JPH08188694A - 塩化ビニル系樹脂エマルジョン - Google Patents

塩化ビニル系樹脂エマルジョン

Info

Publication number
JPH08188694A
JPH08188694A JP242295A JP242295A JPH08188694A JP H08188694 A JPH08188694 A JP H08188694A JP 242295 A JP242295 A JP 242295A JP 242295 A JP242295 A JP 242295A JP H08188694 A JPH08188694 A JP H08188694A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinyl chloride
polymerizable monomer
parts
weight
resin emulsion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP242295A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukio Ochitani
幸雄 落谷
Hideaki Yoshitomi
英明 吉富
Masayuki Imamura
雅之 今村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP242295A priority Critical patent/JPH08188694A/ja
Publication of JPH08188694A publication Critical patent/JPH08188694A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 無機系建築用壁材等に対する高い密着性と優
れた耐エフロレッセンス性、耐水性、耐候性等とを兼備
し、主として無機系建築用壁材等に好適に用いられる水
性塗料用の塩化ビニル系樹脂エマルジョンを提供するこ
とを目的とする。 【構成】 塩化ビニル30〜80重量%、(メタ)アク
リル酸アルキルエステル10〜60重量%、及び、カル
ボキシル基、ヒドロキシル基及びグリシジル基からなる
群より選ばれる1種もしくは2種以上の官能基を有する
重合性単量体1〜20重量%を含有する重合性単量体混
合物と、該重合性単量体混合物と共重合可能な下記一般
式(1)で示されるヒンダードアミン系化合物0.01
〜5重量%とが乳化共重合されていることを特徴とする
塩化ビニル系樹脂エマルジョン。 式(1) (式中、R1 及びR2 は水素原子又はメチル基を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセメント、コンクリー
ト、モルタル等を原料とする無機系建築用壁材等に対す
る保護塗料用、シーラー用等として好適な塩化ビニル系
樹脂エマルジョンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無機系建築用壁材等に対する保護
塗料用、シーラー用等として、耐エフロレッセンス性、
耐水性、機械的強度等に優れる塩化ビニル系樹脂をメチ
ルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン等の有機溶剤に
溶解した溶剤型塗料が広く用いられているが、上記有機
溶剤を溶媒とする溶剤型塗料は、作業雰囲気中に溶剤が
揮散するので、作業者は防毒マスクを着用して作業する
ことにより、又、防爆設備機器を用いることにより安全
衛生を確保してきた。
【0003】これに対し、合成樹脂エマルジョンを主成
分とする水性塗料は、上記のような安全衛生上の対策を
特に必要とせず、取扱いも容易なことから種々検討され
ており、例えば、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル−エチレ
ン共重合樹脂、アクリル酸エステル樹脂等の合成樹脂エ
マルジョンが水系塗料の主成分として一般的に用いられ
ている。しかし、上記合成樹脂エマルジョンは、いずれ
も耐エフロレッセンス性、耐水性、耐候性等が乏しく、
無機系建築用壁材等に対する密着性も不充分であるとい
う問題点がある。
【0004】又、耐エフロレッセンス性、耐水性等に優
れる塩化ビニル系樹脂エマルジョンを主成分とする水性
塗料も検討されているが、塩化ビニル系樹脂エマルジョ
ンは、一般的にガラス転移温度が高いので、造膜性や柔
軟性が乏しく、無機系建築用壁材等に対する密着性も劣
るという問題点がある。
【0005】上記問題点に対応するため種々の試みが成
されており、例えば、特公昭51−35434号公報で
は、塩化ビニル系樹脂と酢酸ビニル系樹脂やアクリル酸
エステル系樹脂のそれぞれの欠点を補うため、塩化ビニ
ル系モノマーとアクリル酸エステル系モノマー及び酢酸
ビニル系モノマーとを乳化共重合させることを特徴とす
る合成樹脂エマルジョンの製造方法が提案されている。
【0006】しかし、上記提案により得られる合成樹脂
エマルジョンも優れた耐エフロレッセンス性、耐水性、
耐候性等と無機系建築用壁材等に対する高い密着性を兼
備するものではなく、前記問題点は依然として未解決で
あるのが実態である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するため、無機系建築用壁材等に対する高
い密着性と優れた耐エフロレッセンス性、耐水性、耐候
性等とを兼備し、主として無機系建築用壁材等に好適に
用いられる水性塗料用の塩化ビニル系樹脂エマルジョン
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明(以
下、「第1発明」と記す)による塩化ビニル系樹脂エマ
ルジョンは、塩化ビニル30〜80重量%、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル10〜60重量%、及び、カ
ルボキシル基、ヒドロキシル基及びグリシジル基からな
る群より選ばれる1種もしくは2種以上の官能基を有す
る重合性単量体1〜20重量%を含有する重合性単量体
混合物と、該重合性単量体混合物と共重合可能な下記一
般式(1)で示されるヒンダードアミン系化合物0.0
1〜5重量%とが乳化共重合されていることを特徴と
し、そのことにより上記目的が達成される。尚、ここで
言う「(メタ)アクリル」とは「アクリル」又は「メタ
クリル」を意味する。
【化2】 式(1) (式中、R1 及びR2 は水素原子又はメチル基を表す)
【0009】請求項2記載の発明(以下、「第2発明」
と記す)による塩化ビニル系樹脂エマルジョンは、塩化
ビニル30〜80重量%、(メタ)アクリル酸アルキル
エステル10〜60重量%、カルボキシル基、ヒドロキ
シル基及びグリシジル基からなる群より選ばれる1種も
しくは2種以上の官能基を有する重合性単量体1〜20
重量%、及び、アルコキシシリル基を有する重合性単量
体0.1〜10重量%を含有する重合性単量体混合物
と、該重合性単量体混合物と共重合可能な請求項1記載
のヒンダードアミン系化合物0.01〜5重量%とが乳
化共重合されていることを特徴とし、そのことにより上
記目的が達成される。
【0010】請求項3記載の発明(以下、「第3発明」
と記す)による塩化ビニル系樹脂エマルジョンは、塩化
