれ製造した。実
施例3〜6の複合樹脂エマルジヨンの複合樹脂における
光安定化基の結合量は以下の表3に示すとおりであっ
た。 (2) 上記(1)で得られた実施例3〜6のそれぞれ
の複合樹脂エマルジヨンを乾燥して得られたフィルムの
耐光黄変性、溶剤抽出処理後の耐光黄変性および耐光染
色堅牢性を上記した方法で評価したところ、下記の表3
に示すとおりであった。
【0077】《比較例1》[複合樹脂エマルジヨンの製
造] (1) 参考例1で選られたPUエマルジヨンと、下
記の表2に示す成分を用いて、実施例1の(1)〜
(2)におけるのと同様にして、初期仕込みおよび乳化
重合を行って、固形分含量40重量%の比較例1の複合
樹脂エマルジヨンを製造した。 (2) 上記(1)で得られた複合樹脂エマルジヨンを
乾燥して得られたフィルムの耐光黄変性、溶剤抽出処理
後の耐光黄変性および耐光染色堅牢性を上記した方法で
評価したところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0078】《比較例2および3》[複合樹脂エマルジ
ヨンの製造] (1) 参考例2または4で得られたPUエマルジヨン
またはのいずれかと、下記の表2に示す各成分を表
2に示す量で用いて、実施例2の(1)〜(3)におけ
るのと同様にして、初期仕込み、1段目の乳化重合およ
び2段目の乳化重合を行って、固形分含量40重量%の
比較例2および3の複合樹脂エマルジヨンをそれぞれ製
造した。 (2) 上記(1)で得られた比較例2および3のそれ
ぞれの複合樹脂エマルジヨンを乾燥して得られたフィル
ムの耐光黄変性、溶剤抽出処理後の耐光黄変性および耐
光染色堅牢性を上記した方法で評価したところ、下記の
表4に示すとおりであった。
【0079】《比較例4》[複合樹脂エマルジヨンの製
造] (1) 参考例2で得られたPUエマルジヨンと、下
記の表2に示す各成分を表2に示す量で用いて、実施例
2の(1)〜(3)におけるのと同様にして、初期仕込
み、1段目の乳化重合および2段目の乳化重合を行っ
て、固形分含量40重量%の比較例4の複合樹脂エマル
ジヨンを製造した。なお、この比較例4では、表2に示
すように、1段目の乳化重合を、エチレン性不飽和基を
有しない非反応性のヒンダードアミンであるビス(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバ
ケート4.20gを添加して行った。 (2) 上記(1)で得られた複合樹脂エマルジヨンを
乾燥して得られたフィルムの耐光黄変性、溶剤抽出処理
後の耐光黄変性および耐光染色堅牢性を上記した方法で
評価したところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】上記の表1および表3の結果から、複合樹
脂骨格中に光安定化作用を有するヒンダードアミノ基ま
たは紫外線吸収性基が共有結合により結合している実施
例1〜6の複合樹脂エマルジヨンでは、それを乾燥して
選られるフィルムは耐光黄変性および耐光染色堅牢性に
優れており、しかも溶剤による抽出処理を行っても耐光
性の低下が生じず、優れた耐光性を維持していることが
わかる。特に、光安定化作用を有するヒンダードアミノ
基または紫外線吸収性基と共に、光安定化効果を示さな
い3級アミノ基を複合樹脂骨格中に導入してなる実施例
5および実施例6の複合樹脂エマルジヨンでは、複合樹
脂の耐光染色堅牢性に一層優れていることがわかる。
【0085】これに対して、上記の表2および表4の結
果から、複合樹脂骨格中にヒンダードアミノ基および/
または紫外線吸収性基が何ら結合しておらず、しかも遊
離の光安定剤をも含有しない比較例1〜3の複合樹脂エ
マルジヨンでは、それを乾燥して選られるフィルムの耐
光黄変性および耐光染色堅牢性に劣っていることがわか
る。また、複合樹脂骨格中にヒンダードアミノ基および
/または紫外線吸収性基が結合しておらず、光安定剤
(ヒンダードアミン)を遊離した状態で含有してなる比
較例4の複合樹脂エマルジヨンでは、それを乾燥して選
られるフィルムの耐光黄変性は初期段階では或程度優れ
ているが、溶剤による抽出処理後は耐光黄変性が著しく
低下しており、光安定剤が複合樹脂が容易に溶出してし
まうことがわかる。
【0086】
【発明の効果】複合樹脂骨格に光安定化作用を有するヒ
ンダードアミノ基および紫外線吸収性基から選ばれる少
なくとも1種の光安定化基を共有結合している本発明の
複合樹脂エマルジヨンでは、それから形成される皮膜等
が、耐光黄変性や耐光染色堅牢性などで代表される光安
定性に極めて優れていて、複合樹脂骨格に共有結合した
光安定化基が溶剤によって抽出されたり、ブリードアウ
トすることがなく、長期にわたって優れた耐光性を保持
することができる。しかも、本発明の複合樹脂エマルジ
ヨン中の複合樹脂は、ポリウレタンの優れた特性とエチ
レン性不飽和モノマーからの重合体の優れた特性を兼ね
備えていて、耐久性、強度、耐摩耗性、耐候性、耐加水
分解性などの特性にも優れており、しかも低コストで製
造することができる。さらに、前記した光安定化基と共
に、光安定化作用を有しない3級アミノ基が複合樹脂骨
格にさらに共有結合している本発明の複合樹脂エマルジ
ヨンでは、その複合樹脂は耐光染色堅牢性に一層優れて
いる。そのため、本発明の複合樹脂エマルジヨンは、前
記した特性を活かして、皮革様シート状物製造用、塗
料、被覆剤、繊維処理剤、インク、接着剤、ガラス繊維
収束剤、他の樹脂エマルジヨンの改質剤などの種々の用
途に有効に使用することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年6月9日(1999.6.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【化2】 または、下記の化学式(III);
【化3】 で表される構造を有する請求項1〜3のいずれか1項に