ビニル30〜80重量%、(メタ)アクリル酸アルキル
エステル10〜60重量%、カルボキシル基、ヒドロキ
シル基及びグリシジル基からなる群より選ばれる1種も
しくは2種以上の官能基を有する重合性単量体1〜20
重量%、及び、アルコキシシリル基を有する重合性単量
体0.1〜10重量%を含有する重合性単量体混合物
と、該重合性単量体混合物と共重合可能な反応性界面活
性剤0.01〜10重量%及び該重合性単量体混合物と
共重合可能な請求項1記載のヒンダードアミン系化合物
0.01〜5重量%とが乳化共重合されていることを特
徴とし、そのことにより上記目的が達成される。
【0011】請求項4記載の発明(以下、「第4発明」
と記す)による塩化ビニル系樹脂エマルジョンは、塩化
ビニル30〜80重量%及び(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル20〜70重量%を含有する重合性単量体混
合物と、該重合性単量体混合物と共重合可能な請求項1
記載のヒンダードアミン系化合物0.01〜5重量%と
が乳化共重合されていることを特徴とし、そのことによ
り上記目的が達成される。
【0012】第1発明〜第4発明による塩化ビニル系樹
脂エマルジョンに用いられる重合性単量体混合物におい
ては、塩化ビニルが30〜80重量%含有されているこ
とが必要である。
【0013】上記重合性単量体混合物中における塩化ビ
ニルの含有量が30重量%未満であると、得られる塩化
ビニル系樹脂エマルジョンの耐エフロレッセンス性、耐
水性、機械的強度等の諸特性が不充分となり、逆に80
重量%を超えると、得られる塩化ビニル系樹脂エマルジ
ョンの造膜性が低下して緻密な塗膜を得られないと共
に、塗膜の柔軟性が低下して硬く脆くなり過ぎる。
【0014】又、第1発明〜第3発明による塩化ビニル
系樹脂エマルジョンに用いられる重合性単量体混合物に
おいては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが10
〜60重量%含有されていることが必要であり、また第
4発明による塩化ビニル系樹脂エマルジョンに用いられ
る重合性単量体混合物においては、(メタ)アクリル酸
アルキルエステルが20〜70重量%含有されているこ
とが必要である。
【0015】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
の種類としては、特に限定されるものではないが、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリ
レート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メ
タ)アクリレート、iso−オクチル(メタ)アクリレ
ート、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の
単官能(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート等の2官能(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスト
ールトリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アク
リレート及びペンタエリストールテトラ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレ
ート等の多官能(メタ)アクリレート等が挙げられ、こ
れらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0016】第1発明〜第3発明による塩化ビニル系樹
脂エマルジョンに用いられる重合性単量体混合物中にお
ける上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量
が10重量%未満であると、得られる塩化ビニル系樹脂
エマルジョンの造膜性が著しく低下し、逆に60重量%
を超えると、得られる塩化ビニル系樹脂エマルジョンの
耐エフロレッセンス性、耐水性、機械的強度等の諸特性
が不充分となる。又、第4発明による塩化ビニル系樹脂
エマルジョンに用いられる重合性単量体混合物中におけ
る上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が
20重量%未満であると、得られる塩化ビニル系樹脂エ
マルジョンの造膜性が著しく低下し、逆に70重量%を
超えると、得られる塩化ビニル系樹脂エマルジョンの耐
エフロレッセンス性、耐水性、機械的強度等の諸特性が
不充分となる。
【0017】さらに、第1発明〜第3発明による塩化ビ
ニル系樹脂エマルジョンに用いられる重合性単量体混合
物においては、カルボキシル基、ヒドロキシル基及びグ
リシジル基からなる群より選ばれる1種もしくは2種以
上の官能基を有する重合性単量体(以下、「重合性単量
体(I)」と記す)が1〜20重量%含有されているこ
とが必要である。
【0018】上記重合性単量体(I)の種類としては、
特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル酸、
イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、ク
ロトン酸、2−アクリロイルオキシエチル琥珀酸、2−
アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−アクリロイル
オキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボキシル基
を有する重合性単量体、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
グリセロールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフ
タレート、3−アクリロイルオキシグリセリン(メタ)
アクリレート、及び、(ポリ)エチレングリコール−ジ
グリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコール−
ジグリシジルエーテル等のグリシジル基含有化合物の
(メタ)アクリル酸付加物等のヒドロキシル基を有する
重合性単量体、アリルグリシジルエーテル、グリシジル
(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する重合性
単量体等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が
好適に用いられる。
【0019】第1発明〜第3発明による塩化ビニル系樹
脂エマルジョンに用いられる重合性単量体混合物中にお
ける上記重合性単量体(I)の含有量が1重量%未満で
あると、得られる塩化ビニル系樹脂エマルジョンの無機
系建築用壁材等に対する密着性が乏しくなり、逆に20
重量%を超えると、得られる塩化ビニル系樹脂エマルジ
ョンの耐エフロレッセンス性、耐水性、機械的強度等の
諸特性が不充分となる。
【0020】さらに又、第2発明及び第3発明による塩
化ビニル系樹脂エマルジョンに用いられる重合性単量体
混合物においては、アルコキシシリル基を有する重合性
単量体(以下、「重合性単量体(II)」と記す)が0.
1〜10重量%含有されていることが必要である。
【0021】上記重合性単量体(II)の種類としては、
特に限定されるものではないが、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイル
オキシプロピルトリメトキシシラン、5−トリメトキシ
シリルヘキセン、p−トリメトキシシリルスチレン、及
び、有するアルコキシシリル基が加水分解等により結果
的にシラノール基に変換され得る化合物等のアルコキシ
シリル基を有する重合性単量体等が挙げられ、これらの
1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0022】第2発明及び第3発明による塩化ビニル系
樹脂エマルジョンに用いられる重合性単量体混合物中に
おける上記重合性単量体(II)の含有量が0.1重量%
未満であると、得られる塩化ビニル系樹脂エマルジョン
の無機系建築用壁材等に対する密着性が乏しくなり、逆
に10重量%を超えると、得られる塩化ビニル系樹脂エ
マルジョンの耐エフロレッセンス性、耐水性、機械的強
度等の諸特性が不充分となると共に、塗膜の撥水性が強
くなり過ぎて水性塗料の上塗り適合性が低下する。
【0023】第1発明〜第4発明による塩化ビニル系樹
脂エマルジョンにおいては、所定の成分が所定量含有さ
れている上述したそれぞれの重合性単量体混合物と、該
重合性単量体混合物と共重合可能な前記一般式(1)で
示されるヒンダードアミン系化合物0.01〜5重量%
とが乳化共重合されていることが必要である。
【0024】上記ヒンダードアミン系化合物の種類とし
ては、特に限定されるものではないが、前記一般式
(1)に示されるように分子中にラジカル重合性の炭素
−炭素二重結合を有する各種ヒンダードアミン系光安定
剤等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適
に用いられる。
【0025】第1発明〜第4発明による塩化ビニル系樹
脂エマルジョンにおける上記ヒンダードアミン系化合物
の共重合割合が0.01重量%未満であると、得られる
塩化ビニル系樹脂エマルジョンの耐候性が不充分とな
り、逆に5重量%を超えると、過剰量となり、もはや耐
候性は向上しないにもかかわらずコスト高となる。
【0026】又、第3発明による塩化ビニル系樹脂エマ
ルジョンにおいては、所定の成分が所定量含有されてい
る前記重合性単量体混合物及び所定量の上記ヒンダード
アミン系化合物と共に、該重合性単量体混合物と共重合
可能な反応性界面活性剤0.01〜10重量%が乳化共
重合されていることが必要である。
【0027】上記反応性界面活性剤の種類としては、特
に限定されるものではないが、下記一般式(2)〜
(8)で示される化合物等が挙げられ、これらの1種も
しくは2種以上が好適に用いられる。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】 〔上式(2)〜(8)中、Rは炭素数9〜18のアルキ
ル基を表し、Mはナトリウム原子又はアンモニウム基を
表し、Zは水素原子又はアンモニウムスルホン酸基を表
す〕
【0028】第3発明による塩化ビニル系樹脂エマルジ
ョンにおける上記反応性界面活性剤の共重合割合が0.
01重量%未満であると、得られる塩化ビニル系樹脂エ
マルジョンの造膜性や無機系建築用壁材等に対する密着
性が充分向上せず、逆に10重量%を超えると、得られ
る塩化ビニル系樹脂エマルジョンの耐エフロレッセンス
性、耐水性、機械的強度等の諸特性が低下する。
【0029】第1発明〜第4発明による塩化ビニル系樹
脂エマルジョンの重合方法は、特別なものではなく、従
来公知の方法で行えば良い。
【0030】上記重合方法を具体的に述べると、例え
ば、攪拌装置、還流冷却管、滴下漏斗、温度計等を備え
た反応容器内に投入された水、もしくは水と必要に応じ
用いられる通常の界面活性剤、連鎖移動剤、保護コロイ
ド、緩衝剤等との混合水溶液中に、所定の成分を所定量
含有する前記重合性単量体混合物と所定量の前記ヒンダ
ードアミン系化合物、及び、第3発明の場合は所定量の
前記反応性界面活性剤を仕込み、重合触媒を添加して、
常法により乳化重合を行うことにより所望の塩化ビニル
系樹脂エマルジョンを得ることが出来る。
【0031】上記重合方法において、重合性単量体混合
物、ヒンダードアミン系化合物及び反応性界面活性剤の
仕込みは、一括で行っても良いし、逐次もしくは連続的
に行っても良い。
【0032】上記通常の界面活性剤の種類としては、特
に限定されるものではないが、ジアルキルスルホ琥珀酸
塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキルスルホフェニルエーテル等のスルホン酸
塩類、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩、ア
ルキル燐酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル燐酸エステル塩等の燐酸エステル塩等のアニオン