記載の複合樹脂エマルジヨン。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【化6】 で表される構造を有する上記した(1)〜(3)のいず
れかの複合樹脂エマルジヨン;を好ましい態様として包
含する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】
【化9】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】
【化10】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【化11】 (式中、Rは1価の炭化水素基を示す。)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 AA05 DA01 PA95 4J034 BA02 BA03 CA02 CA03 CA04 CA05 CA12 CA13 CA15 CA16 CA17 CB03 CB07 CB08 CC03 CC12 CC26 CC27 CC28 CC29 CC33 CC34 CC45 CC52 CC61 CC62 CC65 DF01 DF02 DF11 DF12 DF16 DF20 DF21 DF22 DF32 DG03 DG04 DG06 HA01 HA07 HC03 HC12 HC17 HC22 HC46 HC52 HC54 HC61 HC64 HC67 HC71 HC73 JA42 RA07 RA08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタン系エマルジヨン(A)の存
    在下にエチレン性不飽和モノマー(B)を乳化重合して
    得られた複合樹脂エマルジヨンであって、複合樹脂骨格
    に、光安定化作用を有するヒンダードアミノ基および紫
    外線吸収性基から選ばれる少なくとも1種の基が、複合
    樹脂100g当たり0.1mmol以上の割合で、共有
    結合していることを特徴とする複合樹脂エマルジヨン。
  2. 【請求項2】 複合樹脂100g当たり光安定化作用を
    有するヒンダードアミノ基および紫外線吸収性基から選
    ばれる少なくとも1種の基を0.1〜50mmolの割
    合で有し、且つ複合樹脂におけるポリウレタンとエチレ
    ン性不飽和モノマー(B)に由来する重合体の重量比が
    90:10〜10:90である請求項1に記載の複合樹
    脂エマルジヨン。
  3. 【請求項3】 光安定化作用を有するヒンダードアミノ
    基が、下記の化学式(I); 【化1】 で表される構造を有する請求項1または2に記載の複合
    樹脂エマルジヨン。
  4. 【請求項4】 紫外線吸収性基が、下記の化学式(I
    I); 【化2】 または、下記の化学式(III); 【化3】 で表される構造を有する請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の複合樹脂エマルジヨン。
  5. 【請求項5】 エチレン性不飽和モノマー(B)とし
    て、光安定化作用のあるヒンダードアミノ基および紫外
    線吸収性基から選ばれる少なくとも1種の基を有するエ
    チレン性不飽和モノマー(b)の割合が0.1〜30重
    量%であるエチレン性不飽和モノマーを用いてなる請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の複合樹脂エマルジヨ
    ン。
  6. 【請求項6】 ポリウレタン系エマルジヨン(A)とし
    て、ポリウレタン骨格中に、水酸基を有し光安定化作用
    を有するヒンダードアミン化合物に由来する構造単位を
    0.1〜20重量%の割合で有するポリウレタンのエマ
    ルジヨンを用いてなる請求項1〜5のいずれか1項に記
    載の複合樹脂エマルジヨン。
  7. 【請求項7】 ポリウレタン系エマルジヨン(A)とし
    て、水性液中で界面活性剤の存在下にイソシアネート末
    端ウレタンプレポリマーに鎖伸長剤を反応させて得られ
    たポリウレタン系エマルジヨンであって、ポリウレタン
    骨格中にポリウレタン100g当たり中和されたカルボ
    キシル基および/またはスルホン酸基を3〜30mmo
    lの割合で有し、且つポリウレタン100g当たり界面
    活性剤を0.5〜10gの割合で含有するポリウレタン
    系エマルジヨンを用いてなる請求項1〜6のいずれか1
    項に記載の複合樹脂エマルジヨン。
  8. 【請求項8】 エチレン性不飽和モノマー(B)とし
    て、(メタ)アクリル酸誘導体および/または芳香族ビ
    ニル化合物を主成分とするエチレン性不飽和モノマーを
    用いてなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合樹
    脂エマルジヨン。
  9. 【請求項9】 複合樹脂エマルジヨンが、ポリウレタン
    系エマルジヨン(A)の存在下に、アクリル酸誘導体を
    主成分とするエチレン性不飽和モノマー(B1)を乳化
    重合した後、メタクリル酸誘導体および/または芳香族
    ビニル化合物を主成分とするエチレン性不飽和モノマー
    (B2)を乳化重合したものであって、その際のエチレ
    ン性不飽和モノマー(B1):エチレン性不飽和モノマ
    ー(B2)の重量比が50:50〜99:1である請求
    項1〜8のいずれか1項に記載の複合樹脂エマルジヨ
    ン。
  10. 【請求項10】 複合樹脂骨格中に、光安定化作用を有
    するヒンダードアミノ基以外の3級アミノ基を、複合樹
    脂100g当たり0.1〜50mmolの割合で有する
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合樹脂エマルジ
    ヨン。
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