性界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等のエ
ーテル系界面活性剤、グリセリン脂肪酸部分エステル、
ソルビタン脂肪酸部分エステル、ペンタエリストール脂
肪酸部分エステル等のエステル系界面活性剤等のノニオ
ン性界面活性剤等が挙げられ、これらの1種もしくは2
種以上が好適に用いられる。
【0033】又、上記重合触媒の種類としては、特に限
定されるものではないが、過酸化水素、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物、もしくは、これ
らの過酸化物と還元剤とが組合わせられたレドックス系
触媒等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好
適に用いられる。
【0034】第1発明〜第4発明による塩化ビニル系樹
脂エマルジョンには、本発明の目的を阻害しない範囲で
必要に応じ、溶剤、可塑剤、増粘剤、pH調節剤、分散
剤、湿潤剤、消泡剤、酸化防止剤、凍結防止剤、レベリ
ング剤等の各種添加剤が含有されていても良い。
【0035】
【作用】第1発明〜第4発明による塩化ビニル系樹脂エ
マルジョンは、所定の成分を所定量含有する重合性単量
体混合物と所定量のヒンダードアミン系化合物とが共重
合されているので、優れた造膜性、耐エフロレッセンス
性、耐水性、耐候性等の諸特性を発揮する。
【0036】又、第2発明及び第3発明による塩化ビニ
ル系樹脂エマルジョンは、重合性単量体混合物中にアル
コキシシリル基を有する重合性単量体を所定量含有する
ので、上記諸特性のみならず、優れた密着性を発揮す
る。
【0037】さらに、第3発明による塩化ビニル系樹脂
エマルジョンは、重合性単量体混合物及びヒンダードア
ミン系化合物と所定量の反応性界面活性剤とが共重合さ
れているので、上記諸特性のみならず、優れた密着性と
柔軟性を発揮する。
【0038】
【実施例】本発明をさらに詳しく説明するため、以下に
実施例をあげる。尚、実施例中の「部」は「重量部」を
意味する。
【0039】(実施例1)
【0040】(1)塩化ビニル系樹脂エマルジョンの重
攪拌装置、還流冷却管、滴下漏斗、温度計等を備えた反
応容器内に、水120部、n−ブチルアクリレート35
部、重合性単量体(I)としてのアクリル酸1部、及
び、下式(9)で示されるヒンダードアミン系化合物
(A)0.3部を仕込み、減圧下で反応容器内の空気を
除去した後、塩化ビニル64部を仕込んだ。次いで、液
温を60℃に昇温した後、過硫酸カリウム0.5部と水
10部の水溶液を窒素で圧入して13時間乳化重合を行
った。その後、1時間熟成を行って、固形分44重量
%、pH2.5の塩化ビニル系樹脂エマルジョンを得
た。
【化10】 式(9)
【0041】(2)評価 上記で得られた塩化ビニル系樹脂エマルジョンの各種性
能を以下の方法で評価した結果は表1に示すとおりであ
った。尚、評価は、特に記載の無い限り、20℃−60
%RHの雰囲気下で行った。
【0042】造膜性:得られた塩化ビニル系樹脂エマ
ルジョンをセメントモルタル板上に乾燥後の膜厚が約5
0μmとなるように塗布し、80℃−5分間乾燥後の塗
膜状態を目視で観察し、下記評価基準で造膜性を評価し
た。 〔評価基準〕 ◎‥‥‥塗膜状態及び光沢良好 ○‥‥‥塗膜状態及び光沢ほぼ良好 △‥‥‥塗膜状態やや不良 ×‥‥‥塗膜状態不良
【0043】密着性:得られた塩化ビニル系樹脂エマ
ルジョンをセメントモルタル板上に乾燥後の膜厚が約5
0μmとなるように塗布し、80℃−5分間乾燥して試
験板を作成した。次いで、この試験板を20℃−60%
の雰囲気下に24時間放置した後、JIS K−540
0「塗料一般試験方法」の碁盤目テープ法に準拠し、碁
盤目間隔4mmでセロハン粘着テープを用いて剥離試験
を行い、下記評価基準で密着性を評価した。 〔評価基準〕 ◎‥‥‥剥離なし ○‥‥‥コーナー部の若干の剥離以外剥離なし △‥‥‥20%以上〜50%未満剥離 ×‥‥‥50%以上剥離
【0044】耐エフロレッセンス性:得られた塩化ビ
ニル系樹脂エマルジョンをセメントモルタル板上に乾燥
後の膜厚が約50μmとなるように塗布し、80℃−5
分間乾燥して試験板を作成した。次いで、この試験板を
20℃−60%RHの雰囲気下に24時間放置した後、
JIS A−6910に準拠して、透水性(ml/日)
を測定し、耐エフロレッセンス性を評価した。
【0045】耐候性:得られた塩化ビニル系樹脂エマ
ルジョンをキャスティングして乾燥後の膜厚が約1mm
のシート状試験片を作成した。次いで、このシート状試
験片を20℃−60%RHの雰囲気下に24時間放置し
た後、JIS K−7103「プラスチックの黄色度及
び黄変度試験方法」に準拠して、サンシャインウエザオ
メーター(ブラックパネル温度63℃)で300時間照
射後の黄変度(△YI)を測定し、耐候性を評価した。
【0046】(実施例2)
【0047】重合組成を塩化ビニル75部、2−エチル
ヘキシルアクリレート15部、重合性単量体(I)とし
ての2−アクリロイルオキシエチル琥珀酸10部、及
び、ヒンダードアミン系化合物(A)0.3部としたこ
と以外は実施例1と同様にして、塩化ビニル系樹脂エマ
ルジョンを得た。
【0048】(実施例3)
【0049】重合組成を塩化ビニル60部、2−エチル
ヘキシルアクリレート25部、1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート5部、重合性単量体(I)としての2
−ヒドロキシプロピルアクリレート10部、及び、下式
(10)で示されるヒンダードアミン系化合物(B)
0.5部としたこと以外は実施例1と同様にして、塩化
ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【化11】 式(10)
【0050】(実施例4)
【0051】重合組成を塩化ビニル35部、n−ブチル
アクリレート55部、トリメチロールプロパントリアク
リレート3部、重合性単量体(I)としての2−アクリ
ロイルオキシエチル琥珀酸7部、及び、ヒンダードアミ
ン系化合物(B)0.5部としたこと以外は実施例1と
同様にして、塩化ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0052】(比較例1)
【0053】重合組成を塩化ビニル60部及びn−ブチ
ルアクリレート40部とし、重合性単量体(I)及びヒ
ンダードアミン系化合物を含有させなかったこと以外は
実施例1と同様にして、塩化ビニル系樹脂エマルジョン
を得た。
【0054】(比較例2)
【0055】重合組成を塩化ビニル50部及び重合性単
量体(I)としての2−ヒドロキシ−3−フェノキシプ
ロピルアクリレート50部とし、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル及びヒンダードアミン系化合物を含有さ
せなかったこと以外は実施例1と同様にして、塩化ビニ
ル系樹脂エマルジョンを得た。
【0056】(比較例3)
【0057】重合組成を塩化ビニル85部、n−ブチル
アクリレート12部及び重合性単量体(I)としてのア
クリル酸3部とし、ヒンダードアミン系化合物を含有さ
せなかったこと以外は実施例1と同様にして、塩化ビニ
ル系樹脂エマルジョンを得た。
【0058】(比較例4)
【0059】重合組成を塩化ビニル25部、n−ブチル
アクリレート70部、重合性単量体(I)としての2−
アクリロイルオキシエチル琥珀酸5部、及び、ヒンダー
ドアミン系化合物(A)0.3部としたこと以外は実施
例1と同様にして、塩化ビニル系樹脂エマルジョンを得
た。
【0060】(比較例5)
【0061】重合組成を塩化ビニル55部、n−ブチル
アクリレート35部及び酢酸ビニル10部とし、重合性
単量体(I)及びヒンダードアミン系化合物を含有させ
なかったこと以外は実施例1と同様にして、塩化ビニル
系樹脂エマルジョンを得た。
【0062】実施例2〜4及び比較例1〜5で得られた
8種類の塩化ビニル系樹脂エマルジョンの各種性能を実
施例1と同様にして評価した結果は表1に示すとおりで
あった。
【0063】
【表1】
【0064】(実施例5)
【0065】重合組成を塩化ビニル64部、n−ブチル
アクリレート34部、重合性単量体(I)としてのアク
リル酸1部、重合性単量体(II)としてのビニルトリメ
トキシシラン1部、及び、ヒンダードアミン系化合物
(A)0.3部としたこと以外は実施例1と同様にし
て、塩化ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0066】(実施例6)
【0067】重合組成を塩化ビニル75部、2−エチル
ヘキシルアクリレート10部、重合性単量体(I)とし
ての2−アクリロイルオキシエチル琥珀酸12部、重合
性単量体(II) としてのビニルトリメトキシシラン3
部、及び、ヒンダードアミン系化合物(A)0.3部と
したこと以外は実施例1と同様にして、塩化ビニル系樹
脂エマルジョンを得た。
【0068】(実施例7)
【0069】重合組成を塩化ビニル60部、2−エチル
ヘキシルアクリレート20部、1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート5部、重合性単量体(I)としての2
−ヒドロキシプロピルアクリレート10部、重合性単量
体(II)としてのγ−アクリロイルオキシプロピルトリ
メトキシシラン5部、及び、ヒンダードアミン系化合物
(B)0.5部としたこと以外は実施例1と同様にし
て、塩化ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0070】(実施例8)
【0071】重合組成を塩化ビニル35部、n−ブチル
アクリレート52部、トリメチロールプロパントリアク
リレート3部、重合性単量体(I)としての2−アクリ
ロイルオキシエチル琥珀酸5部、重合性単量体(II)と
してのγ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン5部、及び、ヒンダードアミン系化合物(B)0.
5部としたこと以外は実施例1と同様にして、塩化ビニ
ル系樹脂エマルジョンを得た。
【0072】(実施例9)
【0073】重合組成を塩化ビニル52部、2−エチル
ヘキシルアクリレート30部、重合性単量体(I)とし
てのグリシジルメタクリレート10部、重合性単量体
(II)としてのγ−アクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシラン8部、及び、ヒンダードアミン系化合物
(B)1部としたこと以外は実施例1と同様にして、塩
化ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0074】(比較例6)
【0075】重合組成を塩化ビニル65部、2−エチル
ヘキシルアクリレート30部及び重合性単量体(II)と
してのγ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン5部とし、重合性単量体(I)及びヒンダードアミ
ン系化合物を含有させなかったこと以外は実施例1と同
様にして、塩化ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0076】(比較例7)
【0077】重合組成を塩化ビニル85部、n−ブチル
アクリレート10部、重合性単量体(I)としてのアク
リル酸4部及び重合性単量体(II)としてのビニルトリ
メトキシシラン1部とし、ヒンダードアミン系化合物を
含有させなかったこと以外は実施例1と同様にして、塩
化ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0078】(比較例8)
【0079】重合組成を塩化ビニル22部、n−ブチル
アクリレート70部、重合性単量体(I)としての2−
アクリロイルオキシエチル琥珀酸5部及び重合性単量体
(II)としてのビニルトリメトキシシラン3部とし、ヒ
ンダードアミン系化合物を含有させなかったこと以外は
実施例1と同様にして、塩化ビニル系樹脂エマルジョン
を得た。
【0080】実施例5〜9及び比較例6〜8で得られた
8種類の塩化ビニル系樹脂エマルジョンの各種性能を実
施例1と同様にして評価した結果は表2に示すとおりで
あった。
【0081】
【表2】
【0082】(実施例10)
【0083】重合組成を塩化ビニル61部、n−ブチル
アクリレート30部、重合性単量体(I)としてのアク
リル酸5部、重合性単量体(II)としてのビニルトリメ
トキシシラン1.5部、前記一般式(2)で示される反
応性界面活性剤(a)2.5部、及び、ヒンダードアミ
ン系化合物(A)0.3部としたこと以外は実施例1と
同様にして、塩化ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0084】(実施例11)
【0085】重合組成を塩化ビニル74部、2−エチル
ヘキシルアクリレート10部、重合性単量体(I)とし
ての2−アクリロイルオキシエチル琥珀酸10部、重合
性単量体(II)としてのビニルトリメトキシシラン3
部、前記一般式(3)で示される反応性界面活性剤
(b)3部、ヒンダードアミン系化合物(A)0.3
部、及び、通常の界面活性剤としてのドデシル硫酸ナト
リウム0.5部としたこと以外は実施例1と同様にし
て、塩化ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0086】(実施例12)
【0087】重合組成を塩化ビニル59部、2−エチル
ヘキシルアクリレート20部、1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート5部、重合性単量体(I)としての2
−ヒドロキシプロピルアクリレート8部、重合性単量体
(II)としてのγ−アクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシラン5部、前記一般式(4)で示される反応性
界面活性剤(c)2.5部、ヒンダードアミン系化合物
(B)0.5部、及び、通常の界面活性剤としてのポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム
(商品名「エマルゲン930」、花王社製)0.5部と
したこと以外は実施例1と同様にして、塩化ビニル系樹
脂エマルジョンを得た。
【0088】(実施例13)
【0089】重合組成を塩化ビニル35部、n−ブチル
アクリレート50部、トリメチロールプロパントリアク
リレート3部、重合性単量体(I)としての2−アクリ
ロイルオキシエチル琥珀酸5部、重合性単量体(II)と
してのγ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン5部、反応性界面活性剤(a)2部、及び、ヒンダ
ードアミン系化合物(B)0.5部としたこと以外は実
施例1と同様にして、塩化ビニル系樹脂エマルジョンを
得た。
【0090】(実施例14)
【0091】重合組成を塩化ビニル49部、2−エチル
ヘキシルアクリレート30部、重合性単量体(I)とし
てのグリシジルメタクリレート10部、重合性単量体
(II)としてのγ−アクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシラン8部、前記一般式(5)で示される反応性
界面活性剤(d)3部、及び、ヒンダードアミン系化合
物(B)0.5部としたこと以外は実施例1と同様にし
て、塩化ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0092】(比較例9)
【0093】重合組成を塩化ビニル60部、n−ブチル
アクリレート40部及びドデシル硫酸ナトリウム3部と
し、重合性単量体(I)、重合性単量体(II)、反応性
界面活性剤及びヒンダードアミン系化合物を含有させな
かったこと以外は実施例1と同様にして、塩化ビニル系
樹脂エマルジョンを得た。
【0094】(比較例10)
【0095】重合組成を塩化ビニル57.5部、n−ブ
チルアクリレート40部及び反応性界面活性剤(a)
2.5部とし、重合性単量体(I)、重合性単量体(I
I)及びヒンダードアミン系化合物を含有させなかった
こと以外は実施例1と同様にして、塩化ビニル系樹脂エ
マルジョンを得た。
【0096】(比較例11)
【0097】重合組成を塩化ビニル48部、重合性単量
体(I)としての2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロ
ピルアクリレート49.5部及び反応性界面活性剤
(a)2.5部とし、(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル、重合性単量体(II)及びヒンダードアミン系化合
物を含有させなかったこと以外は実施例1と同様にし
て、塩化ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0098】(比較例12)
【0099】重合組成を塩化ビニル64部、2−エチル
ヘキシルアクリレート28部、重合性単量体(I)とし
てのγ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン5部及び反応性界面活性剤(b)3部とし、重合性単
量体(I)及びヒンダードアミン系化合物を含有させな
かったこと以外は実施例1と同様にして、塩化ビニル系
樹脂エマルジョンを得た。
【0100】(比較例13)
【0101】重合組成を塩化ビニル21部、n−ブチル
アクリレート68.5部、重合性単量体(I)としての
2−アクリロイルオキシエチル琥珀酸5部、重合性単量
体(II)としてのビニルトリメトキシシラン3部及び反
応性界面活性剤(b)2.5部とし、ヒンダードアミン
系化合物を含有させなかったこと以外は実施例1と同様
にして、塩化ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0102】(比較例14)
【0103】重合組成を塩化ビニル53部、2−エチル
ヘキシルアクリレート40部、重合性単量体(I)とし
てのアクリル酸1部、反応性界面活性剤(a)3部、ヒ
ンダードアミン系化合物(A)0.3部及び酢酸ビニル
3部とし、重合性単量体(II)を含有させなかったこと
以外は実施例1と同様にして、塩化ビニル系樹脂エマル
ジョンを得た。
【0104】実施例10〜14及び比較例9〜14で得
られた11種類の塩化ビニル系樹脂エマルジョンの各種
性能を実施例1と同様にして評価した結果は表3に示す
とおりであった。
【0105】
【表3】
【0106】(実施例15)
【0107】重合組成を塩化ビニル65部、n−ブチル
アクリレート35部及びヒンダードアミン系化合物
(A)0.3部としたこと以外は実施例1と同様にし
て、塩化ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0108】(実施例16)
【0109】重合組成を塩化ビニル80部、2−エチル
ヘキシルアクリレート20部及びヒンダードアミン系化
合物(A)0.3部としたこと以外は実施例1と同様に
して、塩化ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0110】(実施例17)
【0111】重合組成を塩化ビニル60部、2−エチル
ヘキシルアクリレート35部、1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート5部及びヒンダードアミン系化合物
(B)0.5部としたこと以外は実施例1と同様にし
て、塩化ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0112】(実施例18)
【0113】重合組成を塩化ビニル32部、n−ブチル
アクリレート65部、トリメチロールプロパントリアク
リレート3部及びヒンダードアミン系化合物(B)0.
5部としたこと以外は実施例1と同様にして、塩化ビニ
ル系樹脂エマルジョンを得た。
【0114】(比較例15)
【0115】重合組成を塩化ビニル90部及びn−ブチ
ルアクリレート10部とし、ヒンダードアミン系化合物
を含有させなかったこと以外は実施例1と同様にして、
塩化ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0116】(比較例16)
【0117】重合組成を塩化ビニル25部、n−ブチル
アクリレート75部及びヒンダードアミン系化合物
(A)0.3部としたこと以外は実施例1と同様にし
て、塩化ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0118】実施例15〜18及び比較例15〜16で
得られた6種類の塩化ビニル系樹脂エマルジョンの各種
性能を実施例1と同様にして評価した結果は表4に示す
とおりであった。
【0119】
【表4】
【0120】
【発明の効果】以上述べたように、第1発明〜第4発明
による塩化ビニル系樹脂エマルジョンは、無機系建築用
壁材等に対する高い密着性を有すると共に、優れた造膜
性、耐エフロレッセンス性、耐水性、耐候性等を兼備す
るので、主として建築用の水性塗料の原料として好適に
用いられる。
【0121】又、第1発明〜第4発明による塩化ビニル
系樹脂エマルジョンを用いて製せられた水性塗料は、主
として無機系建築用壁材等の保護塗料やシーラー等とし
て好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08F 214/06 220:34)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル30〜80重量%、(メタ)
    アクリル酸アルキルエステル10〜60重量%、及び、
    カルボキシル基、ヒドロキシル基及びグリシジル基から
    なる群より選ばれる1種もしくは2種以上の官能基を有
    する重合性単量体1〜20重量%を含有する重合性単量
    体混合物と、該重合性単量体混合物と共重合可能な下記
    一般式(1)で示されるヒンダードアミン系化合物0.
    01〜5重量%とが乳化共重合されていることを特徴と
    する塩化ビニル系樹脂エマルジョン。 【化1】 式(1) (式中、R1 及びR2 は水素原子又はメチル基を表す)
  2. 【請求項2】 塩化ビニル30〜80重量%、(メタ)
    アクリル酸アルキルエステル10〜60重量%、カルボ
    キシル基、ヒドロキシル基及びグリシジル基からなる群
    より選ばれる1種もしくは2種以上の官能基を有する重
    合性単量体1〜20重量%、及び、アルコキシシリル基
    を有する重合性単量体0.1〜10重量%を含有する重
    合性単量体混合物と、該重合性単量体混合物と共重合可
    能な請求項1記載のヒンダードアミン系化合物0.01
    〜5重量%とが乳化共重合されていることを特徴とする
    塩化ビニル系樹脂エマルジョン。
  3. 【請求項3】 塩化ビニル30〜80重量%、(メタ)
    アクリル酸アルキルエステル10〜60重量%、カルボ
    キシル基、ヒドロキシル基及びグリシジル基からなる群
    より選ばれる1種もしくは2種以上の官能基を有する重
    合性単量体1〜20重量%、及び、アルコキシシリル基
    を有する重合性単量体0.1〜10重量%を含有する重
    合性単量体混合物と、該重合性単量体混合物と共重合可
    能な反応性界面活性剤0.01〜10重量%及び該重合
    性単量体混合物と共重合可能な請求項1記載のヒンダー
    ドアミン系化合物0.01〜5重量%とが乳化共重合さ
    れていることを特徴とする塩化ビニル系樹脂エマルジョ
    ン。
  4. 【請求項4】 塩化ビニル30〜80重量%及び(メ
    タ)アクリル酸アルキルエステル20〜70重量%を含
    有する重合性単量体混合物と、該重合性単量体混合物と
    共重合可能な請求項1記載のヒンダードアミン系化合物
    0.01〜5重量%とが乳化共重合されていることを特
    徴とする塩化ビニル系樹脂エマルジョン。
JP242295A 1995-01-11 1995-01-11 塩化ビニル系樹脂エマルジョン Pending JPH08188694A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP242295A JPH08188694A (ja) 1995-01-11 1995-01-11 塩化ビニル系樹脂エマルジョン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP242295A JPH08188694A (ja) 1995-01-11 1995-01-11 塩化ビニル系樹脂エマルジョン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08188694A true JPH08188694A (ja) 1996-07-23

Family

ID=11528822

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP242295A Pending JPH08188694A (ja) 1995-01-11 1995-01-11 塩化ビニル系樹脂エマルジョン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08188694A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000327733A (ja) * 1999-05-17 2000-11-28 Kuraray Co Ltd 複合樹脂エマルジヨン
JP2001213060A (ja) * 2000-02-01 2001-08-07 Uchu Kankyo Kogaku Kenkyusho:Kk 印刷物保護被膜組成物およびこれを用いた印刷物保護シート並びに印刷表面の保護方法
WO2006126680A1 (ja) * 2005-05-26 2006-11-30 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. 水性樹脂組成物及びそれを用いた水性塗料用耐候性向上材、熱可塑性樹脂用耐候性向上材、溶剤系塗料用耐候性向上材
JP2008127523A (ja) * 2006-11-24 2008-06-05 Mitsubishi Rayon Co Ltd 熱可塑性樹脂、該熱可塑性樹脂を含むポリ塩化ビニル樹脂用安定剤、及び改質されたポリ塩化ビニル樹脂
US7514487B2 (en) 2002-12-19 2009-04-07 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Polychloroprene latex, process for the production thereof and aqueous adhesive compositions
JP2011012216A (ja) * 2009-07-03 2011-01-20 Toagosei Co Ltd エマルション組成物
JP2012036336A (ja) * 2010-08-10 2012-02-23 Nippon Shokubai Co Ltd 重合体微粒子および導電性微粒子
CN102942753A (zh) * 2012-12-05 2013-02-27 中国科学院长春应用化学研究所 一种改性聚氯乙烯的制备方法
US10829505B2 (en) 2016-04-20 2020-11-10 Dow Silicones Corporation Lithium alkylsiliconate composition, coating, and method of making same

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000327733A (ja) * 1999-05-17 2000-11-28 Kuraray Co Ltd 複合樹脂エマルジヨン
JP2001213060A (ja) * 2000-02-01 2001-08-07 Uchu Kankyo Kogaku Kenkyusho:Kk 印刷物保護被膜組成物およびこれを用いた印刷物保護シート並びに印刷表面の保護方法
US7514487B2 (en) 2002-12-19 2009-04-07 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Polychloroprene latex, process for the production thereof and aqueous adhesive compositions
WO2006126680A1 (ja) * 2005-05-26 2006-11-30 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. 水性樹脂組成物及びそれを用いた水性塗料用耐候性向上材、熱可塑性樹脂用耐候性向上材、溶剤系塗料用耐候性向上材
US7935772B2 (en) 2005-05-26 2011-05-03 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Water-based resin composition, weather resistance improver for water-based paint using the same, weather resistance improver for thermoplastic resin, and weather resistance improver for solvent-based paint
JP2008127523A (ja) * 2006-11-24 2008-06-05 Mitsubishi Rayon Co Ltd 熱可塑性樹脂、該熱可塑性樹脂を含むポリ塩化ビニル樹脂用安定剤、及び改質されたポリ塩化ビニル樹脂
JP2011012216A (ja) * 2009-07-03 2011-01-20 Toagosei Co Ltd エマルション組成物
JP2012036336A (ja) * 2010-08-10 2012-02-23 Nippon Shokubai Co Ltd 重合体微粒子および導電性微粒子
CN102942753A (zh) * 2012-12-05 2013-02-27 中国科学院长春应用化学研究所 一种改性聚氯乙烯的制备方法
CN102942753B (zh) * 2012-12-05 2014-12-10 中国科学院长春应用化学研究所 一种改性聚氯乙烯的制备方法
US10829505B2 (en) 2016-04-20 2020-11-10 Dow Silicones Corporation Lithium alkylsiliconate composition, coating, and method of making same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3297764B2 (ja) 常温硬化性組成物
JPWO2016163434A1 (ja) プライマー組成物及びその製造方法
JPH08188694A (ja) 塩化ビニル系樹脂エマルジョン
JP2647293B2 (ja) 接着性および経時安定性の良好なシリル基含有共重合体のエマルジョン組成物からなる接着向上剤
JPH08104846A (ja) 水性塗料用硬化性樹脂組成物
JPH10231325A (ja) アクリル系重合体およびそれを含む樹脂組成物
US20070187034A1 (en) Radically polymerizable mass with improved adhesion to mineral bases and use thereof as an adhesive and sealing mass
JP3375699B2 (ja) 無機板用プライマー組成物
JPH0859939A (ja) 塩化ビニル系樹脂エマルジョン
EP0604851A1 (en) Alkoxysilane functionalized acrylic polymer composition
JPS6128543A (ja) 樹脂組成物
JPH1046099A (ja) 低汚染型単層弾性塗料用エマルジョン
JP2005029685A (ja) 軟質下地保護用水性被覆材
JPH1180651A (ja) 水性塗料組成物及びこれを用いた防水塗膜の形成方法
JP3429524B2 (ja) 水性シリコーン変性樹脂及び水性塗料
JP2646305B2 (ja) 接着剤用ベースエマルジョン
JPH11199825A (ja) 水性シーラー組成物
JP3125061B2 (ja) 常温硬化性組成物
JP2626940B2 (ja) 水性トップコート剤
JP2003327853A (ja) 硬化性組成物
JP3445731B2 (ja) 浸透性防水用組成物およびそれを塗布してなる防水性構造物
JP2005179559A (ja) シーリング材組成物
JP3295484B2 (ja) 水性被覆組成物
JP2005105041A (ja) エポキシ基を有する重合体を含有するシーリング材組成物
JP3771593B2 (ja) 塗料用樹脂組成物及び塗料